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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063208
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】片持ち梁型プローブ構造体
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/067 20060101AFI20230427BHJP
   G01R 1/073 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
G01R1/067 C
G01R1/073 E
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022018352
(22)【出願日】2022-02-09
(31)【優先権主張番号】110139177
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517009143
【氏名又は名称】中華精測科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHUNGHWA PRECISION TEST TECH.CO.,LTD
【住所又は居所原語表記】NO.15,GONGYE 3RD ROAD,PINGJHEN DIST,TAOYUAN CITY 324,TAIWAN
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】▲ライ▼ 融暘
(72)【発明者】
【氏名】鄭 孟杰
(72)【発明者】
【氏名】魏 遜泰
(72)【発明者】
【氏名】李 文聰
【テーマコード(参考)】
2G011
【Fターム(参考)】
2G011AA02
2G011AA15
2G011AA16
2G011AB01
2G011AC14
2G011AC32
2G011AE01
2G011AF07
(57)【要約】
【課題】既存の片持ち梁型プローブによる信号経路が長い欠点を改善する。
【解決手段】片持ち梁型プローブ構造体は、固定セグメントと、ストロークセグメントと、テストセグメントとを含む。前記ストロークセグメントは、前記固定セグメントから離れる方向に順次配置された第1の特性部、弾性部、及び第2の特性部を有する。前記第1の特性部及び前記第2の特性部互いに向かい合い、互いに間隔をあけて配置される。前記テストセグメントは前記第2の特性部に接続される。前記片持ち梁型プローブ構造体は、前記テストセグメントの自由端でテスト対象物に当接する。前記弾性部の変形で前記第2の特性部が前記第1の特性部に接触した場合、前記片持ち梁型プローブ構造体は、前記自由端から固定セグメントまで、前記テストセグメント、前記第2の特性部、及び前記第1の特性部を順序に経て信号伝達経路をなしている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート本体に溶接する固定セグメントと、
前記固定セグメントに連接され、前記固定セグメントから離れる方向に順次配置された第1の特性部、弾性部、及び第2の特性部を有すると共に、前記第1の特性部と前記第2の特性部とが互いに向かい合い、互いに間隔をあけて配置される、ストロークセグメントと、
前記ストロークセグメントの前記第2の特性部に連接され、自由端が分離可能にテスト対象物に当接されるテストセグメントと、
を具備し、
前記自由端から前記固定セグメントまで、前記テストセグメント、前記第2の特性部、前記弾性部、及び前記第1の特性部を経た第1の信号伝達経路が形成され、
前記自由端が前記テスト対象物に当接されると、前記弾性部の変形によって前記第2の特性部が前記第1の特性部に接触した場合、前記片持ち梁型プローブ構造体に、前記自由端から前記固定セグメントまで、前記テストセグメント、前記第2の特性部、及び前記第1の特性部を経た第2の信号伝達経路が形成される、
ことを特徴とする片持ち梁型プローブ構造体。
【請求項2】
前記テストセグメントは、
前記自由端を有する当接部と、
前記当接部と前記第2の特性部に連接したカンチレバー部と、
を含み、
前記カンチレバー部は、前記第2の特性部から前記弾性部及び前記固定セグメントに離れた傾斜方向に向かって延びてなるものであり、前記当接部は、前記弾性部に対する前記カンチレバー部の搖動によって変位され、
前記ストロークセグメントは、前記固定セグメントから前記第1の特性部まで傾斜に延びてなる支持部を有し、かつ、前記支持部と前記カンチレバー部とは互いに対向し、前記支持部と前記カンチレバー部との間の間隔は、前記弾性部に離れる方向に従って徐々に増加する、請求項1に記載の片持ち梁型プローブ構造体。
【請求項3】
前記カンチレバー部は、その長さ方向に沿って少なくとも1つのスロット穴が凹設され、前記第2の特性部と前記第1の特性部との接触は多点接触であり、前記当接部は階段状を呈し、前記カンチレバー部から順序に延びた第1の台形セグメント及び第2の台形セグメントを有し、前記第1の台形セグメントの上縁部が前記第2の台形セグメントの底縁部よりも大きい、請求項2に記載の片持ち梁型プローブ構造体。
【請求項4】
前記片持ち梁型プローブ構造体は前記プレート本体に平行となる方向に沿って幅が定義され、前記プレート本体に垂直となる方向に沿って高さが定義され、前記片持ち梁型プローブ構造体の前記幅が前記高さを割った比の値は、0.7~1.5である、請求項1に記載の片持ち梁型プローブ構造体。
【請求項5】
前記片持ち梁型プローブ構造体は一体的に形成されたワンピース構造とされ、
前記弾性部はC字形状またはU字形状を呈し、前記第2の特性部が前記第1の特性部に接触した場合、前記第1の特性部、前記弾性部、及び前記第2の特性部は一緒に閉ループを形成し、前記第1の信号伝達経路における前記第2の特性部と、前記弾性部と、前記第1の特性部と共同に形成したインピーダンス値は、前記第2の信号伝達経路における前記第2の特性部と前記第1の特性部と共同に形成したインピーダンス値よりも大きい、請求項1に記載の片持ち梁型プローブ構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプローブに関し、特に片持ち梁型プローブ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
既存の片持ち梁型プローブは、例えば、先行技術文献1のように、カンチレバーの長さが長いため、信号経路が長くなり、高速または高周波信号検査に適用することは困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】台湾特許第I429915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明にかかる実施形態は、既存の片持ち梁型プローブによる欠点を効果的に改善するための片持ち梁型プローブ構造体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明にかかる実施形態は、次のような片持ち梁型プローブ構造体を提供する。片持ち梁型プローブ構造体は、プレート本体に固定するために使用される固定セグメントと、前記固定セグメントに連接するストロークセグメントと、前記ストロークセグメントの前記第2の特性部に連接するテストセグメントとを具備する。前記ストロークセグメントは、前記固定セグメントから離れる方向に順次配置された第1の特性部、弾性部、及び第2の特性部を含み、かつ、前記第1の特性部と前記第2の特性部は互いに向かい合い、互いに間隔をあけて配置される。前記テストセグメントにおける自由端は、分離可能にテスト対象物に当接する。前記片持ち梁型プローブ構造体は、前記自由端から順序に前記テストセグメント、前記第2の特性部、前記弾性部、前記第1の特性部を経て、前記固定セグメントまで形成された第1の信号伝達経路を有する。前記片持ち梁型プローブ構造体は前記自由端によって前記テスト対象物に当接する。このように、前記弾性部の変形によって前記第2の特性部が前記第1の特性部に接触した場合、前記片持ち梁型プローブ構造体は、前記自由端から順序に、前記テストセグメント、前記第2の特性部、及び前記第1の特性部を経て前記固定セグメントまで形成した第2の信号伝達経路をなしている。
【0006】
上記を踏まえて、本発明の実施形態に開示された片持ち梁型プローブ構造体は、第1の特性部と第2の特性部との間の距離を変更し得る前記弾性部を形成することによって、前記片持ち梁型プローブ構造体の全体的な構造を改良すると共に、信号伝送の経路の長さを大幅に短くすることによって、前記プレート本体と前記テスト対象物との間の伝送経路を短くする。即ち、前記第1の信号伝達経路と前記第2の信号伝達経路は、いずれも既存の片持ち梁型プローブの伝送経路よりも短い。
【0007】
さらに、本発明に係る実施形態に開示された片持ち梁型プローブ構造体は、前記第2の特性部が前記第1の特性部に接触することによって、前記プレート本体と前記テスト対象物との間は比較的に短い送受信経路によって信号を伝送し得る。即ち、前記第2の信号伝達経路の長さを短くすることによって、経路による損失を下げることができるため、より優れたテスト効率を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係るプレート本体に固定された第1の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体を示す斜視模式図である。
図2】本発明に係るプレート本体に固定された第1の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体を示す平面模式図である。
図3図2における片持ち梁型プローブ構造体がテスト対象物をテストするように利用されることを示す平面模式図である。
図4】本発明に係る第1の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体において、第1の特性部と第2の特性部とが凹凸嵌合の状態を示す平面模式図である。
図5】プレート本体に固定された本発明に係る第2の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体を示す平面模式図である。
図6】プレート本体に固定された本発明に係る第3の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体を示す平面模式図である。
図7】プレート本体に固定された本発明に係る第4の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体を示す平面模式図である。
図8図7における片持ち梁型プローブ構造体がテスト対象物をテストするように利用されることを示す平面模式図である。
図9】本発明に係る第4の実施形態の片持ち梁型プローブ構造体の変形例を示す平面模式図である。
図10図9における片持ち梁型プローブ構造体がテスト対象物をテストするように利用されることを示す平面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
[第1の実施形態]
【0010】
図1乃至図4を参照されたい。図1図4は本発明に係る第1の実施形態を示す。図1図3に示すように、本実施形態は、片持ち梁型プローブカードに適用する構造であって、高周波または高速信号を送信するに適する片持ち梁型プローブ構造体100を開示する。即ち、片持ち梁型に構成されない何れのプローブ構造体であっても本実施形態に開示された前記片持ち梁型プローブ構造体100に該当しない。
【0011】
なお、前記片持ち梁型プローブ構造体100では、前記プレート本体200に平行となる方向に幅W100が定義され、前記プレート本体200に垂直となる方向に高さH100が定義され、かつ、前記片持ち梁型プローブ構造体100における前記幅W100を前記高さH100で割った比の値は、0.7~1.5であることは説明しておきたい。即ち、幅が2倍の高さよりも大きいとなるいずれの片持ち梁型プローブであっても、本実施形態に係る前記片持ち梁型プローブ構造体100に該当しない。
【0012】
また、本実施形態において前記片持ち梁型プローブ構造体100は一体成型されたワンピース構造体であると共に、前記片持ち梁型プローブ構造体100の断面はほとんど長方形となされる。前記片持ち梁型プローブ構造体100は、固定セグメント1、前記固定セグメント1に連接されたストロークセグメント2、及び前記ストロークセグメント2に連接されたテストセグメント3を含む。
【0013】
詳しくは、前記片持ち梁型プローブ構造体100は、前記固定セグメント1を介してプレート本体200に溶接されて、かつ、前記固定セグメント1と前記プレート本体200との溶接は、表面実装技術(SMT)、ピンインペースト(PIP)、その他の溶接方法など、設計要件に応じて実現することが可能であり、本発明はこの例に制限されない。
【0014】
本実施形態において、前記ストロークセグメント2は、前記固定セグメント1から離れる方向に順次配置された支持部21、第1の特性部22、弾性部23、及び第2の特性部24を有するとするが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る他の実施形態において、前記ストロークセグメント2は前記支持部21を有しなくても構わない。
【0015】
なかでも、本実施形態において、前記支持部21は、前記固定セグメント1から前記第1の特性部22まで斜めに延びて形成されると共に、前記支持部21と前記固定セグメント1(または、前記プレート本体200)となす角度は、15度~45度となる鋭角であることが好ましいが、本発明はこの例に制限されない。
【0016】
また、本実施形態において前記弾性部23は、C字形状またはU字形状になされることによって、弾性変形の機能をもつことになる。なお、前記弾性部23の具体的な構成は、実際のニーズに応じて調整し得、本発明はこの例に制限されない。
【0017】
さらに言えば、前記第1の特性部22と前記第2の特性部24は前記弾性部23の両末端部にそれぞれ位置する。即ち、前記第1の特性部22が前記支持部21と前記弾性部23との間に連接され、前記第2の特性部24が前記弾性部23と前記ストロークセグメント2との間に連接されると共に、前記第1の特性部22と前記第2の特性部24とは互いに向かい合い、互いに間隔をあけて配置される。
【0018】
ところで、前記第2の特性部24を前記第1の特性部22に接触するように移動させるために前記片持ち梁型プローブ構造体100は前記弾性部23によって弾性変形するように構成されてもよい。なかでも、前記第1の特性部22と前記第2の特性部24とは実際のニーズに応じて調整することができる互いに協働関係の構造である。例えば、前記第2の特性部24と前記第1の特性部22との接触は、図3に示されたような単点での接触であってもよいし、図4に示されたような多点での接触であってもよい。
【0019】
図1図3に示すように、本実施形態において前記テストセグメント3は当接部31、及び前記当接部31と前記第2の特性部24とを接続するためのカンチレバー部32を含む。なかでも、前記カンチレバー部32は、前記第2の特性部24から前記弾性部23と前記固定セグメント1に離れた傾斜方向に延びてなった構造であると共に、前記支持部21と前記カンチレバー部32とは互いに対向し、前記支持部21と前記カンチレバー部32との間の間隔は、前記弾性部23に離れる方向に向かって徐々に増加するように構成される。このように、本実施形態において、前記片持ち梁型プローブ構造体100は、傾斜状に形成された前記カンチレバー部32によって外力を吸収することで、ある程度の行程距離を提供することが可能であるが、本発明はこの例に制限されない。
【0020】
また、本実施形態において前記当接部31は、前記カンチレバー部32における前記第2の特性部24に離れた末端部(例えば、図2における前記カンチレバー部32の右端)から前記固定セグメント1に離れる方向に向かって延びてなされる。かつ、前記当接部31は、鋭いポイントを持つ自由端311を形成するように、好ましくは角錐の形で構成される。自由端311。なかでも、前記当接部31(または前記テストセグメント3)における前記自由端311は、離間可能にテスト対象物300(例えば、半導体チップ)に当接するように用いられる。かつ、前記当接部31は、前記弾性部23に対する前記カンチレバー部32の搖動によって変位されることが可能である。即ち、前記テスト対象物300は、前記自由端311から前記片持ち梁型プローブ構造体100を介して前記プレート本体200と信号を受送信することができる。
【0021】
詳しくは、前記片持ち梁型プローブ構造体100に前記自由端311から前記固定セグメント1まで、前記テストセグメント3、前記第2の特性部24、前記弾性部23、及び前記第1の特性部22を順序に経た第1の信号伝達経路P1が定義される。即ち、前記プレート本体200と前記テスト対象物300とは、前記第1の信号伝達経路P1によって信号の伝送を行う。本実施形態において前記第1の信号伝達経路P1は、前記ストロークセグメント2(包含前記支持部21)の全体にわたって設けられる。
【0022】
また、前記片持ち梁型プローブ構造体100が前記自由端311で前記テスト対象物300に当接することによって、前記弾性部23の変形によって前記第2の特性部24を前記第1の特性部22に接触させる場合、前記片持ち梁型プローブ構造体100には、前記自由端311から前記固定セグメント1まで、前記テストセグメント3、前記第2の特性部24、及び前記第1の特性部22を経た第2の信号伝達経路P2が形成される。即ち、前記プレート本体200と前記テスト対象物300とは、前記第2の信号伝達経路P2によって信号の伝送を行ってもよい。本実施形態において、前記第2の信号伝達経路P2は、前記ストロークセグメント2の一部しか経てされない。言い換えれば、前記第2の信号伝達経路P2は前記弾性部23を含まないことでそれによって経路全体の長さを短くする。
【0023】
このように、本実施形態において前記片持ち梁型プローブ構造体100は、前記第1の特性部22と前記第2の特性部24との間の間隔を変更するための前記弾性部23を有するため、前記片持ち梁型プローブ構造体100の全体的な抗力構成を最適化することができると共に信号の送信経路を大幅に短くすることができる。このように、前記プレート本体200と前記テスト対象物300との間の信号経路を比較的に短くすることができる。即ち、前記第1の信号伝達経路P1と前記第2の信号伝達経路P2のいずれも、既存の片持ち梁型プローブにおける信号送信経路よりも短いと意味する。
【0024】
また、本実施形態において前記片持ち梁型プローブ構造体100は、前記第2の特性部24が前記第1の特性部22に接触することによって、前記プレート本体200と前記テスト対象物300との信号伝送は例えば、前記第2の信号伝達経路P2のような比較的に短い経路を利用することになる。このように、経路による信号の損失を減らすことができるため、より優れたテスト効率を提供することが可能である。
【0025】
ところで、前記第1の信号伝達経路P1における前記第2の特性部24と、前記弾性部23と、前記第1の特性部22と共同に形成したインピーダンス値は、前記第2の信号伝達経路P2における前記第2の特性部24と前記第1の特性部22と共同に形成したインピーダンス値よりも大きいであるため、前記第2の特性部24が前記第1の特性部22に接触した場合、前記プレート本体200と前記テスト対象物300とは、インピーダンス値が比較的に低い前記第2の信号伝達経路P2で信号を送信するようになる。
【0026】
また、前記第2の特性部24が前記第1の特性部22に接触する場合、前記第1の特性部22、前記弾性部23、及び前記第2の特性部24は一緒に閉ループを形成する。即ち、前記閉ループは、前記第2の信号伝達経路P2の外側に位置する外側ループである。そのため、前記プレート本体200と前記テスト対象物300との間に信号が前記第2の信号伝達経路P2を伝送する場合、スタブ効果(stub effect)は発生しない。
[第2の実施形態]
【0027】
図5を参照されたい。図5は本発明に係る第2の実施形態を開示する。本実施形態は先の第1の実施形態と同様であるため、両実施形態の相同点は繰り返さず、以下より、本実施形態と上記第1の実施形態の相違点について説明をする。
【0028】
本実施形態において、前記片持ち梁型プローブ構造体100における前記カンチレバー部32は、長さ方向に沿って、スロット穴321が凹設される。本実施形態において、前記片持ち梁型プローブ構造体100は、前記カンチレバー部32に貫通された前記スロット穴321として説明をするが、本発明はこの例に制限されない。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記カンチレバー部32は、互いに反対面となる両側面に凹設された貫通されないスロット穴321とされてもよい。或いは、前記カンチレバー部32に平行方向に整列して配置された複数のスロット穴321が形成されるような構成とされてもよい。
【0029】
このように、本実施形態において、前記片持ち梁型プローブ構造体100では、前記カンチレバー部32に所定の形状を有する前記スロット穴321が設けられることによって、前記テスト対象物300に施した力を例えば、減らすように調整することが可能である。それで、前記片持ち梁型プローブ構造体100による前記テスト対象物300のダメージから避けることができる。
[第3の実施形態]
【0030】
図6を参照されたい。図6は本発明に係る第3の実施形態を開示する。本実施形態は先の第1、第2の実施形態と同様であるため、これらの実施形態の相同点は繰り返さず、以下より、本実施形態と上記第1、第2の実施形態との相違点について説明をする。
【0031】
本実施形態において,前記当接部31は階段状を呈すると共に前記カンチレバー部32(の末端部)から順序に延在した第1の台形セグメント312及び第2の台形セグメント313を有する。かつ、前記第1の台形セグメント312の上縁部は、前記第2の台形セグメント313の底縁部よりも大きい。前記自由端311が前記第2の台形セグメント313の上縁部に位置する。
【0032】
また、前記当接部31の構造は実際のニーズに応じて調整し得る。例えば、本発明に係る図示されない他の実施形態において、前記当接部31では、前記第2の台形セグメント313に第3の台形セグメントがさらに設けられ、前記第2の台形セグメント313の上縁部が前記第3の台形セグメントの底縁部よりも大きく、前記自由端311が前記第3の台形セグメントの上縁部に位置するように構成されてもよい。
[第4の実施形態]
【0033】
図7~10を参照されたい。図7~10は本発明に係る第4の実施形態を開示する。本実施形態は先の第1~第3の実施形態と同様であるため、これらの実施形態の相同点は繰り返さず、以下より、本実施形態と上記第1~第3の実施形態との相違点について説明をする。
【0034】
本実施形態において、前記テストセグメント3は図2に示したカンチレバー部32を省略して、当接部31のみが含まれる。即ち、前記当接部31は、前記第2の特性部24から前記固定セグメント1に離れた方向に延在して形成される。このように、前記片持ち梁型プローブ構造体100の前記幅W100、前記第1の信号伝達経路P1の長さ、並びに前記第2の信号伝達経路P2の長さを縮めることが可能であるため、前記片持ち梁型プローブ構造体100の構造をさらに使用者のニーズに合わせることが可能である。
【0035】
また、本実施形態における図9及び図10に示すように、前記弾性部23は略V字形状を呈し、かつ、前記片持ち梁型プローブ構造体100は図2に示した支持部21(例えをさらに省略してもよい。例えば、前記テストセグメント3以外の前記片持ち梁型プローブ構造体100の部分は略Z字形状として構成されてもよい。また、前記第2の特性部24は、前記第1の特性部22に向かって延びることによって、前記第1の特性部22と前記第2の特性部24との間隔を小さくすることができるので、前記片持ち梁型プローブ構造体100が前記第2の信号伝達経路P2を形成するように、前記第2の特性部24が前記第1の特性部22に接触することを促すことができる。
【0036】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0037】
100:片持ち梁型プローブ構造体
1:固定セグメント
2:ストロークセグメント
21:支持部
22:第1の特性部
23:弾性部
24:第2の特性部
3:テストセグメント
31:当接部
311:自由端
312:第1の台形セグメント
313:第2の台形セグメント
32:カンチレバー部
321:スロット穴
P1:第1の信号伝達経路
P2:第2の信号伝達経路
W100:幅
H100:高さ
200:プレート本体
300:テスト対象物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10