(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063648
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】発汗視認具及び発汗視認服
(51)【国際特許分類】
A41D 27/28 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
A41D27/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173598
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】521466529
【氏名又は名称】青木 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】青木 一真
【テーマコード(参考)】
3B035
【Fターム(参考)】
3B035AB04
3B035AD02
3B035AD07
3B035AD08
(57)【要約】
【課題】水分に触れることで変色する素材を部分的に服へ組み込むことで、周囲へ汗滲みを分からせることなく、本人、または限られた人間のみが、一部分を確認することで発汗量を可視化することができるようにする発汗視認具3、及び発汗視認服6を提供する。
【解決手段】服本体部2に取り付けられて使用される発汗視認具3であって、使用者の発汗による水分に触れることで変色し、発汗状態が視認可能となるように構成された。また、使用者が身にまとう服本体部2と、服本体部2の一部に設けられ、服本体部2とは材質が異なっていて、使用者の発汗による水分に触れたときに変色する発汗視認部3と、を有する発汗視認服1とした。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
服本体部に取り付けられて使用される発汗視認具であって、
使用者の発汗による水分に触れることで変色し、発汗状態が視認可能となるように構成されたことを特徴とする発汗視認具。
【請求項2】
使用者が身にまとう服本体部と、
該服本体部の一部に設けられ、該服本体部とは材質が異なっていて、使用者の発汗による水分に触れたときに変色する発汗視認部と、
を有することを特徴とする発汗視認服。
【請求項3】
前記発汗視認部は、前記服本体部の前方又は後方において該服本体部の上下方向に沿って長細形状に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発汗視認服。
【請求項4】
前記発汗視認部は、水分で変色する強発汗視認部と、該強発汗視認部よりも変色し難い弱発汗視認部とが隣接して交互に配置されるように形成されていることを特徴とする請求項3に記載の発汗視認服。
【請求項5】
前記発汗視認部は、前記服本体部に対して複数箇所に分かれて設けられていることを特徴とする請求項2に記載の発汗視認服。
【請求項6】
前記服本体部は、その一部に切欠き部が形成されており、
該切欠き部に前記発汗視認部が設けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の発汗視認服。
【請求項7】
前記発汗視認部は、前記服本体部の生地の上から貼り付け、縫い付けで取り付けられていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の発汗視認服。
【請求項8】
1つの生地において、前記服本体部の材質の一部に前記発汗視認部の材質が形成されており、当該生地を用いて形成されていることを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の発汗視認服。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、服の一部に取り付けられて発汗量を確認できるようにする発汗視認具、及び、発汗量を確認できる発汗視認服に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な服(特に、運動服)は、極力、汗滲みを目立たせないことに主眼がおかれている。これは、世間一般において、汗滲みに対するマイナスのイメージが多く、汗滲みの目立つ服は汗をかいた部分全体が変色するために、敬遠されることが多いためである。そのため、一般的な服(運動服)においては、汗滲みが目立たないような色の生地(濃色や白)の採用や、汗滲みを目立たせない特殊な生地が開発されている(例えば、特許文献1参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような従来の服では、汗滲みが分からないことでどの程度の汗をかいているのかが視覚的に分からず、知らない間に汗をかきすぎてしまうことによる脱水状態になっていることに気づかないという不具合が生じていた。また、汗の量が見えないため運動量や、その日のコンディションの良し悪しなど、本来、発汗から把握できるはずの多くの情報の確認ができない状態となっていた。
【0005】
そこで、本発明は、水分に触れることで変色する素材を部分的に服へ組み込むことで、周囲へ汗滲みを分からせることなく、本人、または限られた人間のみが、一部分を確認することで発汗量を可視化することができるようにする発汗視認具及び発汗視認服を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、請求項1に記載の発明は、服本体部に取り付けられて使用される発汗視認具であって、使用者の発汗による水分に触れることで変色し、発汗状態が視認可能となるように構成されたことを特徴とする。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、使用者が身にまとう服本体部と、該服本体部の一部に設けられ、該服本体部とは材質が異なっていて、使用者の発汗による水分に触れたときに変色する発汗視認部と、を有する発汗視認服としたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記発汗視認部は、前記服本体部の前方又は後方において該服本体部の上下方向に沿って長細形状に設けられている発汗視認服としたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の構成に加え、前記発汗視認部は、水分で変色する強発汗視認部と、該強発汗視認部よりも変色し難い弱発汗視認部とが隣接して交互に配置されるように形成されている発汗視認服としたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載の構成に加え、前記発汗視認部は、前記服本体部に対して複数箇所に分かれて設けられている発汗視認服としたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、請求項2乃至5の何れか一項に記載の構成に加え、前記服本体部は、その一部に切欠き部が形成されており、該切欠き部に前記発汗視認部が設けられている発汗視認服としたことを特徴とする。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、請求項2乃至5の何れか一項に記載の構成に加え、前記発汗視認部は、前記服本体部の生地の上から貼り付け又は縫い付けで取り付けられている発汗視認服としたことを特徴とする。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、請求項2乃至5の何れか一項に記載の構成に加え、1つの生地において、前記服本体部の材質の一部に前記発汗視認部の材質が形成されており、当該生地を用いて形成されている。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に記載の発明によれば、使用者の発汗による水分に触れることで変色し、発汗状態が視認可能となるように構成された発汗視認具を服本体部に取り付けることで、周囲へ汗滲みを分からせることなく、本人、または限られた人間のみが、一部分を確認することで発汗量を可視化することができる。
【0015】
また、請求項2に記載の発明によれば、発汗視認服が、使用者が身にまとう服本体部の一部に服本体部とは材質が異なっていて使用者の発汗による水分に触れたときに変色する発汗視認部を有することで、周囲へ汗滲みを分からせることなく、本人、または限られた人間のみが、一部分を確認することで鮮明に発汗量を可視化することができる。
【0016】
また、請求項3に記載の発明によれば、発汗視認部が、服本体部の前方又は後方において服本体部の上下方向に沿って長細形状に設けられていることで、汗を部分的に可視化することができ、発汗量をより分かり易く把握することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明によれば、発汗視認部は、水分で変色する強発汗視認部と、該強発汗視認部よりも変色し難い弱発汗視認部とが隣接して交互に配置されるように形成されていることで、発汗量を目盛状に可視化させることができ、より鮮明に発汗量を確認することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明によれば、前記発汗視認部は、前記服本体部に対して複数箇所に分かれて設けられていることで、より幅広いデザインのパターンに発汗視認部を適用させることができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明によれば、その一部に切欠き部が形成されており、該切欠き部に前記発汗視認部が設けられていることで、より一体的な服のデザインとすることができると共に、使用者の汗を吸収し易くできるため、発汗量をより直接的に把握することができる。
【0020】
また、請求項7に記載の発明によれば、服本体部の生地の上から貼り付け又は縫い付けで取り付けられていることで、既存の服への取り付けをすることができ、より簡易に発汗視認服を形成することができる。
【0021】
また、請求項8に記載の発明によれば、1つの生地において、前記服本体部の材質の一部に前記発汗視認部の材質が形成されており、当該生地を用いて形成されていることで、より一体的な服のデザインとすることができ、かつ、より幅広いデザインのパターンとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態に係る発汗視認具の正面図であり、(a)水分非含有時を示す図及び(b)水分含有時を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態に係る発汗視認服の正面図である。
【
図3】服本体部の生地の上から発汗視認部を貼り付け又は縫い付けで取り付けた発汗視認服の製造工程を示す図である。
【
図4】服本体部の一部に形成された切欠き部に発汗視認部を取り付けた発汗視認服の製造工程を示す図である。
【
図5】1つの生地において服本体部の材質の一部に発汗視認部の材質が形成された生地を用いて製造した発汗視認服の説明図である。
【
図6】発汗視認具の他の例(無地のデザイン)の正面図である。
【
図7】発汗視認具のさらに他の例(数字のデザイン)の正面図である。
【
図8】発汗視認服の他の例(水玉の形状のパターン)の正面図である。
【
図9】発汗視認服のさらに他の例(ストライプの形状のパターン)の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0024】
【0025】
まず、本発明の実施の形態の発汗視認具について、詳細に説明する。
【0026】
この実施の形態の発汗視認具3は、運動着等の衣服に取り付けて使用され、使用者(着衣した者)の発汗状態を分かり易く知るためのものであり、
図1に示すように、上下方向が長手方向となるように構成された長細形状の薄板状部材であり、例えばコットン,ポリエチレン,ポリウレタン等の水分を吸収し易く、かつ、変色し易い素材で構成されている。
【0027】
また、この実施の形態では、発汗視認具3が、発汗による水分で変色する(変色し易い)強発汗視認部4と、強発汗視認部4よりも変色し難い弱発汗視認部5とが上下方向に隣接して交互に配置されるように形成され、所謂ボーダー模様(縞模様)を形成するように構成されている。具体的には、水分を含んでおらず渇いている状態では、
図1(a)に示すように、強発汗視認部4は薄いグレーとなっているが、水分を含んだ際には、
図1(b)に示す強発汗視認部4aのように濃いグレーへと変色する。これにより、
図1(b)の水分非含有時の強発汗視認部4と水分含有時の強発汗視認部4aで表されるように、発汗したことが分かり易く示されることとなる。
【0028】
また、弱発汗視認部5は、強発汗視認部4と異なる素材を使用したり、強発汗視認部4と異なる厚さや織り方で形成したり、強発汗視認部4と異なる加工処理を行ったりする等により、水分を吸収したときも強発汗視認部4ほどは変色しないようになっている。そのため、このような強発汗視認部4と弱発汗視認部5とを交互に配置することで、水分を吸収した箇所は交互に変色する(変色し易い)箇所と変色しない(変色し難い)箇所が表れて色の濃淡が分かり易く表れることとなり、より発汗状態が分かり易い状態とすることができる。また、弱発汗視認部5は、水分を吸収し難いように形成して、変色が起こり難いようにしていても良い。
【0029】
なお、この実施の形態では、発汗視認部3(強発汗視認部4)の変色は、薄いグレーから濃いグレーへの変色となっていたが、これに限るものではなく、その他の色での変色が生じるようにすることも可能である。例えば、生地の色によっては薄いブルーから濃いブルーになったり、薄いレッドから濃いレッドになったりする等、他の薄い色のものが水分を含むことで濃い色に変わることで変色が行われるようになっていても良い。また、化学製品を使用することで全く異なる色への変色もあり得る。例えば、グレーからレッド、ブルーからイエロー等の全く異なる色に変色するようになっていると、より分かり易く変色状態を表すことができる。
【0030】
また、発汗視認具3の素材としては、コットン,ポリエチレン,ポリウレタン等を挙げたが、これに限るものではなく、変色状態が使用者、または限られた人間に分かり易く視認できるものであれば、その他の素材を使用して形成することも可能である。
【0031】
また、後述するように、発汗視認具3を衣服(服本体部2)に対して貼付けで取り付ける構成の場合には、裏面に糊や接着シート、熱圧着部等の取付部が形成されており、これにより、発汗視認具3を服本体部2に取り付けるように構成されていても良い。
【0032】
次に、本発明の実施の形態の発汗視認服について、詳細に説明する。
【0033】
この実施の形態の発汗視認具服1は、前記した発汗視認具3が発汗視認部として、運動着等の衣服に取り付けられて構成されたものである。
【0034】
この発汗視認服1は、
図2に示すように、使用者が身にまとう服本体部(ここではTシャツ形状のものであり、Tシャツの大部分を構成する部位)2を有しており、その服本体部2は、使用者の発汗による水分に触れても色が変化しない(変化し難い)ように素材、色合い、加工処理等が決定されている。そして、その服本体部2の一部に、服本体部2とは材質が異なっていて、使用者の発汗による水分に触れたときに変色する発汗視認部3が設けられており、この発汗視認部3は前記した発汗視認具3を取り付けたものとなっている。
【0035】
具体的には、この実施の形態では、Tシャツ形状の服本体部2の前方の中央部に、発汗視認部3が上下方向に沿って細長形状に配置されるように構成されている。これにより、発汗視認部3だけが発汗による水分で色が変化するように構成され、その他の服本体部2は水分で変色しない(変色し難い)ように構成されており、服全体として発汗による水分で変色して汗染みが目立たないようにしつつ、発汗視認部3は水分で変色して使用者、または限られた人間に発汗状態が分かり易くさせるようになっている。
【0036】
また、ここでは、前記した発汗視認具3の説明で記載したように、発汗視認部3が水分で変色する強発汗視認部4と、強発汗視認部4よりも変色し難い弱発汗視認部5とが隣接して交互に配置されるように形成されていることで、より明確に変色状態が視認し易くすることができるようになっている。
【0037】
次に、発汗視認服の製造方法について、
図3~
図5を用いて、複数のパターン(ここでは、第1~第3パターンの3パターン)を挙げて説明する。
【0038】
まず、第1パターンについて説明する。このパターンでは、
図3に示すように、服本体部2の所定位置(ここでは、前方中央部)に、前記した
図1に示す発汗視認部(発汗視認具)3を貼付け・縫製によって貼り付けることで、発汗視認服1が形成されている。なお、縫い付けではなく貼付けの場合には、予め、熱で接着が可能な糊、接着シート等がつけられていることが好ましい。また、発汗視認部(発汗視認具)3の糊や接着シートの貼付部分は全面、もしくは枠部分、左右両端部、上下両端部等のみに糊がついていて発汗視認部3が糊や接着シートで覆われたいない部分をつくることで、水分が直接発汗視認部の変色する生地に伝わり易くなるため、より水分が染みやすくなることも想定している。このパターンでは、発汗視認服1を簡単に製造することができると共に、市販されている服、今までも着ていた服に取り付けることもできるため、利便性の高いパターンと言える。
【0039】
次に、第2パターンについて説明する。このパターンでは、
図4に示すように、服本体部12の所定位置(ここでは、前方中央部)に発汗視認具3を取り付けるのに丁度良い大きさ、形状の切欠き部16が形成されており、ここに、例えば縫製や端部を接着する等によって、発汗視認具3が発汗視認部として取り付けられることによって、発汗視認服11が形成されている。このパターンでは、発汗視認部3の裏面が直接、素肌に触れるため、汗を直接、吸収することができ、使用者、または限られた人間がより明確に発汗状態を把握することができる。
【0040】
次に、第3パターンについて説明する。このパターンでは、
図5に示すように、服本体部22の布地を作製する縫製の段階で、変色しにくい服本体部22の中に変色しやすい発汗視認部23が同時に織り込まれるような作り方をすることで、服の生地そのものに発汗視認部3を組み込んだ構成の発汗視認服21が形成されている。または、縫製時には服本体部22のみの生地で作製し、その後、所謂プリント工程で、その生地に対して、染料、もしくはインク等によって色付けをすることで、発汗視認部23を組み込む場合も考えられる。
【0041】
なお、発汗視認具のデザインについては、前記した所謂ボーダー模様に限るものではなく、例えば、
図6に示す発汗視認具33のような、無地のもの(全体が強発汗視認部となっているもの)でも良い。また、
図7に示す発汗視認具43のように数字が並んでいて当該数字の部分が強発汗視認部44、数字以外の部分が弱発汗視認部45になっていても良い。さらに数字以外のもの、例えば動物の絵柄や記号が記載されているデザインでもよい。この場合には、動物や記号等が描かれた部分が強発汗視認部、それ以外の部分が弱発汗視認部となっているのが良い。
【0042】
また、発汗視認具の形状や大きさ、服本体部への配置位置等についても、上記説明の長細形状の例に限らず、
図8に示す発汗視認具(発汗視認部)53のような略円形や、多角形、その他種々の形状となっていても良い。そして、例えば略円形状の発汗視認具53を服本体部52に散りばめられる程度の大きさに形成し、それを発汗視認部53として水玉模様を形成するように服本体部52の複数個所に分かれて形成した発汗視認服51としても良い。また、
図9に示す発汗視認部63のように、より細い形状にして、それをストライプ模様を形成するように服本体部62に横方向に並べるようにした発汗視認服61としても良い。また、不規則な形の発汗視認具を服本体部に散りばめて迷彩柄のように形成した発汗視認服としても良い。
【0043】
なお、上記したものにおいて、強発汗視認部と弱発汗視認部の色の違いを利用して、さまざまなデザインを構成することができる。また、水玉模様やストライプ模様や迷彩柄のように、発汗視認部を複数配置する場合には、それぞれの色合いが異なるようになっていても良い。その場合には、発汗により水分を吸ってそれぞれ異なる色に変色させることができ、よりデザイン性のある状態にすることができる。
【0044】
また、前記したものでは、発汗視認部は発汗視認服の前方に配置されるようになっていたが、これに限るものではなく、発汗視認部が発汗視認服の後方報側(背中側)に配置されていても良い。例えば、服本体部の後方中央部に上下方向に沿って細長形状の発汗視認部が形成された発汗視認服となっていても良い。
【0045】
発汗視認部が発汗視認服の前方に配置された場合は、身近な人との運動中や体育の授業中等に、発汗視認服としての体育着の前面に取り付けられた発汗視認具(発汗視認部)を、本人の発汗状態、親などの身近な人が子供等の発汗状態、先生や保育士などが生徒や児童、幼児等の発汗状態を見て確認することができ、主に使用者自身や限られた人間が発汗量を確認し易くなる効果がある。
【0046】
また、発汗視認部が発汗視認服の後方に配置された場合は、体型(例えば、女性等が胸のふくらみでTシャツに汗がつかないケースあり)や体質(体の前面側に汗をかきにくい体質等)などにより、体の前面で発汗量の確認がし難いときに、本人が背面で発汗状態を確認するパターンや、親などの身近な人が子供等の発汗状態を確認するパターン、先生や保育士などが生徒や児童、幼児等の発汗状態を確認するパターン等が考えられ、主に前面で確認し難い事情を有する使用者自身や限られた人間が発汗量を確認し易くなる効果がある。
【0047】
以上のように、この実施の形態の発汗視認具3,23,33,43,53,63によれば、使用者の発汗による水分に触れることで変色し、発汗状態が視認可能となるように構成された発汗視認具3,23,33,43,53,63を服本体部2,12,22,52,62に取り付けることで、周囲へ汗滲みを分からせることなく、本人、または限られた人間のみが、一部分を確認することで発汗量を可視化することができる。
【0048】
また、この実施の形態の発汗視認服1,11,21,51,61によれば、発汗視認服1,11,21,51,61が、使用者が身にまとう服本体部2,12,22,52,62の一部に服本体部2,12,22,52,62とは材質が異なっていて使用者の発汗による水分に触れたときに変色する発汗視認部(発汗視認具)3,23,33,43,53,63を有することで、周囲へ汗滲みを分からせることなく、本人、または限られた人間のみが、一部分を確認することで鮮明に発汗量を可視化することができる。
【0049】
また、この実施の形態の発汗視認服1,11,21,61によれば、発汗視認部3,23,33,43,63が、服本体部2,12,22,62の前方又は後方において服本体部2,12,22,62の上下方向に沿って長細形状に設けられていることで、汗を部分的に可視化することができ、発汗量をより分かり易く把握することができる。
【0050】
また、この実施の形態の発汗視認服1によれば、発汗視認部3,43は、水分で変色する強発汗視認部4,44と、強発汗視認部4,44よりも変色し難い弱発汗視認部5,45とが隣接して交互に配置されるように形成されていることで、発汗量を目盛状に可視化させることができ、より鮮明に発汗量を確認することができる。
【0051】
また、発汗視認部53は、服本体部52に対して複数箇所に分かれて設けられていることで、より幅広いデザインのパターンに発汗視認部53を適用させることができる。
【0052】
また、発汗視認服1は、服本体部2の生地の上から貼り付け又は縫い付けで取り付けられていることで、既存の服への取り付けをすることができ、より簡易に発汗視認服1を形成することができる。
【0053】
また、発汗視認服11は、その一部に切欠き部16が形成されており、切欠き部16に発汗視認部13が設けられていることで、より一体的な服のデザインとすることができると共に、使用者の汗を吸収し易くできるため、発汗量をより直接的に把握することができる。
【0054】
また、発汗視認服21は、1つの生地において、服本体部22の材質の一部に発汗視認部23の材質が形成されており、当該生地を用いて形成されていることで、より一体的な服のデザインとすることができ、かつ、より幅広いデザインのパターンとすることができる。
【0055】
なお、本発明は、前記した実施の形態の構成に限るものではなく、本発明の作用効果を奏するものであれば、他の構成を有するものであっても良い。
【0056】
例えば、前記した実施の形態では、発汗視認服として、Tシャツのような運動に適した服を用いて説明したが、これに限るものではなく、運動に適した服でも他の形状のもの、例えばタンクトップや長袖シャツ等の他の形状の上着に適用しても良い。また、運動用ズボンやパンツ等に適用しても良い。さらには、運動用でない服であっても発汗状態を明確にした方が良く、かつ、限られた人間以外の他人からは発汗状態が見えないようにした方が良い服であれば、どのような服にも適用可能である。また、発汗視認具も、同様に他の形状の服に適用しても良い。
【符号の説明】
【0057】
1,11,21,51,61 発汗視認服
2,12,22,52,62 服本体部
3,23,33,43,53,63 発汗視認具(発汗視認部)
4,44 強発汗視認部(水分非含有時)
4a 強発汗視認部(水分含有時)
5,45 弱発汗視認部
16 切欠き部