(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063195
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】パター、及びパターに装着されるグリップ
(51)【国際特許分類】
A63B 53/14 20150101AFI20230427BHJP
A63B 60/28 20150101ALI20230427BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20230427BHJP
【FI】
A63B53/14 Z
A63B60/28
A63B102:32
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021187416
(22)【出願日】2021-10-22
(71)【出願人】
【識別番号】593007567
【氏名又は名称】阿部 薫
(71)【出願人】
【識別番号】599125559
【氏名又は名称】阿部 能理満
(71)【出願人】
【識別番号】599125548
【氏名又は名称】阿部 益喜啓
(71)【出願人】
【識別番号】511022948
【氏名又は名称】阿部 由佳
(72)【発明者】
【氏名】阿部 薫
(72)【発明者】
【氏名】阿部 能里満
(72)【発明者】
【氏名】阿部 益喜啓
(72)【発明者】
【氏名】阿部 由佳
【テーマコード(参考)】
2C002
【Fターム(参考)】
2C002AA04
2C002GG07
(57)【要約】
【課題】 パターの長さを、簡単、且つ、迅速に調整することができるパターを提供すること。
【解決手段】 カーボン製、スチール製、アルミ合金製あるいは木製のシャフトと、シャフトの先端部に装着され、ゴム等の軟質材で成形されグリップと、グリップの両周端部を締結する複数の蝶ネジを設けたもの。
又は、グリップの両端に、グリップの取り付け位置を上下に変更できる固定具を設けたもの。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボン製、スチール製、アルミ合金製あるいは木製のシャフトと、シャフトの先端部に装着され、ゴム等の軟質材で成形されたグリップと、周端部間に僅かな空隙を残した前記グリップの両周端部を締結あるいは弛緩する複数個のネジを備えたパター。
【請求項2】
前記特許請求の範囲第1項記載のパターにおいて、
前記複数のネジは蝶ネジであるパター。
【請求項3】
シャフトの先端部に装着されるグリップであって、前記グリップの両周端部をネジで緊締あるいは弛緩可能にしたゴム等の軟質材で成形されたパターに装着されるグリップ。
【請求項4】
カーボン製、スチール製、アルミ合金製あるいは木製のシャフトと、このシャフトの先端部に装着するグリップであって、このグリップの両端部に、グリップをシャフトに固定する固定具を備えたパター。
【請求項5】
シャフトの先端部に装着されるグリップであって、このグリップの両端に、シャフトに固定するための固定具を備えたパターに装着されるグリップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パター、及びパターに装着されるグリップに関し、更に詳しくは長さを調整することができるパター、あるいは、パターの長さを変更するためにグリップの取り付け位置を調整することができるグリップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、新型コロナウイルスの関係で、ゴルフを楽しむ人が多くなった。
ゴルフが上手くなるためには、自分の身長や体格に最適な長さのゴルフクラブを選ぶこと重要である。
上手くなるのに最短なのは、クラブのうちパターを最適な長さにすることであり、これによってスコアメーキングを計ることである。
【0003】
パターの長さは身長や体格に合わせて選定するが、シャフトの先端部に取り付けられているグリップは、パターの長さが、33インチや34インチになるように固定されている。
これ以外の長さのパターが欲しい場合は特別に注文しなければならない。
特別注文になると、工房での加工になるので、費用と時間が掛かることになる。
加工されたパターの場合もグリップは固定されているので、自分でパターの長さを調整することができない。
一方、コースに出るときは、その日の天候や芝の状態、あるいは気分によって長さの違うパターを使用したいことがある。
そのため、ゴルファーは長さの違う複数のパターを用意しているのが普通であり、その分多くの費用が掛かかっている。
【0004】
前記に着目し本発明は、自分でグリップの取り付け位置を変更し、パターの長さを調整することができるパター、又は、そのパターに装着されるグリップを提供しようとするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記問題を解決し、長さを調整することができるパターの発明が、上記特許公開公報で提案されている。
以下説明すると、前記公開特許公報には、長さを可変にできる長さ可変のゴルフクラブ(タイトル)が記載されている。
具体的に説明すると、シャフト1の筒状の上端部1aに栓体2を設け、栓体2に穿設された螺孔2に、ネジが切られた長い螺杆3を螺合させ、螺杆3の先端に係合部材4を形成したものである。
そして、係合部材4に別途用意しているハンドル22を係合し、正逆に回転することによってグリップ13の位置を調整するように構成されている。
【0007】
このように、長さを調整することができるが、クラブの長さを調整するためには専用の螺杆回転具Bを準備しておく必要がある。
クラブの長さの調整は、通常、事前に行うが、プレー中でもグリーンの状態や天候によって調整したいことがある。
このとき公開公報記載の発明では、ハンドルを持参していなければ調整できないので、調整しないままでプレーは続き、結果としてスコアは悪いものとなってしまう。
これでは折角のゴルフが面白くなく、興味も薄くなる。
又、大きなハンドルを持ち歩くのは面倒であるとともに、頻繁に忘れでしまうこともあり、前述のような結果を招来する虞がある。
【0008】
又、螺杆3を回転する方法なので、調整に際して迅速に対応することができない。
プレー中も、前記のようにパターの高さを調整したいときがあるが、迅速に調整できず、メンバーに迷惑をかけることにもなる。
【0009】
又、前記公開公報に記載された従来の発明は、クラブの先端内部に、スライド筒11、螺杆3、栓体2など多数の構成部品を有しているので、グリップ部の重量が大きくなり、特にパター動作に悪影響を来す。
更に又、狭いシャフトの筒内に構成部品を内蔵しなければならず、その分組み立て時間がかかり、価格も高いものとなっている。
【0010】
前記に着目し、本発明は、自己でパターの長さを専用工具なしで、迅速、且つ、簡単に調整することができ、部品数が最小で軽いパターを提供すること目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の目的は、カーボン製、スチール製、アルミ合金製あるいは木製のシャフトと、シャフトの先端部に装着されたゴム等の軟質材で成形されたグリップと、このグリップの両周端部を締結あるいは弛緩する複数のネジを備えることによって達成される。
【0012】
本発明の他の目的は、カーボン製、スチール製、アルミ合金製あるいは木製のシャフトと、このシャフトの先端部に装着するグリップであって、このグリップの両端部に、グリップをシャフトに固定する固定具を備えることによって達成される。
【発明の効果】
【0013】
前記手段により本発明は、自分でパターの長さを専用工具なしで迅速、且つ、簡単に調整することができ、部品数が最小で軽いパターを提供する効果を有する。
又、グリップを軟質材で形成し、弾着によってシャフトに装着しているので、グリーンの状態や天候に合わせ、あるいは、好みの色や柄のグリップに交換することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施例のパター本体を示す正面図。
【
図5】本発明の他の実施例のパター本体を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例の形態を
図1乃至
図4に基づいて説明する。
図1において、Pは、パター本体である。パター本体Pは、カーボン製、スチール製、アルミ合金製あるいは木製のシャフト1、シャフト1の上端部に挿入して装着されたグリップ2、及びシャフト1の下端に形成されたパターヘッド3によって構成されている。
パターヘッド3は、通常シャフト1に対して斜めに取り付けられている。
又、シャフト1の上端には、図示していないが触っても傷がつかないようにキャップが取り付けられている。
【0016】
グリップ2は、握るとき、グリップに指がフィットするように軟質のゴム、あるいは合成樹脂で成形されており、周囲には、指の滑り止め21が
図2のように形成されている。
【0017】
更に、前記グリップ2には、
図2に示すようにシャフト1を貫通する穴22と、穴22の下方に僅かな空隙Sを残して周端部23、24が形成されている。尚、
図2には、後述する緊締状態で、周端部23,24が接触し、空隙Sが無くなった状態を示している。
4は、蝶ネジで、前記周端部23と24同志を締結する。一実施例ではグリップ2をシャフト1に均等に装着できるように3個設けている。
【0018】
プライベートでのプレー中、パターの長さ(高さ)を変更したいときは、蝶ネジ4を回転してグリップ2の位置を上下に変更し、グリップ2を所望の位置に(
図1の点線参照)移動して固定すればよい。即ち、パターの長さを調整するのに工具は不要である。
蝶ネジ4がパター動作に邪魔と感じている人に対しては、蝶ネジ4を普通のネジに変更すればよいが、ドライバーなどの工具を必要とする。
ネジの頭部に10円などのコインに係合できる溝を形成しておけば、工具は必要ない。
【0019】
5は前記蝶ネジに嵌るワッシャーで、蝶ネジ4をネジ込むとき、緊締するグリップ2の周囲の破損を防止するためのものである。
グリップ2が硬質であるか、柔らかな場合でネジの周りが他よりの厚く成形されている場合は、ワッシャー5は省いてもよい。
【0020】
前記一実施例発明の構成において、パターの長さ(高さ)の調整方法について説明する。
パターの長さ変更したいときは、蝶ネジ4を左方向に回転して緩める。すると、グリップ2の穴22が拡張し、グリップ2はシャフト2から僅かに離れる。
そして、グリップ2の取り付け位置を自分の身長やグリーンの状態などを考慮して変更し(
図1の点線)、その位置で蝶ネジ4を右方向に回転すれば前記穴22は縮小し、グリップ2はシャフト1に緊締して取り付けることができる。
【0021】
このように、グリップ2を所望の位置に移動し、蝶ネジ4を閉めれば、グリップ2はシャフト1にきつく取り付けられ、パターのグリップ2の取り付け位置の調整は完了する。
又、前記実施例構成によれば、細かく調整することができ、最適な高さのパターを得ることができるので、スコアメーキングに寄与する。
又、このグリップ2の取り付け位置を調整するためにドライバーや前記公開公報に記載された発明のような専用の工具は必要ない。
【0022】
次に、他の実施例を
図5乃至
図8を参照しながら説明する。
図で、一実施例と同一の符号のものは同一の部品である。
他の実施例と相違するのは、グリップの取り付け構成や方法である。
以下説明すると、図において、1は、前記と同様のカーボン製等のシャフト、2は、シャフト1に装着されたグリップで、シャフト1の先端部に穴22に被挿するように構成されている。
【0023】
グリップ2は、前述と同様、ゴムや合成樹脂等の軟質材で形成されており、シャフト1に適度な弾力で、回転及び移動可能に装着されている。21は、パターをするとき指の滑りを防止する滑り止めである。
【0024】
6及び7は、グリップ2の上下端に被嵌される固定具で、この固定具は、金属で一部を切り欠いたリング状に成形されている。
又、
図7、
図8に示すように固定具6の周端は外側に折り曲げ、折り曲げ部61、62を形成している。
固定具7も固定具6と同様に折り曲げ部が形成されているが、図面には現れない。
【0025】
8は、前記固定具6の折り曲げ部61、62と固定具7の折り曲げ部(
図7、
図8に開示なし)同志を締結するネジで、コインに係合できる大きさの溝を有している。
これにより、ネジ8はドライバーなどの工具を用いることなく、固定具6,7を緊締し、又は緩めてグリップ2の位置を変更し、パターの長さ(高さ)を調整することができる。
【0026】
前記で、固定具6、7をネジ8で緩め、シャフト1に装着されたグリップ2は、この装着力より大きな引き力を与えることにより、グリップ2を引き抜くことができる。
【0027】
引き抜いた後に、別に用意しているグリップをシャフト1の上端から被挿すれば、その日の天候などに応じて好みのグリップ2に交換することができる。
グリップを交換したのち、前記蝶ネジ4を右方向に回転すれば、交換したグリップ2はシャフト1に取り付けられる。
このように、グリップを交換することができれば、気に入った愛用のパターを一本持つだけで十分で余分なパターが不要になり、持参するゴルフバッグも軽くなる。
尚、公式戦の場合は、プレー中、前記したパターの長さ(高さ)調整やグリップの交換はできないので、公式戦開始前に準備しておくのが肝心である。
【0028】
以上のように本発明の一実施例、及び他の実施例の発明によれば、身長や体格に最適なパターの長さ(高さ)を迅速に調整することができる。
又、天候や好みによりグリップを交換することができ、ゴルフが楽しくなるものである。
【符号の説明】
【0027】
P…パター 1…シャフト 2…グリップ 3…パターヘッド 4…蝶ネジ 5…ワッシャー 6、7…固定具 61、62…折り曲げ部 8…ネジ S…空隙