(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063165
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】通信システム、通信方法及び通信プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20230427BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20230427BHJP
G08G 1/005 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
G01C21/26 P
G01C21/34
G08G1/005
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173510
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】稲生 華佳
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129BB03
2F129CC16
2F129EE02
2F129EE52
2F129EE84
2F129FF02
2F129FF11
2F129FF32
2F129FF63
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA21
5H181BB04
5H181CC12
5H181EE05
5H181FF04
5H181FF05
5H181FF13
5H181FF22
5H181FF32
5H181FF40
(57)【要約】
【課題】複数人で目的地に行く際にスムーズに集合することを可能とする。
【解決手段】サーバ20は、端末装置10A~10Dによるグループの登録要求を受け付けると、各ユーザがそれぞれ有する端末装置10A~10Dの識別情報と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを登録する登録部と、グループに属するユーザの端末装置10A~10Dから、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、各端末装置10A~10Dの位置データを取得する位置データ取得部と、各端末装置10A~10Dの位置データを基に、各ユーザの目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、検索した集合場所を各端末装置10A~10Dに提示する集合場所提示部と、各端末装置10A~10Dに集合場所までの経路案内を行う経路案内部とを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する端末装置と、前記端末装置との間で通信を行うサーバとを有する通信システムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置の位置を検出する検出部と、
前記サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求する登録要求部と、
目的地の入力を受け付け、前記サーバに、前記グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求する提示要求部と、
前記サーバから送信された情報を出力する出力部と、
を有し、
前記サーバは、
前記端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録する登録部と、
前記グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、前記検索した集合場所を各端末装置に提示する第1の提示部と、
各端末装置に前記集合場所までの経路案内を行う経路案内部と、
を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1の提示部は、前記グループデータ、前記目的地の到着時間、公共交通機関の運行データ及び道路状況を含む交通データ、及び、各端末装置が位置する場所と前記目的地との天候データを基に、集合場所を検索することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記サーバは、
少なくとも各ユーザが有する各端末装置の位置データを基に、前記集合場所に遅刻するユーザの有無を判定し、前記遅刻するユーザがいる場合には、前記グループに属するいずれかのユーザの端末装置に、前記遅刻するユーザがいることを通知する判定部をさらに有し、
前記第1の提示部は、前記遅刻するユーザを待つ間に他のユーザが待機する待機場所の提示を要求された場合には、前記待機場所を検索して、前記検索した待機場所を各端末装置に提示し、前記他のユーザと、前記遅刻するユーザとの合流場所の提示を要求された場合には、前記合流場所を検索して、前記検索した合流場所を各端末装置に提示することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記登録部は、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザの帰宅場所と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録し、
前記取得部は、前記グループに属するユーザの端末装置から前記グループの解散場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得し、
前記サーバは、
前記取得部が取得した各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記帰宅場所までの経路を算出し、算出した経路を基に全ユーザの経路の重複部分のいずれかの場所を解散場所として検索し、前記検索した解散場所を各端末装置に提示する第2の提示部をさらに有し、
前記経路案内部は、各端末装置に各ユーザの前記帰宅場所までの経路案内を行うとともに、経路が重複するユーザがいる場合には、前記経路が重複するユーザの各端末装置に、経路が重複する他のユーザと、使用する交通手段とを通知することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項5】
ユーザが携帯する端末装置と、前記端末装置との間で通信を行うサーバとを有する通信システムが実行する通信方法であって、
前記端末装置が、前記端末装置の位置を検出する工程と、
前記端末装置が、前記サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求する工程と、
前記端末装置が、目的地の入力を受け付け、前記サーバに、前記グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求する工程と、
前記端末装置が、前記サーバから送信された情報を出力する工程と、
前記サーバが、前記端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザの帰宅場所と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録する工程と、
前記サーバが、前記グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得する工程と、
前記サーバが、各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、前記検索した集合場所を各端末装置に提示する工程と、
前記サーバが、各端末装置に前記集合場所までの経路案内を行う工程と、
を含んだことを特徴とする通信方法。
【請求項6】
方法をコンピュータに実行させる通信プログラムであって、
端末装置としてのコンピュータに、
前記端末装置の位置を検出するステップと、
サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求するステップと、
目的地の入力を受け付け、前記サーバに、前記グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求するステップと、
前記サーバから送信された情報を出力するステップと、
を実行させ、
前記サーバとしてのコンピュータに、
前記端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録するステップと、
前記グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得するステップと、
各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、前記検索した集合場所を各端末装置に提示するステップと、
各端末装置に前記集合場所までの経路案内を行うステップと、
を実行させることを特徴とする通信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法及び通信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
タブレットやスマートフォンなどの端末装置にダウンロードされるアプリケーションとして、出発地、目的地、出発時刻等を入力すると、電車等の交通機関を含む各種移動手段を用いて、出発地から目的地までの経路検索を行うことが可能であるアプリケーションが広く使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のアプリケーションは、個人の移動のみを対象としているため、複数人で目的地に行く際には対応しておらず、適切な場所でスムーズに集合したいという要望に応えることはできなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数人で目的地に行く際に、スムーズに集合することを可能とする通信システム、通信方法及び通信プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る通信システムは、ユーザが携帯する端末装置と、端末装置との間で通信を行うサーバとを有する通信システムであって、端末装置は、端末装置の位置を検出する検出部と、サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求する登録要求部と、目的地の入力を受け付け、サーバに、グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求する提示要求部と、サーバから送信された情報を出力する出力部と、を有し、サーバは、端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録する登録部と、グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得する取得部と、取得部が取得した各端末装置の位置データを基に、各ユーザの目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、検索した集合場所を各端末装置に提示する第1の提示部と、各端末装置に集合場所までの経路案内を行う経路案内部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数人で目的地に行く際に、スムーズに集合することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す端末装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すサーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、グループデータのデータ構成の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、集合場所の検索を説明する図である。
【
図6】
図6は、集合場所の検索を説明する図である。
【
図7】
図7は、集合場所提示処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図8】
図8は、端末装置の画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、端末装置の画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、集合場所に対する遅刻者判定処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図13】
図13は、解散場所提示処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図15】
図15は、各ユーザの解散後の移動を説明する図である。
【
図16】
図16は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る通信システム、通信方法及び通信プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る通信システム、通信方法及び通信プログラムが限定されるものではない。
【0010】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る通信システム及び通信方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0011】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、複数人で目的地に行く際に、各ユーザが携帯する端末装置を介して、適切な集合場所を提示し、その集合場所までの経路案内を実行する例について説明する。
【0012】
実施の形態では、複数のユーザがそれぞれ携帯する各端末装置にインストールされた経路案内用のアプリケーションを介して、サーバが、各端末装置に、適切な集合場所を提示し、その集合場所までの経路案内を実行する。具体的には、複数のユーザが目的地まで移動する際に、サーバは、これらのユーザを1つのグループとして登録する。
【0013】
そして、サーバは、このグループの各ユーザに対し、各ユーザの移動に対する負担(所要時間や移動距離)がユーザ間で近くなるような集合場所を提示し、集合場所までの経路案内を行うことで、このグループのユーザがスムーズに集合できるように支援する。また、集合場所に遅刻するユーザがいる場合、サーバは、他のユーザと遅刻するユーザとの合流場所を各ユーザに提示して、スムーズな合流を支援する。
【0014】
[通信システムの構成]
実施の形態に係る通信システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態における通信システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1に示すように、実施の形態に係る通信システムは、ユーザA~Dが使用する端末装置10A~10Dと、端末装置10A~10Dからの要求に応じて、ユーザA~Dの集合場所等を提示するサーバ20とを有する。なお、以降においては、ユーザAが幹事として、ユーザA~Dが競技場E(目的地)で競技を観戦する場合を例に説明する。
【0016】
端末装置10A~10Dは、例えば、スマートフォンやタブレット等の端末装置である。ユーザA~Dは、一緒に、任意の目的地に行く予定があり、ユーザA~Dは、サーバ20が提供する経路案内用のアプリケーションを、それぞれ携帯する端末装置10A~10Dにインストールし、サーバ20による集合場所、合流場所及び解散場所の提示や経路案内等のサービスを受ける。なお、
図1に示す構成は一例にすぎず、端末装置10A~10Dの数は特に限定されない。また、端末装置10A~10Dを総称する場合には、端末装置10とする。
【0017】
サーバ20は、ユーザA~Dを1つのグループとして登録し、このグループの各ユーザA~Dに対し、各ユーザの移動に対する負担(所要時間や移動距離)がユーザ間で近くなるような集合場所を提示し、集合場所までの経路案内を行う。
【0018】
また、サーバ20は、交通データ提供サーバ30と接続して、各種公共交通機関の運行データ、各種移動手段の利用データ、道路状況等を含む交通データを取得する。各種移動手段として、タクシー、レンタカー、ライドシェア、カーシェア、シェアサイクル等がある。各種公共交通機関として、鉄道やバス等がある。サーバ20は、天候データ提供サーバ40と接続して、ユーザA~Dが携帯する端末装置10A~10Bが位置する場所の天候データや、目的地の天候データを取得する。サーバ20は、各端末装置10A~10Dの位置データとともに、交通データ及び天候データを用いて、グループに属するユーザA~Dの集合場所、合流場所、解散場所を提示する。
【0019】
[端末装置]
次に、端末装置10の構成について説明する。
図2は、
図1に示す端末装置10の構成の一例を示すブロック図である。端末装置10は、通信部11、入出力部12(出力部)、記憶部13及び制御部14を有する。
【0020】
通信部11は、無線にて他の装置との間で通信を行う。通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置(例えば、サーバ20)との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。
【0021】
入出力部12は、ユーザの操作によって情報の入力を受け付けるとともに、情報を表示出力して、ユーザに情報を提示する。入出力部12は、例えば、ディスプレイ、スピーカー、マイク、タッチパネル等の入出力デバイスである。
【0022】
記憶部13は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部13は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部13は、端末装置10を携帯するユーザのユーザデータ131を有する。
【0023】
ユーザデータ131は、端末装置10を携帯するユーザの帰宅場所と、このユーザが選択した所望の移動手段とを記憶する。例えば、ユーザは、移動手段として、タクシー、レンタカー、ライドシェア、カーシェア、シェアサイクルや各種公共交通機関のうち、V鉄道を選択している。
【0024】
制御部14は、端末装置10全体を制御する。制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部14は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部14は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0025】
制御部14は、位置検出部141(検出部)、登録要求部142、提示要求部143及び出力制御部144(出力部)を有する。
【0026】
位置検出部141は、端末装置10の位置を検出する。位置検出部141は、例えば、GPS(Global Positioning System)等により端末装置10の位置情報が取得可能である。位置検出部141は、サーバ20が提供する経路案内用のアプリケーションが起動している間、定期的に端末装置10の位置を検出し、検出した端末装置10の位置データをサーバ20に送信する。
【0027】
登録要求部142は、サーバ20に、端末装置10のユーザを含む複数のユーザを含むグループの登録を要求する。
【0028】
提示要求部143は、ユーザによる端末装置10の操作に応じて、グループの目的地の入力を受け付け、サーバ20に、グループに属するユーザの集合場所の検索を要求する。また、提示要求部143は、集合場所に遅刻するユーザがいる場合には、サーバ20に、遅刻するユーザを待つ間に他のユーザが待機する待機場所、または、他のユーザと遅刻するユーザとの合流場所の検索を要求する。また、提示要求部143は、サーバ20に、グループの解散場所の検索を要求する。
【0029】
出力制御部144は、サーバ20から送信された情報、例えば、集合場所、待機場所、合流場所、解散場所、各場所までの経路案内、遅刻者がいる場合には遅刻者を示す情報を、入出力部12から出力させる。
【0030】
[サーバ]
次に、サーバ20の構成について説明する。
図3は、
図1に示すサーバ20の構成の一例を示すブロック図である。サーバ20は、通信部21、記憶部22及び制御部23を有する。
【0031】
通信部21は、無線または有線にて他の装置との間で通信を行う。通信部21は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。
【0032】
記憶部22は、HDD、SSD、光ディスク等の記憶装置である。なお、記憶部13は、RAM、フラッシュメモリ、NVSRAM等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部22は、グループデータ221、地図データ222、各種公共交通機関の運行データ、各種移動手段の利用データ、道路状況等を含む交通データ223、及び、端末装置10A~10Bが位置する場所の天候データや目的地の天候データ224を有する。
【0033】
グループデータ221は、グループに属するユーザの端末装置10の識別情報と、ユーザの帰宅場所と、各ユーザが選択した所望の移動手段とを示す情報を、ユーザ毎に登録したデータである。端末装置10A~10Dの識別情報は、端末装置10A~10Dが一意に決まるIDであればどのようなものでもよい。
図4は、グループデータ221のデータ構成の一例を示す図である。
図4に示すように、グループデータ221は、グループ、ユーザ、帰宅場所、移動手段を項目として有する。例えば、グループG1の例では、ユーザA,B,C,Dが属し、ユーザAの帰宅場所がL区であり、移動手段がV鉄道である。
【0034】
地図データ222は、国土地理院や国土交通省から得られた地図データ、交通網データを含む。
【0035】
交通データ223は、交通データ提供サーバ30から取得した、各種公共交通機関の運行データ、各種移動手段の利用データ、道路状況等を含むデータである。
【0036】
天候データ224は、天候データ提供サーバ40から取得した、ユーザA~Dが携帯する端末装置10A~10Bが位置する場所の天候データや、目的地の天候データ等である。
【0037】
制御部23は、サーバ20全体を制御する。制御部23は、例えば、CPU、MPU等の電子回路や、ASIC、FPGA等の集積回路である。また、制御部23は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部23は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0038】
制御部23は、登録部231(登録部)、位置データ取得部232(取得部)、集合場所提示部233(第1の提示部)、経路案内部234、遅刻者判定部235(判定部)及び解散場所提示部236(第2の提示部)を有する。
【0039】
登録部231は、端末装置10(例えば、幹事のユーザAの端末装置10A)によるグループの登録要求を受け付けると、少なくとも、複数のユーザがそれぞれ有する端末装置10の識別情報と各ユーザの帰宅場所と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータ221として登録する。なお、幹事は、グループの初期登録者に限らず、グループ登録後に、グループに属するいずれかのユーザに幹事権限が付与されてもよい。登録部231は、例えば、幹事がユーザAの端末装置10Aから、ユーザA~Dのグループ登録要求を受け付けると、ユーザA~Dを例えばグループG1として登録する(
図4参照)。なお、グループデータ221は、項目として、第2希望の移動手段、時間帯ごとに希望する移動手段、帰宅場所の最寄り駅、定期券使用経路などを含んでもよい。
【0040】
位置データ取得部232は、グループに属するユーザの端末装置10から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得する。端末装置10における検索案内のアプリケーションが起動している間、位置データ取得部232は、端末装置10から位置データの取得を継続する。
【0041】
集合場所提示部233は、位置データ取得部232が取得した各端末装置10の位置データを基に、各ユーザの目的地までの経路を算出する。集合場所提示部233は、位置データとともに、グループデータ221、交通データ223及び天候データ224を参照し、ユーザが選択した所望の移動手段、時間帯ごとにユーザが希望する移動手段、運休、混雑、遅延等の交通状況及び天候を基に、各ユーザにおける目的地までの経路を算出する。集合場所提示部233は、ユーザが選択した所望の移動手段、時間帯ごとにユーザが希望する移動手段を用い、例えば、最も所要時間が少ない経路を、このユーザの経路として算出する。また、集合場所提示部233は、ユーザが選択した所望の移動手段に、運休、遅延、混雑がある場合には、この移動手段を使わない経路を、このユーザの経路として算出する。
【0042】
集合場所提示部233は、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索し、検索した集合場所を各端末装置10に提示する。集合場所提示部233は、各ユーザの移動に対する所要時間と各ユーザの移動距離とがユーザ間で近くなるような集合場所を検索する。集合場所提示部233は、各種経路、交通データ、天候、人数、目的地と集合場所との組み合わせ例などを学習データとして学習したニューラルネットワークを用いて、集合場所を検索する。
【0043】
なお、集合場所提示部233は、このグループに対し過去に集合場所を提示した際の目的地、集合場所及びその場所の説明(雨に濡れない、大人数での集合が可能など)との組み合わせを、集合場所データとして登録しておいてもよい。そして、集合場所提示部233は、集合場所検索時に集合場所データを参照し、今回の目的地と同じ目的地にであった場合に、このグループでよく使う集合場所があれば、検索を行わずにその集合場所を提示してもよい。
【0044】
図5及び
図6は、集合場所の検索を説明する図である。例えば、ユーザAと、ユーザBとの目的地T1である場合を例に説明する。この場合、集合場所提示部233は、ユーザAの経路Raと、ユーザBの経路Rbとを比較する。そして、集合場所提示部233は、目的地T1の最寄り駅から目的地T1までの間であって、所要時間と距離ベースで全員(ユーザA,B)の労力が近くなるように、集合場所候補M1~M5を出す(
図5の(1))。言い換えると、集合場所提示部233は、ユーザAとユーザBとの所要時間と移動時間とが近い順に、目的地T1の最寄り駅から目的地T1までの間の場所の集合場所候補M1~M5を抽出する。
【0045】
この際、集合場所提示部233は、天候、公共交通機関や道路等の混雑状況、集合人数等の変数を用いて集合場所の候補地を絞り込む(
図5の(2))。これらの変数の重みづけは、ユーザ(例えば、幹事)が変更できるようになっている。そして、集合場所提示部233は、例えば、ユーザAとユーザBとの所要時間と移動時間とが最も近い集合場所候補M1を集合場所として提示する(
図6)。また、集合場所提示部233は、集合時に雨が降っていた場合には、屋内の集合場所(例えば、
図5の集合場所候補M5)を提示してもよい。また、集合場所提示部233は、人数が多い場合には、広いスペースがある広場などの集合場所(例えば、
図5の集合場所候補M4)を提示してもよい。
【0046】
経路案内部234は、各端末装置10に集合場所までの経路案内を行う。具体的には、経路案内部234は、各端末装置10に、集合場所の位置、ユーザの位置から集合場所までの経路、出発時間、使用する交通機関の各駅の発着時間や乗換情報を表示させる。
【0047】
遅刻者判定部235は、少なくとも各ユーザが有する各端末装置10の位置データを基に、集合場所に遅刻するユーザの有無を判定する。遅刻者判定部235は、各ユーザが有する各端末装置10の位置データ、公共交通機関の遅延、混雑等の情報を含む運行データ、道路の混雑状況、及び、天候データを基に、集合場所に遅刻するユーザの有無を判定する。遅刻者判定部235は、例えば、あるユーザが、サーバ20が案内した経路で利用する電車に乗り遅れ、次の電車に乗っても集合時間に集合場所に到着できない場合には、このユーザが遅刻者であると判定する。遅刻者判定部235は、遅刻するユーザがいる場合には、グループに属するいずれかのユーザ(例えば、幹事や最初に集合場所に到着予定のユーザ)の端末装置10に、遅刻するユーザがいることを通知する。
【0048】
集合場所提示部233は、遅刻するユーザを待つ間に他のユーザが待機する待機場所の提示を要求された場合には、遅刻するユーザを待つ間に他のユーザが待機する待機場所を検索する。集合場所提示部233は、遅刻するユーザが集合場所に到着するまで待っていても目的地の到着時間に間に合う場合であって待機場所の検索を要求された場合や、遅刻するユーザが集合場所に到着するまで待っていると目的地の到着時間に間に合わない場合であっても待機場所の検索を要求された場合に、待機場所を検索する。集合場所提示部233は、検索した待機場所を各端末装置10に提示する。なお、待機場所は、集合場所と同じ場所でもよく、次に述べるように集合場所とは異なる場所であってもよい。
【0049】
例えば、集合場所提示部233は、天候データを参照し、集合場所が降雨中である場合には、地下や建物内の待機場所を各ユーザの端末装置10に提示する。また、集合場所提示部233は、待機人数が多い場合には、大人数が待機できる広さを有する場所を待機場所として各ユーザの端末装置10に提示する。一方、待機人数が2,3人程度と少ない場合には、狭くても待機できるため、高架下等を待機場所として各ユーザの端末装置10に提示することもできる。集合場所提示部233は、天候、人数、集合場所と待機場所との組み合わせ例などを学習データとして学習したニューラルネットワークを用いて、待機場所を検索する。
【0050】
なお、集合場所提示部233は、このグループに対し過去に待機場所を提示した際の目的地、待機場所及びその場所の説明(雨に濡れない、大人数での待機が可能など)との組み合わせを、待機場所データとして登録しておいてもよい。そして、集合場所提示部233は、待機場所検索時に待機場所データを参照し、今回の目的地と同じ目的地にあった場合に、このグループでよく使う待機場所があれば、検索を行わずにその待機場所を提示してもよい。
【0051】
集合場所提示部233は、他のユーザと、遅刻するユーザとの合流場所の提示を要求された場合には、合流場所を検索して、検索した合流場所を各端末装置に提示する。例えば、遅刻するユーザが集合場所に到着するまで待つと目的地の到着時間に間に合わない場合であって合流場所の提示を要求された場合には、他のユーザと、遅刻するユーザとの合流場所を検索して、検索した合流場所を各端末装置10に提示する。また、遅刻するユーザが集合場所に到着するまで待っても目的地の到着時間に間に合う場合であって合流場所の提示を要求された場合には、他のユーザと、遅刻するユーザとの合流場所を検索して、検索した合流場所を各端末装置10に提示する。
【0052】
位置データ取得部232は、グループに属するユーザの端末装置10からグループの解散場所の提示要求を受け付けると、グループに属するユーザの各端末装置10の位置データを取得する。
【0053】
解散場所提示部236は、位置データ取得部232が取得した各端末装置10の位置データを基に、各ユーザの帰宅場所までの経路を算出する。解散場所提示部236は、算出した経路を基に全ユーザの経路の重複部分のいずれかの場所を解散場所として検索する。そして、解散場所提示部236は、検索した解散場所と、帰宅場所までの経路を各端末装置に提示する。
【0054】
経路案内部234は、各端末装置10に各ユーザの帰宅場所までの経路案内を行うとともに、経路が重複するユーザがいる場合には、経路が重複するユーザの各端末装置10に、経路が重複する他のユーザと、使用する交通手段とを通知する。経路案内部234は、帰る方向が同じユーザが途中まで一緒に帰宅できるように、複数のユーザ間で途中まで重複する経路を、他の経路より優先して案内してもよい。
【0055】
[集合場所提示処理]
次に、本実施の形態に係る通信システムの処理手順について説明する。まず、ユーザの端末装置10に対する集合場所提示処理の処理手順について説明する。
図7は、集合場所提示処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図8~
図10は、端末装置10Aの画面の一例を示す図である。
【0056】
図7に示すように、幹事であるユーザAは、端末装置10Aを操作し、ユーザA~Dのグループ登録をサーバ20に要求する(ステップS1,S2)。具体的には、ユーザAは、端末装置10Aのサーバ20が提供する経路案内用のアプリケーションを起動する。例えば、ユーザAは、
図8の画面DA1に示すように、グループ登録をしたい各ユーザを、電話帳、メールアドレス、SNS等を介して選択して、枠W11内のようにグループ登録を行うことで、端末装置10Aから、ユーザA~Dのグループ登録が要求される。
【0057】
サーバ20は、端末装置10Aによるグループの登録要求を受け付けると、ユーザA~Dがそれぞれ有する端末装置10A~10Bから、端末装置10A~10Dの識別情報、各ユーザの帰宅場所、各ユーザが選択した所望の移動手段等のユーザデータを取得し(ステップS3)、取得したデータを、グループG1のデータとしてグループデータ221に登録する(ステップS4)。
【0058】
続いて、ユーザAは、
図8の画面DA1に示すように、枠W12内に目的地を入力し、枠W13内に到着時刻を入力し、集合場所検索ボタンF1を選択する。これによって、端末装置10Aは、目的地、到着時刻の入力を受け付けて(ステップS5)、受け付けた目的地、到着時刻とともに、ユーザAが登録したグループG1の集合場所の提示要求をサーバ20に送信する(ステップS6)。
【0059】
サーバ20は、グループG1に属するユーザA~Dの各端末装置10A~10Dの位置データを取得する(ステップS7,S8)。サーバ20は、サーバ20が提供する経路案内用のアプリケーションが各端末装置10A~10Dで起動している間、各端末装置10A~10Dからの位置データの取得を継続する。
【0060】
サーバ20は、交通データ提供サーバ30から、各種公共交通機関の運行データ、各種移動手段の利用データ、道路状況等を含む交通データを取得する(ステップS9)。サーバ20は、天候データ提供サーバ40から、端末装置10A~10Bが位置する場所の天候データや、目的地の天候データを取得する(ステップS10)。
【0061】
サーバ20は、位置データ取得部232が取得した各端末装置10の位置データとともに、グループデータ221、目的地の到着時間、交通データ223及び天候データ224を基に、各ユーザA~Dの目的地までの経路を算出する(ステップS11)。
【0062】
サーバ20は、算出した経路に基づいて、各ユーザA~Dの移動に対する負担がユーザA~D間で近くなるような集合場所を検索し(ステップS12)。そして、サーバ20は、検索した集合場所を各端末装置10に提示する(ステップS13,S14)。
【0063】
各端末装置10A~10Dには、サーバ20によって提示された集合場所が表示される(ステップS15-1~ステップS15-4)。例えば、ユーザAの端末装置10Aには、
図9の画面DA2に示すように、集合場所欄H1に、集合場所として、明治神宮駅(原宿駅)〇番出口が表示され、画面上部の地図上に、この集合場所M1がピンP1で表示される。そして、ユーザAは、画面DA2株の出発ボタンF2を選択することで、端末装置10Aから集合場所M1までの経路案内要求がサーバ20に送信される。
【0064】
端末装置10A~10Dから、集合場所までの経路案内要求が送信されると(ステップS16)、サーバ20は、ユーザA~Dごとに、各端末装置10A~10Dの位置データを参照して、各端末装置10A~10Dに集合場所までの経路案内を行う(ステップS17、S18)。例えば、ユーザAの端末装置10Aには、
図10の画面DA3に示すように、出発場所と、出発時間が表示されるとともに、集合場所までの経路R3が地図上に表示される。なお、サーバ20は、幹事であるユーザの端末装置10Aでは、グループの各ユーザの移動状況が確認できるように、データ送信及びデータ出力を制御してもよい。
【0065】
[遅刻者判定処理]
図11は、集合場所に対する遅刻者判定処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図12は、端末装置10Aの画面の一例を示す図である。
【0066】
サーバ20は、各端末装置10A~10Dに集合場所までの経路案内を行いながら(ステップS21)、少なくとも各ユーザが有する各端末装置10A~10Dの位置データを基に遅刻するユーザ(遅刻者)がいるか否かを判定する(ステップS22)。遅刻者がいると判定した場合(ステップS22:Yes)、サーバ20は、グループの幹事であるユーザAの端末装置10Aに、遅刻するユーザがいることを通知する(ステップS23)。この通知を受け、端末装置10Aは、
図12の画面DA4のように、端末装置10Aに、遅刻者がいること(
図12の枠W31参照)、遅刻者の名前、及び、その遅刻者の位置の位置を示すピンP41を表示させる。サーバ20は、さらに、集合場所への到着予想時間を端末装置10に通知してもよい。
【0067】
続いて、サーバ20は、遅刻者が集合場所に到着するまで待っていても目的地の到着時間に間に合うか否かを判定する(ステップS24)。この判定は、サーバ20が、各ユーザの位置、目的地の位置、集合場所の位置、交通データ、天候データ等を基にサーバ20が判定してもよい。また、サーバ20は、幹事であるユーザAの端末装置10Aから送信された通知内容に従ってステップS24の判定処理を行ってもよい。サーバ20は、遅刻者が集合場所に到着するまで待っていても目的地の到着時間に間に合う場合(ステップS24:Yes)、間に合わない場合(ステップS24:No)のいずれについても、遅刻者を待つという指示が端末装置10から受信したか否かを判定する(ステップS25,S26)。
【0068】
例えば、
図12に示すように、ユーザAが、画面DA4を参照し、遅刻者の名前、ピンP41で示された遅刻者の位置、及び、遅刻者の集合場所への到着時間を確認する。ユーザAが、遅刻者が集合場所に到着するまで待っていても到着時間に間に合うと考え、「来るまで待つ」ボタンF32を選択すると、端末装置10Aは、目的地の到着時間に間に合うことと遅刻者を待つこととをサーバ20に通知する。そして、この場合には、端末装置10Aは、サーバ20に、待機場所の検索を指示する。或いは、ユーザAが、遅刻者が集合場所に到着するまで待っていても到着時間に間に合う場合であっても、「あとで合流」ボタンF31を選択し、「集合場所を再検索」ボタンF33を選択する。この場合には、端末装置10Aは、サーバ20に、目的地の到着時間に間に合うことと遅刻者を待たないこととを通知するとともに、合流場所(集合場所)の検索をサーバ20に指示する。
【0069】
一方、ユーザAが、遅刻者が集合場所に到着するまで待つと到着時間に間に合わないと考え、「あとで合流」ボタンF31を選択し、「集合場所を再検索」ボタンF33を選択する。この場合には、端末装置10Aは、サーバ20に、目的地の到着時間に間に合わないことと遅刻者を待たないこととをサーバ20に通知するとともに、合流場所(集合場所)の検索をサーバ20に指示する。ユーザAが、遅遅刻者が集合場所に到着するまで待つと到着時間に間に合わない場合であっても、「来るまで待つ」ボタンF32を選択する。この場合には、端末装置10Aは、目的地の到着時間に間に合わないことと遅刻者を待つこととをサーバ20に通知するとともに、待機場所の検索をサーバ20に指示する。
【0070】
サーバ20は、遅刻者を待たないと判定した場合(ステップS25:No,ステップS26:No)、
図7のステップS7に戻り、他のユーザと、遅刻するユーザとの合流場所(集合場所)を検索し、各端末装置10A~10Dに提示する。
【0071】
サーバ20は、遅刻者を待つと判定した場合(ステップS25:Yes,ステップS26:Yes)、遅刻するユーザを待つ間に他のユーザが待機する待機場所を検索して(ステップS27)、検索した待機場所を各端末装置10A~10Dに提示する(ステップS28,S29)。
【0072】
サーバ20は、ユーザによる端末装置10A~10Dの操作や端末装置10A~10Dの位置データを基に、全員が集合場所に集合したか否かを判定する(ステップS30)。全員が集合場所に集合していないと判定した場合(ステップS30:No)、サーバ20は、ステップS21に戻り、集合場所までの経路案内を継続する。
【0073】
全員が集合場所に集合したと判定した場合(ステップS30:Yes)、サーバ20は、目的地までの経路案内を行い(ステップS31)、全員が目的地に到着すると経路案内を終了する。
【0074】
[解散場所提示処理]
図13は、解散場所提示処理の処理手順を示すシーケンス図である。
図14は、端末装置10Aの画面の一例を示す図である。
図15は、各ユーザの解散後の移動を説明する図である。
【0075】
図13に示すように、端末装置10Aは、グループの解散と解散場所の提示要求が入力されると(ステップS41)、グループの解散と解散場所の提示要求をサーバ20に送信する(ステップS42)。例えば、
図14の画面DA5に示す「解散場所を検索」ボタンF5がユーザAによって選択されると、端末装置10Aは、グループの解散と解散場所の提示要求をサーバ20に送信する。
【0076】
サーバ20は、グループG1に属するユーザA~Dの各端末装置10A~10Dの位置データを取得するとともに(ステップS43,S44)、交通データと、端末装置10A~10Dが位置する場所の天候データや、各ユーザA~Dの帰宅場所の天候データを取得する(ステップS45,S46)。
【0077】
サーバ20は、各端末装置10の位置データ、交通データ、天候データを基に、各ユーザA~Dの帰宅場所までの経路を算出する(ステップS47)。サーバ20は、算出した経路を基に全ユーザの経路の重複部分のいずれかの場所を解散場所として検索する(ステップS48)。そして、サーバ20は、検索した解散場所を各端末装置10A~10Dに提示する(ステップS49,S50)。
【0078】
各端末装置10A~10Dには、サーバ20によって提示された解散場所が表示される(ステップS51-1~ステップS51-4)。例えば、ユーザAの端末装置10Aには、
図14の画面DA5に示すように、解散場所欄H5に、解散場所の住所が表示され、画面上部の地図上に、この解散場所がピンP5で表示される。
【0079】
続いて、サーバ20は、各帰宅場所までの経路を各端末装置10A~10Dに提示通知する(ステップS52)。各端末装置10A~10Dには、サーバ20によって通知された帰宅経路が表示される(ステップS53-1~ステップS53-4)。ここで、サーバ20は、
図15のようにユーザCとユーザDとの帰宅経路が重複する場合、端末装置10C,10Dに、ユーザCとユーザDとの帰宅経路が重複することを通知するとともに、途中まで一緒に帰宅できるようにタクシー等の相乗りや同じ電車の利用を提示する。また、サーバ20は、帰る方向が同じユーザCとユーザDとが途中まで一緒に帰宅できるように、ユーザCとユーザDとが途中まで重複する経路を、他の経路より優先して案内してもよい。
【0080】
[実施の形態の効果]
このように、実施の形態に係る通信システムでは、複数のユーザがグループとなり目的地に赴く場合に、グループに属する各ユーザの端末装置10に、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を提示する。さらに、実施の形態に係る通信システムでは、目的地の到着時間、交通データ、及び、天候データを考慮した適切な集合場所を提示する。したがって、実施の形態に係る通信システムによれば、各ユーザの端末装置10に、グループにとって適切な集合場所が提示されるため、ユーザ自身が各ユーザの経路検索、運行状況の確認、及び、集合場所検索を行う必要がない。
【0081】
また、実施の形態に係る通信システムでは、集合場所までの経路案内を行うことで、このグループのユーザの集合を支援する。したがって、実施の形態によれば、複数人が適切な場所でスムーズに集合することができる。
【0082】
また、実施の形態に係る通信システムでは、集合場所に遅刻するユーザがいる場合、サーバは、他のユーザが遅刻するユーザを待つまでの間の待機場所や、他のユーザと遅刻するユーザとの合流場所を提示する。このため、実施の形態に係る通信システムによれば、遅刻してくるユーザや集合時間までに集合場所までにたどり着けないユーザがいても、スムーズに合流することができる。
【0083】
また、実施の形態に係る通信システムでは、グループの解散時には、適切な解散場所を各端末装置10に提示する。したがって、実施の形態に係る通信システムによれば、スムーズにグループを解散することができる。そして、実施の形態に係る通信システムでは、帰宅場所までの経路が重複するユーザがいる場合には、経路が重複するユーザの各端末装置10に、経路が重複する他のユーザと、使用する交通手段とを通知する。このように、実施の形態に係る通信システムは、帰る方向が同じユーザがいる場合には、途中まで一緒に帰宅できるような経路を案内することも可能である。
【0084】
なお、サーバ20は、目的地までの使用可能路線または目的地の最寄り駅が複数ある場合には、それぞれの路線または最寄り駅に応じて、グループを、二以上のサブグループに分割し、サブグループごとに集合場所を提示し、集合後に他のサブグループと合流するための合流場所を提示して、経路を案内してもよい。また、サーバ20は、各サブグループが一度に合流できるように一つの合流場所を提示するほか、サブグループ数が多い場合には、複数のサブグループが次々と合流していくように、目的地までの経路に沿って複数の合流場所を提示してもよい。
【0085】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0086】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0087】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した端末装置10及びサーバ20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における端末装置10及びサーバ20が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0088】
図16は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図16に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0089】
メモリ1010は、
図16に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図16に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0090】
ここで、
図16に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0091】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0092】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0093】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0094】
10,10A~10D 端末装置
11,21 通信部
12 入出力部
13,22 記憶部
14,23 制御部
20 サーバ
30 交通データ提供サーバ
40 天候データ提供サーバ
131 ユーザデータ
141 位置検出部
142 登録要求部
143 提示要求部
144 出力制御部
221 グループデータ
222 地図データ
223 交通データ
224 天候データ
231 登録部
233 集合場所提示部
234 経路案内部
235 遅刻者判定部
236 解散場所提示部
【手続補正書】
【提出日】2022-11-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが携帯する端末装置と、前記端末装置との間で通信を行うサーバとを有する通信システムであって、
前記端末装置は、
前記端末装置の位置を検出する検出部と、
前記サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求する登録要求部と、
目的地の入力を受け付け、前記サーバに、前記グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求する提示要求部と、
前記サーバから送信された情報を出力する出力部と、
を有し、
前記サーバは、
前記端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録する登録部と、
前記グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得する取得部と、
前記取得部が取得した各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、前記検索した集合場所を各端末装置に提示する第1の提示部と、
各端末装置に前記集合場所までの経路案内を行う経路案内部と、
を有し、
前記第1の提示部は、各ユーザの前記目的地までの経路を比較し、各ユーザの所要時間と移動時間とが近い順に、複数の集合場所候補を抽出し、前記複数の集合場所候補のうち、ユーザ人数に応じた広さの集合場所候補を、集合場所として各端末装置に提示することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記第1の提示部は、前記グループデータ、前記目的地の到着時間、公共交通機関の運行データ及び道路状況を含む交通データ、及び、各端末装置が位置する場所と前記目的地との天候データを基に、集合場所を検索することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記サーバは、
少なくとも各ユーザが有する各端末装置の位置データを基に、前記集合場所に遅刻するユーザの有無を判定し、前記遅刻するユーザがいる場合には、前記グループに属するいずれかのユーザの端末装置に、前記遅刻するユーザがいることを通知する判定部をさらに有し、
前記第1の提示部は、前記遅刻するユーザを待つ間に他のユーザが待機する待機場所の提示を要求された場合には、前記待機場所を検索して、前記検索した待機場所を各端末装置に提示し、前記他のユーザと、前記遅刻するユーザとの合流場所の提示を要求された場合には、前記合流場所を検索して、前記検索した合流場所を各端末装置に提示することを特徴とする請求項1または2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記登録部は、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザの帰宅場所と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録し、
前記取得部は、前記グループに属するユーザの端末装置から前記グループの解散場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得し、
前記サーバは、
前記取得部が取得した各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記帰宅場所までの経路を算出し、算出した経路を基に全ユーザの経路の重複部分のいずれかの場所を解散場所として検索し、前記検索した解散場所を各端末装置に提示する第2の提示部をさらに有し、
前記経路案内部は、各端末装置に各ユーザの前記帰宅場所までの経路案内を行うとともに、経路が重複するユーザがいる場合には、前記経路が重複するユーザの各端末装置に、経路が重複する他のユーザと、使用する交通手段とを通知することを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の通信システム。
【請求項5】
ユーザが携帯する端末装置と、前記端末装置との間で通信を行うサーバとを有する通信システムが実行する通信方法であって、
前記端末装置が、前記端末装置の位置を検出する工程と、
前記端末装置が、前記サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求する工程と、
前記端末装置が、目的地の入力を受け付け、前記サーバに、前記グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求する工程と、
前記端末装置が、前記サーバから送信された情報を出力する工程と、
前記サーバが、前記端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザの帰宅場所と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録する工程と、
前記サーバが、前記グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得する工程と、
前記サーバが、各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、前記検索した集合場所を各端末装置に提示する工程と、
前記サーバが、各端末装置に前記集合場所までの経路案内を行う工程と、
を含み、
前記提示する工程は、各ユーザの前記目的地までの経路を比較し、各ユーザの所要時間と移動時間とが近い順に、複数の集合場所候補を抽出し、前記複数の集合場所候補のうち、ユーザ人数に応じた広さの集合場所候補を、集合場所として各端末装置に提示することを特徴とする通信方法。
【請求項6】
方法をコンピュータに実行させる通信プログラムであって、
端末装置としてのコンピュータに、
前記端末装置の位置を検出するステップと、
サーバに、複数のユーザを含むグループの登録を要求するステップと、
目的地の入力を受け付け、前記サーバに、前記グループに属するユーザの集合場所を含む各場所の提示を要求するステップと、
前記サーバから送信された情報を出力するステップと、
を実行させ、
前記サーバとしてのコンピュータに、
前記端末装置によるグループの登録要求を受け付けると、前記複数のユーザがそれぞれ有する端末装置の識別情報と各ユーザが選択した所望の移動手段とを示すデータを、グループデータとして登録するステップと、
前記グループに属するユーザの端末装置から、目的地とともに集合場所の提示要求を受け付けると、前記グループに属するユーザの各端末装置の位置データを取得するステップと、
各端末装置の位置データを基に、各ユーザの前記目的地までの経路を算出し、算出した経路に基づいて、各ユーザの移動に対する負担がユーザ間で近くなるような集合場所を検索して、前記検索した集合場所を各端末装置に提示するステップと、
各端末装置に前記集合場所までの経路案内を行うステップと、
を実行させ、
前記提示するステップは、各ユーザの前記目的地までの経路を比較し、各ユーザの所要時間と移動時間とが近い順に、複数の集合場所候補を抽出し、前記複数の集合場所候補のうち、ユーザ人数に応じた広さの集合場所候補を、集合場所として各端末装置に提示することを特徴とする通信プログラム。