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  • 特開-土工機械を運転するための方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063273
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】土工機械を運転するための方法
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/28 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
E01C19/28
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022169388
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10 2021 127 444.3
(32)【優先日】2021-10-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】508123375
【氏名又は名称】ハム アーゲー
【氏名又は名称原語表記】Hamm AG
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヨーゼフ・ダグナー
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン・ブラウンシュレーガー
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュペルバー
【テーマコード(参考)】
2D052
【Fターム(参考)】
2D052AD16
(57)【要約】
【課題】エネルギー貯蔵装置の過負荷を回避することが可能であるような、土工機械、特にソイルコンパクタを運転するための方法を提供する。
【解決手段】土工機械、特にソイルコンパクタを運転するための方法であって、土工機械(10)は、エネルギー貯蔵装置(58)から供給を受ける複数の電気エネルギー消費機器を含んでおり、エネルギー貯蔵装置(58)の負荷状態が検出され、エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、若しくは/及び、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器の電力消費が削減される、又は/並びに、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態に入ることを回避するために、前記電気エネルギー消費機器が、時間をずらして始動させられる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機械、特にソイルコンパクタを運転するための方法であって、前記土工機械(10)は、エネルギー貯蔵装置(58)から供給を受ける複数の電気エネルギー消費機器を含んでおり、
-前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷状態が検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、若しくは/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器の電力消費が削減される、又は/並びに、
-前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態に入ることを回避するために、前記電気エネルギー消費機器が、時間をずらして始動させられる方法。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置(58)からの電流フローが検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)からの電流フローの電流の強さが、電流の強さの境界値を超える場合、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器を非アクティブ化した後、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器の電力消費を削減した後で、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合には、少なくとも1つのさらなる前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、又は/及び、少なくとも1つのさらなる前記電気エネルギー消費機器の電力消費が削減されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態が存在する場合、前記電気エネルギー消費機器の電力消費を考慮した負荷軽減手法に従って、電気エネルギー消費機器が相次いで、電力消費を減少させながら非アクティブ化される、又は/及び、減少していく電力消費を有する電気エネルギー消費機器の電力消費が相次いで削減され、まずより高い電力消費を有する電気エネルギー消費機器に作用が及び、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合には、より低い電力消費を有する前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぶことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電気エネルギー消費機器による電力消費を考慮した負荷軽減手法において、階層群a)、b)、c)を有する階層内で、以下のように前記電気エネルギー消費機器に連続的に作用が及ぼされること、つまり、まず階層群a)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群b)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群b)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群c)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)、b)、c)は、以下の前記電気エネルギー消費機器:
a)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)、
b)土工ローラ(14、22)に配設されたアンバランス装置(16、24)のアンバランス質量(56)を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)、及び
c)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器(60)であって、電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター(62)、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明(66)、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケットを含む小規模電気エネルギー消費機器(60)、
を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電気エネルギー消費機器の動作の重要性を考慮した負荷軽減手法において、階層群e)、f)、g)を有する階層内で、以下のように前記電気エネルギー消費機器に連続的に作用が及ぼされること、つまり、まず階層群e)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群f)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群f)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群g)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)、f)、g)は、以下の前記電気エネルギー消費機器:
e)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器(60)であって、電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター(62)、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明(66)、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケットを含む小規模電気エネルギー消費機器(60)、
f)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)、及び
g)土工ローラ(14、22)に配設されたアンバランス装置(16、24)のアンバランス質量(56)を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)、
を含んでいることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、少なくとも2つの前記土工ローラ(14、22)の始動した前記アンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記土工ローラ(14、22)の内の一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、前記土工ローラ(14、22)の内の他方の土工ローラに配設されたアンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記土工ローラ(14、22)の内の一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置(16、24)は、前記一方の土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して略直角に作用する力を生じさせるための振動装置を含み、前記土工ローラ(14、22)の内の他方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置(16、24)は、前記他方の土工ローラの回転軸(D)に対して略接線方向に作用する力を生じさせるための揺動装置を含んでおり、少なくとも2つの前記土工ローラ(14、22)の始動したアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記土工ローラ(14、22)の内の前記他方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、前記土工ローラ(14、22)の内の前記一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)を有する、少なくとも1つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記アンバランス装置(16、24)は、前記土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して略直角に作用する力を生じさせるための振動モードにおいて、及び、前記土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して略接線方向に作用する力を生じさせるための揺動モードにおいて動作可能であり、少なくとも1つの前記土工ローラ(14、22)の揺動モードで動作するアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記アンバランス装置(16、24)の前記揺動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続され、又は/及び、少なくとも1つの前記土工ローラ(14、22)の振動モードで動作するアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記振動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続されることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)と、少なくとも1つのステアリング油圧ポンプ(48)を駆動する、ステアリング油圧回路(36)の少なくとも1つのステアリング電動機(46)と、を含んでおり、前記土工機械(10)の運転開始に際して、少なくとも1つの、好ましくは前記ステアリング電動機(46)それぞれが、少なくとも1つの、好ましくは前記トラクション電動機(38)それぞれの前に始動することを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)を有する、少なくとも1つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記土工機械(10)の運転開始に際して、少なくとも1つの、好ましくは前記トラクション電動機(38)それぞれが、少なくとも1つの、好ましくは前記アンバランス電気駆動モータ(54)それぞれの前に始動することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記エネルギー貯蔵装置(58)の充電状態が検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)の充電が過小な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化されるか、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器による電力消費が削減されることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土工機械を運転するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特に専ら電動機で駆動される土工機械の場合、土工機械に設けられた電動機を動作させるためのエネルギーは、例えば1つ又は複数のバッテリ等のエネルギー貯蔵装置から取り出されるので、動作時間は、当該エネルギー貯蔵装置に貯蔵可能なエネルギーによって制限されている。さらに、このようなエネルギー貯蔵装置は、エネルギー貯蔵装置からの電流フローに関して、すなわち一般的にバッテリ電流と表される電流に関して制限されているので、当該エネルギー貯蔵装置は、時間当たりで限られたエネルギーのみを放出し、土工機械内の電気エネルギー消費機器に供給することが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、エネルギー貯蔵装置の過負荷を回避することが可能であるような、土工機械、特にソイルコンパクタを運転するための方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、本課題は、土工機械、特にソイルコンパクタを運転するための方法によって解決され、土工機械は、エネルギー貯蔵装置から供給を受ける複数の電気エネルギー消費機器を含んでおり、当該方法においては、
-エネルギー貯蔵装置の負荷状態が検出され、エネルギー貯蔵装置の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、若しくは/及び、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器の電力消費が削減される、又は/並びに、
-エネルギー貯蔵装置の負荷が過剰な状態に入ることを回避するために、電気エネルギー消費機器が、時間をずらして始動させられる。
【0005】
当該方法では、土工機械内の電気エネルギー消費機器を、エネルギー貯蔵装置に高い負荷をかける消費機器の同時の動作、又は、始動が少なくとも一時的に回避される電力消費、又は、連続して調整される電力消費で動作させることによって、エネルギー貯蔵装置の負荷が、一方ではエネルギー貯蔵装置の損傷が排除され、他方では、エネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーの効率的な使用が保証されるレベルに保持されるか、又は、当該レベルに制限される。
【0006】
エネルギー貯蔵装置の負荷に関する情報を提供するために、エネルギー貯蔵装置からの電流フローが検出可能であり、エネルギー貯蔵装置からの電流フローの電流の強さが、電流の強さの境界値を超える場合、エネルギー貯蔵装置の負荷が過剰な状態の存在が認識される。この際、それぞれ現在流れている電流の強さ又は時間平均された電流の強さが考慮され得る。
【0007】
本発明に係る方法で行われる負荷軽減手段を考慮して、エネルギー貯蔵装置の過負荷を連続的に回避可能にするために、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器を非アクティブ化した後、又は/及び、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器の電力消費を削減した後で、引き続きエネルギー貯蔵装置の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合には、少なくとも1つのさらなる電気エネルギー消費機器を非アクティブ化する、又は/及び、少なくとも1つのさらなる電気エネルギー消費機器の電力消費を削減することが提案される。
【0008】
エネルギー貯蔵装置の負荷を軽減するために、例えばエネルギー貯蔵装置の負荷が過剰な状態が存在する場合、電気エネルギー消費機器の電力消費を考慮した負荷軽減手法に従って、電気エネルギー消費機器が相次いで、電力消費を減少させながら非アクティブ化される、又は/及び、減少していく電力消費を有する電気エネルギー消費機器の電力消費が相次いで削減され、まずより高い電力消費を有する電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、引き続きエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合には、より低い電力消費を有する電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされるようになる。
【0009】
このような、様々な電気エネルギー消費機器によって生じるエネルギー貯蔵装置の負荷を考慮する負荷軽減手法であって、可能な限り効率的なエネルギー貯蔵装置の負荷軽減をもたらすために、エネルギー貯蔵装置に与える負荷があまり高くはない電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされる前に、まずエネルギー貯蔵装置により高い負荷を与えている電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされるべきである負荷軽減手法の場合、階層群a)、b)、c)を有する階層内で、電気エネルギー消費機器に相次いで作用を及ぼすことが可能であり、まず階層群a)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続きエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合、階層群b)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群b)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続きエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合、階層群c)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)、b)、c)は、以下の電気エネルギー消費機器を含んでいる:
a)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプを駆動する、トラクション油圧回路の少なくとも1つの電動機、
b)土工ローラに配設されたアンバランス装置のアンバランス質量を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ、及び
c)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器であって、小規模電気エネルギー消費機器は、以下を含んでいる:電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケット。
【0010】
代替的な負荷軽減手法の場合、土工機械の動作にとっての、様々な電気エネルギー消費機器の重要性が、階層群e)、f)、g)を有する階層内で、電気エネルギー消費機器に相次いで作用を及ぼすことによって考慮され、まず階層群e)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続きエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合、階層群f)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群f)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続きエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合、階層群g)の少なくとも1つの電気エネルギー消費機器に作用が及び、階層群e)、f)、g)は、以下の電気エネルギー消費機器を含んでいる:
e)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器であって、小規模電気エネルギー消費機器は、以下を含んでいる:電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケット、
f)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプを駆動する、トラクション油圧回路の少なくとも1つのトラクション電動機、及び
g)土工ローラに配設されたアンバランス装置のアンバランス質量を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ。
【0011】
当該手法においては、つまり、まず、求められる成果、つまり例えば得られるべき土壌の締固めに関してより小さい直接的な影響を有する電気エネルギー消費機器が、非アクティブ化されるか、又は、その電力消費が削減される。このような直接の作業成果にとってあまり重要ではない電気エネルギー消費機器への作用が、エネルギー貯蔵装置の十分な負荷軽減にはつながらない場合に初めて、作業成果にとって重要な電気エネルギー消費機器が相次いでアクセスされ、エネルギー貯蔵装置のさらなる負荷軽減が得られるように作用が及ぼされる。
【0012】
土工機械は、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータによって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量を備えたアンバランス装置をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラを含むことが可能であり、少なくとも2つの土工ローラの始動したアンバランス装置で、エネルギー貯蔵装置の過負荷の状態の存在が認識される場合、土工ローラの内の一方の土工ローラに配設されたアンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続きエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合、土工ローラの内の他方の土工ローラに配設されたアンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作する。
【0013】
さらに、土工機械が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータによって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量を備えたアンバランス装置をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラを含んでおり、土工ローラの内の一方の土工ローラに配設されたアンバランス装置は、一方の土工ローラの回転軸に対して略直角に作用する力を生じさせるための振動装置を含み、土工ローラの内の他方の土工ローラに配設されたアンバランス装置は、他方の土工ローラの回転軸に対して概ね略接線方向に作用する力を生じさせるための揺動装置を含んでおり、少なくとも2つの土工ローラの始動したアンバランス装置で、エネルギー貯蔵装置の過負荷の状態の存在が認識される場合、土工ローラの内の他方の土工ローラに配設されたアンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、さらにエネルギー貯蔵装置の過剰な負荷が存在する場合、土工ローラの内の一方の土工ローラに配設されたアンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作する、と規定してよい。
【0014】
さらなる態様では、土工機械は、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータによって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量を備えたアンバランス装置を有する、少なくとも1つの土工ローラを含むことが可能であり、アンバランス装置は、土工ローラの回転軸に対して略直角に作用する力を生じさせるための振動モードにおいて、及び、土工ローラの回転軸に対して略接線方向に作用する力を生じさせるための揺動モードにおいて動作可能であり、少なくとも1つの土工ローラの揺動モードで動作するアンバランス装置で、エネルギー貯蔵装置の過負荷の状態の存在が認識される場合、アンバランス装置の揺動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続され、又は/及び、少なくとも1つの土工ローラの振動モードで動作するアンバランス装置で、エネルギー貯蔵装置の過負荷の状態の存在が認識される場合、振動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続される。
【0015】
完全に電気で動作する土工機械は、少なくとも1つのトラクション油圧ポンプを駆動する、トラクション油圧回路の少なくとも1つのトラクション電動機と、少なくとも1つのステアリング油圧ポンプを駆動する、ステアリング油圧回路の少なくとも1つのステアリング電動機と、を含み得る。このような土工機械において、エネルギー貯蔵装置の過負荷状態の発生を防止するために、土工機械の運転開始に際して、少なくとも1つの、好ましくは各ステアリング電動機が、少なくとも1つの、好ましくは各トラクション電動機の前に始動し得る。従って、負荷軽減されたエネルギー貯蔵装置でも、土工機械が、加工されるべき地面の上を動き始める際に、土工機械の十分な操縦支援又は操縦可能性が存在していることが保証されている。
【0016】
特に、土工機械がソイルコンパクタとして構成されている場合、土工機械は、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータによって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量を備えたアンバランス装置を有する、少なくとも1つの土工ローラを含むことが可能である。エネルギー貯蔵装置の過負荷を回避するために、土工機械の運転開始に際して、少なくとも1つの、好ましくは各トラクション電動機が、少なくとも1つの、好ましくは各アンバランス電気駆動モータの前に始動し得る。
【0017】
本発明に係る方法では、さらに、エネルギー貯蔵装置の充電状態を検出することが可能であり、エネルギー貯蔵装置の充電が過小な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器が非アクティブ化されるか、又は/及び、少なくとも1つの電気エネルギー消費機器による電力消費が削減され得る。
【0018】
以下において、本発明を、添付の図面を用いて詳細に記載する。示されているのは以下の図である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】ソイルコンパクタとして構成された土工機械を示す図である。
図2図1に係る土工機械の油圧システムの構造を、簡略化して示した図である。
図3図1に係る土工機械の土工ローラに配設されたアンバランス装置を簡略化して示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1に示された、ソイルコンパクタとして構成された土工機械10は、車両後部12に、土工ローラ14を含んでおり、土工ローラ14は、土工ローラ14に配設され、少なくとも部分的に土工ローラ14内に配置されたアンバランス装置16を有している。関節連結領域18で、土工機械10の操縦のために、旋回可能に車両後部12と接続された車両前部20において、土工機械10は、さらなる土工ローラ22を含んでおり、土工ローラ22は、土工ローラ22に配設され、少なくとも部分的に土工ローラ22内に配置されたアンバランス装置24を有している。車両後部12には、さらに、図示された実施例では開放された構造を有する運転台26が設けられており、運転台26から、操作者が、例えばソイルコンパクタを操縦するためのハンドル28、又は、前進方向若しくは後退方向におけるソイルコンパクタの走行速度を規定するための操作レバー30を操作することができる。
【0021】
図2には、ソイルコンパクタ10に設けられた油圧システム32が、簡略化された、原理を表す描写で示されている。油圧システム32は、主要な構成要素として、トラクション油圧回路34とステアリング油圧回路36とを含んでいる。
【0022】
トラクション油圧回路34は、トラクション電動機38によって駆動されるトラクション油圧ポンプ40と、2つのトラクション油圧モータ42、44と、を含んでおり、トラクション油圧モータ42は、車両後部に設けられた土工ローラ14に配設されていてよく、トラクション油圧モータ44は、車両前部20に設けられた土工ローラ22に配設されていてよく、これによって、当該土工ローラは、トラクション電動機38によってトラクション油圧ポンプ40が動作する場合に回転する。
【0023】
ステアリング油圧回路36は、ステアリング電動機46によって駆動されるステアリング油圧ポンプ48を含んでいる。ステアリング油圧ポンプ48は、流体、例えば油圧オイルを、タンク50から、ハンドル28の回転運動を1つ又は2つのステアリングピストン/シリンダユニット54の作動に変換するステアリングユニット52まで輸送し、これによって、関節連結領域18において、車両前部20と車両後部12とが、互いに対して旋回し、従って、ソイルコンパクタ10が操縦される。ステアリング油圧ポンプ48によって輸送される流体は、トラクション油圧回路34を通じて、タンク50に戻され得る。
【0024】
油圧システム32は、電気エネルギー消費機器のトラクション電動機38及びステアリング電動機46である。さらなる電気エネルギー消費機器は、アンバランス装置16、24内に存在している。例えば、図3において、土工ローラ14のアンバランス装置16を用いて示されているように、当該アンバランス装置それぞれは、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ54を含んでおり、アンバランス電気駆動モータ54は、アンバランス回転軸Uに対して偏心の質量中心Mを有するように構成された少なくとも1つのアンバランス質量56を、アンバランス軸Uの周りに回転するように駆動する。図3に示されたアンバランス装置16の実施例では、アンバランス回転軸Uは、土工ローラ14の回転軸Dに一致しているので、アンバランス軸Uの周りに回転するアンバランス質量56によって、ローラ回転軸Dに対して略直角に方向付けられた力が、土工ローラ14に加えられ、これによって、土工ローラ14は、振動運動を行う。従って、このように構成された、又は、動作可能であるアンバランス装置16は、振動装置を供給する。
【0025】
このようなアンバランス装置16、24の代替的な態様の種類では、ローラ回転軸Dに関してずらされ、ローラ回転軸Dに対して平行なアンバランス回転軸を有する少なくとも2つのアンバランス質量が設けられていてよく、これらのアンバランス質量のアンバランス回転軸は、ローラ回転軸Dに関して、互いに向かい合って配置されていてよい。このようなアンバランス装置は、ローラ回転軸に対して接線方向の力を生じさせ、これによって、土工ローラに揺動運動を行わせるように動作することが可能であり、揺動運動の際に、土工ローラは、ローラ回転軸の周りに回転するように、周期的に加速又は減速される。この場合、アンバランス装置は、揺動装置を形成する。このような、ローラ回転軸に対してずらされたアンバランス回転軸を備えた2つ又は少なくとも2つのアンバランス質量を有するように構成されたアンバランス装置は、代替的に、回転するアンバランス質量によって、ローラ回転軸に対して直角に方向付けられた力が生じるように動作してもよく、この場合、このようなアンバランス装置は、振動装置として動作し得る。
【0026】
アンバランス装置16のアンバランス電気駆動モータ54、又は、土工機械10に設けられた各アンバランス電気駆動モータ54は、電気エネルギー消費機器を提供し、当該電気エネルギー消費機器は、トラクション電動機38及びステアリング電動機46のように、エネルギー貯蔵装置58から、例えば少なくとも1つのバッテリから、電気エネルギーを供給される。さらなる電気エネルギー消費機器も、エネルギー貯蔵装置58から、電気エネルギーを供給される。図1及び図2において全体として参照符号60で表される、これらのさらなる電気エネルギー消費機器は、全体として、小規模消費機器と表すことが可能であり、そのエネルギー消費は、特にトラクション電動機38、ステアリング電動機46、又は、各アンバランス電気駆動モータ54のエネルギー消費と比較すると小さい。このような小規模消費機器60は、例えば図1及び図2に示された、運転台26の操作者席64におけるシートヒーター62を含み得るものであり、例えば、電子部品を冷却するために送風機を駆動する冷却器-送風機モータも含み得る。さらに、このような小規模消費機器60は、特に閉鎖された構造を有する運転台26の場合、運転台ヒーター又は空調設備を含み得る。土工機械10に、土工ローラ14、22の内の少なくとも1つの土工ローラに配設されて、当該土工ローラに締め固められるべき材料が付着することを回避すべく、当該土工ローラに散水するために用いられ得る散水設備が設けられている場合、小規模消費機器60は、送水ポンプ又は添加剤ポンプを含むことが可能であり、従って、水と液状の添加剤との混合によって、土工ローラ14、22の表面に散水するための混合液が作製されるか、又は、当該液体が、土工ローラ14、22の表面に散布される。図1に示された、土工機械10を公道上で動かすために必要な走行用照明66も、又は、作業範囲をより明るくするための特別な作業用照明も、運転台26の領域に設けられたオーディオ設備、又は、土工機械10の付加的な機器に電気エネルギーを供給する際に経由され得るソケットと同様に、小規模消費機器60として設けられていてよい。運転台26のための外気/循環空気送風機の送風機モータも、特に運転台26が閉鎖された構造を有する場合、小規模消費機器60として設けられていてよい。
【0027】
バッテリとして、例えばリチウムイオン電池として構成されたエネルギー貯蔵装置58には、動作中は、限られた範囲でのみ負荷を加えることが可能である。これは、エネルギー貯蔵装置58が、例えば数100Aの限られた電流フローでのみ動作可能であるということを意味している。このようなエネルギー貯蔵装置からの比較的高い電流フローは、エネルギー貯蔵装置の損傷につながり得るので、回避されねばならない。それにもかかわらず、特に、ソイルコンパクタ10において、多数の電気エネルギー消費機器が同時にエネルギー貯蔵装置58から供給を受けるべきである場合、エネルギー貯蔵装置58からの電流フローが過剰であり、例えば電流の強さの境界値を超える状態が生じ得る。
【0028】
このような状態の発生を認識可能にするために、エネルギー貯蔵装置58には、例えば電流センサを含む負荷監視装置68が配設されており、負荷監視装置68は、電流フローに対応する信号を出力する。当該信号は、ソイルコンパクタ10の制御ユニット内で評価され、土工機械10に設けられた様々な電気エネルギー消費機器の作動又は動作の根拠として、後述する方法で利用され得る。
【0029】
土工機械10の運転開始は、エネルギー貯蔵装置58の過負荷状態を回避するために、特に、高い電力消費を有し、エネルギー貯蔵装置58の高い負荷に、つまり高い電流フローの原因になる電気エネルギー消費機器が、同時に始動しないように行われ得る。例えば、土工機械10が始動すべき場合、すなわち例えば締固めモードにおいて作業を行うべきである場合、まずステアリング電動機46が、ステアリング油圧回路36内で十分な油圧圧力を供給するために始動するので、土工機械10の操縦可能性は保証されている、と規定してよい。トラクション油圧ポンプ40を駆動し、これによって、土工機械10を動かすために、ステアリング電動機46の始動に対して時間的なずれを有して、トラクション電動機38がアクティブ化され、つまり、電圧を加えられ得る。特に、電動機46、38が始動する段階では、比較的高い電流フローが生じるので、両方の電動機46、38をアクティブ化する際の時間的なずれによって、当該電動機の最大負荷が同時に生じないようにされる。
【0030】
土工機械10が動く場合、アンバランス装置16、24に配設されたアンバランス電気駆動モータ54も作動し得る。ここでは、例えば、両方のアンバランス装置16、24に設けられたアンバランス電気駆動モータ54が同時に始動するようにしてもよい。この段階においても、最大負荷が同時に発生することを回避するために、代替的に、両方のアンバランス装置16、24に設けられたアンバランス電動機54が、互いに時間的にずらされて始動するので、これらのアンバランス電気駆動モータ54の内の一方は、例えばアンバランス電気駆動モータ54の内の他方が、すでにアンバランスモードに関して定められた目標回転数の範囲の回転数で回転している場合に初めて給電される、と規定してよい。アンバランス装置16、24の一方又は両方が、複数のアンバランス電気駆動モータ54を有する場合、これらのアンバランス電気駆動モータも、互いにずらされて始動し得る。
【0031】
ソイルコンパクタ10の運転開始の当該段階では、エネルギー貯蔵装置58における最大負荷を回避するために、ソイルコンパクタ10の動作にとって補助的な役割を果たす電気エネルギー消費機器は、非アクティブ化されたままであるか、より少ない電力消費で動作し得る。これは、例えば小規模消費機器60に関する。例えば、土工機械10が運転を開始する際、シートヒーター62を動作させること、又は、空調設備を最大出力で動作させることを行わずにすむ。
【0032】
土工機械10が動作している場合、すなわち、土工機械10が、例えばアスファルト材料を締固めるために、締め固められるべき地面の上を動いている場合、エネルギー貯蔵装置58からの電流フローが、電流の強さの境界値に達する、又は、超える状態が生じることを排除することはできない。これは例えば、まず略水平な地面の上を移動している土工機械10が、傾斜の領域に移動する場合、すなわち、上り坂を移動すべき場合であり得る。このような状態において、土工機械10の走行速度を維持すべき場合、これは、トラクション電動機38によって加えられるエネルギー貯蔵装置58への負荷の著しい増大をもたらし得る。
【0033】
このようにエネルギー貯蔵装置58の負荷が過剰な状態は、例えば電流の強さの境界値に達する、又は、超えることによって認識可能であり、当該状態が生じた場合、エネルギー貯蔵装置58の負荷を低下させる様々な手段が講じられ得る。特に、エネルギー貯蔵装置58の負荷を低下させるために、様々な手法を設けることが可能である。
【0034】
例えば、まず、エネルギー貯蔵装置58の負荷の比較的大きな低下が得られるような手段を講じるという負荷軽減手法を設けることが可能である。上述したように、一般的に、トラクション電動機38がエネルギー貯蔵装置58に最も高い負荷を与えると仮定されるので、例えばこのような負荷軽減手法では、まずトラクション電動機38に作用を及ぼすことが可能であり、これによって、その回転数と、従って土工機械10が加工されるべき地面の上を移動する速度とが、低下する。この土工機械10の走行速度の低下は、例えば複数のステップにおいて、又は、連続的に、又は、各ステップの間で連続的に、所望の加工成果を得るためには下回ることができない最小の走行速度まで行われ得る。
【0035】
トラクション電動機38の対応する制御による走行速度の低下が、所望の結果につながらない場合、電力消費を基に決定された階層の内で、エネルギー貯蔵装置58の負荷を軽減するために、さらなるシステム領域が制御され得る。このようなシステム領域と見なされるのは、例えばアンバランス装置16、24又はそのアンバランス電気駆動モータ54である。エネルギー貯蔵装置58の負荷が、土工機械10の走行速度が低下した場合にも依然として過剰な場合、負荷軽減の次の段階において、アンバランス装置16、24に作用が及ぼされ得る。この際、まずアンバランス装置の内の一方が非アクティブ化されるか、又は、そのアンバランス質量56が、より低い回転数で、配設されたアンバランス回転軸Uの周りに回転するように駆動されるようにしてよい。アンバランス装置16、24の内の一方における回転数の減少が、正常にさらに動作する他方のアンバランス装置において、エネルギー貯蔵装置58の十分な負荷軽減につながらない場合、その電力消費がすでに削減されたアンバランス装置を完全に非アクティブ化することが可能であるが、他方のアンバランス装置は、さらに正常に動作することが可能であるか、又は、付加的に、他方のアンバランス装置の電力消費も削減され、そのアンバランス質量56がより低い回転数で駆動され得る。この一方又は両方のアンバランス装置16、24での電力消費の削減も、必要に応じて複数の段階で行われ得る。アンバランス装置16、24の内の一方のアンバランス装置の電力消費の削減又は非アクティブ化が、エネルギー貯蔵装置58の十分な負荷軽減にはつながらない場合、他方のアンバランス装置も非アクティブ化されるか、又は、その電力消費が削減され得るので、少なくとも一時的に、アンバランス装置16、24のいずれも動作せず、土工ローラ14、22のいずれも振動運動を行わない。
【0036】
さらなる変型例では、両方の土工ローラ14、22内に、揺動モードでも振動モードでも動作可能であるアンバランス装置16、24を設けてよい。この場合、エネルギー貯蔵装置58の負荷の軽減のために、アンバランス装置16、24の内の一方が揺動モードで動作する場合、一方のアンバランス装置において、揺動モードは、例えばより低い回転数で継続され得るが、例えばそれぞれ他方の土工ローラのアンバランス装置は、変わらず振動モードでさらに動作する。これによって導入されるエネルギー貯蔵装置58の負荷軽減も十分ではない場合、揺動モードを終了させることができるが、他方の土工ローラでは、まず振動モードが依然として維持される。エネルギー貯蔵装置58のさらなる負荷軽減のために、当該振動モードもまた、減少した回転数で継続可能であり、これもまた、エネルギー貯蔵装置58の十分な負荷軽減につながらない場合、依然として振動モードで動作しているアンバランス装置も完全に非アクティブ化される。基本的に、場合によって、揺動モードで動作しているアンバランス装置にも、電力負荷の削減のために作用を及ぼす前に、まず振動モードで動作するアンバランス装置も、その電力消費が継続的に削減され得る。
【0037】
この負荷軽減の階層の第2段階に設けられた、特に異なるアンバランス装置への作用もまた、エネルギー貯蔵装置58の十分な負荷軽減につながらない場合、負荷軽減の階層の第3段階では、小規模消費機器60に作用が及ぼされ、小規模消費機器60の少なくとも一部の非アクティブ化、又は/及び、小規模消費機器60の少なくとも一部の電力消費の削減によって、エネルギー貯蔵装置58からの電流フローがさらに低下する。
【0038】
エネルギー貯蔵装置58の負荷軽減のための代替的な手法において、異なる電気エネルギー消費機器への作用に関する優先度は、それぞれの負荷軽減への寄与ではなく、実施されるべき動作にとっての各消費機器の重要性に基づいて決定され得る。例えば、土工機械10で、地面が締め固められるべきである場合、各アンバランス装置16、24における十分な回転数と、土工機械10の十分な走行速度とが、上位の意義を有するが、例えば運転台26の十分な暖房、又は、加工されるべき地面の完全な照明は、下位の意義を有する。このような優先順位付けの場合、例えば、エネルギー貯蔵装置58の過負荷状態が認識されると、まず小規模消費機器60に作用が及ぼされ、小規模消費機器60が、運転にとって必ずしも必要でない場合には、非アクティブ化されるか、又は、その電力消費が削減される、と規定してよい。例えば、冷却器-送風機モータは、外気/循環空気送風機のための送風機モータと同様に、より低い回転数で動作可能である。シートヒーター又は運転台のための暖房も、得ようとしている作業成果にとって、直接の重要性を有していないので、負荷軽減の階層の第1段階において、非アクティブ化されるか、又は、より少ない電力消費で動作し得る。
【0039】
当該負荷軽減の第1段階が、エネルギー貯蔵装置58の十分な負荷軽減につながらない場合、この負荷軽減の階層の第2段階では、トラクション電動機38に作用が及ぼされ、トラクション電動機38の回転数の減少によって、その電力消費と、それに伴って土工機械10の走行速度とが、低下する。このことは、エネルギー貯蔵装置58の負荷軽減に、大きく寄与する。
【0040】
土工機械10の走行速度は、作業成果にとって一般的に、アンバランス装置16、24の動作よりも重要性が低いので、アンバランス装置16、24には、例えばすでに詳細に記載したように、走行速度の減少、すなわちトラクション電動機38への作用が、依然としてエネルギー貯蔵装置58の十分な負荷軽減に寄与していない場合に初めて、負荷軽減の階層の第3段階で作用が及ぼされる。
【0041】
好ましくは互いに明確に調整された方法で、個々が、又は、共に作用して、土工機械10の動作中に、様々な電気エネルギー消費機器に供給を行うエネルギー貯蔵装置58に過度に負荷を与えないため、又は、過負荷状態が生じている場合には、再び負荷を軽減するために用いられ得る様々な手段について、これまで記載してきた。これらの手段は、好ましくは、上述の階層の枠内で互いに調整されて行われるが、自明のことながら、土工機械10のその時々の動作状態にとって有利であると思われる場合には、任意で、例えば操作者の手動の相互作用によって行われてもよい。
【0042】
エネルギー貯蔵装置の負荷軽減のために本発明に基づいて行われるべき手段は、異なる構造を有する土工機械又はソイルコンパクタにおいて適用され得る。図1に示したように、このような土工機械は、土工機械の長手方向において連続して配置された2つの土工ローラを有し得る。代替的に、このような土工機械は、例えば車両前部にのみ、土工ローラを有することが可能であり、車両後部には、駆動輪が設けられている。土工ローラとして、共通の回転軸の周りに回転可能であるゴムタイヤロードローラが設けられていてもよく、金属被覆で構成された2つの土工ローラが、隣り合って、つまりローラ回転軸の方向において連続して配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0043】
10 土工機械
12 車両後部
14、22 土工ローラ
16、24 アンバランス装置
18 関節連結領域
20 車両前部
26 運転台
28 ハンドル
30 操作レバー
32 油圧システム
34 トラクション油圧回路
36 ステアリング油圧回路
38 トラクション電動機
40 トラクション油圧ポンプ
42、44 トラクション油圧モータ
46 ステアリング電動機
48 ステアリング油圧ポンプ
50 タンク
52 ステアリングユニット
54 アンバランス電気駆動モータ
56 アンバランス質量
58 エネルギー貯蔵装置
60 小規模電気エネルギー消費機器
62 シートヒーター
64 操作者席
66 走行用照明
68 負荷監視装置
D ローラ回転軸
M 質量中心
U アンバランス回転軸
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土工機械を運転するための方法であって、前記土工機械(10)は、エネルギー貯蔵装置(58)から供給を受ける複数の電気エネルギー消費機器を含んでおり、
-前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷状態が検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、若しくは/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器の電力消費が削減される、又は/並びに、
-前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態に入ることを回避するために、前記電気エネルギー消費機器が、時間をずらして始動させられる方法。
【請求項2】
前記エネルギー貯蔵装置(58)からの電流フローが検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)からの電流フローの電流の強さが、電流の強さの境界値を超える場合、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器を非アクティブ化した後、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器の電力消費を削減した後で、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合には、少なくとも1つのさらなる前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、又は/及び、少なくとも1つのさらなる前記電気エネルギー消費機器の電力消費が削減されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態が存在する場合、前記電気エネルギー消費機器の電力消費を考慮した負荷軽減手法に従って、電気エネルギー消費機器が相次いで、電力消費を減少させながら非アクティブ化される、又は/及び、減少していく電力消費を有する電気エネルギー消費機器の電力消費が相次いで削減され、まずより高い電力消費を有する電気エネルギー消費機器に作用が及び、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合には、より低い電力消費を有する前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぶことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記電気エネルギー消費機器による電力消費を考慮した負荷軽減手法において、階層群a)、b)、c)を有する階層内で、以下のように前記電気エネルギー消費機器に連続的に作用が及ぼされること、つまり、まず階層群a)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群b)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群b)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群c)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)、b)、c)は、以下の前記電気エネルギー消費機器:
a)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)、
b)土工ローラ(14、22)に配設されたアンバランス装置(16、24)のアンバランス質量(56)を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)、及び
c)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器(60)であって、電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター(62)、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明(66)、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケットを含む小規模電気エネルギー消費機器(60)、
を含んでいることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記電気エネルギー消費機器の動作の重要性を考慮した負荷軽減手法において、階層群e)、f)、g)を有する階層内で、以下のように前記電気エネルギー消費機器に連続的に作用が及ぼされること、つまり、まず階層群e)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群f)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群f)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群g)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)、f)、g)は、以下の前記電気エネルギー消費機器:
e)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器(60)であって、電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター(62)、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明(66)、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケットを含む小規模電気エネルギー消費機器(60)、
f)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)、及び
g)土工ローラ(14、22)に配設されたアンバランス装置(16、24)のアンバランス質量(56)を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)、
を含んでいることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、少なくとも2つの前記土工ローラ(14、22)の始動した前記アンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記土工ローラ(14、22)の内の一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、前記土工ローラ(14、22)の内の他方の土工ローラに配設されたアンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項8】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記土工ローラ(14、22)の内の一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置(16、24)は、前記一方の土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して直角に作用する力を生じさせるための振動装置を含み、前記土工ローラ(14、22)の内の他方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置(16、24)は、前記他方の土工ローラの回転軸(D)に対して接線方向に作用する力を生じさせるための揺動装置を含んでおり、少なくとも2つの前記土工ローラ(14、22)の始動したアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記土工ローラ(14、22)の内の前記他方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、前記土工ローラ(14、22)の内の前記一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)を有する、少なくとも1つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記アンバランス装置(16、24)は、前記土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して直角に作用する力を生じさせるための振動モードにおいて、及び、前記土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して接線方向に作用する力を生じさせるための揺動モードにおいて動作可能であり、少なくとも1つの前記土工ローラ(14、22)の揺動モードで動作するアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記アンバランス装置(16、24)の前記揺動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続され、又は/及び、少なくとも1つの前記土工ローラ(14、22)の振動モードで動作するアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記振動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項10】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)と、少なくとも1つのステアリング油圧ポンプ(48)を駆動する、ステアリング油圧回路(36)の少なくとも1つのステアリング電動機(46)と、を含んでおり、前記土工機械(10)の運転開始に際して、少なくとも1つの前記ステアリング電動機(46)が、少なくとも1つの前記トラクション電動機(38)の前に始動することを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項11】
前記土工機械(10)の運転開始に際して、前記ステアリング電動機(46)それぞれが、前記トラクション電動機(38)それぞれの前に始動することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)を有する、少なくとも1つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記土工機械(10)の運転開始に際して、少なくとも1つの前記トラクション電動機(38)が、少なくとも1つの前記アンバランス電気駆動モータ(54)の前に始動することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記土工機械(10)の運転開始に際して、前記トラクション電動機(38)それぞれが、前記アンバランス電気駆動モータ(54)それぞれの前に始動することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記エネルギー貯蔵装置(58)の充電状態が検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)の充電が過小な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化されるか、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器による電力消費が削減されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項15】
土工機械(10)がソイルコンパクタであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0042】
エネルギー貯蔵装置の負荷軽減のために本発明に基づいて行われるべき手段は、異なる構造を有する土工機械又はソイルコンパクタにおいて適用され得る。図1に示したように、このような土工機械は、土工機械の長手方向において連続して配置された2つの土工ローラを有し得る。代替的に、このような土工機械は、例えば車両前部にのみ、土工ローラを有することが可能であり、車両後部には、駆動輪が設けられている。土工ローラとして、共通の回転軸の周りに回転可能であるゴムタイヤロードローラが設けられていてもよく、金属被覆で構成された2つの土工ローラが、隣り合って、つまりローラ回転軸の方向において連続して配置されていてもよい。
[付記項1]
土工機械、特にソイルコンパクタを運転するための方法であって、前記土工機械(10)は、エネルギー貯蔵装置(58)から供給を受ける複数の電気エネルギー消費機器を含んでおり、
-前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷状態が検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、若しくは/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器の電力消費が削減される、又は/並びに、
-前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態に入ることを回避するために、前記電気エネルギー消費機器が、時間をずらして始動させられる方法。
[付記項2]
前記エネルギー貯蔵装置(58)からの電流フローが検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)からの電流フローの電流の強さが、電流の強さの境界値を超える場合、前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識されることを特徴とする、付記項1に記載の方法。
[付記項3]
少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器を非アクティブ化した後、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器の電力消費を削減した後で、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態の存在が認識される場合には、少なくとも1つのさらなる前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化される、又は/及び、少なくとも1つのさらなる前記電気エネルギー消費機器の電力消費が削減されることを特徴とする、付記項1又は2に記載の方法。
[付記項4]
前記エネルギー貯蔵装置(58)の負荷が過剰な状態が存在する場合、前記電気エネルギー消費機器の電力消費を考慮した負荷軽減手法に従って、電気エネルギー消費機器が相次いで、電力消費を減少させながら非アクティブ化される、又は/及び、減少していく電力消費を有する電気エネルギー消費機器の電力消費が相次いで削減され、まずより高い電力消費を有する電気エネルギー消費機器に作用が及び、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合には、より低い電力消費を有する前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぶことを特徴とする、付記項1から3のいずれか一項に記載の方法。
[付記項5]
前記電気エネルギー消費機器による電力消費を考慮した負荷軽減手法において、階層群a)、b)、c)を有する階層内で、以下のように前記電気エネルギー消費機器に連続的に作用が及ぼされること、つまり、まず階層群a)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群b)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群b)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群c)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群a)、b)、c)は、以下の前記電気エネルギー消費機器:
a)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)、
b)土工ローラ(14、22)に配設されたアンバランス装置(16、24)のアンバランス質量(56)を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)、及び
c)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器(60)であって、電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター(62)、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明(66)、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケットを含む小規模電気エネルギー消費機器(60)、
を含んでいることを特徴とする、付記項4に記載の方法。
[付記項6]
前記電気エネルギー消費機器の動作の重要性を考慮した負荷軽減手法において、階層群e)、f)、g)を有する階層内で、以下のように前記電気エネルギー消費機器に連続的に作用が及ぼされること、つまり、まず階層群e)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群f)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群f)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及んだ後も引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、階層群g)の少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器に作用が及ぼされ、階層群e)、f)、g)は、以下の前記電気エネルギー消費機器:
e)少なくとも1つの小規模電気エネルギー消費機器(60)であって、電子部品の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、油圧流体の冷却のための冷却器-送風機モータ、又は/及び、シートヒーター(62)、又は/及び、運転台ヒーター、又は/及び、空調設備、又は/及び、送水ポンプ、又は/及び、添加剤ポンプ、又は/及び、作業用照明、又は/及び、走行用照明(66)、又は/及び、オーディオ設備、又は/及び、外気/循環空気-送風機モータ、又は/及び、ソケットを含む小規模電気エネルギー消費機器(60)、
f)少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)、及び
g)土工ローラ(14、22)に配設されたアンバランス装置(16、24)のアンバランス質量(56)を駆動する、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)、
を含んでいることを特徴とする、付記項1から3のいずれか一項に記載の方法。
[付記項7]
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、少なくとも2つの前記土工ローラ(14、22)の始動した前記アンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記土工ローラ(14、22)の内の一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、前記土工ローラ(14、22)の内の他方の土工ローラに配設されたアンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作することを特徴とする、付記項1から6のいずれか一項に記載の方法。
[付記項8]
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)をそれぞれ有する、少なくとも2つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記土工ローラ(14、22)の内の一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置(16、24)は、前記一方の土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して略直角に作用する力を生じさせるための振動装置を含み、前記土工ローラ(14、22)の内の他方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置(16、24)は、前記他方の土工ローラの回転軸(D)に対して略接線方向に作用する力を生じさせるための揺動装置を含んでおり、少なくとも2つの前記土工ローラ(14、22)の始動したアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記土工ローラ(14、22)の内の前記他方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置は、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作し、引き続き前記エネルギー貯蔵装置(58)の過剰な負荷が存在する場合、前記土工ローラ(14、22)の内の前記一方の土工ローラに配設された前記アンバランス装置が、非アクティブ化されるか、又は、より低い回転数で動作することを特徴とする、付記項1から7のいずれか一項に記載の方法。
[付記項9]
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)を有する、少なくとも1つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記アンバランス装置(16、24)は、前記土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して略直角に作用する力を生じさせるための振動モードにおいて、及び、前記土工ローラ(14、22)の回転軸(D)に対して略接線方向に作用する力を生じさせるための揺動モードにおいて動作可能であり、少なくとも1つの前記土工ローラ(14、22)の揺動モードで動作するアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記アンバランス装置(16、24)の前記揺動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続され、又は/及び、少なくとも1つの前記土工ローラ(14、22)の振動モードで動作するアンバランス装置(16、24)で、前記エネルギー貯蔵装置(58)の過負荷の状態の存在が認識される場合、前記振動モードが終了するか、又は、より低い回転数で継続されることを特徴とする、付記項1から8のいずれか一項に記載の方法。
[付記項10]
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのトラクション油圧ポンプ(40)を駆動する、トラクション油圧回路(34)の少なくとも1つのトラクション電動機(38)と、少なくとも1つのステアリング油圧ポンプ(48)を駆動する、ステアリング油圧回路(36)の少なくとも1つのステアリング電動機(46)と、を含んでおり、前記土工機械(10)の運転開始に際して、少なくとも1つの、好ましくは前記ステアリング電動機(46)それぞれが、少なくとも1つの、好ましくは前記トラクション電動機(38)それぞれの前に始動することを特徴とする、付記項1から9のいずれか一項に記載の方法。
[付記項11]
前記土工機械(10)が、少なくとも1つのアンバランス電気駆動モータ(54)によって回転するように駆動され得る少なくとも1つのアンバランス質量(56)を備えたアンバランス装置(16、24)を有する、少なくとも1つの土工ローラ(14、22)を含んでおり、前記土工機械(10)の運転開始に際して、少なくとも1つの、好ましくは前記トラクション電動機(38)それぞれが、少なくとも1つの、好ましくは前記アンバランス電気駆動モータ(54)それぞれの前に始動することを特徴とする、付記項10に記載の方法。
[付記項12]
前記エネルギー貯蔵装置(58)の充電状態が検出され、前記エネルギー貯蔵装置(58)の充電が過小な状態の存在が認識される場合、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器が非アクティブ化されるか、又は/及び、少なくとも1つの前記電気エネルギー消費機器による電力消費が削減されることを特徴とする、付記項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【外国語明細書】