(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063068
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】商品収納装置
(51)【国際特許分類】
G07F 11/36 20060101AFI20230427BHJP
G07F 11/42 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
G07F11/36
G07F11/42
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173334
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】722012006
【氏名又は名称】サンデン・リテールシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(72)【発明者】
【氏名】見供 雅之
(72)【発明者】
【氏名】松本 昭
(72)【発明者】
【氏名】川島 大輝
【テーマコード(参考)】
3E046
【Fターム(参考)】
3E046BA01
3E046BB02
3E046CA13
3E046CC04
3E046CC07
3E046DA03
3E046EA13
3E046EB01
3E046GA03
(57)【要約】
【課題】スパイラル部材の下方への商品の入り込みを確実に抑制する。
【解決手段】商品収納装置1は、前後方向に螺旋状に延び且つ螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材2と、規制部材4Aと、を備え、スパイラル部材2を螺旋中心軸X回りに回転させることによって、商品を前方に移動させる。規制部材4Aは、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延び且つ螺旋中心軸Xよりも下側に配置され、スパイラル部材2についての、左右方向及び上方への移動を規制する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に螺旋状に延び且つ螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材を備え、
前記スパイラル部材を螺旋中心軸回りに回転させることによって、前記間隙に収納された商品を前方に移動させる、商品収納装置であって、
前記スパイラル部材の径方向内側において前後方向に延び且つ前記螺旋中心軸よりも下側に配置され、前記スパイラル部材についての、左右方向及び上方への移動を規制する規制部材を含む、商品収納装置。
【請求項2】
前記規制部材は、前記スパイラル部材の下端を含み周方向に所定長を有する下端側円弧部に沿う曲面を有して前後方向に延びている、請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項3】
前記規制部材は、前記螺旋中心軸よりも前記左右方向の一方側において前記スパイラル部材に近接又は接触する第1の縁部と、前記螺旋中心軸よりも前記左右方向の他方側において前記スパイラル部材に近接又は接触する第2の縁部と、を有する、請求項1に記載の商品収納装置。
【請求項4】
前記規制部材は、前記螺旋中心軸の直下において前記スパイラル部材に近接又は接触する下端側縁部を、更に有する、請求項3に記載の商品収納装置。
【請求項5】
前記スパイラル部材の径方向内側において前後方向に延びるとともに前記商品が載置される商品載置部を含み、
前記商品載置部は、前記商品が載置される載置面の高さ位置を、少なくとも、下位置と当該下位置よりも高い上位置とに切り替え可能に構成されている、請求項1~4のいずれか一つに記載の商品収納装置。
【請求項6】
前記商品載置部は、ベース部と、前記載置面を有する可動部と、を有し、
前記規制部材は、前記ベース部を兼ねている、請求項5に記載の商品収納装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動販売機などに備えられ、複数の商品を収納すると共に収納された商品を送り出す商品収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、前後方向に螺旋状に延び且つ複数の商品が収納されるスパイラル部材と、スパイラル部材の下方に設けられる保持板と、を備え、スパイラル部材を回転させることによって、商品を前方に送り出すスパイラルラック(以下では、商品収納装置という)が記載されている。特許文献1に記載された商品収納装置において、スパイラル部材に収納された商品は、保持板の上に載置された状態で、前方に送り出されている。そして、保持板の上面には、断面三角形状を有して前後方向に延びる凸条が設けられており、この凸条によって、スパイラル部材についての、保持板幅方向(つまり、左右方向)の移動が、ある程度、規制され得るようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、スパイラル部材は、細い線材からなり、不安定な部材である。これに対し、特許文献1に開示された商品収納装置では、スパイラル部材の下方には、保持板が配置され、スパイラル部材が下方から支持され、さらに、この保持板の上面に前後方向に延びる凸条が設けられているため、不安定なスパイラル部材の下方への移動や保持板幅方向(左右方向)の移動が、ある程度、規制されるようになっている。しかしながら、特許文献1に開示された商品収納装置では、スパイラル部材の上方への移動が規制されていないため、例えば、スパイラル部材が回転して、商品が前方に移動する際に、袋入り商品等の商品の一部がスパイラル部材の下方に入り込んでしまい、商品を確実に前方に移動させることができないおそれがあるという課題がある。
【0005】
そこで、本発明は、スパイラル部材の下方への商品の入り込みを確実に抑制することができる商品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によると、前後方向に螺旋状に延び且つ螺旋により形成される間隙に商品が収納されるスパイラル部材を備え、前記スパイラル部材を螺旋中心軸回りに回転させることによって、前記間隙に収納された商品を前方に移動させる、商品収納装置が提供される。この商品収納装置は、前記スパイラル部材の径方向内側において前後方向に延び且つ前記螺旋中心軸よりも下側に配置され、前記スパイラル部材についての、左右方向及び上方への移動を規制する規制部材を含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によると、商品収納装置は、前記スパイラル部材の径方向内側において前後方向に延び且つ前記螺旋中心軸よりも下側に配置される規制部材を含み、規制部材によって、前記スパイラル部材についての、左右方向及び上方への移動を規制する。したがって、スパイラル部材の左右方向及び上方への移動は規制部材によって規制される。その結果、スパイラル部材の左右方向及び上方への移動がいずれも規制された状態で、スパイラル部材が回転するようになるため、例えば、袋入り等の商品の一部がスパイラル部材の下方に入り込むことが確実に抑制され、商品を確実に前方に移動させることができるようになる。このようにして、本発明によると、スパイラル部材の下方への商品の入り込みを確実に抑制することができる商品収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態に係る商品収納装置の側面図である。
【
図5】前記商品収納装置の商品載置部の内部構造を説明するための斜視図である。
【
図6】前記商品載置部のリンク機構部を説明するための側面図である。
【
図7】前記リンク機構部を説明するための拡大斜視図である。
【
図8】前記商品載置部の変形例を示す斜視図である。
【
図10】
図8に示す商品収納装置の概略の縦断面図である。
【
図11】
図8に示す商品収納装置の商品載置部の分解斜視図である。
【
図12】前記商品収納装置の規制部材の変形例を説明するための概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
[商品収納装置の概略構成]
図1~
図3は本発明の一実施形態に係る商品収納装置1の外観を説明するための図であり、
図1は側面図、
図2は斜視図、
図3は正面図である。なお、説明の便宜のため、前後、左右及び上下のそれぞれの方向が適宜に図面に示されている。また、
図3では、後述する支持プレート33が取り外されている。
【0011】
本実施形態に係る商品収納装置1は、複数の商品を収納して販売する自動販売機の本体内に配置されるものとする。具体的には、図示を省略するが、自動販売機の本体内には、例えば、複数の商品収納コラムが左右に並設されており、左右に並設された複数の商品収納コラムが上下に複数段に設けられている。そして、商品収納装置1は、各商品収納コラムとして適用されるものとする。
【0012】
商品収納装置1は、上下方向から視た平面視で前後方向に長い概ね矩形状を有しており、その内部に複数の同じ種類(品目)及び大きさの商品P(
図1参照)が前後方向に並ぶように収納される。また、商品販売時には、商品収納装置1に収納された複数の商品Pのうちの最前列の商品Pが商品収納装置1の前端から送り出されるようになっている。自動販売機において、商品収納装置1の前端から送り出された商品Pは、商品搬送装置(図示省略)を介して商品取出口(図示省略)に払い出されて、購入者等により取り出されるようになっている。
【0013】
本実施形態では、
図1に示されるように、商品収納装置1は、スパイラル部材2と、基台3と、商品Pが載置される商品載置部4と、を備えており、自動販売機の本体の棚板1aの上面に取り付けられる。
【0014】
スパイラル部材2は、前後方向に螺旋状に延びる部材である。そして、棚板1aの上面における後端側の部分には、スパイラル部材2を回転させる駆動装置5が取り付けられている。スパイラル部材2の後端部は駆動装置5に連結されている。例えば、駆動装置5は、駆動モータ51と、スパイラル部材2の後端部に連結して駆動モータ51の動力をスパイラル部材2に伝達する動力伝達機構52を含み、駆動モータ51の動力によってスパイラル部材2を当該スパイラル部材2の螺旋中心軸X回りに回転させるように構成されている。詳しくは、駆動装置5の動力伝達機構52は、スパイラル部材2の後端部に連結してスパイラル部材2を保持するスパイラルホルダ52aを有しており、このスパイラルホルダ52aが駆動モータ51の動力により回転するようになっている。
【0015】
スパイラル部材2の後端部はスパイラルホルダ52aに連結されて支持され、スパイラル部材2の前端部は支持されることなく自由端になっている。
【0016】
上述のように、商品収納装置1には、複数の同じ種類及び大きさの商品Pが前後方向に並ぶように収納される。具体的には、複数の商品Pのそれぞれが、スパイラル部材2の螺旋により形成される間隙に装填されることにより収納され、これにより、複数の商品Pが商品収納装置1に前後に並んだ状態で収納される。なお、スパイラル部材2の前記間隙に収納された各商品Pは、商品載置部4の上に載置されている。つまり、商品収納装置1において、複数の商品Pはスパイラル部材2の前記間隙に収納された状態で、商品載置部4の上に載置されている。
【0017】
基台3は、
図1~
図3に示されるように、スパイラル部材2を下方から支持する部材であり、上下方向から視た平面視で前後方向に長い概ね矩形状に形成されている。基台3は、スパイラル部材2の下方において、スパイラル部材2の前後方向の概ね全体に亘って延在している。
【0018】
図4は、商品収納装置1の縦断面図である。具体的には、
図3及び
図4に示されるように、基台3の上面には、下方に凹んだ凹部31が設けられており、この凹部31の底面31aに、スパイラル部材2の下端が近接又は接触するようになっている。
【0019】
基台3は、棚板1aの上に配置され、商品収納装置1の全体のベースとなる部材でもある。基台3は係止爪32を有しており、係止爪32が棚板1aに係止することによって、基台3(商品収納装置1)が棚板1aに取り付けられる。
【0020】
商品載置部4は、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延びるとともに商品Pが載置されるものである。商品載置部4は、基台3と同様に、上下方向から視た平面視で前後方向に長い概ね矩形状に形成されている。商品載置部4は前後方向について基台3よりも長く、商品載置部4の前端は基台3の前端よりも前方に張り出しており、商品載置部4の後端は基台3の後端よりも後方に張り出している。
【0021】
商品載置部4の前端は基台3の前端に設けられたL字状の支持プレート33の縦壁33aにネジ等により固定され、商品載置部4の後端は駆動装置5の前面に取り付けられたブラケット53に固定されている。このブラケット53は、スパイラルホルダ52aの前方に位置しており、スパイラルホルダ52a側に突出するブラケット軸部(図示省略)を有し、このブラケット軸部がスパイラルホルダ52aの内部に設けられた軸受部(図示省略)に支持されている。但し、商品載置部4の前端が支持プレート33に固定されることによって、商品載置部4の回転が阻止されているため、商品載置部4の後端が固定されるブラケット53の回転も阻止されている。このように、商品載置部4の両端が支持プレート33及びブラケット53に支持されることによって、商品載置部4がスパイラル部材2の径方向内側の所定の位置に固定的に配置される。なお、商品載置部4の詳しい構造については、後述する。
【0022】
そして、商品収納装置1において、駆動装置5がスパイラル部材2を1回転させると、商品収納装置1内に載置、収納された複数の商品Pのそれぞれが、商品載置部4上を摺動して1個分(換言すると、螺旋の1ピッチ分)だけ前方に移動し、最前列の商品Pが商品収納装置1の前端から前方に送り出される。つまり、商品収納装置1は、スパイラル部材2を螺旋中心軸X回りに回転させることによって、スパイラル部材2の螺旋により形成される間隙に収納された商品Pを前方に移動させるようになっている。
【0023】
ところで、商品収納装置1に載置、収納された商品Pをスパイラル部材2の回転によって前方に確実に移動させるためには、商品Pが載置される載置面4aの高さ位置を商品Pの大きさに応じた適切な位置に設定することが好ましい。しかし、商品収納装置1に載置、収納される商品Pの大きさは商品の入れ替え等の度に変わる場合がある。このため、載置面4aの高さ位置を再設定するための作業者の負担が高いと、商品の入れ替え等の際における作業者の負担が高くなってしまう。
【0024】
[商品載置部の詳細]
この点、本実施形態に係る商品収納装置1において、商品載置部4は、商品Pが載置される載置面4aの高さ位置を、少なくとも、下位置H1と下位置H1よりも高い上位置H2とに切り替え可能に構成されている。なお、載置面4aの高さ位置とは、所定の基準面に対する載置面4aの高さ位置である。特に限定されるものではないが、本実施形態では、前記所定の基準面は基台3の上面であり、下位置H1及び上位置H2は、それぞれ、基台3の上面を基準とした載置面4aの上下方向についての高さ位置として示されている。また、
図1~
図3では、載置面4aが上位置H2にある状態が示されており、
図4では、載置面4aが上位置H2にある状態が実線で示され、載置面4aが下位置H1にある状態が破線で示されている。
【0025】
具体的には、本実施形態では、商品載置部4は、ベース部41と、可動部としての可動プレート42と、リンク機構部43と、を有する。
図5は商品載置部4の内部構造を説明するための斜視図であり、
図6は商品載置部4のリンク機構部43を説明するための側面図であり、
図7はリンク機構部43を説明するための拡大斜視図である。なお、
図5~
図7では、可動プレート42は取り外されている。
【0026】
商品載置部4は、
図1~
図4に示されるように、スパイラル部材2の径方向内側において、スパイラル部材2の下端を含み周方向に所定長を有する下端側円弧部2aに寄せて配置されている。下端側円弧部2aは、換言すると、スパイラル部材2における螺旋中心軸Xよりも下方で且つ後述する下位置H1よりも下方の円弧部である。
【0027】
ベース部41は、基台3に対向する部材である。そして、ここでは、ベース部41の下面がスパイラル部材2の下端側円弧部2aの径方向内縁に近接又は接触しており、この状態で、ベース部41の前後方向の両端が支持プレート33及びブラケット53に固定されて支持されている。つまり、スパイラル部材2の下端側円弧部2aはベース部41(換言すると、商品載置部4)と基台3との間に挟まれるように配置されている。
【0028】
ベース部41は、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延び且つ螺旋中心軸Xよりも下側に配置されている。そして、本実施形態では、ベース部41は、スパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿う曲面41aを有して前後方向に延びている。
【0029】
具体的には、ベース部41は、上方に開口した舟形で且つ上下方向から視た平面視で前後方向に長い概ね矩形状に形成されており、その内部に可動プレート42を収容可能に凹んだプレート収容部41bを有している。ベース部41における基台3側の下面は、スパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿うように湾曲した形状で形成されており、下端側円弧部2aの曲率(換言すると、スパイラル部材2の螺旋巻き内径の半分)に合わせた曲率を有している。つまり、ベース部41の下面が、スパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿う曲面41aを構成している。また、プレート収容部41bの底面の大半はベース部41の下面の曲率に応じた曲率で湾曲している。
【0030】
また、ベース部41の左右両側部における前後方向の所定部分(例えば、手が入り易い、ベース部41の左右両側部における前後方向の前側の部分)には、可動プレート42を摘まみ上げるためのスリット41cがそれぞれ形成されている。このスリット41cは、可動プレート42がプレート収容部41bに収容されている状態で、可動プレート42の下面よりも下方まで切り欠かれている。
【0031】
可動プレート42は、商品Pが載置される載置面4aを有する部材であり、ベース部41の上方に位置している。そして、可動プレート42は、リンク機構部43を介して後述するようにベース部41対して移動可能に連結されている。可動プレート42は、ベース部41のプレート収容部41bの凹形状に合わせた断面形状を有して前後方向に延びており、上下方向から視た平面視で前後方向に長い概ね矩形状に形成されている。可動プレート42の上面が載置面4aを構成しており、この載置面4aはプレート収容部41bの開口より僅かに小さい矩形の平坦な面として形成されている。
【0032】
リンク機構部43は、
図4に示されるように、載置面4aがベース部41に対して平行な姿勢で下位置H1と上位置H2との間を移動可能に、可動プレート42をベース部41に連結するための機構である。
【0033】
リンク機構部43は、例えば、複数のリンク部材431と、ベース側リンク軸432と、プレート側リンク軸433と、を有する。複数のリンク部材431は、前後方向に離隔しており、ここでは、3個のリンク部材431が設けられている。各リンク軸(432,433)は、リンク部材431毎に設けられており、円柱状に形成され、左右方向(詳しくは、螺旋中心軸Xに直交する左右方向、換言すると、ベース部41の幅方向)に延在するようにベース部41又は可動プレート42に支持されている。詳しくは、ベース部41のプレート収容部41bの底面における前部、中央及び後部のそれぞれには、ベース側リンク軸432の両端部を支持するための左右一対のベース側軸支持部41d,41dが設けられている。また、図示を省略するが、可動プレート42の下面における前部、中央及び後部のそれぞれには、同様に、プレート側リンク軸433の両端部を支持するための左右一対のプレート側軸支持部が設けられている。
【0034】
各リンク部材431は概ね矩形板状の外形を有しており、各リンク部材431の一端部にはベース部41の左右一対のベース側軸支持部41d,41dに支持されたベース側リンク軸432が挿通され、各リンク部材431の他端部には可動プレート42の前記左右一対のプレート側軸支持部に支持されたプレート側リンク軸433が挿通される。これにより、各リンク部材431がベース部41及び可動プレート42のそれぞれに対して前後方向に揺動可能に接続された状態で、ベース部41と可動プレート42が各リンク部材431によって互いに連結される。
【0035】
商品載置部4において、リンク部材431がベース部41に対して倒伏した状態(
図5参照)で、リンク部材431の他端部(プレート側リンク軸433が挿通される端部)はリンク部材431の一端部(ベース側リンク軸432が挿通される端部)よりも後方に位置しており、且つ、可動プレート42の全体がプレート収容部41b内に収容されている。このとき、可動プレート42の上面である載置面4aはベース部41の上面と平行で且つベース部41の上面と同一の高さ位置又は略同一の高さ位置に位置しており、この状態で、載置面4aは下位置H1に位置している。
【0036】
そして、載置面4aが下位置H1に位置する状態は、例えば、可動プレート42の下面が可動プレート42の自重によってベース部41のプレート収容部41bの底面に当接して、リンク部材431のそれ以上の回動(詳しくは、
図6の側面視では時計回りの回動)が阻止されることによって保たれている。
【0037】
また、可動プレート42の載置面4aが下位置H1に位置し、可動プレート42がプレート収容部41b内に完全に嵌まり込んで収容されているときに、可動プレート42におけるベース部41のスリット41cに対応する部分は露出している。このため、下位置H1にある可動プレート42の縁部が作業者の指などによって摘み上げられることができるようになっている。そして、下位置H1にある可動プレート42が摘み上げられると、各リンク部材431が同時に起立する方向に回動する。このとき、可動プレート42はベース部41の上面と平行な姿勢を保ちつつ、各リンク部材431の他端部(プレート側リンク軸433が挿通される端部)の回動軌跡に沿って移動し、上位置H2に向かう。
【0038】
可動プレート42の載置面4aの上位置H2は、例えば、各リンク部材431の一端部に突設された起立側回動規制突起431aによって規定される。詳しくは、起立側回動規制突起431aは、リンク部材431におけるベース側リンク軸432側の端面から突出した突起である。そして、ベース部41のプレート収容部41bの底面における左右一対のベース側軸支持部41d,41dの間の部分には、リンク部材431が倒伏姿勢と起立姿勢との間で回動する際に、起立側回動規制突起431aが進入及び退避可能な突起用孔41eが開口されている。そして、突起用孔41eの開口後縁部41e1に起立側回動規制突起431aが当接することによって、リンク部材431のそれ以上の回動(詳しくは、
図6の側面視では反時計回りの回動)が規制(阻止)され、この状態で、載置面4aは上位置H2に位置している。なお、起立側回動規制突起431aが開口後縁部41e1に当接した状態で、各リンク部材431が僅かに前側に傾斜しているように、開口後縁部41e1の前後方向の位置が設定されている。
【0039】
そして、載置面4aが上位置H2に位置する状態は、可動プレート42の自重により生じる前傾したリンク部材431を前側に回動させる回動力によって、起立側回動規制突起431aが開口後縁部41e1に押し付けられることによって保たれている。但し、この状態で、可動プレート42に、意図せず外力が加えられると、リンク部材431が倒伏姿勢に向かって回動し得る。
【0040】
この点に対し、本実施形態では、商品載置部4は、載置面4aを上位置H2に位置させた姿勢において可動プレート42の移動(ここでは、倒伏姿勢に向かう回動)を阻止するロック状態と、可動プレート42の移動の阻止が解除されたロック解除状態とに、切り替え可能に構成されている。
【0041】
具体的には、
図5及び
図7に示されるように、複数のリンク部材431のうちのいずれか一つ(図では、最前部のリンク部材431)の回動がロック可能に構成されている。詳しくは、プレート収容部41bの底面における前部に設けられた左右一対のベース側軸支持部41d,41dのうちの一方(図では左方)の側面には、ラッチ41fが突設されており、載置面4aが上位置H2にある状態で、ラッチ41fが起立した最前部のリンク部材431に形成された係止孔431bに嵌まり込むようになっている。その結果、商品載置部4は、載置面4aを上位置H2に位置させた姿勢において、可動プレート42の移動を阻止するロック状態になっている。
【0042】
そして、最前部のリンク部材431のラッチ41fと反対側の側面におけるベース側リンク軸432側の部分には、凹部431cが形成されており、この凹部431cと左右一対のベース側軸支持部41d,41dのうちの他方(図では右方)の側面との間で且つベース側リンク軸432の周囲を取り囲むように、第1付勢バネ44が設けられている(
図7参照、
図5では第1付勢バネ44は図示省略されている)。最前部のリンク部材431は、第1付勢バネ44によってラッチ41fが設けられたベース側軸支持部41dの側面に向かって付勢されている。また、最前部のリンク部材431に、第1付勢バネ44の付勢力に抗する外力が作用することで、最前部のリンク部材431は、左右一対のベース側軸支持部41d,41dの両側面間において、ラッチ41fの突出長以上にベース側リンク軸432に沿って移動可能になっている。つまり、商品載置部4は、最前部のリンク部材431がベース側リンク軸432に沿って移動することによって、可動プレート42の移動の阻止が解除されたロック解除状態になる。
【0043】
詳しくは、商品載置部4が上位置H2でロック状態になっているときに、例えば、リンク部材431を倒伏方向に回動させるような外力が可動プレート42に作用すると、最前部のリンク部材431が倒伏方向に僅かに回動しつつ第1付勢バネ44の付勢力に抗してベース側リンク軸432に沿ってラッチ41fとは反対側(図では右側)に移動し始める。そして、ラッチ41fが最前部のリンク部材431の係止孔431bから離脱すると、ロック解除状態になる。その後、最前部のリンク部材431は第1付勢バネ44の付勢力によりラッチ41f側のベース側軸支持部41dの側面に向かってベース側リンク軸432に沿って移動するとともに、倒伏姿勢まで回動し、商品載置部4は、載置面4aが下位置H1にある状態に切り替わる。その後、再び可動プレート42が摘み上げられると、最前部のリンク部材431は起立姿勢の手前まで回動し、その後、さらに回動しつつ第1付勢バネ44の付勢力に抗してラッチ41fとは反対側に移動して、ラッチ41fが係止孔431bに嵌まり込むと、商品載置部4はロック状態に再び戻る。
【0044】
以上説明したように、実施形態に係る商品収納装置1は、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延びるとともに商品Pが載置される商品載置部4を含み、商品載置部4は、商品Pが載置される載置面4aの高さ位置を、少なくとも、下位置H1と下位置H1よりも高い上位置H2とに切り替え可能に構成されているので、作業者は必要に応じて載置面4aの高さ位置を切り替えるだけで、載置面4aの高さ位置を変更することができ、商品入れ替えなどの際の作業者負担が低減される。
【0045】
本実施形態では、商品載置部4は、ベース部41と可動プレート42とリンク機構部43とを有し、リンク機構部43は、載置面4aがベース部41に対して平行な姿勢で下位置H1と上位置H2との間を移動可能に、可動プレート42をベース部41に連結している。これにより、商品Pがベース部41と平行な可動プレート42の載置面4aに載置され、可動プレート42の載置面4aは平坦で且つ大面積を有するように容易に形成することができるため、載置面4aの有効載置面積が十分に確保される。
【0046】
本実施形態では、商品載置部4は、載置面4aを上位置H2に位置させた姿勢において可動プレート42の移動を阻止するロック状態と、可動プレート42の移動の阻止が解除されたロック解除状態とに、切り替え可能に構成されている。これにより、載置面4aが上位置H2に位置する状態で、可動プレート42に、外力が意図せず加えられたとしても、リンク部材431が倒伏姿勢に向かって回動することが抑制される。
【0047】
ところで、スパイラル部材2は細い線材からなり不安定な部材であり、その前端部は前述したように自由端になっており、スパイラル部材2は不安定である。
【0048】
この点、本実施形態では、以下のように、スパイラル部材2の上下方向及び左右方向の移動が規制されている。
【0049】
スパイラル部材2の下方に配置された基台3によって、スパイラル部材2の下端が下方からガイドされて支持されるようになっている。基台3はスパイラル部材2の下端に近接又は接触するように配置されており、これにより、スパイラル部材2の下方への移動や変位が基台3によって規制されている。具体的には、
図3及び
図4に示されるように、基台3の上面に設けられた凹部31の底面31aに、スパイラル部材2の下端が近接又は接触するようになっている。これにより、スパイラル部材2の下方への移動や変位が凹部31の底面31aによって規制されている。そして、凹部31を形成する各側面31bはそれぞれ傾斜しており、スパイラル部材2の下端側円弧部2aが両側面31b,31bの間に位置している。これにより、基台3の幅方向(基台幅方向、左右方向)についてのスパイラル部材2の移動や変位が両側面31b,31bによって規制されている。
【0050】
そして、商品収納装置1は、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延び且つ螺旋中心軸Xよりも下側に配置され、スパイラル部材2についての、左右方向(詳しくは、螺旋中心軸Xに直交する左右方向、換言すると、ベース部41の幅方向)及び上方への移動を規制する規制部材4Aを含む。
【0051】
本実施形態では、ベース部41はスパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延び且つ螺旋中心軸Xよりも下側に配置されており、規制部材4Aは商品載置部4のうちのベース部41によって構成されている。つまり、規制部材4Aは、ベース部41を兼ねている。
【0052】
本実施形態では、ベース部41、つまり、規制部材4Aは、上述のように、スパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿う曲面41aを有して前後方向に延びている。そして、上述のように、ベース部41(つまり、規制部材4A)の下面がスパイラル部材2の下端側円弧部2aの径方向内縁に近接又は接触しており、この状態で、ベース部41が支持プレート33及びブラケット53によって固定的に支持されている。
【0053】
そして、商品収納装置1において、スパイラル部材2の下端側円弧部2aの径方向内縁に近接又は接触した規制部材4Aの曲面41aによって、スパイラル部材2の左右方向(基台幅方向)についての移動に加えてスパイラル部材2の上方への移動が規制(阻止)されている。
【0054】
以上説明したように、商品収納装置1は、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延び且つ螺旋中心軸Xよりも下側に配置される規制部材4Aを含み、規制部材4Aによって、スパイラル部材2についての、左右方向及び上方への移動を規制する。したがって、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動は規制部材4Aによって規制される。その結果、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動がいずれも規制された状態で、スパイラル部材2が回転するようになるため、例えば、袋入り等の商品の一部がスパイラル部材2と基台3との間、つまり、スパイラル部材2の下方に入り込むことが確実に抑制され、商品Pを確実に前方に移動させることができるようになる。このように、本実施形態による商品収納装置1は、スパイラル部材2の下方への商品Pの入り込みを確実に抑制することができる。
【0055】
また、本実施形態では、スパイラル部材2の左右幅方向の移動は基台3の凹部31の側面31b,31bによっても規制されており、スパイラル部材2の左右方向の移動がより確実に規制されている。また、本実施形態では、商品収納装置1は、スパイラル部材2を下方から支持する基台3を備えており、スパイラル部材2の下方への移動は基台3によって規制されている。これにより、スパイラル部材2の左右方向及び上下方向に移動が規制され、商品Pをより確実に前方に移動させることができる。なお、スパイラル部材2の左右方向の移動は規制部材4Aによって規制されるため、基台3の上面に、凹部31が設けられなくてもよい。
【0056】
本実施形態では、規制部材4Aはスパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿う曲面41aを有して前後方向に延びているため、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動を広い面積の曲面41aによって規制することになり、より確実にスパイラル部材の左右方向及び上方への移動を規制することができる。
【0057】
本実施形態では、規制部材4Aは商品載置部4のベース部41を兼ねているため、載置面4aの高さ位置を切り替える商品載置部4の部品点数を少なくすることができる。
【0058】
[商品載置部の変形例]
次に、商品収納装置1の商品載置部4の変形例について、説明する。
【0059】
図8~
図11は商品収納装置1の変形例を示す図である。
図8は変形例に係る商品収納装置1の斜視図、
図9は正面図、
図10は概略の縦断面図、
図11は変形例に係る商品収納装置1の商品載置部4の分解斜視図である。
図8~
図11に示された商品収納装置1では、商品載置部4の構造が変更されている。なお、以下では、主に、
図1~
図7に示された商品載置部4と異なる点について説明する。また、
図9では、支持プレート33が取り外されている。
【0060】
図8~
図11を参照すると、商品載置部4は、ベース部45と、第1のウィング部46と、第2のウィング部47と、を有している。商品載置部4は、各ウィング部46,47が開閉することによって、商品Pが載置される載置面4aの高さ位置を、少なくとも、下位置H1と上位置H2とに切り替え可能に構成されている。
【0061】
ベース部45は、ベース部41と同様に、基台3に対向する部材である。そして、ベース部45の下面がスパイラル部材2の下端側円弧部2aの径方向内縁に近接又は接触しており、この状態で、ベース部45の前後方向の両端が支持プレート33及びブラケット53に固定されて支持されている。つまり、スパイラル部材2の下端側円弧部2aはベース部45と基台3との間に挟まれるように配置されている。そして、ベース部45は、ベース部41と同様にスパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿う曲面45aを有して前後方向に延びている。
【0062】
具体的には、ベース部45は、上下方向から視た平面視で前後方向に長い概ね矩形状に形成されており、その内部に各ウィング部(46,47)を収容可能に凹んだウィング収容部45bを有している。ベース部45における基台3側の下面は、スパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿うように湾曲した形状で形成されており、下端側円弧部2aの曲率に合わせた曲率を有している。つまり、ベース部45の下面が、スパイラル部材2の下端側円弧部2aの全体に沿う曲面45aを構成している。
【0063】
また、ベース部45の左右両側部には、各ウィング部(46,47)の基端部が収容され、ウィング収容部45bの一部を構成するスリット45b1がそれぞれ形成されており、スリット45b1はベース部45の前後方向の両端部を残してベース部45の左右両側部を切り欠くように形成されている。
【0064】
第1のウィング部46は、ベース部45の上部の幅方向一端側(図では左端側)に設けられる前後方向に延びる第1の軸部451に回動可能に支持される。具体的には、第1の軸部451は、ベース部45の左端側のスリット45b1を形成する前壁と後壁のそれぞれにおいて、スリット45b1内側に突出するようにベース部45に取り付けられる。
【0065】
第2のウィング部47は、ベース部45の上部の幅方向他端側(図では右端側)に設けられる前後方向に延びる第2の軸部452に回動可能に支持される。具体的には、第2の軸部452は、ベース部45の右端側のスリット45b1を形成する前壁と後壁のそれぞれにおいて、スリット45b1内側に突出するようにベース部45に取り付けられる。
【0066】
そして、商品載置部4の各ウィング部(46,47)は、概ねL字状断面を有して前後方向に延びており、その基端部が対応するスリット45b1内にて対応する軸部(451,452)を支点としてベース部45の幅方向に回動可能に支持されている。つまり、第1のウィング部46は、第1の軸部451に回動可能に支持される軸部側の部分(換言すると、基端側の部分)であるウィング基端片461と先端側の部分であるウィング先端片462とを有し、ウィング基端片461とウィング先端片462の間に設けられた屈曲部463において、ウィング全長方向(前後方向)の全体に亘って屈曲するように形成されている。同様に、第2のウィング部47は、第2の軸部452に回動可能に支持される軸部側の部分(換言すると、基端側の部分)であるウィング基端片471と先端側の部分であるウィング先端片472とを有し、ウィング基端片471とウィング先端片472の間に設けられた屈曲部473において、ウィング全長方向(前後方向)の全体に亘って屈曲するように形成されている。また、各ウィング部(46,47)の軸部(451,452)側の部分には、指等により押圧操作するための操作片(464,474)がウィング基端片(461,471)とは反対側に突出するように形成されている。
【0067】
そして、各ウィング部(46,47)が収容されるウィング収容部45bは、ウィング基端片(461,471)の基端部が収容される上述のスリット45b1と、スリット45b1と連続してベース部45の上面に形成されるとともにウィング基端片(461,471)における基端部と屈曲部(463,473)との間の部分が収容される第1凹部45b2と、第1凹部45b2と連続してベース部45の上面に形成されるとともにウィング先端片(462,472)が収容される第2凹部45b3と、からなる。この構成により、ウィング倒伏時に、各ウィング部(46,47)の屈曲部463,473がウィング収容部45b内に収容されるようになると共に、第1凹部45b2によって商品Pの荷重を受けることができる。
【0068】
そして、各ウィング部(46,47)は、ベース部45に対して倒伏した姿勢をとった場合に(閉じた状態で)、屈曲部(463,473)において、ウィング先端片(462,472)が下方に延びるように、屈曲している。換言すると、各ウィング部(46,47)は、開いた状態で、ウィング先端片(462,472)がベース部45の幅方向の内側に延びるように、屈曲部(463,473)にて屈曲している。
【0069】
変形例に係る商品載置部4において、下位置H1における載置面4aはウィング基端片(461,471)の上面により構成され、上位置H2における載置面4aはウィング先端片(462,472)の上面により構成されている。
【0070】
具体的には、商品載置部4において、
図10に破線で示されるように、各ウィング部(46,47)がベース部45に対して倒伏した状態で、各ウィング部(46,47)の全体がウィング収容部45b内に収容されている。このとき、各ウィング部(46,47)のウィング基端片(461,471)の上面はベース部45の上面と平行で且つベース部45の上面と同一の高さ位置又は略同一の高さ位置に位置しており、ウィング基端片(461,471)の上面が下位置H1における載置面4aを構成している。
【0071】
そして、載置面4aが下位置H1に位置する状態は、例えば、各ウィング部(46,47)のウィング基端片(461,471)の下面又はウィング先端片(462,472)の先端がウィング部(46,47)の自重によってベース部45のウィング収容部45bの底面に当接することによって保たれている。
【0072】
また、各ウィング部(46,47)の載置面4aが下位置H1に位置し、ウィング部(46,47)がウィング収容部45b内に完全に嵌まり込んで収容されているときに、ウィング部(46,47)の操作片(464,474)が幅方向外側に張り出している。このため、下位置H1にあるウィング部(46,47)の操作片(464,474)が作業者の指などによって押圧されて開方向に回動させることができるようになっている。そして、下位置H1にあるウィング部(46,47)の操作片(464,474)が下方に押圧されると、ウィング部(46,47)が起立する方向に回動して開方向に最大に開く(
図10に実線で示されるウィング部参照)。このとき、各ウィング部(46,47)のウィング先端片(462,472)の上面はベース部45の上面と平行で且つ下位置H1より上方に位置しており、ウィング先端片(462,472)の上面が上位置H2における載置面4aを構成している。
【0073】
本実施形態では、各ウィング部(46,47)は、最大に開いた状態で、ウィング先端片(462,472)がベース部45の幅方向の内側で且つベース部45の上面に対して平行な方向に延びるように、屈曲部(463,473)にて鋭角に屈曲している。したがって、各ウィング部(46,47)は、最大に開いた状態において、ウィング基端片(461,471)をベース部45の幅方向(ベース部幅方向)について外側に傾斜させた傾斜姿勢をとっている。つまり、二つのウィング部(46,47)が最大に開いた状態で逆ハの字状の姿勢で開いている。そして、商品載置部4は、上述の傾斜姿勢において開方向の回動を阻止するように構成されている。
【0074】
具体的には、ウィング部(46,47)の載置面4aの上位置H2は、操作片(464,474)によって規定される。詳しくは、ウィング基端片(461,471)が起立した姿勢にあるときに、操作片(464,474)は先端に向かうほどベース部幅方向の内側に近づくようにウィング基端片(461,471)に対して傾斜しており、ベース部45の底面におけるスリット45b1に対応する部分には、起立側回動規制スリット45cが形成されている。そして、起立側回動規制スリット45cに操作片(464,474)の先端が当接することによって、ウィング部(46,47)のそれ以上の回動(詳しくは、
図10の側面視では、第1のウィング部46については反時計回りの回動、第2のウィング部47については時計回りの回動)が規制されて阻止され、この状態で、載置面4aは上位置H2に位置している。そして、操作片(464,474)の先端が起立側回動規制スリット45cに当接した状態で、各ウィング基端片(461,471)が僅かにベース部幅方向外側に傾斜しているように、起立側回動規制スリット45cの位置及び操作片(464,474)の長さ等が設定されている。
【0075】
以上説明した変形例に係る商品載置部4を有した商品収納装置1においても、作業者は必要に応じて、ウィング部(46,47)を開閉操作することで、載置面4aの高さ位置を切り替えることができるため、商品入れ替えなどの際の作業者負担が低減される。
【0076】
また、変形例に係る商品載置部4では、各ウィング部(46,47)を個別に回動させることができる。したがって、図示を省略するが、商品載置部4は、一方のウィング部(46又は47)の載置面4aを下位置H1に位置させ、他方のウィング部(47又は46)の載置面4aを上位置H2に位置させた姿勢(つまり、一方のウィング部を最大に開き、他方のウィング部を閉じた姿勢)をとることができる。そして、この姿勢により形成された第1のウィング部46と第2のウィング部47との間の段差を利用して、箱入り等の比較的に大きな商品Pを斜めに傾斜させた姿勢で安定的に商品載置部4上の段差部分に載置することができる。また、第1のウィング部46と第2のウィング部47を僅かに開くことによって両ウィング先端片(462,472)の間に形成される溝を利用して、細長い商品Pや湾曲した底面を有する商品P等の商品Pについても、安定して商品載置部4上に載置することができる。
【0077】
また、二つのウィング部(46,47)が最大に開いた状態で逆ハの字状の姿勢で開いており、この姿勢(傾斜姿勢)において開方向の回動を阻止するように構成されている。これにより、各ウィング部(46,47)が自重によって自身を開方向に回動させる方向に付勢した状態で、各ウィング部(46,47)の開方向の移動が阻止されているため、各ウィング部(46,47)の最大に開いた姿勢がより安定して保たれるようになる。
【0078】
なお、変形例に係る商品載置部4は、図示を省略するが、載置面4aを上位置H2に位置させた姿勢においてウィング部(46,47)の移動(ここでは、倒伏姿勢に向かう回動)を阻止するロック状態と、ウィング部(46,47)の移動の阻止が解除されたロック解除状態とに、切り替え可能に構成されてもよい。これにより、載置面4aが上位置H2に位置する状態で、各ウィング部(46,47)に、外力が意図せず加えられたとしても、各ウィング部(46,47)が倒伏姿勢(閉方向)に向かって回動することが抑制される。また、各ウィング部(46,47)は、屈曲部(463,473)を有しており、屈曲しているものとしたが、これに限らず、各ウィング部(46,47)は、屈曲部(463,473)及びウィング先端片(462,472)を有さず、直線的に延びたウィング基端片(461,471)により構成されてもよい。この場合、商品載置部4は、上位置H2では、直線的に延びたウィング基端片(461,471)の先端面で商品Pを受け、下位置H1では、ウィング基端片(461,471)の上面で商品Pを受ける。
【0079】
そして、変形例に係る商品載置部4は載置面4aの高さ位置を複数段階に変更可能に構成されてもよい。また、
図1~
図7に示された商品載置部4においても、載置面4aの高さ位置が複数段階に変更可能に構成されてもよい。
【0080】
上述の変形例では、規制部材4Aはベース部45によって構成されており、ベース部41からなる規制部材4Aと同様に、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動を曲面45aによって確実に規制(阻止)することができる。
【0081】
[規制部材の変形例]
次に、商品収納装置1の規制部材4Aの変形例について、説明する。
図12は規制部材4Aの外形等の変形例を説明するための概念図である。
図12(a)は上述されたベース部41からなる規制部材4Aやベース部45からなる規制部材4Aの概略の外形を示し、
図12(b)~
図12(d)はそれぞれ規制部材4Aの外形の変形例を示している。
【0082】
図12(a)に示されるように、上述したベース部41やベース部45からなる規制部材4Aは、スパイラル部材2の下端側円弧部2aに沿う曲面(41a,45a)を有していたが、これに限られず、
図12(b)~
図12(d)に示される外形で形成されてもよい。
【0083】
図12(b)では、規制部材4Aは、
図12(a)に示された規制部材4Aの下面の曲面(41a,45a)の下部を平坦な面として切り欠いた形状に形成されている。つまり、
図12(b)の規制部材4Aは、スパイラル部材2の径方向内側において前後方向に延び且つ螺旋中心軸Xよりも下側に配置されており、且つ、螺旋中心軸Xよりも左右方向の一方側(図では左側)においてスパイラル部材2に近接又は接触する第1の縁部4A1と、螺旋中心軸Xよりも左右方向の他方側(図では右側)においてスパイラル部材2に近接する第2の縁部4A2と、を有している。但し、規制部材4Aにおける螺旋中心軸Xの直下の部分は、スパイラル部材2の径方向内縁から大きく離れている。
図12(b)の規制部材4Aでは、左側の第1の縁部4A1によって、スパイラル部材2の左側から右側への移動と、スパイラル部材2の上方への移動が規制(阻止)され、右側の第2の縁部4A2によって、スパイラル部材2の右側から左側への移動と、スパイラル部材2の上方への移動が規制(阻止)される。また、この規制部材4Aの各縁部(4A1,4A2)は、それぞれ、スパイラル部材2の螺旋巻き内径の半分に合わせた曲率を有した曲面状の端面として形成され、スパイラル部材2における螺旋中心軸Xより外側における径方向内縁に近接又は接触している。これにより、スパイラル部材2の移動がより確実に規制される。なお、
図12(b)の規制部材4Aにおいて、各縁部(4A1,4A2)は曲面でなく平坦な面であってもよい。この場合でも、規制部材4における各縁部(4A1,4A2)の下側の角部によって、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動が規制される。
【0084】
図12(c)では、規制部材4Aは、逆三角形の外形(縦断面形状)を有して前後方向に延びている。つまり、
図12(c)の規制部材4Aは、第1の縁部4A1及び第2の縁部4A2を有するとともに、螺旋中心軸Xの直下においてスパイラル部材2に近接又は接触する下端側縁部4A3を有する。この規制部材4Aでは、第1の縁部4A1は規制部材4Aの左側の角部により構成され、第2の縁部4A2は規制部材4Aの右側の角部により構成され、下端側縁部4A3は規制部材4Aの下方に凸の角部により構成されている。これにより、スパイラル部材2は、スパイラル部材2の径方向内側においてスパイラル部材2の下端側円弧部2aの径方向内縁における周方向に離れた3箇所において、スパイラル部材2の移動を規制することができ、その結果、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動が規制される。なお、この規制部材4Aにおいて、各縁部(4A1,4A2)はR形状に丸められてもよいし、下端側縁部4A3はスパイラル部材2の螺旋巻き内径の半分に合わせた曲率を有した曲面状の端面として形成されてもよい。
【0085】
図12(d)では、規制部材4Aは、薄板状の外形を有して前後方向に延びている。つまり、
図12(d)の規制部材4Aは、第1の縁部4A1と第2の縁部4A2を有し、下端側縁部4A3は有していない。この規制部材4Aでも、
図12(b)の規制部材4と同様に、左側の第1の縁部4A1によって、スパイラル部材2の左側から右側への移動と、スパイラル部材2の上方への移動が規制(阻止)され、右側の第2の縁部4A2によって、スパイラル部材2の右側から左側への移動と、スパイラル部材2の上方への移動が規制(阻止)される。これにより、簡素な構造の規制部材4Aによって、スパイラル部材2の左右方向及び上方への移動が規制される。
【0086】
本実施形態では、商品収納装置1は載置面4aの高さ位置を切り替え可能に構成された商品載置部4を有し、規制部材4は商品載置部4のベース部(41,45)を兼ねるものとしたが、これに限らず、商品収納装置1は、商品載置部4を有さず、規制部材4を商品載置部4と関連のない部材として有していてもよい。この場合、商品Pは規制部材4の上面に載置され、規制部材4の上面が載置面4aを構成する。
【0087】
さらに、上記説明では、商品収納装置1は、基台3を備えるものとしたが、これに限らず、基台3を備えなくてもよい。この場合、例えば、棚板1aがスパイラル部材2の下端に近接又は接触するように配置され、スパイラル部材2の下方への移動や変位が棚板1aによって規制されるように構成される。つまり、基台3に代わって、棚板1aがスパイラル部材2を下方から支持すると共に、スパイラル部材2の下方への移動を規制する。そして、載置面4aの高さ位置についての前記所定の基準面は、例えば、棚板1aの上面になる。そして、この場合、規制部材4A(ベース部(41,45))は、支持プレート33及びブラケット53を介して棚板1aに直接的に固定される。支持プレート33及びブラケット53を介した規制部材4Aの棚板1aへの固定位置は、棚板1aの上面でもよいし裏面でもよい。また、規制部材4A(支持プレート33及びブラケット53)の棚板1aへの固定はボルト等の締結具を用いてもよいし磁石を用いてもよい。
【0088】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は、上述の実施形態や変形例に制限されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいてさらなる変形及び変更が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0089】
1…商品収納装置、2…スパイラル部材、2a…下端側円弧部、3…基台、4…商品載置部、4A…規制部材、4A1…第1の縁部、4A2…第2の縁部、4A3…下端側縁部、4a…載置面、41…ベース部、41a…曲面、42…可動プレート(可動部)、45…ベース部、45a…曲面、46…第1のウィング部(可動部)、47…第2のウィング部(可動部)、H1…下位置、H2…上位置、P…商品、X…螺旋中心軸