(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063414
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】ゲームのためのプログラム、方法及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
A63F 13/69 20140101AFI20230427BHJP
A63F 13/825 20140101ALI20230427BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20230427BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20230427BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20230427BHJP
【FI】
A63F13/69 520
A63F13/825
A63F13/58
A63F13/79
A63F13/533
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023038741
(22)【出願日】2023-03-13
(62)【分割の表示】P 2021115129の分割
【原出願日】2021-07-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年9月29日 ウェブサイト「https://granbluefantasy.jp/index.php」、「https://apps.apple.com/jp/app/guranburufantaji/id852882903」、「https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.mbga.a12016007.lite&hl=ja」、「https://dmm.granbluefantasy.jp/」、及び「https://granbluefantasy.jp/download/」 における公開
(71)【出願人】
【識別番号】511249637
【氏名又は名称】株式会社Cygames
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】比内 佑
(72)【発明者】
【氏名】廣島 聡
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 遼
(72)【発明者】
【氏名】堀野 泰▲徳▼
(57)【要約】
【課題】複数種類の素材アイテムを消費して育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラム等を提供すること。
【解決手段】複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラムであって、プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定する段階と、所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する段階と、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定段階と、をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラムであって、
プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定する段階と、
所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する段階と、
前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定段階と、
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
素材アイテムが消費されることで得られるポイント数が素材アイテムの種類ごとに予め定められ、育成対象アイテムのパラメータを所定量上昇させるために必要な消費するポイント数が予め定められる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記条件判定段階は、前記プレイヤ識別子に紐づけて記憶された各種類の素材アイテム数が前記最適組み合わせの各種類の素材アイテム数以上であるか否かを判定する段階を含む、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記最適組み合わせを決定する段階は、所定の方法に基づいて、前記プレイヤ識別子に紐付けて記憶された素材アイテムで可能な組み合わせから最適組み合わせを決定する段階を含み、
前記条件判定段階は、前記最適組み合わせの素材アイテムが前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要な条件を満たしているかを判定する段階を含む、請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項5】
プレイヤ入力に基づいて前記育成対象アイテムのパラメータの所望到達値を決定する段階を更に含み、
前記最適組み合わせを決定する段階は、所定の方法に基づいて、前記所望到達値に到達するために消費される各種類の素材アイテム数の最適組み合わせを決定する段階を含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定された場合、前記最適組み合わせの各種類の素材アイテム数を消費して育成処理を実行するための操作入力部をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項1~5のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項7】
前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定された場合、前記最適組み合わせの少なくとも1つの素材アイテムに替えて、他の種類の素材アイテムを消費して育成処理を実行するための操作入力部をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項1~6のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定された場合、前記最適組み合わせの少なくとも1つの素材アイテムに替えて、他の種類の素材アイテムを消費して育成処理を実行することを示す情報をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項1~7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記最適組み合わせが前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための必要条件を越えると判定された場合、必要条件を越える素材アイテムを消費して育成処理を実行することを示す情報をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項1~7のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定された場合、次に最適な最適組み合わせを所定の方法に基づいて決定する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項1~9のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項11】
前記次に最適な最適組み合わせを所定の方法に基づいて決定する段階、及び、前記次に最適な最適組み合わせに基づいて前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているかを判定する段階を、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定されるか、又は、前記所定の方法で決定可能な組み合わせがなくなるまで繰り返し実行し、前記所定の方法で決定可能な組み合わせがなくなった場合には、所持アイテムが不足していることを示す情報をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記所定の方法は、動的計画法、貪欲法又は全探索法のいずれかを含む、請求項1~11のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項13】
複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのコンピュータによって実行される方法であって、
プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定する段階と、
所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する段階と、
前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定段階と、
を含む、方法。
【請求項14】
複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための情報処理装置であって、
プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定し、
所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定し、
前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定する、
情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームのためのプログラム等に関するものであり、特に、複数種類の素材アイテムを消費して、育成対象アイテムのパラメータを上昇させることが可能なゲームのためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤが所持するゲーム媒体であるアイテムのパラメータを上昇させて強化していくゲームが多数リリースされている。このようなゲームにおいて、選択された素材コンテンツが進化合成可能である場合には、自動的に進化合成をした後、強化対象のアイテムを強化する処理を実行することにより、より多くの経験値を獲得することを可能とするゲームシステムが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数種類の素材アイテムを消費して、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるときに、いずれの種類の素材アイテムをいくつ消費すれば、素材アイテムをなるべく無駄に消費することなくパラメータ上昇条件を満たすことができるのかを逐次検討することはプレイヤにとって煩雑な場合があり、これを解決する手段はいまだ実現されていない。特に、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための効果が各素材アイテムで異なる場合、素材アイテムの種類が多くなればなるほど、パラメータを上昇させるための取りうる素材アイテムの組み合わせパターンは増加し、プレイヤが最適解を導き出すことは容易ではない。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、複数種類の素材アイテムをなるべく無駄なく消費して、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラム等を提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1.上記の目的を達成するために、本発明の一態様としてのプログラムは、複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのプログラムであって、プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定する段階と、所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する段階と、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定段階と、をコンピュータに実行させる。
【0007】
2.項1に記載のプログラムにおいては、素材アイテムが消費されることで得られるポイント数が素材アイテムの種類ごとに予め定められ、育成対象アイテムのパラメータを所定量上昇させるために必要な消費するポイント数が予め定められてもよい。
【0008】
3.項1又は2に記載のプログラムは、に記載のプログラム前記条件判定段階は、前記プレイヤ識別子に紐づけて記憶された各種類の素材アイテム数が前記最適組み合わせの各種類の素材アイテム数以上であるか否かを判定する段階を含んでもよい。
【0009】
4.項1又は2に記載のプログラムにおいては、前記最適組み合わせを決定する段階は、所定の方法に基づいて、前記プレイヤ識別子に紐付けて記憶された素材アイテムで可能な組み合わせから最適組み合わせを決定する段階を含み、前記条件判定段階は、前記最適組み合わせの素材アイテムが前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要な条件を満たしているかを判定する段階を含むことができる。
【0010】
5.項1~4のいずれか1項に記載のプログラムにおいては、プレイヤ入力に基づいて前記育成対象アイテムのパラメータの所望到達値を決定する段階を更に含み、
前記最適組み合わせを決定する段階は、所定の方法に基づいて、前記所望到達値に到達するために消費される各種類の素材アイテム数の最適組み合わせを決定する段階を含むことができる。
【0011】
6.項1~5のいずれか1項に記載のプログラムにおいては、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定された場合、前記最適組み合わせの各種類の素材アイテム数を消費して育成処理を実行するための操作入力部をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させてもよい。
【0012】
7.項1~6のいずれか1項に記載のプログラムにおいては、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定された場合、前記最適組み合わせの少なくとも1つの素材アイテムに替えて、他の種類の素材アイテムを消費して育成処理を実行するための操作入力部をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させることができる。
【0013】
8.項1~7のいずれか1項に記載のプログラムにおいては、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定された場合、前記最適組み合わせの少なくとも1つの素材アイテムに替えて、他の種類の素材アイテムを消費して育成処理を実行することを示す情報をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させてもよい。
【0014】
9.前記最適組み合わせが前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための必要条件を越えると判定された場合、必要条件を越える素材アイテムを消費して育成処理を実行することを示す情報をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させる、請求項1~7のいずれか1項に記載のプログラム。
【0015】
10.項1~9のいずれか1項に記載のプログラムにおいては、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定された場合、次に最適な最適組み合わせを所定の方法に基づいて決定する段階を、更に、コンピュータに実行させることができる。
【0016】
11.項10に記載のプログラムにおいては、前記次に最適な最適組み合わせを所定の方法に基づいて決定する段階、及び、前記次に最適な最適組み合わせに基づいて前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているかを判定する段階を、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定されるか、又は、前記所定の方法で決定可能な組み合わせがなくなるまで繰り返し実行し、前記所定の方法で決定可能な組み合わせがなくなった場合には、所持アイテムが不足していることを示す情報をプレイヤに提示する段階を、更に、コンピュータに実行させてもよい。
【0017】
12.項1~11のいずれか1項に記載のプログラムにおいては、前記所定の方法は、動的計画法、貪欲法又は全探索法のいずれかを含んでもよい。
【0018】
13.本発明の一態様としての方法は、複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるためのコンピュータによって実行される方法であって、プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定する段階と、所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する段階と、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定段階と、を含むことができる。
【0019】
14.本発明の一態様としての情報処理装置は、複数種類の素材アイテムを消費して、プレイヤのプレイヤ識別子に紐づけて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための情報処理装置であって、プレイヤ入力に基づいて育成対象アイテムを決定し、所定の方法に基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定し、前記決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する条件判定する、ことができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、近似的な最適な組み合わせで素材アイテムを消費して育成対象アイテムのパラメータを上昇させることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステム構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る電子装置のハードウェア構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る電子装置の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るゲーム用画面の一例である。
【
図6】本発明の一実施形態に係る情報処理を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の一実施形態に係る最適組み合わせを決定するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[第1の実施形態]
以下、図面を参照して、本発明の実施形態によるゲームシステム1について説明する。本明細書においては、説明の便宜上、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成についての重複説明を省略する場合がある。
【0023】
ゲームシステム1は、ネットワークを介して複数の情報処理装置が接続されるシステムによって実現することができるが、1台の情報処理装置によっても実現することもできる。ここでは、ネットワークに接続されたシステムを用いた実施形態について説明する。情報処理装置は、例えば、コンピュータ、スマートフォン、サーバ等の電子装置とすることができる。
【0024】
図1は本発明の一実施形態によるゲームシステムの全体構成の一例を示す。
図1に示すように、ゲームシステム1は、複数のプレイヤ端末10と、サーバ20とを備え、プレイヤ端末10及びサーバ20は、インターネットなどのネットワーク2に接続され、互いに通信可能である。なお、本実施形態のゲームシステム1は、サーバ-クライアントシステムを想定して説明する。
【0025】
図2は本発明の一実施形態によるプレイヤ端末10及びサーバ20のハードウェア構成を示すブロック図である。プレイヤ端末10は、プロセッサ11、表示装置12、入力装置13、記憶装置14及び通信装置15を備える。これらの各構成装置はバス16によって接続される。なお、バス16と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態において、プレイヤ端末10はスマートフォンである。ただし、プレイヤ端末10は、上記の構成を備えるものであれば、コンピュータやゲーム装置などの電子装置とすることができる。
【0026】
サーバ20もまた同様に、プロセッサ21、表示装置22、入力装置23、記憶装置24及び通信装置25を備える。これらの各構成装置はバス26によって接続される。なお、バス26と各構成装置との間には必要に応じてインタフェースが介在しているものとする。本実施形態においてサーバ20はコンピュータによって実現される。
【0027】
プロセッサ11、21は、プレイヤ端末10ないしサーバ20全体の動作を制御するものであり、例えばCPUである。なお、プロセッサ11、21としては、MPU等の電子回路が用いられてもよい。プロセッサ11、21は、記憶装置14、24に格納されているプログラムやデータを読み込んで実行することにより、様々な処理を実行する。1つの例では、プロセッサ11、21は、複数のプロセッサから構成される。
【0028】
表示装置(ディスプレイ)12、22は、プロセッサ11、21の制御に従って、アプリケーション画面などをプレイヤ端末10のユーザ(プレイヤ)ないしサーバ20のユーザ(管理者)に表示する。好ましくは液晶ディスプレイであるが、有機ELを用いたディスプレイやプラズマディスプレイ等であってもよい。
【0029】
入力装置13、23は、プレイヤ端末10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付けるユーザインタフェースであり、例えば、タッチパネル、タッチパッド、キーボード、又はマウスである。本実施形態においてプレイヤ端末10はスマートフォンであるため、プレイヤ端末10は入力装置13としてタッチパネルを備え、タッチパネルは表示装置12としても機能し、表示装置12と入力装置13は一体となった構造である。表示装置12と入力装置13は、別の位置に配置される別個の形態であってもよい。サーバ20はコンピュータであるため、入力装置としてキーボード及びマウスを備え、表示装置として液晶ディスプレイを備えるものとする。
【0030】
記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるROMを含む、一般的なスマートフォンないしコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、Webアプリケーション(ブラウザ)やゲームを実行するためのネイティブアプリケーション(ゲームプログラム)を記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームプログラムを記憶する。Webアプリケーション等は、プレイヤ端末10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ端末10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームプログラムはクライアントである各プレイヤ端末において実行されるWebアプリケーション等でゲームを適切に進行させるように情報処理を行うための機能及び各種データを含む。
【0031】
1つの例では、記憶装置14、24は、揮発性メモリであるRAM及び不揮発性メモリであるeMMC、UFS、SSDのようなフラッシュメモリを用いた記憶装置及び磁気記憶装置等を含む、一般的なスマートフォン及びコンピュータが備える記憶装置である。記憶装置14、24は、外部メモリを含むこともできる。例えば記憶装置14は、ブラウザプログラムやゲームプログラムを記憶し、記憶装置24はサーバ用ゲームプログラムを記憶する。
【0032】
ブラウザプログラムやゲームプログラムは、プレイヤ端末10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ端末10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。サーバ用ゲームプログラムはクライアントである各プレイヤ端末において実行されるブラウザプログラムやゲームプログラム上でゲームを適切に進行させるように情報処理を行うための機能及び各種データを含む。また、記憶装置として、プレイヤ端末10及びサーバ20から物理的に分離されたデータベースを用いることもできる。
【0033】
通信装置15、25は、ネットワーク2(
図2においては省略)を介して他の装置との間でデータの授受を行う。例えば通信装置15、25は、移動体通信や無線LAN等の無線通信を行い、ネットワーク2へ接続する。プレイヤ端末10は通信装置15を用いることで、ネットワークを介してサーバ20と通信を行う。通信装置15、25は、イーサネット(登録商標)ケーブル等を用いた有線通信を行ってもよい。
【0034】
図3は本発明の一実施形態によるプレイヤ端末10及びサーバ20の機能ブロック図の一例を示す。プレイヤ端末10は、入力部31、表示部32、通信部33及びゲーム制御部34を備え、サーバ20は、入力部41、表示部42、通信部43及びゲーム制御部44、最適組み合わせ決定部45及びパラメータ上昇条件判定部46を備える。
【0035】
一つの変形例として、最適組み合わせ決定部45及びパラメータ上昇条件判定部46がプレイヤ端末10に備えられるようにしてもよい。
【0036】
本実施形態においては、プロセッサ11及び21がプログラムを実行することによりこれらの機能が実現される。例えば実行されるプログラムは、記憶装置14、24に記憶されているブラウザプログラムやゲームプログラムである。このように、各種機能がプログラム読み込みにより実現されるため、1つのパート(機能)の一部又は全部を他のパートが有していてもよい。各機能の一部又は全部を実現するための電子回路等を構成することによりハードウェアによってもこれらの機能は実現してもよい。
【0037】
入力部31、41は、入力装置13、23を用いて構成されるものであり、プレイヤ端末10及びサーバ20に対するユーザからの入力を受け付ける。プレイヤ端末10及びサーバ20は、入力部31、41によりプレイヤ入力を受け付ける。本実施形態では、プレイヤ端末10においてはタッチパネルを備えるスマートフォンが一般的に有しているタッチ検出機能を用いることができる。
【0038】
表示部32は、ゲーム用画面を表示装置12に表示し、ゲームの進行やユーザ操作に応じたゲーム用画面を表示する。ゲーム制御部34は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理及び処理に必要な各種データの格納を行う。本実施形態においては、ブラウザプログラムを用いて、プレイヤへの入出力情報の処理及びサーバ20への送受信信号の処理等を行う。ゲームアプリケーションをプレイヤ端末10にインストールして、ゲームを実行する場合には、これによって実現されるゲーム制御部34は、ゲームの進行やデータの管理等のゲームを実行するための種々の情報処理を実行する。
【0039】
表示部42は、必要に応じてゲーム管理者のための管理用画面を表示装置22に表示する。ゲーム制御部44は、本実施形態のプレイヤ端末10において実行されるゲームのための処理を行う。プレイヤ端末10においてブラウザが起動されて、ゲーム制御部34が実現され、ゲームを進行させるためにサーバ20へアクセスされると、1つの例では、ゲーム制御部44は、定期的に、又は必要に応じてデータの送受信を行い、ゲームを進行させる。
【0040】
例えばゲーム制御部44は、本実施形態のゲームを実行するにあたっての制御処理及び必要な各種データ等を記憶し、適宜プレイヤ端末10に提供する。各種データには、各ゲームアイテムの各パラメータを上昇させるための上昇条件や、プレイヤが所持するゲームアイテムを当該プレイヤのプレイヤ識別情報に関連付けて記憶する。また、各アイテムについてのパラメータ等も各アイテムに関連付けて記憶される。
【0041】
アイテムは武器、防具、キャラクタ、各種道具等のゲームにおいて用いることができるあらゆるゲーム媒体を含む。育成可能なアイテムには1以上のパラメータが設定され、各パラメータには上昇させるための条件が定められている。アイテムの少なくとも1つのパラメータの上昇条件は、素材アイテムを消費することである。
【0042】
本実施形態では、アイテムには育成対象アイテム及び素材アイテムのいずれとしても使用可能なアイテムと素材アイテムとしてのみ用いることができる強化ポイントが存在する。育成対象アイテム及び素材アイテムのいずれとしても使用可能なアイテムは、プレイヤが育成対象アイテムとして選択すれば育成対象アイテムとなり、素材アイテムとして選択すれば素材アイテムとなる。強化ポイントは、例えば、アイテムを素材アイテムから変換することで取得できる。
【0043】
ここでは、アイテムは武器とし、スキルレベル、スキルの種類、攻撃力及びヒットポイント(HP)等のパラメータを有し、アイテム識別子に関連付けて記憶される。上昇されるパラメータはスキルレベルとする。プレイヤが所持する素材アイテムを消費して武器のスキルレベルを上昇させる。スキルレベルが上昇すると、スキルの種類及びスキルレベルに応じて、敵キャラクタへの戦闘において攻撃力が増加したり、味方キャラクタのヒットポイントが上昇する等、ゲームを有利に進行させることが可能となる。
【0044】
最適組み合わせ決定部45は、所定の方法に基づいて、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する。ここで、最適な組み合わせは、理論上もっとも最適な組み合わせである必要はない。所定の方法に基づいて判定した場合に、最適と考えられる組み合わせでよい。
【0045】
素材アイテムの種類ごとに所持ポイントがあらかじめ定められており、素材アイテムを消費すると、所持ポイントを消費して育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要な獲得ポイントが得られる。育成対象アイテムのパラメータを所定量上昇させるために必要な獲得ポイント数もまた予め定められるものとする。
【0046】
育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせを決定するための計算を、いわゆるナップサック問題と考えることができる。ナップサック問題には様々な解法が知られているが、全組み合わせの中でもっともよい解(厳密解)を求めるためには、すべての組み合わせを試す全探索等を実行する必要がある。アイテムの種類及び個数が少ない場合には、全探索法によって厳密解を決定することも可能である。しかし、アイテムの種類及び個数が増えると、その計算量は指数関数的に増大するため、計算資源や時間的制約がある場合には厳密解を求めることは困難である。そのような場合には、貪欲法、動的計画法等の近似解を決定するための方法を用いることが好ましい。プレイヤが許容可能な時間内に近似的な最適な組み合わせを提示することにより、プレイヤにとってストレスの小さいユーザインタフェースを提供することが可能となる。
【0047】
本実施形態においては、近似解を求めることが可能な所定の方法によって最適と決定される組み合わせを最適組み合わせとする。これによって、アイテムの種類及び個数が増えた場合であっても、近似解ではあるものの、プレイヤが許容可能な時間内でプレイヤにとって一定の合理性のある組み合わせで育成対象アイテムのパラメータを上昇させることが可能となる。
【0048】
所定の方法は、ナップサック問題の解法として一般的に知られている動的計画法及び貪欲法等の解法であればどのような方法であってもかまわない。ゲームシステム管理者が予め定めた最適組み合わせを示すテーブルを参照して決定することもできる。厳密解を求めるために全探索法を用いてもよい。
【0049】
パラメータ上昇条件判定部46は、最適組み合わせ決定部45によって決定された各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせが、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件を満たしているか否かを判定する。
【0050】
ゲーム制御部44は、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定されれば、最適組み合わせの各種類の素材アイテム数を消費して、育成対象アイテムのパラメータを上昇させる処理を実行する。
【0051】
パラメータ上昇条件判定部46が、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定した場合、最適組み合わせ決定部45は、条件を満たさないと判定された組み合わせを除いて、所定の方法を用いて、次に最適な組み合わせを決定する。そして、次に最適な組み合わせが、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定されるか、又は、所定の方法で決定可能な組み合わせがなくなるまで繰り返し実行する。ゲーム制御部44は、所定の方法で決定可能な組み合わせがなくなった場合には、所持アイテムが不足していることを示す情報をプレイヤ端末10へ送信し、プレイヤ端末の表示部32においてプレイヤに提示する。
【0052】
育成対象及び素材アイテムのいずれにもなりうるアイテムの種類として、レア(R)、スーパーレア(SR)及びスーパースペシャルレア(SSR)の3種類のレア度が定められる。さらに、アイテムの各スキルレベルを上昇させるために必要な獲得ポイント数がアイテムの種類毎に予め定められる。ここでは、必要な獲得ポイント数は育成対象アイテムの場合と素材アイテムの場合で同じとする。素材アイテムの種類は2種類以上であれば何種類であってもかまわない。
【0053】
素材アイテムとしてのみ使用可能な強化ポイントの種類としても、レア(R)、スーパーレア(SR)及びスーパースペシャルレア(SSR)の3種類のレア度が定められ、スキルレベルが設定される。スキルレベルを上昇させるための要件は育成対象及び素材アイテムのいずれにもなりうるアイテムと同じとする。
【0054】
強化ポイントは、育成対象及び素材アイテムのいずれにもなりうるアイテムを変換することにより取得可能である。例えば、Rアイテムを強化ポイントに変換するとプレイヤが所持するR強化ポイントが1増加する。強化ポイント1は、R素材アイテムを一つ所有していることと同じ意味である。武器アイテムの所持数が増加してくると、武器アイテムの管理が煩雑となる。武器として使用しない武器アイテムについては、素材アイテムとして使用するアイテムとして強化ポイントに変換しておくことで、素材アイテムの管理が容易になる。
【0055】
また、武器アイテムの所持数に制限がある場合に強化ポイントに変換しておくことで武器アイテムの所持数制限を受けずに素材アイテムを所有することが可能となる。育成対象アイテムのパラメータを上昇させる際に武器アイテムを素材アイテムとして使用する場合には、素材アイテムとして使用する武器アイテムをすべて選択する必要がある。強化ポイントとして素材アイテムに変換しておくことで、育成対象アイテムを強化するためのプレイヤ入力操作が容易になる。
【0056】
素材アイテムを消費するとそのアイテムの所持ポイントが消費され、パラメータ上昇のためのポイントを獲得して、パラメータ上昇処理のために用いられる。各素材アイテムの所持ポイント及び獲得ポイントを算出するための基本ポイントは、Rアイテムが25ポイント、SRアイテムが100ポイント、SSRアイテムが1000ポイントとし、各アイテムの所持ポイント及び獲得ポイントは、基本ポイントにスキルレベルを乗算した値である。例えば、スキルレベル3のRアイテムを一つと、スキルレベル2のSRアイテムを一つ及びスキルレベル1のSRアイテムを一つ消費して獲得されるポイント数は25×3×1+100×2×1+100×1×1で375である。したがって、素材アイテムのスキルレベルを上昇させた後で消費すると獲得されるポイントがスキルレベル上昇前の所持ポイント数より大きくなる。
【0057】
表1~3に各種類のアイテムのスキルレベルを上昇させるために必要な獲得ポイント、そのスキルに到達するために必要な累積獲得ポイント及びそのスキルレベルのアイテムの所持ポイントをレア度毎に示す。
【0058】
【0059】
所定のスキルレベルでみれば各アイテムの所持ポイントと獲得ポイントは同じである。例えば、Rアイテムをスキルレベル1のときに消費して獲得されるポイントは所持ポイントと同一の25ポイントであり、スキルレベル3の場合は75ポイントである。Rアイテムをスキルレベル1から2に上昇させるために必要な獲得ポイントは50ポイントであり、更にレベルを3に上昇させるためには更に100ポイントが必要であるから、スキルレベルを1から3まで上昇させるために必要な累積ポイントは150である。すなわち、所持ポイントを50上昇させるために所持ポイントを150消費することになる。したがって、Rアイテムを素材アイテムとする場合、スキルレベルを上昇させてから消費するよりスキルレベル1の状態で消費させた方が効率的に所持ポイントを消費して獲得ポイントを得ることになる。これはSRアイテムについても同様である。
【0060】
一方、SSRアイテムについては、小さいスキルレベルに対しては、レベル上昇のために必要な獲得ポイントが、所持ポイントの上昇分に比べて小さく設定されており、スキルレベルを上昇させてから消費した方が効率がよくなるように設定されている。例えば、SSRアイテムの基本ポイントは1000であるから、スキルレベル1のSSRアイテムの所持ポイントは1000である。SSRアイテムのスキルレベルを1から2に上昇させると所持ポイントは2000となり、スキルレベル1と比べて1000上昇するのに対して、スキルレベル2へ上昇させるために必要な累積必要ポイントは200だけである。このような場合にはプレイヤが消費する所持ポイントよりも、獲得されるポイントが上昇する。
【0061】
したがって、スキルレベル1で消費する場合に比べてスキルレベル2で消費する方が800ポイント効率が良くなる。スキルレベルが上昇する毎に必要な累積必要ポイントが上昇するため、徐々に効率が低下し、スキルレベル11の段階で累積必要ポイントと所持ポイントが等しくなり、スキルレベル12以降はスキルレベルを上昇させてから消費する方が効率が悪くなる。
【0062】
このように、スキルレベルの上昇前後で獲得ポイントの効率を変化させることにより、プレイヤに多様な選択肢を与え、興趣性を高めることができる。その一方で、どのような素材アイテムの組み合わせが最適であるかを決定することがプレイヤにとっては困難となるという問題がある。そこで、最適組み合わせ決定部45が最適組み合わせを決定する。本実施形態においては、貪欲法を用いて最適な解とされる組み合わせを決定する。プレイヤにとってストレスのない時間内に近似的に最適な組み合わせを用いてパラメータ上昇処理を実行することを可能とする。
【0063】
本実施形態における育成対象アイテムのパラメータ上昇処理の一例400を
図4に示したフローチャートを用いて説明する。ゲームシステムによって実行されるゲームは、1以上のアイテムを用いてプレイできるゲームであればどのような形態のゲームであってもかまわない。プレイヤはアイテムのパラメータを上昇させて、アイテムを育成することを楽しむことができる。アイテムのパラメータの一つの態様として、スキルレベルを上昇させる形態について説明するが、その他のパラメータであっても実施可能である。
【0064】
プレイヤが武器アイテムを強化するための操作入力を行うと、プレイヤ端末10の表示部32に育成対象アイテム選択画面が表示され、プレイヤが所持する武器アイテムから育成対象アイテムを選択し、決定する入力をプレイヤ端末10のプレイヤ入力部31を介して行うとサーバ20は通信部43を介してこれを受信する(S401)。
【0065】
次に、サーバ20は育成対象アイテムを育成するために消費する素材アイテムを選択するための画面をプレイヤ端末10において表示させ、プレイヤは消費する素材アイテムを選択する(S402)。プレイヤは武器アイテムを素材アイテムとして選択してもよいし、強化ポイントを素材アイテムとして選択してもよい。武器アイテムを素材アイテムとして選択する場合には、いずれの武器アイテムを素材アイテムとして使用するかを選択する。ここでは、素材アイテムとして、強化ポイントを選択した場合を例にとって説明する。
【0066】
そして、サーバ20はプレイヤが希望する育成対象アイテムのパラメータの所望到達値を入力するための到達パラメータ決定画面を表示するための情報をプレイヤ端末10へ送信し、プレイヤ端末10はこれに基づいて到達パラメータ決定画面を表示し、プレイヤは所望の到達スキルレベルを入力する(S404)。
【0067】
到達パラメータ決定画面の一例を
図5に示す。到達パラメータ決定画面50においては、SSR武器アイテムであるアイテムAが育成対象アイテムとして選択されており、現在のスキルレベルは15である。素材アイテムとして強化ポイントを使用することがプレイヤによって選択されているものとする。プレイヤは、素材アイテムとしてのSSR強化ポイントを88ポイント、SR強化ポイントを73ポイント、R強化ポイントを156ポイント所有している。前述したとおり、強化ポイントは各種類のアイテムに対応するものであり、例えばR強化ポイント1はRアイテム1つと同義である。したがって、本明細書の説明において、アイテム数と強化ポイント数とは同様の意味で使用される。
【0068】
プレイヤは上昇スキルLv指定操作部51を操作して、所望の到達スキルレベルを指定することができる。
図5においては、スキルレベル15から18に上昇させることが選択されていることを示している。プレイヤ入力部53、54はそれぞれSSR強化ポイント及びSR強化ポイントを使用するか否かを選択させることができる。これらの強化ポイントを使用したくない場合には、これらの入力をオフとし、使用する場合にはオンとする。オフとされたアイテムの種類については、例えば、選択された種類の強化ポイントの所持ポイントを0に一時的に設定することによって選択されないようにすることで、処理400を変更することなく、選択されないようにすることができる。
【0069】
プレイヤによって所望の到達パラメータ値が決定されると、所定の方法に基づいて、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために消費される各種類の素材アイテム数の最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する(S406)。次に、S406において、最適組み合わせが決定できたか否かを判定する(S408)。最適組み合わせを決定するために選択可能な素材アイテムが存在しない場合には最適組み合わせを決定できない。
【0070】
後述するとおり、決定された最適組み合わせがパラメータ上昇条件を満たすと判定されなければ、最適組み合わせ決定処理(S406)が繰り返し実行され、次に最適と考えられる組み合わせを最適組み合わせとして決定する。既に最適組み合わせを決定した後に、所定の方法で決定可能な次の組み合わせが残っていない場合には、S406において最適組み合わせを決定することができなかったことを示す情報がゲーム制御部44に対して出力され、これに基づいてS408において最適組み合わせを決定できなかったと判定される。
【0071】
最適組み合わせを決定できなかったと判定された場合には、所持しているアイテムでは所望の到達パラメータまで到達することができないため、到達パラメータを減少させることができるか否かを判定する(S410)。例えば、到達パラメータを減少させたときに、現在のパラメータと等しくなる場合には、到達パラメータを減少させることができないと判定することができる。
【0072】
到達パラメータを減少させることができると判定された場合には、所望の到達パラメータを減少させて(S412)、再度、減少された到達パラメータに対して、最適組み合わせの決定処理を行う(S406)。減少された到達パラメータに対して実行される最適組み合わせの決定処理は、処理400の実行開始時点においてその減少された到達パラメータが指定されていた場合に実行される処理と同様である。これによって、プレイヤによって指定された到達スキルレベルには到達できないものの、到達可能なスキルレベルまでのゲームシステムが最適と考える最適組み合わせでのパラメータ上昇処理を実行することが可能となる。
【0073】
到達パラメータを減少させることができないと判定された場合には、パラメータを上昇させるためのアイテムが不足しているため、その旨を示す表示を行う(S414)とともに、処理400を終了する。
【0074】
S406において最適組み合わせが決定された場合には、S408においては真と判定され、決定された最適組み合わせに基づいて、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する(S416)。S416において、パラメータ上昇条件が満たされていないと判定された場合には、S406に戻って、所定の方法に基づいて、次に最適な組み合わせとする最適組み合わせを決定する。
【0075】
本明細書においては、ゲームシステムが最も最適な組み合わせとして決定する最適組み合わせを第1の最適組み合わせといい、ゲームシステムが決定するそれ以外の最適組み合わせを第2の最適組み合わせという。本実施形態においては、処理400の実行開始後、最初に決定された最適組み合わせを第1の最適組み合わせといい、第1の最適組み合わせがパラメータ上昇条件を満たさないと判定された後に決定された次に最適な組み合わせを第2の最適組み合わせという。繰り返し決定される次に最適な組み合わせも第2の最適組み合わせという。また、パラメータ上昇条件を満たすと判定される前の決定された最適組み合わせは暫定的な最適組み合わせということがある。
【0076】
第1の最適な組み合わせを決定する処理において用いられる所定の方法と、第2の最適な組み合わせを決定する処理において用いられる所定の方法とは同一であってもよいし、異なる方法であってもかまわない。例えば、第1の最適な組み合わせを決定するために用いられる所定の方法は、到達パラメータに対してゲームシステム設計者が予め定めた最適な組み合わせを示すテーブルを参照して決定し、第2の最適な組み合わせについては、そのテーブルに基づいて、貪欲法を用いて、次に最適な組み合わせを決定してもよい。第1の最適な組み合わせを貪欲法によって決定してもよいし、次に最適な組み合わせを予め定められたテーブルを参照して決定してもよい。
【0077】
決定された最適組み合わせに基づいて、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていると判定されると(S416)、パラメータ上昇処理を実行するための操作入力部をプレイヤに提示する(S418)。また、決定された最適組み合わせが処理400において最初に決定された第1の最適組み合わせであるか、第2の最適組み合わせであるかを判定する(S420)。ここでは、最適組み合わせを決定する処理が2回以上実行されたかを判定することによって第1の最適組み合わせであるか否かを判定することができる。第2の最適な組み合わせである場合には、第1の最適組み合わせに含まれる素材アイテムとは異なる他の素材アイテムを消費してパラメータ上昇を実行されることを示す情報をプレイヤに提示する(S422)。
【0078】
図6にパラメータ上昇処理を実行するための操作入力部を含むゲーム画面の一例を示す。所持アイテム表示部61は、スキルレベル上昇処理を実行すると所持強化ポイントがSSR88ptから50ptにSR強化ポイントが73ptから0ptにR強化ポイントが156ptから0ptに減少することを示す。この提示された条件でスキルレベルを上昇させる場合には、プレイヤは育成処理を実行するための操作入力部62に対して入力操作を行う。この条件での実行を希望しない場合にはキャンセルのための操作入力部63に対して入力操作を行う。このゲーム画面は、次に最適な組み合わせである場合のゲーム画面例であり、低下した効率でパラメータ上昇処理が実行されることをプレイヤに提示するための情報提示部64を含む。
【0079】
プレイヤによる入力を受け付け、パラメータ上昇処理指示であると判定されると(S424)、パラメータ上昇処理が実行される(S426)。パラメータ上昇処理は、例えば、プレイヤに関連付けて記憶された育成対象アイテムのパラメータを上昇させて更新することにより実行することができる。プレイヤによる入力がキャンセル指示である場合にはパラメータ上昇処理を実行することなく、処理400が終了される。
【0080】
一つの変形例として、プレイヤ入力として所望到達パラメータ値を変更する入力を受け付けてもよい。この場合、S406に戻って、再度、最適組み合わせを決定する処理から再開してもよい。育成対象アイテム(ベースアイテム)を変更する入力を受け付け、素材アイテム選択画面表示(S402)へ戻るようにしてもよい。
【0081】
次に、一実施例としての最適組み合わせ決定処理(S406)及びパラメータ上昇条件判定処理(S408)のより詳細な処理について説明する。ここでは、ゲームシステムが最適とする素材アイテムの組み合わせを、各アイテム種類及びスキルレベル毎に予め定めておき、ゲーム制御部44において記憶しておく。最適とする素材アイテムの組み合わせは理論的に最適な厳密解である必要はない。ゲームシステムの設計者や運営者が最適と考える組み合わせでよい。例えば、SSRアイテムのスキルレベルを上昇させるための最適組み合わせの一例を表4に示す。
【0082】
【0083】
表4は、SSR育成対象アイテムのスキルレベルを1から2へ上昇させるための最適組合せは素材アイテムとしてSSR及びRアイテムは消費せずにSRアイテムを2個消費する組み合わせが最適組み合わせであることを示している。スキルレベル19から20に上昇させる場合には、SSRアイテムを6個、SRアイテムを0個、Rアイテム0個が最適な組み合わせとする。ここでは、各素材アイテムの個数は、各アイテムのスキルレベルが1であることを前提とした個数である。スキル組み合わせは、最適組み合わせに含まれる種類の素材アイテムうちのどの素材アイテムのスキルレベルをいくつまで上昇させてから消費させるかを示している。
【0084】
育成対象アイテムSSRのスキルレベルを19から20へ上昇させるためには、素材アイテムを消費して19000ポイントを獲得する必要がある。前述のとおり、SSRアイテムはスキルレベルが小さい場合にはスキルレベルを上昇させてから消費した方が効率良く獲得ポイントを得ることができる。最適組み合わせに基づいてスキルレベル19から20へ上昇させるためのスキルレベル上昇処理を実行すると、予め定められた表4にしたがって、ゲーム制御部44が、素材アイテムSSRアイテム3個及びSRアイテム42個を消費して、素材アイテムのSSRアイテム2個をスキルレベル6にSSRアイテム1個をスキルレベル7に到達させてから、育成対象アイテムのスキルレベル上昇処理を実行する。
【0085】
この場合、プレイヤが消費した所持ポイントは10200であるが、素材アイテムのスキルレベルを効率良く上昇させることにより、必要ポイント19000ポイントを獲得して、育成対象アイテムをスキルレベル20に上昇させることができる。
【0086】
所望のスキルレベルまで上昇させるために複数段階のレベル上昇が必要である場合には、表4に示された各レベルのための素材アイテムの合計数が最適の組み合わせとなる。
【0087】
プレイヤが到達パラメータを入力すると(S404)、ゲーム制御部44は予め格納された表4を参照して、プレイヤが指定した育成対象アイテムを入力された到達スキルレベルまで上昇させるために最適な素材の組み合わせを取得する(S406)。例えば、プレイヤが現在スキルレベル18のSSRアイテムを育成対象アイテムとして選択し、到達スキルレベルとして20を指定した場合、最適組み合わせは、スキルレベル18から19へ上昇させるための最適組み合わせSSR6+SR36及びスキルレベル18から19へ上昇させるための最適組み合わせSSR6+SR42の和であるから、SSR12+SR78が最適組み合わせとして導出される。
【0088】
次に、決定された最適組み合わせに基づいて、前記育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされているか否かを判定する(S408)。ここでは、プレイヤが所持する各種類の強化ポイント数が決定された最適組み合わせの各種類の素材アイテム数以上であるか否かを判定する。例えば、プレイヤ識別子に紐づけて記憶された各種類の素材アイテム数が最適組み合わせの各種類の素材アイテム数以上であるか否かを判定する。プレイヤが所持する素材アイテムとしてのSSR強化ポイントが20であり、SRの強化ポイントが70である場合、SSR強化ポイントは最適組み合わせの12以上であるが、SR強化ポイントは78以上ではない。したがって、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定される。
【0089】
育成対象アイテムのパラメータを上昇させるための条件が満たされていないと判定されると、所定の方法によって次に最適な組み合わせとする他の組み合わせを決定する(S409)。ここでは最適組み合わせにおいて不足していると判定されたSR数を減少させつつ、スキルレベルを上昇させるための必要ポイントを獲得するため、所持数が不足すると判定されなかったSSRの消費数を上昇させる。
【0090】
いずれのスキルレベル上昇のためのSSRの消費数をいくつ上昇させるかは、最適化効率が最小となるように貪欲法を用いて決定する。最適化効率は、第1の最適組み合わせの素材アイテムの所持ポイント数と他のアイテムを含む組み合わせの素材アイテムの所持ポイント数との差分である。例えば、スキルレベル19から20へ上昇させる段階の第1の最適組み合わせの素材アイテムの所持ポイント数はSSR×6及びSR×42の所持ポイントの合計で10200ポイントである。他の組み合わせは、SSR消費数を一つ上昇させて、SSR×7及びSR×34とすると、SSRスキルレベル3×5及びSSRスキルレベル2×2に変換して、必要ポイント19000を獲得する。
【0091】
この場合の消費する所持ポイントの合計はSSR×7で7000ポイント及びSR×34で3400ポイントの合計であり、10400ポイントである。最適化効率は10200との差分であり、スキルレベルを上昇させるために消費される所持ポイントが200増加したから、200減と表現する。一方、スキルレベル18から19へ上昇させる段階のSSR消費数を一つ上昇させると、SSR×7及びSR×30が必要となり、消費する所持ポイントは10000である。このときの最適化効率は9600との差分であり、400減となる。スキルレベルを1から20まで上昇させる場合には、各スキルレベルを上昇させる場合について最適化効率を算出し、もっとも減少量が少ないスキルレベルの上昇のためのSSR数を増加させる。
【0092】
したがって、スキルレベルを18から20へ上昇させる場合には、最適化効率の減少量がより小さいスキルレベル19から20へ上昇させる段階のSSR消費数を一つ上昇させる組み合わせが、次に最適な組み合わせとして決定される。次に最適な組み合わせがスキルレベル上昇条件を満たす場合には、最適組み合わせよりも効率の悪い素材アイテムの組み合わせ、ここでは、より多くのSSRアイテムを消費してスキルレベル上昇処理を実行することを示す情報をプレイヤに表示する(S422)。なお、各素材アイテムをどのスキルレベルまで上昇させてから消費することが最適であるかは貪欲法によって決定してもよいし、予め定められた参照テーブルを用いて決定してもよい。
【0093】
次に最適な組み合わせとしても依然としてSRの所持数が最適な組み合わせに必要な数よりも少ない場合には、さらに次に最適な組み合わせを決定する。例えば、スキルレベルを19から20に上昇させる際のSSRを一つ上昇させることにより、使用するSSRを8に増加させ、SR数を6個減少させる。これを最適な組み合わせに必要とされるSSR及びSRの強化ポイント数が所持強化ポイント数を下回るまで繰り返し実行する。
【0094】
到達スキルレベルまで上昇させるためのすべての組み合わせが所持強化ポイント数を下回らない場合には、到達スキルレベルを一つ下げて(S412)、一つ下げた到達スキルレベルに対して、再度、S406、S408及びS416の処理を繰り返し実行し、所持強化ポイント数を下回る最適な組み合わせを決定するものとする。本実施形態においては、到達スキルレベルを低下させた後に、その低下された到達スキルレベルに対して最初に決定された最適な組み合わせを第1の最適組み合わせとし、これがスキルレベル上昇条件を満たす場合には、最適組み合わせよりも効率の悪い素材アイテムの組み合わせでスキルレベル上昇処理を実行することを示す情報はプレイヤに表示されない。
【0095】
さらに、パラメータ上昇条件を満たす最適組み合わせが決定されるか、低下させたスキルレベルが現在のスキルレベルと等しくなるまで、S406~S416の処理が繰り返し実行され、低下させたスキルレベルが現在のスキルレベルと等しい場合には、これ以上は到達パラメータを低下させることはできないと判定され(S410)、アイテム不足であることをプレイヤに示す表示を行い(S414)、パラメータ上昇処理を終了する。
【0096】
本実施形態を用いることにより、簡易な操作によって、育成対象アイテムのパラメータをプレイヤが所望する到達パラメータ値まで上昇させることができる。特に、素材アイテムの種類が複数存在し、素材アイテムが消費されることで得られる獲得ポイント数が素材アイテムの種類ごとに予め定められ、育成対象アイテムのパラメータを所定量上昇させるために必要な消費するポイント数が予め定められている場合には、所望のパラメータ値まで上昇させるための可能な素材アイテムの組み合わせは多数存在する。その最適な組み合わせを決定させることはプレイヤの興趣性を高めることができる一方で、プレイヤに煩雑であると感じさせる場合もある。
【0097】
本実施形態を用いることにより、所定の手法によって最適とされる組み合わせを自動的に決定し、パラメータを上昇させるための処理を実行することを可能とし、プレイヤ操作を簡素化することができる。素材アイテムの種類が増加すると、厳密解を算出するための計算量が膨大となり、プレイヤにとって許容可能な時間内に計算を終了させることが困難となる。また、素材アイテムの種類が複数存在する場合には、各素材アイテムに対する価値の大きさはプレイヤの好みや、その時点における所持ポイント数などの状態によって変化する場合があり、厳密な最適解を一意に決定することができない場合もある。
【0098】
この課題を、いわゆるナップサック問題として、ナップサック問題を解くための所定の方法を用いて、近似解を算出することで、計算量を減少させ、プレイヤにとって許容可能な時間内で、最適とされる組み合わせを決定することが可能となる。一応の最適解は、所定の方法に基づいてゲ、ームシステム設計者が最適と考える組み合わせであるから、プレイヤの好みに合わない場合もある。手動によるパラメータ上昇手段もあわせて提供することにより、プレイヤの好みに完全にあわせた組み合わせによってパラメータ上昇処理を実行させることもできる。素材アイテムの種類が少ない場合や、十分な計算資源を利用可能な場合には、全探索法等の厳密解を算出するための方法を用いてもよい。
【0099】
一つの変形例として、所望到達パラメータをプレイヤに入力させずに、到達パラメータは固定としてもよい。例えば、必ず最大パラメータ値まで上昇させるようにしてもよいし、パラメータを一つ上昇させることのみを可能としてもよい。
【0100】
さらに別の変形例として、所持アイテムが不足している場合に到達パラメータを低下させる処理を実行しなくともよい。この場合には、例えば、到達パラメータを低下可能であるかの判定(S410)及び到達パラメータを低下させる処理(S412)を含まない処理とすればよい。
【0101】
[第2の実施形態]
第1の実施形態と異なり、最適組合せを決定する段階が、所定の方法に基づいて、プレイヤ識別子に紐付けて記憶された素材アイテムの中で組み合わせ可能な組み合わせから最適組み合わせを決定する段階を含み、条件判定段階は、決定された最適組み合わせの素材アイテムが育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要な条件を満たしているかを判定する段階を含む。本実施形態においては、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要なポイントと一致する合計ポイントとなる組み合わせを第1の最適組み合わせといい、必要なポイントを越える合計ポイントとなる組み合わせを第2の最適な組み合わせという。以下、第1の実施形態と異なる点を中心に説明し、第1の実施形態と同様の部分については必要な範囲でのみ説明する。
【0102】
パラメータ上昇処理のフローチャートは
図4に示されたものと同様とするが、ここでは、到達パラメータを低下させる処理(S410及びS412)を実行しないものとする。これらの処理を実行しても実施可能であることは当業者には明らかである。本実施形態における最適組み合わせ決定処理(S406)の詳細な情報処理のフロー700を
図7に示す。本実施形態においては、暫定的な最適組み合わせを決定し、決定された最適組み合わせがパラメータ上昇条件を満たすか、残りの素材アイテムが存在しなくなるまで暫定的な最適組み合わせを更新する処理を繰り返す。
【0103】
まず、最適組み合わせを決定するための候補となりうる素材アイテムとして、プレイヤが所持するアイテムの中から、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要なポイント未満の所持ポイントを有する素材アイテムのみを抽出する(S701)。次に、抽出された素材アイテムの中で、最適組み合わせに含まれる候補アイテムとすることが可能な残り素材アイテムがあるか否かを判定する(S702)。例えば、最適組み合わせに含ませる素材アイテムとして既に選択済みのアイテムを除いた場合に、残りの素材アイテムが存在するか否かを判定する。
【0104】
存在すると判定された場合には、抽出された素材アイテムの中から、最適組み合わせに組み入れるための素材アイテムを選択する(S704)。素材アイテムの選択に際しては、既に決定されている暫定的な最適組み合わせに含まれる素材アイテムと選択される素材アイテムの所持ポイントの合計が必要ポイント以上となる素材アイテムの中で最小ポイントを有する素材アイテムを選択し、そのような素材アイテムの選択ができない場合には、最大の所持ポイントを有する素材アイテムを選択して、フロー700の処理を終了する。
【0105】
S416において、パラメータ上昇条件を満たすと判定された後の処理は第1の実施形態と同様である。S408において、最適組み合わせが決定されなかったと判定された場合は、アイテム不足表示がなされて(S412)、処理400の処理が終了する。第1の最適組み合わせであるか否かの判定(S420)は、最適組み合わせの各素材アイテムを消費して獲得される合計ポイント数がパラメータ上昇のために必要なポイント以上でありかつ必要なポイントに所定値(例えば5)を加えた値未満である場合には第1の最適組み合わせと判定し、必要なポイントより所定値(例えば5)以上大きい場合には第1の最適組み合わせではないと判定することができる。所定値をゼロとして必要なポイント数を第1の最適組み合わせ判定の閾値とすることができる。
【0106】
S706において、一つで必要ポイント以上の所持ポイントを有する素材アイテムが存在しないと判定されると、最適組み合わせを決定することができなかったことを示す情報をゲーム制御部44に対して出力し(S710)、フロー700の処理を終了する。
【0107】
S700の処理が終了すると、処理400のS408において、最適組み合わせが決定されたと判定された場合、その最適組み合わせがパラメータ上昇条件を満たすか否かが判定される(S416)。本実施形態においては、その時点で決定されている暫定的な最適組み合わせに含まれる素材アイテムを消費して獲得されるポイントの合計値が、育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要なポイント以上であるか否かを判定する。必要なポイント以上であれば真と判定し、未満であれば偽と判定する。真と判定されれば、その後のS418以降の処理へ移り、偽と判定されれば次に最適な最適組み合わせを決定するために、S406へ戻る。
【0108】
S416において、パラメータ上昇条件を満たすと判定された後の処理は第1の実施形態と同様である。S408において、最適組み合わせが決定されなかったと判定された場合は、アイテム不足表示がなされて(S412)、処理400の処理が終了する。第1の最適組み合わせであるか否かの判定(S420)は、最適組み合わせの各素材アイテムを消費して獲得される合計ポイント数がパラメータ上昇のために必要なポイントと一致している場合には第1の最適組み合わせと判定し、必要なポイントより所定値(例えば5)以上大きい場合には第1の最適組み合わせではないと判定することができる。
【0109】
次に、本実施形態を用いた場合のより具体的な処理の一例を説明する。本実施形態において、育成対象アイテムはキャラクタカードであり、第1の実施形態と同様に、Rアイテム(カード)、SRアイテム(カード)、SSRアイテム(カード)が存在するものとする。上昇させる対象パラメータは特技レベルとする。キャラクタカードはプレイヤが所持可能なアイドルカードである。アイドルカードは素材アイテムとしても使用することができる。さらに、素材アイテムとしてトレーナーカードを用いてもよい。トレーナーカードは、期間限定トレーナーA期間限定トレーナーB等の複数種類が存在する。SSRアイテムの各特技レベルを上昇させるために、トレーナーカード及びアイドルカードを消費した場合の獲得可能なポイント(所持ポイント)を表5及び6に示す。
【0110】
【0111】
SSRアイドルカードの特技レベルを一つ上昇させるためには、素材アイテムを消費することで100ポイント以上のポイントを獲得する必要がある。表5においては、トレーナーカードを素材アイテムとして使用した場合に、各種類のカードを消費することで獲得可能なポイント数が特技レベル毎に示されている。例えば、SSRアイドルカードのスキルレベルを1から2に上昇させるためには、期間限定トレーナーD及びスペシャルトレーナーであれば1枚で100ポイント以上のポイントを獲得できるから、いずれかのカードを1枚消費することで特技レベルを2に上昇させることができるが、マスタートレーナー及びベテラントレーナーを組み合わせる場合には、マスタートレーナー3枚及びベテラントレーナー1枚で100ポイントを獲得する必要がある。
【0112】
第1の実施形態と異なり、素材アイテムのスキルレベルによって獲得されるポイント数は変動しないから、所持ポイントと獲得ポイントとは同じである。一方、育成対象アイテムのスキルレベルによって素材アイテムを消費した際に獲得されるポイントが変動する。SSR育成対象アイテムの特技レベルを上昇させるためにベテラントレーナーを消費する場合には、特技レベル1から2へ上昇させると10ポイント獲得可能であるが、特技レベル2から3へ上昇させると7ポイント獲得可能となる。
【0113】
多段階の特技レベルを一度に上昇させる場合にも、レベル毎に必要な獲得ポイントの計算を行って、それらの合計値が必要な獲得ポイントとなる。ここでは、アイテムを消費して獲得されるポイントの合計値が100ポイント以上となれば、育成対象アイテムの特技レベルを上昇させることができる。100ポイントを超えて獲得された余剰ポイントは次のレベルに特技レベルを上昇させるために持ち越すことができないものとするが、持ち越し可能としてもよい。例えば、SSRアイドルカードの特技レベルを1から3に上昇させる際に、まず、特技レベル1から2に上昇させるためにスペシャルトレーナーを1枚使用すると、400ポイントが余剰となるが、特技レベルを2から3に上昇させるためには余剰の400ポイントを使用することはできない。新たに他のカードを消費して100ポイントを獲得する必要がある。
【0114】
表6は、アイドルカードを素材アイテムとして使用した場合に、各カードを消費することで獲得可能なポイント数を特技レベル毎に示している。キャラクタカードには属性が設定されており、育成対象キャラクタカードの属性と素材キャラクタカードの属性とが一致する場合には獲得されるポイント値が所定量だけ増加するように設定されている。
【0115】
ゲーム制御部44において、表7に示すようにプレイヤPA及びPBのプレイヤ識別子P0105及びP0106に対してカードアイテムが紐付けられているものとする。アイテム識別子の先頭文字がIの場合はアイドルカードを意味し、Tの場合はトレーナーカードを意味する。例えば、プレイヤPAはアイドルカードであるアイテム名IA、IC及びIDを一つずつ所持しており、IBを2つ所持しており、トレーナーカードであるアイテム名TA、TB、TD、TF及びTKをそれぞれ1つずつ所持している。
【0116】
【0117】
本実施形態では、素材アイテムとしてアイドルカードを用いるか、トレーナーカードを用いるかをまずプレイヤが選択するものとする。例えば、プレイヤPAが特技レベル1のSSRアイドルカードIAを育成対象アイテムとして選択し、特技レベルを2に上昇させるために、トレーナーカードを素材アイテムとすることを選択した場合、まず、所持するトレーナーカードから必要ポイント未満の素材アイテムのみを抽出する。表5を参照すると、アイテム種類が期間限定トレチケ、ベテトレ、期間限定ベテトレ及びマストレが必要ポイント100未満のカードであるから、これらのカードが抽出され、期間限定マストレは100以上のカードであるから抽出されない。そして、抽出されたトレーナーカードの中から、すでに選択されて暫定的な最適組み合わせに含まれる素材アイテムのポイント数の合計が必要ポイントを越える素材アイテムの中で最小素材アイテムを選択し、選択できない場合には最大素材アイテムを選択する。
【0118】
処理400の開始時は、最適組み合わせが一度も決定されていないから、抽出されたトレーナーカードから所持ポイントが最大の素材アイテムであるマストレ(50ポイント)が選択される。そして、マストレだけでは必要ポイントである100ポイントに到達しないから、再度S704が実行される。残りのトレーナーカードのいずれを使用しても依然として必要ポイントの100に到達しないため、最大アイテムである期間限定ベテトレ(40)が選択される。さらに、再度S704が実行されると、ベテトレ(30)、期間限定トレチケ(25)のいずれを選択しても合計のポイント数が100を越える。この場合は最小所持ポイントを有する素材アイテムである期間限定トレチケ(25)が選択されて、合計ポイントが115となって、必要ポイントが満たされる。
【0119】
必要ポイントを超えたポイントが獲得される場合には、第1の最適組み合わせではないと判定され(S420)、最適組み合わせではないこと、ここでは必要ポイントを超えるポイントが獲得されることを示す情報をプレイヤに表示する(S422)。例えば、合計ポイントが101の場合には必要ポイントを超えるポイントが獲得されることを示す情報をプレイヤに表示する。所定の方法によってプレイヤの所持する素材アイテムをどのように組み合わせても必要ポイントを満たすことができない場合には、組み合わせ不可と判定され(S710)、所持アイテム不足であることを示す情報をプレイヤに表示して(S414)、処理を終了する。トレーナーカードに代えて、アイドルカードを用いた場合も同様の処理によって、最適組み合わせを決定することができる。
【0120】
本実施形態を用いることにより、所定の方法に基づいて、プレイヤ識別子に紐付けて記憶された素材アイテムの中で組み合わせ可能な組み合わせから最適組み合わせを決定し、決定された最適組み合わせの素材アイテムが育成対象アイテムのパラメータを上昇させるために必要な条件を満たしているかを判定することが可能となる。
【0121】
上述の実施形態においては、プレイヤ端末10においては、Webアプリケーションを用いて、ユーザにゲームをプレイさせる場合を例にとって説明したが、プレイヤ端末10においてネイティブアプリケーションを記憶装置14に記憶して、これを実行することにより、ゲームを進行させるための情報処理を実行するようにしてもよい。ネイティブアプリケーションは、ゲームを実行するためのゲームプログラム及び該ゲームプログラム実行時に参照する各種データを含む。ネイティブアプリケーションは、プレイヤ端末10に対するユーザの操作に応じて起動され、プレイヤ端末10が予め実装するオペレーティングシステム(OS)上で実行される。この場合に、上述の実施形態において、サーバ20が備える機能の少なくとも一部をプレイヤ端末10が備えるものとすることができる。さらに別の実施形態においては、プレイヤ端末10がサーバ20と通信を行わずに1台のプレイヤ端末10のみで実行できるようにしてもよい。
【0122】
以上に説明した処理又は動作において、あるステップにおいて、そのステップではまだ利用することができないはずのデータを利用しているなどの処理又は動作上の矛盾が生じない限りにおいて、処理又は動作を自由に変更することができる。また以上に説明してきた各実施例は、本発明を説明するための例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
【符号の説明】
【0123】
1 :ゲームシステム
2 :ネットワーク
10 :プレイヤ端末
11 :プロセッサ
12 :表示装置
13 :入力装置
14 :記憶装置
15 :通信装置
16 :バス
18 :スキルレベル
19 :スキルレベル
20 :サーバ
21 :プロセッサ
22 :表示装置
23 :入力装置
24 :記憶装置
25 :通信装置
26 :バス
31 :入力部
32 :表示部
33 :通信部
34 :ゲーム制御部
41 :入力部
42 :表示部
43 :通信部
44 :ゲーム制御部
45 :最適組み合わせ決定部
46 :パラメータ上昇条件判定部