(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006368
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】喫煙補助具
(51)【国際特許分類】
A24F 40/48 20200101AFI20230111BHJP
【FI】
A24F40/48
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108933
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】721000099
【氏名又は名称】末重 智久
(72)【発明者】
【氏名】末重 智久
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC34
4B162AC42
4B162AC44
(57)【要約】
【課題】 本発明は、たばこを吸い込む力を補助することによって歯茎へのダメージを低減することを目的としている。
【解決手段】
加熱式たばこを吸引する側の反対側端面から吸引する側に向かって空気を送り出す送風装置と送風装置の稼働と停止を切り替える切り替え装置とを備え、送風装置によって送り出される空気と共に送り出される煙を吸うことを特徴としている。また、紙巻きたばこ或いは加熱式たばこの吸引側に筒を装着し、この筒の空気を吸い込む吸い込み装置によってたばこから吸い出される煙を吸うように構成することもできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱式たばこを吸引する側の反対側端面から吸引する側に向かって空気を送り出す送風装置と前記送風装置の稼働と停止を切り替える切り替え装置とを備え、加熱式たばこの吸引を補助することを特徴とする喫煙補助具。
【請求項2】
前記送風装置と前記切り替え装置とを収納する収納ケースを備え、前記収納ケースを加熱式たばこ喫煙具に直脱可能に固定することを特徴とする喫煙補助具。
【請求項3】
前記送風装置と前記切り替え装置とを加熱式たばこ喫煙具の内部に固定したことを特徴とする喫煙補助具。
【請求項4】
紙巻きたばこ或いは加熱式たばこの吸引側に装着する円筒と前記円筒内の空気を吸い込む吸い込み装置と前記吸い込み装置の稼働と停止を切り替える切り替え装置と前記吸い込み装置と前記切り替え装置を収納し、前記円筒に固定する収納ケースとを備えたことを特徴とする喫煙補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、先端に火をつけてその反対側から煙を吸う紙巻きたばこや火をつけずにたばこ全体を加熱することによって発生する蒸気を吸う加熱式たばこで使用する喫煙補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
喫煙は周囲の人々に悪影響を与えるため様々な工夫が提案されてきた。例えば、特許文献1や特許文献2では、ケースに設置されたたばこを吸うことでケース内に貯められた煙をフィルタを介して外部へ排出する装置が提案されている。フィルタを介することで周りへの影響を低減するように工夫されている。特許文献3では、火をつけたたばこから煙をポンプで吸い込んで容器に貯め、その容器だけを持ち出して容器内の煙を周囲に影響を与えない場所で吸う喫煙具の提案がなされている。
【0003】
これらは周囲への影響を考慮した提案であるが、本人への影響についても低減する提案がなされている。例えば、特許文献4のように高温の煙を吸うことで口の中を火傷することを防ぐために温度低減機能を設けたフィルタが考案されている。また、有害物質による人体への影響の低減についてはここに記述するまでもなく、フィルタ等多くの提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-321149号公報
【特許文献2】特開平11-346749号公報
【特許文献3】特許第3969668号公報
【特許文献4】特表2020-532303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
紙巻きたばこ、加熱式たばこに関わらず、たばこが人体へ与える影響については前述した有害物質や高温の煙以外に吸い込む行為自体による歯や歯茎への影響がある。たばこに含まれる有害物質が歯や歯茎を蝕み、吸引という行為が弱った歯茎にさらにダメージを与えていく。毎日何本ものたばこを吸うということは、一日に数百回、年に数万回も吸うという行為を繰り返すということであり、歯茎からの出血等少しずつダメージを与えていく。たばこはある程度強い力で吸い込む必要があるため、有害物質によって蝕まれた歯茎に追い打ちをかけるようにダメージを与えていく。
【0006】
本発明は、たばこを吸い込む力を補助することによって歯茎へのダメージを低減することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、加熱式たばこを吸引する側の反対側端面から吸引する側に向かって空気を送り出す送風装置と送風装置の稼働と停止を切り替える切り替え装置とを備え、喫煙時には送風装置を稼働させ、空気と共に送り出される煙を吸うことを特徴としている。送風装置と切り替え装置は、加熱式たばこ喫煙具に直脱可能に固定してもよいし、加熱式たばこ喫煙具の内部に装着してもよい。
【0008】
また、紙巻きたばこ或いは加熱式たばこの吸引側に筒を装着し、この筒の空気を吸い込むための吸い込み装置と吸い込み装置の稼働と停止を切り替える切り替え装置とを備え、喫煙時には吸い込み装置を稼働させ、空気を吸い込むことによってたばこから吸い出される煙を吸うように構成することもできる。
【発明の効果】
【0009】
前述した特許文献1や特許文献2では人が吸うことによってたばこから出た煙をファンの力で外部へ送り出すように構成されているが、人が吸わずに送風装置の力でたばこから煙を押し出し、その煙を味わうという発想はなかった。また、特許文献3では火を点けた紙巻きたばこからポンプの力で煙を吸い出し、その煙を一旦容器に保管する構成となっているが、本発明の喫煙補助具のように吸い込み装置で吸い出して、直接その煙を吸うという発想はなかった。
【0010】
本発明の喫煙補助具は送風装置で煙を押し出したり吸い込み装置で煙を吸い出したりするため、弱い力或いはほとんど吸わなくてもたばこの煙を味わうことが出来る。これにより、歯茎に与えるダメージが低減される。
【0011】
加熱式たばこの場合、たばこ全体が熱せられるため高温の煙をすうことになり、喉が炎症を起こすことがある。本発明の喫煙補助具では送風装置で送り出す空気は外部から取り込まれるため押し出される煙はその空気によって温度が下げられる。これによって喉に対するダメージも低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は本発明の喫煙補助具を既存の加熱式たばこに固定した際の縦断面図である。(実施例1)
【
図2】
図2は本発明の喫煙補助具の外観図である。(実施例1)
【
図3】
図3は
図1に煙集約筒を取り付けた際の縦断面図である。
【
図4】
図4は本発明の喫煙補助具の構成要素を既存の加熱式たばこに内蔵した際の縦断面図である。(実施例2)
【
図5】
図5は紙巻きたばこ用の本発明の喫煙補助具の縦断面図である。(実施例3)
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の形態を以下の実施例で説明する。
【実施例0014】
図1は、本発明の喫煙補助具1を既存の加熱式たばこ喫煙具2に固定した際の縦断面図である。喫煙補助具1は既存の加熱式たばこ喫煙具2の底面に固定して使用する。この固定はどのような方法でもよく、実施例1では嵌合によって喫煙補助具1が安定して加熱式たばこ喫煙具2に着脱可能に固定されている。
【0015】
喫煙補助具1は、空気を送り出す送風装置3と送風装置3の稼働と停止を切り替える切り替え装置4とを備え、収納ケース5に固定されている。送風装置3は例えばブロア6と電源7で構成され、ブロア6の吹き出し口8から空気を送り出す。切り替え装置4は電源7をON/OFFするスイッチでよい。収納ケース5は嵌合部9を備え、嵌合部9に加熱式たばこ喫煙具2の底部をはめ込むことによって着脱可能に固定されている。ブロア6の吹き出し口8は、加熱式たばこ喫煙具2のたばこ装着部10の空気穴11に密着するように収納ケース5に固定されている。
図2は、本発明の喫煙補助具1の外観図である。収納ケース5にはブロア6が外部から空気を取り込むための空気取り込み口12を設けている。
【0016】
加熱式たばこ喫煙具2に嵌合された喫煙補助具1は次のように使用することが出来る。最初に加熱式たばこ喫煙具2に加熱式たばこ13を装着し吸える状態に稼働させる。たばこが吸える温度まで達した後、切り替え装置4でブロア6を稼働させ、吹き出し口8からたばこ装着部10に向かって空気を送り込む。この空気によってたばこ装着部10で発生した煙が押し出され、喫煙者はこの煙を吸うことが出来る。
【0017】
上記のように押し出された煙は、加熱式たばこ喫煙具2のたばこ装着部10と加熱式たばこ13の隙間から漏れ出してくることがある。これを防ぐために、
図3に示した煙集約筒14を加熱式たばこ13に被せて喫煙することによって、漏れ出した煙を煙集約筒14に取り込んで吸うことが出来る。煙集約筒14は、円筒状のプラスティック等でよいが、熱伝導率の高い金属、例えば銅やアルミまたはその合金を材料として構成すれば、煙の温度を短時間で下げることが出来るため、高温の煙でやけどをするリスクをさらに低減することができる。
使用方法は実施例1と同様であり、まず加熱式たばこ喫煙具2に加熱式たばこ13を装着し吸える状態に稼働させる。次に、加熱式たばこが吸える温度まで達したことを確認後、切り替え装置4でブロア6を稼働させ、吹き出し口8からたばこ装着部10に向かって空気を送り込む。この空気によってたばこ装着部10で発生した煙が押し出され、喫煙者はこの煙を吸うことが出来る。