(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063191
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】データ処理装置、データ処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
A61M 21/02 20060101AFI20230427BHJP
G16H 20/30 20180101ALI20230427BHJP
【FI】
A61M21/02 G
G16H20/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021183031
(22)【出願日】2021-11-10
(31)【優先権主張番号】63/271,101
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り マサチューセッツ工科大学のI-Corps Spark Programの令和2年11月17日のキックオフミーティング及び令和2年12月15日のクロージングミーティングにて、公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】521492986
【氏名又は名称】小川 貴久
(71)【出願人】
【識別番号】305026068
【氏名又は名称】インフィック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100154070
【弁理士】
【氏名又は名称】久恒 京範
(74)【代理人】
【識別番号】100153280
【弁理士】
【氏名又は名称】寺川 賢祐
(72)【発明者】
【氏名】小川 貴久
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
(57)【要約】
【課題】患者に刺激を与えたことによる治療効果を高めるコンテンツを選択する。
【解決手段】 刺激として与えるコンテンツを選択するデータ処理装置である。複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する選択部132と、選択部132が選択した第1コンテンツが与えられたユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得する取得部131と、を有し、選択部132は、第1コンテンツがユーザに与える刺激の属性と、睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得する取得部と、
を有し、
前記選択部は、前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、前記睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する、
データ処理装置。
【請求項2】
前記取得部は、前記ユーザの属性を表すユーザ属性データをさらに取得し、
前記選択部は、前記ユーザ属性データにさらに基づいて前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツを選択する、
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記睡眠データを睡眠日に関連付けて記憶する記憶部を備え、
前記選択部は、前記第1コンテンツが刺激として前記ユーザに与えられる前の一以上の睡眠日を含む第1睡眠期間における睡眠データである第1睡眠データが示す睡眠の質よりも、前記第1コンテンツが刺激として前記ユーザに与えられた後の一以上の睡眠日を含む第2睡眠期間における睡眠データである第2睡眠データが示す睡眠の質が改善していない場合に前記第2コンテンツを選択する、
請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記第1睡眠データが示す睡眠の質と前記第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツを前記ユーザに与えたことによる効果の度合いを示す評価結果を作成する評価部をさらに有する、
請求項3に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、前記ユーザの周辺環境の状況を表す周辺環境データをさらに取得し、
前記評価部は、周辺環境と睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、前記周辺環境データが示す周辺環境が睡眠の質に影響した度合いを特定し、特定した影響度合いに基づいて、前記第1睡眠データが示す睡眠の質と前記第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて特定した前記効果の度合いを補正することにより前記評価結果を作成する、
請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記ユーザの活動内容を表す活動データをさらに取得し、
前記評価部は、活動内容と睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、前記活動データが示す活動内容が睡眠の質に影響した度合いを特定し、特定した影響度合いに基づいて、前記第1睡眠データが示す睡眠の質と前記第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて特定した前記効果の度合いを補正することにより前記評価結果を作成する、
請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記選択部は、前記第1コンテンツが刺激として前記ユーザに与えられた後の前記睡眠データが示す睡眠の質が所定の閾値よりも悪い場合に、前記第2コンテンツを選択する、
請求項1又は2に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
前記選択部は、学習用睡眠データと、前記学習用睡眠データが測定された学習用ユーザに与えられた学習用コンテンツの属性と、前記学習用コンテンツが与えられた後の前記学習用ユーザの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルに、前記第1コンテンツの属性データと、前記第1コンテンツが与えられた後に測定された前記睡眠データと、を入力することにより前記学習済みモデルが出力する属性に対応する前記第2コンテンツを選択する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項9】
前記選択部は、学習用睡眠データと、前記学習用睡眠データが測定された学習用ユーザに与えられた学習用コンテンツの属性と、前記学習用ユーザの属性と、前記学習用コンテンツが与えられた後の前記学習用ユーザの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルに、前記第1コンテンツの属性データと、前記ユーザのユーザ属性データと、前記第1コンテンツが与えられた後に測定された前記睡眠データと、を入力することにより前記学習済みモデルが出力する属性に対応する前記第2コンテンツを選択する、
請求項1から7のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項10】
前記選択部は、前記ユーザによるコンテンツの選択指示を受けることなく、前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツを選択する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項11】
前記選択部は、複数の時間帯に対応する、それぞれ異なる属性の複数の前記第2コンテンツを選択する、
請求項1から10のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項12】
前記取得部は、前記ユーザの周辺環境の状況を表す周辺環境データをさらに取得し、
前記選択部は、前記ユーザの周辺環境が前記ユーザの心身に与える影響を示すデータと、前記ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、を参照することにより、前記周辺環境データが示す周辺環境において前記ユーザに与える前記第2コンテンツを選択する、
請求項1から11のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項13】
前記取得部は、前記ユーザの活動内容を表す活動データをさらに取得し、
前記選択部は、前記ユーザの活動内容が前記ユーザの心身に与える影響を示すデータと、前記ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、を参照することにより、前記活動データが示す活動をした前記ユーザに与える前記第2コンテンツを選択する、
請求項1から12のいずれか一項に記載のデータ処理装置。
【請求項14】
複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する選択部と、
前記選択部が選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザを介護する介護者の作業内容を示す作業データを取得する取得部と、
を有し、
前記選択部は、前記作業データが示す前記作業内容に基づいて前記ユーザの睡眠の質を推定し、前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、推定した前記睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する、
データ処理装置。
【請求項15】
コンピュータが実行する、
複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択するステップと、
選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得するステップと、
前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、前記睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択するステップと、
を有するデータ処理方法。
【請求項16】
コンピュータに、
複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択するステップと、
選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得するステップと、
前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、前記睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択するステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ処理装置、データ処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
認知症の患者に音楽又は画像等の刺激を与えることで、日中の覚醒や夜間の睡眠を促し、不眠や昼夜逆転を改善することで認知症の改善に一定の効果があることが知られている(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の治療では、所定の音楽又は画像等の刺激を、睡眠の質を改善する対象となる人(以下、「ユーザ」という)に与えることが想定されていた。しかし、どのような刺激が睡眠の質の改善に効果があるかはユーザによって異なるので、刺激を与えても効果が生じないという場合がある。そこで、それぞれのユーザに対する睡眠の質の改善の効果が高い刺激を与えることが求められている。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、ユーザに刺激を与えたことによる睡眠の質の改善効果を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様のデータ処理装置においては、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する選択部と、前記選択部が選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得する取得部と、を有し、前記選択部は、前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、前記睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する。
【0007】
前記取得部は、前記ユーザの属性を表すユーザ属性データをさらに取得し、前記選択部は、前記ユーザ属性データにさらに基づいて前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0008】
前記睡眠データを睡眠日に関連付けて記憶する記憶部を備え、前記選択部は、前記第1コンテンツが刺激として前記ユーザに与えられる前の一以上の睡眠日を含む第1睡眠期間における睡眠データである第1睡眠データが示す睡眠の質よりも、前記第1コンテンツが刺激として前記ユーザに与えられた後の一以上の睡眠日を含む第2睡眠期間における睡眠データである第2睡眠データが示す睡眠の質が改善していない場合に前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0009】
前記第1睡眠データが示す睡眠の質と前記第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツを前記ユーザに与えたことによる効果の度合いを示す評価結果を作成する評価部をさらに有してもよい。
【0010】
前記取得部は、前記ユーザの周辺環境の状況を表す周辺環境データをさらに取得し、前記評価部は、周辺環境と睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、前記周辺環境データが示す周辺環境が睡眠の質に影響した度合いを特定し、特定した影響度合いに基づいて、前記第1睡眠データが示す睡眠の質と前記第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて特定した前記効果の度合いを補正することにより前記評価結果を作成してもよい。
【0011】
前記取得部は、前記ユーザの活動内容を表す活動データをさらに取得し、前記評価部は、活動内容と睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、前記活動データが示す活動内容が睡眠の質に影響した度合いを特定し、特定した影響度合いに基づいて、前記第1睡眠データが示す睡眠の質と前記第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて特定した前記効果の度合いを補正することにより前記評価結果を作成してもよい。
【0012】
前記選択部は、前記第1コンテンツが刺激として前記ユーザに与えられた後の前記睡眠データが示す睡眠の質が所定の閾値よりも悪い場合に、前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0013】
前記選択部は、学習用睡眠データと、前記学習用睡眠データが測定された学習用ユーザに与えられた学習用コンテンツの属性と、前記学習用コンテンツが与えられた後の前記学習用ユーザの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルに、前記第1コンテンツの属性データと、前記第1コンテンツが与えられた後に測定された前記睡眠データと、を入力することにより前記学習済みモデルが出力する属性に対応する前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0014】
前記選択部は、学習用睡眠データと、前記学習用睡眠データが測定された学習用ユーザに与えられた学習用コンテンツの属性と、前記学習用ユーザの属性と、前記学習用コンテンツが与えられた後の前記学習用ユーザの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルに、前記第1コンテンツの属性データと、前記ユーザのユーザ属性データと、前記第1コンテンツが与えられた後に測定された前記睡眠データと、を入力することにより前記学習済みモデルが出力する属性に対応する前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0015】
前記選択部は、前記ユーザによるコンテンツの選択指示を受けることなく、前記第1コンテンツ及び前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0016】
前記選択部は、複数の時間帯に対応する、それぞれ異なる属性の複数の前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0017】
前記取得部は、前記ユーザの周辺環境の状況を表す周辺環境データをさらに取得し、前記選択部は、前記ユーザの周辺環境が前記ユーザの心身に与える影響を示すデータと、前記ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、を参照することにより、前記周辺環境データが示す周辺環境において前記ユーザに与える前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0018】
前記取得部は、前記ユーザの活動内容を表す活動データをさらに取得し、前記選択部は、前記ユーザの活動内容が前記ユーザの心身に与える影響を示すデータと、前記ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、を参照することにより、前記活動データが示す活動をした前記ユーザに与える前記第2コンテンツを選択してもよい。
【0019】
本発明の第2の態様のデータ処理装置においては、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する選択部と、前記選択部が選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザを介護する介護者の作業内容を示す作業データを取得する取得部と、を有し、前記選択部は、前記作業データが示す前記作業内容に基づいて前記ユーザの睡眠の質を推定し、前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、推定した前記睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性の第2コンテンツを選択する。
【0020】
本発明の第3の態様のデータ処理方法においては、コンピュータが実行する、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択するステップと、選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得するステップと、前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、前記睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択するステップと、を有する。
【0021】
本発明の第4の態様のプログラムは、コンピュータに、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択するステップと、選択した前記第1コンテンツが与えられた前記ユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得するステップと、前記第1コンテンツが前記ユーザに与える刺激の内容に影響する前記第1コンテンツの属性と、前記睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、前記第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択するステップと、を実行させる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、患者に刺激を与えたことによる治療効果を高めるコンテンツを選択するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】データ処理システムSの概要を説明するための図である。
【
図2】第1の実施形態にかかるデータ処理装置1Aの構成を示すブロック図である。
【
図3】ユーザデータのデータ構造の例を示す図である。
【
図4】データ処理装置1Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】変形例にかかるデータ処理装置1Bの構成を示すブロック図である。
【
図6】第2の実施例のデータ処理装置1Cの構成を示すブロック図である。
【
図7】第2の実施形態にかかるデータ処理装置1Cにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
<データ処理装置1の概要>
図1は、データ処理システムSの概要を説明するための図である。はじめに
図1を参照して、データ処理システムSの概要を説明する。データ処理システムSは、患者の睡眠の質の改善に適したコンテンツを選択するためのシステムである。データ処理システムSは、ユーザの睡眠の質を改善するため、ユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択し、選択されたコンテンツを与えたユーザの睡眠の質のフィードバックを受けることで、ユーザに刺激として与える第2コンテンツをさらに選択するシステムである。データ処理システムSは、データ処理装置1、視聴デバイス2及びバイタルセンサ3を有する。
【0025】
データ処理装置1は、ユーザに刺激として与えるコンテンツを選択するための装置である。視聴デバイス2は、ユーザがコンテンツを視聴するためのデバイスである。視聴デバイス2は、例えば、コンピュータ、スマートフォン、タブレット、スピーカー又はテレビ等である。バイタルセンサ3は、ユーザの睡眠時における睡眠の質を示すデータを計測するためのデバイスである。バイタルセンサ3は、例えば、バイタルデータを取得可能なウェアラブルデバイス又はスマートフォンである。なお、刺激として与えるコンテンツは、音楽データ、映画、動画、写真若しくは美術品等の画像データ、AR(Augmented Reality)画像データ又はVR(Virtual Reality)画像データ等である。以下では、データ処理装置1がユーザに刺激として与えるコンテンツとして音楽を例に説明する。
【0026】
データ処理装置1は、例えばユーザからの要求に応じて、ユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する(
図1における(1))。データ処理装置1は、選択した第1コンテンツのコンテンツデータを視聴デバイス2に送信する(
図1における(2))。視聴デバイス2は送信された第1コンテンツを再生し、ユーザは選択された第1コンテンツを視聴する。なお、データ処理装置1が送信するコンテンツデータがコンテンツを識別するための情報を含むデータである場合、視聴デバイス2は、データ処理装置1から受信したコンテンツを識別するための情報に対応するコンテンツを視聴デバイス2の記憶領域又は外部のコンテンツサーバから取得し、コンテンツを再生してもよい。
【0027】
バイタルセンサ3は、ユーザが第1コンテンツを視聴した後、ユーザの睡眠時におけるユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得し、データ処理装置1に送信する(
図1における(3))。バイタルセンサ3は、視聴デバイス2を経由してデータ処理装置1に睡眠データを送信してもよい。
【0028】
データ処理装置1は、ユーザに刺激として与えた第1コンテンツを識別するための情報と、バイタルセンサ3から取得した、ユーザに第1コンテンツを与えた後のユーザの睡眠の質を示す睡眠データと、に基づいてユーザに刺激として与える第2コンテンツを選択する(
図1における(4))。詳細については後述するが、データ処理装置1は、ユーザに第1コンテンツを与えた後のユーザの睡眠の質が良好でない場合に、睡眠の質を改善することができる蓋然性が高い第2コンテンツを選択する。そして、データ処理装置1は、選択した第2コンテンツのコンテンツデータを視聴デバイス2に送信する(
図1における(5))。
【0029】
<第1の実施形態>
[データ処理装置1Aの構成]
図2は、第1の実施形態にかかるデータ処理装置1Aの構成を示す図である。データ処理装置1Aは、通信部11、記憶部12、制御部13と、を有する。制御部13は、取得部131と、選択部132と、学習部133と、を有する。
【0030】
通信部11は、ネットワークを介して視聴デバイス2及びバイタルセンサ3と通信を行うための通信インターフェースである。
【0031】
記憶部12は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びSSD(Solid State Drive)等の記憶媒体を有する。記憶部12は、非一時的記録媒体に、制御部13が実行するプログラムを記憶する。記憶部12は、ユーザの属性データ(ユーザ属性データとも言う)を示すユーザデータを記憶する。記憶部12は、例えばユーザID、名前、出身地、生年月日、居住地、趣味等のデータをユーザデータとして記憶する。
【0032】
記憶部12は、データ処理装置1Aが選択可能なコンテンツを示すコンテンツテーブルを記憶する。コンテンツテーブルには、コンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報に加え、コンテンツの属性を示す属性データが記憶されてもよい。コンテンツの属性は、コンテンツがユーザに与える刺激の内容に影響するコンテンツの性質に対応しており、例えばコンテンツに含まれる楽曲を演奏しているアーティスト、コンテンツに含まれる楽曲の演奏に用いられている楽器の種別、コンテンツに含まれる音の周波数分布、コンテンツに含まれる音楽のテンポ、音高、リズム、和声若しくは旋律、ユーザが過去に視聴した頻度の大きさ又はユーザが過去に視聴したことがある蓋然性の大きさである。
【0033】
また、記憶部12は、ユーザIDと、ユーザに与えたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報と、睡眠日と、ユーザの睡眠の質を示す睡眠データと、が関連付けられたユーザデータを記憶する。睡眠日は、コンテンツ識別情報に対応するコンテンツがユーザに与えられた日である。例えば、D日にユーザにコンテンツが与えられ、睡眠の期間がD日とD+1日にまたがる場合、睡眠日はD日である。記憶部12が記憶する睡眠日は、コンテンツ識別情報に対応するコンテンツがユーザに与えられた日との関係が一定の日であればよく、コンテンツがユーザに与えられた日の翌日であってもよい。睡眠日とコンテンツが与えられた日は等価なので、データ処理装置1においては、コンテンツが与えられた日として記憶部12に記憶されたデータが睡眠日を示すデータとして使用されてもよい。
【0034】
図3は、ユーザデータのデータ構造の例を示す図である。睡眠データには、例えば、睡眠時間、入眠時刻、起床時刻、起きた回数、寝返り回数又は睡眠が浅い状態の時間の少なくともいずれかが含まれる。記憶部12は、バイタルセンサ3から取得したユーザの睡眠時の体動状態、発汗量又は心拍数の少なくともいずれかの時系列データを睡眠日と関連付けて記憶してもよい。
【0035】
1日における複数の時間帯に複数の異なるコンテンツがユーザに与えられる場合、記憶部12は、ユーザがコンテンツを視聴した時間帯とコンテンツの属性との関係を示す視聴履歴情報をさらに記憶してもよい。記憶部12は、コンテンツの属性に代えて、又はコンテンツの属性とともに、ユーザに与えられたコンテンツを識別するためのコンテンツ識別情報を、ユーザに当該コンテンツが与えられた時間帯に関連付けて記憶してもよい。
【0036】
制御部13は、記憶部12に記憶されたプログラムを実行することにより、取得部131、選択部132及び学習部133として機能する。
【0037】
取得部131は、選択部132が選択したコンテンツが与えられたユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得する。取得部131は、通信部11を介して、ユーザのバイタルセンサ3からユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得する。取得部131は、取得した睡眠データを選択部132に出力し、取得した睡眠データを記憶部12に記憶させる。
【0038】
取得部131は、ユーザの周辺環境の状況を表す周辺環境データをさらに取得してもよい。取得部131は、例えば、通信部11を介して周辺環境データを外部のサーバから取得する。ここで、周辺環境データは、各睡眠日における日照時間、日の出時刻、日の入時刻、天気、湿度、最高気温又は最低気温を示すデータである。取得部131は、ユーザの居室内に設置されたセンサデバイスから周辺環境データを取得してもよい。取得部131は、取得した周辺環境データを選択部132に出力する。
【0039】
取得部131は、ユーザの活動内容を表す活動データをさらに取得してもよい。取得部131は、例えば、通信部11を介してユーザの活動内容を表す活動データが含まれるスケジュール情報を外部のサーバから取得する。ユーザの活動内容は、例えば、ガーデニング、読書又はヨガのようなユーザの日中帯の活動内容を示す情報を含む。取得部131は、取得した活動データを選択部132に出力する。
【0040】
選択部132は、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する。また、選択部132は、第1コンテンツがユーザに与える刺激の内容に影響する第1コンテンツの属性と、睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する。第2コンテンツは、例えば、第1コンテンツと異なる属性を有することで、第1コンテンツと異なる刺激をユーザに与えることができるコンテンツである。選択部132は、例えば、予め記憶部12に記憶された複数のコンテンツから第1コンテンツ及び第2コンテンツを選択する。
【0041】
選択部132は、例えば、記憶部12に記憶されたコンテンツのタイトル又はコンテンツ識別情報とコンテンツの属性との関係を示すコンテンツテーブルを参照することにより、第1コンテンツ及び第2コンテンツのタイトル又はコンテンツ識別情報に基づいて第1コンテンツ及び第2コンテンツの属性を特定してもよい。また、選択部132は、ユーザの属性が示すユーザの年齢とコンテンツの公表年との関係に基づいて、ユーザが過去に視聴した頻度の大きさ又はユーザが過去に視聴したことがある蓋然性の大きさを第1コンテンツ及び第2コンテンツ属性として特定してもよい。
【0042】
選択部132は、例えば複数のコンテンツの候補をユーザに提示し、複数のコンテンツからユーザによって選択されたコンテンツを第1コンテンツとして選択する。選択部132は、ユーザの属性に基づいて複数のコンテンツの候補を選択してもよく、ユーザの属性に基づいて第1コンテンツを選択してもよい。選択部132は、周辺環境データが示すユーザの周辺環境又は活動データが示すユーザの活動内容の少なくともいずれかにさらに基づいて複数のコンテンツの候補又は第1コンテンツを選択してもよい。
【0043】
選択部132は、例えば、第1コンテンツの属性と、睡眠データとを、後述する学習済みモデルに入力し、学習済モデルから出力された属性を有するコンテンツ、又は学習済モデルから出力されたコンテンツ識別情報に対応するコンテンツを第2コンテンツとして選択する。選択部132は、それまでにユーザに与えられた複数のコンテンツ及びそれぞれのコンテンツが与えられた日に対応する複数の睡眠データ(例えば
図3に示す睡眠データ)を学習済みモデルに入力することにより、第1コンテンツと異なる第2コンテンツを選択してもよい。コンテンツが与えられた日に対応する睡眠データは、コンテンツが与えられた後に開始した睡眠において取得された睡眠データである。
【0044】
選択部132は、選択された第1コンテンツの属性と、第1コンテンツが与えられたユーザの睡眠の質と、選択する第2コンテンツの属性との対応関係を記載したテーブルを参照して、第1コンテンツの属性と、第1コンテンツが与えられたユーザの睡眠の質と、に対応する、第2コンテンツを選択してもよい。例えば、選択部132は、選択された第1コンテンツの属性と、第1コンテンツを与えたユーザの睡眠時間が所定値未満であるという条件と、に対応する属性を有する第2コンテンツを選択する。
【0045】
過去に選択したコンテンツがない場合、選択部132は、ユーザの属性データと選択するコンテンツの属性との対応関係を示すテーブルを参照し、記憶部12に記憶されたユーザの属性データに対応する属性を有するコンテンツをユーザに与えるコンテンツとして選択してもよい。選択部132は、学習用ユーザの属性データと、学習用ユーザに与えたコンテンツの属性と、コンテンツを与えられた学習用ユーザの睡眠データと、を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルに、記憶部12に記憶されたユーザの属性データを入力することで、ユーザに与えるコンテンツを選択してもよい。
【0046】
選択部132は、第2コンテンツの選択においても学習済みモデルを使用してもよい。選択部132は、例えば、学習用睡眠データと、学習用睡眠データが測定された学習用ユーザに与えられた学習用コンテンツの属性と、学習用コンテンツが与えられた後の学習用ユーザの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルに、第1コンテンツの属性データと、第1コンテンツが与えられた後に測定された睡眠データと、を入力する。改善結果は、所定の項目の値が過去の睡眠日(例えば直前の睡眠日)と比較して改善しているか否かを示す情報である。選択部132は、学習済みモデルから出力される、第1コンテンツが与えられた後に睡眠の質を改善する効果があるコンテンツの属性に対応する第2コンテンツを選択する。
【0047】
選択部132は、学習部133が、複数の学習用ユーザに与えたコンテンツのコンテンツ識別情報と、学習用ユーザに与えたコンテンツのアーティスト、ジャンル、公表年、調整、テンポ、音高、リズム、和声又は旋律等のうちいずれか1以上のコンテンツの属性を示す属性データと、学習用コンテンツが与えられた後の学習用ユーザの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして学習することにより学習部133が作成した学習済みモデルを記憶部12から取得する。学習用ユーザは、学習済みモデルを作成するために睡眠の質を測定した人である。
【0048】
選択部132は、第1コンテンツのコンテンツ識別情報と、第1コンテンツを与えたユーザの睡眠の質の改善結果を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力された睡眠の質の改善に効果を有するコンテンツと相関性の高いコンテンツを第2コンテンツとして選択する。相関性の高いコンテンツは、例えば、コンテンツの属性のうち予め設定された数の属性が同一のコンテンツである。
【0049】
選択部132は、睡眠の質が改善したか否かを任意の方法で判定してよい。選択部132は、例えば、所定の項目の値が過去の睡眠日(例えば直前の睡眠日)と比較して改善しているか否か、又は睡眠データに含まれる所定の項目の値の変化量が閾値以上であるか否かに基づいて、睡眠の質が改善されたか否かを判定する。
【0050】
選択部132は、ユーザに与えたコンテンツと、コンテンツを与えられたユーザの睡眠の質と、の関係が類似する他のユーザに効果があるコンテンツを選択してもよい。この場合、選択部132は、学習部133が複数の学習用ユーザそれぞれに与えられたコンテンツとコンテンツを与えられた日の複数のユーザそれぞれの睡眠の質との関係を学習した学習済みモデルを記憶部12から取得する。そして、選択部132は、ユーザに与えられたコンテンツと、当該コンテンツを与えられた後の睡眠の質の改善状態との関係の類似度が閾値より高い他のユーザを特定する。選択部132は、類似度が高い他のユーザに効果があった一以上のコンテンツの中から、ユーザに刺激として与えるコンテンツを選択してもよい。
【0051】
選択部132は、ユーザによるコンテンツの選択指示を受けることなく、第1コンテンツ及び第2コンテンツを選択してもよい。選択部132は、ユーザのコンテンツの選択操作を介在させずに、所定のタイミングで第1コンテンツのコンテンツ識別情報と、第1コンテンツを与えられたユーザの睡眠データと、を取得する。そして選択部132は、第1コンテンツのコンテンツ識別情報に基づいて特定される第1コンテンツの属性データと、第1コンテンツを与えられたユーザの睡眠データと、に基づいて、第2コンテンツを選択する。このように選択部132が選択操作を受けることなくコンテンツを選択するよう構成されることで、デバイスの操作に不慣れなユーザに対しても睡眠の質を改善させるコンテンツを提供することができる。
【0052】
選択部132は、第1コンテンツが刺激としてユーザに与えられる前の一以上の睡眠日を含む第1睡眠期間における睡眠データである第1睡眠データが示す睡眠の質よりも、第1コンテンツが刺激としてユーザに与えられた後の一以上の睡眠日を含む第2睡眠期間における睡眠データである第2睡眠データが示す睡眠の質が改善していない場合に第2コンテンツを選択する。選択部132は、第1コンテンツが与えられる前の所定の期間である第1睡眠期間におけるユーザの睡眠データである第1睡眠データと、第1コンテンツが与えられた所定の期間である第2睡眠期間におけるユーザの睡眠データである第2睡眠データと、を比較して、睡眠の質が改善しているか否かを判定する。選択部132は、第2睡眠データが第1睡眠データと比較して睡眠の質が改善していない場合、第2コンテンツを選択する。所定期間とは例えば、1日、3日、1週間である。第1睡眠期間と第2睡眠期間の長さは異なっていてもよい。
【0053】
選択部132は、第1コンテンツが刺激としてユーザに与えられた後の睡眠データが示す睡眠の質が所定の閾値よりも悪い場合に、第2コンテンツを選択する。選択部132は、第1コンテンツを与えている所定期間のユーザの睡眠データに含まれる項目の内所定の項目が閾値以下である場合に第2コンテンツを選択する。所定の閾値は、例えば、ユーザ毎に設定された目標値又はコンテンツを与える前のユーザの睡眠データに含まれる項目の値に所定の値を加算した値である。例えば、ユーザの平均睡眠時間が4時間以下であることが閾値として設定されている場合において、第1睡眠データに含まれる所定期間におけるユーザの平均睡眠時間が4時間以下である場合に、選択部132は、第2コンテンツを選択してもよい。
【0054】
選択部132は、ユーザの属性を示す属性データにさらに基づいて第1コンテンツ及び第2コンテンツを選択してもよい。選択部132は、例えば、複数の学習用ユーザそれぞれの出身地若しくは居住地、生年月日若しくは年齢、又は趣味等のユーザの属性と、それぞれの属性を持つユーザの睡眠の質を改善するために適したコンテンツとが関連付けられたデータを参照することにより、ユーザの属性に適した第1コンテンツ及び第2コンテンツを選択する。選択部132は、例えば、ユーザの出身地が歌詞に含まれているコンテンツ、ユーザの世代の人が好む傾向が高いコンテンツ、又はユーザの趣味に関連する内容のコンテンツを選択する。選択部132がこのようなコンテンツを選択することで、ユーザの満足度が高まり、ユーザが安眠しやすくなる。
【0055】
選択部132は、ユーザの属性に基づいて選択された第1コンテンツの属性と、当該第1コンテンツが与えられたユーザの睡眠の質を示す睡眠データとの関係に基づいて、ユーザの属性に適しており、かつ睡眠の質が改善される可能性がある第2コンテンツを選択してもよい。一例として、選択部132は、ユーザの属性のうち第1の属性(例えば年齢)に基づいて選択された第1コンテンツをユーザに与えた後の睡眠の質が許容できるレベル以上である場合、第1コンテンツと同一の第1の属性を有し、かつ第1コンテンツと異なる第2コンテンツを選択する。選択部132がこのような第2コンテンツを選択することで、ユーザが同じコンテンツを繰り返し視聴することなく、良好な睡眠の質を維持することができる。
【0056】
一方、選択部132は、ユーザの属性のうち第1の属性(例えば年齢)に基づいて選択された第1コンテンツをユーザに与えた後の睡眠の質が許容できるレベル未満である場合、第1の属性と異なる第2の属性(例えば出身地)に基づいて第2コンテンツを選択する。選択部132がこのように動作することで、ユーザの睡眠の質を改善し得る第2コンテンツを選択できる蓋然性が高まる。
【0057】
選択部132は、属性データと、複数の学習用ユーザそれぞれに与えられた複数のコンテンツと、当該コンテンツを与えられた日の複数の学習用ユーザそれぞれの睡眠の質の改善結果との関係を教師データとして用いて学習することにより作成された学習済みモデルを用いて、第1コンテンツが与えられたユーザが睡眠した後に測定された睡眠データが示す睡眠の質と、当該ユーザの属性に基づいて第2コンテンツを選択してもよい。この場合、選択部132は、記憶部12に記憶された当該学習済みモデルに、ユーザの属性データと、ユーザに与えられた第1コンテンツと、第1コンテンツが与えられた後に測定されたユーザの睡眠データと、を学習済みモデルに入力する。選択部132は、学習済みモデルから出力されたコンテンツを、ユーザに刺激として与える第2コンテンツとして選択する。
【0058】
ところで、ユーザにコンテンツを与える時間を最適化することで、より睡眠の質を改善できる可能性がある。そこで、選択部132は、複数の時間帯に対応する、それぞれ異なる属性の複数の第2コンテンツを選択してもよい。具体的には、選択部132は、複数の時間帯それぞれにユーザに与える複数の第2コンテンツの属性の組み合わせが、睡眠の質を改善に適した組み合わせになるように、複数の第2コンテンツを選択する。選択部132は、例えば、昼間の時間帯はテンポが速い第2コンテンツを選択し、夜間の時間帯はテンポが遅い第2コンテンツを選択する。複数の時間帯は、例えば、起床時、朝食後、昼食後、夕食後又は就寝前のようなユーザの活動に対応する時間帯であってもよく、時刻により定められる時間帯であってもよい。
【0059】
選択部132は、複数の時間帯それぞれにおいてユーザに与える第2コンテンツを選択してもよい。選択部132は、例えば、昼間に寝てしまう傾向が強いユーザには、昼間の時間帯にテンポが比較的速い第2コンテンツを選択し、昼間に落ち着きがない傾向が強いユーザには、昼間の時間帯にテンポが比較的遅い第2コンテンツを選択する。選択部132がこのように構成されていることで、ユーザの属性に適した属性の第2コンテンツを各時間帯に与えることができるので、睡眠の質が改善されやすくなる。
【0060】
選択部132は、学習済みモデルを用いて、複数の時間帯に対応する複数の第2コンテンツを選択してもよい。この場合、選択部132は、学習部133が学習用ユーザに与えたコンテンツの属性データと、学習用ユーザの睡眠データと、学習用ユーザにコンテンツを与えた時間帯を示す情報と、学習用コンテンツが与えられた後の学習用ユーザの睡眠の質の改善結果とを教師データとして学習することにより作成された学習済みモデルを記憶部12から取得する。選択部132は、ユーザに与えたコンテンツの属性データと、コンテンツを与えたユーザの睡眠データと、を学習済みモデルに入力する。選択部132は、学習済みモデルから出力される、睡眠の質を改善する効果があるコンテンツを与える複数の時間帯に関する情報を取得する。選択部132は、取得した情報が示す1以上の時間帯にユーザに与える1以上の第2コンテンツを選択する。
【0061】
選択部132は、ユーザの周辺環境がユーザの心身に与える影響を示すデータと、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、を参照することにより、周辺環境データが示す周辺環境においてユーザに与える第2コンテンツを選択してもよい。選択部132は、記憶部12に記憶されたユーザの周辺環境がユーザの心身に与える影響を示すデータと、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、の関係が記憶されたテーブルを参照し、取得部131から取得した周辺環境データに対応するユーザの心身の状態に適した刺激の内容を特定する。選択部132は、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容に対応するコンテンツを第2コンテンツとして選択する。
【0062】
一例として、周辺環境データが、気温が高いことを示している場合、ユーザが疲労しやすいという影響を受けることが想定されるため、「テンポが遅い音楽」がユーザの心身の状態に適した刺激と判定される。選択部132は、「テンポが遅い音楽」に対応するコンテンツを選択する。また、周辺環境データが、雨天であることを示している場合、ユーザが暗い気分になりやすいという影響を受けることが想定されるため、「テンポが速い音楽」がユーザの心身の状態に適した刺激と判定される。選択部132は、「テンポが速い音楽」に対応するコンテンツを選択する。
【0063】
選択部132は、学習済みモデルを用いて、周辺環境に適したコンテンツを選択してもよい。この場合、選択部132は、複数の学習用ユーザそれぞれに与えられた学習用コンテンツの属性データと、複数の学習用ユーザが学習用コンテンツを与えられた日の周辺環境と、当該コンテンツを与えられた日の複数のユーザそれぞれの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして学習部133が学習することにより作成された学習済みモデルを記憶部12から取得する。そして、選択部132は、ユーザに与えられた第1コンテンツの属性データと、第1コンテンツが与えられた日にそれぞれ測定されたユーザの睡眠データと、周辺環境データと、を学習済みモデルに入力する。選択部132は、学習済みモデルから出力されたコンテンツを、ユーザの周辺環境においてユーザに刺激として与える第2コンテンツとして選択する。
【0064】
選択部132は、ユーザの活動内容がユーザの心身に与える影響を示すデータと、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、を参照することにより、活動データが示す活動をしたユーザに与える第2コンテンツを選択してもよい。選択部132は、記憶部12に記憶された、ユーザの活動内容がユーザの心身に与える影響を示すデータと、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータと、の関係が記憶されたテーブルを参照し、取得部131から取得した活動データが示す活動を行ったユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータを取得する。選択部132は、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容を示すデータに対応するコンテンツを第2コンテンツとして選択する。
【0065】
一例として、選択部132は、活動データが、ユーザが激しい運動を行ったことを示している場合、ユーザが疲労しやすいという影響を受けることが想定されるため、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容は「テンポが遅い音楽」と判定する。選択部132は、「テンポが遅い音楽」に対応するコンテンツを選択する。また、選択部132は、活動データがユーザの外出が少ないことを示している場合、ユーザが暗い気分になりやすいという影響を受けることが想定されるため、ユーザの心身の状態に適した刺激の内容は「テンポが速い音楽」と判定する。選択部132は、「テンポが速い音楽」に対応するコンテンツを選択する。
【0066】
選択部132は、学習済みモデルを用いて、ユーザの活動内容に適したコンテンツを選択してもよい。この場合、選択部132は、複数の学習用ユーザそれぞれに与えられた第1コンテンツ及び第2コンテンツの属性データと、複数の学習用ユーザが第2コンテンツを与えられる前に行った活動の内容と、第1コンテンツの後に第2コンテンツを与えられた日の複数のユーザそれぞれの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして学習部133が学習することにより作成された学習済みモデルを記憶部12から取得する。そして、選択部132は、ユーザに与えられた第1コンテンツの属性データと、第1コンテンツが与えられた日にそれぞれ測定されたユーザの睡眠データと、第2コンテンツが与えられる前にユーザが行ったユーザの活動内容を示す活動内容データと、を学習済みモデルに入力する。選択部132は、学習済みモデルから出力されたコンテンツを、活動内容が示す活動を行ったユーザに与える第2コンテンツとして選択する。
【0067】
学習部133は、学習用ユーザに与えたコンテンツと、コンテンツを与えた学習用ユーザの睡眠の質との関係を学習した学習済みモデルを始めとする上記の各種の学習済みモデルを生成し、生成した学習済みモデルを記憶部12に記憶する。
【0068】
[データ処理装置1Aにおける処理の流れ]
図4は、データ処理装置1Aにおける処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えばユーザの登録処理が完了し、コンテンツの選択が可能となった時点で開始している。
【0069】
選択部132は、記憶部12に記憶されているユーザの属性データを取得する(S01)。次に、選択部132は、ユーザの属性データを記憶部12から取得した学習済みモデルに入力し、出力されたコンテンツをユーザに刺激として与える第1コンテンツとして選択する(S02)。
【0070】
取得部131は、バイタルセンサ3から、第1コンテンツを刺激として与えられたユーザの睡眠データを取得する(S03)。選択部132は取得した睡眠データが示す睡眠の質が改善しているか否かを判定する(S04)。次に、選択部132は、終了条件が満たされるかどうかを判定する(S05)。終了条件は、例えば、ユーザが所望の睡眠の質に到達した場合である。終了条件を満たす場合(S05におけるYES)、データ処理装置1は、コンテンツ選択処理を終了する。終了条件が満たされない場合(S05におけるNO)、S06に進む。
【0071】
睡眠データが示す睡眠の質が改善している場合(S06におけるYES)、S03に進む。睡眠データが示す睡眠の質が改善していない場合(S06におけるNO)、選択部132は、第1コンテンツを識別する情報と、第1コンテンツを与えられたユーザの睡眠の質とを、記憶部12から取得した学習済みモデルに入力し、学習済みモデルから出力されたコンテンツを第2コンテンツとして選択する(S07)。以下、データ処理装置1は、選択した第2コンテンツを第1コンテンツとしてユーザに与え、終了条件を満足するまでコンテンツ選択処理を繰り返す。
【0072】
[第1の実施形態の効果]
以上説明したように、データ処理装置1Aにおいては、選択部132が、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する。次に、選択部132が選択した第1コンテンツが与えられたユーザの睡眠の質を示す睡眠データを取得部131が取得する。そして選択部132は、第1コンテンツがユーザに与える刺激の属性と、睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する。データ処理装置1Aがこのように構成されることで、データ処理装置1Aは、ユーザに治療効果のあるコンテンツを選択することができる。
【0073】
[変形例]
睡眠の質の改善が確認されても、運動や気候等のコンテンツ以外の要因で睡眠の質が改善している場合もありうる。そこで、データ処理装置1は、睡眠の質を示す睡眠スコアを算出し、コンテンツ以外の要因が与えた影響を評価し、コンテンツ以外の要因が与えた影響に基づいて睡眠スコアを補正してもよい。
【0074】
図5は、変形例にかかるデータ処理装置1Bの構成を示す図である。
図5において既に説明した機能部と同等の機能部には同じ符号を付け、説明を省略する。データ処理装置1Bは評価部134をさらに備える。評価部134は、第1睡眠データが示す睡眠の質と第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて、第1コンテンツをユーザに与えたことによる効果の度合いを示す評価結果を作成する。ここで、第1睡眠データは、第1コンテンツが与えられる前の所定の期間である第1睡眠期間におけるユーザの睡眠データである。また、第2睡眠データは、第1コンテンツが与えられた所定の期間である第2睡眠期間におけるユーザの睡眠データである。
【0075】
評価部134は、例えば、入眠時刻、起床時刻、睡眠時間、就寝中の体動量又は心拍数に基づいて、睡眠の質を示す睡眠スコアを算出する。そして、第1睡眠データから算出された睡眠スコアから第2睡眠データから算出された第2睡眠スコアを減算することで、コンテンツが睡眠データの改善に与えた効果の度合いを示す評価結果を算出する。評価部134は、第1睡眠スコアと第2睡眠スコアの差分を第1睡眠スコアで除算した差分率を評価結果として算出してもよい。また、評価部134は、第1睡眠データ及び第2睡眠データとして、所定の期間に取得された睡眠データの平均値を用いてもよい。所定の期間は、例えば3日又は1週間である。
【0076】
評価部134は、周辺環境データを用いて評価結果を補正してもよい。評価部134は、例えば、周辺環境と睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、周辺環境データが示す周辺環境が睡眠の質に影響した度合いを特定する。評価部134は、特定した影響度合いに基づいて、第1睡眠データが示す睡眠の質と第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて特定した効果の度合いを補正することにより評価結果を作成する。
【0077】
評価部134は、取得部131が取得した周辺環境データと、評価結果の補正値と、の関係が記載されたテーブルを参照し、取得部131から入力された、睡眠スコアの算出対象日における周辺環境データに対応する評価結果の補正値を取得する。評価部134は、算出した睡眠スコアに、取得した補正値を加算することにより、第1睡眠スコア及び第2睡眠スコアを補正する。
【0078】
評価部134は、ユーザの日中の活動の内容に基づいて評価結果を補正してもよい。評価部134は、活動内容と睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、活動データが示す活動内容が睡眠の質に影響した度合いを特定する。評価部134は、特定した影響度合いに基づいて、第1睡眠データが示す睡眠の質と第2睡眠データが示す睡眠の質との関係に基づいて特定した効果の度合いを補正することにより評価結果を作成する。
【0079】
評価部134は、取得部131が取得したスケジュール情報に含まれるユーザの活動内容を示す情報を取得する。評価部134は、ユーザの活動内容と、評価結果の補正値と、の関係が記載されたテーブルを参照し、睡眠スコアの算出対象日におけるユーザの活動内容に対応する補正値を取得する。評価部134は、睡眠スコアに、取得した補正値を加算することにより、第1睡眠スコア及び第2睡眠スコアを補正する。
【0080】
データ処理装置1Bにおいて、選択部132は、評価部134から取得した補正後の睡眠スコアを用いて睡眠の質の改善度合いを算出する。一例として、選択部132は、補正後の第1睡眠スコアから補正後の第2睡眠スコアを減算した値を、睡眠の質の改善度合いとして算出する。
【0081】
学習部133は、取得部131が取得した学習用ユーザの睡眠データと選択部132が選択した学習用コンテンツに加え、評価部134が評価した学習用ユーザの補正後の睡眠スコアを教師データとして学習した学習済みモデルを生成し、記憶部12に格納する。
【0082】
データ処理装置1Bが評価部134を備えるように構成されることで、睡眠スコアにコンテンツ以外が与えた影響を補正し、コンテンツが睡眠の質の向上に貢献したか否かをより高い精度で判定し、コンテンツ選択の精度を向上させることができる。
【0083】
<第2の実施形態>
第1の実施形態においては、睡眠データによりユーザの睡眠の質を測定したが、ユーザの睡眠の質は、介護者の作業負荷を示すデータにより判定することとしてもよい。
図6は、第2の実施形態に係るデータ処理装置1Cの装置構成を示す図である。
図6においては、既に説明した機能部と同等の機能部には同じ符号を付け、説明を省略する。
【0084】
データ処理装置1Cは作業データ取得部135を備える。作業データ取得部135は、選択部132が選択した第1コンテンツが与えられたユーザを介護する介護者の作業内容を示す作業データを取得する。作業データ取得部135は、ユーザの介護を行う介護者の作業データを取得する。作業データは、例えば介護者の作業内容が記録された日報情報である。
【0085】
選択部132は、作業データが示す介護者の作業内容に基づいてユーザの睡眠の質を推定し、第1コンテンツがユーザに与える刺激の属性と、推定した睡眠の質との関係に基づいて、第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する。作業データがテキストデータである場合は、選択部132は作業記録データを自然言語処理することで、日報に記載された介護者の負荷を示す情報を抽出する。介護者の負荷を示す情報は、例えば、認知症の周辺症状に伴う患者の症状を示す情報である。一例として、介護者の負荷を示す情報は、介護者等に対する暴力の有無を示す情報、ユーザが大声を出したり暴れたりしたことを示す情報、ユーザが幻覚を訴えたことを示す情報、又は介護者が夜間の排泄のために呼び出された回数若しくは排泄の補助をした回数を示す情報である。
【0086】
選択部132は、例えば、記憶部12に記憶された、介護者の作業内容とユーザ(被介護者)の睡眠の質との関係を示すデータを参照することにより、第1コンテンツを与えられたユーザの睡眠の質を推定する。選択部132は、介護者の負荷を示す情報を、学習用ユーザの介護者の負荷を示す情報と、学習用ユーザの睡眠の質と、を教師データとして学習することにより作成された学習済みモデルに入力することにより、ユーザの睡眠の質を推定してもよい。
【0087】
選択部132は、上述した方法により、第1コンテンツを与えられた後に、作業データが示す作業内容を介護者が行う必要が生じたユーザに適した第2コンテンツを選択する。選択部132は、複数の学習用ユーザそれぞれに与えられた第1コンテンツ及び第2コンテンツと、複数の学習用ユーザが第1コンテンツを与えられた後の介護者の作業内容を示す作業データと、第1コンテンツの後に第2コンテンツを与えられた日の複数のユーザそれぞれの睡眠の質の改善結果と、を教師データとして学習部133が学習することにより作成された学習済みモデルを記憶部12から取得する。そして、選択部132は、ユーザに与えられた第1コンテンツの属性データと、第1コンテンツがユーザに与えられた後における介護者の作業内容を示す作業データと、を学習済みモデルに入力する。選択部132は、学習済みモデルから出力されたコンテンツを第2コンテンツとして選択する。
【0088】
[データ処理装置1Cにおける処理の流れ]
図7は、データ処理装置1Cにおける処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば、ユーザの登録処理が完了し、コンテンツの選択が可能となった時点で開始している。
【0089】
選択部132は、記憶部12に記憶されているユーザの属性データを取得する(S11)。次に、選択部132は、ユーザの属性データを記憶部12から取得した学習済みモデルに入力し、出力されたコンテンツをユーザに刺激として与える第1コンテンツとして選択する(S12)。
【0090】
取得部131は、ユーザを介護する介護者の作業データを取得する(S13)。選択部132は取得した作業データから介護者の作業負荷を示す情報を抽出し、作業負荷を示す情報に基づいて、ユーザの睡眠の質を推定する(S14)。選択部132は、推定した睡眠の質が改善しているか否かを判定する(S15)。
【0091】
次に選択部132は終了条件が満たされるかどうかを判定する(S16)。終了条件は、例えば、ユーザが所望の睡眠の質に到達した場合である。終了条件を満たす場合(S16におけるYES)、データ処理装置1Cは、コンテンツ選択処理を終了する。終了条件が満たされない場合(S16におけるNO)、S17に進む。
【0092】
睡眠データが示す睡眠の質が改善している場合(S17におけるYES)、S13に進む。睡眠データが示す睡眠の質が改善していない場合(S17におけるNO)、第1コンテンツを識別する情報と、第1コンテンツを与えられたユーザの睡眠の質と、を記憶部12から取得した学習済みモデルに入力し、出力されたコンテンツを第2コンテンツとして選択する(S18)。以下、データ処理装置1Cは、選択した第2コンテンツを第1コンテンツとしてユーザに与え、終了条件を満足するまでコンテンツ選択処理を繰り返す。
【0093】
[データ処理装置1Cによる効果]
以上説明したように、データ処理装置1Cにおいては、選択部132が、複数のコンテンツからユーザに刺激として与える第1コンテンツを選択する。次に、選択部132が選択した第1コンテンツが与えられたユーザを介護する介護者の作業内容を示す作業データを作業データ取得部135が取得する。そして選択部132は、作業データが示す作業内容に基づいてユーザの睡眠の質を推定し、ユーザに与える刺激の内容に影響する第1コンテンツの属性と、推定した睡眠の質との関係に基づいて、第1コンテンツと異なる属性を有する第2コンテンツを選択する。データ処理装置1Cがこのように構成されることで、データ処理装置1Cは、睡眠データが取得できないユーザに対しても治療効果のあるコンテンツを選択することができる。
【0094】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の全部又は一部は、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を併せ持つ。
【符号の説明】
【0095】
1 データ処理装置
2 視聴デバイス
3 バイタルセンサ
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
131 取得部
132 選択部
133 学習部
134 評価部
135 作業データ取得部