(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006293
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】シフタ及び検体搬送システム
(51)【国際特許分類】
G01N 35/04 20060101AFI20230111BHJP
G01N 35/02 20060101ALI20230111BHJP
B65G 47/46 20060101ALI20230111BHJP
B65G 47/52 20060101ALI20230111BHJP
B65G 47/68 20060101ALN20230111BHJP
【FI】
G01N35/04 H
G01N35/02 C
B65G47/46 B
B65G47/52 101B
B65G47/68 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108823
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】592053778
【氏名又は名称】株式会社日本設計工業
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】弁理士法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】栗原 弘明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓哉
【テーマコード(参考)】
2G058
3F015
3F044
3F070
【Fターム(参考)】
2G058CB08
2G058CB15
2G058CB20
2G058GC02
2G058GC06
3F015AA08
3F015AA24
3F015FA02
3F015GA01
3F044AA07
3F044AB04
3F044CE02
3F070AA07
3F070BA03
3F070BB03
3F070BB08
3F070BD01
3F070EA08
3F070EA10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】最少限の読取装置で、ラック識別指標を読取りラックを対応する搬送ライン又は検査ラインに送り出すことができるシフタ及び検体搬送システムの提供。
【解決手段】検体搬送システム10は、各々複数の検体を保持し、且つ、ラック識別指標が設けられたラックを複数の検査機15に沿って搬送するための搬送ライン22及び検査ライン23を含む搬送装置20と、各検査機15のラック搬送方向上流側に設けられた読取装置40を備えて、搬送されるラックを受け入れラック識別指標に対応して搬送ライン22と検査ライン23のいずれかに送り出す第1~第3シフタ31A~31Cと、ラック識別指標に基いて、当該シフタ31A、31B又は31Cに、搬送ライン22又は検査ライン23にラックを送り出す指示を出力する制御装置と、搬送ライン22にラックを送り出すラック供給部24、検査を終了したラックを回収するラック回収部25と、を有してなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体を保持し、各々にラック識別指標が設けられた複数のラックをラック長さ方向に搬送するための搬送ラインの途中に設けられ、送られてくるラックを受け取って、前記搬送ライン又はこれと交叉してもしくは平行に配置された分岐ラインに送り出し可能とされたシフタであって、
受け取られた前記ラックの前記ラック識別指標を読み取る読取装置を備え、読み取ったラック識別指標に基づき、受け取った前記ラックを、前記搬送ライン、又は、前記分岐ラインに送り出すようにされたことを特徴とするシフタ。
【請求項2】
各々にラック識別指標が設けられ、且つ、検体を保持する複数のラックを、ラック長さ方向に搬送するための搬送ライン、及び、この搬送ラインから分岐して、検体分析用の複数の検査機に接近する位置に、前記ラックを搬送する検査ラインを含む搬送装置と、
前記搬送ライン上における前記検査ラインへ分岐する位置に設けられ、且つ、前記ラックのラック識別指標を読み取る読取装置を備え、搬送されてくる前記ラックを、前記搬送ライン及び前記検査ラインのいずれかに送り出し可能とされた複数のシフタと、
前記読取装置が読み取ったラック識別指標の情報に基いて、当該シフタに、前記搬送ライン又は検査ラインのいずれに送り出すかの指示信号を出力する制御装置と、
前記搬送ラインに検体を保持したラックを送り出すラック供給部、及び、分析を終了したラックを回収するラック回収部と、
を有してなる検体搬送システム。
【請求項3】
請求項2において、
前記搬送ラインは、前記検査機の各々にのライン方向の幅と同一長さの搬送ラインモジュール、及び、この搬送ラインモジュールの、ラック搬送方向上流側に隣接する同一長さの前記シフタをラック搬送方向に交互に複数組配置して構成されたことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項4】
請求項3において、
前記検査ラインは、前記搬送ラインモジュールと同一の搬送方向長さの複数の検査ラインモジュールから構成され、各検査ラインモジュールのラック搬送方向上流側には、前記シフタが前記搬送ラインから移動するためであって、前記シフタと同一の搬送方向長さのシフトスペースが設けられていることを特徴とする検体搬送システム。
【請求項5】
請求項3において、
前記検査ラインは、前記搬送ラインモジュールと同一の搬送方向長さの複数の検査ラインモジュールから構成され、前記複数の検査機のうち一部の検査機であって、ラック搬送方向に隣接する上流側検査機及び下流側検査機に臨む上流側検査ラインモジュールと下流側検査ラインモジュール及び、上流側搬送ラインモジュールと下流側搬送ラインモジュールが、各々ラック搬送方向に接続されて、前記下流側検査ラインモジュール以外の検査ラインモジュールのラック搬送方向上流側には、前記シフタが前記搬送ラインから移動するためのシフトスペースが設けられたことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項6】
請求項3乃至5のいずれかにおいて、
1基の前記検査機に対応する前記検査ラインモジュール、前記搬送ラインモジュール、前記シフタおよびこれに取付けられた前記読取装置の各1つを1組として搬送装置ユニットを構成し、ラック供給部とラック回収部との間に複数の搬送装置ユニットを、取替え、追加、又は、削減自在に配置して構成したことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれかにおいて、
前記ラック搬送方向の終端側の前記搬送ライン及び前記検査ラインのラック送出端に選択的に接続可能で、且つ、受け入れたラックを全て前記ラック回収部に導くように構成されたエンドシフタを設けたことを特徴とする検体搬送システム。
【請求項8】
請求項2乃至7のいずれかにおいて、
前記シフタは、前記搬送ラインから、前記検査機により検査すべき前記ラックを受け入れたとき、該ラックを前記検査ラインにのみ送り出し、前記シフタのラック搬送方向下流側のシフタは、前記検査機から送り出された前記ラックを受け入れ、前記搬送ラインに戻すように構成されたことを特徴とする検体搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の検体を保持し、各々にラック識別指標が設けられた複数のラックを、ラック長さ方向に搬送するための搬送ラインで送られてくるラックを受け取って、搬送ライン又はこれと交叉してもしくは平行に配置された検査ラインに送り出し可能とされたシフタ、このシフタを用いて、複数の検体を載置したラックを、複数の検査機に対して送り出し、且つ、検査を終了したラックを回収する検体搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ラックの誤搬送を回避して、試薬や検体の無駄と検査時間の無駄を回避することが可能な多ユニット分析装置とそのラック搬送制御方法が開示されている。
【0003】
この多ユニット分析装置は、ラック供給部(ストッカ部)でラックの識別指標を読み取る読取装置と、分析ユニット毎に設けられた別の読取装置を有し、先の読取装置で読み取った情報と分析ユニットの読取装置で読み取った情報とを比較して、分析ユニットに正しくラックが搬送されているか否かを確認し、否の場合は、ラックチェンジャによりラックを搬送ラインから追越ライン又は戻しラインへ移すように構成されている。
【0004】
追越ライン、搬送ライン、戻しラインは、分析ユニットから、この順で遠くなるように配置されている。
【0005】
上記分析ユニット毎の読取装置は、分析ユニットに固定されたバーコードリーダであって、搬送ライン上のラック識別指標を、追越ラインを跨いで、長い測定距離で読み取るように設けられている。
【0006】
したがって、特許文献1記載の発明では、読取装置は、追越ラインを跨がない短い測定距離の場合と比較して、読取りミスが生じやすく、また2回の読取りのため2個の読取装置が必要となり、システムのコストを増大させるという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、ラック搬送ラインから検査ラインにラックをシフトするシフタに設けた読取装置のみで、短い測定距離でラック識別指標をミス少なく読取ることができるようにしたシフタ、及び、検体搬送システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、検体を保持し、各々にラック識別指標が設けられた複数のラックをラック長さ方向に搬送するための搬送ラインの途中に設けられ、送られてくるラックを受け取って、前記搬送ライン又はこれと交叉してもしくは平行に配置された分岐ラインに送り出し可能とされたシフタであって、受け取られた前記ラックの前記ラック識別指標を読み取る読取装置を備え、読み取ったラック識別指標に基づき、受け取った前記ラックを、前記搬送ライン、又は、前記分岐ラインに送り出すようにされたことを特徴とするシフタにより、上記課題を解決するものである。
【0010】
この発明は、又、各々にラック識別指標が設けられ、且つ、検体を保持する複数のラックを、ラック長さ方向に搬送するための搬送ライン、及び、この搬送ラインから分岐して、検体分析用の複数の検査機に接近する位置に、前記ラックを搬送する検査ラインを含む搬送装置と、前記搬送ライン上における前記検査ラインへ分岐する位置に設けられ、且つ、前記ラックのラック識別指標を読み取る読取装置を備え、搬送されてくる前記ラックを、前記搬送ライン及び前記検査ラインのいずれかに送り出し可能とされた複数のシフタと、前記読取装置が読み取ったラック識別指標の情報に基いて、当該シフタに、前記搬送ライン又は検査ラインのいずれに送り出すかの指示信号を出力する制御装置と、前記搬送ラインに検体を保持したラックを送り出すラック供給部、及び、分析を終了したラックを回収するラック回収部と、を有してなる検体搬送システムにより、同様に上記課題を解決するものである。
【0011】
ここで、前記ラック識別指標はバーコード又は2次元バーコードからなり、前記読取装置は、バーコードリーダ(BCR)あるいは2次元コードリーダーから構成される。
【発明の効果】
【0012】
この発明は、検体を搬送するためのラックを、搬送ラインの分岐点から検査ラインに、又は検査ラインから搬送ラインにシフトするためのシフタに、ラック識別指標読取用の読取装置を設け、読取装置とシフタとが一体で動き、シフタ上のラックのラック識別指標を近距離から読取るので読取ミスが大幅に低減され、且つ、ラック識別指標を1回の読取操作で識別することができるので読取装置の数の低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施例1に係る検体搬送システムを模式的に示す平面図
【
図2A】ラック、ラックに載置する検体、及び、ラック識別指標の第1形態を示す斜視図
【
図3】本発明の実施例1に係る検体搬送システムの全体を示す斜視図
【
図4】同実施例1におけるシフタ及びこれに設けられた読取装置の部分を示す拡大斜視図
【
図5】読取装置の他の読取り姿勢の態様を示す拡大斜視図
【
図6】同実施例1における制御系及びこの制御系と、搬送装置との関係を示すブロック図
【
図7】本発明の実施例1に係る検体搬送システムによる搬送過程を示すフローチャート
【
図8】本発明の実施例2に係る検体搬送システムを模式的に示す平面図
【
図9】本発明の実施例3に係る検体搬送システムを模式的に示す平面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施例1]
図1、
図3に示されるように、本発明の実施例1に係る検体搬送システム10は、各々複数の検体13を保持すると共に、ラック識別指標14が設けられたラック12(
図2A~2C参照)を搬送するための搬送ライン22、及び、この搬送ライン22から横方向に送出されたラック12を搬送する検査ライン(分岐ライン)23を含む搬送装置20と、読取装置40を備えた第1シフタ~第3シフタ31A~31Cと、制御装置50(詳細後述)と、ラック供給部24、及び、ラック回収部25と、を有して構成されている。読取装置40は、バーコードリーダである第1BCR41A~第3BCR41Cから構成されている。
【0015】
検査ライン23は、検体分析用の第1~第3検査機15A、15B、15Cに沿ってラック12を搬送し、検体13は、ラック12が対応する検査機15A、15B又は15Cに接近して検査ポイント16A、16B、又は16Cで停止したときにラック12に保持された状態で分析される。
【0016】
なお、第1~第3検査機15A~15Cを総称する場合は検査機15とし、また、第1シフタ31A~第3シフタ31Cを総称する場合はシフタ30とする。
【0017】
第1~第3シフタ31A~31Cは、それぞれ、第1~第3検査機15A~15Cの各々の、ラック搬送方向上流側に設けられ、且つ、搬送されてくるラック12を受け入れるシフタコンベア30Aを備え、このシフタコンベア30Aをラック搬送方向下流側位置で、横方向に移動しないで又は移動して、搬送ライン22及び検査ライン23のいずれかに整列させてラック12を送り出すように構成されている。
【0018】
第1BCR41A~第3BCR41Cは、上流側から搬送されてきて第1~第3シフタ31A~31Cの各々に受入れられたラック12のラック識別指標14を読み取るようにされている。
【0019】
図2Aに示されるように、ラック12の進行方向の後端面に設けられたラック識別指標14Aを読取る場合は、
図4に示されるように、高さ方向に長いバーコード列と平行(上下方向)に長く読取ビームが照射されるようにするべく、読取ビームの出射面が上下方向に長く、且つ、ラック12の側面に対して45°の角度をなすように読取装置40を取付ける。なお、読取りは、ラック12の前端が、シフタ30の搬送方向下流側端に到達して停止したときに実行される。
【0020】
また、
図2B又は
図2Cに示されるような、ラック12の進行方向と平行な側面に設けられたラック識別指標14Bを読取る場合は、
図5に示されるように、読取装置40の読取ビームが、シフタコンベア30A上のラック12の側面をバーコード列の方向に長く照射する姿勢及び高さでシフタ30の上面に取付けられる。
【0021】
制御装置50は、読取装置40が読み取ったラック識別指標14の情報に基づいて、当該シフタ30に、搬送ライン22又は検査ライン23のいずれかに整列させるための指示を出力するように構成されている(詳細後述)。
【0022】
ラック供給部24は、検体を保持したラック12を、搬送ライン22に、制御装置50からの指示によって送り出すように構成され、また、ラック回収部25は、分析を終了したラック12を回収するように構成されている。
図1、
図3の符号24Aは、ラック12をラック供給部24に搭載するためのラック移載装置を示す。
【0023】
制御装置50の詳細について説明する。制御装置50は、
図6に示されるように、検査機制御部52と、搬送制御部54と、記憶部56とを備えて構成されている。
【0024】
検査機制御部52は、第1検査機15A~第3検査機15Cとの間で信号をやり取りするものであり、これら第1検査機15A~第3検査機15Cは、検査機制御部52からの信号によって、検体13の検査を実行するようにされている。
【0025】
図6の符号60は入出力装置を示し、制御装置50への入力手段、例えば、キーボードや、アウトプットを表示するディスプレイや、プリンターを示す。
【0026】
搬送制御部54は、ラック供給部24、搬送ライン22、検査ライン23、ラック回収部25、第1~第3シフタ31A~31C及びエンドシフタ32に制御信号を出力するようにされ、且つ、第1~第3シフタ31A~31Cの各々に設けられた第1~第3BCR41A~41Cからの読取信号を受け取ることができるようにされている。
【0027】
ここで、読取装置40は、バーコードからなるラック識別指標14、14A、14Bを読み取るようにされているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ラック識別指標を二次元的な識別指標、例えばQRコード(登録商標)として、これを読み取ることができるようにしても良い。
【0028】
本実施例においては、搬送ライン22及び検査ライン23が、モジュール化されていて、搬送ラインモジュール、検査ラインモジュール、読取装置付きシフタの一つずつを一組として、搬送装置ユニットを構成し、1搬送ユニット毎にラインへの追加、削減、取り替え自在とされている。
【0029】
詳細には、搬送ライン22は、第1~第3検査機15A~15Cの各々に臨むライン方向長さが同一の第1~第3搬送ラインモジュール22A、22B、22Cと、これらの第1~第3搬送ラインモジュール22A~22Cのラック搬送方向上流側に隣接する第1~第3シフタ31A~31Cとを、ラック搬送方向に交互に配置して構成されている。
【0030】
また、検査ライン23は、搬送ライン22と平行に、且つ、第1~第3検査機15A~15Cと搬送ラインモジュール22A~22Cとの間の位置に配置された、これと同一の搬送方向長さの複数の検査ラインモジュール23A~23Cから構成されている。
【0031】
図1の符号16A、16B、16Cは、各検査ラインモジュール23A~23Cの各々の中心に設定された検査ポイントを示す。各検査ラインモジュール23A~23C上で、ラック12の中心が検査ポイント16A、16B、16Cに重なったとき、検査機制御部52からの検査機15への指示信号により検査が開始されるように構成されている。
【0032】
各検査ラインモジュール23A~23Cのラック搬送方向上流側には、第1シフタ31A~第3シフタ31Cが、搬送ライン22から移動するためのシフトスペース33A~33Cが設けられている。
【0033】
又、
図1に示されるように、第3検査機15Cに隣接する検査ラインモジュール23Cの出側には、エンドシフタ32が配置されている。このエンドシフタ32は、常態では、検査ラインモジュール23Cから送り出されてくるラック12を、そのままラック回収部25に送り、且つ、第3検査機15Cからラック12が送り出されるときは、検査ラインモジュール23C側にシフトされ、送り出されてくるラック12を受取って、更に搬送ラインモジュール22C側にシフトして、ラック回収部25に回収できるようにされている。
【0034】
なお、1検査ロット内におけるラック12の、検査ラインモジュール23Cでの通過数が、搬送ラインモジュール22Cでの通過数より多い場合は、ラック回収部25を検査ラインモジュール23Cに整列させて、且つ、エンドシフタ32を常態で検査ラインモジュール23C側にシフトさせるようにしてもよい。
【0035】
なお、本実施例において、ラック12に設けられるラック識別指標14は、
図2Aのように、ラック12の搬送方向後端面に取付けたラック識別指標14A、
図2Bに示されるラック12の、検査機側の側面に設けたラック識別指標14B、あるいは、
図2Cに示されるように、ラック12の後端面と側面のラック識別指標14A、14Bを設けるようにしてもよい。ラック識別指標14は、ラック識別指標14A及び/又はラック識別指標14Bの総称とする。
【0036】
次に、
図7(フローチャート)を参照して、上記実施例に係る検体搬送システム10において、ラック12を搬送する過程について説明する。
【0037】
まず、ステップS101においては、ラック12の送り出しを、搬送制御部54からラック供給部24に指示し、次のステップS102に進む。ステップS102では、送出コンベア23Dから、搬送ライン22上を、第1シフタ31Aに向けて搬送を開始する。
【0038】
ステップS103において、ラック12が第1シフタ31Aに搬送されると、次のステップS104において、第1シフタ31A上の第1BCR41Aにより、ラック情報(ラック識別指標)の読取を行い、ステップS105に進む。
【0039】
ステップS105では、搬送制御部54において、読み取ったラック情報を分析して、第1検査機15Aの検査があるか否かを判定し、判定結果がNoであれば、ステップS106に進み、Yesであれば、ステップS107に進み、第1検査ルーチンに入る。
【0040】
第1検査ルーチンでは、ステップS107において、第1シフタ31Aにより、ラックを搬送ライン22から検査ライン23にシフトして、ラックを第1検査機15Aの検査ラインモジュール23Aに送り出す。
【0041】
次のステップS108では、搬送制御部54において、ラックの検査ポイント16Aへの到着を確認し、次のステップS109において、検査機制御部52から第1検査機15Aに検査開始を指示する。
【0042】
ステップS110において検査終了し、ステップS111に戻る。
【0043】
ステップS111では、ラック12を、第2シフタ31Bに搬送し、ステップS112では、第2シフタ31B上の第2BCR41Bで、ラック情報の読み取りを実行する。
【0044】
次のステップS113においては、搬送制御部54において、第2BCR41Bが読み取った情報に基づいて、当該ラック12が、第2検査機15Bにおける検査があるか否かを判定し、判定結果がNoであれば、次のステップS114に進む。
【0045】
判定結果がYesであれば、第2検査ルーチンに進み、前記第1検査ルーチンのステップS107~S110と同様の、ステップS115~ステップS118の作業を実行して、ステップS119に戻る。ステップS115~ステップS118は、前記第1検査ルーチンのステップS107~S110と同様であるので説明を省略する。
【0046】
ステップS119では、第3シフタ31Cにラックを搬送し、ステップS120に進む。ステップS120では、第3シフタ31C上の第3BCR41Cでラック情報の読み取りを実行し、ステップS121に進む。
【0047】
ステップS121では、搬送制御部54が第3BCR41Cで読み取った情報に基づいて、当該ラック12について、第3検査機15Cでの検査があるか否かを判定し、判定結果がNoであれば、ステップS122に進む。
【0048】
判定結果がYesであれば、第3検査ルーチンに進み、ステップS123~ステップS126の作業を実行して、ステップS127に進む。ステップS123~ステップS126は、第1検査ルーチンにおけるステップS107~ステップS110と同様であるので説明を省略する。
【0049】
ステップS122では、搬送ライン22の搬送コンベアにラックを搬送し、次のステップS127において、エンドシフタ32にラック12が到達する。
【0050】
エンドシフタ32は、搬送ラインから送り出されてくるラックを検査ライン23にシフトし、また、第3検査ルーチンを経たラックは、そのまま定位置のエンドシフタ32を通って、ステップS128に進み、ラック回収部25のラックストッカにおいて、ラックを回収し終了する。
【0051】
上記のラックを搬送する過程は、搬送ラインを走行する各々にラック識別指標を備える複数のラックを、前記搬送ラインの途中に配置され、前記ラック識別指標を読み取る読取装置を備えるシフタにより、前記搬送ライン又は前記搬送ラインから分岐する検査ラインに仕分するラック仕分方法の実施例でもあり、この方法の主題は、前記搬送ラインにより前記ラックを前記シフタに搬送する搬送ステップと、前記シフタに搬送された前記ラックが備えるラック識別指標を、前記シフタに設けられた前記読取装置により読み取る読取ステップと、前記読取ステップにより読み取ったラック識別指標の情報に基いて前記当該シフタに、前記搬送ライン又は検査ラインのいずれに送り出すかの指示信号を出力する制御ステップと、前記シフタにより前記ラックを前記搬送ライン又は検査ラインに仕分する仕分ステップと、を含むことを特徴とするラック仕分方法である。
【0052】
[実施例2]
上記実施例1においては、第1~第3検査機15A~15Cが直線状に配置されているが、本発明はこれに限定されるものでなく、例えば
図8に示される実施例2のように、検査機15の配置、設置スペースの形状等に対応して、第1検査機15Aと第2検査機15Bとの間で搬送ライン22及び検査ライン23を直角に屈曲させるような構成であってもよい。
【0053】
この場合、これら搬送ライン22及び検査ライン23の途中にコンベアの搬送方向を90°転換可能とされた旋回型コンベア26及び27を、その前側に、入側コンベア26A、27A及び後側に出側コンベア26B、27Bを各々設ける。これらは、それぞれ搬送ラインモジュール22A、検査ラインモジュール23Aを兼ねている。
【0054】
なお、実施例1において、1基の検査機15に対応する検査ラインモジュール23A、23B、23C、搬送ラインモジュール22A、22B、22C、シフタ30およびこれに取付けられた読取装置40の各1つを1組として搬送装置ユニット21A、21B、21Cを構成し、ラック供給部24とラック回収部25との間に複数の搬送装置ユニット21A、21B、21Cを、取替え、追加、又は、削減自在に配置して構成する。
【0055】
また、この実施例2及び次の実施例3において、上記実施例1におけると同一の部分には
図1での符号を用いて説明を省略する。
【0056】
[実施例3]
実施例1においては、第1~第2検査機15A、15Bの間、及び第2~第3検査機15B、15Cの間に、それぞれシフトスペース33A、33Bが設けられているが、これは例えば
図9に示される実施例3のように、第1検査機15Aによる検査を終了した後のラック12が必ず第2検査機15Bによる検査がある場合等に、シフトスペース及びシフタを設けることなく2つの検査機15A、15Bの検査ラインを直結してもよい。
【符号の説明】
【0057】
10…検体搬送システム
12…ラック
13…検体
14、14A、14B…ラック識別指標
15…検査機
15A…第1検査機
15B…第2検査機
15C…第3検査機
16A~16C…検査ポイント
20…搬送装置
21A、21B、21C…搬送装置ユニット
22…搬送ライン
22A、22B、22C…搬送ラインモジュール
23…検査ライン(分岐ライン)
23A、23B、23C…検査ラインモジュール
23D…送出コンベア
24…ラック供給部
24A…ラック移載装置
25…ラック回収部
26、27…旋回型コンベア
26A、27A…入側コンベア
26B、27B…出側コンベア
30…シフタ
30A…シフタコンベア
31A…第1シフタ
31B…第2シフタ
31C…第3シフタ
32…エンドシフタ
33A~33C…シフトスペース
40…読取装置
41A…第1BCR
41B…第2BCR
41C…第3BCR
50…制御装置
52…検査機制御部
54…搬送制御部
56…記憶部
60…入出力装置