(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063259
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】照明装置及び照明装置における出力調整曲線の形成方法
(51)【国際特許分類】
H05B 45/31 20200101AFI20230427BHJP
H05B 45/20 20200101ALI20230427BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20230427BHJP
【FI】
H05B45/31
H05B45/20
H05B45/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167498
(22)【出願日】2022-10-19
(31)【優先権主張番号】202111235850.6
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヤン シュウ リャン
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA10
3K273QA07
3K273QA29
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA17
3K273SA14
3K273SA32
3K273SA46
3K273TA03
3K273TA05
3K273TA15
3K273TA45
(57)【要約】 (修正有)
【課題】出力値が調整可能な範囲全体をカバーできるとともに、ユーザーが特定の所望値に繰り返し設定することができる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、光源2と、位相カット調光信号を生成する調光器3と、調光器3に接続され位相カット調光信号の位相角を検出する検出ユニット4と、目標出力値と位相角とが互いに関連付けられた関連付け情報データを記憶する記憶ユニット5と、検出ユニット4により検出された位相角の数値に応じて、記憶ユニット5に記憶された関連付け情報データから当該位相角に対応する目標出力値を読み出し、光源2の出力を目標出力値に調整する制御ユニット6と、を備え、記憶ユニット5に記憶された関連付け情報データにおいて、最小出力値よりも大きく、最大出力値よりも小さい出力の調整可能な範囲内に少なくとも1つの平坦部があり、平坦部において、複数の連続する位相角の数値が、同一の目標出力値に対応する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
位相カット調光信号を生成する調光器と、
前記調光器に電気的に接続され、前記調光器によって生成される位相カット調光信号の位相角を検出する検出ユニットと、
目標出力値と位相角とが互いに関連付けられた関連付け情報データを記憶する記憶ユニットと、
前記検出ユニット、前記記憶ユニット及び前記光源にそれぞれ電気的に接続され、前記検出ユニットにより検出された前記位相角の数値に応じて、前記記憶ユニットに記憶された前記関連付け情報データから当該位相角に対応する目標出力値を読み出し、前記光源の出力値を目標出力値に調整する制御ユニットと、
を備える照明装置であって、
前記記憶ユニットに記憶された前記関連付け情報データにおいて、最小出力値よりも大きく、最大出力値よりも小さい出力値の調整可能な範囲内に少なくとも1つの平坦部があり、前記平坦部において、複数の連続する位相角の数値が、同一の目標出力値に対応する、
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記出力値は、前記光源の色温度、照度及び光束の1つ又は複数の組み合わせである、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記調光器は、デジタル調光器および/またはアナログ調光器が含まれる、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記平坦部に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、所定値内にある、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項5】
前記平坦部は、第1の目標出力値に対応する第1の平坦部と、第2の目標出力値に対応する第2の平坦部と、を含む、
ことを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記関連付け情報データが、位相角-出力値が関連付けられた出力調整曲線又は位相角-出力値が関連付けられたデータテーブルの形で、前記記憶ユニットに記憶される、
ことを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の照明装置。
【請求項7】
第1の調光器を使用して出力値が位相角に対応して連続的に変化する第1の出力調整曲線を形成し、所定の目標出力値に従って、前記第1の出力調整曲線から対応する位相角を平坦部の第1の端点として選択する平坦部第1端点特定ステップS1と、
第2の調光器を使用して出力値が位相角に対応して連続的に変化する第2の出力調整曲線を形成し、前記所定の目標出力値に従って、前記第2の出力調整曲線から対応する位相角を平坦部の第2の端点として選択する平坦部第2端点特定ステップS2と、
前記平坦部の第1の端点と前記平坦部の第2の端点を連結して平坦部カーブを形成する平坦部カーブ形成ステップS3と、を含む、
ことを特徴とする請求項5に記載の照明装置における出力調整曲線の形成方法。
【請求項8】
前記平坦部カーブ形成ステップS3を少なくとも2回実行して第1の平坦部カーブと、第2の平坦部カーブをそれぞれ形成し、
第1の平坦部カーブにおける平坦部の第2の端点と、第2の平坦部カーブにおける平坦部の第1の端点を順に連結して前記出力調整曲線が形成される、
ことを特徴とする請求項7に記載の出力調整曲線の形成方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置及び照明装置における出力調整曲線の形成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
照明装置に関する技術の発展と人々の生活の質の向上に伴い、照明装置に対する改良は、照明効果のみを考慮したものから、照明効果及び照明装置が出力する色温度や明るさなどによるユーザーへの使い心地を考慮したものへと移行している。
【0003】
特許文献1に記載の照明装置において、調光器(ディマー)は、通常、照明装置の照度や色温度などの出力を調整する形態を2パターン有する。1つの形態は段階的調整であり、例えば、0%~100%の照度の間において、30%、60%、90%の照度にそれぞれ対応するギアなど、幾つかのギアをプリセットすることにより、ユーザーは、自分の照明ニーズに応じて適切な明るさを選択することができ、操作がストレートで便利である。ただし、このような方式では、出力の調整可能な範囲全体をカバーすることができず、例えば、ユーザは照度を24%に調整することができず、調整の精度が限定される。
【0004】
特許文献2に記載の照明装置は、無段階調整であり、照度の出力値が、0%から100%まで滑らかで連続的に変化でき、ユーザーは、スライドやボタンを動かすことで無段階に調整することができるので、出力値の調整がより自由になる。しかしながら、この調整方式では、各出力値に対して同様な処理方式を採用しており、ユーザーは、特定の所望値を再現するのは困難であり、新しい出力設定をその都度調整する必要があり、ユーザー使用体験の低下につながる。また、調光曲線の適合性を考慮すると、LEDサイリスタ調光などのアナログ調光方式との適合性が必要な調光曲線の設定方法は、調光器の機種や制御方式にも制限され、異なる調光器ごとに制御方式が異なるので、調光器からの出力に違いが生じてしまい、自由に設定することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】中国特許出願公開第108668401号明細書
【特許文献2】中国特許出願公開第111511071号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の解決しようとする課題は、照明装置の出力値が調整可能な範囲全体をカバーできるようにするとともに、ユーザーが特定の所望値に繰り返し設定することができる照明装置及び照明装置における出力調整曲線の形成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る照明装置は、光源と、位相カット調光信号を生成する調光器と、調光器に電気的に接続され、調光器によって生成される位相カット調光信号の位相角を検出する検出ユニットと、目標出力値と位相角とが互いに関連付けられた関連付け情報データを記憶する記憶ユニットと、検出ユニット、記憶ユニット及び光源にそれぞれ電気的に接続され、検出ユニットにより検出された位相角の数値に応じて、記憶ユニットに記憶された関連付け情報データから当該位相角に対応する目標出力値を読み出し、光源の出力値を目標出力値に調整する制御ユニットと、を備え、記憶ユニットに記憶された関連付け情報データにおいて、最小出力値よりも大きく、最大出力値よりも小さい出力値の調整可能な範囲内に少なくとも1つの平坦部があり、平坦部において、複数の連続する位相角の数値が、同一の目標出力値に対応することを特徴とする。
【0008】
本開示の技術形態によれば、光源の出力値は、最小出力値よりも大きく、最大出力値よりも小さい出力の調整可能な範囲内に少なくとも1つの平坦部がある。そのため、光源の出力値を調整するときに、出力値は、調光器によって生成される位相カット調光信号の位相角が滑らかで連続的に変化する過程において、平坦部の存在により複数の連続する位相角の数値が同一の目標出力値に対応することになるので、つまみを回したり、スライダーをスライドさせたりしても出力値が常に変わらない移動範囲が少なくとも1つがある。つまみやスライダーをこの移動範囲内の任意の位置に留めれば、光源の出力値を平坦部に繰り返し且つ正確に位置づけることができる。上記の方法により、照明装置の光源の出力値を、最小出力値から最大出力値まで滑らかで連続的に調整することができるだけでなく、平坦部の設置を以って、ユーザーは、滑らかで連続的に調整する過程において、プリセットされた照明効果及び/又は体験がよりよい所望値(所望の照明条件)となるように、繰り返し正確に調整することができるようになる。
【0009】
本開示の好ましい技術形態において、光源の出力値は、光源の色温度、照度、及び光束の1つ又は複数の組み合わせであってもよい。当該好ましい技術手段によれば、色温度、照度、又は光束が所望値(すなわち、目標出力値)に対応する平坦部を設定することにより、ユーザーが光源の出力値を所望値に迅速で正確にかつ繰り返し調整することが容易であり、複数のパラメーターの組み合わせによって異なるタイプの出力値を設定することができ、それによって特定の光の雰囲気または光のシーンが作り上げることができ、ユーザー体験を向上させることができる。
【0010】
好ましくは、本開示の技術形態において、照明装置における調光器は、デジタル調光器および/またはアナログ調光器とすることができる。上述した照明装置の光源の出力値の調整方式は適合性が高く、デジタル回路の調光やアナログ回路の調光など、異なる形態の調光方法を採用する調光器に適用されることが可能である。
【0011】
本開示の好ましい技術形態によれば、照明装置の光源の出力値が調整される過程において、平坦部に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、所定値内にある。平坦部に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、当該平坦部の長さを表し、平坦部の長さが所定値内にあると、平坦部が一定の長さを有し、ユーザーが、当該平坦部における調光を明確に認識することができるようになると同時に、平坦部が長すぎないように設定されるため、光源の出力値の調整が滑らかで連続的な調整には影響しないようにすることもできる。
【0012】
好ましくは、本開示の技術形態において、平坦部は、第1の目標出力値に対応する第1の平坦部と、第2の目標出力値に対応する第2の平坦部と、を含む。平坦部に対応する出力値は、照明装置にプリセットされた理想的な照明状態に該当し、各平坦部に対応する目標出力値は異なる。複数の平坦部を設定することで、ユーザーは異なる理想的な照明状態から選択することができ、ユーザーにより良い照明体験を提供することができる。また、適当な位置に複数の平坦部を設置すれば、調光曲線の変化傾向が、従来製品における調光曲線からほぼ変化しないように維持されることができる。
【0013】
さらに、本開示の好ましい技術形態において、第1の平坦部に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、第2の平坦部に対応する複数の連続する位相角の数値範囲と異なる。複数の連続する位相角の数値範囲は、調光器の出力値が一定に保たれる場合の回転角度範囲またはスライド移動範囲に対応するため、位相角の数値範囲を異なるように設定することにより、異なる平坦部にそれぞれ推奨度を付与し、ユーザーの設定がより柔軟にでき、使用体験を向上させることができる。
【0014】
好ましくは、本開示の技術形態において、照明装置の出力値を調整するための関連付け情報データが、位相角-出力値が関連付けられた出力調整曲線又は位相角-出力値が関連付けられたデータテーブルの形で、記憶ユニットに記憶される。出力調整曲線又はデータテーブルは、出力調整を行う場合、特にデジタル回路の調光を行う場合、調整した値、すなわち位相角を、出力値に直接関連付けさせることができ、リアルタイムの計算処理プロセスが省略されるため、照明装置の出力調整の応答がより迅速になる。
【0015】
本開示の技術形態において、第1の調光器を使用して出力値が位相角に対応して連続的に変化する第1の出力調整曲線を形成し、所定の目標出力値に従って、第1の出力調整曲線から対応する位相角を平坦部の第1の端点として選択する平坦部第1端点特定ステップS1と、第2の調光器を使用して出力値が位相角に対応して連続的に変化する第2の出力調整曲線を形成し、所定の目標出力値に従って、第2の出力調整曲線から対応する位相角を平坦部の第2の端点として選択する平坦部第2端点特定ステップS2と、平坦部の第1の端点と平坦部の第2の端点を連結して平坦部カーブを形成する平坦部カーブ形成ステップS3と、を含む照明装置における出力調整曲線の形成方法がさらに提供される。
【0016】
上記のステップに基づけば、本照明装置における出力調整曲線の形成方法は、第1の出力調整曲線と第2の出力調整曲線における位相角-出力値が関連付けられたデータを組み合わせて適切な位相角の数値を平坦部の2つの端点として選択することができるため、形成された平坦部カーブが、異なる出力調整曲線の出力特性を兼ね備えることになり、光源の出力は、異なる調光器の調光方式を兼ね備えることができるようになる。
【0017】
さらに、本開示の好ましい技術形態において、出力調整曲線の形成方法は、少なくとも前記平坦部カーブ形成ステップS3を2回実行して第1の平坦部カーブと、第2の平坦部カーブをそれぞれ形成し、第1の平坦部カーブにおける平坦部の第2の端点と第2の平坦部カーブにおける平坦部の第1の端点を順に連結して出力調整曲線が形成される。
【0018】
上記のステップに基づけば、複数の平坦部を連結して出力調整曲線が形成されるため、出力調整曲線の全体は、目標出力値に対応する平坦部と、平坦部の間に滑らかで連続的な調整を行う連結部とを含むので、光源の出力を、最小出力値から最大出力値まで滑らかで連続的に調整することができるだけではなく、平坦部の設置で、ユーザーが、滑らかで連続的に調整する過程において、プリセットされた照明効果及び/又はユーザー体験がよりよい目標出力値に、正確で容易に調整することができるようになる。
【発明の効果】
【0019】
本開示に係る照明装置は、出力値が調整可能な範囲全体をカバーできるようにするとともに、ユーザーが特定の所望値に繰り返し設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】実施形態の照明装置の出力調整曲線の模式図である。
【
図3】実施形態の他の照明装置の出力調整曲線の模式図である。
【
図4】実施形態の照明装置における出力調整曲線の形成方法のフローチャートである。
【
図5】実施形態の照明装置における出力調整曲線の形成方法の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本開示の実施形態における技術内容を、本開示の実施形態の図面を参照しつつ、明確且つ詳細に説明するが、説明される実施形態は本開示の実施形態の一部に過ぎず、すべての実施形態ではないことはいうまでもない。本開示における実施形態に基づいて、当業者が創造的な労働なしに取得される他のすべての実施形態は、いずれも本発明の保護範囲に属するものである。
【0022】
図1に示されるように、本開示の実施形態では、照明装置1が提示されている。具体的には、光源2と、位相カット調光信号を生成する調光器3と、調光器3に電気的に接続され、調光器3によって生成される位相カット調光信号の位相角を検出することができる検出ユニット4と、目標出力値と位相角とが互いに関連付けられた関連付け情報データを記憶する記憶ユニット5と、検出ユニット4と記憶ユニット5及び光源2にそれぞれ電気的に接続され、検出ユニット4により検出された位相角の数値に応じて、記憶ユニット5に記憶された関連付け情報データから当該位相角に対応する目標出力値を読み出し、光源2の出力を目標出力値に調整する制御ユニット6と、を備えるものである。記憶ユニット5に記憶された関連付け情報データにおいて、最小出力値よりも大きく、最大出力値よりも小さい出力の調整可能な範囲内に少なくとも1つの平坦部があり、その平坦部において、複数の連続する位相角の数値が、同一の目標出力値に対応するようになっている。
【0023】
照明装置1における光源2の出力が光源2の色温度であることを例として説明する。色温度と位相角の対応関係は、
図2に示されるようである。ここで、光源2の色温度の全体的な変化傾向は、位相角の増加に伴って色温度が上昇するものであり、位相角35°、色温度2200Kを始点として、色温度が最大値6200Kまで上昇した後、これ以上上昇しないことになり、つまり、位相角が130°以上になってからでも、光源2の色温度は最大出力6200Kを維持することになる。全体として位相角の増加に伴って色温度が上昇する過程において、最小出力値よりも大きく最大出力値よりも小さい出力の調整可能な範囲内に、67°を始点とし、71°を終点とする平坦部7があり、位相角が67°~71°の間である場合は、同一の目標出力値2700Kに対応するようになっている。つまり、位相角が67°~71°である場合は、光源2が出力する色温度は常に2700Kである。2700Kは白熱灯の明かりの色に近く、色温度2700Kの光線は、暖かくて快適な雰囲気を作り出すことができる。
【0024】
ユーザーが光源2の出力を調整するときに、色温度は、位相カット調光信号の位相角が滑らかで連続的に変化する過程において、平坦部7の存在により複数の連続する位相角の数値が同一の目標出力値に対応することになるので、つまみを回したり、スライダーをスライドさせたりしても出力が常に変わらない移動範囲が少なくとも1つ現れ、つまみやスライダーをこの移動範囲内の任意の位置とすれば、光源の出力を平坦部7の通りに正確に出力させることができる。上記の方式により、照明装置1における光源2の出力を、最小出力値から最大出力値まで滑らかで連続的に調整することができるだけではなく、平坦部7の設置で、ユーザーが、滑らかで連続的に調整する過程において、プリセットされた照明効果及び/又はユーザー体験がよりよい目標出力値(すなわち、所望値)に、繰り返し且つ正確で容易に調整することができるようになる。
【0025】
好ましくは、本開示の実施形態では、光源2の出力としてのパラメーターは、色温度に限定されず、光源2の色温度、照度、及び光束の1つ又は複数の組み合わせであってもよい。光源2の色温度、照度、及び光束のいずれかを調整しても、光源2の照明効果及び照明雰囲気によるユーザーへの使い心地にそれぞれの角度から影響を与えることができる。また、上述した光源2の色温度、照度及び光束が照明効果への影響は互いに補完し合うため、光源2の照明効果を理想的な状態にするには、光源2の色温度、照度、及び光束の1つまたは複数の組み合わせを同時に調整する必要がある場合はある。一部の平坦部7は、つまみの回転やスライダーのスライドに伴い複数の異なるパラメーターを変化させない移動範囲に同時に対応することができ、この設定方式によれば、ユーザーが光源2の出力値を所望値に迅速で正確かつ繰り返し調整するのに便利であり、複数タイプのパラメーターを所定の組み合わせとすることで様々なモードが設定することで、ユーザーの利用を促すことが便利であり、それによって様々の光の雰囲気または光のシーンが作り上げられ、ユーザー体験が向上されるようになる。
【0026】
例えば、光束80lm、色温度3000Kが所望の目標出力値であるとすれば、平坦部7の位相角が67°~71°である場合に対応する目標出力値を光束80lm、色温度3000Kに設置することができる。これによって、ユーザーが位相角を調整するときに、位相角が67°~71°の範囲内になると、光源2の出力の連続的な変化は一時停止が生じられることを感じることができ、これで光源2の出力を光束80lm、色温度3000Kに分かりやすく調整することができる。また、例えば、位相角の変化に伴い変化する出力は、光束と色温度にし、平坦部7において変化しなくなる出力は、光束と色温度のいずれか一つだけにしてもいい。つまり、位相角が平坦部7の67°~71°の範囲内になると、色温度は位相角の増加に伴って引き続き上昇するが、光束は80lmで変化しなくなるようにしてもいい。
【0027】
さらに、本開示の実施形態では、平坦部7に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、所定値以下にあるものである。平坦部7に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、当該平坦部7の長さを表すものである。平坦部7の数値範囲が2°~4°の間である場合、ユーザーは、光源2の出力の連続的な変化に一時停止が生じられることを容易に認識でき、光源2の出力を当該平坦部7に対応する目標出力値になるよう調整することが容易である。同時に、平坦部7の数値範囲が2°~4°の間であると、平坦部が長すぎないことも保証され、光源2の出力の滑らかでかつ連続的な調整には影響をせず、使用体験が向上されるようになる。
【0028】
図3に示すように、本開示の別の実施形態では、光源2の出力を調整する平坦部7は、第1の目標出力値に対応する第1の平坦部71と、第2の目標出力値に対応する第2の平坦部72と、第3の目標出力値に対応する第3の平坦部73と、を含むというように、複数の平坦部を有してもよい。その中で、第1の平坦部71に対応する第1の目標出力値は色温度2700Kであり、第2の平坦部72に対応する第2の目標出力値は色温度3500Kであり、第3の平坦部73に対応する第3の目標出力値は色温度5000Kである。上述した3つの色温度の値は、それぞれ暖色、中間色、寒色という三種類における理想的な色温度であり、照明効果が良好で、ほとんどの人がリラックスして快適に感じられる色温度である。上記の方式によれば、本実施形態に係る照明装置は、出力を滑らかで連続的に調整することができるだけではなく、色温度の複数の所望値に対する誘導や推奨機能を追加することができると共に、適当な位置に複数の適当な長さの平坦部を設置すれば、調光曲線の全体変化傾向が、従来製品に用いられた調光曲線からほぼ変化しないように維持されることもできる。
【0029】
好ましくは、本開示の実施形態では、平坦部7に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、所定値の範囲内にある限り、特に限定されず、複数の平坦部7に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は、同じであってもいいし、異なってもいい。
図3を参照すると、第1の平坦部71に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は4°(67°~71°)であり、第2の平坦部72に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は2°(90°~92°)であり、第3の平坦部73に対応する複数の連続する位相角の数値範囲は3°(113°~116°)である。連続する位相角の数値範囲は、調光器の出力が一定に保たれる場合のつまみの回転角度範囲またはスライダーのスライド移動範囲に対応するため、異なる平坦部に対して、位相角の数値範囲を異なるように設定することにより、異なる推奨レベルを異なる平坦部に付与することができる。たとえば、第1の平坦部71に対応する位相角の数値範囲は4°であり、ユーザーがつまみを回転させるときにより広い移動範囲内でその出力が一定に保たれるので、第1の平坦部71に対してよい高い推奨レベルが付与されていることに相当し、当該平坦部のパラメーター設定を使用するようにユーザーを誘導することができる。上記の方式によれば、本照明装置は、設定の柔軟性をさらに最適化しユーザーの行動を誘導し、インタラクティブ体験を改善することができる。
【0030】
なお、平坦部7に対応する複数の連続する位相角の数値範囲の設定は、ユーザーの体感にも関連するものである。人の目のメカニズム及び人の視覚感覚によっては、人の目が視覚する主観的な明るさと実際の客観的な明るさとは完全に一致するわけではない時もある。たとえば、比較的明るい環境にある時、光の明るさの変化に対する人の目の感度が低下されるようになる。たとえば、位相角に関連付けられた出力値が光源2の照度(明るさ)である場合、比較的明るい出力(例えば、80%以上)に対応する平坦部では、連続する位相角の数値範囲を長く設定することにより、ユーザーが、平坦部を容易に認識するようになるため、当該平坦部のパラメーター設定を使用するようにユーザーを誘導することができる。
【0031】
好ましくは、本開示の実施形態では、照明装置1の光源2の出力を調整するための関連付け情報データが、位相角-出力値が関連付けられた出力調整曲線又は位相角-出力値が関連付けられたデータテーブルの形で、記憶ユニット5に記憶されるものである。その中、位相角-出力値が関連付けられた出力調整曲線は
図2又は3に示されるようなもので、位相角-出力値が関連付けられたデータテーブルを表1に示す。
【0032】
【0033】
同様に、表1におけるデータの全体的な変化傾向は、光源2の出力する色温度が位相角の数値の変化に伴って変化することであり、平坦部7(表では90°~92°)では、位相角が変化しても、光源2の出力する色温度は変化しないことがわかる。上記の表は模式的なものだけであり、位相角が変化する際の精度は、さらに0.5°、0.1°などに細分化されてもよい。つまり、非平坦部において、位相角が0.1°変化するたびに、対応する出力の色温度もそれに応じて変化することになるようにしてもよい。
【0034】
本開示の実施形態では、位相角-出力値の対応関係は、中間回路の入力・出力値を通じて間接的に対応されていてもよい。例えば、調光器3の位相角は、調光器3の出力電圧信号値に対応し、調光器3の出力電圧信号値は、さらに制御回路を介してデジタル信号値に変換されることにより、そして、デジタル信号値-出力値が関連付けられたデータテーブルが、記憶ユニット5に記憶されることもできる。その表現形態は次の表2のようである(実際の表には、位相角の行と電圧信号値の行はなくてもよい)。
【0035】
【0036】
その中、調光器3の出力電圧信号値は、位相角の変化に伴って変化し、デジタル信号値は、調光器3の出力電圧信号値の変化に伴って変化するようになっている。平坦部7において、位相角、調光器3の出力電圧信号値、デジタル信号値はいずれも変化値であるが、光源2の出力値に相当する色温度は変化しないものである。これにより、出力調整を行うときに、位相角と、調光器3の出力電圧信号値と、デジタル信号値は、いずれも独立変数として使用できるため、本実施形態に係る調光方法は、デジタル回路の調光やアナログ回路の調光などの異なる形態の調光を採用する調光器3との適合性がより向上されるようになる。
【0037】
上記の出力調整曲線とデータテーブルは、出力調整を行う場合、特にデジタル回路の調光を行う場合、調整した値、すなわちデジタル信号値を、出力に直接対応させることができ、リアルタイムの計算や処理プロセスが省略されるため、照明装置1の出力調整の応答がより迅速になるものである。
【0038】
なお、上記実施形態では、平坦部7に対応する目標出力値を一定の値に設定したが、本開示の他の実施形態では、1つの平坦部7においても、目標出力値が小さな変動幅を有していてもよい。具体的には、目標出力値の変動は、ユーザが当該平坦部71に対する視覚や調整を低下又は影響させなければ、例えば、位相角の数値が任意の連続する2°内において色温度の(最大値-最小値)/最大値≦0.5%としても、複数の連続する位相角が同一の目標出力値に対応していると見なすことができる。ユーザーにとっては、上述した平坦部7において色温度の変化速度が明らかに遅くなるようと感じられ、つまり、当該平坦部7は、ユーザーが所望の色温度区間になる。したがって、このような平坦部7における目標出力値の具体的な形態についての簡単な修正または置換は、本発明の要旨から逸脱することなく、本発明の保護範囲に含まれるべきである。
【0039】
図4及び5を参照すると、本開示の実施形態において、第1の調光器を使用して光源2の出力が位相角に対応して連続的に変化する第1の出力調整曲線81を形成し、所定の目標出力値に従って、第1の出力調整曲線から対応する位相角を平坦部の第1の端点として選択する平坦部第1端点特定ステップS1と、第2の調光器を使用して光源2の出力が位相角に対応して連続的に変化する第2の出力調整曲線82を形成し、所定の目標出力値に従って、第2の出力調整曲線から対応する位相角を平坦部の第2の端点として選択する平坦部第2端点特定ステップS2と、平坦部の第1の端点と平坦部の第2の端点を連結して平坦部カーブ70を形成する平坦部カーブ形成ステップS3と、を含む照明装置1における出力調整曲線8の形成方法がさらに示されている。
【0040】
具体的には、ステップS1において、平坦部の第1の端点を選択する方式として、所定の目標出力値、例えば2700Kから水平線、すなわち図中の水平点線を引き、この水平線と第1の出力調整曲線81との交点が、平坦部の第1の端点であり、平坦部701の始点でもある。同様に、平坦部の第2の端点、すなわち第1の平坦部カーブ701の終点は、図中の2700Kに対応する水平点線と第2の出力調整曲線82との交点である。同様に、第2の平坦部カーブ702、第3の平坦部カーブ703も、上記の方法によって得られる。
【0041】
上記のステップに基づけば、本照明装置1における出力調整曲線8の形成方法は、第1の出力調整曲線81と第2の出力調整曲線82における位相角-出力値が関連付けられたデータを組み合わせて、適切な位相角の数値を平坦部カーブ70の2つの端点として選択することができるため、形成された平坦部カーブ70が、第1の出力調整曲線81と第2の出力調整曲線82の出力特性を兼ね備えることになるものである。すなわち、第1の調光器と第2の調光器との間の調光偏差が調整されるので、異なる調光器3に同じ調光動作が実現され、光源2の出力は、2つの異なる調光器3の調光方式を兼ね備えて対応することができるようになる。
【0042】
本開示の実施形態において、出力調整曲線8の形成方法は、平坦部カーブ形成ステップS3を少なくとも2回実行してもよい。例えば、それぞれ第1の平坦部カーブ701、第2の平坦部カーブ702と、第3の平坦部カーブ703を形成する。その中、第1の平坦部カーブ701の第1の端点は(67°、2700K)であり、第2の端点は(71°、2700K)である。第2の平坦部カーブ702の第1の端点は(90°、3500K)であり、第2の端点は(92°、3500K)である。第3の平坦部カーブ703の第1の端点は(113°、5000K)であり、第2の端点は(116°、5000K)である。そして、第1の平坦部カーブ701における平坦部の第2の端点(71°、2700K)と第2の平坦部カーブ702における平坦部の第1の端点(90°、3500K)、及び第2の平坦部カーブ702における平坦部の第2の端点(92°、3500K)と第3の平坦部カーブ703における平坦部の第1の端点(113°、5000K)を順に連結して、出力調整曲線8が形成される。
【0043】
上記のステップに基づけば、複数の平坦部カーブ70を連結して出力調整曲線8が形成されるため、出力調整曲線8の全体は、目標出力値に対応する平坦部カーブ70と、平坦部カーブ70の端点の間及び最小出力値や最大出力値と平坦部カーブ70との間に滑らかで連続的な調整を行う連結部83と、を含むので、光源2の出力を、最小出力値から最大出力値まで滑らかで連続的に調整することができるだけではなく、平坦部7の設置で、ユーザーが、滑らかで連続的に調整する過程において、プリセットされた照明効果及び/又はユーザー体験がよりよい目標出力値に、正確で容易に調整することができるようになる。
【0044】
好ましくは、本開示の実施形態において、調光器3は、デジタル調光器および/またはアナログ調光器であってもいい。上述した方式で形成された調光曲線は、デジタル回路の調光やアナログ回路の調光など、異なる形態の調光器3との適合性がより向上されるようになる。例えば、上記ステップにおいて、第1の調光器は、調光にデジタル回路を使用するデジタル調光器であり、第2の調光器は、調光にアナログ回路を使用するアナログ調光器(例えば、サイリスタ調光器など)であるようにしてもよい。
【0045】
以上、本開示の技術内容を、図面に基づいて説明したが、本発明の保護範囲がこれらの具体的な実施形態に限定されないことは、当業者には容易に理解されるものである。本発明の原理から逸脱することなく、当業者は、関連する技術的特徴に対して同等の変更又は置換を行うことができ、これらの変更又は置換後の技術内容はいずれも、本発明の保護範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0046】
1 照明装置、2 光源、3 調光器、4 検出ユニット、5 記憶ユニット、6 制御ユニット、7 平坦部、70 平坦部カーブ、701 第1の平坦部カーブ、702 第2の平坦部カーブ、703 第3の平坦部カーブ、71 第1の平坦部、72 第2の平坦部、73 第3の平坦部、8 出力調整曲線、81 第1の出力調整曲線、82 第2の出力調整曲線、83 連結部