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特開2023-6324表示制御装置、表示制御方法、および、表示制御装置用プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006324
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示制御方法、および、表示制御装置用プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09G 5/00 20060101AFI20230111BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20230111BHJP
   B60R 11/02 20060101ALI20230111BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G09G5/00 530H
G09G5/00 550C
G01C21/36
B60R11/02 C
H04N5/66 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108867
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】光永 直喜
(72)【発明者】
【氏名】友野 瑞基
(72)【発明者】
【氏名】小林 仁太
【テーマコード(参考)】
2F129
3D020
5C058
5C182
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129BB03
2F129BB20
2F129BB21
2F129BB22
2F129BB26
2F129FF02
2F129FF15
2F129FF41
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
2F129HH25
3D020BA04
3D020BB01
3D020BC03
3D020BD05
3D020BE03
5C058BA18
5C058BA35
5C182AA02
5C182AA03
5C182AB15
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182BA06
5C182BA28
5C182BA29
5C182BA75
5C182BC26
5C182CB14
5C182DA52
(57)【要約】      (修正有)
【課題】例えば、移動体の様々な走行状態においても、移動中にディスプレイに表示されているコンテンツをより見やすくする表示制御装置等を提供する。
【解決手段】移動体の加速度情報を含むセンサ情報をセンサから取得し(S1)、センサ情報から、移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出し(S3)、移動体の走行状態を取得し、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域R1を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、走行状態に応じて選択し(S8)、選択された表示態様に従って、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する(S9)。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の加速度情報を含むセンサ情報をセンサから取得する取得手段と、
前記センサ情報から、前記移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出する揺れ傾き算出手段と、
前記移動体の走行状態を取得する走行状態取得手段と、
前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を前記揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、前記走行状態に応じて選択する表示態様選択手段と、
前記選択された表示態様に従って、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する表示制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の表示制御装置において、
前記揺れの大きさを算出する揺れ大きさ算出手段を更に備え、
前記表示制御手段が、前記揺れの大きさが所定値以上の場合、前記コンテンツの表示領域の大きさを前記ディスプレイの表示画面の大きさより小さくする表示制御をすることを特徴とする表示制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の表示制御装置において、
前記表示制御手段が、前記揺れの大きさが、前記所定値より高い第2所定値以上の場合、前記コンテンツの表示領域の大きさを、前記小さくされた表示領域の大きさより、更に小さくする表示制御をすることを特徴とする表示制御装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の表示制御装置において、
前記表示制御手段が、前記揺れの大きさが第3所定値以上の場合、前記表示領域を前記揺れに合わせて補正する表示態様において、補正する量を少なくする表示制御をすることを特徴とする表示制御装置。
【請求項5】
取得手段が、移動体の加速度情報をセンサから取得する取得ステップと、
揺れ傾き算出手段が、前記センサ情報から、前記移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出する揺れ傾き算出ステップと、
走行状態取得手段が、前記移動体の走行状態を取得する走行状態取得ステップと、
表示態様選択手段が、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を前記揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、前記走行状態に応じて選択する表示態様選択ステップと、
表示制御手段が、前記選択された表示態様に従って、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する表示制御ステップと、
を含むことを特徴とする表示制御方法。
【請求項6】
コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする表示制御装置用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、表示制御装置、表示制御方法、および、表示制御装置用プログラムの技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
車両等の移動体内に搭載されたディスプレイ等の表示装置によって、移動中に助手席や後部座席の人が動画等のコンテンツを鑑賞する際、揺れ等により乗り物酔いが生じにくくするための車両搭載用の表示装置も提案されている。下記特許文献1には、コンポジット信号に応じた映像を生成し、ステアリング角情報、車両速度情報、車両回転情報、車両位置情報から車両の加速度を検出し、加速度に応じた方向、速さで移動するキャラクタ画像を生成させ、コンポジット信号に応じた映像に、生成されたキャラクタ画像を重畳して、表示部に表示させる表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-294954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両が走行する道路は、高速道路、信号の多い一般道、カーブの多い山道や、走行路面の悪い道路等、様々であり、道路によって、車両の走行状態が変化する。また、渋滞の時は、発進や停止を頻繁に繰り返しにより、車両の走行状態が変化したりする。しかし、従来技術は、多様な車両の走行状態に対して、単に加速度を検出して、加速度に応じた方向、速さで移動するキャラクタ画像を生成させているだけであり、コンテンツの見やすさに対して、十分とは限らなかった。
【0005】
そこで本願は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、移動体の様々な走行状態においても、移動中にディスプレイに表示されているコンテンツをより見やすくする表示制御装置等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、移動体の加速度情報を含むセンサ情報をセンサから取得する取得手段と、前記センサ情報から、前記移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出する揺れ傾き算出手段と、前記移動体の走行状態を取得する走行状態取得手段と、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を前記揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、前記走行状態に応じて選択する表示態様選択手段と、前記選択された表示態様に従って、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また請求項5に記載の発明は、取得手段が、移動体の加速度情報をセンサから取得する取得ステップと、揺れ傾き算出手段が、前記センサ情報から、前記移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出する揺れ傾き算出ステップと、走行状態取得手段が、前記移動体の走行状態を取得する走行状態取得ステップと、表示態様選択手段が、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を前記揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、前記走行状態に応じて選択する表示態様選択ステップと、表示制御手段が、前記選択された表示態様に従って、前記ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する表示制御ステップと、を含むことを特徴とする。
【0008】
また請求項6に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態に係る表示制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】実施例に係る表示制御装置による表示制御システムの一例を示す模式図である。
図3】実施例に係る表示制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図4】表示制御装置の設置の一例を示す模式図である。
図5】実施例に係る表示制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図6】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図7】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図8】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図9A】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図9B】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図10】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図11A】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図11B】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図12A】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
図12B】表示制御装置による表示の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る表示制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【0011】
図1に示すように、表示制御装置1は、取得手段1aと、揺れ傾き算出手段1bと、走行状態取得手段1cと、表示態様選択手段1dと、表示制御手段1eと、を備えて構成されている。
【0012】
この構成において、取得手段1aは、移動体の加速度情報を含むセンサ情報をセンサから取得する。
【0013】
揺れ傾き算出手段1bは、センサ情報から、移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出する。
【0014】
走行状態取得手段1cは、移動体の走行状態を取得する。
【0015】
表示態様選択手段1dは、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、走行状態に応じて選択する。
【0016】
表示制御手段1eは、選択された表示態様に従って、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する。
【0017】
以上説明したように、実施形態に係る表示制御装置1によれば、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、走行状態に応じて選択し、選択された表示態様に従って、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御することにより、移動体の様々な走行状態においても、走行状態に適合して、移動中にディスプレイに表示されているコンテンツをより見やすくすることができる。
【実施例0018】
[1.表示制御システム]
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2図12Bを用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、移動体の一例である車両等に取り付けられた表示制御装置に対して、本願を適用した場合の実施例である。
【0019】
(1.1 表示制御システムの構成および概要)
表示制御システムの構成および概要について、図2を用いて説明する。
【0020】
図2は、実施例に係る表示制御装置による表示制御システムの一例を示す模式図である。
【0021】
図2に示すように、表示制御システムSは、車両5に搭載された表示制御装置10(表示制御装置1の一例)と、渋滞情報等を提供する道路情報提供サーバ装置20と、表示制御装置10に表示させるコンテンツを提供するコンテンツ提供サーバ装置30と、を備える。
【0022】
表示制御装置10は、例えば、オーディオ・ビジュアル機能、ナビゲーション機能、AIアシスタント機能等を有するコンピュータである。表示制御装置10は、音楽、映画、TV等の放送番組を再生する。また、表示制御装置10は、ナビゲーション機能により、ルート案内の地図が表示される。また、表示制御装置10の表示画面に操作パネルが表示されて、音量の調整、空調の設定、チャンネルの選択等ができるようになっている。また、AIアシスタント機能の音声認識により、各所の操作が行われてもよい。
【0023】
道路情報提供サーバ装置20は、渋滞情報、工事の情報、各地点での気象情報、地図情報等の道路情報を提供する。
【0024】
コンテンツ提供サーバ装置30は、映画、ドラマ、TVの番組、音楽等の動画データ、音楽データを提供する。
【0025】
表示制御装置10は、ネットワークNWを介して、道路情報提供サーバ装置20およびコンテンツ提供サーバ装置30等の外部のサーバ装置と、例えば、通信プロトコルにTCP/IP等を用いて相互にデータの送受信が可能になっている。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、専用通信回線(例えば、CATV(Community Antenna Television)回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、およびゲートウェイ等により構築されている。
【0026】
(1.2 表示制御装置10の構成および機能)
次に、表示制御装置10の構成および機能について、図3および図4を用いて説明する。
【0027】
図3は、実施例に係る表示制御装置の概略構成の一例を示すブロック図である。図4は、車両5に設置された表示制御装置10の一例を示す模式図である。
【0028】
図3に示すように、表示制御装置10は、通信部11と、記憶部12と、表示部13と、操作部14と、スピーカ・マイク部15と、センサ部16と、制御部17と、を有する。
【0029】
通信部11は、例えば、無線通信網等のネットワークNWに接続して、外部のサーバ装置との通信状態を制御するようになっている。通信部11は、TVやラジオの受信機を有してもよい。
【0030】
記憶部12は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等により構成されている。
【0031】
記憶部12は、表示制御装置10を制御するための各種プログラム等を記憶する。各種プログラムは、オペレーティングシステム、ナビゲーション用プログラム、動画再生用のアプリケーションソフト、表示制御装置10の表示を制御する表示制御プログラム等が挙げられる。なお、各種プログラムは、例えば、ネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、CD、DVD等の記録媒体に記録されてドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。
【0032】
また、記憶部12には、地図のデータベース等が構築されている。記憶部12は、動画、音楽、ゲーム等の様々なコンテンツを記憶しておいてもよい。
【0033】
表示部13は、表示制御装置10を操作する際に使用される、液晶表示素子または有機EL素子等によって構成されたディスプレイである。表示部13は、図4に示すように、車両5のダッシュボード5aに設置されたり、車両5の後部座席のユーザ用に、座席の上部に設置されたりする。表示部13には、動画、ルート案内情報等が表示される。表示部13は、移動体に設置されたディスプレイの一例である。
【0034】
操作部14は、例えば、機械式の電源ボタン、音量ボタン等の各種ボタンや、表示部13がタッチパネルのようなタッチスイッチ方式の表示パネルである。
【0035】
スピーカ・マイク部15は、スピーカ機能により動画の音、音楽の音等を再生したり、マイク機能により、ユーザの声を集音したりする。
【0036】
センサ部16は、例えば、速度センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、GPSセンサ、方位センサ、操舵角センサ、座席センサ、温度センサ等の各種のセンサである。また、センサ部16は、時間をカウントするタイマー機能および時刻を計測する時計機能を有してもよい。
【0037】
速度センサは、車両5の速度を検出する。加速度センサは、車両5の加速度を検出する。GPSセンサは、車両5の現在位置として、緯度・経度情報を取得する。ジャイロセンサは、車両5の車体の角加速度を検出する。方位センサは、車両5の方位を検出する。操舵角センサは、ステアリングの角度を検出する。
【0038】
また、センサ部16は、3軸加速度、3軸角速度および3軸方位のセンサが一体となった9軸センサを有してもよい。センサ部16は、車内や車外を撮影するカメラを有してもよい。
【0039】
制御部17は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を有する。制御部17は、動画を再生するためのビデオカードを有してもよい。
【0040】
制御部17は、CPUが、ROMや、RAMや、記憶部12に記憶された各種プログラムを読み出して実行する。例えば、制御部17は、ルート計算を行ったり、車両5の揺れや傾きを計算したり、表示部13の表示を制御したりして、表示制御装置10を制御する。制御部17は、記憶部12に記憶されたコンテンツ、配信を受けたコンテンツ等を再生する。
【0041】
[2.表示制御装置10の動作]
次に、実施例に係る表示制御装置10の動作について図5から図11Bを用いて説明する。
【0042】
図5は、実施例に係る表示制御装置の動作の一例を示すフローチャートである。図6から図12Bは、表示制御装置による表示一例を示す模式図である。
【0043】
先ず、例えば、表示制御装置10が、ナビゲーション機能により、ユーザからの目的地を受付、ルート探索を実行し、ルートが設定される。車両5が目的地に向けて走行を始める。
【0044】
図5に示すように、表示制御装置10は、各種センサから情報を取得する(ステップS1)。具体的には、制御部17が、センサ部16から、車両5の速度、加速度、方位、現在位置等のセンサ情報を取得する。例えば、制御部17が、センサ部16の9軸センサから、車両5の3軸加速度、3軸角速度、3軸方位の情報を取得し、GPSセンサから、車両5の現在位置の情報を取得する。なお、センサ部16から取得した情報が、移動体の加速度情報を含むセンサ情報の一例である。表示制御装置10は、移動体の加速度情報をセンサから取得する取得手段の一例として機能する。また、表示制御装置10は、移動体の加速度情報を含むセンサ情報をセンサから取得する取得手段の一例として機能する。
【0045】
次に、表示制御装置10は、走行道路情報を取得する(ステップS2)。具体的には、制御部17が、通信部11を介して、道路情報提供サーバ装置20から、渋滞情報、工事の情報、各地点での気象情報等の道路情報を取得する。
【0046】
表示制御装置10は、取得した道路情報の中から、車両5の現在位置や、ルート案内情報に基づき、車両5が走行している道路または走行予定の道路の走行道路情報を取得する。例えば、走行道路情報として、高速道路、山道、林道、舗装された道路、舗装されていない道路、カーブの多い道路等の種別が挙げられる。また、走行道路情報として、バンプがある道路、渋滞している道路、雨で濡れている道路、雪が積もっている道路、凍っている道路等の道路の状態が挙げられる。
【0047】
次に、表示制御装置10は、車両の揺れ・傾きを算出する(ステップS3)。具体的には、制御部17が、加速度情報を含むセンサ情報より、車両5の揺れを算出する。より具体的には、制御部17が、3軸の加速度情報から、車両5の進行方向に対して垂直の面内の方向の揺れを算出する。進行方向をy軸とすると、図4に示すように、鉛直のz軸方向の加速度および横方向のx軸方向の加速度が、車両5の揺れとなる。図4に示すように、表示部13が設置されていると、車両5の揺れが、表示部13の表示画面13aの揺れになる。すなわち、表示部13の表示画面13aの横軸(図中x軸)方向および縦軸(図中z軸)方向の加速度が、表示部13の表示画面13aの揺れになる。なお、制御部17が、車両5のz軸方向の加速度から上下の揺れを、車両5のx軸方向の加速度から左右の揺れを算出してもよい。揺れは、加速度の他に、速度、変位であってもよい。なお、表示制御装置10は、加速度情報から、移動体に設置されたディスプレイの揺れを算出する揺れ算出手段の一例として機能する。また、表示制御装置10は、センサ情報から、移動体に設置されたディスプレイの揺れ又は傾きを算出する揺れ傾き算出手段の一例として機能する。
【0048】
制御部17が、センサ情報から、揺れの大きさを算出する。揺れの大きさは、加速度の値(特に、加速度の最大値)、速度の値(特に、速度の最大値)、変位の振幅であってもよい。
【0049】
なお、車両5の進行方向であるロール軸の回転方向の角加速度が、車両5の揺れ、または、表示部13の表示画面13aの揺れであってもよい。揺れは、角加速度の他に、角速度、回転方向の変位でもよい。また、揺れの大きさは、角加速度の値(特に、角加速度の最大値)、角速度の値(特に、角速度の最大値)、角度の変位の幅であってもよい。また、表示部13が、車両5内の横側に設置してある場合、y軸方向の加速度およびz軸方向の加速度が、表示部13の揺れになる。車両5のピッチ軸の回転方向の角加速度が、表示部13の表示画面13aの揺れであってもよい。
【0050】
次に、制御部17が、車両5の方位情報より、車両5の傾きを算出する。より具体的には、制御部17が、3軸の方位情報から、車両5の進行方向であるロール軸の回転方向の角度を、車両5の傾きとして算出する。図4に示すように、表示部13が設置されていると、車両5の傾きが、表示部13の表示画面13aの傾きになる。すなわち、これは、図4に示すように、x軸またはz軸を基準として、車両5に設置された表示部13の表示画面13aの横軸または縦軸の傾きである。
【0051】
なお、表示部13が、車両5内の横側に設置してある場合、車両5のピッチ軸の回転方向の角度が、表示部13の表示画面13aの傾きであってもよい。
【0052】
次に、表示制御装置10は、車両5の走行状態を判定する(ステップS4)。制御部17が、取得した走行道路情報から、例えば、道路が渋滞している場合、発進および停止が頻繁に起こる渋滞の走行状態、舗装されていない道路の場合、上下の揺れが大きい走行状態、山道の場合、左右の揺れが大きい走行状態、高速道路の場合、比較的揺れが少ない走行状態等を判定する。走行状態として、他に、カーブの多い道路の山道を走行している走行状態、渋滞している平坦な道路を走行している走行状態、路面状態の悪い道路を走行している走行状態、カーブおよび/または凹凸の少ない平坦なルートを走行している走行状態等が挙げられる。また、走行状態は、これらの組み合わせでもよい。なお、表示制御装置10は、移動体の走行状態を取得する走行状態取得手段の一例として機能する。
【0053】
なお、表示制御装置10は、車両5の加速度のz軸成分の大きさ、すなわち、上下の揺れが、所定値以上の場合、上下の揺れが大きい走行状態と判定してよい。表示制御装置10は、車両5の加速度のx軸成分の大きさ、すなわち、左右の揺れが、所定値以上の場合、左右の揺れが大きい走行状態と判定してよい。表示制御装置10は、車両5のロール軸の回転方向の角加速度の大きさ、すなわち、ロール軸の回転方向の揺れが、所定値以上の場合、揺れが大きい走行状態と判定してよい。表示制御装置10は、車両5の速度情報や加速度情報から、発進および停止の頻繁度が所定値以上の場合、渋滞の走行状態と判定してもよい。表示制御装置10は、進行方向(y軸方向)の加速度の大きさ等により、進行方向の揺れが大きい走行状態と判定してよい。また、表示制御装置10は、車両5のロール軸の回転方向の傾きの大きさ、すなわち、ロール軸周りの回転角度が、所定値以上の場合、傾いた走行状態と判定してよい。
【0054】
表示制御装置10は、車両5の加速度のz軸成分の大きさ、x軸成分の大きさ、y軸成分の大きさ等によって、走行状態の程度として、揺れの大きさを求めてよい。なお、揺れの大きさは、揺れの振幅、加速度の大きさ、発進および停止の頻繁度、または、これらの組み合わせでもよい。
【0055】
なお、表示制御装置10は、車両5の走行状態を判定することで、移動体の一例である車両5の走行状態を取得する。
【0056】
次に、表示制御装置10は、コンテンツが再生されているか否かを判定する(ステップS5)。具体的には、制御部17が、コンテンツの再生の状態を示す、システム上のフラグや、コンテンツの再生の処理が行われているか否か、コンテンツの再生を受け付けているか否か等により、コンテンツが再生されているか否かを判定する。なお、制御部17が、記憶部12等からコンテンツのデータを取得して、図6に示すように、表示部13の表示画面13aに表示されるコンテンツの表示領域R1に、動画等のコンテンツを再生する。再生されるコンテンツが、ディスプレイに表示されるコンテンツの一例である。
【0057】
コンテンツが再生されている場合(ステップS5;YES)、表示制御装置10は、コンテンツタイプを判定する(ステップS6)。具体的には、制御部17が、コンテンツのメタデータ、プロパティ情報、字幕を表示させるモードの有無等から、コンテンツタイプを判定する。コンテンツタイプとして、例えば、映画、ゲーム、テレビ番組のように、映像のコンテンツ、音楽、朗読、ラジオ番組のように、音だけのコンテンツ、落語や漫才のように、音声だけでもよいコンテンツ等が挙げられる。さらに、コンテンツタイプとして、映画のコンテンツの場合、字幕のある/字幕無しのコンテンツ等が挙げられる。映画のコンテンツ等で字幕を表示させるモードがONの場合、図6に示すように、字幕stが表示される。
【0058】
コンテンツが再生されていない場合(ステップS5;NO)、表示制御装置10は、ステップS1の処理に戻る。
【0059】
次に、表示制御装置10は、表示領域のサイズを制御する(ステップS7)。具体的には、制御部17が、図7に示すように、コンテンツの表示領域R1のサイズを小さくして、余白領域R2を生成するように表示を制御する。表示制御装置10は、揺れの大きさが、第1所定値以上の場合、コンテンツの表示領域R1のサイズを小さくしてもよい。また、表示制御装置10は、揺れ等をキャンセルする機能がONになった場合、コンテンツの表示領域R1のサイズを予め小さくしてもよい。なお、余白領域R2は、図中、黒色で示されている。
【0060】
なお、表示制御装置10は、コンテンツの表示領域R1のサイズを縮小させる程度を、走行状態に応じて変化させてもよい。揺れの大きさが、コンテンツの表示領域R1のサイズを小さくするための第1所定値より大きい第2所定値以上の場合、表示制御装置10は、コンテンツの表示領域R1の大きさを、より一層小さくしてもよい。例えば、舗装されていない凸凹の道路を走行している、または、走行する場合、ルート先にもうすぐバンプがあると予想される場合に、制御部17が、コンテンツの表示領域R1のサイズを、より一層小さくする。揺れが大きいと考えられる道路を走行する時は、一時的にコンテンツ周りの余白が広くなり、コンテンツの表示領域R1のサイズが小さくなる。
【0061】
次に、表示制御装置10は、表示態様を選択する(ステップS8)。具体的には、制御部17が、走行状態、または、コンテンツのタイプ等に応じて、揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様、傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様、加速度を可視化する表示態様等、および、これらの組み合わせを選択する。なお、表示制御装置10は、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、走行状態に応じて選択する表示態様選択手段の一例として機能する。また、表示制御装置10は、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、コンテンツのタイプに応じて選択する表示態様選択手段の一例として機能する。
【0062】
ここで、揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様(揺れ補正の表示態様)は、図9Aおよび図9Bに示すように、表示部13の表示画面13aの揺れに対して逆方向で表示領域R1を動かす表示態様である。図9Aに示すように、x軸のプラス方向の加速度を受けた場合、制御部17が、表示領域R1をx軸のマイナス方向に移動させる表示制御を行う。図9Aに示すように、z軸のプラス方向の加速度を受けた場合、制御部17が、表示領域R1をz軸のマイナス方向に移動させる表示制御を行う。
【0063】
傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様(傾き補正の表示態様)は、図10に示すように、表示部13の表示画面13aの傾きに対して表示領域R1を逆に傾け、表示領域R1の水平を維持する表示態様である。図10に示すように、傾いた表示部13の表示画面13aに対して、制御部17が、表示領域R1を逆に傾ける表示制御を行う。
【0064】
加速度を可視化する表示態様は、図11Aおよび図11Bに示すように、揺れの大きさ、加速度の値を、数字または図形の動き、または、大きさ(例えば、図形の長さや太さ等)で表示する表示態様である。また、上下の揺れおよび左右の揺れの少なくとも1つの揺れの大きさが増加した場合、図11Aから図11Bに示すように、制御部17が、余白領域R2に表示されたバーbrの長さを長くする。アクセルまたはブレーキが踏み込まれて、進行方向の加速度が増加した場合、図11Aから図11Bに示すように、制御部17が、余白領域R2に表示されたバーbrの長さを長くする。バーbrの長さの代わりに、バーbrの太さ、バーbrの色でもよい。バーbrの動きの場合、揺れと逆方向に動くことが好ましい。制御部17が、余白領域R2に、揺れの大きさや加速度の値を表示してもよい。加速度を可視化する表示態様が、余白領域R2に表示されると、コンテンツの邪魔にならない。
【0065】
次に、走行状態に応じた表示態様の選択の一例について説明する。
【0066】
走行状態が、カーブの多い道路の山道を走行している走行状態の場合、表示制御装置10は、揺れや加速度の可視化の表示態様、揺れ補正の表示態様、および、傾き補正の表示態様を選択する。走行状態が、渋滞している平坦な道路を走行している走行状態の場合、表示制御装置10は、揺れや加速度の可視化の表示態様を選択する。走行状態が、路面状態の悪い道路を走行している走行状態の場合、表示制御装置10は、揺れ補正の表示態様のみを選択する。
【0067】
次に、コンテンツのタイプに応じた表示態様の選択の一例について説明する。
【0068】
コンテンツのタイプが、映画のように映像コンテンツの場合、表示制御装置10は、揺れ補正の表示態様を選択する。コンテンツのタイプが、字幕があるコンテンツの場合、表示制御装置10は、傾き補正の表示態様を選択しない。
【0069】
次に、走行状態、および、コンテンツのタイプに応じて表示態様の選択の一例について説明する。
【0070】
カーブの多い路面の悪い山道で、字幕あり映画の場合、表示制御装置10は、傾き補正の表示態様を選択しなく、揺れ補正の表示態様、および/または、加速度の可視化の表示態様を選択する。渋滞している平坦な道路で、字幕あり映画の場合、傾き補正の表示態様を選択しなく、揺れ補正の表示態様、および/または、加速度の可視化の表示態様を選択する。
【0071】
なお、コンテンツの表示領域R1が傾き過ぎて、字幕が表示画面13aの範囲内に収まらず、欠けることがないようになればよいので、字幕あり映画の場合、表示制御装置10は、車両5の傾きが所定値以上は、それ以上に傾けない表示制御、コンテンツの表示領域R1を傾ける量を少なくする表示制御、より一層、表示領域R1のサイズを小さくして余白領域R2をより一層広げる表示制御等を行ってもよい。
【0072】
次に、表示制御装置10は、コンテンツの表示を制御する(ステップS9)。具体的には、制御部17が、選択された表示態様に従って、表示部13に表示されるコンテンツの表示を制御する。
【0073】
例えば、揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様が単独で選択された場合、図9Aおよび図9Bに示すように、制御部17が、算出された車両5の揺れに応じて、表示部13の揺れに対して、揺れをキャンセルする逆方向に表示領域R1を動かす表示制御を行う。傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様が単独で選択された場合、図10に示すように、制御部17が、算出された車両5の傾きに対して表示領域R1を逆に傾け、表示領域R1の水平を維持する表示制御を行う。加速度を可視化する表示態様が単独で選択された場合、図11Aおよび図11Bに示すように、制御部17が、算出された車両5の加速度に合わせて、余白領域R2に表示されたバーbrの長さを変える表示制御を行う。
【0074】
揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様および傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様が選択された場合、制御部17が、車両5の揺れおよび傾きに応じて、図9A図9B、および、図10の表示態様を合わせたような表示制御を行う。傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様が選択されず、揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様および加速度を可視化する表示態様が選択された場合、制御部17が、車両5の揺れに応じて、揺れをキャンセルする逆方向に表示領域R1を動かす表示制御を行いつつ、余白領域R2に、加速度に応じて長さが変化するバーbrを表示する表示制御を行う。なお、表示制御装置10は、算出された揺れに応じて、ディスプレイの揺れに対して逆方向に、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示領域を動かす表示制御手段の一例として機能する。また、表示制御装置10は、選択された表示態様に従って、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御する表示制御手段の一例として機能する。
【0075】
なお、表示制御装置10は、揺れの大きさが第3所定値以上の場合、表示領域を揺れに合わせて補正する表示態様において、補正する量を少なくする表示制御してもよい。表示制御装置10が、走行状態に合わせて、表示領域R1の移動量(揺れ幅)を自動調整したり、センサの感度を自動調整したりする。例えば、カーブや凹凸の少ない平坦なルートを走行している場合は、表示制御装置10は、揺れに合わせて、揺れをしっかり補正するが、カーブや凹凸の多い、揺れの大きいルートを走行している場合は、揺れすぎてコンテンツがフレームアウトしないように、表示領域R1を補正する量を少なくしたり、センサの感度を下げたり、加速度を低く算出したりしてもよい。
【0076】
また、揺れに対して逆方向に表示領域R1を動かす量が、パラメータ等により、調整されるようにしてもよい。揺れの大きさに応じて調整できる他に、ユーザ毎に調整できるようにしたり、車のサスペンション等による揺れ方に応じて調整できるようにしたりしてもよい。
【0077】
次に、表示制御装置10は、表示制御システムが終了か否かを判定する(ステップS10)。具体的には、制御部17が、表示制御を終了し、画面を消す。
【0078】
表示制御システムが終了でない場合(ステップS10;NO)、表示制御装置10は、ステップS1の処理に戻る。
【0079】
以上説明したように、実施例に係る動作によれば、ディスプレイの一例である表示部13に表示されるコンテンツの表示領域R1を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、走行状態に応じて選択し、選択された表示態様に従って、表示部13に表示されるコンテンツの表示を制御することにより、車両5の様々な走行状態においても、走行状態に適合して、移動中に表示部13に表示されているコンテンツをより見やすくすることができる。
【0080】
また、移動体の様々な走行状態に対応して、コンテンツをより見やすくすることができ、より一層、乗り物酔いを防止しやすくなる。また、揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様の場合、表示領域R1全体が揺れるので、揺れをユーザが認識しやすくなり、乗り物酔いを防止しやすくなる。傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様の場合、表示領域R1全体が傾くので、傾きをユーザが認識しやすくなり、乗り物酔いを防止しやすくなる。
【0081】
また、ディスプレイの一例である表示部13に表示されるコンテンツの表示領域R1を揺れ又は傾きに合わせて補正する複数の表示態様のうち、少なくとも1つの表示態様を、コンテンツのタイプに応じて選択し、選択された表示態様に従って、ディスプレイに表示されるコンテンツの表示を制御することにより、様々なコンテンツに適合して、移動中に表示部13に表示されているコンテンツをより見やすくすることができる。
【0082】
算出された揺れに応じて、ディスプレイの一例である表示部13の揺れに対して逆方向に、表示部13に表示されるコンテンツの表示領域を動かすことにより、表示画面の揺れに対して、揺れをキャンセルするようにコンテンツの表示領域R1が制御されるので、コンテンツ全体が揺れに対処することで、移動中に表示部13に表示されているコンテンツをより見やすくすることができる。なお、外部からの目線では、表示部13の揺れに対して、コンテンツ自体が、揺れていないように見える。
【0083】
また、表示部13に表示されているコンテンツ自体を、揺れに対して、逆方向に動かすことで、ユーザに移動体の動きを認識させやすくなり、より一層、乗り物酔いを防止しやすくなる。
【0084】
揺れの大きさを算出し、揺れの大きさが所定値以上の場合、コンテンツの表示領域R1の大きさを表示画面13aの大きさより小さくする表示制御をする場合、揺れ又は傾きに合わせて表示領域R1を補正した際に、コンテンツの欠ける部分が少なくなり、コンテンツ全体が見えやすくなる。また表示領域R1のサイズを小さくして、余白領域R2を生じさせることにより、表示領域R1の揺れや傾きが、視認しやすくなる。従って、余白領域R2および表示領域R1により、ユーザに移動体の動きを認識させやすくなり、より一層、乗り物酔いを防止しやすくなる。
【0085】
また、表示部13の揺れに対して逆方向に表示領域R1を動かす量を調整する場合、表示部13の揺れの大きさに応じて、補正する量を調整でき、ユーザ毎に、調整が可能になったり、車両5のサスペンション等による揺れ方に応じて調整が可能になったりする。
【0086】
揺れの大きさが、所定値より高い第2所定値以上の場合、コンテンツの表示領域R1の大きさを、小さくされた表示領域R1の大きさより、更に小さくする表示制御をする場合、大きな揺れに対しても、揺れて補正された際に、コンテンツの欠ける部分が少なくなり、コンテンツ全体が見えやすくなる。
【0087】
揺れの大きさが第3所定値以上の場合、表示領域R1を揺れに合わせて補正する表示態様において、補正する量を少なくする表示制御をする場合、揺れて補正された際に、コンテンツの欠ける部分が少なくなり、コンテンツ全体が見えやすくなる。
【0088】
コンテンツのタイプが映像のコンテンツで、表示領域R1を揺れに合わせて補正する表示態様を選択する場合、急に揺れがあっても、揺れに合わせて補正されるので、映像のコンテンツが見やすくなる。なお、本来、平坦な道路では揺れ補正は必要ないと考えられるが、字幕がある映画等では、わずかな揺れも視認性に影響するので、揺れに合わせて補正する表示態様を選択されて、いつでも揺れに合わせて補正できる状態にしておくことで、移動中に表示部13に表示されているコンテンツをより見やすくすることができる。
【0089】
コンテンツのタイプが、字幕があるコンテンツで、表示領域R1を表示画面13aの傾きに合わせて補正する表示態様を選択しない場合、傾き補正により、コンテンツの下側にある字幕st部分が欠けて、字幕が読めなくなることを防止できる。路面の悪い山道では、すべての表示態様を選択して発動させた方がよいが、字幕がある映画等を視聴する場合は、すべての表示態様を発動すると視認性に影響するので、傾き補正の表示態様を解除する。
【0090】
(変形例)
次に、表示制御装置による表示の変形例について、図12Aおよび図12Bを用いて説明する。
【0091】
図12Aおよび図12Bに示すように、表示態様として、表示制御装置10が、余白領域R2に、マークmk1およびマークmk2を表示する表示態様が含まれてもよい。図12Bに示すように、表示部13の表示画面13aの揺れに対して逆方向でマークmk1およびマークmk2を動かす表示態様である。図12Bに示すように、x軸のマイナス方向の加速度を受けた場合、制御部17が、マークmk1をx軸のプラス方向に移動させる表示制御を行う。図12Bに示すように、z軸のマイナス方向の加速度を受けた場合、制御部17が、マークmk2をz軸のプラス方向に移動させる表示制御を行う。
【0092】
図12Aおよび図12Bに示すような表示態様は、揺れに合わせて表示領域R1を補正する表示態様の代わりでもよいし、加速度を可視化する表示態様の1つとしてもよい。例えば、表示制御装置10が、揺れが所定値より小さい場合、図12Aおよび図12Bに示すような表示態様の表示制御を行い、揺れが所定値以上の場合、揺れに合わせて表示領域R1を補正する表示態様の表示制御を行う。また、図12Aおよび図12Bに示すような表示態様は、揺れに合わせて表示領域を補正する表示態様、傾きに合わせて表示領域を補正する表示態様、および、加速度を可視化する表示態様とは別の独立した表示態様としてもよい。
【符号の説明】
【0093】
1、10・・・ 表示制御装置
1a ・・・ 取得手段
1b ・・・ 揺れ傾き算出手段
1c ・・・ 走行状態取得手段
1d ・・・ 表示態様選択手段
1e ・・・ 表示制御手段
13 ・・・ 表示部
R1 ・・・ 表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B