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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063086
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】相談ボックスシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230427BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173368
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】500351000
【氏名又は名称】SocioFuture株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102923
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 雄二
(72)【発明者】
【氏名】宮本 利仁
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リモートで端末装置を使用した相談であっても、利用者が相談先を訪れたのと同様の満足を得ることができる相談ボックスシステムを提供する。
【解決手段】相談ボックスシステムは、任意の場所に配置できる独立したボックス12内に設けられている。演算処理装置24は、ディスプレイ32に相談に必要な書類を含む諸事項を表示して、利用者18による確認を促し、相談を開始する前にカメラ34等を使用して、自動的に本人確認処理を実行する。次に、ディスプレイ32に相談に使用される書類や物のリストを表示して、該当する物をカメラ34で撮影して記憶装置25に記憶し、記憶装置25から相談に必要な書類や物の撮影データを読み出して相談員20側のディスプレイに表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
独立したボックス内に設置され、ネットワークを利用した相談のための通信装置と、相談に必要なデータ処理を実行する演算処理装置と、マイクと操作盤とキーボードとディスプレイとカメラとを備え、
上記の演算処理装置は下記の(1)~(7)の手段を備えることを特徴とする相談ボックスシステム。
(1) ディスプレイへの表示と操作盤からの入力情報から利用者の相談内容を取得する手段
(2) ディスプレイに相談に必要な書類を含む諸事項を表示して、利用者による確認を促す手段
(3) 相談を開始する前にカメラもしくは専用の情報読取り装置を使用して、本人確認のための処理を実行する手段
(4) ディスプレイに相談に使用される書類や物のリストを表示して、該当する物をカメラで撮影して記憶装置に記憶する手段
(5) 相談員側において、本人確認のための処理で取得したデータの中から、相談に必要なデータのみを選択して、相談員側のディスプレイに表示する手段
(6) 記憶装置から相談に必要な書類や物の撮影データを読み出して相談員側のディスプレイに表示する手段
【請求項2】
上記の(1)~(4)中のディスプレイとカメラと操作盤を携帯端末のもので代用して、相談開始前の処理を実行制御して、その結果を相談ボックスの記憶装置に転記する相談事前処理手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載の相談ボックスシステム。
【請求項3】
利用者の携帯端末から、希望する相談ボックスの利用を予約する相談ボックス利用予約手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の相談ボックスシステム。
【請求項4】
携帯端末と通信をして利用者を識別し、」相談ボックスの鍵を開閉する相談ボックス開閉制御手段を設けたことを特徴とする請求項3に記載の相談ボックスシステム。
【請求項5】
相談に必要な書類で、利用者が相談員に読まれたくないと希望する事項にマスクをする個人情報表示抑制制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の相談ボックスシステム。
【請求項6】
利用者およびまたは相談員の画像をアバターで表示するかどうかを利用者に選択させるアバター画像生成制御手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の相談ボックスシステム。
【請求項7】
本人確認のための処理で取得したデータからデジタル認証のためのデータを取得して、相談に使用された書類の認証を実行するデジタル認証データ生成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の相談ボックスシステム。
【請求項8】
相談に使用された書類に署名捺印書類が含まれているとき、相談員宛にその書類を郵送するための封書をプリンタに印刷させる追加書類データ生成手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の相談ボックスシステム。
【請求項9】
通信装置は、ネットワークを通じて金融機関のサーバと接続し、演算処理装置は、預貯金取引処理の制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の相談ボックスシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを使用した各種相談に利用される相談ボックスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な分野で盛んにデジタル化が進められている今日でも、役所の手続き、銀行ローン、携帯電話の更新手続き等で、利用者が関係先に出向いて相談をしなければならない事案が少なくない。もちろん、これらの相談に電話やインターネットを利用する各種システムも開発されている(特許文献1~4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-123336号公報
【特許文献2】特開2002-300304号公報
【特許文献3】特開2004-29868号公報
【特許文献4】特開2002-92173号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来システムには次のような解決すべき課題かある。まず、個人のパーソナルコンピュータや携帯電話は、必ずしも利用者にとって使い易いものとは限らない。また、私的な端末装置のみで完結させることができない処理も少なく無い。その一方で、利用者が相談先に出向くには地理的時間的な制約もある。さらに、相談の内容によっては、個人情報の問題もあって、相談員と対面で相談をすることが躊躇されるケースもある。本発明はこうした点に着目してなされたもので、リモートで端末装置を使用した相談であっても、利用者が相談先を訪れたのと同様の満足が得られるような相談ボックスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の構成はそれぞれ上記の課題を解決するための手段である。
【0006】
<構成1>
独立したボックス内に設置され、ネットワークを利用した相談のための通信装置と、相談に必要なデータ処理を実行する演算処理装置と、マイクと操作盤とキーボードとディスプレイとカメラとを備え、
上記の演算処理装置は下記の(1)~(7)の手段を備えることを特徴とする相談ボックスシステム。
(1) ディスプレイへの表示と操作盤からの入力情報から利用者の相談内容を取得する手段
(2) ディスプレイに相談に必要な書類を含む諸事項を表示して、利用者による確認を促す手段
(3) 相談を開始する前にカメラもしくは専用の情報読取り装置を使用して、本人確認のための処理を実行する手段
(4) ディスプレイに相談に使用される書類や物のリストを表示して、該当する物をカメラで撮影して記憶装置に記憶する手段
(5) 相談員側において、本人確認のための処理で取得したデータの中から、相談に必要なデータのみを選択して、相談員側のディスプレイに表示する手段
(6) 記憶装置から相談に必要な書類や物の撮影データを読み出して相談員側のディスプレイに表示する手段
【0007】
<構成2>
上記の(1)~(4)中のディスプレイとカメラと操作盤を携帯端末のもので代用して、相談開始前の処理を実行制御して、その結果を相談ボックスの記憶装置に転記する相談事前処理手段を設けたことを特徴とする構成1に記載の相談ボックスシステム。
【0008】
<構成3>
利用者の携帯端末から、希望する相談ボックスの利用を予約する相談ボックス利用予約手段を設けたことを特徴とする構成1または2に記載の相談ボックスシステム。
【0009】
<構成4>
携帯端末と通信をして利用者を識別し、」相談ボックスの鍵を開閉する相談ボックス開閉制御手段を設けたことを特徴とする構成3に記載の相談ボックスシステム。
【0010】
<構成5>
相談に必要な書類で、利用者が相談員に読まれたくないと希望する事項にマスクをする個人情報表示抑制制御手段を備えたことを特徴とする構成1に記載の相談ボックスシステム。
【0011】
<構成6>
利用者およびまたは相談員の画像をアバターで表示するかどうかを利用者に選択させるアバター画像生成制御手段を備えたことを特徴とする構成2に記載の相談ボックスシステム。
【0012】
<構成7>
本人確認のための処理で取得したデータからデジタル認証のためのデータを取得して、相談に使用された書類の認証を実行するデジタル認証データ生成手段を備えたことを特徴とする構成1に記載の相談ボックスシステム。
【0013】
<構成8>
相談に使用された書類に署名捺印書類が含まれているとき、相談員宛にその書類を郵送するための封書をプリンタに印刷させる追加書類データ生成手段を備えたことを特徴とする構成1に記載の相談ボックスシステム。
【0014】
<構成9>
通信装置は、ネットワークを通じて金融機関のサーバと接続し、演算処理装置は、預貯金取引処理の制御を実行することを特徴とする構成1に記載の相談ボックスシステム。
【発明の効果】
【0015】
・独立した相談ボックスで、本人確認と書類等の準備とが自動的にサポートされ、その後担当者と通信ができるので、能率的で、対面で相談をするのと同等以上の相談が出来る
・本人確認処理を全自動で行なえば、相談を開始するとすぐに本来の相談に進むことができる。
・また、相談員に対して、相談に必要の無い個人情報を開示しなくてよい。
・相談に必要な書類を相談開始前に撮影して記憶装置に記憶させておく機能があれば、相談員が相談前に相談に必要な資料の過不足の事前確認をすることができ、効率よく相談を進めることができる。
・必要な書類の作成が終わると、これに署名捺印をして郵送するといった処理が考えられる。これには、宛て先を相談員にして、利用者を発信者にした封書が必要になるが、これを自動的に印刷することができる
・マイナンバーカード等を用いて本人確認処理が実行された場合には、作成した書類にデジタル署名をして手続きを完了させることができる。この場合には、オンラインで全ての処理が完了する。
・役所や金融機関等で多く経験することであるが、何枚かの書類に何度も住所氏名の記入を求められ、手続きに非常に時間がかかることがある。本人確認処理を行った場合には、正確な住所氏名等のデータが取得されている。必要な書類があればこのデータを利用して、利用者による各種事項の書き込みや書類の作成負担を軽減することができる。
・相談ボックスの一部の機能を携帯端末による操作に置き換えることも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明のシステムの具体例ブロック図
図2】本発明のシステムの処理動作フローチャート(1)
図3】本発明のシステムの処理動作フローチャート(2)
図4】本発明のシステムの操作画面例(1)
図5】本発明のシステムの操作画面例(2)
図6】本発明のシステムの主要な機能ブロック図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を実施例毎に詳細に説明する。
【実施例0018】
この相談ボックスシステムは、役所であったり金融機関であったり、あるいは携帯端末の営業店の相談窓口に直接訪れる代わりに、電話ボックスのような独立した部屋の中で、対面で相談をするのと同等以上の相談が出来るようにしたものである。
【0019】
以下の実施例では、金融機関の利用者が求める様々な相談業務を、相談ボックスシステムを利用して行なう場合の具体例を説明する。利用者が求める様々な相談業務には、例えば、次のような業務がある。
【0020】
(1)住所変更や氏名変更、印鑑変更、通帳の紛失や再発行などの手続きの相談
(2)資産運用や投資の相談、契約、解約
(3)ローンの相談や契約
(4)税金や公共料金の支払い送金の相談
(5)口座開設や指定口座振込み、口座解約
(6)定期預金の預入れ、振替、満期時の取扱変更
(4)普通預金の現金入出金処理
【0021】
こうした相談業務では、従来、利用者が金融機関を訪問して長時間待たされたうえに、各種書類の記入をするといった、利用者にとって負荷の大きな作業が少なからずあった。この実施例の相談ボックスシステムを使用すれば、リモートで、待ち時間も無くし、多くの書類作成作業をほぼ自動化することができる。
【0022】
図1に示すように、相談ボックス12は、例えば、金融機関の店舗のみならず、各種公共機関、駅、公民館、図書館、スーパーマーケット、百貨店等の施設内に自由に設置できる。これを利用して、図1(a)に示す利用者18は、ネットワーク14を通じて相談端末16を操作する相談員20と相談出来る。
【0023】
図1(b)には相談ボックス12の内部に主要された機材の斜視図を示した。
相談ボックスシステムは独立した相談ボックス12内に設置される。相談ボックス12の内部には、ネットワークを利用した相談のための通信装置22と、相談に必要なデータ処理を実行する演算処理装置24と、記憶装置25とが設けられて制御が行われる。
【0024】
相談ボックス12に据え付けられたデスク上には、タブレット26が置かれている。タブレット26は、利用者18が操作する仮想キーボードなどを表示するためのものである。デスクの正面の壁にはディスプレイ32が吊り下げられている。
【0025】
ディスプレイ32には、利用者18と相談員20の画像や、操作案内や、相談に使用する書類の画像を表示する。あとで説明するように、利用者18と相談員20の画像の代わりのアニメーション(アバター)を表示することもできる。
【0026】
さらに、この相談ボックス12内には、3台のカメラ34が設備されている。ディスクの正面の壁に設けられたカメラ34は、利用者18の顔を撮影するためのものである。デスクの右側に配置されたカメラ34は、書類などを撮影するスキャナーの役割をする。
【0027】
天井部分から下方を撮影するカメラ34は、カードや通帳などの利用者18が持参した様々な物の立体画像を取得するためのものである。これは カードや通帳などの真偽判断をするために利用できる。
【0028】
デスクの右下にはカードデータを読み取るためのカード読取装置36や、様々な資料を印刷するためのプリンタ38が備え付けられている。このほかに、スペースが許せばスキャナーを設けてもよい。また、後で説明するように、預貯金取引のための機能を追加するために現金入出金装置37や通帳読取装置39を設けてもよい。
【0029】
図2図3を用いて相談ボックス12を利用した処理の流れを説明する。図2において、相談ボックス12は、利用者18が利用を開始すると、ステップS11で、利用者18に対して、相談窓口の利用か、預貯金の取引かの選択を求める。預貯金の取引が選択された時にはステップS13で、各種取引のメニューがディスプレイ32に表示される。
【0030】
例えば、お引き出し、お預け入れ、残高照会といったメニューが表示され、利用者18にその選択を促す。一方、相談窓口が選択された場合には、相談内容の選択メニューがディスプレイ32に表示される。
【0031】
この図面の例では、ステップS12で、諸届出、資産運用、各種ローン、税公金等とのメニューが表示される。次にステップS14で、ディスプレイ32に、本人確認の処理画面が表示される。この図面の例では、ご相談にあたり本人確認のため以下のものが必要です、と言った表示がされる。
【0032】
さらに、住民票、カードまたは通帳、本人を確認できる運転免許証やパスポート、マイナンバーカード、保険証などのリストが表示される。
【0033】
ステップS15では、演算処理装置24が、カメラ34を使用して生体認証や顔認証を行う。さらに利用者18にタブレット26を操作させてパスワード認証を行う。なお、 カード読取装置36を使用して銀行カードやマイナンバーカードを読み取って本人確認処理を行うこともできる。
【0034】
なお、ここで本人確認に必要な情報が不足している場合には、その内容をプリンタ38を用いて印刷する。利用者は印刷された内容を確認して、例えば該当する本人確認情報を示すものを取りに戻る。ここで相談ボックスの利用を中断する。
【0035】
ステップS16で本人確認処理が自動的に完了すると、ステップS17に移って相談メニューがディスプレイ32に表示される。
【0036】
次に図3の説明に移る。図2のステップS12で利用者18によって選択されたメニューが、ステップS21でディスプレイ32に表示される。ステップS22では、本ご相談にあたり次のものが必要です、とし、具体的に必要な書類などのリストをディスプレイ32に表示する 。
【0037】
ここで利用者18が その書類などのリストにチェックを入れると、自動的に不足分が判断され、ステップS23で不足している書類などの一覧がプリンタ38によって印刷される。利用者18はここで相談ボックスの利用を中断し、不足した書面などを取りに戻る。
【0038】
相談に必要な書面などが完備していると判断されると、ステップS24で、ディスプレイ32に、担当者とお繋ぎいたしますのでお待ちください、といったメッセージが表示される。その後ステップS25で、窓口担当者と対話をして、ディスプレイ32やマイク28やタブレット26などを利用して、対面形式で相談が開始される。
【0039】
ステップS26では、利用者側のカメラで書類などを撮影して相談員20の相談端末16に表示したり、相談員20から利用者18側に必要な書類のデータを送信してディスプレイ32に表示したり、プリンタ38で書類を印刷をしたりする。このようにして相談が進められる。
【実施例0040】
図4図5には操作画面の一例を示した。(a)は相談ボックス12の使用開始時の表示画面である。相談コーナーへようこそ、ご希望の相談の種類を選んでください、といった表示がされる。以下の画面でもすべて同様であるが、各画面には、前の処理に戻るための戻るボタンと次の処理に移るための次へボタンが表示されている。
【0041】
(b)は、相談の種類を選択する画面である。住所の変更や氏名変更等の相談の場合には、その(1)のチェックボックスにチェックを入れる。このリストに該当する項目が見つからない場合には、その他の右側のテキストボックスに自由に文章を入力すると良い。右側のマイクアイコンをクリックすれば音声で入力することもできる。ここで入力された文章を認識処理して解析すれば、相談の種類を自動的に判定することができる。
【0042】
(c)の画面では、相談を始める前に、本人確認を実行する旨のメッセージを表示している。さらに相談員の繁忙状況を確認して、すぐに相談を受けられる状態か、利用者18にしばらく待機してもらわなければならない状態かを判断してこの画面に表示する。
【0043】
該当する相談に対応できる相談員が不在だったり、利用者が多くて混雑しているときは、例えば、待ち時間等の表示をする。長時間待たなければならないような場合には、利用者18はこの段階で相談ボックス12の使用を中断することができる。しかしながら、予め相談ボックスの利用を携帯端末で予約するようにして、相談のための待ち時間が最小になるように相談ボックスシステムを運用することも可能である。
【0044】
次に図5の画面例の説明に進む。図5において、(a)には、相談に必要な書面のリストとチェックボックスとが表示されている。利用者18はこのチェックボックスにチェックを入れながら必要な書面の確認をする。
【0045】
(b)では、利用者18に対して相談をすぐに開始するか、必要な書類が不足しているが、とりあえず相談を開始するか、必要な書類を揃えてから出直すかの判断を求めている。
【0046】
相談が開始される場合には、(c)で、本人確認処理を自動的に実行する旨の表示を行う。すなわちこの手順によれば、本人確認のための書類などと相談に必要な書類などが全て整っていることを確認した後で、本人確認処理を自動的に実行する。
【0047】
せっかく本人確認処理をしても、必要な書類が不足していて相談ボックスの使用を中断すれば、これまでの処理は無駄になる。これを防止するために、ここでは手順を工夫している。
【0048】
なお、この画面では、本人確認に使用された情報のうちで、相談に必要なもの以外は、相談員に伝わらないということを利用者18に通知している。次の(d)では、相談に必要な書類のカメラによる撮影などの準備を行うように案内画面を表示する。画面だけでなく音声によって順番に作業を進めることもできる。この時に、撮影した書類の中で相談員に見せたくない部分をマスクすることができるように、利用者18の操作を案内することができる。
【実施例0049】
図6を用いて、演算処理装置24のさらに具体的な動作例を説明する。なお、記憶装置には、本人確認情報54と書面撮影データ56が記憶されていて、下記の各手段により使用される。この図に示した個人情報表示抑制制御手段40は、個人情報のうちの相談に必要な物以外を相談員20に見せなくてよいように、記憶装置25に記憶された個人情報や書類の撮影データなどを、利用者18の希望によってマスクする処理を実行する。
【0050】
本人確認処理によって得られたデータのうち、相談に必要な個人情報は相談の内容で自動的に判断できる。従ってこれを個人情報表示抑制制御手段40が適宜選択して、相談端末16に送信すれば良い。
【0051】
一方、カメラ34によって撮影された書類などはタブレット26にまず表示されて、利用者18が相談員20に見せたくない部分をマークするように案内制御する。該当箇所に黒塗りのマークをしてから相談端末16に送信すれば良い。
【0052】
アバター画像生成制御手段42は、利用者18が本人の顔の画像や相談員20の顔の画像を表示させたくない時にその旨を指定すれば動作する。この時は顔の画像に変えてアニメーションなどの画像を表示すると良い。
【0053】
追加書類データ生成手段44は、相談の結果必要になった書類であって、自動的に生成することが可能なものを生成してプリンタ38により印刷出力する。個人情報も利用できるため、利用者18の住所や氏名なども自動的に組み込んで印刷できる。したがって利用者18の作業負担を軽減できる。
【0054】
デジタル認証データ生成手段46は、署名捺印などの作業を省略できるように、マイナンバーカードなどから取得したデータを使用してデジタル認証データを生成する機能を持つ。このデジタル認証データは、この相談の結果必要になった書面を認証するために固有のものであって構わない。すなわち、銀行印のようにその金融機関独自の電子的な認証データを生成して使用して構わない 。
【0055】
相談ボックス利用予約手段48は相談ボックス12の利用を、携帯端末などを用いて予約を受け付ける機能を備える。この場合には、相談ボックス12が、一定の時刻になると予約をした利用者18だけが利用できるようにする必要がある。このために相談ボックス開閉制御手段52が、相談ボックス12の開閉制御を、例えば、携帯端末の電話番号やあらかじめ通知した認証番号などで自動化する処理を実行する。
【0056】
すなわち、利用者は相談ボックス12の扉に認証番号の入力をしてドアを開く。ドアは自動的にロックされる。相談が終了すると再び認証番号の入力をしてドアを開けて外に出ることができる。利用者はこの間、相談ボックスを占有できる。
【0057】
相談事前処理手段50は、携帯端末を用いて、予め本人確認処理と必要書類などの撮影や確認処理を終了させてから相談ボックス12を使用することを可能にする。この場合には、携帯端末に記憶されたこれらのデータを相談ボックス12の中の記憶装置25に転送して相談を開始する。
【0058】
相談が開始されると、相談員のディスプレイには、その相談員の権限内で操作できる端末装置のハードウエアの操作ボタンが表示される。全自動で本人確認が終了していれば、相談に必要な最小限の個人情報のみが、相談員のディスプレイに表示されるとよい。
【0059】
キャッシュカードや通帳や印鑑等を立体的に撮影すると、それらが偽装されたものでないかを画像で確認できる。例えば、相談員は、端末装置に設置されたカメラの向き等を操作して、本人確認等に利用することができる。また、キャッシュカードや通帳や印鑑等を立体的に撮影したときは、その撮影画像を確認したり、記憶装置に保存したりすることができる。
【0060】
また、本人確認処理は人工知能(AI)により自動化することができる。例えば、キャッシュカードや通帳を読取装置で読み取って、預貯金の入出金処理と同様にして本人確認をする方法、携帯端末を併用して認証をする方法、免許証、マイナンバーカード、パスポートを利用して、顔認証も含めた本人確認を行なう方法がある。本人確認処理が完了していれば、相談業務を迅速に開始できる。
【0061】
また、必要書類のカメラによる画像の撮影操作を補助すれば、これも自動的に処理できる。こうした自動化によって、相談業務を迅速に開始できる
【0062】
相談ボックスには相談に必要な全てのツールが簡単に操作できるように揃っているから、相談の申し込みから相談完了後の書類の提出や受け取りまで全ての作業を完結させることができる。
【0063】
なお、携帯端末で相談ボックス12の利用を予約するときは、例えば、相談をしたい場所を検索して、目的とする場所が見つかった場合、その相談をする場所、時間帯、相談内容、相談員等をあらかじめ登録をしたり、変更をすることができるとよい。
【0064】
また、予約すると、利用者の携帯端末に相談内容に必要な書類の一覧表が表示されたり、メールアドレス宛に送信されるとよい。さらに、相談時間が近づいたら、その旨を利用者へ通知する処理もされるとよい。(メール、ポップアップ)
【0065】
また、上記の相談ボックスでは、目的とする相談以外に、金融機関の自動取引装置として預貯金取引も出来る、この場合は、ディスプレイに、金融関連情報等の広告表示がされるとよい。
【0066】
さらに実施例で説明したように、通信装置22が、ネットワーク14を通じて金融機関のサーバと接続すれば、演算処理装置24は、既知の預貯金取引処理の制御を実行することができる。このために、相談ボックスに現金入出金装置37や通帳読取装置39を備えつけるとよい。
【符号の説明】
【0067】
12 相談ボックス
14 ネットワーク
16 相談端末
18 利用者
20 相談員
22 通信装置
24 演算処理装置
25 記憶装置
26 タブレット
28 マイク
32 ディスプレイ
34 カメラ
36 カード読取装置
37 現金入出金装置
38 プリンタ
39 通帳読取装置
40 個人情報表示抑制制御手段
42 アバター画像生成制御手段
44 追加書類データ生成手段
46 デジタル認証データ生成手段
48 相談ボックス利用予約手段
50 相談事前処理手段
52 相談ボックス開閉制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6