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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063590
(43)【公開日】2023-05-09
(54)【発明の名称】加熱送風システム
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/10 20060101AFI20230427BHJP
【FI】
A45D20/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023042955
(22)【出願日】2023-03-17
(62)【分割の表示】P 2019075516の分割
【原出願日】2019-04-11
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(74)【代理人】
【識別番号】100141449
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 隆芳
(74)【代理人】
【識別番号】100142446
【弁理士】
【氏名又は名称】細川 覚
(72)【発明者】
【氏名】松井 康訓
(72)【発明者】
【氏名】菊池 勇人
(72)【発明者】
【氏名】上林 真由香
(57)【要約】
【課題】屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度等の屋外の環境情報を包括的に取得して、加熱送風装置の動作条件を適切に制御することができる加熱送風システムを提供する。
【解決手段】加熱送風システムは、ハウジング3とファン5とヒータ8とを有する加熱送風装置(ヘアドライヤ1)と、ヘアドライヤ1を制御するプログラム102と、を備える。プログラム102は、屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度のうち、少なくとも1つの屋外の環境情報を取得するステップを有する。また、プログラム102は、取得した屋外の環境情報から、ヘアドライヤ1の風量、風温のうち、少なくとも1つの動作条件を演算するステップを有する。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングの内部に配置されるファンおよび加熱部を有するヘアドライヤと、
前記ヘアドライヤを制御するプログラムと、を備え、
前記プログラムは、
屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度のうち、少なくとも1つの屋外の環境情報を取得するステップと、
取得した屋外の環境情報から、前記ヘアドライヤの風量、風温のうち、少なくとも1つの動作条件を演算するステップとを有し、
前記プログラムは、スマートデバイスで作動する、加熱送風システム。
【請求項2】
前記プログラムは、
地域情報を取得するステップと、
時刻情報を取得するステップと、
気象情報を取得するステップと、
取得した地域情報と時刻情報と気象情報とのうち、少なくとも2つから屋外の環境情報を演算するステップとを有する、請求項1に記載の加熱送風システム。
【請求項3】
前記ヘアドライヤは、遷移金属微粒子生成部、イオン生成部、酸性成分生成部、帯電微粒子液体生成部のうち、少なくとも1つを有し、
前記プログラムは、取得した屋外の環境情報から、前記ヘアドライヤの前記遷移金属微粒子生成部、前記イオン生成部、前記酸性成分生成部、前記帯電微粒子液体生成部のうち、少なくとも1つの生成部の動作条件を取得するステップを有する、請求項1または2に記載の加熱送風システム。
【請求項4】
前記ヘアドライヤは、イオン生成部と、帯電微粒子液体生成部と、前記イオン生成部と前記帯電微粒子液体生成部とを制御して、イオンの生成量と帯電微粒子液体の生成量とを調整する制御部とを有し、
前記制御部は、イオンの生成量を増加させるとともに、帯電微粒子液体の生成量を減少させ、または、イオンの生成量を減少させるとともに、帯電微粒子液体の生成量を増加させる、請求項1から3のいずれか1項に記載の加熱送風システム。
【請求項5】
前記帯電微粒子液体生成部は、放電電極と、水供給デバイスとを有し、
前記制御部は、前記放電電極に対する前記水供給デバイスからの水の供給量を増減させることにより、イオンの生成量と帯電微粒子液体の生成量とを調整する、請求項4に記載の加熱送風システム。
【請求項6】
前記イオン生成部と前記帯電微粒子液体生成部とは同じものである、請求項4または5に記載の加熱送風システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、加熱送風システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の加熱送風システムとして、例えば特許文献1には、ハウジングの内部に配置されるファンおよび加熱部を有する加熱送風装置と、加熱送風装置を制御するプログラムとを備えるものが開示されている。
【0003】
この加熱送風システムは、室温等の屋内の環境を検知して、加熱送風装置の風温を制御するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-202129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、髪の状態は加熱送風装置を使用するときの屋内の環境に必ず依存するとはいえないため、前述の加熱送風システムにおいては、加熱送風装置の動作条件を適切に制御できない可能性がある。
【0006】
本開示は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本開示の目的は、屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度等の屋外の環境情報を包括的に取得して、加熱送風装置の動作条件を適切に制御することができる加熱送風システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の態様にかかる加熱送風システムは、ハウジングの内部に配置されるファンおよび加熱部を有するヘアドライヤと、ヘアドライヤを制御するプログラムと、を備える。プログラムは、屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度のうち、少なくとも1つの屋外の環境情報を取得するステップと、取得した屋外の環境情報から、ヘアドライヤの風量、風温のうち、少なくとも1つの動作条件を演算するステップとを有する。プログラムは、スマートデバイスで作動する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度等の屋外の環境情報を包括的に取得して、加熱送風装置の動作条件を適切に制御することができる加熱送風システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における加熱送風装置の側面図である。
図2】本実施形態における加熱送風装置の正面図である。
図3】本実施形態における加熱送風装置の平面図である。
図4】本実施形態における加熱送風装置の上側内部を示す平面図である。
図5図4のA-A断面図である。
図6】本実施形態における加熱送風装置の本体部内でイオン生成部と酸性成分生成部、帯電微粒子液体生成部が設けられる部分を示す斜面図である。
図7】本実施形態における加熱送風装置の本体部内でイオン生成部と酸性成分生成部、帯電微粒子液体生成部が設けられる部分を拡大して示す平面図である。
図8A】ミスト生成部の放電電極および対向電極を概略的に示す図であって、放電電極に供給する水分を比較的多量とした場合のテーラーコーン形状を示す図である。
図8B】ミスト生成部の放電電極および対向電極を概略的に示す図であって、放電電極に供給する水分を比較的少量とした場合のテーラーコーン形状を示す図である。
図9】本実施形態における加熱送風システムの機能構成を示すブロック図である。
図10】仕上がり情報による加熱送風装置の基本動作を示す図表である。
図11】屋外の温度や屋外の湿度等の環境情報と加熱送風装置の動作条件との関係を示す図表である。
図12】季節等の環境情報と加熱送風装置の動作条件との関係を示す図表である。
図13】使用者情報と加熱送風装置の動作条件との関係を示す図表である。
図14】本実施形態の変形例における加熱送風装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0011】
先ず、加熱送風装置について図1から図8Bに基づいて説明する。図1は、本実施形態における加熱送風装置の側面図を示すものである。
【0012】
本実施形態にかかる加熱送風装置としてのヘアドライヤ(ヘアケア装置)1は、使用者が手で握る部分としての把持部1aと、把持部1aと交差する方向に結合された本体部1bとを備えている。そして、使用時には把持部1aと本体部1bとで略T字状あるいは略L字状(本実施形態では略T字状)の外観を呈するように折り畳み可能に構成されている。
【0013】
把持部1aの突出端部からは、電源コード2が引き出されている。また、把持部1aは、本体部1b側の根元部1cと先端部1dとに分割されており、これら根元部1cと先端部1dとが、連結部1eを介して回動可能に連結されている。なお、先端部1dは、本体部1bに沿う位置まで折り畳むことができるようになっている。
【0014】
ヘアドライヤ1の外壁をなす(外郭を構成する)ハウジング3は、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されている。ハウジング3の内部には空洞が形成されており、この空洞内に、各種電気部品が収容されている。
【0015】
本体部1bの内部には、その長手方向(図5の左右方向)の一方側(右側)の入口開口(吸入口)4aから出口開口(吐出口)4bに至る風洞(送風流路)が形成されている。この風洞内に収容された送風部としてのファン5を回転させることによって空気流W1が形成される。すなわち、空気流W1は、外部から入口開口4aを介して風洞内に流入し、当該風洞内を通って出口開口4bから外部に排出される。
【0016】
入口開口(吸入口)4aは、網目状の枠体81で覆われており、この枠体81の開口部81aの形状はハニカム形状となっている。こうすることで、桟部81bの強度を均等に確保させつつ入口開口(吸入口)4aの総開口面積を大きくとることができ、風量の増大を図ることができるようになる。
【0017】
また、枠体81には、図5に示すように、開口率が55~90パーセント程度であって、300~650μm程度の網目幅のメッシュ82が一体成形されている。このメッシュ82は、例えば金属やポリエステル等の難燃性樹脂を用いることができ、このように網目幅の細かいメッシュ82を一体成形することで、細かい埃や毛髪等が空気流路内に入ってしまうのをより確実に抑制できるようにしている。
【0018】
また、本体部1bにおいて、ハウジング3の外筒3aの内部には、略円筒状の内筒6が設けられており、空気流W1はこの内筒6の内側を流れるようになっている。内筒6の内側では、最も上流側にファン5が配置され、その下流側にファン5を駆動するモータ7が配置され、モータ7のさらに下流側に加熱部(加熱機構)としてのヒータ8が配置されている。
【0019】
ヒータ8を作動させたときには、出口開口4bから温風が吹き出されることになる。なお、本実施形態では、ヒータ8は、帯状かつ波板状の電気抵抗体を内筒6の内周に沿って巻回して配置したものとして構成されているが、かかる構成には限定されない。
【0020】
また、ハウジング3内には、遷移金属微粒子を生成する遷移金属微粒子生成部、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部、帯電微粒子液体を生成する帯電微粒子液体生成部のうち、少なくとも1つの生成部が設けられている。
【0021】
イオン生成部としては、例えば、針状の第1電極(放電電極)と円環状の第2電極(対向電極)とで構成され、この電極間に高電圧を印可することでイオンを生成するようにしたものを用いることができる。
【0022】
また、帯電微粒子液体生成部としては、例えば、針状の第1電極(放電電極)と円環状の第2電極(対向電極)とで構成され、この電極間に高電圧を印可することで帯電微粒子液体を生成するようにしたものを用いることができる。なお、帯電微粒子液体を生成する際には、第1電極に帯電微粒子液体を生成するための液体が水供給デバイス(図示せず)から供給された状態で、第1電極と第2電極との間に高電圧が印可される。
【0023】
この第1電極への液体の供給方法としては、例えば、液体を含有したタンク(水供給デバイス)から第1電極に供給する方法を用いることができる。また、第1電極を冷却して第1電極表面で水分を結露させることで液体を供給する方法とすることも可能である。この液体は、第1電極表面で結露した水分(結露水)、または、第1電極から溶解した成分や第1電極の周囲の構成物から溶解した成分を含む結露水である。
【0024】
酸性成分生成部は、酸性成分を生成することができる方式であればよい。例えば、第1電極(放電電極)と第2電極(対向電極)とで構成される酸性成分生成部とし、この電極間に高電圧を印可することで、放電により生成される酸性成分を有するNOx-(HO)n等を生成する方法を用いることができる。
【0025】
また、酸性の特性を有する液体を静電霧化させたり、揮発させたりすることで酸性成分を生成することも可能である。また、固体から昇華させる方法で酸性成分を生成するようにしてもよい。
【0026】
本実施形態では、本体部1b内で、ハウジング3と内筒6との間に形成された空洞9に、2つ(複数)の金属微粒子生成部30,40および1つのミスト生成部50が配置されている。
【0027】
したがって、生成部(金属微粒子生成部30,40およびミスト生成部50)で生成された成分は、分岐流W2とともに吐出するようになっているが、出口開口(吐出口)4bから空気流W1とともに吐出させるようにしてもよい。また、生成部はヒータ(加熱部)8が設けられている内筒6内に設けてもよいが、本実施形態に示すように、ヒータ(加熱部)8で加熱されない部位に設けることが好ましい。
【0028】
金属微粒子生成部30,40では、遷移金属微粒子、イオンおよび酸性成分が生成される。一方、ミスト生成部50では、帯電微粒子液体(ナノイー(登録商標))、イオンおよび酸性成分が生成される。
【0029】
このように、本実施形態では、金属微粒子生成部30,40が、遷移金属微粒子生成部、イオン生成部および酸性成分生成部を兼ねている。そして、ミスト生成部50が、帯電微粒子液体生成部、イオン生成部および酸性成分生成部を兼ねている。
【0030】
本実施形態では、ハウジング3内に、遷移金属微粒子を生成する遷移金属微粒子生成部、イオンを生成するイオン生成部、酸性成分を生成する酸性成分生成部および帯電微粒子液体を生成する帯電微粒子液体生成部の4種類の生成部が設けられていることとなる。また、イオン生成部および酸性成分生成部はそれぞれ3箇所に設けられることとなり、遷移金属微粒子生成部および帯電微粒子液体生成部は1箇所に設けられることとなる。
【0031】
なお、4種類の生成部は、それぞれ独立した状態で設けるようにしてもよい。また、4種類の生成部の全てを設ける必要はなく、いずれか1種類の生成部のみをハウジング3内に設けるようにしてもよいし、4種類の生成部のなかから任意に選択した2種類の生成部をハウジング3内に設けるようにしてもよい。
【0032】
そして、本実施形態では、生成されるイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量を制御部10で制御しており、毛髪の状態(髪質、長さ、乾燥状態)に応じて好適な量の成分が供給されるようにしている。
【0033】
また、本体部1b内で、ハウジング3と内筒6との間に形成された空洞9には、ミスト生成部50に電圧を印加する電圧印加回路12等も収容されている。なお、金属微粒子生成部30,40に電圧を印加する電圧印加回路(図示せず)もハウジング3内に収容されているが、この電圧印加回路(図示せず)は、相互干渉による不具合を抑制するため、電圧印加回路12が収容された部位とは別の部位に収容されている。
【0034】
電圧印加回路12および金属微粒子生成部30,40に電圧を印加する電圧印加回路(図示せず)は、把持部1a内、または本体部1b内で把持部1aの延長線上となる領域に配置するのが好適である。使用者が把持部1aを持ったときに、電圧印加回路12および電圧印加回路(図示せず)の質量に起因する回転モーメントを小さくして、使用者の手に作用する負荷を小さくするためである。
【0035】
また、これら電圧印加回路12および電圧印加回路(図示せず)を、内筒6を挟んで相互に反対側となる位置に配置するのが好適である。こうすれば、電圧印加回路12と電圧印加回路(図示せず)との相互干渉による電圧の低下や不安定化等の不具合をより一層抑制することができる。
【0036】
さらに、本実施形態では、空洞9の側面部分(空洞9の電圧印加回路12が収容された部位とは別の部位)に、温風と冷風の切り換えや動作モードの切り替え等を行うスイッチ部21が収容されている。
【0037】
また、把持部1aの先端部1d内の空洞には、電源のONとOFFとの切り換え等を行う別のスイッチ部16が収容されている。これら電気部品同士は、金属導体等からなる芯線を絶縁性樹脂等で被覆したリード線17によって接続されている。
【0038】
なお、金属微粒子生成部30に繋がるリード線17、金属微粒子生成部40に繋がるリード線17およびミスト生成部50に繋がるリード線17は、相互に交叉させることなく極力離間させて配索するのが好適である。それぞれのリード線17を流れる電流の相互干渉によって、金属微粒子生成部30,40あるいはミスト生成部50で所望の電圧が得られなくなったり、電圧が不安定になったりするのを抑制するためである。
【0039】
本実施形態では、スイッチ部16は、ハウジング3の表面に露出した操作子18を操作することで、内部接点の開閉状態を切り換えることができるように構成されている。このとき、操作子18を上下方向にスライドさせることで、内部接点の開閉状態を多段階に切り換えることができるようにすることが可能である。
【0040】
例えば、電源オフ、弱風、中風、強風の4つのモードに切り換えられるようにすることが可能である。この場合、操作子18を最下部に位置させた状態を電源オフとすることができる。
【0041】
そして、操作子18を最下部から一段階上方にスライドさせた際に、電源オン状態となって、弱風が送風されるようにすることができる。さらに、操作子18を最下部から二段階上方にスライドさせた際に、中風が送風され、操作子18を最上部までスライドさせた際に、強風が送風されるようにすることができる。
【0042】
一方、温風と冷風の切り換えや動作モード等を行うスイッチ部21は、ハウジング3の表面(側面)に形成した操作子19や操作子19a、19bを操作する(押圧する)ことで、内部接点の開閉状態を切り換えることができるように構成されている。そして、本体部1bの上部には、現在選択されているモードを表示する表示部14が形成されている。
【0043】
これらのスイッチ部21や表示部14等は、制御部10と電気的に接続されている。
【0044】
本実施形態では、操作子19を操作することで、温風と冷風の切り換えを行うことができるようになっている。なお、操作子19を操作する度に、温風、冷風、温風…と単に温冷2つのモードを切り替えるだけでなく、「HOT」、「温冷」、「COLD」、「SCALP」の4つの風温モードを切り替えることができるようにすることも可能である。
【0045】
このとき、選択されているモードを認識することが可能な文字等が表示部14に表示されるようにするのが好ましい。以下、各モードおよび表示部14への表示方法の一例について説明する。
【0046】
「HOT」とは、温風を出力するモードであって、通常の使用時に毛髪にあたる風の温度が約70℃から80℃となるようにしたモードである。この温風を出力するモードが選択されているときには、表示部14に「HOT」の文字が表示されるようにする。
【0047】
また、「温冷」とは、例えば冷風5秒、温風7秒といったように、温風と冷風を交互に出力するモードである。この「温冷」モードが選択されているときには、表示部14に矢印が表示されるとともに、温風と冷風の出力に応じて「HOT」と「COLD」が交互に表示されるようにする。
【0048】
また、「COLD」とは、冷風を出力するモードであって、通常の使用時に毛髪にあたる風の温度が約30℃となるようにしたモードである。この冷風を出力するモードが選択されているときには、表示部14に「COLD」の文字が表示されるようにする。
【0049】
また、「SCALP」とは、低温風を出力するモードであって、通常の使用時に毛髪にあたる風の温度が約50℃となるようにしたモードである。この「SCALP」モードは、主として頭皮のケアを行う際に選択されるモードとして設定するものである。そして、「SCALP」モードが選択されているときには、表示部14に「SCALP」の文字が表示されるようにする。
【0050】
そして、操作子18を上方にスライドさせて電源オン状態にすると、制御部10が通電され、現在の風温モードに応じた駆動信号でヒータ8が駆動されるとともに、現在の風温モードを表示するように表示部14の風温表示が制御される。なお、操作子18を上方にスライドさせて単に電源オン状態にした状態では、「HOT」モードが選択されており、温風が送風される。
【0051】
そして、操作子19を操作するたびに、押下信号が制御部10に送られて4つの風温状態が「温冷」モード、「COLD」モード、「SCALP」モード、「HOT」モードの順に切り替わるようになっている。
【0052】
さらに、本実施形態では、表示部14に「SKIN」の文字が形成されており、弱風モードで、「COLD」を選択した場合に、「COLD」とともに「SKIN」が表示されるようにしている。
【0053】
すなわち、弱風モードで、「COLD」を選択した場合には、「SKIN」モードとして使用することもできるようになっている。なお、「SKIN」モードは、ミスト等が含まれた冷風を肌に当てることで肌の水分保湿を適度な状態となるようにする等、肌のケアを行う際に選択されるモードである。
【0054】
なお、上記説明は一例に過ぎず、各モードの表示方法としては、様々な方法を用いることができる。また、温風と冷風の切り換えモードについても、様々なモードの設定が可能である。
【0055】
さらに、本実施形態では、ヘアドライヤ1は、環境温度(外気温度:使用者がいる場所の室温、気温等)を検知する環境温度検知部60を備えている。そして、環境温度検知部60が検知した環境温度に応じて、ヒータ(加熱部)8への通電量を制御部10により変化させるようにしている。
【0056】
この環境温度検知部60は、例えば風温センサを用いることができ、ヘアドライヤ1内部のファン(送風部)5よりも下流に設けられており、ヒータ8による熱の影響を受けない部位に設けられている。本実施形態では、図6に示すように、環境温度検知部60は、空洞9内(内筒6よりも外側)の間隙g1よりも下流側に配置されている。
【0057】
そして、環境温度検知部60は、ヒータ8による熱の影響を受けにくい状態で環境温度を検知し、環境温度検知部60により検知された環境温度に応じて制御部10によりヒータ8への通電量を制御している。
【0058】
例えば、環境温度10℃の環境では、ヒータ8にはより大きな電流での通電を行い、例えば110~130℃の温風、好ましくは120℃の温風を発生させるようにすることができる。一方、環境温度30℃の環境では、ヒータ8への通電量を減少させて、例えば50~70℃の温風、好ましくは60℃の温風を発生させるようにすることができる。
【0059】
また、本実施形態では、操作子19aを操作することで、髪質モードの切り替えを行うことができるようになっている。具体的には、毛髪の太い使用者が主として選択する髪太モードと、毛髪の細い使用者が主として選択する髪細モードの2つの髪質モードの選択ができるようになっている。
【0060】
本実施形態では、選択された髪質モードに応じて、ハウジング3内に設けられる生成部で生成される成分量の調整を行うようにしている。
【0061】
また、本実施形態では、操作子19bを操作することで、髪長さモードの切り替えを行うことができるようになっている。具体的には、髪の短い使用者が主として選択するショートモードと、髪の長い使用者が主として選択するロングモードと、髪の長さが中程度の使用者が主として選択するミディアムモードの3つの髪長さモードの選択ができるようになっている。
【0062】
本実施形態では、選択された髪長さモードに応じて、ハウジング3内に設けられる生成部で生成される成分量の調整を行うようにしている。
【0063】
そして、髪質モードや髪長さモードの選択状態についても、様々な方法で表示部14に表示させることが可能である。例えば、ロングモードを選択した場合には、ロングモードの文字や長髪の絵等が表示されるようにすることができる。すなわち、髪質モードや髪長さモードのうちの選択したモードそのものが判別できる表示方法(文字や髪の長さを示す絵等)とすることが可能である。
【0064】
また、本実施形態のヘアドライヤ1は、通常の使用状態で、ある程度使用した際には、使用開始時に比べて生成される成分量が少なくなるように制御されている。
【0065】
そして、選択された髪長さモード毎に、生成される成分量が所定の値となるまでの時間(使用開始時の生成量に対する割合が所定の値となるまでの時間)を異ならせている。
【0066】
したがって、選択された髪長さモードを表示する場合に、選択されたモードにおける生成量が減少するまでの時間を表示部14に表示するという方法もある。
【0067】
また、本実施形態のヘアドライヤ1は、選択された髪質モード毎に、使用開始時における生成される成分量を異ならせている。すなわち、制御部10によって生成量が多い第1の制御モードでの制御や生成量が少ない第2の制御モードでの制御が行われるようにしている。
【0068】
したがって、選択された髪質モードを表示する場合に、選択されたモードにおいて使用開始時に生成される成分量の分量を表示部14に表示することも可能である。
【0069】
また、髪質モードや髪長さモードの選択状態だけでなく様々な状態を表示部14に示すこともできる。
【0070】
例えば、イオン生成部、帯電微粒子液体生成部、酸性成分生成部、遷移金属微粒子生成部等での各成分の生成量の制御部10による制御状態を表示部14に表示することができる。これらの表示方法としては、イオン量や、帯電微粒子液体量、酸性成分量、遷移金属微粒子量の変化をLEDの点灯状態の変化で示す方法がある。
【0071】
また、生成量が多い第1の制御モードや生成量が少ない第2の制御モードでの駆動状態を表示部14において表示することもできる。
【0072】
これらの表示方法としては、生成量の多い第1の制御モードと生成量の少ない第2の制御モードでの駆動状態を毛髪への髪ケア効果の一部を表現に使用し、ボリュームダウン、ボリュームアップとして表現する方法がある。
【0073】
表示部14は、制御基板上に実装されたチップ型の発光ダイオード11と、発光ダイオード11の光を拡散する白色乃至乳白色の拡散板13と、透明樹脂からなる表示パネル15とからなる。
【0074】
表示パネル15は、ハウジング3と別体に形成して両面接着テープでハウジング3に固定してもよいし、ハウジング3と一体に形成してもよい。表示パネル15の裏面には、外部光を反射するハーフミラー層を印刷または転写により設けるのが好ましい。
【0075】
そして、ハーフミラー層の上面の発光ダイオード11と対向する面には、発光ダイオード11からの光を選択的に遮光する遮光層を印刷または塗装により設けるのが好ましい。
【0076】
なお、“選択的に遮光する”とは、風温表示、「HOT」、「温冷」、「COLD」、「SCALP」および「SKIN」等の文字や絵柄が表れるように、特定の領域(例えば、文字部分以外の領域)を遮光するという意味である。
【0077】
表示部14をかかる構成とすることで、電源オフの状態では、発光ダイオード11が発光していないためヘアドライヤ1の内部が暗く、ヘアドライヤ1の外部が明るくても、外部光がハーフミラー層により反射され、内部部品や文字等を見えにくくすることができる。
【0078】
一方、電源をオンにすると、発光ダイオード11が発光し、その光が遮光層とハーフミラー層を透過して外部に照射される。このとき、遮光層により文字部分以外の領域については遮光されるので、外部には文字が表れることになる。
【0079】
このとき、表示したい文字や絵柄に応じて、発光ダイオード11が異なる色を発光するようにしてもよいし、同色の発光ダイオード11を発光させるようにしてもよい。
【0080】
また、表示部14の印刷色は本体部1bの色に合わせて変更してもよい。ただし、白色やピンク色・ゴールド色等の場合、単色印刷では十分に遮光することができないため、外観用印刷色で印刷した後、遮光用として金属粉末の配合率の高いインク材料を使用しているシルバー系の印刷色にて印刷を行うとよい。
【0081】
内筒6は、筒状部6aと、筒状部6aから径方向外側に向けて伸びて周方向に分散して配置された複数の支持リブ6b(図5では一箇所のみ図示)と、を有している。また、内筒6は、支持リブ6bを介して筒状部6aに接続され当該筒状部6aの軸方向と略直交する方向に張り出すフランジ部6cを有している。
【0082】
筒状部6aとフランジ部6cとの間には間隙g1が形成されており、この間隙g1を介して空洞9内に空気流W1の一部が分岐されて流入し、分岐流W2が形成されている。なお、分岐流W2の空洞9内への導入口となる間隙g1は、ファン5の下流でありかつヒータ8の上流側となる位置に設けられている。したがって、分岐流W2は、ヒータ8によって加熱される前の、比較的冷たい空気流となる。
【0083】
そして、分岐流W2の一部はさらに分岐されて分岐流W3となっている。この分岐流W3は、後述する金属微粒子吹出口(イオン放出口)20a,20bやミスト吹出口(イオン放出口)20cを通過せず、内筒6とハウジング3との間を通って出口開口4bの外周部分から吹き出す比較的冷たい空気流となっている。
【0084】
ハウジング3には、空洞9の出口開口4b側となる位置に、略円弧状の貫通孔(開口)3bが形成されており、この貫通孔3bを絶縁性の合成樹脂材料からなるカバー20で塞いである。
【0085】
このように、本実施形態では、カバー20は、ハウジング3に形成された貫通孔(開口)3bを覆うようにして当該ハウジング3に取り付けられている。また、本実施形態では、カバー20は、ハウジング3に対して図5の左側から右側に移動させることで、ハウジング3に取り付けられている。
【0086】
したがって、本実施形態では、風洞(送風流路)の下流側から上流側への方向が、カバー20のハウジング3への取り付け方向となっている。
【0087】
また、カバー20には、金属微粒子吹出口(イオン放出口)20a,20bとミスト吹出口(イオン放出口)20cとがそれぞれ独立して形成されている。
【0088】
なお、ミスト生成部(イオン発生部)50および金属微粒子生成部(イオン発生部)30,40の前方には、イオンが流れるイオン流路4cが形成されることとなる。このため、金属微粒子吹出口(イオン放出口)20a,20bおよびミスト吹出口(イオン放出口)20cは、イオン流路4cの下流側に設けられることとなる。
【0089】
また、カバー20は、金属微粒子あるいはミストによる帯電を抑制するため、ハウジング3よりも導電性を低くするのが好適である。カバー20が帯電すると、その電荷によって、金属微粒子生成部30,40やミスト生成部50から電荷を帯びた金属微粒子およびマイナスイオンやミストが放出されにくくなるからである。
【0090】
カバー20の帯電を抑制するためには、帯電を起こしにくい材料、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂を用いてカバー20を形成し、カバー20の材質を帯電を起こしにくい材質とするのが好ましい。なお、この部分では、カバー20がヘアドライヤ1の外壁を成している(外郭を構成している)。
【0091】
また、本実施形態では、金属微粒子吹出口20a,20bの孔径を、ミスト吹出口20cの孔径より小さくしてある。すなわち、ミスト吹出口20cを介してのミスト生成部50のメンテナンスや状態の確認等をより容易に行わせるとともに、金属微粒子吹出口20a,20bを介しての手指や道具等の誤進入を抑制してある。
【0092】
なお、カバー20の内側にリブ(突部:接続部)を設け、このリブを後述するミスト生成部50の対向電極(第2電極)52に当接させることで、カバー20の除電を行うようにするのが好ましい。
【0093】
このように、本実施形態では、カバー20とミスト生成部(イオン発生部)50、カバー20と金属微粒子生成部(イオン発生部)30,40とで、3つのイオン生成装置100が形成されている。
【0094】
さらに、本実施形態では、毛髪の帯電状態を変更することが可能な帯電部(帯電付与パネル)1fを設けている。この帯電部1fは、把持部1aの近傍に設けられている。具体的には、帯電部1fは、把持部1aの外表面に露出する導電性樹脂(導電部材)で形成されている。
【0095】
また、本実施形態では、ミスト吹出口20cの周辺部に、金属微粒子吹出口(イオン放出口)20a,20bを形成している。
【0096】
具体的には、金属微粒子吹出口20aと金属微粒子吹出口20bとを、ミスト吹出口20cが中心となるように並設している。
【0097】
すなわち、カバー20には、金属微粒子吹出口20a、20bおよびミスト吹出口20cが、ヘアドライヤ1の幅方向(図2の左右方向)に、金属微粒子吹出口20a、ミスト吹出口20c、金属微粒子吹出口20bの順に並ぶように形成されている。
【0098】
このような配置とすることで、マイナスに帯電しているミストが、ミスト吹出口20cの周辺部20dに形成された金属微粒子吹出口(イオン放出口)20a、20bから吹き出されるマイナスイオンによって、外側へ拡散してしまうのを抑制できるようにしている。
【0099】
その結果、ミストの直進性が向上してミストが髪に届きやすくなり、髪ケア効果をより高めることができる。
【0100】
また、金属微粒子生成部30,40およびミスト生成部50は、空洞9内でヘアドライヤ1の幅方向(図2の左右方向)に、金属微粒子生成部30、ミスト生成部50、金属微粒子生成部40の順に並列に配置されている。
【0101】
そして、ミスト生成部50と、当該ミスト生成部50と隣り合う金属微粒子生成部(マイナスイオン発生部)30、40との間には、遮蔽板(仕切部)6dが設けられている。
【0102】
図6に示すように、遮蔽板6dを、ヘアドライヤ1の上下方向およびミストの吹き出し方向に延在するように配置することで、金属微粒子やミストが金属微粒子吹出口20a、20bおよびミスト吹出口20cから吹き出される前に混合してしまうのを抑制している。
【0103】
金属微粒子生成部30,40は、導電性を有する金属材料によって形成される放電電極(第1電極)31,41および対向電極(第2電極)32,42をそれぞれ有している。
【0104】
そして、これら放電電極31,41と対向電極32,42との間に電圧印加回路(図示せず)によって高電圧(本実施形態では、-1kV~-3kV)を印加して放電(コロナ放電等)を生じさせる。金属微粒子生成部30,40は、その放電作用によって放電電極31,41や対向電極32,42等から金属微粒子(金属の分子やマイナスイオン等)を放出させるものである。
【0105】
この金属微粒子生成部30,40は、ほぼ同一の形状に形成してもよいし、金属微粒子生成部30,40の形状がそれぞれ異なるようにしてもよい。
【0106】
放電電極31,41は、例えば、遷移金属(例えば、金、銀、銅、白金、亜鉛、チタン、ロジウム、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウム等)の単体、合金、あるいは遷移金属をメッキ処理した部材等として構成することができる。金属微粒子生成部30,40で生成され放出された金属の微粒子に、金や、銀、銅、亜鉛等が含まれている場合、当該金属の微粒子によって抗菌作用を生じさせることができる。
【0107】
また、金属の微粒子に、白金、亜鉛、チタン等が含まれている場合、当該金属の微粒子によって抗酸化作用を生じさせることができる。なお、白金の微粒子は、抗酸化作用が極めて高いことが判明している。
【0108】
本実施形態では、金属微粒子生成部30の放電電極31に含まれる金属を亜鉛、金属微粒子生成部40の放電電極41に含まれる金属も亜鉛としている。なお、放電電極31と放電電極41に含まれる金属の種類を異ならせるようにしてもよい。
【0109】
また、金属微粒子生成部30,40は、放電作用によってイオン(例えばマイナスイオン、例えばNO2-、NO3-等)を生じさせている。
【0110】
そこで、このイオンを、放電電極31,41や、対向電極32,42、他の金属材料や金属成分を含む部材等に衝突させることで、金属微粒子を生成する構成とすることも可能である。すなわち、対向電極32,42や上記他の部材を、上記遷移金属を含む材料によって構成し、これらから金属微粒子を放出させるようにしてもよい。なお、金属微粒子生成部30,40は、放電作用によって酸性成分も生じさせている。
【0111】
ミスト生成部50は、導電性を有する金属材料によって形成される放電電極(第1電極)51および対向電極(第2電極)52を有している。そして、ミスト生成部50は、これら放電電極51と対向電極52との間に電圧印加回路12によって高電圧(本実施形態では、-3kV~-5kV)を印加することで放電(コロナ放電等)を生じさせるものである。
【0112】
本実施形態では、図8Aに示すように、放電電極51は針状の部材として形成されており、対向電極52は放電電極51の先端側に離間配置した円環状の部材として形成されている。
【0113】
また、ミスト生成部50は、帯電微粒子液体を生成する際に、放電電極51に帯電微粒子液体を生成するための液体(水分)53を供給する水供給デバイス(図示せず)を有している。
【0114】
かかるミスト生成部50では、供給された水分53が、放電作用によって微粒化され、ナノメータサイズの非常に細かいミスト(マイナスイオンを含むマイナスに帯電されたミスト:帯電微粒子液体)が生成される。なお、ミスト生成部50は、放電作用によってイオンや酸性成分も生じさせている。
【0115】
具体的には、ミスト生成部50は、図8Aに示すように放電電極51に供給する水分53を比較的多量とすることにより、イオンの生成量を多くするとともに、帯電微粒子液体(ナノイー)の生成量を少なくするようになっている。一方、ミスト生成部50は、図8Bに示すように放電電極51に供給する水分53を比較的少量とすることにより、イオンの生成量を少なくするとともに、帯電微粒子液体(ナノイー)の生成量を多くするようになっている。
【0116】
また、図6に示すように、金属微粒子生成部30,40およびミスト生成部50は、内筒6の上壁6fから突設された固定部材6gに載置することで、金属微粒子生成部30,40およびミスト生成部50が内筒6の上方に固定されている。
【0117】
なお、固定部材6gの形状や突出位置を様々に設定することで、空洞(分岐流路)9を流れる風の風向や風量を所望の量とすることが可能である。すなわち、固定部材6gは、空洞(分岐流路)9を流れる風の風向や風量を制御する制御手段として利用することができる。
【0118】
また、本実施形態では、対向電極(第2電極)52が放電電極(第1電極)51よりもミスト吹出口(イオン放出口)20c側に配置されている。
【0119】
次に、加熱送風装置としてのヘアドライヤ1を備えた加熱送風システム200について図9から図13に基づいて説明する。図9は、本実施形態における加熱送風システムの機能構成を示すブロック図を示すものである。
【0120】
加熱送風システム200は、ハウジング3とファン5とヒータ8とを有するヘアドライヤ1と、ヘアドライヤ1を制御するプログラム102と、を備える。
【0121】
また、加熱送風システム200は、ダウンロードサーバ103と、環境情報サーバ104と、気象情報サーバ105と、環境情報演算サーバ106と、動作条件演算サーバ107と、を備える。なお、これらのサーバは、ローカルエリアネットワーク(LAN)にあるものであってもよく、広域ネットワーク(WAN)にあるものであってもよい。また、環境情報サーバ104、気象情報サーバ105、環境情報演算サーバ106および動作条件演算サーバ107は、サーバではなく、操作装置101にインストール可能なアプリケーションであってもよい。
【0122】
ヘアドライヤ1は、ハウジング3と、ファン5と、ヒータ8と、これらファン5およびヒータ8等を制御する制御部10とを有する。
【0123】
プログラム102は、例えば、ダウンロードサーバ103からダウンロードされて(図9中の矢印S1参照)、スマートフォン等の操作装置101にインストールされる。この操作装置101が、プログラム102と、使用者情報入力部108と、位置測定装置(GPS)109と、タイマ110とを有する。なお、プログラム102は、ダウンロードサーバ103からダウンロードされて操作装置101にインストールされるものに限定されず、操作装置101にプリインストールされるものであってもよい。
【0124】
また、プログラム102は、例えば、使用者情報入力部108から、しっとり、サラサラ、ダメージ抑制/修復等の仕上がり情報を取得する。そして、プログラム102は、取得した仕上がり情報から、ヘアドライヤ1の基本動作条件、並びにイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量を演算する。なお、この仕上がり情報は、使用者により操作装置101に入力が可能とされている。
【0125】
プログラム102は、演算したヘアドライヤ1の基本動作条件、並びにイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量をヘアドライヤ1の制御部10に付与する。そして、制御部10が、付与されたヘアドライヤ1の基本動作条件、並びにイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量に応じて、ファン5、ヒータ8、金属微粒子生成部30,40、ミスト生成部50の制御を行う。
【0126】
図10に、仕上がり情報によるヘアドライヤ1の基本動作条件の一例が示される。
【0127】
仕上がり情報が「しっとり」の場合、例えば、風量が1.0m/分以下、風温が60~80℃、イオン量が「少」、帯電微粒子液体量が「多」、酸性成分量が「中」、遷移金属微粒子量が「中」とされる。
【0128】
仕上がり情報が「サラサラ」の場合、例えば、風量が1.0m/分以上、風温が80~120℃、イオン量が「多」、帯電微粒子液体量が「少」、酸性成分量が「中」、遷移金属微粒子量が「中」とされる。
【0129】
仕上がり情報が「ダメージ抑制/修復」の場合、例えば、風量が0.7m/分以上、風温が100℃以下、イオン量が「中」、帯電微粒子液体量が「中」、酸性成分量が「多」、遷移金属微粒子量が「多」とされる。
【0130】
また、プログラム102は、環境情報サーバ104から、屋外の温度、屋外の湿度、日照時間、紫外線強度等の屋外の環境情報のうち、少なくとも1つの屋外の環境情報を取得する。本実施形態では、プログラム102は、環境情報サーバ104から、屋外の温度、屋外の湿度、日照時間、紫外線強度等の屋外の環境情報を取得する(図9中の矢印S2参照)。
【0131】
プログラム102が、地域情報、時刻情報、気象情報のうち、少なくとも2種類を取得するようにしてもよい。この場合、プログラム102が、地域情報と時刻情報とを取得するようにしてもよく、地域情報と気象情報とを取得するようにしてもよく、時刻情報と気象情報とを取得するようにしてもよい。本実施形態では、プログラム102は、位置測定装置109から、ヘアドライヤ1が使用される地域情報を取得し、タイマ110から、ヘアドライヤ1が使用される時刻情報を取得し、気象情報サーバ105から、気象情報を取得する(図9中の矢印S2-1参照)。そして、プログラム102が、例えば、取得した地域情報と時刻情報と気象情報とを環境情報演算サーバ106に付与し(図9中の矢印S2-2参照)、環境情報演算サーバから、屋外の環境情報を取得する(図9中の矢印S2-3参照)ようにしてもよい。
【0132】
また、プログラム102は、例えば、使用者情報入力部108から、毛質、毛量、仕上がり情報等の使用者情報を取得する(図9中の矢印S3参照)。なお、この使用者情報は、使用者により操作装置101に入力が可能とされている。
【0133】
また、プログラム102は、例えば、取得した屋外の温度、屋外の湿度、日照時間、紫外線強度等の屋外の環境情報を動作条件演算サーバ107に付与する(図9中の矢印S4参照)。一方、動作条件演算サーバ107が、ヘアドライヤ1の風量、風温等の動作条件のうち、少なくとも1つの動作条件を演算するとともに、イオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量のうち、少なくとも1つを演算する。
【0134】
プログラム102は、ヘアドライヤ1の風量、風温等の動作条件のうち、少なくとも1つの動作条件を取得するとともに、イオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量のうち、少なくとも1つを取得する。本実施形態では、プログラム102は、動作条件演算サーバ107から、ヘアドライヤ1の風量、風温等の動作条件、並びにイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量を取得する(図9中の矢印S5参照)。
【0135】
プログラム102は、取得したヘアドライヤ1の風量、風温等の動作条件、並びにイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量をヘアドライヤ1の制御部10に付与する(図9中の矢印S6参照)。そして、制御部10が、付与されたヘアドライヤ1の風量、風温等の動作条件、並びにイオン、帯電微粒子液体、酸性成分、遷移金属微粒子の生成量に応じて、ファン5、ヒータ8、金属微粒子生成部30,40、ミスト生成部50の制御を行う。
【0136】
図11に、屋外の温度や屋外の湿度等の環境情報によるヘアドライヤ1の動作条件の一例が示される。なお、図11中における「大」、「高」は、基本動作条件に対する「増量」、「上昇」を意味し、図11中における「小」、「低」は、基本動作条件に対する「減量」、「下降」を意味する。
【0137】
屋外の温度が「高」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」とされる。一方、屋外の温度が「低」の場合、例えば、風量が「小」、風温が「高」とされる。
【0138】
屋外の湿度が「高」の場合、例えば、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」とされる。一方、屋外の湿度が「低」の場合、例えば、イオン量が「小」、帯電微粒子液体量が「大」とされる。
【0139】
日照時間が「長」の場合、例えば、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。一方、日照時間が「短」の場合、例えば、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0140】
紫外線強度が「強」の場合、例えば、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。一方、紫外線強度が「弱」の場合、例えば、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0141】
図12に、季節等の環境情報によるヘアドライヤ1の動作条件の一例が示される。なお、図12中における「大」、「高」は、基本動作条件に対する「増量」、「上昇」を意味し、図12中における「小」、「低」は、基本動作条件に対する「減量」、「下降」を意味する。
【0142】
季節が「春・秋」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「高」、イオン量が「小」、帯電微粒子液体量が「大」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0143】
季節が「梅雨」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0144】
季節が「夏」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0145】
季節が「冬」の場合、例えば、風量が「小」、風温が「高」、イオン量が「小」、帯電微粒子液体量が「大」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0146】
天気が「晴」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0147】
天気が「雨」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0148】
図13に、使用者情報によるヘアドライヤ1の動作条件の一例が示される。なお、図13中における「大」、「高」は、基本動作条件に対する「増量」、「上昇」を意味し、図13中における「小」、「低」は、基本動作条件に対する「減量」、「下降」を意味する。
【0149】
使用者の髪質が「長さ(長い)・量(多い)」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「高」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「大」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0150】
使用者の髪質が「クセレベル(高い)」の場合、例えば、風量が「小」、風温が「高」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0151】
使用者の髪質が「損傷レベル(高い)」の場合、例えば、風量が「小」、風温が「低」、イオン量が「小」、帯電微粒子液体量が「大」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0152】
使用者のニーズが「しっとりさせたい」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0153】
使用者のニーズが「サラサラにしたい」の場合、例えば、風量が「大」、風温が「低」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「小」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0154】
使用者のニーズが「クセを伸ばしたい」の場合、例えば、風量が「小」、風温が「高」、イオン量が「大」、帯電微粒子液体量が「小」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「小」とされる。
【0155】
使用者のニーズが「傷みをケアしたい」の場合、例えば、風量が「小」、風温が「低」、イオン量が「小」、帯電微粒子液体量が「大」、酸性成分量が「大」、遷移金属微粒子量が「大」とされる。
【0156】
以下に、本実施形態による作用効果を説明する。
【0157】
(1)加熱送風システム200は、ハウジング3の内部に配置されるファン5および加熱部(ヒータ8)を有する加熱送風装置(ヘアドライヤ1)と、ヘアドライヤ1を制御するプログラム102と、を備える。プログラム102は、屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度のうち、少なくとも1つの屋外の環境情報を取得するステップを有する。また、プログラム102は、取得した屋外の環境情報から、ヘアドライヤ1の風量、風温のうち、少なくとも1つの動作条件を演算するステップを有する。
【0158】
プログラム102が、屋外の環境情報を取得するステップと、取得した屋外の環境情報からヘアドライヤ1の動作条件を演算するステップとを備えることにより、屋外の環境条件を考慮してヘアドライヤ1の動作条件を制御することが可能となる。
【0159】
(2)プログラム102は、地域情報を取得するステップと、時刻情報を取得するステップと、気象情報を取得するステップと、取得した地域情報と時刻情報と気象情報とのうち、少なくとも2つから屋外の環境情報を演算するステップとを有する。
【0160】
かかる構成により、実際の屋外の温度や屋外の湿度等を測定することなく、屋外の環境情報を簡易に取得することが可能となる。
【0161】
(3)プログラム102は、ヘアドライヤ1以外のデバイス(操作装置101)で作動する。
【0162】
かかる構成により、ヘアドライヤ1における入力用や操作用の部品を省略することができ、ヘアドライヤ1の大型化を回避することが可能となる。
【0163】
(4)加熱送風システム200は、ハウジング3の内部に配置されるファン5および加熱部(ヒータ8)を有する加熱送風装置(ヘアドライヤ1)を備える。また、加熱送風システム200は、屋外の温度、屋外の湿度、屋外の風速、日照時間、紫外線強度のうち、少なくとも1つの屋外の環境情報を有する情報サーバ(環境情報サーバ014)を備える。また、加熱送風システム200は、少なくとも1つの屋外の環境情報から、ヘアドライヤ1の風量、風温のうち、少なくとも1つの動作条件を演算する演算サーバ(動作条件演算サーバ107)を備える。また、加熱送風システム200は、ヘアドライヤ1を制御するプログラム102を備える。プログラム102は、情報サーバ(環境情報サーバ104)から、少なくとも1つの屋外の環境情報を取得するステップと、取得した屋外の環境情報を演算サーバ(動作条件演算サーバ107)に付与するステップと、を有する。また、プログラム102は、演算サーバ(動作条件演算サーバ107)から、少なくとも1つの動作条件を取得するステップを有する。
【0164】
かかる構成により、前記(1)と同様で、屋外の環境条件を考慮してヘアドライヤ1の動作条件を制御することが可能となる。
【0165】
(5)加熱送風システム200は、ハウジング3の内部に配置されるファン5および加熱部(ヒータ8)を有する加熱送風装置(ヘアドライヤ1)と、ヘアドライヤ1が使用される地域情報を演算する位置測定装置109と、を備える。また、加熱送風システム200は、時刻情報を有するタイマ110と、気象情報を有する情報サーバ(気象情報サーバ105)と、を備える。また、加熱送風システム200は、地域情報と時刻情報と気象情報とから屋外の環境情報を演算する演算サーバ(環境情報演算サーバ106)と、ヘアドライヤ1を制御するプログラム102と、を備える。プログラム102は、位置測定装置109から、ヘアドライヤ1が使用される地域情報を取得するステップと、タイマ110から、ヘアドライヤ1が使用される時刻情報を取得するステップとを有する。また、プログラム102は、情報サーバ(気象情報サーバ105)から、気象情報を取得するステップを有する。また、プログラム102は、取得した地域情報と時刻情報と気象情報とを演算サーバ(環境情報演算サーバ106)に付与するステップと、演算サーバ(環境情報演算サーバ106)から、屋外の環境情報を取得するステップとを有する。また、プログラム102は、取得した屋外の環境情報を演算サーバ(動作条件演算サーバ107)に付与するステップと、演算サーバ(動作条件演算サーバ107)から、少なくとも1つの動作条件を取得するステップとを有する。
【0166】
かかる構成により、前記(1)、(4)と同様で、屋外の環境条件を考慮してヘアドライヤ1の動作条件を制御することが可能となる。
【0167】
(6)ヘアドライヤ1は、遷移金属微粒子生成部、イオン生成部、酸性成分生成部、帯電微粒子液体生成部のうち、少なくとも1つを有する。プログラム102は、取得した屋外の環境情報から、ヘアドライヤ1の遷移金属微粒子生成部、イオン生成部、酸性成分生成部、帯電微粒子液体生成部のうち、少なくとも1つの生成部の動作条件を取得するステップを有する。
【0168】
かかる構成により、屋外の環境条件を考慮して、遷移金属微粒子量、イオン量、酸性成分量、帯電微粒子液体量等の生成部の動作条件を制御することが可能となる。
【0169】
(7)ヘアドライヤ1は、イオン生成部と、帯電微粒子液体生成部と、イオン生成部と帯電微粒子液体生成部とを制御して、イオンの生成量と帯電微粒子液体の生成量とを調整する制御部10とを有する。制御部10は、イオンの生成量を増加させるとともに、帯電微粒子液体の生成量を減少させ、または、イオンの生成量を減少させるとともに、帯電微粒子液体の生成量を増加させる。
【0170】
かかる構成により、イオンの生成量と帯電微粒子液体の生成量とを調整することができ、毛髪のしっとり感や、サラサラ感等のより好ましい調整が可能となる。具体的には、帯電微粒子液体による毛髪への水分付与をより多くするとともに、イオンによる毛髪の電気的な中和を抑制することにより、毛髪へのより多くの水分の付与を促すことができ、毛髪のしっとり感のより好ましい調整が可能となる。一方、帯電微粒子液体による毛髪への水分付与をより少なくするとともに、イオンによる毛髪の電気的な中和を促すことにより、毛髪へのより多くの水分の付与を抑制することができ、毛髪のサラサラ感のより好ましい調整が可能となる。
【0171】
(8)帯電微粒子液体生成部は、放電電極51と、水供給デバイスとを有する。制御部10は、放電電極51に対する水供給デバイスからの水の供給量を増減させることにより、イオンの生成量と帯電微粒子液体の生成量とを調整する。
【0172】
かかる構成により、イオンの生成量と帯電微粒子液体の生成量とを調整する際に、イオン生成部と帯電微粒子液体生成部とのうち、帯電微粒子液体生成部のみを制御すればよくなり、シーケンス制御を簡潔にすることが可能となる。
【0173】
(9)イオン生成部と帯電微粒子液体生成部とは同じもの(ミスト生成部50)である。
【0174】
かかる構成により、ヘアドライヤ1の部品点数を削減することができ、ヘアドライヤ1を小型化することが可能となる。
【0175】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
【0176】
例えば、図14に示すように、加熱送風装置としてのブラシ付きヘアドライヤ1Bに本開示を適用することも可能である。
【0177】
ブラシ付きヘアドライヤ1Bは、棒状に形成されており、使用者が把持部1aを持って先端部1gに設けられたブラシ部23を髪に当てて整髪する(髪を梳かす)ものである。ブラシ部23には、複数のブリッスル23aが突設されている。
【0178】
外壁をなす(外郭を構成する)ハウジング3Bは、複数の分割体を継ぎ合わせて構成されており、その内部には風洞(送風流路)9Bが形成され、この風洞9B内に、各種電気部品が収容されている。
【0179】
また、把持部1aのブラシ部23に近い部分には、膨出した形状の外壁をなす(外郭を構成する)カバー20Bが取り付けられている。このカバー20Bとハウジング3Bとによって形成される風洞9B内に、金属微粒子生成部30,40とミスト生成部50とが収容されている。
【0180】
カバー20Bには、ブリッスル23aに向けて開放された排出口20a,20bが形成されている。金属微粒子生成部30,40で生成された金属微粒子ならびにミスト生成部50で生成されたミストは、この排出口20a,20bから外部に放出され、髪や地肌に作用することになる。なお、金属微粒子生成部30,40およびミスト生成部50には、回路部24から電圧が印加される。
【0181】
また、風洞9Bに空気流Wを生じさせるファン5Bおよびこのファン5Bを回転させるモータ7Bを設け、金属微粒子生成部30,40で生成した金属微粒子ならびにミスト生成部50で生成したミストを、分岐流Wpに乗せて排出できるようにしている。
【0182】
モータ7Bおよびファン5Bは、ハウジング3B内に形成される風洞9B内に収容されている。モータ7Bは回路部24に含まれる駆動回路によって回転駆動される。
【0183】
ハウジング3Bの基端側(図14では下側)には空気の吸入口となる開口部1hが形成されており、ファン5Bが回転すると、空気が外部から開口部1hを介して風洞9B内に流入し、当該風洞9B内を通ってブラシ部23に向けて排出される空気流Wが形成される。空気流Wは、ブラシ部23のブリッスル23aの根元に形成された吹出孔(吐出口)23bから吹き出される。
【0184】
さらに、使用者の帯電によって金属微粒子の放出が阻害されるのを抑制するため、把持部1aの表面に帯電部(帯電付与パネル)1fを露出させてある。
【0185】
また、遮蔽壁22Bを設け、ミスト生成部50で生成されたミストが金属微粒子生成部30,40に到達するのを抑制している。
【0186】
このようなブラシ付きヘアドライヤ(加熱送風装置)1Bに本開示を適用しても、上記実施形態と同様の作用、効果を奏することができる。
【0187】
また、上記実施形態では、イオン発生部として、金属微粒子およびマイナスイオンを生成する金属微粒子生成部を例示したが、金属微粒子は生成せず、単にマイナスイオンを生成するものを用いてもよい。
【0188】
また、プラスイオンを生成するイオン生成装置にあっても、本開示を適用することができる。このように、プラスイオンを生成すると、ウィッグ等の人工毛をつけた毛髪に使用する場合に有効である。ウィッグ等の人工毛はマイナスに帯電しやすいので、プラスイオンを供給することで、静電気が生じてしまうのを抑制することができるためである。
【0189】
また、上記実施形態では、ミスト生成部およびマイナスイオン発生部として放電電極(第1電極)と対向する対向電極(第2電極)を有するものを例示したが、対向電極(第2電極)を放電電極(第1電極)と対向しない位置に設けたものを用いてもよい。
【0190】
また、上記実施形態では、金属微粒子吹出口(イオン放出口)を2つ形成したものを例示したが、金属微粒子吹出口(イオン放出口)を3つ以上形成することも可能である。
【0191】
また、上記実施形態では、分岐流によって、金属微粒子およびミストを吹き出すようにしたものを例示したが、分岐流がない場合でも、金属微粒子およびミストを対応する吹出口から吹き出すことができる。
【0192】
また、毛髪に髪ケア効果を与えるとともに、毛髪が比較的乾燥した状態のときに発生量を減少させることで髪ケア効果が向上する髪ケア剤を放出させるようにすることも可能である。このような髪ケア剤としては、例えば、オイル成分を含有する剤が挙げられる。オイル成分を含有する剤は、毛髪表面への付着が少量であることで髪ケア効果が向上するものがある。
【0193】
また、カバーやハウジング、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。
【符号の説明】
【0194】
1 ヘアドライヤ(加熱送風装置)
1B ブラシ付きヘアドライヤ(加熱送風装置)
3 ハウジング
5 ファン
8 ヒータ(加熱部)
10 制御部
30 金属微粒子生成部(遷移金属微粒子生成部、イオン生成部、酸性成分生成部)
40 金属微粒子生成部(遷移金属微粒子生成部、イオン生成部、酸性成分生成部)
50 ミスト生成部(帯電微粒子液体生成部、イオン生成部、酸性成分生成部)
101 操作装置
102 プログラム
104 環境情報サーバ(情報サーバ)
105 気象情報サーバ(情報サーバ)
106 環境情報演算サーバ(演算サーバ)
107 動作条件演算サーバ(演算サーバ)
109 位置測定装置
110 タイマ
200 加熱送風システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9
図10
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図12
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図14