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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006335
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】シート
(51)【国際特許分類】
   E04G 21/32 20060101AFI20230111BHJP
   E04G 21/28 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
E04G21/32 B
E04G21/28 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108884
(22)【出願日】2021-06-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-08-23
(71)【出願人】
【識別番号】521244178
【氏名又は名称】株式会社サトウ塗工社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 優子
(57)【要約】
【課題】塗料や微粒子などの漏出を抑制し、環境保全に貢献することが可能なシートを提供する。
【解決手段】本実施形態のシートは、第1辺に沿って並んだ複数の第1ハトメと、第2辺に沿って並んだ複数の第2ハトメと、を有する主シートと、第3辺に沿って並んだ複数の第3ハトメを有し、第3辺とは反対側の辺に沿って主シートの外面に接合された第1帯状部材と、第4辺に沿って並んだ複数の第4ハトメを有し、第4辺とは反対側の辺に沿って主シートの外面に接合された第2帯状部材と、を備える。第1ハトメは第1帯状部材に重なり、第3ハトメは主シートの第1辺よりも外側に位置し、第4ハトメは主シートに重なり、第2ハトメは第2帯状部材の第4辺よりも外側に位置し、第1ハトメ及び第2ハトメは上辺と平行な第1直線上に位置し、第3ハトメ及び第4ハトメは上辺と平行な第2直線上に位置し且つ第1直線上には存在しない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上辺と、前記上辺と直交する第1辺と、前記第1辺に沿って並んだ複数の第1ハトメと、前記上辺と直交し且つ前記第1辺とは反対側の第2辺と、前記第2辺に沿って並んだ複数の第2ハトメと、を有する主シートと、
前記第1辺と平行な第3辺と、前記第3辺に沿って並んだ複数の第3ハトメと、を有し、前記第3辺とは反対側の辺に沿って前記主シートの外面に接合された第1帯状部材と、
前記第2辺と平行な第4辺と、前記第4辺に沿って並んだ複数の第4ハトメと、を有し、前記第4辺とは反対側の辺に沿って前記主シートの前記外面に接合された第2帯状部材と、を備え、
前記主シート、前記第1帯状部材、及び、前記第2帯状部材は、防炎性及び防水性を有し、
前記第1辺、前記第2辺、前記第3辺、及び、前記第4辺の各々の長さは、同一であり、
前記第1ハトメ、前記第2ハトメ、前記第3ハトメ、及び、前記第4ハトメの各々のピッチは、同一であり、
前記第1ハトメは、前記第1帯状部材に重なり、
前記第3ハトメは、前記主シートの前記第1辺よりも外側に位置し、
前記第4ハトメは、前記主シートに重なり、
前記第2ハトメは、前記第2帯状部材の前記第4辺よりも外側に位置し、
前記第1ハトメ及び前記第2ハトメは、前記上辺と平行な第1直線上に位置し、
前記第3ハトメ及び前記第4ハトメは、前記上辺と平行な第2直線上に位置し、且つ、前記第1直線上には存在しない、シート。
【請求項2】
前記第1帯状部材の前記第3辺から前記第1辺までの幅は、前記主シートの前記第2辺から前記第4辺までの幅と同一である、請求項1に記載のシート。
【請求項3】
さらに、
前記上辺と平行な第5辺と、前記第5辺に沿って並んだ複数の第5ハトメと、前記上辺と平行であり且つ前記第5辺とは反対側の第6辺と、前記第6辺に沿って並んだ複数の第6ハトメと、を有する第1包み部材を備え、
前記第1包み部材は、前記第1帯状部材及び前記主シートの第1接合部と前記第2帯状部材及び前記主シートの第2接合部との間に位置し、前記第5ハトメと前記第6ハトメとの間で前記主シートの内面に接合されている、請求項1に記載のシート。
【請求項4】
前記第5辺を通り且つ前記第5辺と平行な直線、及び、前記第6辺を通り且つ前記第6辺と平行な直線は、隣接する2つの第1ハトメの間に位置している、請求項3に記載のシート。
【請求項5】
さらに、
前記第1辺と平行な第7辺と、前記第7辺に沿って並んだ複数の第7ハトメと、前記第1辺と平行であり且つ前記第7辺とは反対側の第8辺と、前記第8辺に沿って並んだ複数の第8ハトメと、を有する第2包み部材を備え、
前記第2包み部材は、前記第1帯状部材及び前記主シートの第1接合部と前記第2帯状部材及び前記主シートの第2接合部との間に位置し、前記第7ハトメと前記第8ハトメとの間で前記主シートの内面に接合されている、請求項1に記載のシート。
【請求項6】
さらに、
前記上辺と平行な第5辺と、前記第5辺に沿って並んだ複数の第5ハトメと、前記上辺と平行であり且つ前記第5辺とは反対側の第6辺と、前記第6辺に沿って並んだ複数の第6ハトメと、を有する第1包み部材と、
前記第1辺と平行な第7辺と、前記第7辺に沿って並んだ複数の第7ハトメと、前記第1辺と平行であり且つ前記第7辺とは反対側の第8辺と、前記第8辺に沿って並んだ複数の第8ハトメと、を有する第2包み部材と、を備え、
前記第2包み部材は、前記第1帯状部材及び前記主シートの第1接合部と前記第2帯状部材及び前記主シートの第2接合部との間に位置し、前記第7ハトメと前記第8ハトメとの間で前記主シートの内面に接合され、
前記第1包み部材は、前記第1接合部と前記第2包み部材との間に位置し、前記第5ハトメと前記第6ハトメとの間で前記主シートの内面に接合され、前記第2包み部材から離間している、請求項1に記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば建造物の塗装作業に際して、塗料や微粒子などの漏出を抑制し、天候の影響を受けにくい作業空間を形成するためのシートに関する。
【背景技術】
【0002】
建造物の塗装時に、建造物の周囲に塗料が飛散するのを防止する防護シートが種々提案されている。隣り合う2枚のシートは、それぞれのシートのハトメに紐などを通して結束することで相互に連結されるが、シート間の隙間から塗料が飛散するおそれがある。このような隙間からの塗料の飛散を防止する観点で、隙間に重なるシート部材を設ける技術が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-095423号公報
【特許文献2】特開2019-199785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
工期の厳守あるいは工期の短縮といった観点において、雨天、強風といった悪天候の場合であっても作業を継続できる作業空間を形成することが要望されている。
【0005】
建造物の修繕塗装に際しては、新たな塗料で塗装する前に、ブラスト処理が行われる。ブラスト処理とは、建造物の表面に向けて微小な研削材を噴射させ、建造物に付着していた塗料や錆などを除去する処理である。このようなブラスト処理を行った際に、建造物から除去された塗料や錆の他、建造物の表面に衝突した研削材は、微粒子となって環境に悪影響を及ぼすおそれがある。このため、たとえ悪天候の場合であっても、建造物を囲む作業空間から外部への塗料や微粒子などの漏出を抑制することが要望されている。
【0006】
本発明の目的は、塗料や微粒子などの漏出を抑制し、環境保全に貢献することが可能なシートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシートは、
上辺と、前記上辺と直交する第1辺と、前記第1辺に沿って並んだ複数の第1ハトメと、前記上辺と直交し且つ前記第1辺とは反対側の第2辺と、前記第2辺に沿って並んだ複数の第2ハトメと、を有する主シートと、
前記第1辺と平行な第3辺と、前記第3辺に沿って並んだ複数の第3ハトメと、を有し、前記第3辺とは反対側の辺に沿って前記主シートの外面に接合された第1帯状部材と、
前記第2辺と平行な第4辺と、前記第4辺に沿って並んだ複数の第4ハトメと、を有し、前記第4辺とは反対側の辺に沿って前記主シートの前記外面に接合された第2帯状部材と、を備え、
前記主シート、前記第1帯状部材、及び、前記第2帯状部材は、防炎性及び防水性を有し、
前記第1辺、前記第2辺、前記第3辺、及び、前記第4辺の各々の長さは、同一であり、
前記第1ハトメ、前記第2ハトメ、前記第3ハトメ、及び、前記第4ハトメの各々のピッチは、同一であり、
前記第1ハトメは、前記第1帯状部材に重なり、
前記第3ハトメは、前記主シートの前記第1辺よりも外側に位置し、
前記第4ハトメは、前記主シートに重なり、
前記第2ハトメは、前記第2帯状部材の前記第4辺よりも外側に位置し、
前記第1ハトメ及び前記第2ハトメは、前記上辺と平行な第1直線上に位置し、
前記第3ハトメ及び前記第4ハトメは、前記上辺と平行な第2直線上に位置し、且つ、前記第1直線上には存在しない。
このようなシートによれば、塗料や微粒子などの漏出を抑制し、環境保全に貢献することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明のシート1の外面側の平面図である。
図2図2は、シート1-1の第1連結部C1とシート1-2の第2連結部C2とを連結する工程を示す図である。
図3図3は、シート1-1及び1-2が連結された状態を模式的に示す断面図である。
図4図4は、本発明の他のシート2の外面側の平面図である。
図5図5は、本発明の他のシート2の内面側の平面図である。
図6図6は、第1包み部材21で棒状部材RXを包んだ状態を示す図である。
図7図7は、本発明の他のシート3の内面側の平面図である。
図8図8は、本発明の他のシート4の内面側の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0010】
なお、図面には、必要に応じて理解を容易にするために、互いに直交するX軸、Y軸、及び、Z軸を記載する。X軸に沿った方向をX方向または第1方向と称し、Y軸に沿った方向をY方向または第2方向と称し、Z軸に沿った方向をZ方向または第3方向と称する。
【0011】
図1は、本発明のシート1の平面図である。
【0012】
シート1は、主シート10と、第1帯状部材11と、第2帯状部材12と、を備えている。主シート10、第1帯状部材11、及び、第2帯状部材12は、同一素材で形成され、防炎性及び防水性を有し、メッシュシートと比較して通気性及び透水性が低く、しかも、水分や塗料などの液体を吸収・透過する不織布とは異なり、合成樹脂製の非メッシュシートである。素材の厚さは、1mm未満である。一例では、主シート10、第1帯状部材11、及び、第2帯状部材12は、0.3mmの厚さを有し、防炎2類に属する防炎シートを用いて形成されている。
【0013】
以下、シート1の各構成部材について、具体的に説明する。なお、図1には、説明に必要な代表的なハトメのみを図示している。
【0014】
まず、主シートについて説明する。
主シート10は、互いに平行な上辺TS及び下辺BSと、互いに平行な第1辺S1及び第2辺S2と、第1辺S1に沿って並んだ複数の第1ハトメE1と、第2辺S2に沿って並んだ複数の第2ハトメE2と、を有している。
【0015】
第1辺S1は、上辺TSの一端側(図の左側)で上辺TSと直交し、また、下辺BSの一端側で下辺BSと直交している。第2辺S2は、第1辺S1とは反対側に位置し、上辺TSの他端側(図の右側)で上辺TSと直交し、また、下辺BSの他端側で下辺BSと直交している。ここでは、上辺TS及び下辺BSが延びる方向を第1方向Xとし、第1辺S1及び第2辺S2が延びる方向を第2方向Yとし、シート1の厚さ方向を第3方向Zとしている。
【0016】
上辺TSの長さは、下辺BSの長さと同一である。第1辺S1の長さは、第2辺S2の長さと同一である。第1辺S1及び第2辺S2の長さは、上辺TS及び下辺BSの長さよりも長い。つまり、主シート10は、第1方向Xに沿った長さよりも第2方向Yに沿った長さの方が長い長方形状に形成されている。一例では、第1辺S1及び第2辺S2の長さは5m~6mであり、上辺TS及び下辺BSの長さは1.5m~2mである。
【0017】
第1ハトメE1の各々は、主シート10の第1辺S1の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第1ハトメE1は、上辺TSの近傍から下辺BSの近傍まで第2方向Yに一定のピッチPで並んでいる。複数の第1ハトメE1には、最も上辺TSに近い第1ハトメE1T、及び、最も下辺BSに近い第1ハトメE1Bが含まれている。
【0018】
第2ハトメE2の各々は、主シート10の第2辺S2の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第2ハトメE2は、上辺TSの近傍から下辺BSの近傍まで第2方向Yに一定のピッチPで並んでいる。複数の第2ハトメE2には、最も上辺TSに近い第2ハトメE2T、及び、最も下辺BSに近い第2ハトメE2Bが含まれている。
【0019】
第1ハトメE1のピッチPは、第2ハトメE2のピッチPと同一である。第1ハトメE1及び第2ハトメE2は、上辺TSと平行な第1直線L1上に位置している。
【0020】
主シート10は、さらに、上辺TSに沿って並んだ複数のハトメE11と、下辺BSに沿って並んだ複数のハトメE12と、を有している。複数のハトメE11は、第1方向Xに一定のピッチPで並んでいる。複数のハトメE12は、第1方向Xに一定のピッチPで並んでいる。
【0021】
次に、第1帯状部材11及び第2帯状部材12について説明する。
第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、いずれも一方向に延びた帯状に形成され、互いに異なる幅を有している。第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、それぞれの長手方向が第2方向Yに平行となるように、主シート10に接合されている。第1帯状部材11は、図示した主シート10の左側に接合され、第2帯状部材12は、図示した主シート10の右側に接合されている。第1帯状部材11と主シート10との接合、及び、第2帯状部材12と主シート10との接合は、例えばウェルダー溶着によってなされるが、一部は縫製されていてもよい。第1帯状部材11は、第2帯状部材12よりも幅広である。
【0022】
第1帯状部材11は、第1辺S1と平行な第3辺S3と、第3辺S3に沿って並んだ複数の第3ハトメE3と、を有し、第3辺S3とは反対側の辺に沿って主シート10の外面10Aに接合されている。第3辺S3の長さは、第1辺S1の長さと同一である。
【0023】
第3ハトメE3の各々は、第1帯状部材11の第3辺S3の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第3ハトメE3には、最も上辺TSに近い第3ハトメE3T、及び、最も下辺BSに近い第3ハトメE3Bが含まれている。第3ハトメE3T及び第3ハトメE3Bを除く複数の第3ハトメE3は、第2方向Yに一定のピッチPで並んでいる。第3ハトメE3Tと隣接する第3ハトメE3とのピッチP’、及び、第3ハトメE3Bと隣接する第3ハトメE3とのピッチP’は、ピッチPの1/2である。
【0024】
第3ハトメE3のピッチPは、第1ハトメE1のピッチPと同一である。但し、第3ハトメE3は、第1ハトメE1とは段違いになるように配列されている。
【0025】
主シート10と第1帯状部材11との第1接合部J11は、第2方向Yに沿って途切れることなく、上辺TSから下辺BSまで連続的且つ直線的に形成されている。主シート10のうち、第1接合部J11から第1辺S1までの第1領域101は、第2方向Yに延びた帯状の領域であり、点線で示すように、その全体が第1帯状部材11の背面側に位置している。このような主シート10の第1領域101及び第1帯状部材11は、他のシートと連結するための第1連結部C1を構成する。
【0026】
第1接合部J11から第1辺S1までの幅W1は、第1接合部J11から第3辺S3までの幅W3より小さい(W1<W3)。つまり、第1帯状部材11は、第1領域101よりも幅広であり、幅W3と幅W1との差分W13だけ、主シート10の第1辺S1よりも外側に延出している。なお、ここでの幅とは、第1方向Xに平行な長さである。このような幅の大小関係のため、第1ハトメE1T及び第1ハトメE1Bを含むすべての第1ハトメE1は、第1帯状部材11に重なる。また、第3ハトメE3T及び第3ハトメE3Bを含むすべての第3ハトメE3は、主シート10の第1辺S1よりも外側に位置し、主シート10には重ならない。
【0027】
第2帯状部材12は、第2辺S2と平行な第4辺S4と、第4辺S4に沿って並んだ複数の第4ハトメE4と、を有し、第4辺S4とは反対側の辺に沿って主シート10の外面10Aに接合されている。つまり、第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、主シート10の同一面に接合されている。第4辺S4の長さは、第2辺S2の長さと同一である。
【0028】
第4ハトメE4の各々は、第2帯状部材12の第4辺S4の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第4ハトメE4には、最も上辺TSに近い第4ハトメE4T、及び、最も下辺BSに近い第4ハトメE4Bが含まれている。第4ハトメE4T及び第4ハトメE4Bを除く複数の第4ハトメE4は、第2方向Yに一定のピッチPで並んでいる。第4ハトメE4Tと隣接する第4ハトメE4とのピッチP’、及び、第4ハトメE4Bと隣接する第4ハトメE4とのピッチP’は、ピッチPの1/2である。
【0029】
第4ハトメE4のピッチPは、第2ハトメE2のピッチPと同一である。但し、第4ハトメE4は、第2ハトメE2とは段違いになるように配列されている。また、第4ハトメE4のピッチPは、第3ハトメE3のピッチPと同一である。第3ハトメE3及び第4ハトメE4は、上辺TSと平行な第2直線L2上に位置している。但し、第2直線L2上には、第1ハトメE1及び第2ハトメE2は存在しない。また、第1直線L1上には、第3ハトメE3及び第4ハトメE4は存在しない。
【0030】
上辺TSの近傍において、複数のハトメE11、第1ハトメE1T、第2ハトメE2T、第3ハトメE3T、及び、第4ハトメE4Tは、上辺TSと平行な同一直線上に位置している。
下辺BSの近傍において、複数のハトメE12、第1ハトメE1B、第2ハトメE2B、第3ハトメE3B、及び、第4ハトメE4Bは、下辺BSと平行な同一直線上に位置している。
【0031】
図示した第1直線L1と第2直線L2との第2方向Yに沿った間隔Dは、ピッチPの1/2である。つまり、1つの第3ハトメE3は、隣接する2つの第1ハトメE1の中間に位置し、また、1つの第4ハトメE4は、隣接する2つの第2ハトメE2の中間に位置している。一例では、ピッチPは200mmであり、ピッチP’は100mmであり、間隔Dは100mmである。
【0032】
主シート10と第2帯状部材12との第2接合部J12は、第2方向Yに沿って途切れることなく、上辺TSから下辺BSまで連続的且つ直線的に形成されている。主シート10のうち、第2接合部J12から第2辺S2までの第2領域102は、第2方向Yに延びた帯状の領域であり、その一部が第2帯状部材12の背面側に位置している。このような主シート10の第2領域102及び第2帯状部材12は、他のシートと連結するための第2連結部C2を構成する。
【0033】
第2接合部J12から第2辺S2までの幅W2は、第2接合部J12から第4辺S4までの幅W4より大きい(W4<W2)。つまり、主シート10の第2領域102は、第2帯状部材12よりも幅広であり、幅W2と幅W4との差分W24だけ、第2帯状部材12の第4辺S4よりも外側に延出している。差分W24は、差分W13と同一である。このような幅の大小関係のため、第4ハトメE4T及び第4ハトメE4Bを含むすべての第4ハトメE4は、主シート10の第2領域102に重なる。また、第2ハトメE2T及び第2ハトメE2Bを含むすべての第2ハトメE2は、第2帯状部材12の第4辺S4よりも外側に位置し、第2帯状部材12には重ならない。
第1帯状部材11の幅W3は、第2帯状部材12の幅W4より大きく、第2領域102の幅W2と同一である。
第1領域101の幅W1は、第2領域102の幅W2より小さく、第2帯状部材12の幅W4と同一である。
【0034】
次に、上記のシート1の一使用例について説明する。
【0035】
建造物の塗装作業を行うための作業空間は、建造物を囲む仮設の枠体に複数のシートを取り付けることで形成される。枠体は、単管パイプなどの棒状部材を縦横に連結することで組み立てられる。上記のシート1は、作業空間の側面を覆うのに使用される。このとき、シート1は、主シート10の内面が建造物及び枠体に面するように取り付けられる。主シート10の上辺TSは、枠体の天井側に位置している。主シート10の下辺BSは、地面側に位置している。水平方向に並んだ複数のシート1は、それぞれの第1連結部C1及び第2連結部C2で互いに連結されるが、垂直方向には複数のシート1を連結することを想定していない。
【0036】
次に、2枚のシート1の連結方法について、図2を参照しながら説明する。
【0037】
図2は、シート1-1の第1連結部C1とシート1-2の第2連結部C2とを連結する工程を示す図である。図2において、左側のシート1-1及び右側のシート1-2は、図1に示したシート1と同一形状のものである。
【0038】
まず、図2の上段(A)に示すように、シート1-1における主シート10の第1領域101、及び、シート1-2における主シート10の第2領域102を捲り、シート1-1における第1帯状部材11の第3辺S3とシート1-2における第2帯状部材12の第4辺S4とを突き合わせ、第3ハトメE3及び第4ハトメE4に結束部材B1を通し、結束部材B1を結束する。
【0039】
続いて、図2の中段(B)に示すように、シート1-1の第1領域101を第1帯状部材11の背面に重ね、シート1-2の第2領域102を第1帯状部材11及び第2帯状部材12の背面に重ねる。これにより、第2領域102は、第1帯状部材11と第2帯状部材12との突合せ部分に重なるとともに、第3ハトメE3、第4ハトメE4、及び、結束部材B1にも重なる。
そして、シート1-1における第1領域101の第1辺S1とシート1-2における第2領域102の第2辺S2とを突き合わせ、第1ハトメE1及び第2ハトメE2に結束部材B2を通し、結束部材B2を結束する。結束部材B1及びB2は、例えば紐であるが、針金や結束バンド等であってもよい。このとき、第1帯状部材11は、第1領域101と第2領域102との突合せ部分に重なるとともに、第1ハトメE1、第2ハトメE2、及び、結束部材B2にも重なる。
【0040】
ここまでの工程により、2枚のシート1-1及び1-2は、互いに連結された状態となる。なお、中段の図において、枠体の一部をなす棒状部材Rは、二点鎖線で示すように、第1領域101と第2領域102との突合せ部分の背面側に位置している。
【0041】
続いて、図2の下段(C)に示すように、第1ハトメE1及び第2ハトメE2に通した結束部材B2を棒状部材Rに巻き付けて、結束部材B2を結束する。これにより、シート1-1及び1-2が棒状部材Rに連結される。
図2を参照して説明した一連の作業は、シート1の内面側で行うことができる。
【0042】
図3は、シート1-1及び1-2が連結された状態を模式的に示す断面図である。
図3の(A)は、第1ハトメE1及び第2ハトメE2に沿った断面(図1の第1直線L1に沿った断面)を示している。図3の(B)は、第3ハトメE3及び第4ハトメE4に沿った断面(図1の第2直線L2に沿った断面)を示している。
【0043】
上記の通り、第1ハトメE1及び第2ハトメE2は、第3ハトメE3及び第4ハトメE4とは段違いに配列されている。このため、図3の(A)に示した断面においては、第3ハトメE3及び第4ハトメE4が存在しないし、図3の(B)に示した断面においては、第1ハトメE1及び第2ハトメE2が存在しない。また、図3の(A)に示した断面において、第1領域101及び第2領域102が結束部材B2によって連結され、図3の(B)に示した断面において、第1帯状部材11及び第2帯状部材12が結束部材B1によって連結されているため、第1帯状部材11と第2帯状部材12との突合せ部分の離間が抑制されるとともに、第1領域101と第2領域102との突合せ部分の離間が抑制される。
【0044】
したがって、連結された2枚のシート1-1及び1-2の間に不所望な隙間がほとんど形成されず、作業空間への風の吹き込みや、雨水の浸入が抑制され、天候に左右されずに作業を継続することができる。また、たとえ悪天候の場合であっても、塗装前のブラスト処理によって発生する微粒子や塗装時の塗料などの漏出を抑制することができる。このため、塗装作業に際して、大気、水質、土壌の汚染が抑制され、環境保全に貢献することができる。
【0045】
また、図1を参照しながら説明したように、第1連結部C1における第1帯状部材11の幅と第1領域101の幅との差分W13は、第2連結部C2における第2帯状部材12の幅と第2領域102の幅との差分と同一である。このため、内側の第1領域101及び第2領域102の撓みが抑制されるとともに、外側の第1帯状部材11及び第2帯状部材12の撓みが抑制される。これにより、第1領域101及び第2領域102と、第1帯状部材11及び第2帯状部材12との間に、不所望な空間がほとんど形成されず、塗料及び微粒子が漏出し得る経路が遮断される。
【0046】
また、シート1は、合成樹脂製の非メッシュシートを用いて形成されており、ハトメ以外の貫通孔を有していない。このため、不織布やメッシュシートと比較して、防水性に優れ、雨天であっても、作業空間への水分浸入、建造物への水分付着が抑制される。
また、シート1には、ハトメ以外に塗料及び微粒子が漏出し得る貫通孔がなく、加えて、第1連結部C1及び第2連結部C2は、主シートと帯状部材との二重構造であり、第1連結部C1及び第2連結部C2に設けられたハトメは、主シートまたは帯状部材に重なる。このため、ハトメからの塗料や微粒子の漏出が抑制される。
【0047】
また、シート1の材質は、不織布のように塗料を吸収する材質とは異なるため、定期的に交換する手間を省くことができ、しかも、何度も再利用が可能であり、廃棄物の生成が抑制される。
【0048】
また、第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、主シート10の同一面に接合されている。このため、シート1を製造するに際して、大型の主シート10を表裏反転することなく、第1帯状部材11及び第2帯状部材12が接合され、シート1の製造作業を簡素化することができる。
また、シート1は、防音シートより薄く且つ軽い素材で形成されており、サイズが大型化しても、嵩張らず、容易に持ち運ぶことができる。
【0049】
次に、本発明の他のシートについて説明する。
【0050】
図4は、本発明の他のシート2の外面側の平面図である。
図5は、本発明の他のシート2の内面側の平面図である。
【0051】
図4及び図5に示すシート2は、図1に示したシート1と比較して、第1包み部材21を備えた点で相違している。第1包み部材21以外の部材については、図1に示したシート1と同一であり、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図4及び図5では、説明に必要な代表的なハトメのみを図示している。
【0052】
シート2は、主シート10と、第1帯状部材11と、第2帯状部材12と、第1包み部材21と、を備えている。第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、主シート10の外面10Aに接合されている。複数のシート2は、シート1と同様に、それぞれの第1連結部C1及び第2連結部C2で互いに連結される。
【0053】
第1包み部材21は、主シート10と同一素材で形成されている。第1包み部材21は、一方向に延びた帯状に形成されている。第1包み部材21は、その長手方向が第1方向Xに平行となるように、主シート10に接合されている。第1包み部材21と主シート10との接合は、例えばウェルダー溶着によってなされるが、一部は縫製されていてもよい。
【0054】
第1包み部材21は、上辺TSと平行な第5辺S5と、第5辺S5に沿って並んだ複数の第5ハトメE5と、上辺TSと平行であり且つ第5辺S5とは反対側の第6辺S6と、第6辺S6に沿って並んだ複数の第6ハトメE6と、を有し、第5ハトメE5と第6ハトメE6との間で主シート10の内面10Bに接合されている。
【0055】
このような第1包み部材21は、第1接合部J11と第2接合部J12との間に位置している。第5辺S5及び第6辺S6は、第1接合部J11及び第2接合部J12とは交差しない。また、主シート10と第1包み部材21との接合部J21は、第1方向Xに沿って途切れることなく連続的且つ直線的に形成され、第1接合部J11及び第2接合部J12とは交差しない。
【0056】
第5ハトメE5の各々は、第1包み部材21の第5辺S5の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第5ハトメE5は、第1方向Xに一定のピッチPで並んでいる。
第6ハトメE6の各々は、第1包み部材21の第6辺S6の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第6ハトメE6は、第1方向Xに一定のピッチPで並んでいる。
第5ハトメE5のピッチPは、第6ハトメE6のピッチPと同一である。一例では、ピッチPは200mmである。
第5ハトメE5及び第6ハトメE6は、例えば第1辺S1と平行な直線L3上に位置している。
【0057】
第5辺S5を通り且つ第5辺S5と平行な直線L11、及び、第6辺S6を通り且つ第6辺S6と平行な直線L12は、隣接する2つの第1ハトメE1の間に位置している。また、これらの直線L11及びL12は、隣接する2つの第2ハトメE2の間にも位置している。
【0058】
なお、図4に示す例では、第1接合部J11と第2接合部J12との間に2つの第1包み部材21が設けられているが、図示した例に限らない。例えば、第1接合部J11と第2接合部J12との間に、第2方向Yに間隔を置いて並んだ3つ以上の第1包み部材21が設けられる場合もあり得るし、1つの第1包み部材21が設けられる場合もあり得る。
【0059】
このようなシート2は、例えば、作業空間の天面を覆うのに使用されるが、シート1と同様に側面を覆うのに使用してもよい。
【0060】
図5には、枠体を構成する棒状部材とシート2とが重なった状態が示されている。第1方向Xに延びた棒状部材RXと、第2方向Yに延びた棒状部材RYとは、連結具Jによって連結されている。第1辺S1及び第2辺S2には棒状部材RY及び連結具Jが重なり、第3辺S3及び第4辺S4には棒状部材RYは重ならない。第1包み部材21は、棒状部材RXに重なる。連結具Jは、隣接する2つの第1ハトメE1の間、及び、隣接する2つの第2ハトメE2の間に重なるが、第1包み部材21には重ならない。
【0061】
次に、シート2と棒状部材RXとの連結方法について、図6を参照しながら説明する。
まず、主シート10と棒状部材RXとの間に第1包み部材21が位置する状態で、第1包み部材21の第5辺S5と接合部J21との間の部分、及び、第6辺S6と接合部J21との間の部分をそれぞれ棒状部材RXに巻き付ける。そして、第5辺S5と第6辺S6とを突き合わせ、第5ハトメE5及び第6ハトメE6に結束部材B3を通し、結束部材B3を結束する。これにより、シート2が棒状部材RXに連結される。
【0062】
このようなシート2によれば、紐等の結束部材でシートを棒状部材に連結する場合と比較して、より強固に棒状部材に連結することができる。また、紐でシートを棒状部材に連結した場合には、紐と紐との間でシートが浮き上がるおそれがあるが、シート2によれば、第1包み部材21が棒状部材に巻き付き、かつ、主シート10及び第1包み部材21の接合部J21が棒状部材と平行な帯状に形成されているため、棒状部材からのシート2の浮き上がりを抑制することができる。これにより、強風等の悪天候であっても、シート2が強固に棒状部材に連結されているため、第1連結部C1及び第2連結部C2で互いに連結された2枚のシート2の間には、隙間がほとんど形成されない。したがって、作業空間への風の吹き込みや、雨水の浸入が抑制され、天候に左右されずに作業を継続することができる。また、微粒子や塗料などの漏出を抑制することができる。
また、棒状部材が第1包み部材21によって覆われているため、棒状部材を保護することができる。
さらに、シートを紐で棒状部材に連結した場合には、シートと紐の接合部分に荷重が集中してシートの破損を招くおそれがあるが、シート2によれば、棒状部材に連結される第1包み部材21が主シート10に対して帯状の接合部J21で接合されているため、荷重が分散し、シート2の破損を抑制することができる。
【0063】
また、棒状部材RY及び連結具Jは、第1辺S1及び第2辺S2の背面側に重なるが、連結具Jにはいずれのハトメも重ならない。このため、第1連結部C1及び第2連結部C2で2枚のシート2を互いに連結する作業に際して、連結具Jが邪魔にならず、作業をスムースに行うことができる。
【0064】
図7は、本発明の他のシート3の内面側の平面図である。
【0065】
図7に示すシート3は、図1に示したシート1と比較して、第2包み部材22を備えた点で相違している。第2包み部材22以外の部材については、図1に示したシート1と同一であり、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。なお、図7では、説明に必要な代表的なハトメのみを図示している。
【0066】
シート3は、主シート10と、第1帯状部材11と、第2帯状部材12と、第2包み部材22と、を備えている。第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、主シート10の外面10Aに接合されている。複数のシート3は、シート1と同様に、それぞれの第1連結部C1及び第2連結部C2で互いに連結される。
【0067】
第2包み部材22は、主シート10と同一素材で形成されている。第2包み部材22は、一方向に延びた帯状に形成されている。第2包み部材22は、その長手方向が第2方向Yに平行となるように、主シート10に接合されている。第2包み部材22と主シート10との接合は、例えばウェルダー溶着によってなされるが、一部は縫製されていてもよい。
【0068】
第2包み部材22は、第1辺S1と平行な第7辺S7と、第7辺S7に沿って並んだ複数の第7ハトメE7と、第1辺S1と平行であり且つ第7辺S7とは反対側の第8辺S8と、第8辺S8に沿って並んだ複数の第8ハトメE8と、を有し、第7ハトメE7と第8ハトメE8との間で主シート10の内面10Bに接合されている。
【0069】
このような第2包み部材22は、第1接合部J11と第2接合部J12との間に位置している。第7辺S7及び第8辺S8は、上辺TS及び下辺BSとは交差しない。また、主シート10と第2包み部材22との接合部J22は、第2方向Yに沿って途切れることなく連続的且つ直線的に形成され、上辺TS及び下辺BSとは交差しない。
【0070】
第7ハトメE7の各々は、第2包み部材22の第7辺S7の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第7ハトメE7は、第2方向Yに一定のピッチPで並んでいる。
第8ハトメE8の各々は、第2包み部材22の第8辺S8の近傍を貫通する孔に設けられている。複数の第8ハトメE8は、第2方向Yに一定のピッチPで並んでいる。
第7ハトメE7のピッチPは、第8ハトメE8のピッチPと同一である。一例では、ピッチPは200mmである。
第7ハトメE7及び第8ハトメE8は、例えば上辺TSと平行な直線L4上に位置している。
【0071】
なお、図7に示す例では、第1接合部J11と第2接合部J12との間に1つの第2包み部材22が設けられているが、図示した例に限らない。例えば、第1接合部J11と第2接合部J12との間に、第1方向Xに間隔を置いて並んだ2つ以上の第2包み部材22が設けられる場合もあり得る。
【0072】
このようなシート3は、例えば、作業空間の天面を覆うのに使用されるが、シート1と同様に側面を覆うのに使用してもよい。
【0073】
図示しないが、主シート10と棒状部材RYとの間に第2包み部材22が位置する状態で、第2包み部材22の第7辺S7と接合部J22との間の部分、及び、第8辺S8と接合部J22との間の部分をそれぞれ棒状部材RYに巻き付ける。そして、第7辺S7と第8辺S8とを突き合わせ、第7ハトメE7及び第8ハトメE8に結束部材を通し、結束部材を結束することにより、シート3が棒状部材RYに連結される。
【0074】
このようなシート3も、シート2で説明したのと同様の効果が得られる。
【0075】
図8は、本発明の他のシート4の内面側の平面図である。
【0076】
図8に示すシート4は、図1に示したシート1と比較して、第1包み部材21及び第2包み部材22を備えた点で相違している。第1包み部材21及び第2包み部材22以外の部材については、図1に示したシート1と同一であり、同一の参照符号を付して詳細な説明を省略する。第1包み部材21については、図4及び図5に示したシート2の第1包み部材21と同一である。第2包み部材22については、図7に示したシート3の第2包み部材22と同一である。なお、図8には、説明に必要な代表的なハトメのみを図示している。シート4について、一例では、第1辺S1及び第2辺S2の長さは5m~6mであり、上辺TS及び下辺BSの長さは約10mである。
【0077】
シート4は、主シート10と、第1帯状部材11と、第2帯状部材12と、第1包み部材21と、第2包み部材22と、を備えている。第1帯状部材11及び第2帯状部材12は、主シート10の外面10Aに接合されている。複数のシート3は、シート1と同様に、それぞれの第1連結部C1及び第2連結部C2で互いに連結される。
【0078】
第1包み部材21及び第2包み部材22は、主シート10と同一素材で形成されている。第1包み部材21及び第2包み部材22は、一方向に延びた帯状に形成されている。第1包み部材21は、その長手方向が第1方向Xに平行となるように、主シート10の内面10Bに接合されている。第2包み部材22は、その長手方向が第2方向Yに平行となるように、主シート10の内面10Bに接合されている。
【0079】
第2包み部材22は、第1接合部J11と第2接合部J12との間に位置している。第7辺S7及び第8辺S8は、上辺TS及び下辺BSとは交差しない。また、主シート10と第2包み部材22との接合部J22は、第2方向Yに沿って途切れることなく連続的且つ直線的に形成され、上辺TS及び下辺BSとは交差しない。
【0080】
なお、図8に示す例では、第1接合部J11と第2接合部J12との間に1つの第2包み部材22が設けられているが、図示した例に限らない。例えば、第1接合部J11と第2接合部J12との間に、第1方向Xに間隔を置いて並んだ2つ以上の第2包み部材22が設けられる場合もあり得る。
【0081】
2つの第1包み部材21は、上辺TSと平行な同一直線上に位置し、間隔を置いて並んでいる。一方の第1包み部材21は、第1接合部J11と第2包み部材22との間に位置し、第2包み部材22から離間している。他方の第1包み部材21は、第2包み部材22と第2接合部J12との間に位置し、第2包み部材22から離間している。また、主シート10と第1包み部材21との接合部J21は、第1方向Xに沿って途切れることなく連続的且つ直線的に形成され、第1接合部J11、第2接合部J12、及び、第2包み部材22のいずれとも交差しない。
【0082】
なお、図8に示す例では、2つの第1包み部材21が設けられているが、図示した例に限らない。例えば、同一直線上に3つ以上の第1包み部材21が設けられる場合もあり得る。
また、第1接合部J11と第2包み部材22との間に1つの第1包み部材21が設けられているが、図示した例に限らない。例えば、第1接合部J11と第2包み部材22との間に、第2方向Yに間隔を置いて並んだ2つ以上の第1包み部材21が設けられる場合もあり得る。
【0083】
このようなシート4は、例えば、作業空間の天面を覆うのに使用されるが、シート1と同様に側面を覆うのに使用してもよい。
【0084】
図示しないが、主シート10と棒状部材RXとの間に第1包み部材21が位置する状態で、第1包み部材21の第5辺S5と接合部J21との間の部分、及び、第6辺S6と接合部J21との間の部分をそれぞれ棒状部材RXに巻き付ける。そして、第5辺S5と第6辺S6とを突き合わせ、第5ハトメE5及び第6ハトメE6に結束部材を通し、結束部材を結束することにより、シート4が棒状部材RXに連結される。
【0085】
また、図示しないが、主シート10と棒状部材RYとの間に第2包み部材22が位置する状態で、第2包み部材22の第7辺S7と接合部J22との間の部分、及び、第8辺S8と接合部J22との間の部分をそれぞれ棒状部材RYに巻き付ける。そして、第7辺S7と第8辺S8とを突き合わせ、第7ハトメE7及び第8ハトメE8に結束部材を通し、結束部材を結束することにより、シート4が棒状部材RYに連結される。
【0086】
このようなシート4も、シート2で説明したのと同様の効果が得られる。
作業空間の天面を覆うのにシート4を適用する場合、シート4の設置作業は、シート4の内面側で行うことができ、屋外での高所作業を必要とせず、作業性を改善することができる。
【0087】
以上説明したように、本実施形態によれば、塗料や微粒子などの漏出を抑制し、環境保全に貢献することが可能なシートを提供することができる。
【0088】
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0089】
上述した各シート1乃至4において、外面側の第1帯状部材11と第2帯状部材12との連結は、第3ハトメE3及び第4ハトメE4に通した結束部材B1を結束することで行うに限らず、線ファスナーや面ファスナーを適用して行ってもよい。
但し、内面側の第1領域101と第2領域102との連結には、線ファスナーや面ファスナーを適用することは不適である。なぜなら、内面側は作業空間に面しているため、塗料や微粒子が線ファスナーに付着すると、スライダーがスムースに動かなくなってしまったり、塗料や微粒子が面ファスナーに付着すると、結合力が低下したりするためである。
【符号の説明】
【0090】
1、2、3、4…シート
10…主シート 10A…外面 10B…内面 TS…上辺 BS…下辺 S1…第1辺 S2…第2辺 E1…第1ハトメ E2…第2ハトメ
11…第1帯状部材 S3…第3辺 E3…第3ハトメ
12…第2帯状部材 S4…第4辺 E4…第4ハトメ
21…第1包み部材 S5…第5辺 S6…第6辺 E5…第5ハトメ E6…第6ハトメ
22…第2包み部材 S7…第7辺 S8…第8辺 E7…第7ハトメ E8…第8ハトメ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8