(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063255
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
F21S 6/00 20060101AFI20230427BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20230427BHJP
F21V 21/26 20060101ALI20230427BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20230427BHJP
【FI】
F21S6/00 402
F21S6/00 100
F21V23/04 100
F21V21/26 300
F21V21/26 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167388
(22)【出願日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】202111235856.3
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森 和也
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 浩司
(72)【発明者】
【氏名】宮原 雄太
(72)【発明者】
【氏名】チョウ ジェダ
(72)【発明者】
【氏名】ユアン チャンチェン
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014GA02
3K014GA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】スイッチに触れることなく光源のオンオフ操作が可能な照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具は、光源を含む灯具部10と、灯具部10に連結された可動式のアーム20と、アーム20が連結され、灯具部10およびアーム20を支持する支持部とを備える。灯具部10には、前記光源をオンオフするための非接触式スイッチが設けられている。アーム20は、例えば、支持部に連結された第1アーム21と、第1アーム21と灯具部10との間に介在する第2アーム22と、第1アーム21に対して第2アーム22を回転可能に連結するヒンジ部23とを含む。非接触式スイッチは、連結部5を介して第2アーム22が連結される灯具部10の基端側において、前記光源の光の出射方向に向けて配置されている。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を含む灯具部と、
前記灯具部に連結された可動式のアームと、
前記アームが連結され、前記灯具部および前記アームを支持する支持部と、
を備える照明器具であって、
前記灯具部には、前記光源をオンオフするための非接触式スイッチが設けられている、照明器具。
【請求項2】
前記アームは、前記支持部に連結された第1アームと、前記灯具部および前記第1アームの間に介在する第2アームと、前記第1アームに対して前記第2アームを回転可能に連結するヒンジ部とを含み、
前記非接触式スイッチは、連結部を介して前記第2アームが連結される前記灯具部の基端側において、前記光源の光の出射方向に向けて配置されている、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記ヒンジ部から前記連結部までの前記第2アームに沿った長さをA、前記接触式スイッチの感知距離をX、前記連結部の前記第2アーム側の付け根から前記非接触式スイッチの先端までの前記第1アームに垂直な方向に沿った距離をZ、前記第1アームと前記第2アームとがなす角度θの最小値をθ1とした場合に、長さAが下記式1の条件を満たす、請求項2に記載の照明器具。
式1:A>(X+Z)/sinθ1
【請求項4】
前記第2アームは、前記ヒンジ部を回転中心として前記第1アームに対し、25°≦θ≦180°の角度範囲で回転する、請求項3に記載の照明器具。
【請求項5】
前記非接触式スイッチは、赤外線反射式センサーにより構成されている、請求項4に記載の照明器具。
【請求項6】
前記第1アームの基端側には、タッチスイッチが設けられている、請求項2~5のいずれか一項に記載の照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関し、より詳しくはデスクライトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、机の上等に置かれて、或いは机の端等に取り付けられて、机上の比較的狭い範囲を明るく照らすデスクライトが広く知られている(例えば、特許文献1参照)。デスクライトは、電気スタンド、卓上スタンド、又は卓上ライトとも呼ばれる。デスクライトは、一般的に、光源を含む灯具部と、灯具部に連結された可動式のアームと、灯具部およびアームを支持する支持部とを備える。ユーザーは、例えば、アームを動かすことで、灯具部の高さ、向きなどを調整することができ、また不使用時にはアームを折り畳むことができる。
【0003】
デスクライトには、光源(電源)をオンオフ操作するためのスイッチが設けられている。スイッチには、一般的に、タッチスイッチが用いられる。特許文献1の照明器具は、主照明光源と補助照明光源を備えたデスクライトであって、各光源をそれぞれオンオフするためのタッチスイッチがアームの基端側に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の照明器具の電源をオンオフする際には、スイッチに触れなければならないが、特に多くのユーザーに使用される照明器具の場合、多くのユーザーがスイッチを触ることになるため、衛生面において好ましくない。また、特許文献1の照明器具では、アームの基端側にタッチスイッチが設けられているため、アームが机の端に取り付けられる場合はスイッチを操作し難いことが想定される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、光源を含む灯具部と、灯具部に連結された可動式のアームと、アームが連結され、灯具部およびアームを支持する支持部とを備える照明器具であって、灯具部には、光源をオンオフするための非接触式スイッチが設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明器具は、灯具部に非接触式スイッチを有するため、スイッチに触れることなく光源のオンオフ操作が可能である。このため、衛生面に優れる。本発明に係る照明器具は、デスクライトに好適である。また、非接触式スイッチは灯具部に設けられているため、アームが机の端に取り付けられた場合でも良好な操作性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の一例である照明器具の斜視図である。
【
図2】実施形態の一例である照明器具の斜視図であって、アームを折り畳んだ状態を示す。
【
図3】実施形態の一例である照明器具を構成する灯具部の斜視図である。
【
図5】灯具部を構成する下カバーおよびセンサー基板を示す図である。
【
図6】実施形態の一例である照明器具の側面図であって、アームを折り畳んだ状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明に係る照明器具の実施形態の一例について詳細に説明する。以下で説明する実施形態はあくまでも一例であって、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、以下で説明する複数の実施形態および変形例の各構成要素を選択的に組み合わせてなる形態は本発明に含まれている。
【0010】
図1および
図2は、実施形態の一例である照明器具1の斜視図である。
図1および
図2に示すように、照明器具1は、光源13a(後述の
図4参照)を含む灯具部10と、灯具部10に連結された可動式のアーム20と、アーム20が連結され、灯具部10およびアーム20を支持する支持部とを備える。また、照明器具1は、光源13aに電力を供給するためのケーブル6を備える。ケーブル6は、例えば、灯具部10からアーム20の内部を通ってアーム20の基端部まで延び、アーム20の基端部から引き出されている。本明細書において、アーム20等の基端側とは、先端側と反対側の根元側を意味する。
【0011】
詳しくは後述するが、灯具部10には、光源13a(電源)をオンオフ操作するための非接触式スイッチを構成するセンサー基板14が設けられている。非接触式スイッチにより、ユーザーはスイッチを押圧操作することなく、スイッチの近くに手をかざすだけで照明器具1の点灯および消灯の操作が可能になる。
【0012】
照明器具1は、上記支持部として、机の天板などを挟むクランプ2を有する。照明器具1は、デスクライトであって、クランプ2により机の端に取り付けられる。クランプ2は、一般的に、机の天板等を挟む一対のプレート部材、1つのプレート部材を移動させて一対のプレート部材の間隔を変化させるボルト、およびボルトを回転させる操作軸を有する。クランプ2は、設置対象を挟んで照明器具1を固定できるものであればよく、その構造は特に限定されない。
【0013】
支持部は、机の上等に安定に載置可能な台座であってもよい。台座の形状は特に限定されないが、一例としては、円盤状の台座が挙げられる。また、支持部は、机の天板等を挟むクリップであってもよい。
【0014】
照明器具1は、クランプ2に固定された支柱3を備える。支柱3は円柱形状を有し、支柱3にはヒンジ部4を介してアーム20が連結されている。支柱3は、クランプ2に対してアーム20が回転可能な状態でアーム20を支持することが好ましい。支柱3は、アーム20およびアーム20に連結された灯具部10を支持しており、クランプ2と共に灯具部10の支持部を構成している。支柱3の長さは、後述する第1アーム21の長さより短く、一例としては、第1アーム21の長さの5~25%である。なお、机に形成された孔に支柱3を挿入することにより、照明器具1が机に取り付けられてもよい。
【0015】
照明器具1は、支柱3にアーム20の基端部がヒンジ部4を介して連結され、アーム20の先端部に灯具部10が連結された構造を有する。アーム20は、支柱3に連結された第1アーム21と、灯具部10および第1アーム21の間に介在する第2アーム22と、第1アーム21に対して第2アーム22を回転可能に連結するヒンジ部23とを含む。第1アーム21と第2アーム22は、細長い扁平な板状に形成されている。第1アーム21の長さは、第2アーム22の長さより長いことが好ましい。
【0016】
アーム20は、ヒンジ部23の機能により第1アーム21と第2アーム22の連結部が動くように構成されている。また、ヒンジ部4の機能により支柱3と第1アーム21の連結部も動く。さらに、灯具部10と第2アーム22を連結する連結部5も動き、灯具部10を構成する灯具本体11が、第2アーム22が連結される基部12に対して回転する。
図2に示すように、アーム20は折り畳むことが可能である。
【0017】
ヒンジ部4,23は、軸と軸受を有する。ヒンジ部4は、例えば、支柱3および第1アーム21の長さ方向に直交する方向に延びる軸と、支柱3および第1アーム21に設けられた軸受とを有する。軸は、第1アーム21の幅方向に沿って配置される。ヒンジ部23についても同様に、各アームの幅方向に沿って配置された軸と、各アームに設けられた軸受とを有する。ヒンジ部4,23の軸は、互いに平行に配置されている。
【0018】
連結部5は、第2アーム22の先端部から灯具部10の基部12にわたって配置された連結軸5aを有する。連結軸5aの第2アーム22側の端部は、ヒンジ部4,23と同様のヒンジ構造を介して第2アーム22に固定されている。このため、灯具部10は、第2アーム22に対して所定の角度で回転可能である。当該ヒンジ構造の軸は、ヒンジ部4,23の軸と平行に配置されている。また、連結軸5aの灯具部10側の端部は、連結軸5aの周方向に沿って灯具部10が回転可能な状態で、灯具部10に固定されている。
【0019】
照明器具1は、第1アーム21に対して、第2アーム22が少なくとも略垂直に延びる状態(
図1参照)から、第1アーム21の第1面21aと第2アーム22の第1面22aとが対向する状態(
図2参照)まで回転可能に構成されている。第2アーム22は、第1アーム21に対してヒンジ部23を中心として回転する。上記の通り、照明器具1の不使用時には、第2アーム22を第1アーム21側に曲げて照明器具1をコンパクトな状態にできる。
【0020】
照明器具1の側面視において、第1アーム21の第1面21aと第2アーム22の第1面22aとがなす角度をθ(後述の
図6参照)と定義した場合に、角度θは90°以上であることが好ましい。例えば、角度θの上限は180°であり、角度θの下限は25°である。詳しくは後述するが、角度θが小さくなるように第2アーム22を第1アーム21側に曲げると、灯具部10も第1アーム21の第1面21aと対向する状態となる。この場合、非接触式スイッチの誤作動が問題となり得るが、照明器具1によれば当該誤作動を防止できる。
【0021】
照明器具1には、非接触式スイッチに加えて、タッチスイッチ24が設けられていてもよい。タッチスイッチ24は、指で触れて操作されるスイッチであって、非接触式スイッチと同様に、光源13aのオンオフ操作に使用される。照明器具1は、例えば、調光および光色切り替え機能を有し、タッチスイッチ24により、調光および光色切り替えの操作が可能である。
【0022】
タッチスイッチ24は、第1アーム21の基端側において第1面21aに配置されている。なお、クランプ2は、一般的に、机の端に取り付けられ第1アーム21も机の端に位置することになるから、灯具部10に設置された非接触式スイッチの使用頻度の方が高くなると想定される。照明器具1によれば、机の端に位置する第1アーム21のタッチスイッチ24まで手を伸ばさなくても、灯具部10にある非接触スイッチを用いて電源をオンオフすることができる。
【0023】
図3~
図5は、灯具部10を示す図である。
図3は灯具部10を下方から見た斜視図、
図4は灯具部10の分解斜視図である。
図5は、灯具部10の下カバー15に対するセンサー基板14の固定構造を説明するための図である。本明細書において、上下方向とは、照明器具1のデスクライトとしての通常の使用状態における上下方向を意味する。
【0024】
図3および
図4に示すように、灯具部10は、灯具本体11と、基部12とを備える。灯具部10は、アーム20と同様に、全体として細長い扁平な板状に形成されている。灯具部10の長さは、第2アーム22の長さより長く、第1アーム21の長さより短い。灯具本体11は、光源13aが実装された光源基板13、センサー基板14、下カバー15、上カバー16、および透光性カバー17を有する。基部12は、連結軸5aが接続される部分であって、灯具部10の長さ方向端部に配置されている。灯具部10は、基部12に対して灯具本体11が回転可能に構成されている。
【0025】
灯具部10には、灯具本体11と基部12を連結する支持軸18が設けられている。支持軸18は、灯具部10の長さ方向に沿って、灯具本体11と基部12に跨って配置されている。支持軸18の一端部は、基部12を構成する筐体に対して動かないように固定される。他方、灯具本体11は、支持軸18の他端部に回転可能な状態で固定される。これにより、灯具本体11は、基部12に対して支持軸18の周方向に所定範囲で回転可能となる。支持軸18の他端部には、下カバー15の固定用金具19が装着されている。
【0026】
灯具本体11は、光源基板13が下カバー15と上カバー16に挟持された構造を有する。2つのカバーは、互いに係合するように構成されている。また、光源基板13は、図示しないネジを用いて、下カバー15に形成されたボス部15c(
図5参照)に固定される。下カバー15には4つのボス部15cが形成されており、ボス部15cと固定用金具19をネジ止めすることで、灯具本体11が支持軸18に固定される。下カバー15には光源13aの光を通すための開口15aが形成され、開口15aには透光性カバー17が取り付けられている。
【0027】
光源基板13は、光源13aと、光源13aが実装された基板13bとを有する。光源13aの種類は特に限定されないが、好適な一例としては、LED(Light Emitting Diode)等の半導体発光素子が挙げられる。光源13aは、例えば、2色以上の光を出力できる。基板13bは、細長い略長方形状の基板であって、その長さ方向が灯具部10の長さ方向に沿うように配置されている。基板13bには、例えば、複数のLED素子が長さ方向に並んで実装されている。
【0028】
光源13aが実装された光源基板13の下面は、透光性カバー17に覆われている。透光性カバー17は、例えば、光拡散機能を有する乳白色のカバーであって、光源13aの光を拡散透過させる。透光性カバー17は、光源13aの光を発散又は集束させるレンズの機能を有していてもよい。透光性カバー17は、下カバー15と上カバー16に挟持され、下カバー15の開口15aの全域を覆っている。
【0029】
灯具本体11には、上述のように、光源13aをオンオフ操作するための非接触式スイッチが設けられている。本実施形態では、非接触式スイッチとして、センサー基板14が設けられている。センサー基板14は、センサー14aと、センサー14aが実装された基板14bとを有する。基板14bは長方形状の基板であって、その四隅には灯具本体11との固定に使用される貫通孔14cが形成されている。センサー14aは、光源基板13の光源13aが実装された光出射面(下面)と同じ方向を向いた基板14bの下面の中央部に実装されている。
【0030】
センサー基板14は、基部12と隣接する灯具本体11の基端部に配置されている。基部12の長さは灯具本体11の長さと比べて短いので、センサー基板14は、灯具部10の基端側に配置されているといえる。また、センサー基板14は、センサー14aが実装された基板14bの下面を光源13aの光の出射方向に向けた状態で配置されている。即ち、非接触式スイッチは、連結部5を介して第2アーム22が連結される灯具部10の基端側において、光源13aの光の出射方向に向けて配置されている。
【0031】
非接触式スイッチを構成するセンサー14aには、ユーザーの手が接近したことを感知する素子が用いられる。照明器具1によれば、センサー14aから所定距離の範囲に手を近づけることにより、センサー14aがユーザーの手を感知してスイッチが作動し、光源13aがオンオフされる。灯具部10には、光源13aのオンオフするスイッチの他に、調光用の非接触式スイッチが設けられていてもよい。或いは、1つの非接触式スイッチにより調光が可能とされていてもよい。
【0032】
非接触式スイッチを構成するセンサー14aは、ユーザーの手の接近を感知できるものであればよく、例えば、静電容量式近接センサー、超音波センサー等であってもよいが、好ましくは赤外線反射式センサーである。赤外線反射式センサーは、投光部と受光部を有し、投光部から出射され、対象物であるユーザーの手にあたって反射する光を受光部で検知して信号を出力する。赤外線反射式センサーは、光電センサーの一種であり、投光部から赤外光を出射する。
【0033】
赤外線反射式センサー(センサー14a)には、所定の感知距離が存在する。以下、特に断らない限り、センサー14aは赤外線反射式センサーであるものとして説明する。センサー14aの感知距離とは、特に断らない限り、対象物を感知可能な最大距離を意味するものとする。センサー14aの感知距離の好適な一例は、センサー14aの先端から50mmである。
【0034】
センサー基板14は、灯具本体11の基端部において、下カバー15の内部に固定されている。そして、下カバー15の基端部には、センサー14aから出射される赤外光を通す開口15bが形成されている。下カバー15の基端部は、他の部分より厚く形成され、上カバー16と反対側に膨らんでいる。下カバー15の当該基端部にセンサー基板14を収容する内部スペースが存在し、下カバー15の下面に開口15bが形成されている。このため、センサー14aの赤外光は、光源13aの光と同じ方向に出射される。
【0035】
照明器具1では、上述の通り、センサー基板14が灯具本体11の基端部に配置され、灯具本体11の下面からセンサー14aの赤外光が出射されるように構成されている。この場合、ユーザーは机に座った状態で非接触式スイッチを容易に操作できる。また、スイッチが灯具本体11の基端側にあるため、机の右側にクランプ2を設置すれば右利きのユーザーにとって操作性が良好であり、机の左側にクランプ2を設置すれば左利きのユーザーにとっても操作性が良好である。なお、センサー基板14を灯具部10の基部12に設けることも可能であるが、灯具本体11に設けた場合は、光源基板13とセンサー基板14の向きが変化せず、例えば、より良好な操作性が得られる。
【0036】
図5は、センサー基板14および下カバー15を抜き出して示す図である。センサー基板14は、センサー14aが実装された面を開口15b側に向けた状態で、下カバー15の基端部に固定される。開口15bの周縁には、開口15bを囲むように平面視四角形状に壁15eが形成され、センサー14aが壁15eの内側に嵌まるように配置される。また、下カバー15の基端部の内面には、壁15eの外側に複数の突起15dが形成されている。突起15dは、例えば、開口15bの中心から等距離の位置に4本形成される。
【0037】
センサー基板14の四隅には、貫通孔14cが形成されている。4つの貫通孔14cに4本の突起15dがそれぞれ挿入されることにより、センサー基板14が下カバー15の内部に固定される。突起15dは貫通孔14cに圧入されてもよいが、好ましくは、センサー基板14の上面から突出した突起15dの上端部が拡径して、センサー基板14の上面において貫通孔14cの周囲に溶着している。センサー基板14の当該固定構造は、貫通孔14cから突出した突起15dの上端部を加熱圧縮することにより形成できる。
【0038】
なお、下カバー15の内面においてセンサー基板14と干渉しない位置には、光源基板13の固定、および固定用金具19に対する灯具本体11の固定に使用される4つのボス部15cが形成されている。
【0039】
図6は、照明器具1の側面図であって、アーム20を折り畳んだ状態を示す。照明器具1を使用しないときには、第2アーム22を第1アーム21側に曲げることで、照明器具1をコンパクトな状態にできる。但し、この場合、第1アーム21の第1面21aが反射体となりセンサー14aが誤作動することが懸念される。一方、アーム20を折り畳めない構造とすれば、不使用時に照明器具1が邪魔になることが想定される。照明器具1は、アーム20を折り畳んでコンパクトにでき、かつセンサー14aの誤作動が発生しないように構成されている。
【0040】
図6に示すように、灯具部10は第2アーム22の第1面22a側に連結部5を介して連結されているため、第2アーム22を折り畳んだときに、センサー基板14が設置された灯具部10の基端部も第1アーム21の第1面21aと対向する。
図6に示す例では、アーム20が折り畳まれた状態において、センサー基板14が第1アーム21の第1面21aに接近し、灯具部10の光出射面である下面、即ち下カバー15に開口15bが形成された面が、第1面21aと略平行になっている。第1面21aは、第1アーム21の基端側が灯具部10の方向に膨らんでいるが、灯具部10の基端部と対応する部分は略平坦に形成されている。
【0041】
第1アーム21に対する第2アーム22の可動角度範囲(角度θ)の最大値は、90°以上が好ましく、120°以上がより好ましい。角度θの最小値θ1は、15°~35°が好ましく、20°~30°がより好ましい。角度θの好適な範囲の一例は、25°≦θ≦180°である。即ち、第2アーム22は、ヒンジ部23を回転中心として第1アーム21に対し、25°≦θ≦180°の角度範囲で回転する。
【0042】
照明器具1において、第2アーム22の長さは、センサー14aの誤作動を防止する上で重要である。灯具部10は第2アーム22の先端部に連結されるため、後述の長さAは第2アーム22の長さに近似する。また、照明器具1の側面視において第1アーム21と第2アーム22とがなす角度θの最小値をθ1、後述の感知距離X、および後述の距離Zは第2アーム22の長さに比べて自由度が少ない。このため、下記式1に基づいて、第2アーム22の長さが決定される。
【0043】
照明器具1において、ヒンジ部23から連結部5までの第2アーム22に沿った長さをA、接触式スイッチを構成するセンサー14aの感知距離をX、連結部5の第2アーム22側の付け根からセンサー基板14(センサー14a)の先端までの第1アーム21に垂直な方向に沿った距離をZとした場合に、長さAは下記式1の条件を満たす。
式1:A>(X+Z)/sinθ1
【0044】
長さAは、第2アーム22の長さに近似するが、連結部5は第2アーム22の最先端には設置できないため、例えば、第2アーム22の長さより5~20%短い。言い換えると、第2アーム22の長さは、長さAの1.05~1.2倍である。より正確には、第2アーム22の第1面22aにおける、ヒンジ部23との境界位置から連結部5までの最短距離が長さAである。
【0045】
図6に示す仮想線αは、長さAの基準点である第1面22aにおける連結部5のヒンジ部23側の端から、第1アーム21の第1面21aに対して垂直に引いた線である。距離Zは、第1面22aからセンサー14aまでの仮想線αに沿った長さであり、灯具部10の基端部の厚みに近似する。照明器具1では、仮想線αに沿ったセンサー14aの先端から第1アーム21の第1面21aまでの距離(距離Yとする)がセンサー14aの感知距離をXより大きくなっている。
【0046】
上記距離Yが大きくなり過ぎると、照明器具1をコンパクトな状態にできないので、センサー14aの誤作動抑制と器具のコンパクト化の両立の観点から、距離Yは感知距離Xの1.2~1.5倍が好ましい。
【0047】
以上のように、上述の構成を備えた照明器具1は、灯具部10に非接触式スイッチであるセンサー基板14を有するため、センサー基板14の近傍に、具体的には灯具本体11の開口15bの近傍に手をかざすことにより光源13aをオンオフ操作できる。この場合、スイッチを押圧操作する必要がないため、衛生面に優れ、スイッチの劣化、損傷も生じ難い。開口15bは下カバー15の下面に形成されているため、ユーザーは机に座ったまま容易にオンオフ操作できる。照明器具1によれば、第1アーム21のタッチスイッチ24まで手を伸ばさなくても電源のオンオフ等が可能である。
【0048】
照明器具1は、ヒンジ部23を中心として第2アーム22が第1アーム21の方向に回転し、使用時には、例えば、第1アーム21と第2アーム22がなす角度θが90°以上となるようにアーム20が伸ばされる。他方、照明器具1の不使用時等には、アーム20を折り畳むことができ、照明器具1をコンパクトな状態(例えば、角度θが25°の状態)にできる。
【0049】
照明器具1は、アーム20を折り畳み、センサー基板14が設置された灯具部10の基端部が第1アーム21に接近して第1面21aと対向する状態になっても、センサー14aが誤作動しないように構成されている。このため、照明器具1によれば、センサー14aの誤作動を気にすることなくアーム20を折り畳むことができる。
【0050】
なお、上述の実施形態は、本発明の目的を損なわない範囲で適宜設計変更できる。例えば、上述の実施形態では、第1アーム21の基端側にタッチスイッチ24が設けられているが、照明器具には非接触式スイッチのみが設けられていてもよい。
【0051】
上述の実施形態では、灯具部10の灯具本体11の基端部に非接触式スイッチが設けられているが、非接触式スイッチは灯具部の基部に設けられていてもよい。この場合も、光源の光の出射方向に向けてセンサーを設置し、センサーから出射される赤外光を通す開口を基部の下面に形成することが好ましい。
【0052】
上述の実施形態では、アーム20が扁平な板状の部材であるが、アームは断面が円形状の丸棒状の部材であってもよい。また、アームの少なくとも一部に所謂フレキシブルアームを適用することも可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 照明器具、2 クランプ、3 支柱、4,23 ヒンジ部、5 連結部、5a 連結軸、6 ケーブル、10 灯具部、11 灯具本体、12 基部、13 光源基板、13a 光源、13b 基板、14 センサー基板、14a センサー、14b 基板、14c 貫通孔、15 下カバー、15a,15b 開口、15c ボス部、15d 突起、15e 壁、16 上カバー、17 透光性カバー、18 支持軸、19 固定用金具、20 アーム、21 第1アーム、21a,22a 第1面、22 第2アーム、24 タッチスイッチ