(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063258
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 31/00 20060101AFI20230427BHJP
F21S 8/04 20060101ALI20230427BHJP
【FI】
F21V31/00 200
F21V31/00 100
F21S8/04 110
F21S8/04 130
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167486
(22)【出願日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】202122560092.7
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チャン ウェイ
【テーマコード(参考)】
3K014
【Fターム(参考)】
3K014NA02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】組み立てを容易にしながら密封性を向上させることができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、ハウジング1と、ハウジング1の前側を覆うように設けられるランプグローブ2とを含み、ハウジング1の外縁が、径方向に沿って外方に拡張して形成される外縁段差部11と、外縁段差部11が前側に折り曲げられ、且つ、ランプグローブ2の外縁の側面に係合して接続されるランプグローブ固定部12とを有し、ランプグローブ2の外縁の後側と外縁段差部11との間には、さらに密封構造3が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングの前側を覆うように設けられるランプグローブとを含む照明装置であって、前記ハウジングの外縁が、径方向に沿って外方に拡張して形成される外縁段差部と、前記外縁段差部が前側に折り曲げられ、且つ、前記ランプグローブの外縁の側面に係合して接続されるランプグローブ固定部とを有し、前記ランプグローブの外縁の後側と前記外縁段差部との間には、さらに密封構造が設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記密封構造は、前記外縁段差部の前側表面に設けられた第1の突出部と、前記ランプグローブの外縁の後側表面に設けられた第2の突出部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の突出部及び前記第2の突出部は、いずれも径方向に沿って順次に配置される凸起を1つ又は複数有し、且つ、前記第1の突出部および前記第2の突出部のうち一方にある前記凸起は、もう一方にある隣接する2つの前記凸起の間に入り込むことを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の突出部の凸起と前記第2の突出部の凸起との間が径方向に沿って緊密に係合されることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項5】
前記密封構造は、前記第1の突出部と前記第2の突出部とで囲まれたチャンバー内に設けられたシール材をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項6】
前記シール材は、その形状が前記チャンバーの形状と互いに合致するゴムリングまたはシリカ充填物であることを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記ランプグローブの外縁の後側表面と前記外縁段差部の前側表面との間隔を、複数の前記凸起の最大高さ以上とすることを特徴とする請求項3に記載の照明装置。
【請求項8】
前記ランプグローブ固定部の延出方向は、前記外縁段差部に直交することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項9】
前記ランプグローブ固定部の端部には、内側に突出するバックル部が設けられるとともに、前記ランプグローブの外縁の側面には、スロット部が設けられ、前記バックル部が前記スロット部に嵌合接続されることを特徴とする請求項8に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置は、通常、ハウジングと、ハウジング内に設けられた光源と、ハウジングに設置されて光源を覆うランプグローブとを備えるものである。ハウジングとランプグローブとの間には隙間があるため、ほこり、蚊や虫がハウジングとランプグローブとの隙間から照明装置に入ることがある。ほこり、蚊や虫が照明装置に入った後、ランプグローブ内、特にランプグローブの中心のところに積み上げられることになる。一定の期間後、ランプグローブに黒い斑点が形成され、照明装置の見栄えと照明効果に影響を与えてしまうことがある。
【0003】
照明装置の持続的な発展に伴い、照明装置の防水や防塵能力もますます向上している。従来技術の照明装置は、照明装置の密封性能を向上させるために、ハウジングとランプグローブとの接続部に封止用シリカゲルを設置することがある。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の従来技術の照明装置では、ランプグローブとハウジングが適切に組み立てられていない場合、ハウジングとランプグローブの間の密封が実現されない可能性があり、それだけでなく、封止用シリカゲルは、高温で乾燥させる必要があるため、効率が低くてコストも高い。さらに、密封を実現するために、ハウジングとランプグローブとの間の接続部に、封止用シリカゲルを使用すると、ハウジングとランプグローブの離脱がより困難になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国実用新案第203431741号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の解決しようとする課題は、組み立てを容易にしながら密封性を向上させることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の照明装置は、ハウジングと、ハウジングの前側を覆うように設けられるランプグローブとを含む照明装置であって、ハウジングの外縁が、径方向に沿って外方に拡張して形成される外縁段差部と、外縁段差部が前側に折り曲げられ、且つ、ランプグローブの外縁の側面に係合して接続されるランプグローブ固定部とを有し、ランプグローブの外縁の後側と外縁段差部との間には、さらに密封構造が設けられていることを特徴とする。
【0008】
上記の開示によれば、ランプグローブの外縁の後側と外縁段差部との間に、密封構造を設けることにより、密封構造とランプグローブ固定部が互いに分離設置されるようになる。そのため、ランプグローブの外縁の側面とランプグローブ固定部との分解が完了すると、ランプグローブを前後方向に沿って取り外すことができる。また、ランプグローブを取り外す過程において、ランプグローブの外縁の後側と外縁段差部との間に設置された密封構造は、ランプグローブの取り外しを基本的に妨げないか、またはほとんど妨げないようになっている。更に、密封構造はランプグローブ固定部から離れて設置されているため、組み立てられた状態では、密封構造は基本的にランプグローブ固定部に直接応力干渉を生じることがないため、ランプグローブ固定部とランプグローブとの間の固定接続がより安定化し、密封構造の密封性能も保証されるようになる。このようにすれば、照明装置の着脱の利便性と密封性能を効果的に両立させることができる。
【0009】
好ましくは、密封構造は、外縁段差部の前側表面に設けられた第1の突出部と、ランプグローブの外縁の後側表面に設けられた第2の突出部とを含むようにしてもよい。
【0010】
上記の開示によれば、第1の突出部と第2の突出部の係合により、密封性能を向上させる効果が得られる一方、位置決めと制限の役割も果たしているため、ランプグローブと外縁段差部との接続を強固に保つようにすることもできる。
【0011】
好ましくは、第1の突出部及び第2の突出部は、いずれも径方向に沿って順次に配置される凸起を1つ又は複数有し、且つ、第1の突出部および第2の突出部のうちの一方の凸起は、もう一方の隣接する2つの凸起の間に入り込む構成になるようにしてもよい。
【0012】
上記の開示によれば、第1の突出部及び第2の突出部がそれぞれ有する複数の凸起は互いに係合され、且つ交互に配置されることにより、第1の突出部と第2の突出部とで囲まれたチャンバーが蛇行した形状になり、ほこり、蚊や虫などが蛇行したチャンバーを通して照明装置の内部に入るのが難しくなり、照明装置の密封性が効果的に向上させることができる。
【0013】
好ましくは、第1の突出部の凸起と第2の突出部の凸起との間が径方向に沿って緊密に係合される構成となるようにしてもよい。
【0014】
上記の開示によれば、第1の突出部と第2の突出部がそれぞれ有する凸起は、緊密に係合されているため、第1の突出部と第2の突出部との間の隙間が小さくなり、ほこり、蚊や虫などが第1の突出部と第2の突出部の間を通して照明装置の内部に入るのが難しくなり、照明装置の密封性が効果的に向上されるようになる。また、凸起の間が緊密に係合されることにより、第1の突出部と第2の突出部との接続が強固になり、ハウジングとランプグローブとの接続安定性を向上させることができる。
【0015】
好ましくは、密封構造は、第1の突出部と第2の突出部とで囲まれたチャンバー内に設けられたシール材をさらに含む構成であるようにしてもよい。
【0016】
上記の開示によれば、第1の突出部と第2の突出部とで囲まれたチャンバー内にシール材を設置することにより、第1の突出部と第2の突出部との間の微小な隙間がさらに封止され、ハウジングとランプグローブとの間の密封性能が更に向上させることができる。
【0017】
好ましくは、シール材は、その形状がチャンバーの形状と互いに合致するゴムリングまたはシリカ充填物であるようにしてもよい。
【0018】
上記の開示によれば、ゴムリングまたはシリカ充填物は、弾力性、耐熱性及び絶縁性に優れており、ゴムリング又はシリカ充填物をシール材として使用することにより、密封性能を長期間維持することができる。第1の突出部と第2の突出部によって囲まれたチャンバー内に、それに対応するゴムリングを設置することで、シール材による密封効果を向上させることができる。
【0019】
好ましくは、ランプグローブの外縁の後側表面と外縁段差部の前側表面との間隔を、複数の凸起の最大高さ以上とするようにしてもよい。
【0020】
上記の開示によれば、凸起の最大高さを十分に高くすることで、ほこり、蚊や虫などが照明装置内に入るのを防ぐことができる。一方、凸起の最大高さを、ランプグローブの外縁の後側表面と外縁段差部の前側表面との間隔以下とすることで、間隔は、主に比較的短い凸起とシール材の積み重ね部分とによって画定され、さらに、密封は、凸起とランプグローブ又はハウジングとの間の当接により実現されるのではなく、主に弾性的に圧縮されたシール材によって実現されることになるため、密封構造の密封性能の安定化が保証されるようになる。
【0021】
好ましくは、ランプグローブ固定部の延出方向は、外縁段差部に直交するようにしてもよい。
【0022】
上記の開示によれば、ランプグローブ固定部の延出方向と外縁段差部とを互いに直交させるようにすることで、ランプグローブを着脱する工程において、ランプグローブ固定部または密封構造は、相手側の移動中に応力干渉を生じたり、相手側の変位を妨げたりすることが少なくなり乃至妨げることがなく、着脱工程の利便性を向上させることができる。
【0023】
好ましくは、ランプグローブ固定部の端部には、内側に突出するバックル部が設けられるとともに、ランプグローブの外縁の側面には、スロット部が設けられて、バックル部がスロット部に嵌合接続される構成となるようにしてもよい。
【0024】
上記の開示によれば、バックル部がスロット部に嵌合接続されているため、ランプグローブ固定部とランプグローブとの間の接続は強固になり、かつ取り付けも便利になる。嵌合接続による固定方式では、他の部品を追加することなく固定接続が図られ、取り付けの手順及び部品点数が削減され、コストの低減に有利である。
【0025】
一部の好ましい開示において、ランプグローブ固定部の延出方向は、外縁段差部に直交し、かつバックル部は、ランプグローブ固定部の端部で内側に突出しているため、ランプグローブ固定部が前後方向における幅を予め規定することで、外縁段差部の前側とランプグローブの外縁の後側との間隔を正確に特定することができる。さらに、ランプグローブが適切に取り付けられている場合は、凸起がシール材の適切な位置に正確に当てて、所定の力で押すことができるので、シール材の密封性能を効果的に向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本開示に係る照明装置は、組み立てを容易にしながら密封性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係る照明装置の断面図である。
【
図2】第1の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
【
図3】第2の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
【
図4】第3の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
【
図5】第4の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施例を図面に沿って、明確且つ詳細に説明するが、説明される実施例は本開示の実施例の一部に過ぎず、すべての実施例ではないことはいうまでもない。本開示における実施例に基づいて、当業者が容易に取得し得る他のすべての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。
【0029】
<第1の実施形態>
本開示は、照明装置が提示されるものである。
図1は、本開示の第1の実施形態に係る照明装置の断面図である。
図1に示されるように、照明装置は、ハウジング1を有し、ハウジング1は、照明装置内部の電気素子を物理的に保護し、ほこり、蚊や虫などのものが入ることを防ぐのができるケースである。照明装置は、ランプグローブ2をさらに含み、ランプグローブ2は、ハウジング1の前側を覆うように設けられる。
【0030】
本実施形態では、前側は、照明装置の使用時にユーザーに近い側を指し、通常、照明装置によって発せられる光の対象側であり、後側は、照明装置の使用時にユーザーから離れた側を指し、通常、例えば天井側、壁面側又は取り付け物側などのような、照明装置の取り付け物に近い側を指す。
【0031】
本実施形態では、ハウジング1とランプグローブ2はすべて、プラスチック材質を採用している。本開示の他の実施形態では、ハウジング1とランプグローブ2は、プラスチックからなるものに限定されず、他の材料を使用してもよいが、ここでは特に限定しない。
【0032】
ハウジング1の外縁は、径方向のr方向に沿って外方に拡張して形成される外縁段差部11を有し、外縁段差部11は、ハウジング1が径方向rにおける長さを長くすることで、ランプグローブ2の被覆面積がより大きくなり、照明装置の照明範囲および照明効果を向上させるのに有利である。
【0033】
ハウジング1は、外縁段差部11が前側に折り曲げられ、且つ、ランプグローブ2の外縁の側面に係合して接続されるランプグローブ固定部12をさらに有し、ランプグローブ固定部12は、ハウジング1とランプグローブ2が強固に接続されるように、ランプグローブ2に固定係合されるために使用されるものである。また、ランプグローブ固定部12と外縁段差部11の互いに直交する延出方向により、ランプグローブ2を着脱する工程において、ランプグローブ固定部12または後述する密封構造3は、相手側の移動中に応力干渉を生じたり、相手側の変位を妨げたりすることが少なくなり乃至無くなり、着脱工程の利便性を向上させるのに有利である。
【0034】
ランプグローブ2の外縁の後側と外縁段差部11との間には、さらに密封構造3が設けられている。密封構造3は、ほこり、蚊や虫がランプグローブ2とランプグローブ固定部12の間の隙間から照明装置に入り、ほこり、蚊や虫がランプグローブ2に積み上げられることを避けることができ、照明装置の密封性能を向上させることができる。
【0035】
本実施形態におけるハウジング1とランプグローブ2は、すべてプラスチックからなるものであるため、本実施形態では、ハウジング1とランプグローブ2は、嵌合接続による固定方式が好適に採用される。
図2は、第1の実施形態に係る照明装置のA部の拡大図である。
図2に示されるように、ランプグローブ固定部12の端部には、内側に突出するバックル部13が設けられるとともに、ランプグローブ2の外縁の側面には、スロット部21が設けられている。この構成により、バックル部13がスロット部21に嵌合接続されることになる。バックル部13がスロット部21に嵌合接続されているため、ランプグローブ固定部12とランプグローブ2との間の接続は強固になり、かつ取り付けも便利になる。嵌合接続による固定方式では、他の部品を追加することなく固定接続が図られ、十分な接続強固性と構造の強度を確保しながら、取り付けの手順及び部品点数が削減され、生産コストの低減に有利である。
【0036】
本開示の他の実施形態では、ランプグローブ2とランプグローブ固定部12は、ねじ、スナップ、接着、または他の任意の適切な方法で固定接続されていてもよく、ここでは特に限定しない。また、本開示の他の実施形態では、バックル部13がランプグローブ2に設置され、スロット部21がランプグローブ固定部12に設置されるようにしてもよい。
【0037】
密封構造3は、外縁段差部11の前側表面に設けられた第1の突出部31と、ランプグローブ2の外縁の後側表面に設けられた第2の突出部32とを含む。ランプグローブ固定部12がランプグローブ2に固定された後、第1の突出部31と第2の突出部32とが係合されるようになるので、ハウジング1とランプグローブ2との間の隙間が小さくなる。
【0038】
第1の突出部31及び第2の突出部32は、前後方向fに沿って延出しているので、ランプグローブ2を前後方向fに取り外す際には、バックル部13とスロット部21を分離させた後、下向きの力を加えれば、ランプグローブ2を取り外すことができる。ランプグローブを取り外す工程、特にランプグローブ2を前後に引き出す工程は、すべて第1の突出部31及び第2の突出部32の延在方向に沿って行われるもので、第1の突出部31、第2の突出部32および内蔵されたシール材35は、いずれもランプグローブ2の取り外し工程に影響を及ぼすことがなく、ランプグローブ2の取り外しが容易である。
【0039】
なお、ランプグローブ固定部12は、密封構造3と直接接触していないが、両方ともランプグローブ2の外縁に設置されているため、位置関係において比較的隣接している。このような相対的な位置関係で、着脱時の手動操作を容易にすることができる。例えば、ユーザーは、ランプグローブ2を持ち上げながら、ランプグローブ固定部12の取り外しを完了することができ、次に、ランプグローブ2の外縁を持ったまま下方に引くことにより、ランプグローブ2をハウジング1から分離させることができ、取り外しがより簡単になる。
【0040】
第1の突出部31及び第2の突出部32は、いずれも複数の凸起33から構成されており、第1の突出部31及び第2の突出部32がそれぞれ有する凸起33は互いに係合され、且つ、交互に配置される。凸起33は、径方向rに沿って順次に配置され、その総数は3以上であり、本実施形態において、第1の突出部31は凸起33を3つ有し、第2の突出部32は凸起33を2つ有する。
図2は断面図であるため、
図2に示される凸起33は歯状の構造であるが、実際には、第1の突出部31、第2の突出部32、及び凸起33は、いずれも一定の突出部を有する環状構造である。本開示の他の実施形態において、「凸起」は、突出部が円周方向に沿った形態を限定せず、径方向において互いに離れた複数の凸起を有することを意味するだけである。
【0041】
本実施形態では、第1の突出部31が有する凸起33の数は、第2の突出部32が有する凸起33の数よりも1つ多く、且つ、第1の突出部31が径方向rに沿った両端の凸起33は、他の凸起33の高さよりも高いようにしている。
【0042】
具体的には、凸起33の最大高さが、ランプグローブ2の外縁の後側表面と外縁段差部11の前側表面との間隔よりも小さいことにより、間隔は、主に比較的短い凸起33とシール材35の積み重ね部分とによって区分され、さらに、密封は、凸起33とランプグローブ2又はハウジング1との間の当接により実現されるのではなく、主に弾性的に圧縮されたシール材35によって実現されることになるため、密封構造3の密封性能の安定化が保証されるようになる。凸起33の最大高さは、ほこり、蚊や虫などが照明装置に入るのを防ぐことができるよう十分に高いものである。また、ランプグローブ2の外縁の後側表面と外縁段差部11の前側表面との間隔を、複数の凸起33の最大高さ以上とすることで、凸起33の高さが高すぎてハウジング1とランプグローブ2との組み立てを妨げることを避けることができる。
【0043】
このように、第1の突出部31及び第2の突出部32がそれぞれ有する凸起33は互いに係合され、且つ交互に配置されることにより、第1の突出部31と第2の突出部32とで囲まれたチャンバー34が蛇行した形状になり、ほこり、蚊や虫などが蛇行したチャンバー34を通して照明装置の内部に入るのが難しくなり、照明装置の密封性が効果的に向上されるようになる。一方、位置決めと制限の役割も果たすため、ハウジング1とランプグローブ2が固定された後、径方向rにおけるスライドが回避され、ハウジング1とランプグローブ2が強固に接続されることに有利である。
【0044】
密封構造3は、第1の突出部31と第2の突出部32とで囲まれたチャンバー34内に設けられたシール材35をさらに含むものである。第1の突出部31と第2の突出部32とで囲まれたチャンバー34内にシール材35を設置することにより、第1の突出部31と第2の突出部32との間の微小な隙間もさらに封止され、ハウジング1とランプグローブ2との間の密封性が向上されるようになる。
【0045】
本実施形態では、シール材35は、その形状がチャンバー34の形状と互いに合致するゴムリングまたはシリカ充填物である。ゴムリングまたはシリカ充填物は、弾力性、耐熱性及び絶縁性に優れており、ゴムリング又はシリカ充填物をシール材35として使用することにより、密封性能を長期間維持することができる。また、ゴムリングまたはシリカ充填物は、電気伝導や短絡の問題を引き起こすことがなく、より安全である。更に、ゴムリングまたはシリカ充填物は、高い防水性能を更に有し、水が照明装置に入って回路が損傷されてしまうのを防ぐことができる。
【0046】
本開示の他の実施形態では、シール材35は、ゴムリングまたはシリカ充填物に限定されず、他の材料を使用してもよいが、ここでは特に限定しない。
【0047】
シール材35の形状は、第1の突出部31と第2の突出部32によって囲まれたチャンバー34の形状に合致しているので、シール材35でチャンバー34が満たされるようになり、シール材35の密封効果を向上させるのに有利である。本開示の他の実施形態では、密封効果を向上させるために、複数のシールリングをチャンバー34に設置するようにしてもよい。
【0048】
<第2の実施形態>
図3は、第2の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
図3に示されるように、本実施形態に係る照明装置と第1の実施形態に係る照明装置との相違は、本実施形態では、第1の突出部31の凸起33と第2の突出部32の凸起33との間が径方向rに沿って緊密に係合されていることである。
【0049】
本実施形態では、ハウジング1とランプグローブ2が径方向rにおいて制限されているため、ハウジング1とランプグローブ2が径方向rにおいて緩み難く、ハウジング1とランプグローブ2がより強固に接続されるようになる。
【0050】
また、第1の突出部31と第2の突出部32が径方向rにおいてシール材35を収容するための隙間がないため、シール材35は、第1の突出部31と第2の突出部32が前後方向fにおいて形成されたチャンバー34に設置されることになる。
【0051】
本実施形態では、第1の突出部31と第2の突出部32が、いずれも複数の凸起33を有しており、かつ、第1の突出部31の凸起33と第2の突出部32の凸起33が径方向において緊密に係合されているので、第1の突出部31と第2の突出部32によって囲まれたチャンバー34は、複数の分割されたサブチャンバーが形成され、サブチャンバー毎に、対応するシール材35が設けられることになる。複数のシール材35により、多重の遮断効果が果たされ、ほこり、蚊や虫などが照明装置の内部に入るのを効果的に防ぐことができる。
【0052】
<第3の実施形態>
図4は、第3の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
図4に示されるように、本実施形態に係る照明装置と、第1の実施形態及び第2の実施形態に係る照明装置との相違は、本実施形態では、第1の突出部31の凸起33と第2の突出部32の凸起33を、径方向rにおいても前後方向fにおいても緊密に係合させることにより、第1の突出部31と第2の突出部32との間の隙間を減少乃至無くすことである。第1の実施形態及び第2の実施形態と比較して、本実施形態では、第1の突出部31と第2の突出部32との間に、シール材35が省略されており、ハウジング1とランプグローブ2との間の密封は、凸起33が径方向において緊密に係合されることのみで実現される。
【0053】
第1の突出部31と第2の突出部32との間にシール材35がないので、取り付け時により簡便になり、コストを節約することもできる。第1の突出部31と第2の突出部32が、径方向rにおいても前後方向fにおいても緊密に係合されているため、取り付け時に位置決めや制限の役割を果たし、ハウジング1とランプグローブ2との接続に緩みが生じられることを低減又は回避させることも可能であり、ハウジング1とランプグローブ2がより強固に接続されるようになる。
【0054】
また、本開示の他の実施形態では、シール材35は、第1の突出部31と第2の突出部32との間に囲まれたチャンバー34内に設置されることができない場合は、第1の突出部31が径方向rに沿った外側または他の位置に設置されてもよいが、ここでは特に限定しない。
【0055】
<第4の実施形態>
図5は、第4の実施形態に係る照明装置のA部分の拡大図である。
図5に示されるように、本実施形態に係る照明装置と、第1の実施形態、第2の実施形態及び第3の実施形態に係る照明装置との相違は、本実施形態では、第1の突出部31も第2の突出部32も凸起33を有しておらず、突出部同士の当接によって密封効果が実現されていることである。本実施形態では、第1の突出部31及び第2の突出部32の突出構造は、弧形構造であるが、本開示の他の実施形態では、突出構造は他の形状であってもよく、ここでは特に限定しない。
【0056】
本実施形態では、第1の突出部31と第2の突出部32は、いずれも一定の弾性を有する材料からなるものであるため、第1の突出部31と第2の突出部32を当接させる際には、密着させることができるようになり、第1の突出部31と第2の突出部32との間の隙間が小さくなり、密封構造3の密封性能が実現される。このように、第1の突出部31と第2の突出部32は、簡単な構造で密封効果を実現することができる。
【0057】
当業者は、各実施形態における具体的な技術的特徴を適応的に分解または組み合わせてもよいことが理解できる。このような具体的な技術的特徴に対する分解や組み合わせを実施しても、その技術内容は本発明の原理から逸脱することがなく、分解や組み合わせた技術内容は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。本願の記載において、特に明確な限定がない限り、「複数」の意味は、2つまたは2つ以上である。
【0058】
以上は、本発明を制限するものではなく、本発明の好適な実施例にすぎず、本開示の旨や原理に従って実施されたあらゆる修正、同等の置換や改良等は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
1 ハウジング、11 外縁段差部、12 ランプグローブ固定部、13 バックル部、2 ランプグローブ、21 スロット部、3 密封構造、31 第1の突出部、32 第2の突出部、33 凸起、34 チャンバー、35 シール材、f 前後方向、r 径方向