(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063649
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】貯湯式給湯機
(51)【国際特許分類】
F24H 9/00 20220101AFI20230428BHJP
F24H 15/10 20220101ALI20230428BHJP
F24H 9/02 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
F24H9/00 J
F24H1/18 503Z
F24H9/02 301Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173599
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】小形 武史
(72)【発明者】
【氏名】石橋 泰弘
(72)【発明者】
【氏名】米山 朋之
【テーマコード(参考)】
3L036
3L037
3L122
【Fターム(参考)】
3L036AA02
3L037AA01
3L037AB03
3L122AA02
3L122AA23
3L122AB22
3L122AB52
3L122AB58
3L122AB63
3L122AB64
3L122BB03
3L122GA07
(57)【要約】
【課題】貯湯タンク1内の湯水を取り出す場合、操作手順を間違えてしまうと、貯湯タンク内の湯水が取水できないことや、貯湯タンクを破損してしまうという恐れがあった。
【解決手段】貯湯式給湯機には、蓋31の開操作と逃し弁レバー21の開操作、及び、蓋31の閉操作と逃し弁レバー21の閉操作とを連動させる連動機構を設けたことで、蓋31を開くと蓋31の開操作に連動して逃し弁レバー21が開かれるため、ユーザーは迷うことなく正しい手順で非常用取水栓24を開くことができ、操作性にすぐれた生活用水の取水方法を提供することができると共に、操作手順の間違えによる貯湯タンクの破損を防止することができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前パネルを備えた貯湯タンクを囲うように構成されたケースユニットと、
前記貯湯タンク内の圧力が所定圧力をこえた場合、自動で開弁して、圧力を逃す逃し弁と、
前記逃し弁を手動により開操作及び閉操作可能な逃し弁レバーと、
前記貯湯タンク内の水を取水する非常用取水栓と、
前記非常用取水栓を手動により開操作及び閉操作可能なコックとを備え、
前記前パネルには、
前記非常用取水栓の前記コックが対向する位置に開口された開口部と、
前記開口部を覆うと共に開閉操作可能な蓋とを設けた貯湯式給湯機において、
前記蓋の開操作と前記逃し弁レバーの開操作、及び、前記蓋の閉操作と前記逃し弁レバーの閉操作とを連動させる連動機構を設けたことを特徴とする貯湯式給湯機。
【請求項2】
前記連動機構は、前記蓋の内側に設けられたポケットであり、前記ポケット内に前記逃し弁レバーを配置したことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯機。
【請求項3】
前記連動機構は、一方を前記蓋接続し、他方を前記逃し弁レバーと接続した連結部材で構成されたことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯機。
【請求項4】
前パネルを備えた貯湯タンクを囲うように構成されたケースユニットと、
前記貯湯タンク内の圧力が所定圧力をこえた場合、自動で開弁して、圧力を逃す逃し弁と、
前記貯湯タンク内の水を取水する非常用取水栓とを備え、
前記逃し弁は、弁本体部と、前記逃し弁を手動により開操作及び閉操作可能な逃し弁レバーとで構成され、
前記非常用取水栓は、取水栓本体部と、前記非常用取水栓を手動により開操作及び閉操作可能なコックとで構成され、
前記前パネルには、
前記逃し弁レバーと前記コックとが対向する位置に開口された開口部と、
前記開口部を覆うと共に開閉操作可能な蓋とを設けた貯湯式給湯機において、
前記逃し弁は、前記逃し弁レバーを上にあげることで前記開操作し、前記逃し弁レバーを下にさげることで前記閉操作するように構成され、
前記逃し弁レバーを下にさげている場合、前記逃し弁レバーが前記コックの開操作を阻害する阻害機構を設けたことを特徴とする貯湯式給湯機。
【請求項5】
前記阻害機構は、前記コックを前記逃し弁レバーと前記弁本体部の間に配置した構成であることを特徴とする請求項4記載の貯湯式給湯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貯湯式給湯機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の貯湯タンク内には多量の湯水が貯湯されており、災害発生時には貯湯タンク内の湯水を取り出すことで、湯水を生活用水として利用することが可能であると知られていた。また、特許文献1では、貯湯タンク内の湯水を取り出す方法について(1)タンクユニットの前面カバーを取り外す。(2)自動または手動で入水側配管開閉弁(給水遮断弁)を閉じる。(3)電源レバーを下げ、電源を「切」にする。(4)タンクユニットの逃し弁操作窓を開け、逃し弁を開ける。(5)タンクユニットの非常用取水栓を開く。の順に操作する旨をリモコンから報知することで、貯湯タンク内の湯水を円滑に使用することのできる貯湯式給湯機が知られていた(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のようなものでは、専門器具の名称の操作方法を説明されても専門の知識を元々持っていない場合が多く、製品説明書やインターネットを利用して器具の名称を調べる必要があり、器具の名称を勘違いしてしまうと操作間違い起こり、操作を間違えてしまうと、貯湯タンク内の湯水が取水できないことや、貯湯タンクを破損してしまうという恐れがあった。
【0005】
また、通常貯湯タンク内の湯水を取り出すのは屋外での操作が必要なため、特許文献のようにリモコンで確認し、いざ屋外で作業しようと外に出たとき、もし操作方法を忘れてしまった場合は、再度リモコンの報知内容を確認しに屋内に戻る必要があり、手間がかかるという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記課題を解決するため、前パネルを備えた貯湯タンクを囲うように構成されたケースユニットと、前記貯湯タンク内の圧力が所定圧力をこえた場合、自動で開弁して、圧力を逃す逃し弁と、前記逃し弁を手動により開操作及び閉操作可能な逃し弁レバーと、前記貯湯タンク内の水を取水する非常用取水栓と、前記非常用取水栓を手動により開操作及び閉操作可能なコックとを備え、前記前パネルには、前記非常用取水栓の前記コックが対向する位置に開口された開口部と、前記開口部を覆うと共に開閉操作可能な蓋とを設けた貯湯式給湯機において、前記蓋の開操作と前記逃し弁レバーの開操作、及び、前記蓋の閉操作と前記逃し弁レバーの閉操作とを連動させる連動機構を設けた。
【0007】
また、前記連動機構は、連動機構は、前記蓋の内側に設けられたポケットであり、前記ポケット内に前記逃し弁レバーを配置した
【0008】
また、連動機構は、一方を前記蓋接続し、他方を前記逃し弁レバーと接続した連結部材で構成された。
【0009】
また、前パネルを備えた貯湯タンクを囲うように構成されたケースユニットと、前記貯湯タンク内の圧力が所定圧力をこえた場合、自動で開弁して、圧力を逃す逃し弁と、前記貯湯タンク内の水を取水する非常用取水栓とを備え、前記逃し弁は、弁本体部と、前記逃し弁を手動により開操作及び閉操作可能な逃し弁レバーとで構成され、前記非常用取水栓は、取水栓本体部と、前記非常用取水栓を手動により開操作及び閉操作可能なコックとで構成され、前記前パネルには、前記逃し弁レバーと前記コックとが対向する位置に開口された開口部と、前記開口部を覆うと共に開閉操作可能な蓋とを設けた貯湯式給湯機において、前記逃し弁は、前記逃し弁レバーを上にあげることで前記開操作し、前記逃し弁レバーを下にさげることで前記閉操作するように構成され、前記逃し弁レバーを下にさげている場合、前記逃し弁レバーが前記コックの開操作を阻害する阻害機構を設けた。
【0010】
また、前記阻害機構は、前記コックを前記逃し弁レバーと前記弁本体部の間に配置した構成である。
【発明の効果】
【0011】
このように本発明によれば、貯湯タンク内の湯水を生活用水として取水する場合、開口部内の逃し弁と非常用取水栓の操作のうち、蓋を開くと蓋の開操作に連動して逃し弁レバーが開かれるため、ユーザーは迷うことなく非常用取水栓を開くことができ、操作性にすぐれた生活用水の取水方法を提供することができると共に、操作手順の間違えによる貯湯タンクの破損を防止することができる。
【0012】
また、貯湯タンク内の湯水を生活用水として取水するときのユーザーが間違いやすい逃し弁レバーとコックの操作順序のうち先に操作しないと次の操作が行えないように阻害する阻害機構を設けたことで、操作性にすぐれた生活用水の取水方法を提供することができると共に、先に逃し弁レバーを開くことを誘導させることで、操作手順の間違えによる貯湯タンクの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図6】この発明の逃し弁レバーと蓋の連動機構を説明する断面図(蓋閉時)
【
図7】この発明の逃し弁レバーと蓋の連動機構を説明する断面図(蓋開時)
【
図8】この発明の逃し弁レバーと蓋の連動機構の別実施例を説明する断面図
【
図9】この発明の逃し弁レバーの阻害機構を説明する要部正面図(逃し弁レバー閉)
【
図10】この発明の逃し弁レバーの阻害機構を説明する要部断面図(逃し弁レバー開)
【
図11】この発明の逃し弁レバーの阻害機構を説明する要部正面図(逃し弁レバー開、コック開)
【
図12】この発明の逃し弁レバーの阻害機構の別実施例を説明する要部正面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の貯湯式給湯機の実施例を
図1及び
図2に基づいて説明する。
図1において、1は貯湯式給湯機の湯水を貯湯する貯湯タンク、2は貯湯タンク1底部に給水する給水管、3は貯湯タンク1頂部から出湯する出湯管、4は貯湯タンクの水を加熱するヒートポンプ式の加熱手段、5は貯湯タンク1の下部と加熱手段4に接続する加熱往き管、6は加熱往き管5の途中に設けられた加熱循環ポンプ、7は加熱手段4と貯湯タンク1の上部を接続する加熱戻り管、8は加熱戻り管7途中に設けられた加熱バイパス三方弁、9は加熱バイパス三方弁8の切り替えにより分岐した加熱バイパス管である。この加熱バイパス管9は給水管2に接続されている。
【0015】
10は給水管2の途中で分岐する給湯側給水バイパス管、11は出湯管3を流れる湯水と給湯側給水バイパス管10を流れる市水を適宜の比率で混合して給湯設定温度に調整する給湯混合弁、12は給湯混合弁11で混合された混合水が流通する給湯管、13は給湯管12からの混合水を給湯する給湯栓、14は給湯管12途中に設けられた給湯流量を検出するフローセンサ、15は給湯混合弁11によって混合された混合水の温度を検出する給湯温度センサ、16は給湯混合弁11によって混合された混合水の給湯流量を調節する流量調整弁である。
【0016】
17は給水管2途中に設けられ市水を一定の給水圧に減圧する給水減圧弁、18は給水管2の途中に設けられ市水の温度を検出する給水サーミスタ、19は給水を開放または遮断を手動で操作可能な給水遮断弁である。
【0017】
20は貯湯タンク1の上部に連通して設けられ、加熱手段4により加熱されることで、貯湯タンク1内の水が沸き上げられることによって発生する圧力が所定の圧力を超えた場合、自動で開弁して貯湯タンク1の外へ排出する逃し弁である。
【0018】
この逃し弁20は、所定の圧力を超えたら自動で開閉する弁本体部22と、手動による開操作及び閉操作が可能な逃し弁レバー21で構成されている。
【0019】
また、給水管2は、途中で複数の管に分岐または合流して貯湯タンク1の下部に接続されており、給水管2から分岐する配管には、給湯混合弁11に給水管2からの市水を供給する給湯側給水バイパス管10に連通する給水バイパス管、地震等の非常時に貯湯タンク1内の湯水をタンク外に排出可能な排水管23がある。
【0020】
また、この排水管23には非常用取水栓24が設けられている。非常用取水栓24は、操作に応じて開閉する取水栓本体部25と手動による開閉操作が可能なコック26で構成されている。
【0021】
次に、給湯動作の運転制御を担う制御装置29は、任意に決められた給湯設定流量とフローセンサ14で検出した検出値が等しくなるように流量調整弁16の弁開度と、任意に決められた給湯温度と給湯温度センサ15で検出した検出値が等しくなるように給湯混合弁11の弁開度との制御をしている。
【0022】
次に給湯動作について説明する。
給湯栓13が開かれると、貯湯タンク1の底部に給水管2から市水が流入すると共に貯湯タンク1の頂部から出湯管3を介して高温の湯が出湯し、給湯混合弁11で給湯側給水バイパス管10からの水と混合されて、給湯管12を通過する。そして、制御装置29は給湯温度センサ15が検出した検出値が給湯設定温度と一致するように給湯混合弁11の弁開度を制御して、給湯設定温度の給湯を行う。また、給湯流量を調整するとき、制御装置29はフローセンサ14で検出した検出値が任意の給湯設定流量と一致するように流量調整弁16の弁開度を制御して、給湯を行う。そして、給湯栓13が閉じられることによって、制御装置29は給湯混合弁11の弁開度の制御を停止して給湯停止する。
【0023】
次に貯湯タンク1内の水を加熱手段4を用いて沸き上げる沸き上げ動作について説明すると、貯湯タンク1内に必要な熱量が残っていないことを検出すると、制御装置29は沸き上げ運転開始を開始する。制御装置29は図示しない圧縮機や加熱循環ポンプ6の駆動を開始させ、加熱往き管5と加熱戻り管7で構成された加熱循環回路を介して貯湯タンク1下部から供給される冷水を水冷媒熱交換器(図示せず)にて高温に沸き上げ、貯湯タンク1上部に戻し、貯湯タンク1上部から順次積層して高温水を貯湯していく。そして、必要な熱量が貯湯タンク1内に貯湯されたことを検出すると、制御装置29は圧縮機や加熱循環ポンプ6の駆動を停止させ、沸き上げ運転を終了するものである。
【0024】
このとき、貯湯タンク1内の水が加熱されることにより圧力が高まり、所定の圧力を超えた場合、逃し弁20が過剰な圧力を外部に排出している。
【0025】
次に
図3及び
図4、
図5を用いてケースユニットの構成と連動機構の一例について説明する。
27は前パネル28を備えたケースユニットであり、前パネル28を含む前記貯湯タンク1の六面を各パネルで覆っている(前パネル28、後パネル、左右側面パネル、天板パネル、底板パネル)。この前パネル28には、逃し弁20の逃し弁レバー21と非常用取水栓24のコック26とが対向する位置に開口された開口部30と、開口部30を覆うと共に開閉操作可能な蓋31とを設けた。
【0026】
開口部30の大きさは、少なくともユーザーがコック26を開操作及び閉操作が可能な大きさの開口であり、ユーザーは蓋31を開いて、非常用取水栓24を操作する。
【0027】
32は蓋31に設けられた連動機構であるポケットであり、逃し弁レバー21の少なくとも一部を収納することができると共に、蓋31の開操作と逃し弁レバー21の開操作及び、蓋31の閉操作と逃し弁レバー21の閉操作とが連動されている。
【0028】
この連動機構について詳しく説明すると、
図6のように蓋31が閉まっている状態のとき、蓋31をユーザーが開くと、ポケット32の内側の面(貯湯タンク1側のポケット32の内側の面)で逃し弁レバー21を持ち上げて、
図7のように蓋31と連動して逃し弁20が開く。
【0029】
また、
図7のように蓋31が開いている状態のとき、蓋31をユーザーが閉めると、ポケット32の内側の面(蓋31の前パネル28側の面)で逃し弁レバー21を押し下げて、
図6のように蓋31と連動して逃し弁20が閉まる。
【0030】
次に、災害発生時に断水や停電になってしまったとき、連動機構を設けた場合の貯湯タンク1内の湯水を生活用水として取水する方法について説明する。
まず、災害発生時に断水や停電になってしまったとき、貯湯タンク1の湯水を取り出す場合、ユーザーは貯湯式給湯機の電源を切り、給水遮断弁19を閉にする。そして、ケースユニット27の蓋31を開く。
【0031】
このとき、ユーザーが蓋31を開くのと連動して逃し弁20の逃し弁レバー21が開かれる。このとき逃し弁20が開になることで貯湯タンク1内に空気が流入されるようになる。
【0032】
そして、ユーザーが非常用取水栓24のコック26を開くことで、逃し弁20から貯湯タンク1内に空気が流入すると共に、給水管2と排水管23を介して貯湯タンク1内の湯水を非常用取水栓24から湯水が排出され、取水することができる。
【0033】
そして、必要分の湯水を確保したら、ユーザーは非常用取水栓24のコック26を閉じ、蓋31を閉じると、蓋31の閉操作と連動して逃し弁レバー21が閉じられる。
【0034】
このように、蓋31と逃し弁レバー21とが連動する連動機構を設けたことで、蓋31の開操作と逃し弁レバー21の開操作、及び、蓋31の閉操作と逃し弁レバー21の閉操作とを連動させることができる。
【0035】
したがって、貯湯タンク1内の湯水を生活用水として確保する場合、開口部30内の逃し弁20と非常用取水栓24の操作のうち、蓋31を開くと蓋31の開操作に連動して逃し弁レバー21が開かれるため、ユーザーは迷うことなく非常用取水栓24を開くことができ、操作性にすぐれた生活用水の取水方法を提供することができると共に、操作手順の間違えによる貯湯タンクの破損を防止することができる。
【0036】
次に、連動機構の別実施例について
図8を用いて説明する。
33は蓋31と逃し弁レバー21を取り外し可能に接続された連動機構である連結部材であり、連結部材33は蓋31の開操作と逃し弁レバー21の開操作及び、蓋31の閉操作と逃し弁レバー21の閉操作とを連動されている。
【0037】
この連結部材33は、一方を蓋31に接続され、他方を逃し弁レバー21に接続されていると共に、柔らかい素材でできており、少なくとも蓋31の開操作及び閉操作でも連結部材33が外れないもので構成されている。ここでは紐状のもので蓋31と逃し弁レバー21を接続している。
【0038】
この連結部材33は、ゴムや塩化ビニール等の幅広のシート状のものでもよく、蓋31の開操作と逃し弁レバー21の開操作及び、蓋31の閉操作と逃し弁レバー21の閉操作とを連動させていれば良い。
【0039】
このように、蓋31と逃し弁レバー21とを連結部材33で接続した連動機構を設けたことで、蓋31の開操作と逃し弁レバー21の開操作及び、蓋31の閉操作と逃し弁レバー21の閉操作とを連動させることができる。
【0040】
次に阻害機構について
図9、
図10、
図11を用いて一例を説明する。
ケースユニット27の前パネル28には、逃し弁レバー21と非常用取水栓24とが対向する位置に開口部30を設け、逃し弁レバー21と弁本体部22の間にコック26が配置され、逃し弁レバー21が下にさげられて閉の場合、コック26の開く操作を逃し弁レバー21が阻害する阻害機構を設けた。
【0041】
この阻害機構について詳しく説明すると、
図9のように逃し弁レバー21が閉まっている場合、コック26の開操作が阻害されるため、コック26を開くのより先に逃し弁レバー21を開かなければならないとユーザーを誘導させている。
【0042】
また、逃し弁レバー21が下にさがっていると、逃し弁レバー21でコック26の一部が視覚的に阻害され、先に逃し弁レバー21を上にあげるようにユーザーを誘導することができる。
【0043】
また、コック26が開いている場合、逃し弁レバー21を閉じようとすると、コック26に逃し弁レバー21の閉操作が阻害されてしまうため、逃し弁レバー21を閉じるのより先にコック26を閉じなければならない。
【0044】
このように、貯湯タンク1内の湯水を生活用水として取水する操作順序をユーザーが間違いやすい逃し弁レバー21とコック26の操作のうち先に操作しないと次の操作が行えないように阻害する阻害機構を設けたことで、操作性にすぐれた生活用水の取水方法を提供することができると共に、先に逃し弁レバー21を開くことを誘導させることで、操作手順の間違えによる貯湯タンクの破損を防止することができる。
【0045】
また、阻害機構の別実施例について
図12を用いて説明する。
非常用取水栓24は逃し弁20よりも貯湯タンク1側に配置されており、少なくともコック26の一部と逃し弁レバー21とが視覚的に重なるように配置され、逃し弁レバー21はコック26を開くのを阻害する阻害機構を設けた。
【0046】
このように、逃し弁レバー21が閉のときコック26は開くことが阻害されると共に視認性が阻害されているので、蓋31を開いた後、先に逃し弁レバー21を開くように誘導することができる。
【0047】
このように、貯湯タンク1内の湯水を生活用水として取水するときのユーザーが間違いやすい逃し弁レバー21とコック26の操作順序のうち先に操作しないと次の操作が行えないように阻害する阻害機構を設けたことで、操作性にすぐれた生活用水の取水方法を提供することができると共に、先に逃し弁レバー21を開くことを誘導させることで、操作手順の間違えによる貯湯タンクの破損を防止することができる。
【0048】
なお、本発明は実施例に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で改変することを妨げるものではなく、例えば、本発明では、逃し弁20は一つしか設けていないが、出湯管3の途中から分岐した逃し弁20と、加熱往き管5に逃し弁20との複数の逃し弁20を設けても良い。
【0049】
また、非常用取水栓24は、給水管2の途中から分岐して設けているが、加熱往き管5の途中から分岐して設けても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 貯湯タンク
2 給水管
3 出湯管
20 逃し弁
21 逃し弁レバー
22 弁本体部
23 排水管
24 非常用取水栓
25 取水栓本体部
26 コック
27 ケースユニット
28 前パネル
30 開口部
31 蓋
32 ポケット
33 連結部材