(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063291
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2023006472
(22)【出願日】2023-01-19
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】小川 正悟
(72)【発明者】
【氏名】馬場 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】天野 輝正
(72)【発明者】
【氏名】三東 隼司
(57)【要約】
【課題】興趣を向上させること。
【解決手段】特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、時短状態を終了させるための第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が成立可能であって、第1小当り終了条件の成立により時短状態が終了してから小当り遊技が開始される状況と、第2小当り終了条件の成立により時短状態で小当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であり、特別当り抽選の結果が小当りとなって1回目の小当り遊技が付与され、その後に、特別当り抽選の結果が、1回目の小当り遊技が付与されたときと同じ小当りとなって2回目の小当り遊技が付与された状況において、1回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、2回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、演出内容の少なくとも一部が異なりうる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、
遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、
演出を実行する演出実行手段と、
前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、
前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、
前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、
前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、
前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、
前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であり、
前記当り抽選の結果が前記特定結果となって1回目の特定当り遊技が付与され、その後に、前記当り抽選の結果が、前記1回目の特定当り遊技が付与されたときと同じ前記特定結果となって2回目の特定当り遊技が付与された状況において、前記1回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、前記2回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、演出内容の少なくとも一部が異なりうることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記1回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、前記2回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、で特定演出が構成される請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機は、複数種類の遊技状態に制御可能に構成される(例えば、特許文献1)。このような遊技機には、通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態(例えば、時短状態)に制御可能に構成されるものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年では、遊技状態に関する制御について、さらに工夫を凝らすことによって、興趣を向上させることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であり、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって1回目の特定当り遊技が付与され、その後に、前記当り抽選の結果が、前記1回目の特定当り遊技が付与されたときと同じ前記特定結果となって2回目の特定当り遊技が付与された状況において、前記1回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、前記2回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、演出内容の少なくとも一部が異なりうることを要旨とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、興趣の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図4】(a)は、第1特別図柄の小当り図柄の種類を示す説明図であり、(b)は、第2特別図柄の小当り図柄の種類を示す説明図である。
【
図5】大当り遊技後に時短状態に制御されるときの各時短状態の終了条件を示す説明図である。
【
図6】(a)は、ゲーム終了条件又は第1小当り終了条件が成立した場合の遊技状態の移行の一例を示すタイミングチャートであり、(b)は、第2小当り終了条件が成立した場合の遊技状態の移行の一例を示すタイミングチャートである。
【
図7】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図8】(a)~(c)は、変動パターンの種類を示す説明図である。
【
図10】小当り遊技中及び大当り遊技中に実行される演出の種類を示す説明図である。
【
図11】(a)~(k)は、小当り遊技中及び大当り遊技中に実行される各種の演出の実行態様の一例を示す説明図である。
【
図12】(a)~(d)は、特別ゲームの実行中に実行される各種の演出の実行態様の一例を示す説明図である。
【
図13】(a)~(h)は、遊技の進行に伴って実行される演出の流れの一例を示す説明図である。
【
図14】(a)~(g)は、遊技の進行に伴って実行される演出の流れの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態について説明する。以下の説明において、上、下、左、右、前(表)、及び後(裏)は、遊技者から見たときの各方向を示すものとする。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10は、遊技球を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDを備える。パチンコ遊技機10は、音声を出力するスピーカSPを備える。スピーカSPは、楽曲や効果音などの音声を出力して行う演出(以下、音声演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、スピーカSPは、演出を実行する演出実行手段の一例である。パチンコ遊技機10は、図示しない発光体を用いて行う発光演出を実行する装飾ランプLAを備える。装飾ランプLAは、図示しない発光体を点灯、点滅、及び消灯することにより発光演出を実行可能である。本実施形態において、装飾ランプLAは、演出を実行する演出実行手段の一例である。
【0009】
パチンコ遊技機10は、所定の動作による演出(以下、可動体演出と示す)を実行可能な可動体を備える。本実施形態の可動体には、第1演出用可動体EK1と、第2演出用可動体EK2と、が含まれる。第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2は、所定の動作が可能な手段として把握できる。本実施形態において、第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2は、演出を実行する演出実行手段の一例である。パチンコ遊技機10は、各可動体を動作させる図示しないアクチュエータを備える。第1演出用可動体EK1は、アクチュエータの作動により第1演出用可動体EK1の原位置から第1演出用可動体EK1の演出位置の範囲内で動作可能に構成されている。第2演出用可動体EK2は、アクチュエータの作動により第2演出用可動体EK2の原位置から第2演出用可動体EK2の演出位置の範囲内で動作可能に構成されている。
【0010】
パチンコ遊技機10は、遊技盤YBを備える。遊技盤YBの前面側には、正面視において略円形の遊技領域YBaが画成されている。本実施形態において、遊技領域YBaには、発射ハンドルHDの操作により発射された遊技球が到達しうる。遊技盤YBは、正面から見たときの略中央部分に、開口窓YBbを備える。開口窓YBbには、各種の意匠が施されたセンター枠Wが組み付けられている。
【0011】
図2に示すように、パチンコ遊技機10は、画像を表示可能な画像表示部GHを有する演出表示装置12を備える。演出表示装置12は、正面から見たときに、画像表示部GHが遊技盤YBの開口窓YBb(センター枠W)を介して視認可能となるように、遊技盤YBに組み付けられている。例えば、画像表示部GHは、液晶パネルや、有機ELパネルである。演出表示装置12は、所定のキャラクタや文字を模した画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。本実施形態において、演出表示装置12は、演出を実行する演出実行手段の一例である。
【0012】
パチンコ遊技機10は、所定の情報を表示可能な情報表示装置13を備える。情報表示装置13は、遊技盤YBにおいて、遊技者が視認可能な位置に設けられている。
情報表示装置13は、第1特別図柄表示部13aを備える。第1特別図柄表示部13aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第1特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第1特別図柄変動ゲームを実行可能である。情報表示装置13は、第2特別図柄表示部13bを備える。第2特別図柄表示部13bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に第2特別図柄を確定停止表示させる変動ゲームとしての第2特別図柄変動ゲームを実行可能である。第1特別図柄、及び第2特別図柄は、後述する特別当り抽選の結果を報知するための図柄である。本実施形態において、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bは、特別図柄を表示する手段として把握できる。
【0013】
以下の説明では、第1特別図柄の特別当り抽選を略して「第1特別当り抽選」と示すとともに、第2特別図柄の特別当り抽選を略して「第2特別当り抽選」と示す。また、第1特別図柄変動ゲームを略して「第1特別ゲーム」と示し、第2特別図柄変動ゲームを略して「第2特別ゲーム」と示す。また、第1特別ゲームと、第2特別ゲームと、を総称して「特別ゲーム」と示す。本明細書において、「変動表示」とは、表示されている図柄の種類が時間の経過とともに変化している状態を意味している。本明細書において、「確定停止表示」とは、図柄が確定的に停止表示されており、表示されている図柄の種類が変化しない状態を意味している。図柄について、「確定停止表示」と「導出」とは同じ意味である。
【0014】
第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bにおいて導出可能な特別図柄には、小当り図柄と、はずれ図柄とがある。本実施形態において、第1特別ゲームと第2特別ゲームとは、同時に実行されない。本実施形態では、特別当り抽選において小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄が導出され、該特別ゲームの終了後に小当り遊技が付与される。小当り遊技について、詳しくは後述する。本実施形態において、特別当り抽選において小当りに当選することが、特別当り抽選の結果が特定結果となることに相当する。一方、特別当り抽選において小当りに当選しなかった場合、特別ゲームにおいてはずれ図柄が導出される。即ち、本実施形態の第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bでは、特別当り抽選の結果に基づいて特別図柄を変動及び停止させて行う特別ゲームを実行可能である。
【0015】
情報表示装置13は、第1特別保留表示部13cを備える。第1特別保留表示部13cは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の第1特別ゲームの回数を「第1特別保留数」と示す。本実施形態において、第1特別保留数の上限数は「4」である。なお、詳しくは後述するが、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2特別ゲームの実行を保留しないように構成されている。
【0016】
情報表示装置13は、普通図柄表示部13dを備える。普通図柄表示部13dは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を確定停止表示させる普通図柄変動ゲームを実行可能である。普通図柄は、後述する普通当り抽選の結果を報知するための図柄である。以下の説明では、普通図柄変動ゲームを略して「普通ゲーム」と示す。普通図柄表示部13dに導出可能な普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄とがある。本実施形態では、普通当り抽選において普通当りに当選した場合、普通ゲームにおいて普通当り図柄が導出され、該普通ゲームの終了後に普通当り遊技が付与される。
【0017】
情報表示装置13は、普通保留表示部13eを備える。普通保留表示部13eは、保留条件が成立したが、実行条件が未だ成立していないことによって、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。以下の説明では、保留中の普通ゲームの回数を「普通保留数」と示す。本実施形態において、普通保留数の上限数は「4」である。なお、情報表示装置13における各表示部は、1つの表示装置に設けられている必要はなく、異なる部分に設けられていてもよい。また、情報表示装置13は、所謂「右打ち」を指示する情報を表示する右打ち表示部や、後述するラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部を備えていてもよい。
【0018】
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成される。複数の入賞口は、遊技領域YBaに開口する。複数の入賞口は、第1始動入賞口14と、第2始動入賞口15と、第1大入賞口18と、第2大入賞口20と、一般入賞口22と、を含む。複数の入賞口には、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0019】
第1始動入賞口14は、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動入賞口14への入球に伴って付与される賞球の数(賞球数)は、「1」である。一例として、第1始動入賞口14は、演出表示装置12の下方にある。第1始動入賞口14は、常に遊技球を入球させうるように開口される。遊技盤YBは、第1始動入賞口14へ入球した遊技球を検知する第1始動入賞センサSE1を備える(
図7参照)。
【0020】
第2始動入賞口15は、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの実行条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において、第2始動入賞口15は、所定の始動口に相当する。一例として、第2始動入賞口15への入球に伴って付与される賞球数は、「1」である。一例として、第2始動入賞口15は、演出表示装置12の右方にある。遊技盤YBは、第2始動入賞口15へ入球した遊技球を検知する第2始動入賞センサSE2を備える(
図7参照)。
【0021】
遊技盤YBは、扉状であることを一例とする普通開閉片16を備える。普通開閉片16は、遊技球が入球可能となるように第2始動入賞口15を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように第2始動入賞口15を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる。即ち、本実施形態において、普通開閉片16は、第2始動入賞口15を開放する開放状態及び第2始動入賞口15を閉鎖する閉鎖状態を取りうる手段として把握できる。普通開閉片16は、常には閉鎖状態となっており、普通当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第2始動入賞口15は、普通当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、普通開閉片16を動作させる手段として、第1ソレノイドSL1を備える(
図7参照)。
【0022】
本実施形態の一例において、第2始動入賞口15は、遊技領域YBaにおいて上方に向かって開口している。このため、本実施形態では、普通開閉片16が開放状態である場合、第2始動入賞口15の直上空間15aに到達した遊技球は、その全部又は略全部が第2始動入賞口15に入球する。即ち、普通開閉片16が開放状態である場合、遊技球は、遊技領域YBaのうち、第2始動入賞口15よりも下流側の領域へと流入しない、又はし難い。一方で、普通開閉片16は、閉鎖状態となることにより第2始動入賞口15を閉鎖する。このため、本実施形態では、普通開閉片16が閉鎖状態である場合、遊技球は、普通開閉片16の上を転動し、遊技領域YBaのうち、第2始動入賞口15よりも下流側の領域へと流入しうる。このように、普通開閉片16は、遊技球が、遊技領域YBaにおける第2始動入賞口15よりも下流側の領域へと流下することを許容及び阻止する手段として把握できる。
【0023】
第1大入賞口18は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。本実施形態において、第1大入賞口18は、特別入賞口に相当する。一例として、第1大入賞口18への入球に伴って付与される賞球数は、「15」である。一例として、第1大入賞口18は、遊技領域YBaのうち、第2始動入賞口15よりも下流側の領域にある。なお、遊技領域YBaには、原則として、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過した遊技球のみが第1大入賞口18へ到達し得るように、釘や壁等の障害物によって流路が形成されている。遊技盤YBは、第1大入賞口18へ入球した遊技球を検知する第1カウントセンサSE3を備える(
図7参照)。
【0024】
遊技盤YBは、扉状であることを一例とする第1特別開閉片19を備える。第1特別開閉片19は、遊技球が入球可能となるように第1大入賞口18を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように第1大入賞口18を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる。即ち、本実施形態において、第1特別開閉片19は、第1大入賞口18を開放する開放状態及び第1大入賞口18を閉鎖する閉鎖状態を取りうる手段として把握できる。第1特別開閉片19は、常には閉鎖状態となっており、小当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第1大入賞口18は、小当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、第1特別開閉片19を動作させる手段として、第2ソレノイドSL2を備える(
図7参照)。本実施形態において、小当り遊技では、第1大入賞口18が開放され、該第1大入賞口18に入球した遊技球が第1カウントセンサSE3によって検知されることで賞球の付与条件が成立する。このため、小当り遊技では、第1カウントセンサSE3により検知された遊技球の数に応じた数の賞球を獲得可能である。
【0025】
第1大入賞口18の奥方には、第1大入賞口18に入球した遊技球が通過可能な通路26が設けられている。通路26は、分岐部27において、第1通路26aと第2通路26bとに分岐する。分岐部27には、第4ソレノイドSL4(
図7参照)の作動により、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26a又は第2通路26bに振り分ける振分シャッタ28が設けられている。振分シャッタ28は、第1大入賞口18に入球した遊技球を第1通路26aに振り分ける第1状態と、第2通路26bに振り分ける第2状態とを取りうるように動作する。振分シャッタ28は、予め定められた動作条件が成立すると、所定の動作パターンで動作する。
【0026】
第1通路26aには、第1通路26aのうち特定領域29を通過する遊技球を検知する特定通過センサSE5(
図7参照)が設けられている。特定領域29は、いわゆるV領域である。特定通過センサSE5は、第1大入賞口18に入球した遊技球のうち特定領域29を通過する遊技球を検知する手段として把握できる。詳しくは後述するが、本実施形態では、小当り遊技において第1大入賞口18が開放された場合に、該第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aのうち特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されたことを契機として大当りとなり、大当り遊技が生起される。
【0027】
第2大入賞口20は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2大入賞口20への入球に伴って付与される賞球数は、「15」である。一例として、第2大入賞口20は、第1大入賞口18の下方にある。遊技盤YBは、第2大入賞口20へ入球した遊技球を検知する第2カウントセンサSE4を備える(
図7参照)。
【0028】
遊技盤YBは、扉状であることを一例とする第2特別開閉片21を備える。第2特別開閉片21は、遊技球が入球可能となるように第2大入賞口20を開放する開放状態と、遊技球が入球不能となるように第2大入賞口20を閉鎖する閉鎖状態と、を取りうる。第2特別開閉片21は、常には閉鎖状態となっており、大当り遊技が生起された場合に開放状態に動作する。即ち、第2大入賞口20は、大当り遊技が生起されると、遊技球を入球させることができるように開放される。遊技盤YBは、第2特別開閉片21を動作させる手段として、第3ソレノイドSL3を備える(
図7参照)。本実施形態において、大当り遊技では、第2大入賞口20が開放され、該第2大入賞口20に入球した遊技球が第2カウントセンサSE4によって検知されることで賞球の付与条件が成立する。このため、大当り遊技では、第2カウントセンサSE4により検知された遊技球の数に応じた数の賞球を獲得可能である。
【0029】
一般入賞口22は、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、一般入賞口22への入球に伴って付与される賞球数は、「5」である。一例として、一般入賞口22は、第2大入賞口20の下方に複数ある。一般入賞口22は、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤YBは、一般入賞口22へ入球した遊技球を検知する一般入賞センサSE6を備える(
図7参照)。
【0030】
遊技盤YBは、ゲート23を備える。一例として、ゲート23は、第2始動入賞口15の上方にある。ゲート23には、ゲート口23aが形成されている。ゲート口23aは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。ゲート23は、ゲート口23aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサSE7を備える(
図7参照)。ゲート口23aは、普通ゲームの保留条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート口23aは、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0031】
次に、本実施形態において、遊技球が流下する経路について説明する。
パチンコ遊技機10は、遊技領域YBaにおいて遊技球が流下する経路として、遊技球の発射強度に応じた複数通りの経路を有している。遊技球が流下する経路は、遊技球が流下する領域として把握することもできる。複数通りの経路には、センター枠W(演出表示装置12)の左側を流下する第1経路R1と、センター枠W(演出表示装置12)の右側を流下する第2経路R2と、がある。第1経路R1と第2経路R2は、一部が重複してもよく、全部が重複していなくてもよい。以下の説明では、遊技盤YBを正面視したときに遊技領域YBaを左右に二等分する中心線CLよりも左側に位置する領域を左側領域R1aと示し、中心線CLよりも右側に位置する領域を右側領域R2aと示す。左側領域R1aを流下する経路は第1経路R1に相当し、右側領域R2aを流下する経路は第2経路R2に相当する。
【0032】
遊技者は、発射ハンドルHDを操作して遊技球の発射強度を調整することで、左側領域R1a及び右側領域R2aに遊技球を打ち分けることができる。第1経路R1上(左側領域R1a)には、第1始動入賞口14が開口している。このため、発射強度を弱めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が左側領域R1aを流下し易く、第1始動入賞口14へ入球する可能性がある。第2経路R2上(右側領域R2a)には、上流から順に、ゲート口23a、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、第2大入賞口20、及び一般入賞口22が開口している。このため、発射強度を強めに調整して遊技球を発射させた場合、遊技球が右側領域R2aを流下し易く、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、第2大入賞口20、一般入賞口22、又はゲート口23aへ入球する可能性がある。
【0033】
特に、本実施形態では、第1大入賞口18は、遊技領域YBaにおいて、第2始動入賞口15よりも下流に開口している。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第2経路R2(右側領域R2a)において、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過した遊技球のみが第1大入賞口18に到達可能に構成されている。このため、第1大入賞口18へ遊技球を到達させるためには、第2始動入賞口15に遊技球を入球させることなく第2始動入賞口15の直上空間15aを通過させる必要がある。なお、第2大入賞口20へは、第2経路R2を流下する遊技球のうち、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過した遊技球、及び直上空間15aを通過していない遊技球の何れも到達し得る。
【0034】
以下の説明では、遊技球が第1経路R1上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「左打ち」と示す場合がある。また、遊技球が第2経路R2上を流下し易い発射強度で遊技球を発射することを「右打ち」と示す場合がある。
【0035】
次に、パチンコ遊技機10の遊技状態について説明する。
図3に示すように、パチンコ遊技機10は、特別ゲームの平均変動時間が異なる遊技状態として、通常状態と、時短状態と、を備える。時短状態には、第1時短状態と、第2時短状態と、がある。本実施形態の時短状態は、通常状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。第1時短状態は、第2時短状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態である。即ち、本実施形態において、特別ゲームの平均変動時間は、通常状態>第2時短状態>第1時短状態の順で短い。
【0036】
また、本実施形態の時短状態は、通常状態と比較して、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態である。言い換えれば、本実施形態において、時短状態は、通常状態と比較して第2始動入賞口15への遊技球の入球率が向上する入球率向上状態である。本実施形態の時短状態は、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高まり、第2始動入賞口15への遊技球の入球が容易になる観点において、通常状態よりも遊技者にとって有利である。本実施形態において、時短状態は、通常状態よりも第2始動入賞口15に遊技球を入球させ易い特定状態に相当する。本実施形態において、第1時短状態は、第1特定状態に相当し、第2時短状態は、第2特定状態に相当する。
【0037】
第2始動入賞口15への遊技球の入球率は、普通当り抽選の当選確率を、通常状態のときよりも高確率に変動させることにより向上させることができる。本実施形態では、通常状態における普通当り抽選の当選確率は「0%」である。即ち、本実施形態の通常状態では、普通当り抽選において普通当りに当選しない。このため、本実施形態の通常状態では、普通当り遊技が生起されず第2始動入賞口15が開放されないことから、第2始動入賞口15へ遊技球を入球させることができない。一方、本実施形態において、時短状態における普通当り抽選の当選確率は「100%」である。即ち、本実施形態の時短状態では、普通当り抽選において必ず普通当りに当選する。このため、本実施形態の時短状態では、普通当り遊技が生起されて第2始動入賞口15が開放されることから、第2始動入賞口15へ遊技球を入球させることができる。
【0038】
そして、本実施形態の時短状態は、通常状態と比較して、遊技球が第2始動入賞口15に入球する確率が高い状態であることから、遊技球が第1大入賞口18に到達しにくい状態であるといえる。なお、本明細書において、遊技球が第1大入賞口18に到達しにくい状態には、遊技球が第1大入賞口18に到達不能な状態を含むことを意図している。特に、本実施形態のパチンコ遊技機10は、時短状態である場合には、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過しようとする遊技球の全て、又は略全てが第2始動入賞口15に入球することで、遊技球が第1大入賞口18に到達しない、又は極めて到達し難いように構成されている。このため、小当り遊技中では、遊技状態が時短状態に制御されていると、該小当り遊技において第1大入賞口18が開放されても、遊技球を第1大入賞口18に入球させ難い、又は入球させることができない。このように、小当り遊技中の遊技状態が時短状態に制御されている場合、該小当り遊技において、第1大入賞口18へ遊技球を入球させること、及び特定領域29に遊技球を通過させることは、実質的に不可能である。
【0039】
一方で、本実施形態のパチンコ遊技機10は、通常状態である場合には、普通当り抽選に当選せず普通当り遊技が付与されないことから、第2始動入賞口15が開放されないため、遊技球が第2始動入賞口15の直上空間15aを通過し、第1大入賞口18に到達しうるように構成されている。このため、小当り遊技中、通常状態に制御されているときには、該小当り遊技において第1大入賞口18が開放された場合に、遊技球が第1大入賞口18に到達しうることから、特定通過センサSE5によって遊技球が検知されうる。このように、小当り遊技では、遊技状態が通常状態に制御されていると、第1大入賞口18に遊技球を入球させ易い、又は入球させることができる。よって、本実施形態の通常状態は、小当り遊技において遊技球が第1大入賞口18へ入球し易いという観点において、時短状態よりも遊技者にとって有利である。
【0040】
このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技中に通常状態に制御されている場合には、小当り遊技中に時短状態に制御されている場合と比較して、特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い動作態様で普通開閉片16が動作されるといえる。言い換えれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技中に通常状態に制御されている場合には、小当り遊技中に時短状態に制御されている場合と比較して、小当り遊技において特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い。
【0041】
ここで、第2始動入賞口15の直上空間15aを通過しようとする遊技球のすべてが第2始動入賞口15に入球するように構成するためには、第2始動入賞口15が普通開閉片16により閉鎖されている時間が、閉鎖されている普通開閉片16の上を遊技球が転動して通過するのに要する時間よりも短い時間であるとよい。
【0042】
閉鎖されている普通開閉片16の上を遊技球が転動して通過するのに要する時間は、例えば、遊技球の転動方向(進行方向)に沿った普通開閉片16の長さ、水平方向に対して普通開閉片16が傾斜している角度、普通開閉片16の上を遊技球が転動するときに接触する部材の摩擦係数などによって定まる。遊技球の転動方向に沿った普通開閉片16の長さを長くすれば、普通開閉片16の上を遊技球が移動する距離が長くなるため、遊技球が普通開閉片16の上を転動して通過するのに要する時間は長くなる。水平方向に対して普通開閉片16が傾斜している角度を小さくすれば、傾斜している角度が大きい場合と比較して遊技球の進行速度が遅くなるため、遊技球が普通開閉片16の上を転動して通過するのに要する時間は長くなる。普通開閉片16の上を遊技球が転動するときに接触する部材の摩擦係数を大きくすれば、遊技球が減速するため、遊技球が普通開閉片16の上を転動して通過するのに要する時間は長くなる。
【0043】
また、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は、例えば、ゲート口23aへの遊技球の入球確率、普通当り抽選の当選確率、普通ゲームの変動時間、普通当り遊技における第2始動入賞口15の開放時間などによって定まる。ゲート口23aへの遊技球の入球確率を高くすれば、普通当り抽選が実行される頻度が高くなるため、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。普通当り抽選の当選確率を高くすれば、普通当り遊技が終了してから次に普通当りに当選するまでの時間が短くなるため、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。普通ゲームの変動時間を短くすれば、普通当り抽選に当選したときから普通当り遊技が生起されるまでの時間が短くなるため、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。普通当り遊技における第2始動入賞口15の開放時間を長くすれば、第2始動入賞口15が閉鎖されている時間は短くなる。
【0044】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における特別当り抽選の当選確率について説明する。
本実施形態において、第1特別当り抽選と、第2特別当り抽選とでは、小当りに当選する確率が異なる。一例として、第2特別当り抽選で小当りに当選する確率は、第1特別当り抽選で小当りに当選する確率よりも高い。具体的に、本実施形態において、第1特別当り抽選で小当りに当選する確率は、1/300である。一方で、本実施形態において、第2特別当り抽選で小当りに当選する確率は、1/1である。即ち、本実施形態の第2特別当り抽選では、必ず小当りに当選する。
【0045】
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10における小当り遊技について説明する。
小当り遊技は、小当り図柄が導出された特別ゲームの終了後、所定のインターバル時間が経過すると開始される。小当り遊技では、最初に、予め定められたオープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の開始を示すオープニング演出である。小当り遊技は、オープニング時間の経過後に、遊技球を入球させうるように第1大入賞口18が開放されるラウンド遊技が行われる。即ち、本実施形態では、特別当り抽選で小当りに当選した場合、特別ゲームにおいて小当り図柄を導出した後に第1大入賞口18を開放させる小当り遊技が生起される。そして、小当り遊技は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する入球条件、又は予め定められた上限時間が経過する時間経過条件が成立したことを契機として、第1大入賞口18が閉鎖される。即ち、本実施形態において、第1特別開閉片19は、小当り遊技中に開放状態に動作し、入球条件又は時間経過条件の成立を契機として閉鎖状態に動作する。また、本実施形態では、ラウンド遊技中に所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、第1大入賞口18を開放するラウンド遊技の実行中であることを示すラウンド演出である。その後、小当り遊技では、予め定められたエンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、小当り遊技の終了を示すエンディング演出である。そして、小当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了する。小当り遊技は、当り遊技、及び特定当り遊技の一例である。
【0046】
次に、本実施形態における大当り遊技について説明する。本実施形態において、大当り遊技は、小当り遊技において第1通路26aにある特定領域29(特定通過センサSE5)を遊技球が通過したことを条件として、該小当り遊技の終了後に開始される。
【0047】
大当り遊技では、最初に、予め定められたオープニング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を示すオープニング演出である。大当り遊技は、オープニング時間の経過後に、遊技球を入球させうるように第2大入賞口20が開放されるラウンド遊技が予め定められた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定められた上限個数の遊技球が入球する第1ラウンド終了条件、又は予め定められた上限時間が経過する第2ラウンド終了条件が成立することによって終了される。ラウンド遊技において、第2大入賞口20は、所定の開放態様となるように開放される。具体的に、本実施形態において、第2大入賞口20は、ラウンド遊技の開始を契機として開放され、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖される。即ち、本実施形態において、第2特別開閉片21は、ラウンド遊技の開始を契機として開放状態に動作し、ラウンド遊技の終了を契機として閉鎖状態に動作する。本実施形態では、ラウンド遊技中に所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、第2大入賞口20を開放するラウンド遊技の実行中であることを示すラウンド演出である。最終回のラウンド遊技が終了すると、大当り遊技では、予め定められたエンディング時間にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を示すエンディング演出である。そして、大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了する。大当り遊技は、当り遊技の一例である。
【0048】
次に、本実施形態における当りの種類について説明する。
図4(a)及び(b)に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別図柄の小当り図柄として、複数種類の小当り図柄を備える。複数種類の小当り図柄には、それぞれ小当り遊技の種類が定められている。小当り図柄の種類は、小当りの種類としても把握できる。本実施形態において、第1特別図柄の小当り図柄及び第2特別図柄の小当り図柄には、それぞれ予め定められた複数種類の小当り図柄がある。
【0049】
第1特別図柄の小当り図柄は、予め定められた比率で、特別図柄ZA、特別図柄ZB、及び特別図柄ZCの3つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第1特別図柄の小当り図柄のうち、10種類の小当り図柄が特別図柄ZAに、50類の小当り図柄が特別図柄ZBに、40種類の小当り図柄が特別図柄ZCに、それぞれ分類されている。以下の説明では、特別図柄ZAに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZA」、特別図柄ZBに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZB」、特別図柄ZCに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZC」と示す。
【0050】
第2特別図柄の小当り図柄は、予め定められた比率で、特別図柄Za、特別図柄Zb、及び特別図柄Zcの3つのグループに分類されている。具体的に、本実施形態では、100種類の第2特別図柄の小当り図柄のうち、60種類の小当り図柄が特別図柄Zaに、10種類の小当り図柄が特別図柄Zbに、30種類の小当り図柄が特別図柄Zcに、それぞれ分類されている。以下の説明では、特別図柄Zaに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZa」、特別図柄Zbに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZb」、特別図柄Zcに分類される小当り図柄に基づく小当りを「小当りZc」と示す。
【0051】
本実施形態の小当り遊技では、小当り遊技の種類によらず、同じ動作パターンで振分シャッタ28が動作する。この動作パターンにおいて、振分シャッタ28は、小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能な態様で動作する。言い換えれば、本実施形態の小当り遊技では、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aを通過可能である。具体的に、本実施形態における振分シャッタ28の動作パターンは、小当り遊技の開始に伴って第1状態に動作し、小当り遊技の終了に伴って第2状態に動作する動作パターンである。このため、小当り遊技中に第1大入賞口18に入球した遊技球は、原則として第1通路26aにある特定領域29を通過し、特定通過センサSE5によって検知される。そして、本実施形態では、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過し、特定通過センサSE5で検知された場合に大当りとなり、該小当り遊技の終了後に大当り遊技が生起される。
【0052】
以下の説明では、小当りZAに基づく小当り遊技を「小当り遊技ZA」と示す場合があるとともに、小当り遊技ZAにおいて遊技球が特定領域29を通過した場合に生起される大当り遊技を「大当り遊技ZA」と示す場合がある。同様に、小当りZB、小当りZC、小当りZa、小当りZb、及び小当りZcの各小当りに基づく小当り遊技を、それぞれ「小当り遊技ZB」、「小当り遊技ZC」、「小当り遊技Za」、「小当り遊技Zb」、及び「小当り遊技Zc」と示す場合がある。小当り遊技Zaは、第1特定当り遊技の一例である。小当り遊技Zbは、第2特定当り遊技の一例である。小当り遊技Zcは、第3特定当り遊技の一例である。さらに、小当り遊技ZB、小当り遊技ZC、小当り遊技Za、小当り遊技Zb、及び小当り遊技Zcの各小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過した場合に生起される大当り遊技を、それぞれ「大当り遊技ZB」、「大当り遊技ZC」、「大当り遊技Za」、「大当り遊技Zb」、及び「大当り遊技Zc」と示す場合がある。以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別当り抽選の結果に応じて小当り遊技を付与可能に構成されている。
【0053】
本実施形態において、大当り遊技ZA,ZB,ZC,Za,Zbでは、ラウンド遊技の上限回数として9回が定められている。このため、小当りZA,ZB,ZC,Za,Zbに基づいて大当り遊技が生起される場合には、小当り遊技における第1大入賞口18の開放と、小当りに基づく大当り遊技における第2大入賞口20の開放とを合わせて、10回のラウンド遊技が実行されるといえる。また、大当り遊技Zcでは、ラウンド遊技の上限回数として1回が定められている。このため、小当りZcに基づいて大当り遊技が生起される場合には、小当り遊技における第1大入賞口18の開放と、小当りに基づく大当り遊技における第2大入賞口20の開放とを合わせて、2回のラウンド遊技が実行されるといえる。
【0054】
本実施形態では、小当りの種類と、小当り遊技の開始時(小当り遊技開始時)の遊技状態と、の組み合わせに応じて、遊技球が特定領域29を通過したことを契機として生起される大当り遊技の終了後(大当り遊技終了後)の遊技状態が定められている。具体的に、小当りZA,Za,Zbの何れかと、小当り遊技開始時の遊技状態として通常状態と、の組み合わせには、大当り遊技終了後の遊技状態として第1時短状態が定められている。即ち、小当り遊技開始時の遊技状態が通常状態であり、小当り遊技ZA,Za,Zbにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたときには、大当り遊技終了後の遊技状態が第1時短状態に制御される。
【0055】
小当りZBと、小当り遊技開始時の遊技状態として通常状態と、の組み合わせには、大当り遊技終了後の遊技状態として第2時短状態が定められている。即ち、小当り遊技開始時の遊技状態が通常状態であり、小当り遊技ZBにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたときには、大当り遊技終了後の遊技状態が第2時短状態に制御される。
【0056】
小当りZC,Zcと、小当り遊技開始時の遊技状態として通常状態と、の組み合わせには、大当り遊技終了後の遊技状態として通常状態が定められている。即ち、小当り遊技開始時の遊技状態が通常状態であり、小当り遊技ZC,Zcにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたときには、大当り遊技終了後の遊技状態が通常状態に制御される。
【0057】
小当りZA,ZB,ZC,Zb,Zcの何れかと、小当り遊技開始時の遊技状態として時短状態と、の組み合わせには、大当り遊技終了後の遊技状態として第1時短状態が定められている。即ち、小当り遊技開始時の遊技状態が時短状態であり、小当り遊技ZA,ZB,ZC,Zb,Zcにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたときには、大当り遊技終了後の遊技状態が第1時短状態に制御される。
【0058】
小当りZaと、小当り遊技開始時の遊技状態として時短状態と、の組み合わせには、大当り遊技終了後の遊技状態として第2時短状態が定められている。即ち、小当り遊技開始時の遊技状態が時短状態であり、小当り遊技Zaにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたときには、大当り遊技終了後の遊技状態が第2時短状態に制御される。
【0059】
ここで、本実施形態における時短状態の終了条件について説明する。
図5に示すように、時短状態の終了条件には、特別ゲームが実行された回数に基づいて成立可能なゲーム終了条件と、特別当り抽選の結果が小当りとなった回数に基づいて成立可能な小当り終了条件と、がある。時短状態の終了条件は、時短状態を終了させるための条件として把握できる。本実施形態において、小当り終了条件は、時短状態を終了させるための特定条件に相当する。
【0060】
ゲーム終了条件は、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの合計回数が規定ゲーム回数に達することで成立する。一例として、規定ゲーム回数は、250回である。小当り終了条件には、第1小当り終了条件と、第2小当り終了条件と、がある。第1小当り終了条件は、特別当り抽選において、第1種類の小当りに当選した回数が第1小当り回数に達することで成立する。第2小当り終了条件は、特別当り抽選において、第2種類の小当りに当選した回数が第2小当り回数に達することで成立する。第1種類の小当りには、小当りZA,Za,Zb,Zcがある。第2種類の小当りには、小当りZA,Za,Zbがある。なお、小当りZB,ZCは、各小当り回数の計数対象とされていない。このように、第1小当り終了条件は、小当り遊技ZA,Za,Zb,Zcが付与される状況において成立可能である。一方、第1小当り終了条件は、小当り遊技ZB,ZCが付与される状況において成立不能である。第2小当り終了条件は、小当り遊技ZA,Za,Zbが付与される状況において成立可能である。一方、第2小当り終了条件は、小当り遊技ZB,ZC,Zcが付与される状況において成立不能である。
【0061】
第1時短状態には、規定ゲーム回数を250回としたゲーム終了条件と、第1小当り回数を250回とした第1小当り終了条件と、第2小当り回数を1回とした第2小当り終了条件と、が定められている。第2時短状態には、規定ゲーム回数を250回としたゲーム終了条件と、第1小当り回数を1回とした第1小当り終了条件と、第2小当り回数を250回とした第2小当り終了条件と、が定められている。本実施形態において、第1小当り終了条件は、第1特定条件に相当する。本実施形態において、第2小当り終了条件は、第2特定条件に相当する。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10は、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、時短状態を終了させるための小当り終了条件が成立可能に構成される。
【0062】
また、図示しないが、時短状態の終了条件には、大当り遊技の開始に基づいて成立する大当り終了条件がある。大当り終了条件は、何れの時短状態において何れの大当り遊技が開始された場合であっても成立する。主制御CPU41aは、大当り遊技が開始された場合、第1時短状態及び第2時短状態を終了して通常状態に制御する。
【0063】
次に、
図6(a)及び(b)を参照して、時短状態の終了タイミングについて説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10において、時短状態の終了タイミングは、成立した終了条件に応じて異なる。
【0064】
図6(a)は、何れかの時短状態において、ゲーム終了条件、又は第1小当り終了条件が成立する状況を示す。ここでは、時点T10~時点T11にかけて何れかの特別ゲームが実行されることによって、ゲーム終了条件、又は第1小当り終了条件が成立したとする。この場合に、時短状態は、特別ゲームの終了時に終了される(時点T11)。その後、所定のインターバル時間が経過すると、小当り遊技が開始される(時点T12)。一例として、インターバル時間は、500msである。このように、ゲーム終了条件、及び第1小当り終了条件の何れかが成立すると、時短状態は、その終了条件が成立した特別ゲームの終了時に終了する。即ち、第1小当り終了条件が成立すると、時短状態は、小当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて終了される。
【0065】
図6(b)は、何れかの時短状態において、第2小当り終了条件が成立する状況を示す。ここでは、時点T20~時点T21にかけて何れかの特別ゲームが実行されることによって、第2小当り終了条件が成立したとする。この場合に、時短状態は、特別ゲームの終了時に終了しない(時点T21)。時短状態は、所定のインターバル時間の経過後、小当り遊技の開始時に終了せず、該小当り遊技の開始時直後に終了する(時点T22)。このように、第2小当り終了条件が成立すると、時短状態は、その終了条件が成立した特別ゲームの終了後に生起する小当り遊技が開始したときに終了する。本実施形態において、小当り遊技の開始時は、小当り遊技のオープニング時間が開始する時点に相当する。本実施形態において、第2小当り終了条件が成立した場合、時短状態は、小当り遊技のオープニング時間が開始した後の時点にて終了する。一例として、小当り遊技のオープニング時間が開始した後の時点は、小当り遊技のオープニング時間が開始してから所定の時間が経過した時点である。即ち、第2小当り終了条件が成立すると、時短状態は、少なくとも小当り遊技の開始時まで終了せず、その後に終了される。
【0066】
次に、パチンコ遊技機10において実行される演出図柄変動ゲームについて説明する。
本実施形態において、演出表示装置12は、演出図柄を複数列で変動表示させるとともに、最終的に演出図柄の組み合わせを導出させる演出図柄変動ゲームを実行可能である。即ち、本実施形態において、演出表示装置12は、演出図柄を表示する手段として把握できる。以下の説明では、演出図柄変動ゲームを略して「演出ゲーム」と示す。演出図柄は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄(飾り図柄)であって、表示演出を多様化させるためのものである。本実施形態において、演出ゲームは、第1列、第2列、及び第3列の図柄列をそれぞれ所定の方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。
【0067】
演出ゲームは、特別ゲームの開始に伴って開始され、特別ゲームの終了に伴って終了される。具体的に、演出ゲームでは、第1列~第3列の各図柄列において演出図柄が一時的に停止表示(以下、一旦停止表示と示す)された後に、各図柄列に一旦停止表示されている演出図柄が確定停止表示されることにより、演出図柄の組み合わせが導出される。演出ゲームでは、特別ゲームにて導出された特別図柄に応じた演出図柄の組み合わせが導出される。即ち、本実施形態の演出表示装置12は、特別ゲームに伴って演出図柄を変動及び停止させて行う演出ゲームを実行可能である。
【0068】
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について説明する。
図7に示すように、パチンコ遊技機10は、主制御基板40を備える。主制御基板40は、各種の処理を行い、該処理の結果に応じて、制御情報の一例である制御コマンドなどの制御信号を出力する。パチンコ遊技機10は、副制御基板50を備える。主制御基板40と、副制御基板50とは、主制御基板40から副制御基板50へ一方向に制御信号を出力可能となるように接続されている。副制御基板50は、主制御基板40から入力した制御信号に基づいて所定の処理を実行する。
【0069】
主制御基板40について詳しく説明する。
主制御基板40は、マイクロプロセッサ41を備える。マイクロプロセッサ41は、処理部として主制御CPU41aを備える。主制御CPU41aは、主制御用のプログラムを実行することにより、各種処理を実行する。マイクロプロセッサ41は、記憶部として主制御ROM41b及び主制御RAM41cを備える。主制御ROM41bは、情報の読出しが可能であって、且つ情報の書込みが不能な領域である。主制御RAM41cは、情報の読出し及び書込みが可能な領域である。
【0070】
主制御ROM41bは、各種の判定や抽選に用いる判定値やテーブルなどを記憶している。主制御ROM41bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、変動ゲームの変動内容を特定可能な変動情報である。特に、本実施形態において、変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの演出内容を特定可能な情報であってもよい。
【0071】
主制御RAM41cは、主制御CPU41aによる処理の結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。即ち、主制御RAM41cは、各種の情報を記憶する手段として把握できる。例えば、主制御RAM41cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。マイクロプロセッサ41は、ハードウェア乱数を生成する図示しない乱数回路を備える。マイクロプロセッサ41は、主制御CPU41aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能であってもよい。なお、主制御CPU41a、主制御ROM41b、及び主制御RAM41cは、マイクロプロセッサ41としてワンチップに構成されていることに限らず、それぞれ別体に構成されていてもよい。
【0072】
主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1、第2始動入賞センサSE2、第1カウントセンサSE3、第2カウントセンサSE4、特定通過センサSE5、一般入賞センサSE6、及びゲートセンサSE7と接続されている。主制御CPU41aは、各センサが遊技球を検知したときに出力する検知信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13と接続されている。主制御CPU41aは、情報表示装置13の表示内容を制御可能に構成されている。
【0073】
主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1、第2ソレノイドSL2、第3ソレノイドSL3、及び第4ソレノイドSL4と接続されている。主制御CPU41aは、第1ソレノイドSL1を制御することによって、普通開閉片16の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第2ソレノイドSL2を制御することによって、第1特別開閉片19の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第3ソレノイドSL3を制御することによって、第2特別開閉片21の動作を制御可能に構成されている。主制御CPU41aは、第4ソレノイドSL4を制御することによって、振分シャッタ28の動作を制御可能に構成されている。
【0074】
本実施形態のパチンコ遊技機10は、パチンコ遊技機10の電源断後に主制御基板40に電力を供給可能な図示しないバックアップ電源を備えている。バックアップ電源は、例えばキャパシタや二次電池である。そして、主制御基板40は、パチンコ遊技機10に電源が供給されているときにはパチンコ遊技機10から電力が供給される一方で、パチンコ遊技機10の電源断がなされた後には、バックアップ電源から電力が供給されることにより、主制御RAM41cに記憶されている各種の情報を記憶保持(バックアップ)可能である。
【0075】
本実施形態では、主制御RAM41cに記憶されている一部又は全部の情報がバックアップの対象となる。主制御RAM41cにおけるバックアップの対象となる各種情報には、遊技の進行に関連する遊技情報がある。例えば、遊技情報には、特別ゲームに関連する情報と、小当り遊技に関連する情報と、大当り遊技に関連する情報と、遊技状態に関連する情報と、賞球に関連する情報と、がある。特別ゲームに関連する情報としては、例えば、第1特別保留数を特定可能な情報、各種の乱数情報、特別当り抽選の結果を特定可能な情報、変動ゲームの変動パターンを特定可能な情報、特別ゲームで導出する特別図柄を特定可能な情報などである。小当り遊技に関連する情報としては、小当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。大当り遊技に関連する情報としては、大当り遊技の進行状況を特定可能な情報などである。各当り遊技の進行状況を特定可能な情報は、現在のラウンド遊技数、現在のラウンド遊技の残り時間、及び現在のラウンド遊技における入球数などである。遊技状態に関連する情報としては、現在の遊技状態を特定可能な情報などである。賞球に関連する情報としては、未払出しの賞球数を特定可能な情報などである。
【0076】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、主制御RAM41cの記憶内容を消去する操作が可能な図示しないRAMクリアスイッチを備えている。主制御CPU41aは、図示しないRAMクリアスイッチ回路を介してRAMクリアスイッチと接続されている。主制御CPU41aは、RAMクリアスイッチが操作(押下)されたときに出力する操作信号を入力可能に構成されている。主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電源投入時にRAMクリアスイッチが操作されていることを示す操作信号を入力している場合に、主制御RAM41cに記憶されている各種の情報を初期化する制御を実行する。
【0077】
次に、副制御基板50について詳しく説明する。
副制御基板50は、副制御CPU50aと、副制御ROM50bと、副制御RAM50cとを備える。副制御CPU50aは、副制御用のプログラムを実行することにより、演出に関する各種の処理を行う。副制御ROM50bは、副制御プログラムや、所定の抽選に用いる判定値などを記憶している。副制御ROM50bは、表示演出に用いる表示演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、音声演出に用いる音声演出データ、及び可動体演出に用いる可動体演出データなどを記憶している。
【0078】
副制御RAM50cは、パチンコ遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、副制御RAM50cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。本実施形態において、また、副制御基板50は、副制御CPU50aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されている。なお、副制御基板50は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0079】
副制御CPU50aは、演出表示装置12と接続されている。副制御CPU50aは、演出表示装置12の表示内容を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAと接続されている。副制御CPU50aは、装飾ランプLAの発光態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、スピーカSPと接続されている。副制御CPU50aは、スピーカSPの出力態様を制御可能に構成されている。副制御CPU50aは、第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2と接続されている。副制御CPU50aは、第1演出用可動体EK1及び第2演出用可動体EK2の動作を制御可能に構成されている。本実施形態において、副制御CPU50aは、演出実行手段としての演出表示装置12、装飾ランプLA、スピーカSP、第1演出用可動体EK1、及び第2演出用可動体EK2を制御する演出制御手段に相当する。
【0080】
次に、主制御CPU41aが行う各種の処理について説明する。
まず、本実施形態のパチンコ遊技機10における電源投入時の制御について説明する。
電源投入処理において、主制御CPU41aは、割込み処理を禁止に設定する。次に、主制御CPU41aは、RAMクリアスイッチから操作信号を受信しているか否かに基づいて、RAMクリアスイッチがオン状態に操作されているか否かを判定する。
【0081】
RAMクリアスイッチがオン状態に操作されている場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cのRAMクリア処理を行う。主制御RAM41cのRAMクリア処理において、主制御CPU41aは、主制御RAM41cの記憶内容を初期化する。即ち、主制御CPU41aは、パチンコ遊技機10への電力供給が開始されたことを契機として主制御RAM41cの記憶内容を初期化する制御を実行可能である。また、主制御CPU41aは、主制御RAM41cのRAMクリア処理の実行に伴ってRAMクリアコマンドを副制御基板50へ出力する。続いて、主制御CPU41aは、特別ゲームを実行可能な状態に制御する。その後、主制御CPU41aは、主制御RAM41cのRAMクリア処理を終了するとともに、割込み処理を許可に設定し、電源投入処理を終了する。
【0082】
一方、RAMクリアスイッチがオン状態に操作されていない場合、主制御CPU41aは、バックアップ異常であるか否か、つまり、主制御RAM41cの記憶内容に異常があるか否かを確認する。バックアップ異常である場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cのRAMクリアスイッチがオン状態に操作されているときと同様にRAMクリア処理を行う。
【0083】
一方、バックアップ異常ではない場合、主制御CPU41aは、復帰処理を行う。主制御CPU41aは、復帰処理の開始に伴って復帰コマンドを副制御基板50へ出力する。復帰コマンドは、電力供給が開始されたことと、電源断がなされたときの状態に復帰することと、を特定可能な情報である。続いて、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに保持(バックアップ)されている各種の情報に基づいて、電源断がなされたときの状態に復帰するように制御する。その後、主制御CPU41aは、復帰処理を終了するとともに、割込み処理を許可に設定し、電源投入処理を終了する。例えば、主制御CPU41aは、小当り遊技中に電源断がなされた後、電源投入された場合には、電源断がなされたときの進行状況となるように小当り遊技を復帰させる。このとき、主制御CPU41aは、小当り遊技に復帰したことを特定可能な情報(以下、小当り遊技復帰コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。小当り遊技復帰コマンドは、復帰した小当り遊技の種類を特定可能な情報でもある。また、例えば、主制御CPU41aは、大当り遊技中に電源断がなされた後、電源投入された場合には、電源断がなされたときの進行状況となるように大当り遊技を復帰させる。このとき、主制御CPU41aは、大当り遊技に復帰したことを特定可能な情報(以下、大当り遊技復帰コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。大当り遊技復帰コマンドは、復帰した大当り遊技の種類を特定可能な情報でもある。
【0084】
例えば、主制御CPU41aは、時短状態に制御されているときに電源断がなされた後、電源投入された場合には、電源断がなされたときの時短状態に復帰するように制御する。このとき、時短状態に復帰したことを特定可能な情報(以下、時短状態復帰コマンドと示す)を副制御基板50へ出力する。時短状態復帰コマンドは、復帰した時短状態が、第1時短状態及び第2時短状態の何れであるかを特定可能な情報でもある。その他、主制御CPU41aは、電源断がなされたときの状態に復帰するように制御した場合、主制御RAM41cに保持(バックアップ)されている各種の情報を特定可能な情報(コマンド)を副制御基板50へ出力する。
【0085】
次に、所定の制御周期(例えば4ms)毎に行う割込み処理として実現される各種の処理について説明する。
まず、第1特別図柄入力処理について説明する。
【0086】
第1特別図柄入力処理において、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動入賞口14へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第1始動入賞口14へ入賞した場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する。第1特別保留数が上限数未満である場合、主制御CPU41aは、第1特別保留数を1加算して更新する。続けて、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報を表示するように、第1特別保留表示部13cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1特別保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動入賞センサSE1によって検知されると成立する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を特定可能な情報(以下、第1保留数コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされた情報(制御コマンド)は、所定の出力処理において副制御基板50へ出力される。
【0087】
次に、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。例えば、乱数は、特別当り抽選に用いる特別当り乱数、特別図柄の決定に用いる特別図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別ゲームに用いる乱数情報を主制御RAM41cに記憶させておくことで、該第1特別ゲームの実行条件が成立するまで、その実行を保留することができる。
【0088】
第1特別ゲーム用の乱数情報を主制御RAM41cに記憶させた場合、第1始動入賞口14へ遊技球が入賞していない場合、及び、第1特別保留数が上限数未満ではない場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄入力処理を終了する。
【0089】
次に、第1特別図柄開始処理について説明する。
第1特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。主制御CPU41aは、小当り遊技中ではなく、大当り遊技中ではなく、特別ゲームの実行中ではなく、かつ特別ゲーム終了後のインターバル時間中ではない場合に肯定判定する一方、小当り遊技中、大当り遊技中、特別ゲームの実行中、又は特別ゲーム終了後のインターバル時間中である場合に否定判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が「1」以上であるか否かを判定する。第1特別保留数が「1」以上ではない場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄開始処理を終了する。
【0090】
第1特別保留数が「1」以上である場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームを開始させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数を「1」減算して更新する。この処理において、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数が表示されるように、第1特別保留表示部13cを制御する。このとき、主制御CPU41aは、更新後の第1特別保留数を示す第1保留数コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0091】
次に、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから取得する。続けて、主制御CPU41aは、取得した乱数情報から特定される特別当り乱数を用いて第1特別当り抽選を行う。具体的に、第1特別当り抽選において、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値に基づいて、小当りか否かを決定する。小当りに当選した場合、主制御CPU41aは、特別図柄乱数の値に基づいて、第1特別図柄の小当り図柄のうち何れかの特別図柄を決定する。一方、小当りに当選しなかった場合、主制御CPU41aは、第1特別図柄のはずれ図柄を決定する。以下の説明では、特別当り抽選において、何れの当りにも当選しないことを「はずれ」と示す場合がある。
【0092】
主制御CPU41aは、第1特別ゲームにて導出される特別図柄を決定した場合、取得した乱数情報から特定される変動パターン乱数の値に基づいて選択を行うことにより、複数種類の変動パターンの中から変動パターンを選択する。詳しくは後述するが、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて異なる態様によって変動パターン選択処理を行うことにより、遊技状態に応じて特別ゲームの平均変動時間を異ならせるように制御する。主制御CPU41aは、変動パターンを決定すると、第1特別図柄開始処理を終了する。
【0093】
次に、第2特別図柄開始処理について説明する。
第2特別図柄開始処理において、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動入賞口15へ入賞したか否かを判定する。遊技球が第2始動入賞口15へ入賞した場合、主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている第1特別保留数が「0」であるか否かを判定する。第1特別保留数が「0」ではない場合、主制御CPU41aは、第2特別図柄開始処理を終了する。即ち、主制御CPU41aは、第1特別ゲームの実行が保留されている場合、第2特別ゲームを実行しない。
【0094】
一方で、第1特別保留数が「0」である場合、主制御CPU41aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、主制御CPU41aは、第2特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、該取得した乱数に基づいて第2特別ゲームを開始させるための処理を行う。
【0095】
主制御CPU41aは、取得した乱数のうち特別当り乱数を用いて第2特別当り抽選を行う。具体的に、第2特別当り抽選において、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値に基づいて、小当りか否かを決定する。小当りに当選した場合、主制御CPU41aは、特別図柄乱数の値に基づいて、第2特別図柄の小当り図柄のうち何れかの特別図柄を決定する。本実施形態において、特別当り抽選は、当り抽選に相当する。
【0096】
主制御CPU41aは、第2特別ゲームにて導出される特別図柄を決定すると、取得した乱数のうち変動パターン乱数の値に基づいて選択を行うことにより、複数種類の変動パターンの中から変動パターンを選択する。主制御CPU41aは、変動パターンを決定すると、第2特別図柄開始処理を終了する。
【0097】
変動パターン選択処理について説明する。
図8(a)~(c)に示すように、主制御CPU41aは、現在の遊技状態と、導出される特別図柄と、に応じて変動パターンの選択条件を異ならせうる。変動パターン選択処理において、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて変動パターンテーブルを選択する。各変動パターンテーブルには、複数種類の変動パターンが予め定められている。通常状態において、主制御CPU41aは、第1変動パターンテーブルを選択する。第1時短状態において、主制御CPU41aは、第2変動パターンテーブルを選択する。第2時短状態において、主制御CPU41aは、第3変動パターンテーブルを選択する。
【0098】
主制御CPU41aは、変動パターンテーブルを選択すると、導出される特別図柄に応じて変動パターンを選択する。
第1変動パターンテーブルを選択した場合について説明する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄がはずれ図柄であると変動パターンHP01,HP02の何れかの変動パターンを選択する。主制御CPU41aは、複数の変動パターンのうち何れかの変動パターンを選択する場合、変動パターン乱数と、変動パターン判定値と、を用いて所定の抽選を行うことにより変動パターンを選択する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄ZA,ZB,ZCの何れかであると変動パターンHP03,HP04の何れかの変動パターンを選択する。なお、変動パターンHP01~HP04で特定される変動時間は、それぞれ異なる。一例として、変動パターンHP01~HP04の変動時間は、HP02<HP04<HP01<HP03の順に長い。通常状態では、第2始動入賞口15へ遊技球が入球し得ないため、第2特別ゲームが実行されない。よって、主制御CPU41aは、通常状態において特別図柄Za,Zb,Zcが導出されるときの変動パターンを選択することはない。
【0099】
第2変動パターンテーブルを選択した場合について説明する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄がはずれ図柄であると変動パターンHP11を選択する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄ZA,Za,Zbの何れかであると変動パターンHP12,HP13の何れかの変動パターンを選択する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄ZB,ZCの何れかであると変動パターンHP14を選択する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄Zcであると変動パターンHP15を選択する。なお、変動パターンHP11~HP15に対応付けられた変動時間は、それぞれ異なる。一例として、変動パターンHP11~HP15の変動時間は、HP14<HP15<HP11<HP13<HP12の順に長い。
【0100】
第3変動パターンテーブルを選択した場合について説明する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄がはずれ図柄であると変動パターンHP21を選択する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかであると変動パターンHP22,HP23の何れかの変動パターンを選択する。主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄ZB,ZCの何れかであると変動パターンHP24を選択する。なお、変動パターンHP21~HP24に対応付けられた変動時間は、それぞれ異なる。一例として、変動パターンHP21~HP24の変動時間は、HP24<HP21<HP23<HP22の順に長い。
【0101】
このように、主制御CPU41aは、特別当り抽選の結果に応じて複数種類の変動パターンの中から何れかの変動パターンを選択する変動パターン選択処理を実行する。本実施形態において、主制御CPU41aは、特別当り抽選の結果に応じて変動ゲームの変動パターンを選択する選択手段に相当する。そして、本実施形態において、第1特別図柄表示部13a及び第2特別図柄表示部13bは、主制御CPU41aによって選択された変動パターンに基づいた変動ゲームを実行可能なゲーム実行手段に相当する。
【0102】
上述したように、第1時短状態では、第2小当り回数が1回であるから、特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されると第2小当り終了条件が成立する。第1時短状態では、左打ちするよりも右打ちしたほうが小当り遊技及び大当り遊技が付与され易いから遊技者にとって有利である。第1時短状態において右打ちされたときには、ゲーム終了条件よりも第2小当り終了条件が成立し易い。また、第1時短状態において右打ちされたときには、第1小当り終了条件よりも第2小当り終了条件が成立し易い。そして、第1時短状態において右打ちされたときには、実質的に、第2小当り終了条件が成立する前にゲーム終了条件及び第1小当り終了条件が成立し得ない。よって、第1時短状態では、原則、特別図柄ZB,ZC,Zc、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立することはない。
【0103】
図8(b)に示すように、第1時短状態において特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときと、第1時短状態において特別図柄ZB,ZC,Zc、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときとでは、選択対象となる変動パターンが異なる。つまり、変動パターンの選択条件が異なる。例えば、第1時短状態において特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときには、複数の変動パターンから抽選により変動パターンが決定される。そして、第1時短状態において特別図柄ZA,Za,Zbの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときは、第1時短状態において特別図柄ZB,ZC,Zc、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときよりも特別ゲームの平均変動時間が長い。
【0104】
第2時短状態では、第1小当り回数が1回であるから、特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されると第1小当り終了条件が成立する。第2時短状態では、左打ちするよりも右打ちしたほうが小当り遊技及び大当り遊技が付与され易いから遊技者にとって有利である。第2時短状態において右打ちされたときには、ゲーム終了条件よりも第1小当り終了条件が成立し易い。また、第2時短状態において右打ちされたときには、第2小当り終了条件よりも第1小当り終了条件が成立し易い。そして、第2時短状態において右打ちされたときには、実質的に、第1小当り終了条件が成立する前にゲーム終了条件及び第2小当り終了条件が成立し得ない。よって、第2時短状態では、原則、特別図柄ZB,ZC、及びはずれ図柄が導出されて時短状態の終了条件が成立することはない。
【0105】
図8(c)に示すように、第2時短状態において特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときと、第2時短状態において特別図柄ZB,ZC、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときとでは、選択対象となる変動パターンが異なる。つまり、変動パターンの選択条件が異なる。例えば、第2時短状態において特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときには、複数の変動パターンから抽選により変動パターンが決定される。そして、第2時短状態において特別図柄ZA,Za,Zb,Zcの何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立するときは、第2時短状態において特別図柄ZB,ZC、及びはずれ図柄の何れかが導出されて時短状態の終了条件が成立しないときよりも特別ゲームの平均変動時間が長い。以上のように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときと、では、変動パターンの選択条件が異なりうる。
【0106】
主制御ROM41bには、第3変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合に、第1変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合よりも特別ゲームの平均変動時間が短くなるように変動パターンが定められている。主制御ROM41bには、第2変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合に、第3変動パターンテーブルにより変動パターンが決定された場合よりも特別ゲームの平均変動時間が短くなるように変動パターンが定められている。なお、主制御CPU41aは、遊技状態に応じて決定可能な変動パターンを異ならせることにより、特別ゲームの平均変動時間を異ならせてもよいし、遊技状態に応じて変動パターンの決定割合を異ならせることにより、特別ゲームの平均変動時間を異ならせてもよい。
【0107】
第1特別図柄開始処理又は第2特別図柄開始処理を終了すると、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、特別ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、特別図柄の変動を開始させるように情報表示装置13の表示内容を制御する。また、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理において決定した特別図柄を指定する情報(以下、特別図柄指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、変動パターンを指定するとともに演出ゲームの開始を指示する情報(以下、変動パターン指定コマンドと示す)を出力バッファにセットする。続いて、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、各特別図柄開始処理において決定した特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示装置13を制御して特別ゲームを終了させる。また、主制御CPU41aは、各特別図柄開始処理において決定した変動パターンに定められた変動時間が経過すると、演出図柄の組み合わせを導出させるための情報(以下、全図柄停止コマンドと示す)を出力バッファにセットする。このような制御により、主制御CPU41aは、変動パターンに定められた変動時間にわたって特別図柄を変動表示させるように制御する。
【0108】
主制御CPU41aは、特別ゲームを終了させると、インターバル時間の計測を開始する。主制御CPU41aは、インターバル時間が経過するまで特別図柄が確定停止表示されるように、情報表示装置13を制御する。よって、インターバル時間は、特別図柄の確定停止表示時間として把握できる。主制御CPU41aは、導出された特別図柄が小当り図柄のうち何れかの特別図柄であった場合、後述する小当り処理を実行する。主制御CPU41aは、導出された特別図柄がはずれ図柄であった場合、新たな特別ゲームを開始させうる。
【0109】
このような第1特別図柄入力処理、第1特別図柄開始処理、及び第2特別図柄開始処理により、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2特別ゲームに優先して第1特別ゲームが実行される。本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別ゲームの開始条件が成立していない場合、又は、第1特別ゲームが保留されている場合には、第2始動入賞口15へ入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されたときであっても、第2特別ゲームを実行しないとともに、第2特別ゲームの実行を保留しない。即ち、第2特別ゲームは、特別ゲームの開始条件が成立しており、且つ、第1特別ゲームが保留されていない場合には、第2始動入賞口15へ入球した遊技球が第2始動入賞センサSE2によって検知されたことを条件として実行可能である。
【0110】
次に、主制御CPU41aが行う小当り遊技を生起させるための小当り処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが以下の小当り処理を実行することにより、特別当り抽選の結果が小当りとなった場合に小当り遊技を生起させる手段が実現される。主制御CPU41aは、小当りの特別ゲームの終了後、小当り処理を行う。小当り処理において、主制御CPU41aは、当選した小当りの種類に応じた制御を行うことにより、当選した小当りに基づく小当り遊技を生起させる。
【0111】
最初に、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始するとともに、小当り遊技の開始を特定可能な情報(以下、小当り遊技開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。一例として、主制御CPU41aは、所定の割込み処理を行うことによりオープニング時間の計測を行う。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、所定の開放パターンに基づいて第1大入賞口18が開放されるように第2ソレノイドSL2を制御するとともに、第1大入賞口18が開放されたことを特定可能な情報(以下、開放開始コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、入球条件又は時間経過条件が成立すると、第1大入賞口18が閉鎖されるように第2ソレノイドSL2を制御するとともに、第1大入賞口18が閉鎖されたことを特定可能な情報(以下、開放終了コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、エンディング時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、小当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、小当り遊技終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、小当り処理を終了する。以上のような小当り処理により、主制御CPU41aは、小当り遊技が生起された場合に第1特別開閉片19を開放状態に制御可能である。
【0112】
また、主制御CPU41aは、小当り処理において、小当り遊技中に所定の動作パターンに基づいて振分シャッタ28を動作させるように第4ソレノイドSL4を制御する。そして、主制御CPU41aは、小当り遊技の終了時において、所定の動作パターンに基づく振分シャッタ28の動作が終了していない場合、小当り遊技の終了に伴って振分シャッタ28の動作を終了させるように第4ソレノイドSL4を制御する。
【0113】
次に、主制御CPU41aが行う大当り遊技を生起させるための大当り処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが以下の大当り処理を実行することにより、大当り遊技を生起させる手段が実現される。
【0114】
主制御CPU41aは、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5で検知された場合、該小当り遊技の終了後に大当り処理を行う。これにより、主制御CPU41aは、小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5により検知されたことを契機として大当り遊技を生起させる制御が可能である。大当り処理において、主制御CPU41aは、大当り遊技を生起する契機となった小当りの種類に応じた制御を行うことにより、当選した小当りに基づく大当り遊技を生起させる。
【0115】
大当り処理において、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始するとともに、大当り遊技の開始を特定可能な情報(以下、大当り遊技開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。具体的に、主制御CPU41aは、所定の開放パターンに基づいて第2大入賞口20が開放されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を開始させる。そして、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始させた後、第1ラウンド終了条件又は第2ラウンド終了条件が成立すると、第2大入賞口20が閉鎖されるように第3ソレノイドSL3を制御し、ラウンド遊技を終了させる。主制御CPU41aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な情報(以下、ラウンド開始コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。また、主制御CPU41aは、ラウンド遊技を終了する毎に、ラウンド遊技の終了を特定可能な情報(以下、ラウンド終了コマンドと示す)を生成して出力バッファにセットする。
【0116】
主制御CPU41aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の計測を開始する。そして、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技の終了を特定可能な情報(以下、大当り遊技終了コマンド)を生成して出力バッファにセットする。その後、主制御CPU41aは、大当り処理を終了する。以上のような大当り処理により、主制御CPU41aは、大当り遊技が生起された場合に第2特別開閉片21を開放状態に制御可能である。
【0117】
次に、主制御CPU41aが行う遊技状態に関する処理について説明する。本実施形態では、主制御CPU41aが遊技状態に関する処理を行うことにより、遊技状態を制御する遊技状態制御手段が実現される。
【0118】
主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている作動フラグに所定の値を設定することにより、遊技状態を制御可能である。具体的に、主制御CPU41aは、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、通常状態に制御する。主制御CPU41aは、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、第1時短状態に制御する。主制御CPU41aは、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定することにより、第2時短状態に制御する。このように、主制御CPU41aは、遊技状態を移行させる場合、作動フラグに移行させる遊技状態を特定可能な値を設定する。主制御CPU41aは、作動フラグの値を更新することにより遊技状態を移行させると、移行後の遊技状態を特定可能な遊技状態コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0119】
主制御CPU41aは、大当り遊技を開始させる場合、通常状態に制御する。具体的に、主制御CPU41aは、大当り処理において、オープニング時間の計測を開始するタイミングで通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、大当り遊技開始時に時短状態を終了させる制御が可能である。
【0120】
上述したように、本実施形態では、小当りの種類と、小当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに応じて、遊技球が特定領域29を通過したことを契機として生起される大当り遊技の終了後の遊技状態が定められている。主制御CPU41aは、小当りの種類と、小当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに定められた遊技状態となるように、大当り遊技終了後の遊技状態を制御する。例えば、主制御CPU41aは、エンディング時間が経過すると、小当りの種類と、小当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに定められた遊技状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。主制御CPU41aは、主制御RAM41cに記憶されている小当り遊技開始時の遊技状態(以下、小当り開始時状態と示す)を特定可能な情報(以下、小当り開始時状態フラグと示す)を参照することによって、小当り開始時状態を特定する。なお、詳しくは後述するが、小当り開始時状態フラグには、時短状態を特定可能な値、又は通常状態を特定可能な値が設定され得る。
【0121】
例えば、
図4に示すように、小当り遊技開始時の遊技状態が通常状態であり、小当り遊技ZAにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたとき、主制御CPU41aは、第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。例えば、小当り遊技開始時の遊技状態が時短状態であり、小当り遊技Zaにおいて遊技球が特定通過センサSE5で検知されたとき、主制御CPU41aは、第2時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。このように、主制御CPU41aは、小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が特定領域29を通過したことを契機に時短状態に制御可能である。なお、小当り遊技中、遊技球が特定領域29を通過しなかった場合には、大当り遊技が生起されず、主制御CPU41aは、小当り遊技が終了したときにおける遊技状態を維持する。このように、主制御CPU41aは、小当り遊技において第1大入賞口18に入球した遊技球が特定領域29を通過したことを契機に遊技状態を移行させる制御を実行可能である。
【0122】
ここで、第1時短状態では、原則として、特別図柄ZB,ZC,Zcが導出されても時短状態の終了条件が成立しない。しかしながら、例外的に、小当り遊技ZB,ZC,Zcにて遊技球が特定通過センサSE5により検知された場合、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、大当り遊技開始時に通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。その後、主制御CPU41aは、大当り遊技のエンディング時間が経過したタイミングで第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。また、第2時短状態では、原則、特別図柄ZB,ZCが導出されて時短状態の終了条件が成立することはない。しかしながら、例外的に、小当り遊技ZB,ZCにて遊技球が特定通過センサSE5により検知された場合、主制御CPU41aは、大当り終了条件の成立を契機として、大当り遊技開始時に通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。その後、主制御CPU41aは、大当り遊技のエンディング時間が経過したタイミングで第1時短状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。このように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないとき、小当り遊技の全期間にわたって時短状態が維持され、小当り遊技において遊技球が第1大入賞口18に入球して特定領域29を通過したときには、時短状態が終了するものの、所定のタイミングが到来すると再び時短状態に制御される。
【0123】
主制御CPU41aは、大当り遊技終了後、第1時短状態及び第2時短状態の何れかに制御する場合に、規定ゲーム回数までの残り回数(以下、残ゲーム回数と示す)の初期値として第1回数(一例として250回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、第1特別図柄及び第2特別図柄が導出される毎に残ゲーム回数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、残ゲーム回数が0となったタイミングで、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、ゲーム終了条件の成立を契機として、特別ゲーム終了時に時短状態を終了させる制御が可能である。
【0124】
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第1時短状態に制御する場合、第1小当り回数までの残り回数(以下、第1小当り残回数と示す)の初期値として第2回数(一例として250回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第2時短状態に制御する場合、第1小当り残回数の初期値として第3回数(一例として1回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,Za,Zb,Zcが導出される毎に第1小当り残回数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、第1小当り残回数が0となったタイミングで、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、第1小当り終了条件の成立を契機として、特別ゲーム終了時に時短状態を終了させる制御が可能である。
【0125】
主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第1時短状態に制御する場合、第2小当り回数までの残り回数(以下、第2小当り残回数と示す)の初期値として第4回数(一例として1回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、大当り遊技の終了後、第2時短状態に制御する場合、第2小当り残回数の初期値として第5回数(一例として250回)を主制御RAM41cに記憶させる。主制御CPU41aは、特別図柄ZA,Za,Zbが導出される毎に第2小当り残回数を1減算して更新する。主制御CPU41aは、更新の結果として第2小当り残回数が0となった場合、小当り処理において、オープニング時間の計測を開始してから、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これにより、主制御CPU41aは、第2小当り終了条件の成立を契機として、小当り遊技が開始したときに時短状態を終了させる制御が可能である。
【0126】
ここで、主制御CPU41aは、小当り処理において、オープニング時間の計測を開始するときに、小当り開始時状態フラグを主制御RAM41cに記憶させる。つまり、主制御CPU41aは、小当り遊技開始時における遊技状態を特定可能な情報を生成する。例えば、第2小当り終了条件が成立した場合、主制御CPU41aは、小当り処理において、時短状態を特定可能な値を小当り開始時状態フラグに設定した後に、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。一例として、主制御CPU41aは、オープニング時間の計測を開始した後、オープニング時間の計測を行う割込み処理を所定回数(例えば1回)実行すると、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する。これに限らず、時短状態を特定可能な値を小当り開始時状態フラグに設定する処理と、通常状態を特定可能な値を作動フラグに設定する処理との順に実行するのであれば、これらの処理は、同じ制御周期における割込み処理として実行してもよい。また、時短状態を特定可能な値を小当り開始時状態フラグに設定できるのであれば、これらの処理手順であることに限定されない。時短状態を特定可能な値を小当り開始時状態フラグに設定する処理は、小当り処理とは異なる処理として実行してもよい。このように、「小当り遊技の開始時まで時短状態が維持される」とは、大当り遊技終了後の遊技状態を特定する際に基礎とする遊技状態を特定するタイミングまで時短状態が終了されずに維持されることといえる。「小当り遊技の開始時まで時短状態が維持される」とは、小当り遊技開始時における遊技状態を特定可能な情報として、時短状態を示す情報を生成することとして把握もできる。なお、ゲーム終了条件又は第1小当り終了条件が成立した場合、小当り処理の開始時点において既に通常状態となっているから、主制御CPU41aは、小当り処理において、通常状態を特定可能な値を小当り開始時状態フラグとして主制御RAM41cに記憶させる。同様に、時短状態においてゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立していない場合、主制御CPU41aは、小当り処理において、時短状態を特定可能な値を小当り開始時状態フラグとして主制御RAM41cに記憶させる。
【0127】
これにより、小当り開始時状態フラグは、ゲーム終了条件が成立した場合に通常状態を示し、第1小当り終了条件が成立した場合に通常状態を示し、第2小当り終了条件が成立した場合に時短状態を示す。また、小当り開始時状態フラグは、時短状態においてゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立していない場合に時短状態を示す。このように、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないとき、小当り遊技の全期間にわたって時短状態が維持される。パチンコ遊技機10では、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するとき、小当り遊技の少なくとも一部の期間において通常状態に制御される。
【0128】
次に、主制御CPU41aが行う普通図柄入力処理について説明する。
普通図柄入力処理において、主制御CPU41aは、ゲートセンサSE7から検知信号を入力した場合であって、普通保留数が上限数未満である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1加算して更新するとともに、更新後の普通保留数を表示するように普通保留表示部13eを制御する。その後、主制御CPU41aは、主制御基板40内で生成している乱数を取得し、取得した乱数に基づく乱数情報を主制御RAM41cに記憶させる。この場合、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序が特定可能となるように記憶させる。なお、例えば、乱数は、普通当り判定(普通当り抽選)に用いる普通当り乱数などである。その後、主制御CPU41aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0129】
次に、主制御CPU41aが行う普通図柄開始処理について説明する。
普通図柄開始処理において、主制御CPU41aは、普通当り遊技中ではなく且つ普通ゲームの実行中ではない場合であって、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数が1以上である場合に、主制御RAM41cに記憶されている普通保留数を1減算して更新する。また、このとき、主制御CPU41aは、更新後の普通保留数が表示されるように普通保留表示部13eを制御する。続いて、主制御CPU41aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち最先に記憶された乱数情報を主制御RAM41cから読み出し、読み出した乱数情報に基づいて、普通当り抽選を行う。例えば、主制御CPU41aは、普通当り乱数の値が主制御ROM41bに記憶されている普通当り判定値と一致するか否かを判定することにより普通当り抽選を行う。このとき、主制御CPU41aは、現在の遊技状態に応じて異なる普通当り判定値を用いて普通当り判定を行う。例えば、本実施形態では、通常状態であるときには、普通当り乱数の値にかかわらず普通当りに当選しない一方で、時短状態であるときには普通当り乱数の値にかかわらず普通当りに当選するように、遊技状態毎に普通当り判定値が振り分けられている。
【0130】
普通当りに当選した場合、主制御CPU41aは、普通ゲームで導出させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理を終了する。このとき、主制御CPU41aは、時短状態であるときには通常状態であるときと比較して普通ゲームの変動時間として短い時間を決定する(又は、普通ゲームの変動時間として短い時間を決定し易い)ようにしてもよい。
【0131】
そして、主制御CPU41aは、普通図柄開始処理とは別の処理を行うことによって、普通ゲームを実行させる。具体的に、主制御CPU41aは、普通ゲームを開始させるとともに、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過したときに、普通図柄開始処理において決定した普通図柄が導出されるように、情報表示装置13を制御する。
【0132】
次に、主制御CPU41aが行う普通当り処理について説明する。主制御CPU41aは、普通当りの普通ゲームが終了すると、普通当り処理を実行する。普通当り処理において、主制御CPU41aは、普通図柄(普通当りの種類)に定められた開放態様で第2始動入賞口15を開放させるように第1ソレノイドSL1を制御することにより、普通当り遊技を生起する。即ち、主制御CPU41aは、普通当り遊技において、普通開閉片16を開放状態に制御する。
【0133】
このような普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、及び普通当り処理により、主制御CPU41aは、時短状態である場合には、通常状態であるときと比較して、第2始動入賞口15に遊技球が入球しやすくなるように普通開閉片16を動作させる。
【0134】
また、主制御CPU41aは、上述した処理の他にも各種の処理を行う。例えば、主制御CPU41aは、各センサから遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、該検知信号を入力したことを示す情報を生成して出力バッファにセットする。例えば、主制御CPU41aは、第1始動入賞センサSE1から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1始動入賞口14に遊技球が入球したことを示す第1入球コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第2始動入賞口15に遊技球が入球したことを示す第2入球コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0135】
他にも、主制御CPU41aは、第1カウントセンサSE3から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1大入賞口18に遊技球が入球したことを示す第1大入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、第2カウントセンサSE4から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、特定通過センサSE5から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、第1大入賞口18に入球した遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過したことを示す特定通過コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、一般入賞センサSE6から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、一般入賞口22に遊技球が入球したことを示す一般入賞コマンドを生成して出力バッファにセットする。主制御CPU41aは、ゲートセンサSE7から遊技球を検知したことを示す検知信号を入力すると、ゲート23を遊技球が通過したことを示すゲート通過コマンドを生成して出力バッファにセットする。
【0136】
次に、各遊技状態において生起されうる大当り遊技の種類について説明する。本実施形態のパチンコ遊技機10では、特別当り抽選が実行されるときの遊技状態に応じて、生起されうる小当り遊技と、該小当り遊技に基づいた大当り遊技の種類が異なり得る。
【0137】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態である場合、普通当り抽選に当選せず普通当り遊技が生起されないことから、原則として第2始動入賞口15に遊技球を入球させることができないため、第2特別ゲームを実行不能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態である場合、小当りZA~ZCに当選可能である一方で、小当りZa~Zcに当選しない。
【0138】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態である場合、右打ちされた遊技球が第1大入賞口18に到達しうるため、小当り遊技において遊技球が第1大入賞口18内の特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されることで大当り遊技が生起される。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態である場合、大当り遊技ZA~ZCが生起される場合がある一方で、大当り遊技Za~Zcは原則として生起され得ない。
【0139】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態である場合、普通当り抽選に当選して普通当り遊技が生起されることから、第2始動入賞口15に遊技球を入球させることができるため、第2特別ゲームを実行可能である。一方、時短状態である場合であっても、遊技球を左打ちすれば第1始動入賞口14に遊技球を入球させることができるため、第1特別ゲームを実行可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態である場合、小当りZA~ZC,Za~Zcに当選可能である。
【0140】
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態中に小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合、第2小当り終了条件が成立して小当り遊技が開始したときに通常状態に制御される。これによれば、第1時短状態中に小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合、小当り遊技ZA,Za,Zbのラウンド遊技中は通常状態となることから、小当り遊技ZA,Za,Zbにおいて、遊技球が特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されることで大当り遊技が生起されうる。一方、第1時短状態中に小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合には、第2小当り終了条件が成立せず継続して第1時短状態に制御される。このため、第1時短状態中に小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合、小当り遊技ZB,ZC,Zcのラウンド遊技中も第1時短状態となることから、小当り遊技ZB,ZC,Zcにおいて、原則として遊技球が特定通過センサSE5により検知されることがなく、大当り遊技が生起されない。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態中に小当りZcに当選した場合、第1小当り終了条件が成立可能である。しかしながら、第1時短状態中に右打ちされた場合に、第2小当り終了条件よりも先に第1小当り終了条件が成立する確率は、実質「0%」である。また、第1時短状態中に右打ちされた場合に、第2小当り終了条件よりも先にゲーム終了条件が成立する確率は、実質「0%」である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態である場合、大当り遊技ZA,Za,Zbが生起される場合がある一方で、大当り遊技ZB,ZC,Zcは原則として生起され得ない。
【0141】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態中に小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合、第1小当り終了条件が成立して小当り遊技が開始するよりも先に通常状態に制御される。これによれば、第2時短状態中に小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合、小当り遊技ZA,Za~Zcのラウンド遊技中は通常状態となることから、小当り遊技ZA,Za~Zcにおいて、遊技球が特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されることで大当り遊技が生起されうる。一方、第2時短状態中に小当りZB,ZCの何れかに当選した場合には、第1小当り終了条件が成立せず継続して第2時短状態に制御される。このため、第2時短状態中に小当りZB,ZCの何れかに当選した場合、小当り遊技ZB,ZCのラウンド遊技中も第2時短状態となることから、小当り遊技ZB,ZCにおいて、原則として遊技球が特定通過センサSE5により検知されることがなく、大当り遊技が生起されない。因みに、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態中に第1小当り終了条件よりも先に第2小当り終了条件が成立することはない。また、第2時短状態中に右打ちされた場合に、第1小当り終了条件よりも先にゲーム終了条件が成立することはない。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態である場合、大当り遊技ZA,Za~Zcが生起される場合がある一方で、大当り遊技ZB,ZCは原則として生起され得ない。
【0142】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態及び第2時短状態の何れであっても、特別当り抽選の結果が同一の結果となりうる。例えば、第1時短状態及び第2時短状態の何れであっても、特別当り抽選の結果が小当りZa~Zcとなりうる。一方で、同じ小当りに当選した場合であっても、該小当りに当選したときの遊技状態によっては、該小当りに基づく小当り遊技において、遊技球が特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知されるか否かが異なり得る。
【0143】
例えば、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、該小当り遊技Zcのラウンド遊技中に通常状態に制御される一方で、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、該小当り遊技Zcのラウンド遊技中に第1時短状態に制御される。このため、主制御CPU41aは、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選したときと比較して、小当り遊技中に、特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い動作態様で普通開閉片16を動作させることとなる。したがって、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選した場合には、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZcに当選したときと比較して、小当り遊技において特定通過センサSE5により遊技球が検知され易い。
【0144】
次に、
図9を用いて、本実施形態のパチンコ遊技機10における遊技の流れについて説明する。なお、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態であるときには原則として第2始動入賞口15に遊技球が入球せず、第2特別当り抽選が実行されない。このため、以下の説明では、通常状態である場合に小当りZa~Zcに当選することについては考慮しない。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技のラウンド遊技中に通常状態に制御されているときには、遊技球を右打ちしている限り、原則として遊技球が特定領域29を通過して特定通過センサSE5により検知される。このため、以下の説明では、小当り遊技のラウンド遊技中に通常状態に制御されているときに遊技球が特定通過センサSE5により検知されないことについては考慮しない。因みに、小当り遊技のラウンド遊技中に通常状態に制御されているときに遊技球が特定通過センサSE5により検知されなかった場合は、大当り遊技が生起されることなく、小当り遊技の終了後も継続して通常状態に制御される。
【0145】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、実質的に、第1時短状態において小当りZcに当選して第1小当り終了条件が成立することがない。このため、以下の説明では、第1時短状態において小当りZcに当選して第1小当り終了条件が成立することについては考慮しない。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態及び第2時短状態において遊技球を右打ちしている限り、実質的に、ゲーム終了条件が成立することがない。このため、以下の説明では、第1時短状態及び第2時短状態においてゲーム終了条件が成立することについては考慮しない。
【0146】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技のラウンド遊技中、時短状態に制御されているときには、原則として遊技球が第1大入賞口18に到達せず、遊技球が特定通過センサSE5により検知されない。なお、図中における破線の矢印は、小当り遊技のラウンド遊技中、時短状態に制御されている場合において、例外的に、遊技球が特定通過センサSE5により検知されたときにおける状態の移行を示す。
【0147】
通常状態において、小当りZAに当選した場合には、大当り遊技ZAが生起され、該大当り遊技ZAの終了後に第1時短状態に移行する。通常状態において、小当りZBに当選した場合には、大当り遊技ZBが生起され、該大当り遊技ZBの終了後に第2時短状態に移行する。通常状態において、小当りZCに当選した場合には、大当り遊技ZCが生起され、該大当り遊技ZCの終了後も継続して通常状態に制御される。
【0148】
第1時短状態において、各小当りZA,Zbに当選した場合には、第2小当り終了条件の成立に基づいて、それぞれ小当り遊技ZA,Zbが開始してから通常状態に移行する。そして、各小当り遊技ZA,Zbが終了すると、それぞれ大当り遊技ZA,Zbが生起され、各大当り遊技ZA,Zbの終了後に第1時短状態に移行する。第1時短状態において、小当りZaに当選した場合には、第2小当り終了条件の成立に基づいて、小当り遊技Zaが開始してから通常状態に移行する。そして、小当り遊技Zaが終了すると、大当り遊技Zaが生起され、該大当り遊技Zaの終了後に第2時短状態に移行する。
【0149】
第1時短状態において、各小当りZB,ZC,Zcに当選した場合には、原則として小当り終了条件が成立しないから、通常状態に移行することなく、第1時短状態のまま、それぞれ小当り遊技ZB,ZC,Zcが生起される。ここで、本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態中に小当り遊技が生起されたときには、原則として遊技球が特定通過センサSE5により検知されることはない。第1時短状態において、各小当りZB,ZC,Zcに当選した場合であって、それぞれの小当り遊技ZB,ZC,Zcにて遊技球が特定通過センサSE5により検知されなかったときには、大当り遊技が生起されることなく、小当り遊技の終了後も継続して第1時短状態に制御される。一方、第1時短状態において、各小当りZB,ZC,Zcに当選した場合であって、例外的に、それぞれの小当り遊技ZB,ZC,Zcにて遊技球が特定通過センサSE5により検知されたときには、それぞれ大当り遊技ZB,ZC,Zcが生起されるとともに通常状態に移行され、各大当り遊技ZB,ZC,Zcの終了後に第1時短状態に移行する。
【0150】
このように、第1時短状態において第2小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技ZA,Zbの何れかが付与された場合には、所定のタイミングが到来すると第1時短状態に制御可能である。第1時短状態において第2小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技Zaが付与された場合には、所定のタイミングが到来すると第2時短状態に制御可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態に制御された場合、その後には、原則として、各小当り遊技ZA,Zbが生起され、それぞれ大当り遊技ZA,Zbの終了後に再び第1時短状態に制御されるか、小当り遊技Zaが生起され、大当り遊技Zaの終了後に第2時短状態に制御されることとなる。
【0151】
第2時短状態において、各小当りZA,Za,Zbに当選した場合には、第1小当り終了条件の成立に基づいて、それぞれ小当り遊技ZA,Za,Zbが開始する前に通常状態に移行する。そして、各小当り遊技ZA,Za,Zbが終了すると、それぞれ大当り遊技ZA,Za,Zbが生起され、各大当り遊技ZA,Za,Zbの終了後に第1時短状態に移行する。第2時短状態において、小当りZcに当選した場合には、第1小当り終了条件の成立に基づいて、小当り遊技Zcが開始する前に通常状態に移行する。そして、小当り遊技Zcが終了すると、大当り遊技Zcが生起され、該大当り遊技Zcの終了後も通常状態に制御される。
【0152】
第2時短状態において、各小当りZB,ZCに当選した場合には、小当り終了条件が成立しないから、通常状態に移行することなく、第2時短状態のまま、それぞれ小当り遊技ZB,ZCが生起される。第2時短状態において、各小当りZB,ZCに当選した場合であって、それぞれの小当り遊技ZB,ZCにて遊技球が特定通過センサSE5により検知されなかったときには、大当り遊技が生起されることなく、各小当り遊技ZB,ZCの終了後も継続して第2時短状態に制御される。一方、第2時短状態において、各小当りZB,ZCに当選した場合であって、例外的に、それぞれの小当り遊技ZB,ZCにて遊技球が特定通過センサSE5により検知されたときには、それぞれ大当り遊技ZB,ZCが生起されるとともに通常状態に移行され、各大当り遊技ZB,ZCの終了後に第1時短状態に移行する。
【0153】
このように、第2時短状態において第1小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技ZA,Za,Zbの何れかが付与された場合には、所定のタイミングが到来すると第1時短状態に制御可能である。第2時短状態において第1小当り終了条件が成立したときであって、小当り遊技Zcが付与された場合には、第1時短状態及び第2時短状態に制御されず、通常状態に制御可能である。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態に制御された場合、その後には、原則として、各小当り遊技ZA,Za,Zbが生起され、それぞれ大当り遊技ZA,Za,Zbの終了後に第1時短状態に制御されるか、小当り遊技Zcが生起され、大当り遊技Zcの終了後に通常状態に制御されることとなる。
【0154】
以下の説明では、通常状態中に小当りZA,ZBの何れかに当選して大当り遊技ZA又は大当り遊技ZBが生起されたときから、第2時短状態中に小当りZcに当選して大当り遊技ZCが生起された後に通常状態に移行するまでの期間を「有利期間」と示す。なお、有利期間は、小当り終了条件が成立した場合に、その後に生起される小当り遊技において遊技球が特定通過センサSE5により検知されなかったことで終了する場合もある。
【0155】
このような遊技の流れによれば、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態中、小当りZAに当選したことに基づいて大当り遊技ZAが生起された場合、該大当り遊技の終了後には小当り遊技Za及び大当り遊技Zaが生起されることが保証される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、小当り遊技ZA及び大当り遊技ZAと、その後に生起される小当り遊技Za及び大当り遊技Zaと、を一連の特典として把握できる(
図9において一点鎖線で囲って示す)。
【0156】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態中、小当りZA,Zbの何れかに当選したことに基づいて、大当り遊技ZA又は大当り遊技Zbが生起された場合、該大当り遊技の終了後には再び第1時短状態に制御される。即ち、本実施形態のパチンコ遊技機10では、通常状態中に小当り遊技ZAが生起されてから小当り遊技Zaが生起されるまでの間に、1回又は複数回の小当り遊技ZA,Zbが生起され得る。このため、一連の特典には、小当り遊技ZA及び大当り遊技ZAと、その後に生起される小当り遊技Za及び大当り遊技Zaと、に加えて、1回又は複数回の小当り遊技ZA,Zb及びこれらに基づいた大当り遊技が含まれ得る。
【0157】
本実施形態のパチンコ遊技機10では、第2時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選したことに基づいて、それぞれ大当り遊技ZA,Za,Zbが生起された場合、該大当り遊技の終了後には小当り遊技Za及び大当り遊技Zaが生起されることが保証される。したがって、本実施形態のパチンコ遊技機10では、各小当り遊技ZA,Za,Zb及びそれぞれに基づいた大当り遊技と、その後に生起される小当り遊技Za及び大当り遊技Zaと、を一連の特典として把握できる(
図9において二点鎖線で囲って示す)。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、第1時短状態に制御された後、小当り遊技Zaが生起されるまでの間に、1回又は複数回の小当り遊技ZA,Zbが生起され得る。このため、一連の特典には、各小当り遊技ZA,Za,Zb及びそれぞれに基づいた大当り遊技と、その後に生起される小当り遊技Za及び大当り遊技Zaと、に加えて、1回又は複数回の小当り遊技ZA,Zb及びこれらに基づいた大当り遊技が含まれ得る。
【0158】
以上のように、本実施形態のパチンコ遊技機10において、第1時短状態に制御されている場合に小当り遊技が生起されたときには、原則として、第2小当り終了条件が成立する。そして、パチンコ遊技機10では、第1時短状態に制御されている場合に第2小当り終了条件が成立すると、第1時短状態又は第2時短状態に制御される。本実施形態のパチンコ遊技機10において、第2時短状態に制御されている場合に小当り遊技が生起されたときには、原則として、第1小当り終了条件が成立する。そして、パチンコ遊技機10では、第2時短状態に制御されている場合に第1小当り終了条件が成立すると、第1時短状態又は通常状態に制御される。
【0159】
そして、
図4及び
図6に示すように、パチンコ遊技機10では、同じ特別図柄が導出された場合であったとしても、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件のうち何れの小当り終了条件が成立したかによって、大当り遊技が終了した後に制御される遊技状態が異なりうる。例えば、特別図柄Zaが導出されたことにより第1小当り終了条件が成立したときには、大当り遊技が終了した後に第1時短状態に制御される。一方、特別図柄Zaが導出されたことにより第2小当り終了条件が成立したときには、大当り遊技が終了した後に第2時短状態に制御される。そして、第1時短状態に制御された場合には、大当り遊技Zcの終了後に通常状態に制御されない。一方、第2時短状態に制御された場合には、大当り遊技Zcの終了後に通常状態に制御される。このため、第1時短状態に制御される場合は、第2時短状態に制御される場合よりも、時短状態よりも有利度合いが低い通常状態に制御され難いといえる。このように、本実施形態のパチンコ遊技機10では、時短状態に制御されているとき、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立する場合と、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しない場合と、がある。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10は、第1小当り終了条件の成立により時短状態が終了してから小当り遊技が開始される状況と、第2小当り終了条件の成立により時短状態で小当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能である。
【0160】
次に、副制御プログラムに基づいて、副制御基板50の副制御CPU50aが実行する各種処理について説明する。副制御CPU50aは、主制御CPU41aから制御信号を入力すると、その制御信号に応じて各種処理を実行する。
【0161】
最初に、電力供給が開始したときの復帰処理について説明する。
副制御CPU50aは、RAMクリアコマンドを入力すると、所定の初期演出を実行するように演出装置群を制御する。一例として、初期演出は、演出表示装置12において所定の演出図柄の組み合わせを表示することである。副制御CPU50aは、復帰コマンドを入力すると、電源断がなされたときの状態を特定可能な各種のコマンドの入力に基づいて、各種の演出を実行させるように演出装置群を制御する。一例として、副制御CPU50aは、小当り遊技復帰コマンドを入力すると、後述する小当り遊技演出を再開するように演出装置群を制御する。一例として、副制御CPU50aは、大当り遊技復帰コマンドを入力すると、後述する大当り遊技演出を再開するように演出装置群を制御する。一例として、副制御CPU50aは、時短状態復帰コマンドを入力すると、後述する特別ゲームの実行中に実行させる演出(以下、ゲーム中演出と示す)を再開するように演出装置群を制御する。
【0162】
演出ゲームを実行するための演出図柄変動処理について説明する。
副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンド及び変動パターン指定コマンドを入力すると、演出図柄の変動表示を開始させることにより特別ゲームに対応する演出ゲームを実行させるように演出表示装置12を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、特別図柄指定コマンドを入力すると、入力した特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄の種類と、現在の遊技状態と、に基づいて、演出ゲームで導出させる演出図柄の組み合わせを決定する。
【0163】
また、副制御CPU50aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、入力した変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、ゲーム中演出を決定する。その後、副制御CPU50aは、各図柄列の演出図柄の変動表示を開始するように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、演出ゲームを開始させる。具体的な一例として、副制御CPU50aは、演出表示装置12において、3列の演出図柄を変動表示させるように制御する。また、副制御CPU50aは、実行が決定された各種の演出を実行させるように制御する。続いて、副制御CPU50aは、演出ゲームを開始させてから、所定の停止タイミングが到来すると、各図柄列の演出図柄を一旦停止表示させるとともに、全図柄停止コマンドの入力を契機に、各図柄列の演出図柄を確定停止表示させる。なお、副制御CPU50aは、全図柄停止コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に各図柄列の演出図柄を確定停止表示させてもよい。この場合、全図柄停止コマンドは省略してもよい。
【0164】
副制御CPU50aは、特別ゲームの実行中、及びインターバル時間中、演出図柄を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、大当り遊技中、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、小当り遊技中、遊技状態が時短状態である場合に、演出図柄を表示するように演出表示装置12を制御する。副制御CPU50aは、小当り遊技中、遊技状態が通常状態である場合に、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御する。これに限らず、副制御CPU50aは、第1時短状態において第2小当り終了条件が成立した後に生起した各小当り遊技ZA,Za,Zbにおいて、演出図柄を表示するように演出表示装置12を制御してもよい。この場合、副制御CPU50aは、第1時短状態において生起した各小当り遊技ZB,ZC,Zcにおいて、演出図柄を表示にするように演出表示装置12を制御してもよい。副制御CPU50aは、第1小当り終了条件が成立した後に生起した各小当り遊技ZA,Za,Zb,Zcにおいて、演出図柄を非表示にするように演出表示装置12を制御してもよい。この場合に、副制御CPU50aは、小当り遊技ZB,ZCにおいて演出図柄を表示にするように演出表示装置12を制御してもよい。
【0165】
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
副制御CPU50aは、主制御CPU41aから遊技状態コマンドを入力すると、入力した遊技状態コマンドから特定した遊技状態を特定可能な値を副制御RAM50cの副作動フラグに記憶させる。例えば、副制御CPU50aは、第1時短状態を特定可能な作動コマンドを入力した場合には、第1時短状態を特定可能な値を副作動フラグに記憶させる。副制御CPU50aは、第2時短状態を特定可能な作動コマンドを入力した場合には、第2時短状態を特定可能な値を副作動フラグに記憶させる。副制御CPU50aは、通常状態を特定可能な作動コマンドを入力した場合には、通常状態を特定可能な値を副作動フラグに記憶させる。これにより、副制御CPU50aは、現在の遊技状態を特定可能である。
【0166】
以下、本実施形態のパチンコ遊技機10における演出について説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、小当り遊技中に実行可能な小当り遊技演出がある。小当り遊技演出は、オープニング演出と、ラウンド演出と、エンディング演出と、を含んで構成されている。小当り遊技演出には、演出態様が異なる複数種類の小当り遊技演出がある。具体的な一例として、本実施形態の小当り遊技演出には、突入チャレンジ演出と、第1当り突入演出と、第2当り突入演出と、セット間演出と、RUSH継続演出と、がある。
【0167】
図10に示すように、突入チャレンジ演出は、通常状態中に小当りZA~ZCの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、突入チャレンジ演出は、通常状態中に小当りZA~ZCの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、通常状態中、小当りZA~ZCの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過しうる。このため、突入チャレンジ演出は、大当り遊技ZA~ZCの何れかを生起させることができることを示す演出としても把握できる。
【0168】
第1当り突入演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、第1当り突入演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過しうる。このため、第1当り突入演出は、大当り遊技ZA,Za,Zbの何れかを生起させることができることを示す演出としても把握できる。第1当り突入演出は、特別演出の一例である。
【0169】
第2当り突入演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、第2当り突入演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第2時短状態中、小当りZA,Za~Zcの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過しうる。このため、第2当り突入演出は、大当り遊技ZA,Za~Zcの何れかを生起させることができることを示す演出としても把握できる。
【0170】
セット間演出は、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、セット間演出は、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、実質的に、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過し得ない。このため、セット間演出は、小当り遊技の終了後に大当り遊技を生起させることができないことを示す演出としても把握できる。
【0171】
RUSH継続演出は、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される。即ち、RUSH継続演出は、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選したことを特定可能な演出である。また、本実施形態では、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合、該小当りに基づく小当り遊技中、実質的に、遊技球が第1通路26aにある特定領域29を通過し得ない。このため、RUSH継続演出は、小当り遊技の終了後に大当り遊技を生起させることができないことを示す演出としても把握できる。
【0172】
また、本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、大当り遊技中に実行可能な大当り遊技演出がある。本実施形態の大当り遊技演出は、オープニング演出と、ラウンド演出と、エンディング演出と、を含んで構成されている。本実施形態の大当り遊技演出には、演出態様が異なる複数種類の大当り遊技演出がある。具体的に、本実施形態の大当り遊技演出には、セット前半演出と、RUSH突入演出と、通常当り演出と、ストック演出と、セット後半演出と、有利期間終了演出と、がある。
【0173】
図10に示すように、セット前半演出は、通常状態中に小当りZAに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。また、セット前半演出は、第2時短状態中、小当りZA~ZC,Za,Zbの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技においても実行され得る。
【0174】
RUSH突入演出は、通常状態中、小当りZBに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。通常当り演出は、通常状態中、小当りZCに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。
【0175】
ストック演出は、第1時短状態中、小当りZA~ZC,Zb,Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技において実行され得る。セット後半演出は、第1時短状態中、小当りZaに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。有利期間終了演出は、第2時短状態中、小当りZcに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技中に実行される。
【0176】
小当り遊技演出及び大当り遊技演出の具体的な実行態様の一例について説明する。
図11(a)に示すように、突入チャレンジ演出は、通常状態中に小当り遊技ZA~ZCの何れかが生起されたことを特定可能な演出であって、有利期間に移行できるか否かを煽る演出である。一例として、突入チャレンジ演出では、演出表示装置12において「有利期間突入なるか!?」の文字列を模した画像MG1が表示される。また、突入チャレンジ演出では、遊技球の右打ちを促す右打ち報知演出が実行される。一例として、突入チャレンジ演出では、「右を狙え→」の文字列を模した画像MG2を表示する態様で右打ち報知演出が実行される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中に突入チャレンジ演出を実行可能である。
【0177】
図11(b)に示すように、セット前半演出は、通常状態中、大当り遊技ZAが生起されたこと、又は第2時短状態中、大当り遊技ZA~ZC,Za,Zbの何れかが生起されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第1時短状態に移行することを特定可能な演出である。また、セット前半演出は、有利期間に移行すること、又は有利区間が継続することを特定可能な演出である。また、セット前半演出は、上述した一連の特典に含まれる特典が付与されたことを特定可能な演出である。さらに、本実施形態のセット前半演出は、その後にセット後半演出が実行されることを示唆する演出であるともいえる。一例として、セット前半演出では、演出表示装置12において、「限界突破ボーナス!!」の文字列を模した画像MG3が表示される。セット前半演出では、所定の期間内に獲得した賞球の数を示すセット獲得数演出が実行される。セット獲得数演出について、詳しくは後述する。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にセット前半演出を実行可能である。
【0178】
図11(c)に示すように、RUSH突入演出は、通常状態中、大当り遊技ZBが生起されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第2時短状態に移行することを特定可能な演出である。また、RUSH突入演出は、有利期間に移行することを特定可能な演出である。一例として、RUSH突入演出では、演出表示装置12において、「RUSH突入ボーナス!」の文字列を模した画像MG5が表示される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にRUSH突入演出を実行可能である。
【0179】
図11(d)に示すように、通常当り演出は、通常状態中、大当り遊技ZCが生起されたことを特定可能な演出であって、有利期間に移行しないことを特定可能な演出である。一例として、通常当り演出では、演出表示装置12において、「レギュラーボーナス」の文字列を模した画像MG6が表示される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にRUSH突入演出を実行可能である。
【0180】
図11(e)に示すように、セット間演出は、第1時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出と同一又は略同一の演出態様で実行される。後述するが、セット間演出と、第1時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出とは、同じ文字列を含んだ画像が表示されうる。また、本実施形態のセット間演出は、セット前半演出とセット後半演出との間の期間であることを示唆する演出である。一例として、セット間演出では、演出表示装置12において、「限界突破待機中」の文字列を模した画像MG7が表示される。さらに、セット間演出では、セット獲得数演出が実行される。なお、セット間演出が実行されているとき、演出表示装置12では、演出図柄が表示される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中にセット間演出を実行可能である。
【0181】
図11(f)に示すように、第1当り突入演出は、第1時短状態中に小当り遊技ZA,Za,Zbの何れかが生起されたことを特定可能な演出であって、遊技球の右打ちを促す演出である。また、本実施形態の第1当り突入演出は、遊技球を右打ちすることで遊技者にとって有利な特典が得られることを示唆する演出である。一例として、第1当り突入演出では、演出表示装置12において、「Vを狙え→」の文字列を模した画像MG8が表示される。ここで、「V」とは、遊技者にとって有利な特典が付与される契機を示している。即ち、本実施形態において、第1当り突入演出における画像MG8の表示は、遊技球の右打ちを促す演出であるとともに、遊技球を右打ちすることで遊技者にとって有利な特典が得られることを示唆する演出でもある。さらに、第1当り突入演出では、セット獲得数演出が実行される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中に第1当り突入演出を実行可能である。
【0182】
図11(g)に示すように、セット後半演出は、第1時短状態中に大当り遊技Zaが生起されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第2時短状態に移行することを特定可能な演出である。また、セット後半演出は、上述した一連の特典に含まれる特典が付与されたことを特定可能な演出である。そして、本実施形態のセット後半演出は、セット前半演出と関連する演出である。一例として、セット後半演出では、演出表示装置12において、「限界突破!!」の文字列を模した画像MG9が表示される。さらに、セット後半演出では、セット獲得数演出が実行される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にセット後半演出を実行可能である。
【0183】
ここで、本実施形態において、セット前半演出とセット後半演出とは、演出態様が関連するように構成される。セット前半演出とセット後半演出とは、何れも一連の特典に含まれる特典が付与されたことを示唆する観点において、演出態様が関連するといえる。セット前半演出とセット後半演出とは、共通する演出要素を含んで構成される観点において、演出態様が関連するといえる。具体的な一例として、画像として表示される「限界突破」の文字列は、共通する演出要素の一例である。セット獲得数演出として表示される各種の画像は、共通する演出要素の一例である。これに代えて、又は加えて、共通する演出要素は、同じ背景画像であってもよく、画像に限定されず、同じ背景音楽を出力することであってもよく、同じ発光パターンで発光することであってもよい。このように、セット前半演出とセット後半演出とは、演出態様が関連した一連の演出として把握できる。また、上述したように、セット間演出として表示される画像は、「限界突破」という文字列を含む。セット間演出は、セット獲得数演出を含む。よって、セット間演出は、セット前半演出及びセット後半演出とともに、演出態様が関連した一連の演出を構成しうる。
【0184】
図11(h)に示すように、ストック演出は、第1時短状態中に大当り遊技ZA~ZC,Zb,Zcの何れかが生起されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に第1時短状態に移行することを特定可能な演出である。そして、本実施形態のストック演出は、セット前半演出及びセット後半演出と関連する演出である。一例として、ストック演出では、演出表示装置12において、「限界突破ストック!!」の文字列を模した画像MG10が表示される。ここで、「限界突破ストック!!」とは、セット前半演出が実行される大当り遊技の終了後であって、セット後半演出が実行される大当り遊技Zaの開始前に、該大当り遊技Zaに加えてさらに大当り遊技ZA,Zbの何れかが生起されることを示している。即ち、本実施形態では、セット前半演出が終了した後、セット後半演出が開始されるよりも前に、「限界突破ストック!!」の文字列を模した画像が表示されるというように、セット前半演出及びセット後半演出に加えて、ストック演出も演出態様が関連した一連の演出として実行されるといえる。さらに、ストック演出では、セット獲得数演出も共通して実行される。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中にストック演出を実行可能である。
【0185】
図11(i)に示すように、第2当り突入演出は、第2時短状態中に小当り遊技ZA,Za~Zcの何れかが生起されたことを特定可能な演出であって、遊技球の右打ちを促す演出である。一例として、第2当り突入演出では、演出表示装置12において、「右を狙え→」の文字列を模した画像MG11が表示される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中に第2当り突入演出を実行可能である。
【0186】
図11(j)に示すように、有利期間終了演出は、第2時短状態中に大当り遊技Zcが生起されたことを特定可能な演出であって、大当り遊技の終了後に通常状態に移行することを特定可能な演出である。一例として、有利期間終了演出では、演出表示装置12において、「有利期間終了」の文字列を模した画像MG12が表示される。また、有利期間終了演出では、有利期間内に獲得した賞球の総数を示す総獲得数演出が実行される。総獲得数演出について、詳しくは後述する。このように、演出表示装置12では、大当り遊技の付与中に有利期間終了演出を実行可能である。
【0187】
図11(k)に示すように、RUSH継続演出は、第2時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出と同一又は略同一の演出態様で実行され得る。後述するが、RUSH継続演出と、第2時短状態において特別ゲームが実行されているときに実行される演出とは、同じ文字列を含んだ画像が表示されうる。一例として、RUSH継続演出では、演出表示装置12において、「RUSH中」の文字列を模した画像MG14が表示される。なお、RUSH継続演出が実行されているとき、演出表示装置12では、演出図柄が表示される。このように、演出表示装置12では、小当り遊技の付与中にRUSH継続演出を実行可能である。
【0188】
次に、特別ゲームの実行中に実行されるゲーム中演出について説明する。一例として、ゲーム中演出には、セット間はずれ演出と、セット間当り演出と、RUSH中はずれ演出と、RUSH中当り演出と、がある。
【0189】
セット間はずれ演出は、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合、又ははずれの場合に、特別ゲームの実行中に実行される。セット間はずれ演出は、第1時短状態における特別ゲームの実行中、ゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立しない場合に実行される。セット間当り演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選した場合に、特別ゲームの実行中に実行される。セット間当り演出は、第1時短状態における特別ゲームの実行中、第2小当り終了条件が成立する場合に実行される。
【0190】
RUSH中はずれ演出は、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合、又ははずれの場合に、特別ゲームの実行中に実行される。RUSH中はずれ演出は、第2時短状態における特別ゲームの実行中、ゲーム終了条件、第1小当り終了条件、及び第2小当り終了条件の何れも成立しない場合に実行される。RUSH中当り演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za,Zb,Zcの何れかに当選した場合に、特別ゲームの実行中に実行される。RUSH中当り演出は、第2時短状態における特別ゲームの実行中、第1小当り終了条件が成立する場合に実行される。
【0191】
図12(a)に示すように、セット間はずれ演出は、セット間演出と同一又は略同一の演出態様で実行される。セット間はずれ演出は、セット前半演出とセット後半演出との間の期間であることを示唆する演出である。一例として、セット間はずれ演出では、演出表示装置12において、「限界突破待機中」の文字列を模した画像MG7が表示される。さらに、セット間はずれ演出では、セット獲得数演出が実行される。
【0192】
図12(b)に示すように、セット間当り演出は、セット間演出と異なる演出態様で実行される。セット間当り演出は、第1時短状態中に小当り遊技ZA,Za,Zbの何れかが生起されることを特定可能な演出である。セット間当り演出は、セット前半演出とセット後半演出との間の期間であることを示唆する演出である。一例として、セット間当り演出では、演出表示装置12において「限界突破待機中」の文字列を模した画像MG15が表示される。画像MG15と、画像MG7とは、同じ文字列を模した画像である一方、大きさが異なる。一例として、画像MG15は、画像MG7よりも大きく表示されるから、画像MG7よりも強調された画像であるといえる。これに限らず、画像MG15は、画像MG7と同じ大きさの画像であってもよく、画像MG7と異なる色彩の画像であってもよい。また、セット間当り演出では、画像MG15に代えて画像MG7が表示されるようにしてもよい。この場合、セット間当り演出では、画像MG7に加えて、画像MG7とは異なる画像が表示されるようにしてもよい。例えば、画像MG7とは異なる画像は、所定のキャラクタであってもよいし、所定のエフェクトであってもよい。
【0193】
図12(c)に示すように、RUSH中はずれ演出は、RUSH継続演出と同一又は略同一の演出態様で実行される。一例として、RUSH中はずれ演出では、演出表示装置12において、「RUSH中」の文字列を模した画像MG14が表示される。
【0194】
図12(d)に示すように、RUSH中当り演出は、第2時短状態中に小当り遊技ZA,Za,Zb,Zcの何れかが生起されることを特定可能な演出であって、第1時短状態及び通常状態の何れに制御されるかを煽る演出である。RUSH中当り演出は、第1時短状態に移行できるかを煽る演出でもある。RUSH中当り演出は、通常状態に移行されないかを煽る演出でもある。一例として、セット間当り演出では、演出表示装置12において「有利期間終了?」の文字列、及び「限界突破?」の文字列を模した画像MG16が表示される。これに限らず、RUSH中当り演出では、画像MG16に代えて画像MG14が表示されるようにしてもよい。この場合、RUSH中当り演出では、画像MG14に加えて、画像MG14とは異なる画像が表示されるようにしてもよい。例えば、画像MG14とは異なる画像は、画像MG16であってもよいし、所定のキャラクタであってもよいし、所定のエフェクトであってもよい。
【0195】
図12(a)及び(b)に示すように、第1時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第2小当り終了条件が成立するときとは、何れも特別ゲームの実行中に演出ゲーム及びセット獲得数演出が実行される。一方、第1時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第2小当り終了条件が成立するときとは、それぞれ異なる画像として画像MG7及び画像MG15の何れかが表示される。つまり、異なる演出が実行される。セット間当り演出は、遊技球が特定領域29を通過可能な小当り遊技が付与されることを示唆する演出である。一方、遊技球が特定領域29を通過可能な小当り遊技が付与されることを示唆する演出ではない。
図8(b)に示すように、セット間当り演出が実行されるときの変動時間は、セット間はずれ演出が実行されるときの変動時間よりも長い。これにより、セット間当り演出は、セット間はずれ演出よりも長い時間にわたって演出を実行させることができる。
【0196】
図12(c)及び(d)に示すように、第2時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第1小当り終了条件が成立するときとは、何れも特別ゲームの実行中に演出ゲームが実行される。一方、第2時短状態中、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れも成立しないときと、第1小当り終了条件が成立するときとは、それぞれ異なる画像として画像MG14及び画像MG16の何れかが表示される。つまり、異なる演出が実行される。RUSH中当り演出は、第1時短状態及び通常状態の何れに制御されるかを煽る演出である一方、RUSH中はずれ演出は、そのような煽る演出ではない。
図8(c)に示すように、RUSH中当り演出が実行されるときの変動時間は、RUSH中はずれ演出が実行されるときの変動時間よりも長い。これにより、RUSH中当り演出は、RUSH中はずれ演出よりも長い時間にわたって演出を実行させることができる。
【0197】
このように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときと、では、特別ゲームの実行中に実行される演出における演出態様の少なくとも一部が異なりうる。
【0198】
小当り遊技演出を実行するための小当り遊技演出処理について説明する。
副制御CPU50aは、小当り遊技開始コマンドを入力すると、小当りの種類と、該小当りに当選したときの遊技状態と、に基づいて、小当り遊技演出の種類を決定する。その後、副制御CPU50aは、決定した種類の小当り遊技演出を開始するように演出装置群を制御する。本実施形態において、演出装置群には、演出表示装置12、スピーカSP、及び装飾ランプLAを含む。具体的に、副制御CPU50aは、小当り遊技演出用の背景画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、小当り遊技演出用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSPを制御する。さらに、副制御CPU50aは、小当り遊技演出用の発光態様で装飾ランプLAを発光させるように制御する。その後、副制御CPU50aは、小当り遊技終了コマンドを入力すると、小当り遊技演出を終了するように演出装置群を制御する。
【0199】
副制御CPU50aは、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とする場合がある。具体的に、副制御CPU50aは、通常状態中に特別当り抽選において小当りに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とするように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、通常状態中に小当りに当選した場合、小当り遊技中は演出図柄を非表示とする。また、副制御CPU50aは、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZA,Za,Zbに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とするように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態中に小当りZA,Za,Zbに当選した場合、小当り遊技中は演出図柄を非表示とする。また、副制御CPU50aは、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZA,Za~Zcに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とするように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態中に小当りZA,Za~Zcに当選した場合、小当り遊技中は演出図柄を非表示とする。
【0200】
一方、副制御CPU50aは、第1時短状態中に特別当り抽選において小当りZB,ZC,Zcに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力した後も継続して演出図柄を表示させるように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第1時短状態中に小当りZB,ZC,Zcに当選した場合、小当り遊技中も演出図柄を表示させる。副制御CPU50aは、第2時短状態中に特別当り抽選において小当りZB,ZCに当選した場合、小当り遊技開始コマンドを入力した後も継続して演出図柄を表示させるように演出表示装置12を制御する。即ち、副制御CPU50aは、第2時短状態中に小当りZB,ZCに当選した場合、小当り遊技中も演出図柄を表示させる。
【0201】
大当り遊技演出を実行するための大当り遊技演出処理について説明する。
副制御CPU50aは、大当り遊技開始コマンドを入力すると、小当りの種類と、該小当りに当選したときの遊技状態と、に基づいて大当り遊技演出の種類を決定する。その後、副制御CPU50aは、決定した種類の大当り遊技演出を開始するように演出装置群を制御する。具体的に、副制御CPU50aは、大当り遊技演出用の背景画像を表示させるように演出表示装置12を制御する。また、副制御CPU50aは、大当り遊技演出用の背景楽曲を出力させるようにスピーカSPを制御する。さらに、副制御CPU50aは、大当り遊技演出用の発光態様で装飾ランプLAを発光させるように制御する。その後、副制御CPU50aは、大当り遊技終了コマンドを入力すると、大当り遊技演出を終了するように演出装置群を制御する。また、副制御CPU50aは、大当り遊技開始コマンドを入力したことを契機として、演出図柄を非表示とする。
【0202】
このような演出図柄変動処理、小当り遊技演出処理、及び大当り遊技演出処理によれば、副制御CPU50aは、小当りに当選した場合、演出ゲームにおいて演出図柄が確定停止表示された後に生起される小当り遊技中も演出図柄を継続して表示させることで、次の演出ゲームの開始時まで継続して演出図柄を表示させる場合がある。
【0203】
本実施形態のパチンコ遊技機10において実行可能な演出には、第1演出用可動体EK1を動作させて行う第1可動体演出と、第2演出用可動体EK2を動作させて行う第2可動体演出と、を実行可能である。本実施形態の第1可動体演出及び第2可動体演出は、大当り遊技中に実行可能である。
【0204】
副制御CPU50aは、大当り遊技中である期間のうち、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングで第1可動体演出を実行させる。即ち、第1可動体演出は、通常状態中に小当りZAに当選して該小当りに基づく大当り遊技が生起された場合、又は第2時短状態中に小当りZA~ZC,Za,Zbに当選して該小当りに基づく大当り遊技が生起された場合に、該大当り遊技中に実行される。一例として、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のラウンド遊技中である。これに限らず、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のオープニング時間中であってもよいし、大当り遊技のエンディング時間中であってもよい。
【0205】
また、副制御CPU50aは、大当り遊技中である期間のうち、ストック演出の実行中における所定の実行タイミングで第2可動体演出を実行させる。即ち、第2可動体演出は、第1時短状態中に小当りZA~ZC,Zb,Zcに当選して該小当りに基づく大当り遊技が付与された場合に、該大当り遊技中に実行される。一例として、ストック演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のラウンド遊技中である。これに限らず、セット前半演出の実行中における所定の実行タイミングは、大当り遊技のオープニング時間中であってもよいし、大当り遊技のエンディング時間中であってもよい。第1可動体演出と、第2可動体演出とは、動作する可動体が異なることから、演出態様が異なる可動体演出であるといえる。
【0206】
セット獲得数演出について説明する。
上述したように、セット獲得数演出は、セット前半演出、セット間演出、第1当り突入演出、セット後半演出、及びストック演出で実行される。セット獲得数演出は、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示す演出である。
【0207】
副制御CPU50aは、セット前半演出の開始を契機として、副制御RAM50c内の第1球数カウンタの値の更新を開始するとともに、第1球数カウンタの値を特定可能な第1球数画像MG4の表示を開始させるように演出表示装置12を制御することにより、セット獲得数演出を開始させる。一例として、第1球数画像MG4は、「獲得球数〇〇〇〇球」の文字列を模した画像である。その後、副制御CPU50aは、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを入力するごとに、予め定めた賞球数を加算するように第1球数カウンタの値を更新するとともに、更新後の値を特定可能となるように第1球数画像MG4の表示内容を更新する。そして、副制御CPU50aは、セット後半演出の終了を契機として、第1球数カウンタの値の更新を終了するとともに第1球数画像MG4の表示を終了させるように演出表示装置12を制御することにより、セット獲得数演出を終了させる。また、副制御CPU50aは、第1球数カウンタの値の更新を終了するに際して、第1球数カウンタの値を初期化する。これにより、演出表示装置12は、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示すセット獲得数演出を実行可能である。本実施形態において、セット獲得数演出は、特定演出に相当する。
【0208】
本実施形態において、セット前半演出は、第2時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選して第1小当り終了条件が成立した場合に実行される。第1当り突入演出は、第1時短状態中、小当りZA,Za,Zbの何れかに当選して第2小当り終了条件が成立した場合に実行される。セット後半演出は、第1時短状態中、小当りZaに当選して第2小当り終了条件が成立した場合に実行される。ストック演出は、第1時短状態中、小当りZA,Zbの何れかに当選して第2小当り終了条件が成立した場合に実行される。このように、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況であって、かつ、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件のうち何れかが成立する状況において、演出表示装置12では、セット獲得数演出が実行される場合がある。
【0209】
本実施形態において、セット前半演出は、各小当り遊技ZA,Za,Zbに基づいてそれぞれ生起する大当り遊技ZA,Za,Zbで実行される。また、本実施形態において、セット後半演出は、小当り遊技Zaに基づいて生起する大当り遊技Zaで実行される。このため、本実施形態において、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、大当り遊技ZA,Za,Zbのうち何れかの大当り遊技と、大当り遊技Zaと、が少なくとも生起される。また、本実施形態において、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、大当り遊技ZA,Za,Zbのうち何れかの大当り遊技が終了してから大当り遊技Zaが開始されるまでの間に、1回又は複数回の大当り遊技ZA及び大当り遊技Zbが生起される場合がある。よって、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、1回の小当り遊技に基づいて付与されうる利益としての賞球の数を超える数の賞球が付与されうる。即ち、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間では、1回の小当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益が付与されうる。したがって、本実施形態において、セット獲得数演出では、1回の小当り遊技に基づいて付与される賞球の数を超える数が、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数として示される場合がある。このように、セット獲得数演出は、1回の小当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益を示唆又は報知する演出である。
【0210】
総獲得数演出について説明する。
上述したように、総獲得数演出は、有利期間終了演出で実行される。総獲得数演出は、有利期間が開始されたときから有利期間が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を示す演出である。
【0211】
副制御CPU50aは、有利期間の開始を契機として、副制御RAM50c内の第2球数カウンタの値の更新を開始する。具体的に、副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZA,ZBの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技が生起されたことを契機として、第2球数カウンタの値の更新を開始する。その後、副制御CPU50aは、第2大入賞口20に遊技球が入球したことを示す第2大入賞コマンドを入力するごとに、予め定めた賞球数を加算するように第2球数カウンタの値を更新する。そして、副制御CPU50aは、有利期間終了演出の実行中における所定の開始タイミングで、第2球数カウンタの値を特定可能な第2球数画像MG13の表示を開始させるように演出表示装置12を制御することにより、総獲得数演出を開始させる。一例として、第2球数画像MG13は、「総獲得球数〇〇〇〇球」の文字列を模した画像である。具体的に、本実施形態の副制御CPU50aは、有利期間終了演出の実行中、最終回のラウンド遊技の終了を特定可能なラウンド終了コマンドを入力したことを契機として、第2球数画像MG13の表示を開始させるように演出表示装置12を制御することにより、総獲得数演出を開始させる。その後、副制御CPU50aは、有利期間の終了を契機として、第2球数カウンタの値の更新を終了するとともに第2球数画像MG13の表示を終了させるように演出表示装置12を制御することにより、総獲得数演出を終了させる。また、副制御CPU50aは、第2球数カウンタの値の更新を終了するに際して、第2球数カウンタの値を初期化する。これにより、演出表示装置12は、有利期間内に獲得した賞球の数を示す総獲得数演出を実行可能である。
【0212】
特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技及び大当り遊技が付与される状況について、遊技の進行に伴って実行される演出の流れの具体的な一例について説明する。
図13(a)~(h)は、第2時短状態中に小当りZaに当選したことに基づいて小当り遊技Za及び大当り遊技Zaが付与された後、第1時短状態において小当りZaに当選したことに基づいて小当り遊技Za及び大当り遊技Zaが付与された状況における演出の流れの具体的な一例を示す。
【0213】
第2時短状態中、小当りZaに当選して小当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、第2当り突入演出が実行される(
図13(a)参照)。次に、小当り遊技Zaが終了して大当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、セット前半演出が実行される(
図13(b)参照)。その後、大当り遊技Zaが終了して第1時短状態に制御され、第1時短状態において特別ゲームが実行されたとする。この場合に、第2特別ゲームの実行中、演出表示装置12では、演出ゲームと、セット間はずれ演出及びセット間当り演出の何れかの演出と、が実行される(
図13(c)参照)。
【0214】
その後、第1時短状態中、小当りZaに当選して小当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、第1当り突入演出が実行される(
図13(d)参照)。次に、小当り遊技Zaが終了して大当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、セット後半演出が実行される(
図13(e)参照)。その後、大当り遊技Zaが終了して第2時短状態に制御され、第2時短状態において特別ゲームが実行されたとする。この場合に、第2特別ゲームの実行中、演出表示装置12では、演出ゲームと、RUSH中はずれ演出及びRUSH中当り演出の何れかの演出と、が実行される(
図13(f)参照)。
【0215】
その後、第2時短状態中、小当りZcに当選して小当り遊技Zcが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zcにおいて、演出表示装置12では、第2当り突入演出が実行される(
図13(g)参照)。次に、小当り遊技Zcが終了して大当り遊技Zcが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、有利期間終了演出が実行される(
図13(h)参照)。その後、大当り遊技Zcが終了すると、通常状態に制御される。
【0216】
このように、第2時短状態中に小当りZaに当選して小当り遊技Zaが付与されてから、第1時短状態中に小当りZaに当選して大当り遊技Zaが終了するまでの一連の特典が付与される状況において、演出表示装置12では、演出態様が関連した一連の演出として実行される。特に、セット獲得数演出は、第2時短状態中に小当りZaに当選して小当り遊技Zaが付与されてから、第1時短状態中に小当りZaに当選して大当り遊技Zaが終了するまでに獲得した賞球の数を示すから、関連性が強い演出といえる。
【0217】
図13(a),(d)に示すように、演出表示装置12では、同じ小当り遊技Zaであっても、画像MG11が表示される場合と、画像MG8及び第1球数画像MG4が表示される場合と、がある。また、
図13(b),(e)に示すように、演出表示装置12では、同じ大当り遊技Zaであっても、画像MG3及び第1球数画像MG4が表示される場合と、画像MG9及び第1球数画像MG4が表示される場合と、がある。これにより、一連の特典が付与される状況では、一連の特典のうち1回目の特典が付与された状況であるかを特定可能であるとともに、一連の特典のうち2回目以降の特典が付与された状況であるかを特定可能である。また、一連の特典の付与が終了することも特定可能である。
【0218】
以上のように、特別当り抽選の結果が小当りとなって1回目の小当り遊技が付与され、その後に、特別当り抽選の結果が、1回目の小当り遊技が付与されたときと同じ小当りとなって2回目の小当り遊技が付与された状況において、1回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、2回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、演出内容の少なくとも一部が異なりうる。そして、セット獲得数演出は、1回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、2回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、によって構成される。
【0219】
特別当り抽選の結果が小当りとなって1回目の小当り遊技が付与され、その後に、2回目の小当り遊技が付与された状況について、遊技の進行に伴って実行される演出の流れの具体的な一例について説明する。
【0220】
図14(a)~(g)は、第2時短状態中に小当りZaに当選したことに基づいて小当り遊技Zaが付与された後、該小当り遊技に基づく大当り遊技Zaにおいて電力供給が遮断された場合における演出の流れの具体的な一例を示す。
【0221】
第2時短状態中、小当りZaに当選して小当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、第2当り突入演出が実行される(
図14(a)参照)。次に、小当り遊技Zaが終了して大当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、セット前半演出が実行される(
図14(b)参照)。大当り遊技Zaの実行中、電力供給が遮断されたとする。その後、電力供給が再開されたとする。この場合に、大当り遊技Zaが再開するとともに、演出表示装置12では、セット前半演出が再開される(
図14(c)参照)。
【0222】
電力供給が再開された場合のセット前半演出では、画像MG3が表示される。電力供給が再開された場合のセット前半演出では、第1球数画像MG4に代えて、画像MG17が表示される。一例として、画像MG17は、「復帰中」という文字列を模した画像である。これに限らず、画像MG17は、「獲得球数????球」という文字列を模した画像であってもよい。画像MG17は、セット前半演出が開始されたときから獲得した賞球の数を表示不能であることを示唆する画像である。画像MG17は、セット前半演出が開始されたときからセット後半演出が終了するまでの期間において電力供給が遮断されたことを特定可能な画像である。さらに、電力供給が再開されると、演出表示装置12では、背景画像HGが表示される。背景画像HGは、電力供給が再開されたことを特定可能な画像である。背景画像HGは、電力供給が再開されたときに表示可能とした電力供給の再開時専用の画像である。
【0223】
その後、大当り遊技Zaが終了して第1時短状態に制御され、第1時短状態において特別ゲームが実行されたとする。この場合に、第2特別ゲームの実行中、演出表示装置12では、演出ゲームと、セット間はずれ演出及びセット間当り演出の何れかの演出と、が実行される(
図14(d)参照)。演出表示装置12では、
図14(c)から引き続き、第1球数画像MG4に代えて、画像MG17が表示される。
【0224】
その後、第1時短状態中、小当りZaに当選して小当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、小当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、第1当り突入演出が実行される(
図14(e)参照)。演出表示装置12では、
図14(d)から引き続き、第1球数画像MG4に代えて、画像MG17が表示される。つまり、第1当り突入演出を構成する演出のうち一部である画像MG8の表示が実行される一方、第1球数画像MG4に代えて画像MG17が表示されるというように、残部が異なる演出になるといえる。次に、小当り遊技Zaが終了して大当り遊技Zaが開始したとする。この場合に、大当り遊技Zaにおいて、演出表示装置12では、セット後半演出が実行される(
図14(f)参照)。演出表示装置12では、
図14(e)から引き続き、第1球数画像MG4に代えて、画像MG17が表示される。
【0225】
その後、大当り遊技Zaが終了して第2時短状態に制御され、第2時短状態において特別ゲームが実行されたとする。この場合に、第2特別ゲームの実行中において、演出表示装置12では、演出ゲームと、RUSH中はずれ演出及びRUSH中当り演出の何れかの演出と、が実行される(
図14(g)参照)。
【0226】
図13(a)~(e)に示すように、1回目の小当り遊技として小当り遊技Zaが付与された後、電力供給が遮断されずに2回目の小当り遊技として小当り遊技Zaが付与された場合、2回目の小当り遊技において実行される第1当り突入演出では、第1球数画像MG4が表示される。同様に、2回目の大当り遊技において実行されるセット後半演出では、第1球数画像MG4が表示される。
【0227】
一方、
図14(a)~(f)に示すように、1回目の小当り遊技として小当り遊技Zaが付与された後、電力供給が遮断されてから2回目の小当り遊技として小当り遊技Zaが付与された場合、2回目の小当り遊技において実行される第1当り突入演出では、第1球数画像MG4が表示されずに画像MG17が表示される。同様に、2回目の大当り遊技において実行されるセット後半演出では、第1球数画像MG4が表示されずに画像MG17が表示される。これに限らず、1回目の小当り遊技として小当り遊技Zaが付与された後、電力供給が遮断されてから2回目の小当り遊技として小当り遊技Zaが付与された場合、その後に、第1球数画像MG4及び画像MG17の何れも表示されないようにしてもよい。即ち、
図14(c)~(f)において、演出表示装置12では、画像MG17が表示されないようにしてもよい。つまり、第1当り突入演出を構成する演出のうち一部である画像MG8の表示が実行される一方、第1球数画像MG4及び画像MG17の何れも表示されないというように、残部が実行されなくてもよい。
【0228】
なお、1回目の小当り遊技が開始してから2回目の小当り遊技が終了するまでの期間において電力供給が遮断された後に再開された場合、2回目の小当り遊技において実行される第1当り突入演出では、第1球数画像MG4が表示されない。即ち、1回目の小当り遊技の開始後における所定期間で電力供給が遮断された場合、2回目の小当り遊技の付与中に実行される第1当り突入演出では、画像MG3が表示されるものの、第1球数画像MG4が表示されない、又は第1球数画像MG4とは異なる画像MG17が表示される。このように、1回目の小当り遊技の開始後における所定期間で電力供給が遮断された場合の2回目の小当り遊技では、所定期間で電力供給が遮断されなかった場合の2回目の小当り遊技の付与中に実行される第1当り突入演出の一部が実行され、残部が実行されない、又は残部が異なる演出となる。
【0229】
また、1回目の小当り遊技が開始してから2回目の大当り遊技が終了するまでの期間において電力供給が遮断された後に再開された場合、2回目の大当り遊技において実行されるセット後半演出では、第1球数画像MG4が表示されずに画像MG17が表示される。即ち、1回目の小当り遊技の開始後における所定期間で電力供給が遮断された場合、2回目の大当り遊技の付与中に実行されるセット後半演出では、画像MG9が表示されるものの、第1球数画像MG4が表示されない、又は第1球数画像MG4とは異なる画像MG17が表示される。
【0230】
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、時短状態を終了させるための条件として、時短状態が終了するタイミングが異なる第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件がある。第2小当り終了条件が成立する状況は、第1小当り終了条件が成立する状況よりも時短状態に長く制御されるから、第2始動入賞口15へ遊技球を入球させ易い期間の長さという観点で有利な状況であるといえる。そして、第1小当り終了条件が成立する状況と、第2小当り終了条件が成立する状況とでは、遊技状態に関する制御の有利度合いが異なりうるから、時短条件が成立しうる状況において、時短状態に制御される期間の長さに加え、遊技状態の制御に対して期待感を持たせることができる。よって、小当り遊技の開始時に時短状態であるか否かについて興味を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0231】
(2)小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないとき、小当り遊技の全期間にわたって時短状態が維持される。一方、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するとき、小当り遊技の少なくとも一部の期間において通常状態に制御される。時短状態に制御されているときの小当り遊技は、第1大入賞口18に遊技球を入球させ難い。通常状態に制御されているときの小当り遊技は、第1大入賞口18に遊技球を入球させることができる。これにより、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときには、時短状態が終了して通常状態に制御されるが、小当り遊技において遊技球を第1大入賞口18に入球させることにより再び時短状態に制御させることができる。このように、小当り遊技が付与されるという同じ状況であっても、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が成立したか否かに応じて、第1大入賞口18に対する遊技球の入球のし易さを異ならせることができるとともに、遊技状態の遷移に変化を持たせることができる。
【0232】
(3)小当り遊技において時短状態に制御されているときには、原則として、第1大入賞口18に遊技球を入球させることができない。しかしながら、小当り遊技において時短状態に制御されているとき、例外的に、第1大入賞口18に遊技球が入球した場合でも、再び時短状態に制御することができる。このため、時短状態に制御されているときに第1大入賞口18に遊技球が入球するという例外が発生したとしても、所定のタイミングが到来すると再び時短状態に制御されるから、遊技者の興趣を低下させることを抑制することができる。
【0233】
(4)本実施形態では、小当り遊技が付与される状況であって、かつ、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件のうち何れかが成立する状況において、セット獲得数演出が実行される場合がある。セット獲得数演出は、1回の小当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益を示唆又は報知する演出であるから、より多くの利益に期待する遊技者の興趣を向上できる演出であるといえる。よって、時短状態に制御されているとき、第1小当り終了条件又は第2小当り終了条件が成立してセット獲得数演出が実行されるか否かについて興味を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0234】
(5)本実施形態では、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときと、でゲーム中演出の演出態様の少なくとも一部が異なりうる。このため、ゲーム中演出の態様により、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立したか否かを特定可能である。よって、特別ゲームの実行中に実行される演出に注目させつつ、小当り遊技の開始時に時短状態であるか否かについて注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0235】
(6)本実施形態では、小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときと、で変動パターンの選択条件が異なる。このため、特別ゲームの変動パターン(変動時間)により、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立したか否かを特定可能である。よって、特別ゲームの変動パターン(変動時間)に注目させつつ、小当り遊技の開始時に時短状態であるか否かについて注目させることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0236】
(7)1回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、2回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、何れも同じ小当り遊技(一例として小当り遊技Za)に関連して実行される演出であるものの、演出内容の少なくとも一部が異なりうる。これにより、同じ小当りに応じて付与された小当り遊技であったとしても、例えば、遊技状態の遷移など遊技の状況によって、小当り遊技の付与に関連して実行される演出の内容を異ならせることができ、該演出の内容に興味を持たせることができる。そして、小当り遊技の付与に関連して実行される演出について、多様性を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0237】
(8)セット獲得数演出は、1回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、2回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、により構成される。このため、1回目の小当り遊技と、2回目の小当り遊技と、が一連の特典であることを認識させ易くすることができる。このように、本実施形態では、1回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、2回目の小当り遊技の付与に関連して実行される演出と、で演出の繋がりを強くして一体感のある演出を実現しつつ、異なる演出を実行することで状況に応じた演出を実行することができる。
【0238】
(9)本実施形態では、1回目の小当り遊技の開始後における所定期間において電力供給が遮断されたか否かに応じて、その後の2回目の小当り遊技で実行される第1当り突入演出の実行態様が異なる。具体的に、電力供給が遮断された場合の2回目の小当り遊技では、電力供給が遮断されなかった場合の2回目の小当り遊技の付与中に実行される第1当り突入演出の一部が実行され、残部が実行されない、又は残部が異なる演出となる。これにより、第1当り突入演出の一部の実行態様により小当り遊技が付与されたことを認識させつつ、第1当り突入演出の残部の実行態様より小当り遊技が付与される前に電力供給が遮断されたか否かを認識させることができる。よって、電力供給が遮断された場合であっても、小当り遊技において違和感のない演出を実行することができ、電力供給が遮断されたことにより遊技者の興趣が低下することを抑制することができる。
【0239】
(10)本実施形態では、第1時短状態及び第2時短状態の何れに制御されているかによって、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れが成立し易いかが異なる。そして、本実施形態では、成立した小当り終了条件の種類と、小当り遊技の種類と、に応じて制御可能な遊技状態が異なりうる。特に、第1時短状態において小当り遊技Zcが付与される状況では、第2小当り終了条件が成立しないから第1時短状態が維持されうる。一方、第2時短状態において小当り遊技Zcが付与された場合には、第1小当り終了条件が成立するから通常状態に制御されうる。このように、本発明によれば、制御されている遊技状態と、小当り終了条件の成立と、付与された小当り遊技と、によって制御される遊技状態に多様性を持たせることができ、興趣の向上を図ることができる。
【0240】
(11)本実施形態では、特別当り抽選の結果が小当りとなった場合に小当り終了条件が成立したか否かに応じて、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過する可能性を異ならせることにより、新たな遊技性を提供して遊技に対する興趣の向上を図ることができる。
【0241】
(12)通常状態において小当り遊技ZAが付与された場合には、その後に小当り遊技Zaが付与されることが保証されるから、通常状態において小当り遊技ZAが付与されたときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。第2時短状態において小当り遊技ZA,Za,Zbが付与された場合には、その後に小当り遊技Zaが付与されることが保証されるから、第2時短状態において小当り遊技ZA,Za,Zbが付与されたときの遊技者の興趣をより一層向上させることができる。
【0242】
(13)本実施形態では、小当り遊技中に実行可能な演出として複数種類の小当り遊技演出を備えているため、演出を多様化して遊技を楽しませることができる。本実施形態では、大当り遊技中に実行可能な演出として複数種類の大当り遊技演出を備えているため、演出を多様化して遊技を楽しませることができる。
【0243】
(14)第2時短状態中に小当りZbに当選した場合と、第1時短状態中に小当りZbに当選した場合とで、大当り遊技Zbにおいて、異なる演出態様で可動体演出が実行されるため、演出を多様化して遊技を楽しませることができる。
【0244】
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0245】
・第2小当り終了条件が成立した場合、時短状態は、第2小当り終了条件が成立した特別ゲームの終了後に生起する小当り遊技が開始した後、予め定められた所定の終了タイミングにて終了するようにしてもよい。例えば、終了タイミングは、オープニング時間の経過時であってもよい。終了タイミングは、ラウンド遊技が開始する前であってもよく、1回目のラウンド遊技の開始後かつ終了前であってもよい。これにより、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するとき、小当り遊技の少なくとも一部の期間において通常状態に制御される。なお、特定領域29に遊技球を通過させ易くする観点から、上記実施形態のように構成することが好ましい。
【0246】
・主制御CPU41aは、第1小当り残回数に応じて変動パターンの選択条件を異ならせてもよい。例えば、第2変動パターンテーブルを選択した場合、主制御CPU41aは、導出される特別図柄が特別図柄Zcであるときにおいて、第1停止回数が2以上であるときと、第1停止回数が1であるときと、のうち何れであるかに応じて、異なる変動パターンを選択するようにしてもよい。即ち、主制御CPU41aは、第1時短状態において、特別図柄Zcが導出されて第1小当り終了条件が成立するときと、特別図柄Zcが導出され第1小当り終了条件が成立しないときとでは、変動パターンの選択条件を異ならせてもよい。
【0247】
・実行可能とする小当り遊技演出は、小当り抽選時の遊技状態と、小当りの種類と、に応じて、適宜変更してもよい。例えば、通常状態中、小当りZAに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技において突入チャレンジ演出が実行されなくてもよい。この場合、突入チャレンジ演出とは異なる演出として、例えば、セット前半演出が実行されてもよい。
【0248】
・実行可能とする大当り遊技演出は、小当り抽選時の遊技状態と、小当りの種類と、に応じて、適宜変更してもよい。例えば、第1時短状態中、小当りZB,ZC,Zcの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技においてストック演出が実行されなくてもよい。この場合、ストック演出とは異なる演出として、例えば、セット間演出が実行されてもよい。例えば、第2時短状態中、小当りZB,ZCの何れかに当選した場合に、該小当りに基づく大当り遊技においてセット前半演出が実行されなくてもよい。この場合、セット前半演出とは異なる演出として、例えば、RUSH継続演出が実行されてもよい。
【0249】
・小当り遊技演出は、小当り遊技のオープニング時間中、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中のうち一部で実行されてもよいし、全部で実行されてもよい。例えば、小当り遊技演出は、オープニング時間中、及びラウンド遊技中に実行される一方、エンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、小当り遊技演出は、ラウンド遊技中に実行される一方、オープニング時間中、及びエンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、小当り遊技演出は、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中に実行される一方、オープニング時間中に実行されなくてもよい。
【0250】
・大当り遊技演出は、大当り遊技のオープニング時間中、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中のうち一部で実行されてもよいし、全部で実行されてもよい。例えば、大当り遊技演出は、オープニング時間中、及びラウンド遊技中に実行される一方、エンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、大当り遊技演出は、ラウンド遊技中に実行される一方、オープニング時間中、及びエンディング時間中に実行されなくてもよい。例えば、大当り遊技演出は、ラウンド遊技中、及びエンディング時間中に実行される一方、オープニング時間中に実行されなくてもよい。
【0251】
・セット獲得数演出は、突入チャレンジ演出の一部として実行される場合があってもよい。例えば、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZAに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行される突入チャレンジ演出の一部として実行されてもよい。一方、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZBに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行されなくてもよい。また、セット獲得数演出は、通常状態中に小当りZCに当選した場合に、該小当りに基づく小当り遊技中に実行されなくてもよい。
【0252】
・セット獲得数演出及び総獲得数演出では、第2大入賞口20以外の入賞口への遊技球の入球を契機として獲得した賞球の数を含む数が獲得した賞球の数として示されるようにしてもよい。セット獲得数演出及び総獲得数演出では、それぞれ定められた期間内において、第2大入賞口20に加えて、第1始動入賞口14、第2始動入賞口15、第1大入賞口18、及び一般入賞口22の一部又は全部の入賞口について、各入賞口への遊技球の入球を契機として獲得した賞球の数の合計が示されるようにしてもよい。
【0253】
・大当り遊技Zaの実行中、電力供給が遮断され、その後、電力供給が再開されて大当り遊技Zaが再開した場合、演出表示装置12では、セット前半演出が再開されなくてもよい。この場合、演出表示装置12では、セット前半演出が実行されずに、電力供給が再開されたときにのみ実行可能な復電時専用の演出が実行されるようにしてもよい。その後、大当り遊技Zaが終了して第1時短状態に制御されると、セット間はずれ演出及びセット間当り演出の何れかを実行可能としてもよい。
【0254】
・セット後半演出は、複数種類あってもよい。例えば、セット後半演出は、小当りZA,Za,Zbに基づく第2当り突入演出の開始からセット後半演出が終了するまでの期間(以下、セット期間と示す)内においてストック演出が実行された回数(以下、ストック回数と示す)に応じて異なる演出態様で実行してもよい。セット期間は、小当りZAに基づく突入チャレンジ演出の開始からセット後半演出が終了するまでの期間であってもよい。この場合、セット後半演出は、ストック回数を特定可能な演出態様で実行されてもよい。セット後半演出は、セット期間内において付与された大当り遊技の回数を特定可能な演出態様で実行されてもよい。即ち、セット後半演出は、一連の特典のうち何回目の特典が付与された状況であるかを特定可能であってもよい。一例として、ストック回数が「0」である場合、演出表示装置12では、画像MG9と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。一例として、ストック回数が「1」である場合、演出表示装置12では、画像MG9に代えて「超限界突破!!」の文字列を模した画像と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。なお、「超限界突破!!」の文字列を模した画像は、画像MG9に「超」の文字を模した画像を加えることで実現してもよい。ストック回数が「2」である場合、演出表示装置12では、画像MG9に代えて「絶限界突破!!」の文字列を模した画像と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。なお、「絶限界突破!!」の文字列を模した画像は、画像MG9に「絶」の文字を模した画像を加えることで実現してもよい。ストック回数が「3」以上である場合、演出表示装置12では、画像MG9に代えて「極限界突破!!」の文字列を模した画像と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。なお、「極限界突破!!」の文字列を模した画像は、画像MG9に「極」の文字を模した画像を加えることで実現してもよい。このように、例えば、第2時短状態において小当り遊技Zaが付与され、その後に、第1時短状態において小当り遊技ZA,Zbが付与された後に第1時短状態において小当り遊技Zaが付与された場合は、画像MG9が表示される。一方、第2時短状態において小当り遊技Zaが付与され、その後に、第1時短状態において小当り遊技ZA,Zbが付与されずに第1時短状態において小当り遊技Zaが付与された場合は、画像MG9と少なくとも一部が異なる画像が表示されるようにしてもよい。本変更例において、「超」、「絶」、又は「極」を模した画像は、「限界突破」という共通する演出要素に対して付加される付加情報として把握できる。
【0255】
・ストック演出は、複数種類あってもよい。例えば、ストック演出は、ストック回数に応じて異なる演出態様で実行してもよい。この場合、ストック演出は、ストック回数を特定可能な演出態様で実行されてもよい。ストック演出は、セット期間内において付与された大当り遊技の回数を特定可能な演出態様で実行されてもよい。即ち、ストック演出は、一連の特典のうち何回目の特典が付与された状況であるかを特定可能であってもよい。一例として、ストック回数が「1」である場合、演出表示装置12では、画像MG10と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。一例として、ストック回数が「2」以上である場合、演出表示装置12では、画像MG10に代えて「限界突破ストック!!〇回目」の文字列を模した画像と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。例えば、ストック回数が「2」である場合、演出表示装置12では、画像MG10に代えて「限界突破ストック!!2回目」の文字列を模した画像と、第1球数画像MG4と、が表示されるようにしてもよい。なお、「限界突破ストック!!〇回目」の文字列を模した画像は、画像MG10に「〇回目」の文字列を模した画像を加えることで実現してもよい。このように、例えば、第2時短状態において小当り遊技Zaが付与され、その後に、第1時短状態において小当り遊技ZA,Zbが付与された場合は、画像MG10が表示される。一方、第2時短状態において小当り遊技Zaが付与され、その後に、第1時短状態において小当り遊技ZA,Zbが付与され、さらに、その後に、第1時短状態において小当り遊技ZA,Zbが付与された場合は、画像MG10と少なくとも一部が異なる画像が表示されるようにしてもよい。本変更例において、「○回目」の文字列を模した画像は、「限界突破」という共通する演出要素に対して付加される付加情報として把握できる。
【0256】
・画像MG17は、第1球数画像MG4と同じ形状の「獲得球数〇〇〇〇球」という文字列を模した画像であってもよい。この場合、画像MG17は、第1球数画像MG4とは異なる色彩で表示されるようにしてもよい。画像MG17は、第1球数画像MG4と異なる形状の「獲得球数〇〇〇〇球」という文字列を模した画像であってもよい。つまり、画像MG17は、第1球数画像MG4と同じ文字を認識可能な画像であってもよい。副制御CPU50aは、電力供給が再開されてからセット後半演出が終了するまでの期間内に獲得した賞球の数を表示させるように演出表示装置12を制御してもよい。
【0257】
・パチンコ遊技機10は、所定の注意喚起を実行可能に構成されてもよい。例えば、所定の注意喚起は、のめり込みに関する注意喚起である。一例として、演出表示装置12では、のめり込みに関する注意喚起が実行されると、「パチンコ・パチスロは適度に楽しむ遊びです。のめり込みに注意しましょう。」という文字列を模した画像が表示される。副制御CPU50aは、有利期間内に付与された何れかの大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。のめり込みに関する注意喚起は、大当り遊技中、オープニング時間中に実行されてもよいし、ラウンド遊技中に実行されてもよいし、エンディング時間中に実行されてもよい。ラウンド遊技中にのめり込みに関する注意喚起が実行される場合、複数のラウンド遊技に跨って実行されてもよいし、1回のラウンド遊技で実行されてもよい。一例として、副制御CPU50aは、通常状態中に当選した小当りZAを1回目の小当りとした場合、小当りZAに当選して1回目の小当り遊技が付与されると、該小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。その後、副制御CPU50aは、第1時短状態中に当選した小当りZaを2回目の小当りとした場合、小当りZaに当選して2回目の小当り遊技が付与されると、該小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよい。一例として、副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZAに当選して1回目の小当り遊技が付与されると、該小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよい。その後、副制御CPU50aは、第1時短状態中、小当りZaに当選して2回目の小当り遊技が付与されると、該小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。その後、副制御CPU50aは、有利期間が終了するまでのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよいし、のめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。1回目の小当り遊技の開始後における所定の期間で電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、2回目の小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。2回目の小当り遊技の開始後における所定の期間で電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、2回目の小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよい。このように、2回目の小当り遊技が付与された場合にのめり込みに関する注意喚起を実行可能に構成された遊技機において、1回目の小当り遊技の開始時からのめり込みに関する注意喚起が実行されるまでにおける電力供給が遮断されたタイミングに応じて、のめり込みに関する注意喚起が実行される場合と、実行されない場合と、があってもよい。以上のように、パチンコ遊技機10は、1回目の小当り遊技が付与された場合、及び2回目の小当り遊技が付与された場合の何れかでのめり込みに関する注意喚起を実行可能に構成されてもよい。一例として、副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZBに当選して小当り遊技が付与された場合、該小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。その後、副制御CPU50aは、有利期間が終了するまでのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよいし、のめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。小当り遊技ZBの開始後における所定の期間で電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、小当り遊技ZBに基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよい。この場合、副制御CPU50aは、有利期間が終了するまでにのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。一例として、副制御CPU50aは、通常状態中、小当りZCに当選して小当り遊技が付与された場合、該小当り遊技に基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行するように、演出表示装置12を制御してもよい。小当り遊技ZCの開始後における所定の期間で電力供給が遮断された場合、副制御CPU50aは、小当り遊技ZCに基づく大当り遊技中にのめり込みに関する注意喚起を実行しないように、演出表示装置12を制御してもよい。
【0258】
・主制御CPU41aは、小当りの種類と、小当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに応じて、小当り遊技におけるオープニング時間を異ならせてもよい。特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときとでは、小当り遊技におけるオープニング時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときは、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときよりも、小当り遊技におけるオープニング時間が短くなるようにしてもよい。
【0259】
・主制御CPU41aは、小当りの種類と、小当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに応じて、小当り遊技におけるエンディング時間を異ならせてもよい。特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときと、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときとでは、小当り遊技におけるエンディング時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、特別当り抽選の結果が小当りとなって小当り遊技が付与される状況において、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が何れも成立しないときは、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件の何れかが成立するときよりも、小当り遊技におけるエンディング時間が短くなるようにしてもよい。
【0260】
・時短状態の終了条件は、ゲーム終了条件を含まなくてもよい。即ち、主制御CPU41aは、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの合計回数が規定ゲーム回数に達することを契機として、特別ゲーム終了時に時短状態を終了させる制御を実行しなくてもよい。
【0261】
・残ゲーム回数の初期値としてセットする第1回数は、250回であることに限らず、251回以上であってもよく、249回以下であってもよい。第1回数は、第2時短状態に制御する場合に小当り残回数の初期値としてセットする第3回数、及び第1時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第4回数よりも多い回数であり、第1小当り終了条件及び第2小当り終了条件が成立する前にゲーム終了条件が成立し得ない、又は実質的に成立し得ない回数であるとよい。
【0262】
・第1時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第4回数は、2以上であってもよい。
・第1時短状態に制御する場合に第1小当り残回数の初期値としてセットする第2回数は、250回であることに限らず、251回以上であってもよく、249回以下であってもよい。第2回数は、第1時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第4回数よりも多い回数であり、第2小当り終了条件が成立する前に第1小当り終了条件が成立し得ない、又は実質的に成立し得ない回数であるとよい。
【0263】
・第2時短状態に制御する場合に第1小当り残回数の初期値としてセットする第3回数は、2以上であってもよい。
・第2時短状態に制御する場合に第2小当り残回数の初期値としてセットする第5回数は、250回であることに限らず、251回以上であってもよく、249回以下であってもよい。第5回数は、第2時短状態に制御する場合に第1小当り残回数の初期値としてセットする第3回数よりも多い回数であり、第1小当り終了条件が成立する前に第2小当り終了条件が成立し得ない、又は実質的に成立し得ない回数であるとよい。
【0264】
・第1種類の小当りに含まれる小当りは、適宜変更してもよい。第1種類の小当りに含まれる小当りは、第1時短状態及び第2時短状態の何れであるかに応じて、異ならせてもよい。例えば、第1時短状態における第1種類の小当りは、小当りZA,Za,Zbであってもよい。第2時短状態における第1種類の小当りは、小当りZA,Za,Zb,Zcであってもよい。第2種類の小当りに含まれる小当りは、適宜変更してもよい。第2種類の小当りに含まれる小当りは、第1時短状態及び第2時短状態の何れであるかに応じて、異ならせてもよい。例えば、第1時短状態における第2種類の小当りは、小当りZA,Za,Zb,Zcであってもよい。第2時短状態における第2種類の小当りは、小当りZA,Za,Zbであってもよい。
【0265】
・パチンコ遊技機10は、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技を生起するように構成されてもよい。即ち、パチンコ遊技機10では、特別当り抽選において大当りに当選した場合、特別ゲームにおいて大当り図柄が導出され、該特別ゲームの終了後に大当り遊技が付与されてもよい。
【0266】
・上記変更例において、主制御CPU41aは、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技が生起される場合と、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過したことを契機として大当り遊技が生起される場合と、で大当り遊技の終了後に制御される遊技状態を異ならせてもよいし、同一としてもよい。主制御CPU41aは、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技を生起する場合には、大当りの種類と、大当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに応じて、大当り遊技の終了後に制御される遊技状態を異ならせてもよい。これによれば、大当り遊技が生起されることに期待する遊技者に対して、特別当り抽選において大当りに当選したことを契機として大当り遊技が生起されることと、小当り遊技において遊技球が特定領域29を通過したことを契機として大当り遊技が生起されることと、の両方に期待させて遊技を楽しませることができる。
【0267】
・小当りの種類は、適宜変更してもよい。例えば、小当りZCを備えていなくてもよい。
・小当りに当選した場合、主制御CPU41aは、特別図柄乱数の値に基づいて、第1特別図柄の小当り図柄のうち何れかの特別図柄を決定したが、これに限らない。特別当り抽選において、主制御CPU41aは、特別当り乱数の値に基づいて、小当りか否かを決定するとともに、小当り図柄のうち何れかの特別図柄を決定してもよい。
【0268】
・小当りの種類と、小当り遊技開始時の遊技状態と、の組み合わせに定められた遊技状態は、適宜変更してもよい。
・第1特別図柄の小当り図柄について、特別図柄ZA、特別図柄ZB、及び特別図柄ZCに定められた比率は、適宜変更してもよい。第2特別図柄の小当り図柄について、特別図柄Za、特別図柄Zb、及び特別図柄Zcに定められた比率は、適宜変更してもよい。
【0269】
・普通開閉片16の閉鎖状態は、開放状態よりも第2始動入賞口15に遊技球が入球し難い状態であればよく、第2始動入賞口15に遊技球が入球不能な状態でなくてもよい。第1特別開閉片19の閉鎖状態は、開放状態よりも第1大入賞口18に遊技球が入球し難い状態であればよく、第1大入賞口18に遊技球が入球不能な状態でなくてもよい。第2特別開閉片21の閉鎖状態は、開放状態よりも第2大入賞口20に遊技球が入球し難い状態であればよく、第2大入賞口20に遊技球が入球不能な状態でなくてもよい。
【0270】
・第1時短状態と、第2時短状態とは、特別ゲームの平均変動時間が同じであってもよい。第1時短状態及び第2時短状態は、通常状態と比較して、特別ゲームの平均変動時間が短い状態であってもよい。
【0271】
・変動パターンの種類は、適宜変更してもよい。
・主制御CPU41aは、遊技状態によらず、同じ変動パターンテーブルを選択してもよい。主制御CPU41aは、遊技状態に応じて変動パターンの選択率を異ならせてもよい。即ち、主制御CPU41aは、遊技状態と、導出される特別図柄と、に応じて変動パターンの選択率を異ならせてもよい。
【0272】
・各変動パターンテーブルに定められた変動パターンは、導出される特別図柄に応じて異なる変動パターンであるが、これに限らない。導出される特別図柄が異なっていても、選択される変動パターンの一部又は全部が同じであってもよい。即ち、主制御CPU41aは、導出される特別図柄によらず、同じ変動パターンを選択可能であってもよい。この場合、主制御CPU41aは、導出される特別図柄に応じて変動パターンの選択率を異ならせてもよい。
【0273】
・通常状態では、普通当り抽選において普通当りに当選する場合があってもよい。通常状態では、普通当り抽選において普通当りに当選しない場合があってもよい。第1時短状態と、第2時短状態とでは、普通当り抽選の当選確率が異なるようにしてもよい。第1時短状態と、第2時短状態とでは、普通ゲームの変動時間が異なるようにしてもよい。第1時短状態と、第2時短状態とでは、普通当り遊技における第2始動入賞口15の開放態様が異なるようにしてもよい。
【0274】
・上記実施形態において特典は、小当り遊技及び大当り遊技であったが、これに限らない。特別当り抽選において当りに当選する確率が高くなる状態(所謂、確率変動状態)に制御されることが特典であってもよく、時短状態に制御されることが特典であってもよい。また、確率変動状態で実行可能な特別ゲームの回数が付与されることが特典であってもよく、時短状態で実行可能な特別ゲームの回数が付与されることが特典であってもよい。
【0275】
・第1特別保留数の上限数は「4」であることに限らず、「3」以下であってもよいし、「5」以上であってもよい。
・パチンコ遊技機10は、第2特別ゲームの実行を保留可能に構成されてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第2始動入賞センサSE2によって遊技球が検知されたことを契機として各種の乱数を取得し、該取得した乱数を特定可能な乱数情報を主制御RAM41cに記憶させることにより、予め定めた数を上限として第2特別ゲームの実行を保留するようにしてもよい。この場合、主制御CPU41aは、第1特別ゲームの保留条件と第2特別ゲームの保留条件とが成立しているときには、第1特別ゲームよりも第2特別ゲームを優先して実行させるようにしてもよいし、第2特別ゲームよりも第1特別ゲームを優先して実行させるようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、何れの特別ゲームであるかにかかわらず保留された順序で実行させるようにしてもよい。また、主制御CPU41aは、第1特別ゲームと第2特別ゲームとを並行して実行させるようにしてもよい。
【0276】
・特別当り抽選において小当りに当選する確率は、適宜変更してもよい。例えば、第2特別当り抽選において小当りに当選する確率は、1/1でなくてもよい。即ち、第2特別当り抽選において小当りに当選しない場合があってもよい。
【0277】
・小当り遊技において時短状態に制御されている場合に、遊技球が特定領域29を通過不能とする構成は、適宜変更してもよい。例えば、小当り遊技において時短状態に制御されている場合は、小当り遊技において遊技球が実質的に特定領域29を通過不能な動作態様で振分シャッタ28を動作させるようにしてもよい。
【0278】
・副制御基板50をサブ統括制御基板とし、副制御基板50とは別に、演出表示装置12を専門に制御する表示制御基板と、スピーカSPを専門に制御する音声制御基板と、装飾ランプLAを専門に制御するランプ制御基板と、を個別に設けてもよい。また、表示制御基板と、音声制御基板と、ランプ制御基板と、のうち一部又は全部の基板を同一の基板としてもよい。また、副制御CPU50aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0279】
・パチンコ遊技機10は、主制御基板40の機能と副制御基板50の機能とを統合した単一の制御基板を備えてもよい。また、主制御基板40の機能は、複数の基板に分割して実現してもよい。主制御CPU41aは、単一の基板上に実装された複数のCPUから構成されていてもよい。
【0280】
上記実施形態及び変更例から把握できる技術的思想について記載する。
(付記1)当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、遊技状態を制御する遊技状態制御手段を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機。
【0281】
(付記2)前記特定当り遊技は、遊技球を入球させうるように特別入賞口が開放され、前記遊技状態制御手段は、前記特定当り遊技において前記特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過したことを契機に前記特定状態に制御可能であり、前記特定当り遊技は、遊技状態が前記通常状態に制御されていると、前記特別入賞口に遊技球を入球させ易い、又は入球させることができ、遊技状態が前記特定状態に制御されていると、前記特別入賞口に遊技球を入球させ難い、又は入球させることができず、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって前記特定当り遊技が付与される状況において、前記第1特定条件及び前記第2特定条件が何れも成立しないとき、前記特定当り遊技の全期間にわたって前記特定状態が維持され、前記第1特定条件及び前記第2特定条件の何れかが成立するとき、前記特定当り遊技の少なくとも一部の期間において前記通常状態に制御される(付記1)に記載の遊技機。
【0282】
(付記3)前記特定当り遊技は、遊技球を入球させうるように特別入賞口が開放され、前記遊技状態制御手段は、前記特定当り遊技において前記特別入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過したことを契機に遊技状態を移行させる制御を実行可能であり、前記特定当り遊技は、遊技状態が前記特定状態に制御されていると、前記特別入賞口に遊技球を入球させ難い、又は入球させることができず、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって前記特定当り遊技が付与される状況において、前記第1特定条件及び前記第2特定条件が何れも成立しないとき、前記特定当り遊技の全期間にわたって前記特定状態が維持され、当該特定当り遊技において遊技球が前記特別入賞口に入球して前記特定領域を通過したときには、前記特定状態が終了するものの、所定のタイミングが到来すると再び前記特定状態に制御される(付記1)又は(付記2)に記載の遊技機。
【0283】
(付記4)前記特定当り遊技には、第1特定当り遊技と、第2特定当り遊技と、第3特定当り遊技と、があり、前記特定状態には、第1特定状態と、第2特定状態と、があり、前記第1特定状態であるときには、前記第1特定条件よりも前記第2特定条件が成立し易く、前記第2特定状態であるときには、前記第2特定条件よりも前記第1特定条件が成立し易く、前記第1特定条件は、前記第1特定当り遊技、前記第2特定当り遊技、及び前記第3特定当り遊技が付与される状況において成立可能であり、前記第2特定条件は、前記第1特定当り遊技、及び前記第2特定当り遊技が付与される状況において成立可能である一方、前記第3特定当り遊技が付与される状況において成立不能であり、前記第1特定状態において前記第2特定条件が成立したときであって、前記第1特定当り遊技が付与された場合には、所定のタイミングが到来すると前記第2特定状態に制御可能であり、前記第1特定状態において前記第2特定条件が成立したときであって、前記第2特定当り遊技が付与された場合には、所定のタイミングが到来すると前記第1特定状態に制御可能であり、前記第2特定状態において前記第1特定条件が成立したときであって、前記第1特定当り遊技が付与された場合には、所定のタイミングが到来すると前記第1特定状態に制御可能であり、前記第2特定状態において前記第1特定条件が成立したときであって、前記第2特定当り遊技が付与された場合には、所定のタイミングが到来すると前記第1特定状態に制御可能であり、前記第2特定状態において前記第1特定条件が成立したときであって、前記第3特定当り遊技が付与された場合には、前記第1特定状態及び前記第2特定状態に制御されず、前記通常状態に制御される(付記1)~(付記3)のうち何れかに記載の遊技機。
【0284】
(付記5)当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であり、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって前記特定当り遊技が付与される状況であって、かつ、前記第1特定条件及び前記第2特定条件のうち何れかが成立する状況において、前記演出実行手段では、特定演出が実行される場合があり、前記特定演出は、1回の前記特定当り遊技に基づいて付与されうる利益を超える利益を示唆又は報知する演出であることを特徴とする遊技機。
【0285】
(付記6)当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、前記当り抽選の結果に応じて変動ゲームの変動パターンを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記変動パターンに基づいた変動ゲームを実行可能なゲーム実行手段と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって前記特定当り遊技が付与される状況において、前記第1特定条件及び前記第2特定条件が何れも成立しないときと、前記第1特定条件及び前記第2特定条件の何れかが成立するときと、では、変動ゲームの実行中に実行される演出における演出態様の少なくとも一部が異なりうるようになっており、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機。
【0286】
(付記7)当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、前記当り抽選の結果に応じて変動ゲームの変動パターンを選択する選択手段と、前記選択手段によって選択された前記変動パターンに基づいた変動ゲームを実行可能なゲーム実行手段と、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって前記特定当り遊技が付与される状況において、前記第1特定条件及び前記第2特定条件が何れも成立しないときと、前記第1特定条件及び前記第2特定条件の何れかが成立するときと、では、前記変動パターンの選択条件が異なりうるようになっており、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であることを特徴とする遊技機。
【0287】
(付記8)当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であり、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって1回目の特定当り遊技が付与され、その後に、前記当り抽選の結果が、前記1回目の特定当り遊技が付与されたときと同じ前記特定結果となって2回目の特定当り遊技が付与された状況において、前記1回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、前記2回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出とは、演出内容の少なくとも一部が異なりうることを特徴とする遊技機。
【0288】
(付記9)前記1回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、前記2回目の特定当り遊技の付与に関連して実行される演出と、で特定演出が構成される(付記8)に記載の遊技機。
【0289】
(付記10)当り抽選の結果に応じて当り遊技を付与可能な遊技機において、遊技状態を制御する遊技状態制御手段と、演出を実行する演出実行手段と、前記演出実行手段を制御する演出制御手段と、を備え、前記遊技状態には、通常状態と、前記通常状態よりも所定の始動口に遊技球を入球させ易い特定状態と、があり、前記当り抽選の結果が特定結果となって特定当り遊技が付与される状況において、前記特定状態を終了させるための特定条件が成立可能であって、前記特定条件には、第1特定条件と、第2特定条件と、があり、前記第1特定条件が成立すると、前記特定当り遊技が開始するよりも前のタイミングにて前記特定状態が終了され、前記第2特定条件が成立すると、少なくとも前記特定当り遊技の開始時まで前記特定状態が終了せず、その後に前記特定状態が終了され、前記第1特定条件の成立により前記特定状態が終了してから前記特定当り遊技が開始される状況と、前記第2特定条件の成立により前記特定状態で前記特定当り遊技が開始される状況と、で遊技状態に関する制御の有利度合いを異ならせることが可能であり、前記演出実行手段では、前記特定当り遊技の付与中に特別演出を実行可能であり、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって1回目の特定当り遊技が付与され、その後に、前記当り抽選の結果が前記特定結果となって2回目の特定当り遊技が付与された状況において、前記1回目の特定当り遊技の開始後における所定期間で電力供給が遮断された場合の前記2回目の特定当り遊技では、前記所定期間で電力供給が遮断されなかった場合の前記2回目の特定当り遊技の付与中に実行される前記特別演出の一部が実行され、残部が実行されない、又は残部が異なる演出となることを特徴とする遊技機。
【符号の説明】
【0290】
10…パチンコ遊技機 12…演出表示装置 13…情報表示装置 13a…第1特別図柄表示部 13b…第2特別図柄表示部 13c…第1特別保留表示部 13d…普通図柄表示部 13e…普通保留表示部 14…第1始動入賞口 15…第2始動入球口(特定入球口) 15a…直上空間 16…普通開閉片 18…第1大入賞口 19…第1特別開閉片 20…第2大入賞口 21…第2特別開閉片 22…一般入賞口 23…ゲート 23a…ゲート口 26…通路 26a…第1通路 26b…第2通路 27…分岐部 28…振分シャッタ29…特定領域 40…主制御基板 41…マイクロプロセッサ 41a…主制御CPU 41b…主制御ROM 41c…主制御RAM 50…副制御基板 50a…副制御CPU 50b…副制御ROM 50c…副制御RAM GH…画像表示部 HD…発射ハンドル LA…装飾ランプ R1…第1経路 R1a…左側領域 R2…第2経路 R2a…右側領域 SE1…第1始動入賞センサ SE2…第2始動入賞センサ SE3…第1カウントセンサ SE4…第2カウントセンサ SE5…特定通過センサ SE6…一般入賞センサ SE7…ゲートセンサ SL1…第1ソレノイド SL2…第2ソレノイド SL3…第3ソレノイド SL4…第4ソレノイド SP…スピーカ