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特開2023-62955機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023062955
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/11 20060101AFI20230427BHJP
   A61B 5/16 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
A61B5/11
A61B5/16 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173166
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(72)【発明者】
【氏名】杉本 真弓
(72)【発明者】
【氏名】物井 則幸
(72)【発明者】
【氏名】内山 千代子
(72)【発明者】
【氏名】岩井 崇郎
(72)【発明者】
【氏名】青野 恵
(72)【発明者】
【氏名】景山 元裕
(72)【発明者】
【氏名】後藤 博
(72)【発明者】
【氏名】松平 浩
(72)【発明者】
【氏名】村尾 勤
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 秀徳
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VB05
4C038VB35
(57)【要約】
【課題】体操等の運動を実施するユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援すること。
【解決手段】機能推定装置は、口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得するデータ取得部と、前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成する推定部と、前記推定結果データを出力するデータ出力部と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得するデータ取得部と、
前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成する推定部と、
前記推定結果データを出力するデータ出力部と、
を備える機能推定装置。
【請求項2】
前記運動の内容を示す運動内容データを出力する提示部を更に備える、
請求項1に記載の機能推定装置。
【請求項3】
前記推定部は、前記ユーザの認知機能を前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価に基づいて推定する、
請求項1又は請求項2に記載の機能推定装置。
【請求項4】
前記データ取得部は、前記ユーザの睡眠に関する第三動作を行う前記運動を実施した前記ユーザの前記第三動作に関する評価を示す前記評価データを取得し、
前記推定部は、前記ユーザの自律神経の活動を前記第三動作に関する評価に基づいて推定する前記処理を実行する、
請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の機能推定装置。
【請求項5】
口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得するデータ取得機能と、
前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成する推定機能と、
前記推定結果データを出力するデータ出力機能と、
をコンピュータに実現させる機能推定プログラム。
【請求項6】
口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得し、
前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成し、
前記推定結果データを出力する、
機能推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本を含む先進国において高齢化が進んでおり、健康寿命を延伸させる取り組みの重要性が高まっている。このような背景を踏まえ、ユーザの健康寿命の延伸に寄与する技術として、例えば、特許文献1に開示されている健康寿命の評価方法が挙げられる。
【0003】
この健康寿命の評価方法は、身体機能、記憶、気持ちや気分、介護予防点数、健康感、運動に対する自信、から選択した2以上の評価項目の各々に関して、同一スケールによるスコア化を実施し、その総合的評価により、健康寿命の延伸効果を評価するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-174715号公報
【0005】
しかしながら、上述した健康寿命の評価方法は、上述した体操等の運動を構成している動作を評価し、ユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援するものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明者らは、健康寿命を延伸させる取り組みの一つとして、口腔と異なる身体の部位を動かす動作と、口腔を動かす動作とを同時に行う体操等の運動をユーザに実施してもらう活動を開発している。このような体操等の運動は、ユーザの運動機能、口腔機能、認知機能及び睡眠の質を維持又は向上させる効果を奏する。
【0007】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、体操等の運動を実施するユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援することができる機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得するデータ取得部と、前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成する推定部と、前記推定結果データを出力するデータ出力部と、を備える機能推定装置である。
【0009】
また、上述した機能推定装置は、前記運動の内容を示す運動内容データを出力する提示部を更に備えていてもよい。
【0010】
また、上述した機能推定装置において、前記推定部が、前記ユーザの認知機能を前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価に基づいて推定してもよい。
【0011】
また、上述した機能推定装置において、前記データ取得部が、前記ユーザの睡眠に関する第三動作を行う前記運動を実施した前記ユーザの前記第三動作に関する評価を示す前記評価データを取得し、前記推定部が、前記ユーザの自律神経の活動を前記第三動作に関する評価に基づいて推定する前記処理を実行してもよい。
【0012】
本発明の一態様は、口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得するデータ取得機能と、前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成する推定機能と、前記推定結果データを出力するデータ出力機能と、をコンピュータに実現させる機能推定プログラムである。
【0013】
本発明の一態様は、口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの前記第一動作に関する評価及び前記第二動作に関する評価を示す評価データを取得し、前記ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を前記第一動作に関する評価に基づいて推定し、前記ユーザの口腔機能を前記第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、前記処理の結果を示す推定結果データを生成し、前記推定結果データを出力する、機能推定方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、体操等の運動を実施するユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援することができる機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施形態に係る機能推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る機能推定装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る推定結果データにより示されるレーダーチャートの一例を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る機能推定装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[実施形態]
図1から図4を参照しながら実施形態に係る機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法について説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係る機能推定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。図1に示すように、機能推定装置10は、例えば、コンピュータ、タブレット、スマートフォンであり、プロセッサ11と、主記憶装置12と、通信インターフェース13と、補助記憶装置14と、入出力装置15と、バス16とを備える。
【0018】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、機能推定プログラムを読み出して実行し、機能推定装置10が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ11は、機能推定プログラム以外のプログラムを読み出して実行し、機能推定装置10が有する各機能を実現させる上で必要な機能を実現させてもよい。
【0019】
主記憶装置12は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ11により読み出されて実行される機能推定プログラムその他のプログラムを予め記憶している。
【0020】
通信インターフェース13は、ネットワークを介して他の機器と通信を実行するためのインターフェース回路である。また、ネットワークは、例えば、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、インターネット、イントラネットである。
【0021】
補助記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。
【0022】
入出力装置15は、例えば、入出力ポート(Input/Output Port)である。入出力装置15は、例えば、入力装置、出力装置が接続されている。入力装置は、例えば、タッチパネルディスプレイ、マウス、キーボードであり、機能推定装置10の操作、機能推定装置10へのデータの入力に使用される。出力装置は、例えば、ディスプレイ、タッチパネルディスプレイ、スピーカであり、機能推定装置10がユーザに情報を提示するために使用される。
【0023】
次に、図2を参照しながら行動改善装置のソフトウェア構成について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る機能推定装置のソフトウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、機能推定装置10は、提示部101と、データ取得部102と、推定部103と、データ出力部104とを備える。提示部101、データ取得部102、推定部103及びデータ出力部104は、いずれもプロセッサ11が主記憶装置12に格納されている機能推定プログラムを読み出して実行することにより実現される。
【0024】
提示部101は、運動の内容を示す運動内容データを出力する。運動内容データは、例えば、入出力装置15に接続されたディスプレイに運動の内容を示す動画像又は静止画像を表示させる処理、入出力装置15に接続されたスピーカから運動の内容を示す音声を出力させる処理に使用される。
【0025】
また、ここで言う運動は、例えば、ユーザの口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う動作を少なくとも含んでいる体操であり、椅子に座った状態で音楽又はリズムに合わせて実施される。さらに、ここで言う運動は、ユーザの睡眠に関する第三動作を含んでいてもよい。
【0026】
上述した運動は、腿を上げたり下げたりする第一動作と、「ウーイー」と発声する第二動作とを同時に行う動作Aを含む。上述した運動は、脚をユーザの前方から側方に動かした後、当該脚をユーザの側方から前方に戻す動作を両脚で交互に行う第一動作と、「ウーイー」と発声する第二動作とを同時に行う動作Bを含む。上述した運動は、二つの脚を片脚ずつユーザの前方から側方に動かして開脚した後、合掌して前屈する第一動作と、「ランラン」と連続して発声する第二動作とを同時に行う動作Cを含む。上述した運動は、両腕を上に伸ばすと同時に両足を開き、両腕を下げると同時に両足を閉じる第一動作と、「パパパ」と連続して発声する第二動作とを同時に行う動作Dを含む。
【0027】
上述した運動は、太鼓を叩く要領で両手を上下に動かす第一動作と、交互に腿を上げる第一動作と、「タタタ」と連続して発声する第二動作とを同時に行う動作Eを含む。上述した運動は、指を鳴らす第一動作と、足を前に突き出して踵を床につける動作を両足で交互に行う第一動作と、「カカカ」と連続して発声する第二動作とを同時に行う動作Fを含む。上述した運動は、足の裏を床に付けた状態で足を手前に引く第一動作と、「カカカ」と連続して発声する第二動作とを同時に行う動作Gを含む。上述した運動は、爪先と踵とを交互にユーザの側方にずらしながら両脚を開いていく第一動作と、「パタカ、パタカ」と連続して発声する第二動作とを同時に行う動作Hを含む。
【0028】
なお、これらの運動は、第一動作及び第二動作を合計して二つ又は三つ含んでいるため、二重課題又は三重課題になっている。
【0029】
上述した運動は、背筋を伸ばして胸を張り、両腕をユーザの真上に伸ばし、胸を張った状態で肘を曲げながら両腕を左右に降ろす第一動作を含む。この第一動作は、動作Iである。上述した運動は、肘を曲げ両脇を締めた状態で掌を上に向け両腕をユーザの側方に開きながら、左右の肩甲骨を背骨に寄せ、顔をユーザの真後ろに向かって引く第一動作を含む。この第一動作は、動作Jである。上述した運動は、開脚した状態で臀部を椅子の座面から浮かせる体勢を二回とる第一動作を含む。この第一動作は、動作Kである。上述した運動は、上半身及び片腕を出来る限りユーザの前方に伸ばした状態から円弧を描くように腕を側方に動かす第一動作を含む。この第一動作は、動作Lである。
【0030】
上述した運動は、膝の関節を交互に伸ばす第一動作を含む。この第一動作は、動作Mである。上述した運動は、両腕を頭の上で組んだ状態で体を側方に傾けて脇を伸ばす第一動作を含む。この第一動作は、動作Nである。上述した運動は、骨盤を前傾させながら体幹を伸ばす第一動作を含む。この第一動作は、動作Oである。上述した運動は、指を肩に付けた状態で肩甲骨を回す第一動作を含む。この第一動作は、動作Pである。
【0031】
また、上述した運動は、頬を左右交互に膨らませたり萎ませたりする第二動作を含む。この第二動作は、動作Qである。上述した運動は、舌を可能な限り前方に出す第二動作を含む。この第二動作は、動作Rである。上述した運動は、「あーいーうーべー」と連続して発声する第二動作を含む。この第二動作は、動作Sである。さらに、上述した運動は、腹式呼吸である第三動作を含む。この第三動作は、動作Tである。
【0032】
データ取得部102は、第一動作と、第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの第一動作に関する評価及び第二動作に関する評価を示す評価データを取得する。また、データ取得部102は、ユーザの睡眠に関する第三動作を行う運動を実施したユーザの第三動作に関する評価を示す評価データを取得する。評価データは、例えば、上述した運動のインストラクター等が当該運動を実施しているユーザの各動作を確認して評価し、評価した結果を入出力装置15に接続されている入力装置を使用して入力することにより生成される。
【0033】
動作Aは、リズムに合わせながら出来た動作の数に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Aにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の両方が出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Aにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の一方が出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Aにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の両方が出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。
【0034】
また、動作Aは、第一動作を行う際の腿の上げ幅に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Aにおいて両脚の腿を拳一つ分以上上げることが出来ている場合、ユーザの足腰の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Aにおいて片脚の腿を拳一つ分以上上げることが出来ている場合、ユーザの足腰の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Aにおいて両脚の腿を拳一つ分以上上げることが出来ていない場合、ユーザの足腰の運動機能が低いことを示す。
【0035】
また、動作Aは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Aにおいて「ウー」と発声した際に口唇をすぼめる動作を大きく明確に出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Aにおいて「ウー」と発声した際に口唇をすぼめる動作を大きく明確にではないものの出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Aにおいて「ウー」と発声した際に口唇をすぼめる動作が出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬の機能が低いことを示す。
【0036】
また、動作Aは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Aにおいて「イー」と発声した際に歯を見せる動作を大きく明確に出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Aにおいて「イー」と発声した際に歯を見せる動作を大きく明確にではないものの出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Aにおいて「イー」と発声した際に歯を見せる動作が出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬の機能が低いことを示す。
【0037】
動作Bは、第一動作を行う際の開脚の度合いに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Bにおいて右脚及び左脚の両方をユーザの前方から45度以上側方に動かすことが出来ている場合、ユーザの足腰の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Bにおいて右脚及び左脚の一方をユーザの前方から45度以上側方に動かすことが出来ている場合、ユーザの足腰の運動機能が中程度であることを示す。評価データは、動作Bにおいて右脚及び左脚の両方をユーザの前方から45度以上側方に動かすことが出来ていない場合、ユーザの足腰の運動機能が低いことを示す。
【0038】
また、動作Bは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Bにおいて「ウー」と発声した際に口唇をすぼめる動作を大きく明確に出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Bにおいて「ウー」と発声した際に口唇をすぼめる動作を大きく明確にではないものの出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Bにおいて「ウー」と発声した際に口唇をすぼめる動作が出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬の機能が低いことを示す。
【0039】
また、動作Bは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Bにおいて「イー」と発声した際に歯を見せる動作を大きく明確に出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Bにおいて「イー」と発声した際に歯を見せる動作を大きく明確にではないものの出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Bにおいて「イー」と発声した際に歯を見せる動作が出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬の機能が低いことを示す。
【0040】
動作Cは、リズムに合わせながら出来た動作の数に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Cにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の両方が出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Cにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の一方が出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Cにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の両方が出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。
【0041】
また、動作Cは、第一動作を行う際の両腕の手首から肘の角度に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Cにおいて合掌した際に両肘を腿の内側に当てた状態で両肘と手首を結んだ線が一直線となっている場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Cにおいて合掌した際に両肘を腿の内側に当てた状態で両肘と手首を結んだ線の角度が180度未満となっている場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Cにおいて合掌した際に両肘の少なくとも一方が腿の内側に当たっていない場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0042】
動作Dは、リズムに合わせながら出来た動作の数に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Dにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作の三つが出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Dにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のうち二つが出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Dにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のうち一つしか出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。また、評価データは、動作Dにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のいずれも出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。
【0043】
また、動作Dは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Dにおいて「パパパ」と発声した際に明瞭かつ素早く発声することが出来ている場合、ユーザの口唇及び頬の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Dにおいて「パパパ」と発声した際に明瞭であるものの素早く発声することが出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Dにおいて「パパパ」と発声した際に明瞭に発声することが出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬の機能が低いことを示す。
【0044】
動作Eは、リズムに合わせながら出来た動作の数に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Eにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作の三つが出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Eにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のうち二つが出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Eにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のうち一つしか出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。また、評価データは、動作Eにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のいずれも出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。
【0045】
また、動作Eは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Eにおいて「タタタ」と発声した際に明瞭かつ素早く発声することが出来ている場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Eにおいて「タタタ」と発声した際に明瞭であるものの素早く発声することが出来ていない場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Eにおいて「タタタ」と発声した際に明瞭に発声することが出来ていない場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が低いことを示す。
【0046】
動作Fは、リズムに合わせながら出来た動作の数に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Fにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作の三つが出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Fにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のうち二つが出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Fにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のうち一つしか出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。また、評価データは、動作Fにおいてリズムに合わせた二つの第一動作及び一つの第二動作のいずれも出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。
【0047】
また、動作Fは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Fにおいて「カカカ」と発声した際に明瞭かつ素早く発声することが出来ている場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Fにおいて「カカカ」と発声した際に明瞭であるものの素早く発声することが出来ていない場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Fにおいて「カカカ」と発声した際に明瞭に発声することが出来ていない場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が低いことを示す。
【0048】
動作Gは、第一動作を行う際の踵の位置に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Gにおいて足を手前に引いた際の踵の位置が膝よりも手前である場合、ユーザの足腰の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Gにおいて足を手前に引いた際の踵の位置が膝と同じである場合、ユーザの足腰の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Gにおいて足を手前に引いた際の踵の位置が膝よりも体から離れている場合、ユーザの足腰の運動機能が低いことを示す。
【0049】
動作Hは、リズムに合わせながら出来た動作の数に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Hにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の両方が出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Hにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の一方が出来ている場合、ユーザの前頭葉の機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Hにおいてリズムに合わせた第一動作及び第二動作の両方が出来ていない場合、ユーザの前頭葉の機能が低いことを示す。
【0050】
また、動作Hは、第一動作を行う際の爪先と踵とを交互に四回だけユーザの側方にずらすことによりユーザの前方から45度以上側方に脚を開くことが出来たか否かに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Hにおいて両脚をユーザの前方から45度以上側方に開くことが出来ている場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Hにおいて片脚をユーザの前方から45度以上側方に開くことが出来ている場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Hにおいて両脚をユーザの前方から45度以上側方に開くことが出来ていない場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0051】
また、動作Hは、第二動作を行う際の口腔の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、動作Hにおいて「パタカ、パタカ」と発声した際に明瞭かつ素早く発声することが出来ている場合、ユーザの口全体を動かす機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Hにおいて「パタカ、パタカ」と発声した際に明瞭であるものの素早く発声することが出来ていない場合、ユーザの口全体を動かす機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Hにおいて「パタカ、パタカ」と発声した際に明瞭に発声することが出来ていない場合、ユーザの口全体を動かす機能が低いことを示す。
【0052】
動作Iは、肘が肩の高さにある時の肘の位置に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Iにおいて肘が肩の高さにある時の両肘の位置が肩よりも後方である場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Iにおいて肘が肩の高さにある時の両肘の位置が肩と同じ平面上にある場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Iにおいて肘が肩の高さにある時の一方の肘の位置のみが肩よりも後方である場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Iにおいて肘が肩の高さにある時の両肘の位置が肩よりも前方である場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0053】
動作Jは、顔をユーザの真後ろに向かって引いた時の肩と耳との位置関係に応じて三段階で評価される。評価データは、動作Jにおいて顔をユーザの真後ろに向かって引いた時に肩と耳とが同じ平面上にある場合、ユーザの足腰の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、動作Jにおいて顔をユーザの真後ろに向かって引いた時に肩の位置が十センチメートル未満の範囲で耳より前方にある場合、ユーザの足腰の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、動作Jにおいて顔をユーザの真後ろに向かって引いた時に肩の位置が十センチメートル以上の範囲で耳より前方にある場合、ユーザの足腰の運動機能が低いことを示す。
【0054】
動作Kは、開脚した状態で臀部を椅子の座面から浮かせる体勢をとることが出来た回数に応じて三段階で評価される。評価データは、開脚した状態で臀部を椅子の座面から浮かせる体勢をとることが出来た回数が二回である場合、ユーザの足腰の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、開脚した状態で臀部を椅子の座面から浮かせる体勢をとることが出来た回数が一回である場合、ユーザの足腰の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、開脚した状態で臀部を椅子の座面から浮かせる体勢をとることが出来た回数がゼロ回である場合、ユーザの足腰の運動機能が低いことを示す。
【0055】
動作Lは、腕を円弧を描くように動かす際に上半身を前方に倒すことが出来るか否かに応じて三段階で評価される。評価データは、右腕を円弧を描くように動かす際及び左腕を円弧を描くように動かす際のいずれにおいても上半身を前方に倒すことが出来ている場合、ユーザの足腰の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、右腕を円弧を描くように動かす際及び左腕を円弧を描くように動かす際のいずれかにおいて上半身を前方に倒すことが出来ている場合、ユーザの足腰の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、右腕を円弧を描くように動かす際及び左腕を円弧を描くように動かす際のいずれにおいても上半身を前方に倒すことが出来ていない場合、ユーザの足腰の運動機能が低いことを示す。
【0056】
動作Mは、右膝及び左膝それぞれについて、膝の関節を完全に伸ばすことが出来ているか否か及び足首の角度に応じて三段階で評価される。評価データは、膝を完全に伸ばすことが出来ており、足底と下腿長軸の成す角度が90度となっている場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、膝を完全に伸ばすことが出来ており、足底と下腿長軸の成す角度が90度を超えている場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、膝を完全に伸ばすことが出来ていない場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0057】
動作Nは、両腕を頭の上で組んだ状態で体を側方に傾けて脇を伸ばした際の鼻と臀部外側との位置関係に応じて三段階で評価される。評価データは、体を右側方に傾けた際及び体を左側方に傾けた際のいずれにおいても鼻の位置が臀部外側を超えている場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、体を右側方に傾けた際及び体を左側方に傾けた際のいずれかにおいて鼻の位置が臀部外側を超えている場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、体を右側方に傾けた際及び体を左側方に傾けた際のいずれにおいても鼻の位置が臀部外側を超えていない場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0058】
動作Oは、骨盤を前傾させることが出来た角度に応じて三段階で評価される。評価データは、骨盤を前傾させることが出来ている場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、骨盤を直立させるところまで出来ている場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、骨盤を直立させるところまで出来ていない場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0059】
動作Pは、両肘を前から上げた時に耳又は肩よりも高く上がるか否かに応じて三段階で評価される。評価データは、右肘及び左肘のいずれも耳よりも高い位置まで上がっている場合、ユーザの関節の運動機能が高いことを示す。また、評価データは、右肘及び左肘のいずれも耳よりも低く、肩よりも高い位置まで上がっている場合、ユーザの関節の運動機能が中程度であることを示す。また、評価データは、右肘及び左肘の少なくとも一方が肩の高さ以下までしか上がっていない場合、ユーザの関節の運動機能が低いことを示す。
【0060】
動作Qは、動き始めの頬の動きの大きさ及び速さに応じて三段階で評価される。評価データは、頬の動きが大きくて速い場合、ユーザの口唇及び頬を動かす機能が高いことを示す。また、評価データは、頬の動きが大きくも早くもないものの、頬を動かすことが出来ている場合、ユーザの口唇及び頬を動かす機能が中程度であることを示す。また、評価データは、頬を動かすことが出来ていない場合、ユーザの口唇及び頬を動かす機能が低いことを示す。
【0061】
動作Rは、舌を出すことが出来た長さに応じて三段階で評価される。評価データは、舌を大きく出すことが出来ている場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が高いことを示す。また、評価データは、大きくないものの、舌を出すことが出来ている場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が中程度であることを示す。また、評価データは、舌を出すことが出来ていない場合、ユーザの舌の力及び舌を動かす機能が低いことを示す。
【0062】
動作Sは、「あー」と発声した時に開けた口の大きさ、「いー」と発声した時の歯の見え方、「うー」と発声した時の口のすぼめ方及び「べー」と発声した時の舌の出し方に基づく口全体の動きに応じて三段階で評価される。評価データは、口を大きく明確に動かすことが出来ている場合、ユーザの口全体を動かす機能が高いことを示す。また、評価データは、大きく明確にではないものの、口を動かすことが出来ている場合、ユーザの口全体を動かす機能が中程度であることを示す。また、評価データは、口を動かすことが出来ていない場合、ユーザの口全体を動かす機能が低いことを示す。
【0063】
動作Tは、腹式呼吸の有無に応じて三段階で評価される。評価データは、腹式呼吸が出来ている場合、ユーザの自律神経の活動が良好であることを示す。また、評価データは、腹式呼吸が一部出来ている場合、ユーザの自律神経の活動が中程度であることを示す。また、評価データは、腹式呼吸が出来ていない場合、ユーザの自律神経の活動が良好ではないことを示す。
【0064】
また、動作Aから動作Sは、ユーザがこれらの動作を行っている際の口元、目尻、頬等の変化に基づく笑顔の有無に応じて三段階で評価される。評価データは、笑顔がある場合、ユーザの自律神経の活動が良好であることを示す。また、評価データは、僅かに笑顔がある場合、ユーザの自律神経の活動が中程度であることを示す。また、評価データは、笑顔が無い場合、ユーザの自律神経の活動が良好ではないことを示す。
【0065】
推定部103は、ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を第一動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行する。また、推定部103は、ユーザの口腔機能を第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行する。また、推定部103は、ユーザの認知機能を第一動作に関する評価及び第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行してもよい。さらに、推定部103は、ユーザの自律神経の活動を第三動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行してもよい。ユーザの自律神経の活動は、ユーザの睡眠の質と関連を有する。
【0066】
なお、推定部103は、ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を第二動作に関する評価及び第三動作に関する評価の少なくとも一方に基づいて評価する処理を実行してもよい。
また、推定部103は、ユーザの口腔機能を第一動作に関する評価及び第三動作に関する評価の少なくとも一方に基づいて評価する処理を実行してもよい。また、推定部103は、ユーザの認知機能を第二動作に関する評価及び第三動作に関する評価の少なくとも一方に基づいて評価する処理を実行してもよい。
【0067】
そして、推定部103は、上述した処理の結果を示す推定結果データを生成する。
【0068】
データ出力部104は、推定結果データを出力する。推定結果データは、例えば、入出力装置15に接続されたディスプレイに上述した処理の結果を示す動画像又は静止画像を表示させる処理、入出力装置15に接続されたスピーカから上述した処理の結果を示す音声を出力させる処理に使用される。この場合、推定結果データは、入出力装置15に接続されたディスプレイに対して出力される。
【0069】
図3は、本発明の実施形態に係る推定結果データにより示されるレーダーチャートの一例を示す図である。推定結果データは、例えば、図3に示したレーダーチャートに推定結果に関するコメントを添えた静止画像を入出力装置15に接続されたディスプレイに表示させる処理に使用される。また、図3に示したレーダーチャートは、上述した運動の一例である体操を実施する前及び当該体操を実施した後におけるユーザの前頭葉の機能等の七つの項目に関する推定結果を示している。
【0070】
次に、図4を参照しながら機能推定装置10が実行する処理の一例を説明する。図4は、本発明の実施形態に係る機能推定装置により実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0071】
ステップS1において、提示部101は、口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行い、睡眠に関する第三動作を行う運動を示す運動内容データを出力する。
【0072】
ステップS2において、データ取得部102は、運動を実施したユーザの第一動作に関する評価、第二動作に関する評価を示す評価及び第三動作に関する評価を示す評価データを取得する。
【0073】
ステップS3において、推定部103は、ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を第一動作に関する評価に基づいて推定する。
【0074】
ステップS4において、推定部103は、ユーザの口腔機能を第二動作に関する評価に基づいて推定する。
【0075】
ステップS5において、推定部103は、ユーザの認知機能を第一動作に関する評価
及び第二動作に関する評価に基づいて推定する。
【0076】
ステップS6において、推定部103は、ユーザの自律神経の活動を第三動作に関する評価に基づいて推定する。
【0077】
ステップS7において、推定部103は、ステップS3で推定した結果、ステップS4で推定した結果及びステップS5で推定した結果を示す推定結果データを生成する。
【0078】
ステップS8において、データ出力部104は、ステップS6で生成した推定結果データを出力する。
【0079】
以上、実施形態に係る機能推定装置10について説明した。機能推定装置10は、データ取得部102と、推定部103と、データ出力部104とを備える。データ取得部102は、口腔と異なる身体の部位を動かす第一動作と、口腔を動かす第二動作とを同時に行う運動を実施したユーザの第一動作に関する評価及び第二動作に関する評価を示す評価データを取得する。推定部103は、ユーザの口腔と異なる部位の運動機能を第一動作に関する評価に基づいて推定し、ユーザの口腔機能を第二動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行し、処理の結果を示す推定結果データを生成する。データ出力部104は、推定結果データを出力する。
【0080】
これにより、機能推定装置10は、体操等の運動を構成している動作に関する評価に基づいて推定した運動機能及び口腔機能の水準をユーザに提示し、体操等の運動を実施するユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援することができる。
【0081】
また、機能推定装置10は、運動の内容を示す運動内容データを出力する提示部101を備える。これにより、機能推定装置10は、ユーザに運動の内容を提示することができる。
【0082】
また、機能推定装置10は、ユーザの認知機能を第一動作に関する評価及び第二動作に関する評価に基づいて推定する。これにより、機能推定装置10は、体操等の運動を構成している動作に関する評価に基づいて推定した認知機能の水準をユーザに提示し、体操等の運動を実施するユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援することができる。
【0083】
また、機能推定装置10は、ユーザの睡眠に関する第三動作を行う運動を実施したユーザの第三動作に関する評価を示す評価データを取得し、ユーザの自律神経の活動を第三動作に関する評価に基づいて推定する処理を実行する。これにより、機能推定装置10は、体操等の運動を構成している動作に関する評価に基づいて推定した自律神経の活動の水準をユーザに提示し、体操等の運動を実施するユーザが自身の運動機能等を維持又は向上させることを支援することができる。
【0084】
なお、上述した実施形態では、プロセッサ11が機能推定プログラムを読み出して実行することにより、図2に示した提示部101、データ取得部102、推定部103及びデータ出力部104が実現される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。
【0085】
図2に示した機能推定装置10が有する機能の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等の回路部(circuitry)を含むハードウェアにより実現されてもよい。或いは、図2に示した機能推定装置10が有する機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。また、これらのハードウェアは、一つに統合されていてもよいし、複数に分かれていてもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、機能推定装置10が体操の内容を示す運動内容データを出力することを例に挙げて説明したが、これに限定されない。機能推定装置10は、例えば、ダンス、舞踊又は踊りを示していてもよい。
【0087】
また、上述した実施形態では、上述した運動のインストラクター等が当該運動を実施しているユーザの各動作を確認して評価し、評価した結果を入出力装置15に接続されている入力装置を使用して入力することにより評価データが生成される場合を例に挙げて説明したが、これに限定されない。評価データは、上述した運動を実施しているユーザの動作が映っている動画像又は静止画像を示すデータが機械学習プログラムに入力され、当該機械学習プログラムにより評価された結果を示していてもよい。
【0088】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明した。ただし、機能推定装置、機能推定プログラム及び機能推定方法は、上述した実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形、置換、組み合わせ及び設計変更の少なくとも一つを加えることができる。
【0089】
また、上述した本発明の実施形態の効果は、一例として説明した効果である。したがって、本発明の実施形態は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0090】
10…機能推定装置、11…プロセッサ、12…主記憶装置、13…通信インターフェース、14…補助記憶装置、15…入出力装置、16…バス、101…提示部、102…データ取得部、103…推定部、104…データ出力部
図1
図2
図3
図4