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特開2023-63704速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063704
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G09B 17/02 20060101AFI20230428BHJP
   G09B 7/02 20060101ALI20230428BHJP
   G09B 5/02 20060101ALI20230428BHJP
   G06F 3/0481 20220101ALI20230428BHJP
【FI】
G09B17/02
G09B7/02
G09B5/02
G06F3/0481
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173676
(22)【出願日】2021-10-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-07-22
(71)【出願人】
【識別番号】518298991
【氏名又は名称】ACラーニング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135781
【弁理士】
【氏名又は名称】西原 広徳
(74)【代理人】
【識別番号】100217227
【弁理士】
【氏名又は名称】野呂 亮仁
(72)【発明者】
【氏名】角田 和将
【テーマコード(参考)】
2C028
5E555
【Fターム(参考)】
2C028AA04
2C028BA00
2C028BB01
2C028BC01
5E555AA04
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA82
5E555BB02
5E555BB04
5E555BC04
5E555CC22
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】速読学習の効率を高めることができる。
【解決手段】使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部14と、使用者から入力を受け付ける入力部13と、これらを制御する制御部10とを備え、制御部10は、入力部13から表示時間の設定入力を受け付け、速読対象を表示部14に表示させ、速読対象を表示部14に表示させてから所定の表示時間の経過後に、速読対象を非表示にして別の画面とし、別の画面として速読対象に関連する質問に対する解答の入力を求める解答要求画面を表示し、入力部13から解答の入力を受け付ける各ステップを有する速読学習プログラム113を実行する速読学習支援装置1とした。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部と、前記使用者から入力を受け付ける入力部と、これらを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部から表示時間の設定入力を受け付ける表示時間設定手段と、
前記速読対象を前記表示部に表示させる速読対象表示手段と、
前記速読対象を前記表示部に表示させてから前記表示時間の経過後に、当該速読対象を非表示にして別の画面とする速読対象表示切替手段と、
前記別の画面として前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を求める解答要求画面を表示する解答要求画面表示手段と、
前記入力部から前記解答の入力を受け付ける解答受付手段とを備えた
速読学習支援装置。
【請求項2】
前記制御部は、
文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される注視画像を前記表示部における1か所に表示する注視画像表示モードを実行する注視画像表示モード実行手段を備え、
前記注視画像表示モードを実行する前記制御部は、
前記注視画像の表示位置を前記表示部上で変更させ、変更前の位置から変更後の位置までの方向を示す軌跡か、さらに次の変更先の表示位置までの軌道を前記変更後の前記注視画像とともに表示する
請求項1記載の速読学習支援装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記表示部に文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される視野拡大画像と、当該視野拡大画像と相似の形状で、かつ当該視野拡大画像より大きい複数の拡大相似画像とを表示する視野拡大画像表示モードを実行する視野拡大画像表示モード実行手段と、
前記拡大相似画像の表示間隔時間の設定入力を受け付ける表示間隔時間設定手段とを備え、
前記視野拡大画像表示モードを実行する前記制御部は、
前記表示間隔時間ごとに、複数の前記拡大相似画像を、中心点を一致させて小さいものから順に1つずつ表示させる、
請求項1または2記載の速読学習支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記速読対象として英単語を前記表示部に表示させる英単語表示画面と、前記速読対象として前記英単語の和訳を前記表示部に表示させる英単語和訳表示画面と、前記速読対象として前記英単語または前記英単語の和訳を連想させるイメージ画像を前記表示部に表示させる英単語イメージ画像表示画面とを切り替えて表示させる英単語速読学習モードを実行する英単語速読学習モード実行手段と、
前記イメージ画像、前記英単語、および前記英単語の和訳を表示させる英単語速読表示時間の設定入力を受け付ける英単語速読表示時間受付手段とを備え、
前記英単語速読モードを実行する前記制御部は、
前記英単語表示画面と、前記英単語和訳表示画面と、前記英単語イメージ画像表示画面とを、それぞれ前記英単語速読表示時間ずつ表示し、順に切り替える
請求項1,2、または3記載の速読学習支援装置。
【請求項5】
使用者に対して速読学習用の速読対象を表示部によって表示し、前記使用者から入力を入力部によって受け付け、これらを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記入力部から表示時間の設定入力を表示時間設定手段によって受け付け、
前記速読対象を速読対象表示手段によって前記表示部に表示させ、
前記表示時間の経過後に速読対象表示切替手段によって前記速読対象を非表示にし、
前記入力部から前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を解答受付手段によって受け付ける
速読学習支援方法。
【請求項6】
使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部と、前記使用者から入力を受け付ける入力部と、これらを制御する制御部とを備えるコンピュータにおいて、
前記制御部を、
前記入力部から表示時間の設定入力を受け付ける表示時間設定手段と、
前記速読対象を前記表示部に表示させる速読対象表示手段と、
前記表示時間の経過後に前記速読対象を非表示にする速読対象表示切替手段と、
前記入力部から前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を受け付ける解答受付手段として機能させる
速読学習支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、コンピュータを利用して速読学習の効率を高めるような、速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、速読学習を支援する情報処理装置として、文章を構成する1以上の部分テキストを画面上にセンタリングして、順次出力(表示)する情報処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、単に速読対象となる短いテキストのみを順次表示し、使用者に認識、記憶させる速読学習方法でしかなく、より良く速読学習の効果を高める方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-293788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上述の問題に鑑みて、速読学習の効率を高めることができる、速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部と、前記使用者から入力を受け付ける入力部と、これらを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力部から表示時間の設定入力を受け付ける表示時間設定手段と、前記速読対象を前記表示部に表示させる速読対象表示手段と、前記速読対象を前記表示部に表示させてから前記表示時間の経過後に、当該速読対象を非表示にして別の画面とする速読対象表示切替手段と、前記別の画面として前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を求める解答要求画面を表示する解答要求画面表示手段と、前記入力部から前記解答の入力を受け付ける解答受付手段とを備えた速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明により、速読学習の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の速読学習支援端末の構成の例を示す構成図。
図2】速読学習支援端末の記憶部に記憶されるデータの例を示す説明図。
図3】メニュー画面の画面構成の例を示す説明図。
図4】眼筋トレーニング設定画面の画面構成の例を示す説明図。
図5A】眼筋トレーニング画面の注視画像移動前の画面構成の例を示す説明図。
図5B】眼筋トレーニング画面の注視画像移動後の画面構成の例を示す説明図。
図6】眼筋トレーニング画面の画面構成の他の例を示す説明図。
図7】速読学習支援端末の制御部が実行する眼筋トレーニングプログラムのフロー図。
図8】視野拡大トレーニング画面の画面構成の例を示す説明図。
図9】速読学習支援端末の制御部が実行する視野拡大トレーニングプログラムのフロー図。
図10】クイズトレーニング設定画面の画面構成の例を示す説明図。
図11A】文章問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11B】文章問題における解答入力受付画面の画面構成の例を示す説明図。
図11C】ドッツ問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11D】ドッツ問題における解答入力受付画面の画面構成の例を示す説明図。
図11E】同系問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11F】同系問題における解答入力受付画面の画面構成の例を示す説明図。
図11G】見つけてみよう問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11H】見つけてみよう問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図。
図12】速読学習支援端末の制御部が実行する速読学習プログラムのフロー図。
図13】学習データ記録表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図14】英語速読学習設定画面の画面構成の例を示す説明図。
図15A】英単語イメージ画像表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図15B】速読英単語表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図15C】英単語和訳表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図16】速読学習支援端末の制御部が実行する英語速読学習プログラムのフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
<システム構成>
【0010】
図1は、速読学習支援端末(速読学習支援装置)1の構成の一例を示すブロック図である。速読学習支援端末1は、速読対象を使用者に認識させる速読学習を行うための速読学習機能を有する電子機器(コンピュータ)である。速読学習支援端末1は、少なくとも表示装置および入力装置を備えるコンピュータであり、デスクトップPC、タブレットPC、スマートフォン、フィーチャーフォンおよび携帯型ゲーム機等などの汎用のコンピュータ(端末)で構成される。速読対象は、1以上の文章、文字、数字、記号、イメージ画像またはこれらの組み合わせで構成される。
【0011】
図1に示すように、速読学習支援端末1は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部10と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部11と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット6に接続されてデータの送受信を行う通信部12と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部13と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部14とを備えている。記憶部11、通信部12、入力部13、および表示部14のそれぞれは、通信線(バス)を介して制御部10に接続される。
【0012】
制御部10は、演算部を含み、速読学習支援端末1における各種演算および制御動作を実行する。演算部は、CPUまたはMPUなどを含む演算処理部である。制御部10は、RAM(DRAM)およびROMなどを有する。RAMは、演算部のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。ROMは、速読学習支援端末1の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値等を記憶する。
【0013】
記憶部11には、制御部10が表示部14にメニュー画面を表示させるために実行するメニュープログラム110と、制御部10が眼筋トレーニングモードを実行するための眼筋トレーニングプログラム111と、制御部10が視野拡大トレーニングモードを実行するための視野拡大トレーニングプログラム112と、制御部10が速読学習モードを実行するための速読学習プログラム113と、制御部10が英語速読学習モードを実行するための英語速読学習プログラム114と、速読学習用の各アプリケーションを実行するための学習用データを格納する学習用データデータベース115を含む、速読学習支援端末1で利用される各種プログラムおよび各種データが記憶(登録)されている。
【0014】
通信部12は、インターネットのような公衆回線(公衆ネットワーク)に接続するための通信回路を有する。通信回路は、有線通信回路または無線通信回路であり、演算部からの指示に従って、公衆回線を介して、他の電子機器(外部コンピュータ)と相互に通信可能に接続される。
【0015】
入力部13は、速読学習支援端末1の利用者の操作入力を受け付ける入力部品と、入力部品と演算部との間に介在する入力検出回路を有する。入力部品は、たとえばタッチパネル(タッチ入力手段)または/およびハードウェアの操作ボタンないし操作キーである。また、入力部品は、ポインタ入力手段としてのコンピュータマウス等を含むこともある。タッチパネルとしては、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。入力検出回路は、各入力部品の操作(操作入力)に応じた操作信号ないし操作データを演算部に出力する。
【0016】
表示部14は、ディスプレイ、およびディスプレイと演算部との間に介在する表示制御回路を有する。ディスプレイとしては、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)または有機ELディスプレイなどを用いることができる。表示制御回路は、GPUおよびVRAMなどを有する。演算部の指示の下、GPUは、RAMに記憶された画像生成用のデータを用いてディスプレイに種々の画面(後述する登録画面100等)を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイに出力する。
【0017】
入力部13がタッチパネルを有する場合には、タッチパネルは、表示部14のディスプレイの表示面上に重なるように設けられる。この場合、タッチパネルは、表示部14のディスプレイと協働して、タッチパネル付きディスプレイ(タッチパネルディスプレイ)を構成する。また、表示部14のディスプレイには、ソフトウェアキー(操作キー)を含むGUI(Graphical User Interface:グラフィカルユーザインタフェース)が表示される。この場合、GUI(操作画面)を介して操作入力を受け付けることができる。なお、ソフトウェアキーとは、たとえば表示部14のディスプレイの表示面にソフトウェア的に再現されたキーまたはアイコン(操作アイコン)のことをいう。以下、ソフトウェアキーのことを「アイコン」という。
<データ構成>
【0018】
図2は、速読学習支援端末1の記憶部11に格納される学習用データデータベース115に含まれる学習用データの一例を示す説明図である。図2に示すように、学習用データデータベースは、速読学習データ1151と、眼筋トレーニングデータ1152と、視野拡大トレーニングデータ1153と、英語速読学習データ1154と、学習記録データ1155と、ユーザデータ1156を有する。
【0019】
速読学習データ1151は、速読対象に関連する速読対象データと、速読対象に関連する質問の質問データと、質問に対する解答の解答データと、問題種類を示す問題種類データを有する。また、速読学習データ1151は、速読学習での表示時間などを設定する表示設定データも有している。
【0020】
速読対象データは、例えば速読対象の名前を示す速読対象名データや、速読対象のテキストデータまたはイメージ画像データである速読表示データや、速読対象の文字数を示す速読対象文字数データを有する。
速読対象名データは、例えば速読対象が物語であった場合にはその物語名とでき、速読対象が問題文であった場合にはその問題名とできる。
【0021】
速読表示データは、速読対象として表示されるデータであり、小説や物語の文章、問題文章、複数行および複数列に配置された複数の丸(図形)、無作為な数字、文字、記号の羅列、複数行および複数列に配置された複数の数字、写真や絵画といったイメージ画像、これらの中から複数を組み合わせた複合データなど、適宜のデータとすることができる。この速読表示データは、数学の数式や問題文が含まれていてもよい。また、速読対象を読ませて(認識させて)その意味や配置を把握できているか確認するための質問をして回答を求める場合には、速読表示データにその質問文そのものを含めておいて、回答を求める際に回答の選択肢のみ表示する形式としてもよい。
【0022】
質問データは、表示した速読表示データの内容に対して読解できているか確認するための質問文を有している。質問データは、例えば、テキストデータの形式である。
解答データは、質問データでの質問文に対する解答の情報を有している。解答データは、例えば、複数の解答用の選択肢を有している。
問題種類データは、問題の種類を示しており、例えば、文章問題、ドッツ、同系問題、見つけてみようといった問題の種類の情報を有している。
【0023】
表示設定データは、速読対象表示時間データと速読対象表示速度データを有する。速読対象表示時間データは、例えば、0.1秒、0.2秒といった速読対象が表示されてから非表示となるまでの時間データである。速読対象表示速度データには、「最速」や「高速」といったデータ名が設定されている。
【0024】
眼筋トレーニングデータ1152は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成された注視画像の注視画像データと、注視画像を表示部14上に表示させる位置を示す注視画像表示位置データと、注視画像の表示速度を示す注視画像表示速度データを有する。注視画像表示位置データは、例えば表示部14の画面上における座標データである。
【0025】
視野拡大トレーニングデータ1153は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成された視野拡大画像の視野拡大画像データと、視野拡大画像と相似の形状で、かつ視野拡大画像より大きい拡大相似画像の拡大相似画像データと、拡大相似画像の表示間隔を示す拡大相似画像表示間隔データとを有する。拡大相似画像データは、視野拡大画像よりも大きく、かつそれぞれの大きさが異なる複数の拡大相似画像を有する。
【0026】
英語速読学習データ1154は、速読対象として表示される英単語テキストデータと、英単語の和訳の英単語和訳テキストデータと、英単語をイメージする英単語イメージ画像データと、速読対象となる英単語のイメージ画像、英単語、および英単語の和訳のそれぞれにおける表示時間(表示の切り替え速度)を示す英語速読表示設定データを有する。また、英単語テキストデータと、英単語和訳テキストデータと、英単語イメージ画像データとは、それぞれ対応するデータが関連付けられて記憶されている。例えば、英単語テキストデータとして「apple」のテキストデータが記憶されている場合、英単語和訳テキストデータとして「りんご」のテキストデータが、英単語イメージ画像データとして「りんごの画像」の画像データが記憶され、それぞれのデータがお互いに関連付けられて記憶されている。また、各英単語には「名詞」、「動詞」、「形容詞」、「接続詞」、「前置詞」、および「副詞」の内いずれか1つがタグ付けされている。また、タグごとの各単語には、番号情報が付与されている。また、英語速読表示設定データは、英単語速読対象表示時間データと英単語速読対象表示速度データを有する。英単語速読対象表示時間データは、例えば、0.1秒、0.2秒といった速読対象が表示されてから非表示となるまでの時間データである。英単語速読対象表示速度データには、「最速」や「高速」といったデータ名が設定されている。
【0027】
学習記録データ1155は、制御部10によって実行された速読学習プログラムにおいて、使用した速読学習データ、速読対象の表示時間設定、得られた解答時間データ、正答率データ、速読学習データに含まれる速読対象の速読対象文字数データ、および解答時間データから算出された速読量データといった速読学習履歴データを有する。
【0028】
ユーザデータ1156は、ユーザ毎に設定されたユーザIDデータや、ログインの認証に必要なパスワードデータを有する。また、パスワードデータと速読学習履歴データは、ユーザIDデータに関連付けられて記憶される。
<制御部による各プログラムの実行処理>
【0029】
図3は、メニュー画面201の画面構成の例を示す説明図である。
制御部10は、例えば入力部13からの入力によってメニュープログラム110を実行する。このとき、制御部10は、速読学習支援端末1を使用している使用者に対して、例えば表示部14にログイン画面を表示し、ユーザIDおよびユーザIDに対応したパスワードの入力を要求し、ログイン処理を実行する。制御部10は、入力されたユーザIDに関連付けられた速読学習履歴データを抽出する。
【0030】
制御部10は、ログイン処理の実行後にメニュー画面(トップ画面)201を表示部14に表示させる。メニュー画面201は、全画面表示アイコン202と、サウンド切替アイコン203と、ログアウトアイコン204と、学習履歴表示部205と、眼筋トレーニング実行アイコン206と、視野拡大トレーニング実行アイコン207と、認識力トレーニング実行アイコン208と、ペースダウントレーニング実行アイコン209と、ペーストレーニング実行アイコン210と、クイズトレーニング実行アイコン211と、学習データ記録入力アイコン212と、英語速読学習実行アイコン213を有している。
【0031】
制御部10は、全画面表示アイコン202が選択されると、メニュー画面201をメニュー画面201の上部にある戻るアイコン、進むアイコン、再読込アイコン、最小化アイコン、最大化アイコン、閉じるアイコン、およびURL入力部といった共通のインターフェースを表示させず、メニュープログラム110の実行によって表示されている各構成要素のみが表示部14に表示される全画面表示状態とする。なお、全画面表示の状態では、例えば全画面表示アイコン202を通常画面表示アイコンとし、選択されると制御部10が各共通のインターフェースを表示部14に表示させてメニュー画面201を通常画面表示状態とする。
【0032】
制御部10は、サウンド切替アイコン203が選択されると、各プログラム(各トレーニング)の実行におけるサウンド出力の有無を切り替える(各プログラムの実行における音声出力の詳細については後述する)。
【0033】
制御部10は、ログアウトアイコンが選択されると、表示部14にログイン画面を再び表示させ、ログインに必要なユーザIDおよびユーザIDに対応したパスワードの入力を再び要求する。
【0034】
学習履歴表示部205には、速読学習履歴データの内容が表示される。例えば、前回のログイン時に速読トレーニングで使用した速読対象名、速読対象の表示時間(画面の切替速度)、速読対象の表示形式、得られた解答時間データ、正答率データ、トレーニング前後の速読量変化等が表示される。速読対象名は、例えば速読対象が物語であればその物語の題名である。トレーニング前後の速読量変化の表示内容は、例えばトレーニング後の速読量が得られた解答時間データから算出され、トレーニング前の速読量はさらに前回(前々回)のログイン時におけるトレーニング後の速読量から抽出される。
【0035】
以下、制御部10が眼筋トレーニング実行アイコン206、視野拡大トレーニング実行アイコン207、認識力トレーニング実行アイコン208、ペースダウントレーニング実行アイコン209、ペーストレーニング実行アイコン210、クイズトレーニング実行アイコン211、学習データ記録入力アイコン212、および英語速読学習実行アイコン213のいずれかの選択を受け付けることによって実行する各プログラムおよび実行するモードを説明する。
<眼筋トレーニングモード(注視画像表示モード)>
【0036】
図4は、眼筋トレーニング設定画面の画面構成の例を示す説明図であり、図5Aは、眼筋トレーニング画面の注視画像移動前の画面構成の例を示す説明図であり、図5Bは、眼筋トレーニング画面の注視画像移動後の画面構成の例を示す説明図であり、図6は、眼筋トレーニング画面の画面構成の他の例を示す説明図である。眼筋トレーニングモード(注視画像表示モード)は、速読学習支援端末1の使用者に対して注視させる注視画像を表示部14上の1か所に表示させ、表示部14上で注視画像の表示位置を一瞬で変更するか、一定の速度で移動させるトレーニングモードである。
【0037】
眼筋トレーニング設定画面301は、トップ画面表示アイコン302と、眼筋トレーニング内容表示部303と、注視画像軌道選択部304と、注視画像移動速度選択部305と、眼筋トレーニング開始アイコン306を有している。
【0038】
トップ画面表示アイコン302は、選択されると、制御部30が眼筋トレーニングモードを終了してメニュー画面201を表示させる。眼筋トレーニング内容表示部303は、注視画像軌道選択部304で選択された注視画像軌道を表示する。注視画像軌道選択部304では、眼筋トレーニングモードにおいて注視画像(後述)の移動する軌道の選択を受け付ける。また、注視画像移動速度選択部305では、眼筋トレーニングにおいて注視画像の移動する移動速度の選択を受け付ける。眼筋トレーニング開始アイコン306は、選択されると、制御部30が眼筋トレーニング画面を表示させる。
【0039】
注視画像軌道選択部304では、注視画像312の移動経路(軌道)の設定(注視画像軌道設定)を受け付ける。本実施例では、選択肢として「縦」、「横」、「縦対角」、「横対角」、「円運動」、「オートトレーニング」の6つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つをデフォルトの設定として、何も選択されない場合はデフォルトの設定を選択されたものとすることができる。
【0040】
注視画像移動速度選択部305では、注視画像312が移動する速度、または注視画像312が表示部14上のある位置に表示されてから次の異なる位置に表示されるまでの時間(表示速度、切替速度)の設定(注視画像速度設定)を受け付ける。本実施例では、選択肢として「低速」、「中速」、「高速」の3つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つをデフォルトの設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。
【0041】
眼筋トレーニング画面310は、戻るアイコン311と、注視画像312と、注視画像軌道313と、眼筋トレーニング領域314を有している。
戻るアイコン311は、選択されると、制御部30が眼筋トレーニング設定画面301を表示させる。
【0042】
眼筋トレーニング領域314は、表示部14上に設定される領域である。眼筋トレーニング領域314は、上端部が眼筋トレーニング画面310における中央より上側に位置し、下端部が眼筋トレーニング画面310における中央より下側に位置し、両側端部がそれぞれ眼筋トレーニング画面310における中央より左右側に位置し、表示部14上において50%以上の面積を有する。本実施例における眼筋トレーニング領域314は、上辺、下辺、および両側辺を有する長方形の領域である。
【0043】
注視画像312は、眼筋トレーニング領域314内の1か所に表示され、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される。本実施例では真円形状の黒丸を注視画像312としたが、注視画像312の形態および形状はこれに限定されず、例えば文字または数字とすることもでき、四角形状や星型形状とすることもできる。また、注視画像312は、複数の文字、数字、記号、および図形を組み合わせて構成することもできる。
【0044】
注視画像軌道313は、眼筋トレーニング領域314内に表示され、その軌道上か一端に注視画像312が表示される。注視画像軌道313は、注視画像312の移動先の軌道(移動の方向)および移動後の軌跡を示す。すなわち、注視画像312は、眼筋トレーニング領域314内において注視画像軌道313上を移動するか、注視画像軌道313の一端から他端に瞬時に移動する(表示位置が変更される)。本実施例では注視画像軌道313は、一定の太さの線としたが、これに限定されず、例えば、移動後の軌跡を注視画像312の形状で残影のように薄く表示したり、移動予定の軌道を注視画像312の形状の破線で表示したりしてもよい。
【0045】
注視画像軌道313は、少なくとも眼筋トレーニング領域314の対向する端部付近にかかる。すなわち、注視画像312は、少なくとも眼筋トレーニング領域314の対向する端部付近を始点および終点とするか、通過するように移動する。
【0046】
また、注視画像軌道313は、直線でなく特定の図形を描くように形成されていてもよい。また、注視画像312は、常に表示されている必要はなく、あらかじめ設定された内容に応じて移動中に一瞬だけ点滅するように表示されない時間があってよい。図6は、注視画像軌道選択部304で、「円運動」が選択されたときの眼筋トレーニング画面310であって、注視画像312は、「∞」に類似した形状を描くように移動し、略半円を描くごとに移動しながら2度点滅する軌道を描くことで注視画像軌道313を形成している。
【0047】
図7は、速読学習支援端末1の制御部10が実行する眼筋トレーニングプログラム111のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上の眼筋トレーニング実行アイコン206が選択されると、眼筋トレーニングモードに移行し、眼筋トレーニングプログラム111を実行し、表示部14に眼筋トレーニング設定画面301を表示し、注視画像軌道設定および注視画像速度設定の設定入力を受け付ける眼筋トレーニング設定受付ステップを実行する(ステップS1)。
【0048】
制御部10は、眼筋トレーニング設定画面301の眼筋トレーニング開始アイコン306が選択されると、眼筋トレーニング画面310を表示部14に表示させ、眼筋トレーニング設定受付ステップで受け付けた注視画像軌道設定に対応した注視画像表示位置データと、注視画像速度設定に対応した注視画像表示速度データを眼筋トレーニングデータ1152から抽出し、眼筋トレーニングデータ1152から抽出した注視画像データで構成された注視画像312を、抽出した注視画像表示速度データおよび注視画像表示位置データに従って眼筋トレーニング領域314内で移動させる眼筋トレーニングステップを実行する(ステップS2)。
【0049】
ここで、注視画像軌道設定および注視画像速度設定の各設定における注視画像の移動の挙動について詳細に説明する。
注視画像軌道設定における「縦」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の上下方向に長く、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに横方向にも徐々に移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の上部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の下部にある。例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「左上」「左下」「左上」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を徐々に横方向(左方向)に移動させるように制御する。注視画像312が眼筋トレーニング領域314の左端部まで移動した場合、今度は注視画像312が右方向へ徐々に移動するように注視画像軌道313の傾きを設定する。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0050】
注視画像軌道設定における「横」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の左右方向に長く、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに縦方向にも徐々に移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の左部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の右部にある。そして、例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「右下」「左下」「右下」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を徐々に縦方向(下方向)に移動させるように制御する。注視画像312が眼筋トレーニング領域314の下端部まで移動した場合、今度は注視画像312が上方向へ徐々に移動するように注視画像軌道313の傾きを設定する。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0051】
注視画像軌道設定における「縦対角」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の対角方向に配置され、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに縦方向にも複数回移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の左下部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の右上部にある。そして、例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「右上」「右下」「左上」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を縦方向と対角方向に移動させるように表示させる。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0052】
注視画像軌道設定における「横対角」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の対角方向に配置され、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに横方向にも複数回移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の右下部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の左上部にある。そして、例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「右上」「右下」「左上」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を横方向と対角方向に移動させるように表示させる。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0053】
注視画像軌道設定における「円運動」の軌道では、注視画像312が眼筋トレーニング領域314内を「∞」に類似した形状を描くように移動する(ループする)挙動を繰り返し、注視画像軌道313が注視画像312の軌跡として表示される。「∞」の形状は、その両側端部がそれぞれ眼筋トレーニング領域314の左右部に配置され、その上下端部が眼筋トレーニング領域314の上下部に配置される。さらに、注視画像312は、略半円を描くごとに移動しながら2度点滅する軌道を描く。また、2周目に入ると注視画像軌道313の色が変化し、3周目以降1周ごとに注視画像軌道313の色が変化する。なお、本実施例では注視画像312の軌道を「∞」に類似した形状としたが、円運動が含まれていれば形状は特に限定されず、例えば「8」に類似した形状であってもよい。
【0054】
注視画像軌道設定における「オートトレーニング」の軌道では、「縦」、「横」、「縦対角」、「横対角」、および「円運動」の内2つ以上を順に実行する。
【0055】
制御部10は、注視画像速度設定において受け付けた「高速」、「中速」、「低速」の速度設定に基づいて注視画像312の移動速度および表示時間を制御する。例えば、本実施例では、「高速」の場合では「縦」「横」「縦対角」「横対角」の注視画像軌道設定における注視画像312の1点における表示時間を0.2秒に制御し、「中速」の場合では0.3秒に制御し、「低速」の場合は0.5秒に制御する。なお、速度設定の段階はこの3段階に限らず複数の段階とすることができ、設定できる時間もこれに限らず適宜の時間とすることができる。この適宜の時間は、上限を1秒以下とすることができ、好ましくは1秒未満とすることができ、より好ましくは0.8秒以下とすることができ、0.5秒以下とすることが好適である。また、適宜の時間の下限は、0.05秒以上とすることができ、好ましくは0.1秒以上とすることができ、0.2秒以上とすることが好適である。
【0056】
制御部10は、注視画像312の移動を所定の回数繰り返すか、眼筋トレーニング画面を所定時間表示させるか、戻るアイコン311の選択を受け付けた場合、眼筋トレーニングモードを終了する(ステップS3)。
<視野拡大トレーニングモード>
【0057】
図8は、視野拡大トレーニング画面320の画面構成の例を示す説明図である。視野拡大トレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して注視させる視野拡大画像322を表示部14に表示させ、さらに視野拡大画像322と類似の形状で、かつ視野拡大画像322より大きい複数の拡大相似画像323a、323b、323cを一定の間隔ごとに1つずつ表示させるトレーニングモードである。
【0058】
視野拡大トレーニング画面320は、戻るアイコン321と、視野拡大画像322と、拡大相似画像323a(323b、323c)と、視野拡大トレーニング領域324を有している。
戻るアイコン321は、選択されると、制御部30がメニュー画面201を表示させる。
【0059】
視野拡大トレーニング領域324は、表示部14上に設定される領域である。視野拡大トレーニング領域324は、上端部が視野拡大トレーニング画面320における中央より上側に位置し、下端部が視野拡大トレーニング画面320における中央より下側に位置し、両側端部がそれぞれ視野拡大トレーニング画面320における中央より左右側に位置し、表示部14上において50%以上の面積を有する。本実施例における視野拡大トレーニング領域324は、上辺、下辺、および両側辺を有する長方形の領域である。
【0060】
視野拡大画像322は、視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示され、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される。本実施例では楕円形状または長方形を視野拡大画像322としたが、視野拡大画像322の形態および形状はこれに限定されず、例えば文字または数字とすることもでき、星型形状とすることもできる。また、視野拡大画像322は、複数の文字、数字、記号、および図形を組み合わせて構成することもできる。
【0061】
第1の拡大相似画像323aは、視野拡大画像322と相似であって、視野拡大画像322よりも大きい形状を有する。また、第1の拡大相似画像323aは、視野拡大画像322と中心点が同じとなるように視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示される。さらに、視野拡大画像322と相似であって、第1の拡大相似画像322aよりも大きい形状を有する第2の拡大相似画像323bが、視野拡大画像322と中心点が同じとなるように視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示されている。そして、視野拡大画像322と相似であって、第2の拡大相似画像322bよりもさらに大きい形状を有する第3の拡大相似画像323cが、視野拡大画像322と中心点が同じとなるように視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示される。
【0062】
図9は、速読学習支援端末1の制御部10が実行する視野拡大トレーニングプログラム112のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上の視野拡大トレーニング実行アイコン207が選択されると、視野拡大トレーニングモードに移行し、視野拡大トレーニングプログラム112を実行し、表示部14に視野拡大トレーニング画面320を表示し、視野拡大トレーニングデータ1153に基づいて視野拡大トレーニングを実行する。
【0063】
詳細に説明すると、まず制御部10は、視野拡大トレーニング領域324内に視野拡大画像データに基づいて視野拡大画像322を表示させる(ステップS11)。本実施例では、視野拡大画像322を楕円形状とした。
【0064】
続いて制御部10は、視野拡大トレーニング領域324内に拡大相似画像データに基づいて第1の拡大相似画像323aを表示させる。このとき、第1の拡大相似画像323aは、視野拡大画像322と中心点の位置が同じとなるよう表示される。制御部10は、さらに続けて第2の拡大相似画像323bと、第3の拡大相似画像323cを順に表示する。そして、第2の拡大相似画像323bおよび第3の拡大相似画像323cは、視野拡大画像322と中心点の位置が同じとなるよう表示される(ステップS12)。視野拡大画像322が表示されてから第1の拡大相似画像323aが表示されるまでの表示時間間隔、第1の拡大相似画像323aが表示されてから第2の拡大相似画像323bが表示されるまでの表示時間間隔、および第2の拡大相似画像323bが表示されてから第3の拡大相似画像323cが表示されるまでの表示時間間隔は、拡大相似画像表示間隔データに基づいて制御される。また、各表示時間間隔は、一定であることが好ましい。
【0065】
そして、制御部10は、拡大相似画像323a(323b、323c)を大きさが小さいものから1つずつ順番にすべて表示していく(ステップS13)。
【0066】
制御部10は、すべての拡大相似画像323a(323b、323c)が表示されるか、視野拡大画像322および拡大相似画像323a(323b、323c)の表示を所定の回数繰り返すか、視野拡大トレーニング画面を所定時間表示させるか、戻るアイコン321の選択を受け付けた場合、視野拡大トレーニングモードを終了する(ステップS14)。このとき、制御部10は、すべての拡大相似画像323a(323b、323c)を表示したあと、視野拡大画像322およびすべての拡大相似画像323a(323b、323c)を非表示にして、視野拡大画像322から順にもう1度表示させるループ処理を行ってもよい。また、表示し終わった視野拡大画像322およびすべての拡大相似画像323a(323b、323c)を非表示にして、形状および/または色を変更した視野拡大画像322および拡大相似画像323a(323b、323c)を順に表示させるループ処理を行ってもよい。
<認識力トレーニングモード>
【0067】
認識力トレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して複数の単語(速読対象)を表示部14に一瞬だけ表示させる動作を繰り返すトレーニングモードである。表示される複数の単語はひらがな、カタカナ、および漢字のいずれかからあらかじめ選択される。また、複数の単語が表示される行数や、表示される大きさについてもあらかじめ設定される。制御部10は、速読学習データ1151の速読対象表示時間データか、あらかじめ選択された表示時間に基づいて、単語を表示部14に表示させる時間を制御する。表示時間(画面の切替速度)は、例えば「高速(0.2秒)」、「中速(0.3秒)」、および「低速(0.5秒)」のいずれかとすることができる。
<ペースダウントレーニングモード>
【0068】
ペースダウントレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して文章(速読対象)を表示部14に一瞬だけ表示させる動作を繰り返すトレーニングモードである。表示される文章は、例えば物語の複数の文節で構成される。また、文章が表示される行数や、表示される文字の大きさや、文章が縦書きか横書きかについてもあらかじめ設定される。制御部10は、速読学習データ1151の速読対象表示時間データか、あらかじめ選択された表示時間に基づいて、文章を表示部14に表示させる時間を制御する。このとき、表示時間(画面の切替速度)は徐々に遅くなるように(1回の表示時間が長くなるように)変更し、制御される。また、表示時間変更の制御は、所定の表示回数ごとに行われてもよいし、ペースダウントレーニングを開始してからの経過時間で制御されてもよい。
<ペーストレーニングモード>
【0069】
ペーストレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して文章(速読対象)を表示部14に一瞬だけ表示させる(固定表示)か、文章中の1部分のみを明るく表示させる(移動表示)か、行の両端に点を表示させる(2点表示)動作を繰り返すトレーニングモードである。表示される文章は、例えば物語の複数の文節で構成される。また、文章が表示される行数や、表示される文字の大きさや、文章が縦書きか横書きかについてもあらかじめ設定される。
【0070】
固定表示のモードでは、制御部10は、速読学習データ1151の速読対象表示時間データか、あらかじめ選択された表示時間に基づいて、単語を表示部14に表示させる時間を制御する。このとき、表示時間(画面の切替速度)は一定となるように制御される。表示時間は、例えば「超高速(0.1秒)」、「高速(0.2秒)」、「中速(0.3秒)」、および「低速(0.5秒)」のいずれかとすることができる。また、入力部13の入力(マウスのクリックなど)を受け付けて表示を切り替える「∞」とすることもできる。
【0071】
移動表示のモードでは、制御部10は、表示部14に表示した文章中の1部分のみを一瞬だけ明るく表示させる。そして、明るく表示していた1部分が暗くなると同時に、明るく表示していた1部分の文章上における次の1部分を一瞬だけ明るく表示させる。制御部10は、この動作を繰り返し、表示部14に表示した文章上の最後の1部分が暗くなったと同時か一瞬の後に、表示していた文章を非表示として、次の文章を表示させ、表示した文章の最初の1部分から再び一瞬だけ明るく表示させる処理を繰り返す。明るく表示する1部分は、いくつかの文節とすることが好ましく、2行から5行とすることが好ましい。
【0072】
2点表示のモードでは、制御部10は、表示部14に表示した文章の1行について、一方の端部にマークを表示させ、同じ行か異なる行の他端部にもマークを表示させる。そして、制御部10は、表示させた2つのマークを同じ速度で文章の進行方向(読み進める方向)に平行移動させる。このとき、表示させるマークは特に限定されず、例えば黒丸や星形状とすることができる。また、一方の端部と他端部のマークとは異なる形状であってもよいが、同一形状とすることが好ましい。
<クイズトレーニングモード>
【0073】
図10は、クイズトレーニング設定画面401の画面構成の例を示す説明図であり、図11Aは、文章問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Bは、文章問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図であり、図11Cは、ドッツ問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Dは、ドッツ問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図であり、図11Eは、同系問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Fは、同系問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図であり、図11Gは、見つけてみよう問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Hは、見つけてみよう問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図である。なお、クイズトレーニングとは、速読対象である問題文を一瞬だけ表示部14に表示し、その問題に対する解答の入力を受け付けるトレーニングである。
【0074】
クイズトレーニング設定画面401は、トップ画面表示アイコン402と、問題数表示部403と、問題数選択部404と、問題種類選択部405と、問題文表示速度選択部406と、クイズトレーニング開始アイコン407を有している。
【0075】
トップ画面表示アイコン402は、選択されると、制御部30がクイズトレーニングモードを終了してメニュー画面201を表示させる。問題数表示部403は、問題数選択部404で選択された問題数を表示する。問題数選択部404では、クイズトレーニングモードにおいて出題される問題数(問題数設定)の選択を受け付ける。問題種類選択部405では、問題文の表示形式(問題文の種類、問題種類設定)の選択を受け付ける。また、問題文表示速度選択部406では、クイズトレーニングにおいて問題文が表示される時間(表示が切り替わる速度、問題文表示速度設定)の選択を受け付ける。クイズトレーニング開始アイコン407は、選択されると、制御部30が問題文表示画面を表示させる。
【0076】
問題数選択部404では、本実施例では、選択肢として「5問」、「10問」、「20問」の3つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つを初期の設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。また、本実施例では、問題数選択部404では3つの選択肢から1つの選択を受け付ける形態としたが、例えば入力欄の形態として自由に数字の入力を受け付けてもよいし、プルダウンの形態としてさらに多くの選択肢から選択を受け付けてもよい。
【0077】
問題種類選択部405では、本実施例では、選択肢として「文章問題」、「ドッツ」、「同系問題」、「見つけてみよう」の4つがあり、これらから1つ以上の選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つを初期の設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。また、本実施例では、問題数選択部404では4つの選択肢から1つ以上の選択を受け付ける形態としたが、例えばプルダウンの形態としてさらに多くの選択肢から選択を受け付けてもよい。
【0078】
問題文表示速度選択部406では、本実施例では、選択肢として「低速」、「中速」、「高速」、「最速」、「∞」の5つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つを初期の設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。
【0079】
問題文表示画面410は、戻るアイコン411と、進行度表示部412と、問題文表示部413を有している。
戻るアイコン411は、選択されると、制御部30がクイズトレーニング設定画面401を表示させる。
【0080】
進行度表示部412は、全体の問題数と、全体の問題数に対して今表示している問題文が何問目であるかを表示する。本実施例では、「(現在の問題文が何問目であるか)/(全体の問題数)」の形態で表示されている。
【0081】
問題文表示部413は、速読対象である問題文を表示する。問題文の形式は、1以上の文章、複数行および複数列に配置された複数の丸(図形)、無作為な数字、文字、記号の羅列、複数行および複数列に配置された複数の数字といった、問題種類設定に対応した様々な形式とすることができる。また、問題文を文章として表示する場合、本実施例では最後の1文節を肯定文の文章としたが、最後の1文節を疑問文(質問)の文章としてもよい。
【0082】
解答入力受付画面420は、戻るアイコン421と、質問表示部422と、解答入力部423を有している。
戻るアイコン421は、選択されると、制御部30がクイズトレーニング設定画面401を表示させる。
【0083】
質問表示部422は、解答入力受付画面420の表示される直前に表示されていた問題文表示画面410において、問題文表示部413に表示された問題文に関連する質問を表示する。なお、問題文表示部413で表示された問題文が、数式または最後の1文節が疑問文の形式である場合、質問表示部422は表示されなくてもよい。
【0084】
解答入力部423は、質問表示部422で表示されている質問か、問題文表示部413で表示された問題文に対する解答の入力を受け付ける。本実施例では、5つの選択肢が表示され、その中から1つの選択を受け付ける。なお、解答の入力形態は選択肢に限定されず、例えば、テキスト入力欄を設けて解答を受け付けてもよい。
【0085】
ここで、問題種類設定の各設定における問題文および解答の表示内容について詳細に説明する。
「文章問題」では、図11Aに示すように、例えば、1つ以上の文節を含む文章が問題文(速読対象)として問題文表示部413に表示される。ここで表示される文章としては、例えば、類似した文の構成とした複数の文節を含むような、問題文として複数の出題形式が予想できる内容であることが好ましい。また、表示される文章は30文字以上であることが好ましい。そして、図11Bに示す様に、質問表示部422に表示される質問は、問題文について問う内容である。また、解答入力部423は、問題文中の単語を示す複数の選択肢から1つの選択を受け付ける。
【0086】
「ドッツ」では、図11Cに示すように、複数行および複数列に配置された複数の図形が問題文(速読対象)として問題文表示部413に表示される。本実施例では、10行×5列に配置された50個の丸が問題文として問題文表示部413に表示される。そして、表示されている50個の丸の内、一部が黒丸、その他が白丸として表示されている。そして、図11Dに示すように、質問表示部422に表示される質問は、黒丸または白丸の数か配置について問う内容である。また、解答入力部423は、黒丸または白丸の数を示す数字または位置を示す複数の選択肢から1つの選択を受け付ける。なお、本実施例では、表示される図形を丸とし、表示される数を50個としたが、図形の形状および数はこれに限定されず、例えば、図形を三角または四角とし、50個未満(例えば30個など)または50個より多く(例えば100個など)表示してもよい。
【0087】
「同系問題」では、図11Eに示すように、1列に並んだ複数の数字、文字、記号およびこれらの組み合わせが問題文として問題文表示部413に表示される。詳細には、複数桁の数字(数字の羅列)や、数字とアルファベットと記号の2つ以上が混ざった文字列が問題文表示部413に問題文(速読対象)として表示される。そして、図11Fに示すように、質問表示部422に表示される質問は、問題文として表示された文字列(数字列)と同じ文字列(数字列)の解答選択を指示する内容である。また、解答入力部423は、例えば問題文として表示された文字列(数字列)を1つだけ含む複数の選択肢から1つの選択を受け付ける内容である。
【0088】
「見つけてみよう」では、図11Gに示すように、複数行および複数列に配置された異なる文字、記号、または図形が問題文(速読対象)として問題文表示部413に表示される。本実施例では、1から5の数字の内異なる4つが左上、左下、右上、および右下に1つずつ問題文として表示される。そして、図11Hに示すように、質問表示部422に表示される質問は、問題文として表示されなかった1から5のいずれかの数字の解答を指示する内容である。また、解答入力部423は、1から5の数字がそれぞれ選択肢であって、これらから1つの選択を受け付ける。
【0089】
図13は、速読学習支援端末1の制御部30が実行する速読学習プログラム113の一例のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上のクイズトレーニング実行アイコン211が選択されると、クイズトレーニングモードに移行し、速読学習プログラム113を実行し、表示部14にクイズトレーニング設定画面401を表示し、問題数設定、問題種類設定、および問題文表示速度設定の設定入力を受け付けるクイズトレーニング設定受付ステップを実行する(ステップS21)。
【0090】
制御部10は、クイズトレーニング設定画面401の開始アイコン407が選択されると、問題文表示画面410を表示部14に表示させ、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題種類設定、問題文表示速度設定、および速読学習データ1151の速読対象データおよび質問データを抽出して、複数の質問が記憶されている質問データから所定のルールで選択した質問を表示部14に表示させ、問題文表示ステップを実行する(ステップS22)。ここでの所定のルールは、記憶されている順番、あるいはランダムなど、適宜のルールとすることができる。
【0091】
制御部10は、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題文表示速度設定から、対応した速読学習データ1151の速読対象表示時間データを抽出し、速読対象表示時間データの秒数だけ問題文表示画面410を表示させるように制御し、続けて、解答入力受付画面420を表示させて、解答入力を受け付ける(ステップS23)。
【0092】
制御部10は、受け付けた解答を、速読学習データ1151の解答データを参照して正誤判定を行う(ステップS24)。
【0093】
制御部10は、ステップS24で行った正誤判定の結果、受け付けた解答が正答であるか誤答であるかを表示部14に表示させる(ステップS25)。表示内容としては、例えば、正答の場合は表示部14上に大きく赤丸を表示させ、誤答の場合は大きく赤バツを表示させる形態とすることができる。
【0094】
その後、制御部10は、ステップS22からステップS25までの処理が、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題数設定の回数行われたかを判定し、行われていなければ、再び問題文表示ステップS22を実行する(ステップS26)。このとき、新たに問題文表示部413に表示される問題文は、クイズトレーニングモードを開始してから表示した問題文と、内容が異なる問題文である。また、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題種類設定の中から、対応するランダムな問題文を新たに表示する。例えば、問題種類設定において、「文章問題」と「ドッツ」が両方選択されている場合、表示される問題文は、「文章問題」か「ドッツ」のいずれかの問題文であり、どちらの問題が表示されるかは規則的またはランダムに決定される。
【0095】
制御部10は、ステップS22からステップS25までの処理が、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題数設定の回数行われたと判定した場合、クイズトレーニングモードを終了する。また、学習記録データ1155に記憶させる各データを、今回のトレーニング結果として表示部14に表示させてもよい。このステップS21~S25を繰り返すことで、設定された短時間での問題表示(標準的な読書速度で読み切れない短時間での問題表示)をしてすぐ解答を求め、解答するとすぐ次の問題が短時間で表示されてまたすぐ解答を求めるといった処理が繰り返される。
【0096】
ここで、問題文表示速度設定の各設定における、制御部10による問題文表示の制御について詳細に説明する。
制御部10は、問題文表示速度設定において受け付けた「最速」、「高速」、「中速」、「低速」の速度設定に基づいて問題文表示画面410の表示時間(切替速度)を制御する。例えば、本実施例では、「最速」の場合では表示時間を0.1秒に制御し、「高速」の場合では表示時間を0.2秒に制御し、「中速」の場合では0.3秒に制御し、「低速」の場合は0.5秒に制御する。なお、速度設定の段階はこの4段階に限らず複数の段階とすることができ、設定できる時間もこれに限らず適宜の時間とすることができる。この適宜の時間は、上限を1秒以下とすることができ、好ましくは1秒未満とすることができ、より好ましくは0.8秒以下とすることができ、0.5秒以下とすることが好適である。また、適宜の時間の下限は、0.05秒以上とすることができ、好ましくは0.7秒以上とすることができ、0.1秒以上とすることが好適である。
<学習データ記録モード>
【0097】
図13は、学習データ記録画面501の画面構成の例を示す説明図である。
学習データ記録画面501は、トップ画面表示アイコン502と、トレーニングデータ入力部503と、訓練前データ記録アイコン504と、初見文1データ記録アイコン505と、クイズトレーニングデータ記録アイコン506と、初見文2データ記録アイコン507と、訓練後データ記録アイコン508と、メモ記録アイコン509とを有している。
【0098】
制御部10は、メニュー画面201上の学習データ記録入力アイコン212が選択されると、学習データ記録画面501を表示部14に表示させる。トップ画面表示アイコン502が選択されると、制御部10は、メニュー画面201を表示させる。
【0099】
トレーニングデータ入力部503では、各アイコン(504、505、506、507、508、509)で選択されたデータについての入力を受け付ける。
訓練前データ記録アイコン504が選択されると、制御部10は、前回トレーニング時のデータの入力を受け付ける。受け付ける項目としては、例えば、速読対象の文章について速読可能であった文字数の入力を受け付ける。
【0100】
初見文1データ記録アイコン505または初見文2データ記録アイコン507が選択されると、今回の認識力トレーニング、ペースダウントレーニング、またはペーストレーニングで実行したトレーニングの内、記録するトレーニング結果の選択を受け付ける。
【0101】
クイズトレーニングデータ記録アイコン506が選択されると、今回のクイズトレーニングで実行したトレーニングの内、記録するトレーニング結果の選択を受け付ける。そして、制御部10は、ユーザのログアウト時に、学習記録データ1155に、選択されたクイズトレーニングを実行した日付、表示した(出題した)問題数、表示した(出題した)問題種類、表示した(出題した)問題文の表示時間(表示速度、画面の切替速度)、および全体の問題数に対して何問正答したか(正答率または誤答率)を記憶する。
【0102】
訓練後データ記録アイコン508が選択されると、制御部10は、今回のトレーニング時のデータの入力を受け付ける。受け付ける項目としては、例えば、速読対象の文章について速読可能であった文字数の入力を受け付ける。
【0103】
メモ記録アイコン509が選択されると、制御部10は、トレーニングデータ入力部503に、自由にテキスト入力を受け付けるメモ入力欄を表示させる。
<英語速読学習モード(英単語速読モード)>
【0104】
図14は、英語速読学習設定画面601の画面構成の例を示す説明図であり、図15Aは、英単語イメージ画像表示画面610の画面構成の例を示す説明図であり、図15Bは、英単語表示画面620の画面構成の例を示す説明図であり、図15Cは、英単語和訳表示画面630の画面構成の例を示す説明図である。
英語速読学習モード(英単語速読モード)は、英単語に関連するイメージ画像と、イメージ画像に対応した英単語と、英単語の日本語訳とを、それぞれ一瞬ずつ順番に表示させるトレーニングモードである。
【0105】
英語速読学習設定画面601は、詳細設定呼出アイコン602と、カテゴリー選択部603と、出題範囲選択部604と、英語速読学習開始アイコン605と、戻るアイコン606を有している。
【0106】
詳細設定呼出アイコン602が選択されると、英語速読学習の詳細な設定を受け付けるための詳細設定入力画面が表示される。詳細な設定としては、例えば、速読対象となる英単語のイメージ画像、英単語、および英単語の和訳のそれぞれにおける表示時間(表示の切り替え速度)を示す、英語速読表示時間の設定である。表示の切り替え速度としては、例えば、「fast」または「slоw」から選択される。
【0107】
カテゴリー選択部603では、表示する英単語の文法上のカテゴリーについて選択(カテゴリー設定)を受け付ける。本実施例では、「すべて」、「名詞」、「動詞」、「形容詞」、「接続詞」、「前置詞」、および「副詞」の内いずれか1つ以上の選択を受け付ける。
【0108】
出題範囲選択部604では、表示する英単語の出題範囲について選択(出題範囲設定)を受け付ける。本実施例では、20個ずつに区切られた主題範囲から1つ以上の選択を受け付ける。
【0109】
英語速読学習開始アイコン605は、選択されると、制御部30が英単語イメージ画像表示画面610を表示させる。また、戻るアイコン606は、選択されると、制御部30がメニュー画面201を表示させる。
【0110】
英単語イメージ画像表示画面610は、戻るアイコン611と、英単語イメージ画像表示部612を有している。
戻るアイコン611は、選択されると、制御部30が英語速読学習設定画面601を表示させる。
【0111】
英単語イメージ画像表示部612には、速読対象となる英単語イメージ画像が表示される。英単語イメージ画像としては、次の英単語表示画面620に表示される英単語に関連する(英単語を想起させる)英単語イメージ画像が表示される。例えば、次の英単語表示画面620に表示される英単語が「triangle」である場合、「いくつかの三角形が並んだ画像」が英単語イメージ画像として表示される。
【0112】
英単語表示画面620は、戻るアイコン621と、英単語表示部622を有している。
戻るアイコン621は、選択されると、制御部30が英語速読学習設定画面601を表示させる。
【0113】
英単語表示部622には、速読対象となる英単語が表示される。表示される英単語は、直前の英単語イメージ画像表示部612に表示された英単語イメージ画像と関連付けられた英単語である。例えば、直前の英単語イメージ画像表示部612に表示された英単語イメージ画像が「いくつかの三角形が並んだ画像」であった場合、英単語表示部622には、英単語として「triangle」が表示される。
【0114】
英単語和訳表示画面630は、戻るアイコン631と、英単語和訳表示部632を有している。
戻るアイコン621は、選択されると、制御部30が英語速読学習設定画面601を表示させる。
【0115】
英単語和訳表示部632には、速読対象となる英単語和訳が表示される。表示される英単語和訳は、直前の英単語表示部622に表示された英単語と関連付けられた英単語和訳である。例えば、直前の英単語表示部622に表示された英単語が「triangle」であった場合、英単語和訳表示部632には、英単語和訳として「三角形」が表示される。
【0116】
図16は、速読学習支援端末1の制御部30が実行する英語速読学習プログラム114のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上の英語速読学習実行アイコン213が選択されると、英語速読学習モードに移行し、英語速読学習プログラム114を実行し、表示部14に英語速読学習設定画面601を表示し、カテゴリー設定および出題範囲設定の設定入力を受け付ける英語速読学習設定受付ステップを実行する(ステップS31)。
【0117】
制御部10は、英語速読学習設定画面601の英語速読学習開始アイコン605が選択されると、英語速読学習設定受付ステップで受け付けたカテゴリー設定と、出題範囲設定に対応した、英語速読学習データ1154に記憶されている英単語テキストデータの番号情報とタグを参照し、該当する英単語テキストデータと、関連付けられた英単語イメージ画像データおよび英単語和訳テキストデータを抽出する。そして、抽出した英単語イメージ画像データを英単語イメージ画像表示部612に張り付けた英単語イメージ画像表示画面610を、英語速読学習設定画面601で受け付けた表示時間の設定に対応した時間だけ表示部14に表示させ、英単語イメージ画像表示ステップを実行する(ステップS32)。このとき表示する英単語イメージは、英語速読学習データ1154に複数記憶されている英単語イメージの中から1つを所定のルールで選択したものである。所定のルールは、記憶されている順番、あるいはランダムなど、適宜のルールとすることができる。
【0118】
各表示時間の設定に対応した時間は、例えば、「fast」であれば0.2秒、「slow」であれば0.5秒とすることができる。なお、速度設定の段階はこの2段階に限らず複数の段階とすることができ、設定できる時間もこれに限らず適宜の時間とすることができる。この適宜の時間は、上限を1秒以下とすることができ、好ましくは1秒未満とすることができ、より好ましくは0.8秒以下とすることができ、0.5秒以下とすることが好適である。また、適宜の時間の下限は、0.05秒以上とすることができ、好ましくは0.1秒以上とすることができ、0.2秒以上とすることが好適である。
【0119】
続けて制御部10は、速読対象となる抽出した英単語テキストデータを英単語表示部622にテキストとして表示させた英単語表示画面620を、英語速読学習設定画面601で受け付けた表示時間の設定に対応した時間だけ表示部14に表示させ、英単語表示ステップを実行する(ステップS33)。
【0120】
続けて制御部10は、速読対象となる抽出した英単語和訳テキストデータを英単語和訳表示部632にテキストとして表示させた英単語和訳表示画面630を、英語速読学習設定画面601で受け付けた表示時間の設定に対応した時間だけ表示部14に表示させ、英単語和訳表示ステップを実行する(ステップS34)。なお、ステップS32、ステップS33、およびステップS34は、実行する順番が異なっていてもよい。すなわち、英単語イメージ画像表示画面610と、英単語表示画面620と、英単語和訳表示画面630は、どのような順番で表示されてもよい。ただし、英語速読学習モードの実行中は、順番が変更されないことが好ましい。また、英単語イメージ画像表示画面610と、英単語表示画面620と、英単語和訳表示画面630の表示する順番の設定を、英語速読学習設定画面601で受け付ける形態としてもよい。なお、ステップS32の英単語イメージ画像の表示時間、ステップS34の英単語の表示時間、およびステップS34の英単語和訳の表示時間はすべて同じとしたが、これに限らず、それぞれ異なる表示時間としてもよい。この場合も、それぞれの表示時間として設定できる時間は、上述した適宜の時間とすることが好ましい。
【0121】
その後、制御部10は、ステップS32からステップS34までの処理が、英語速読学習設定受付ステップ(ステップS31)で受け付けた出題範囲設定に該当する番号情報を有する英単語テキストデータのすべてについて行われたかを判定し、行われていなければ、再び英単語イメージ画像表示ステップS32を実行する(ステップS35)。このとき、新たに抽出する英単語テキストデータ、英単語イメージ画像データ、および英単語和訳データは、少なくとも直前で抽出した各データと異なるデータであって、好ましくは、英語速読学習モードを開始してから抽出した各データと異なるデータである。
【0122】
制御部10は、ステップS32からステップS34までの処理が、英語速読学習設定受付ステップ(ステップS31)で受け付けた出題範囲設定に該当する番号情報を有する英単語テキストデータのすべてについて行われたとき、英語速読学習モードを終了する。
【0123】
各トレーニングモードおよび各学習モードにおいて、制御部10は、表示する画面を切り替えるときや、表示した画面上で何らかの処理を実行するときに、そのことを示す音声を出力してもよい。ここでいう何らかの処理とは、例えば、眼筋トレーニング実行時に注視画像312を表示させる処理や、視野拡大トレーニング実行時に拡大相似画像323aを表示させる処理である。
【0124】
また、各トレーニングモードおよび各学習モードで設定される速読対象の表示時間(画面の切り替え速度)は、速読訓練であることから3秒以下に設定され、1秒以下に設定されることが好ましい。
【0125】
以上の構成により、速読学習の効率を高めることができる、速読学習支援端末1を提供することができる。
制御部10は、クイズトレーニングモードとして、1つ以上の文章で構成される速読対象(問題文)を表示部14に問題文表示画面410として表示させ、問題文表示速度選択部406で受け付けた表示時間だけ、速読対象を表示部14に表示させてから、問題文表示画面410を非表示にして解答入力受付画面420を表示させ、問題文に対する解答を受け付ける。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示された問題文において、質問の内容を予測し、文中のポイントを絞って速読を行うことができ、読むべきところを短時間でしっかりと読むことができる。すなわち、より実践的な日常生活で役に立つ速読の訓練を行うことができる。
そして、解答を入力させる構成であることにより、短時間で表示された問題文を知覚できたかどうか、意味を理解できたかどうかを確実に判別できる。したがって、速読が上達しているかどうかを、以前不正解だった問題が正解になった、正解数が増えたといった形で客観的かつ適切に把握できる。
しかも、問題文表示画面410での問題文の表示は、ユーザがクイズトレーニング開始アイコン407を押してすぐか、解答入力受付画面420で解答されて答えが表示された所定時間後に自動的に開始され、設定時間経過後に自動的に消える(別の画面に変わる)。このため、ユーザは、問題文表示画面410が自動的に表示されて消えるまでの間に何ら操作をする必要がなく、問題文の速読に集中することができる。
【0126】
また、制御部10は、クイズトレーニング実行後に、学習記録データ1155として、選択されたクイズトレーニングを実行した日付、表示した(出題した)問題数、表示した(出題した)問題種類、表示した(出題した)問題文の表示時間(表示速度、画面の切替速度)、および全体の問題数に対して何問正解したか(正答率または誤答率)を記憶し、学習データ記録画面501に表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、クイズトレーニングの正解数を知ることができる。
【0127】
また、制御部10は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される注視画像312を眼筋トレーニング領域314における1か所に表示し
、さらに注視画像312の表示位置を眼筋トレーニング領域314上で変更させ、変更前の位置から変更後の位置までの方向を示す軌道か、さらに次の変更先の表示位置までの注視画像軌道313を変更後の注視画像312とともに表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示された注視画像312がどのように移動するか、またはどの位置に表示位置が変更されるかを予測することができる。すなわち、各速読学習トレーニングを行う前に、眼筋トレーニングを行って注視画像312を眼で追うことによって、眼の準備運動を行うことができ、より効果的な速読学習トレーニングを行うことができる。
【0128】
また、制御部10は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される視野拡大画像322を表示し、その後、視野拡大画像322と相似の形状で、かつ視野拡大画像322より大きい複数の拡大相似画像323a、323b、323cを、視野拡大画像322と中心点を一致させて小さいものから順に1つずつ表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示された視野拡大画像322を起点として、拡大相似画像323a、323b、323cが表示されていくごとに、視野の拡大を行うことができる。すなわち、各速読学習トレーニングを行う前に、視野拡大トレーニングを行って1つずつ順に表示される拡大相似画像323a、323b、323cを眼に入れるように視野を拡大することによって、眼の準備運動を行うことができ、より効果的な速読学習トレーニングを行うことができる。
【0129】
また、制御部10は、英単語に関連する英単語イメージ画像(英単語イメージ画像表示画面610)と、英単語(英単語表示画面620)と、英単語の和訳(英単語和訳表示画面630)を順に切り替えて表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示される英単語および英単語の和訳について予測することができ、効率的な英語速読学習を行うことができる。また、速読学習支援端末1の使用者は、英単語および英単語の和訳について簡単にイメージすることができ、英語速読学習だけでなく、英語の暗記学習を行うこともできる。
【0130】
また、制御部10は、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題種類設定の中から、対応するランダムな問題文を新たに表示する。例えば、問題種類設定において、「文章問題」と「ドッツ」が両方選択されている場合、表示される問題文は、「文章問題」か「ドッツ」のいずれかの問題文であり、どちらの問題が表示されるかは規則的またはランダムに決定される。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、一度の速読学習において、様々な表示形式の文字、記号、図形またはこれらの組み合わせについて速読の経験を積むことができる。すなわち、使用者は、様々な日常生活の場面において、より実践的に使用できる速読能力を短時間で効果的に身に着けることができる。
【0131】
また、従来であれば、助詞だけの単語や、文章中の切り文節が悪いテキストが表示されることがあり、このような単語やテキストが表示内容に混在すると、使用者の記憶が曖昧になったり、文章中において特にポイントとはならず、重要でないテキストを読む無駄が発生するため、速読学習としては学習効率が良いとは言えなかったといった課題についても、本願の方式であれば解決し得る。
【0132】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
本実施例では各プログラムおよび学習用データデータベースを、速読学習を行う使用者が使用する速読学習支援端末(速読学習支援装置)1に格納したが、これらの各プログラムと学習用データデータベースの一方または両方を、使用者が使用するクライアント端末と異なる速読学習支援サーバに格納してもよい。この場合、速読学習支援サーバは、少なくとも各プログラムおよび学習用データデータベースを格納する記憶手段と、クライアント端末とインターネットなどのネットワークを通じて通信する通信手段と、これらを制御する制御手段とを備える。そして、速読学習支援サーバは、ネットワークを通じてクライアント端末からの入力を受け付け、各プログラムの実行および学習記録データ1155の記憶や、ユーザデータ1156を使用したログイン認証処理を実行する。
【0133】
また、本実施例では、制御部10が、日本語の速読トレーニングと、英語の英語速読学習とを、同一のメニュー画面201(プラットフォーム)から選択を受け付けて実行する形態としたが、日本語の速読トレーニングと、英語の英語速読学習とを別のメニュー画面から選択を受け付けて実行してもよい。この場合、使用者は、日本語についての速読トレーニングと、英語の英語速読学習とをそれぞれ別の速読学習として行うことができ、使用者は、自身の目的に応じて日本語の速読トレーニングおよび英語の英語速読学習から適切なトレーニングまたは学習を容易に選択することができる。
【0134】
なお、この発明における表示時間設定手段は、問題文表示速度選択部406に対応し、以下同様に、
速読対象表示手段は、問題文表示画面410、問題文表示部413、およびステップS22を実行する制御部30に対応し、
速読対象表示切替手段は、ステップS22からステップS23を実行する制御部30に対応し、
解答要求画面表示手段は、解答入力受付画面420およびステップS23を実行する制御部30に対応し、
解答受付手段は、解答入力部423に対応し、
注視画像表示モード実行手段は、眼筋トレーニングプログラム111および眼筋トレーニングプログラム111を実行する制御部30に対応し、
視野拡大画像表示モード実行手段は、視野拡大トレーニングプログラム112および視野拡大トレーニングプログラム112を実行する制御部30に対応し、
表示間隔時間設定手段は、視野拡大トレーニングデータ1153に含まれる拡大相似画像表示間隔データに対応し、
英単語速読学習モード実行手段は、英語速読学習プログラム114および英語速読学習プログラム114を実行する制御部30に対応し、
英単語速読表示時間受付手段は、詳細設定呼出アイコン602が選択されると表示される英語速読学習の詳細な設定を受け付けるための詳細設定入力画面に対応しているが、この発明はこの実施形態に限られず、様々な態様とすることができる。
例えば、問題文表示速度選択部406や、詳細設定呼出アイコン602で表示される英語速読表示時間の設定において、速読訓練用ではなく内容確認用の時間設定も設定可能としてもよい。この場合、内容確認用の時間設定は、戻るボタンの押下等のアクションがあるまで表示を変更しない無限大設定や、表示された文字等を十分に読める時間(例えば10秒や30秒や1分や10分など、人の平均的な読み込み速度で十分に読める時間以上の時間)とする長時間設定など、十分に長い時間とすることができる。これにより、速読学習の初心者等が、最初にどのような動作が行われているのかをゆっくり確認することができ、早すぎて問題文が表示されているのか何が表示されているのかわからずクイズの趣旨さえも分からずに使用するといったことを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
この発明は、コンピュータを利用して速読学習の効率を高めるような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1…速読学習支援端末
10…制御部
11…記憶部
12…通信部
13…入力部
14…表示部
110…メニュープログラム
111…眼筋トレーニングプログラム
112…視野拡大トレーニングプログラム
113…速読学習プログラム
114…英語速読プログラム
115…学習用データデータベース
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図12
図13
図14
図15A
図15B
図15C
図16
【手続補正書】
【提出日】2022-05-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部と、前記使用者から入力を受け付ける入力部と、これらを制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記入力部から表示時間の設定入力を受け付ける表示時間設定手段と、
前記速読対象としての文章を前記表示部に表示させる速読対象表示手段と、
前記速読対象を前記表示部に表示させてから前記表示時間の経過後に、当該速読対象を非表示にして別の画面とする速読対象表示切替手段と、
前記別の画面として前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を求める解答要求画面を表示する解答要求画面表示手段と、
前記入力部から前記解答の入力を受け付ける解答受付手段とを備えた
速読学習支援装置。
【請求項2】
前記表示時間は、0.05秒以上、0.3秒以下の範囲で設定が可能である
請求項1記載の速読学習支援装置。
【請求項3】
前記表示時間は、前記範囲の複数の段階から選択して設定される
請求項2記載の速読学習支援装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記速読対象について、前記文章を前記速読対象とする文章問題を少なくとも含み、表示形式が異なる複数の問題種類から1つ以上の問題種類の選択を受け付ける問題種類受付手段を備え、
前記問題種類受付手段が複数の前記問題種類の選択を受け付けた場合、
前記速読対象を前記表示部に表示する毎に、
選択された複数の前記問題種類のうち表示する前記速読対象の前記問題種類を規則的またはランダムに決定し、決定した前記問題種類に対応する前記速読対象を前記速読対象表示手段により前記表示部に表示し、
前記質問として、前記決定した前記問題種類に対応した質問を、表示した前記速読対象毎に前記表示部に表示する
請求項1、2、または3記載の速読学習支援装置。
【請求項5】
使用者に対して速読学習用の速読対象を表示部によって表示し、前記使用者から入力を入力部によって受け付け、これらを制御する制御部を備え、
前記制御部は、
前記入力部から表示時間の設定入力を表示時間設定手段によって受け付け、
前記速読対象としての文章を速読対象表示手段によって前記表示部に表示させ、
前記表示時間の経過後に速読対象表示切替手段によって前記速読対象を非表示にし、
前記入力部から前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を解答受付手段によって受け付ける
速読学習支援方法。
【請求項6】
使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部と、前記使用者から入力を受け付ける入力部と、これらを制御する制御部とを備えるコンピュータにおいて、
前記制御部を、
前記入力部から表示時間の設定入力を受け付ける表示時間設定手段と、
前記速読対象としての文章を前記表示部に表示させる速読対象表示手段と、
前記表示時間の経過後に前記速読対象を非表示にする速読対象表示切替手段と、
前記入力部から前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を受け付ける解答受付手段として機能させる
速読学習支援プログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば、コンピュータを利用して速読学習の効率を高めるような、速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、速読学習を支援する情報処理装置として、文章を構成する1以上の部分テキストを画面上にセンタリングして、順次出力(表示)する情報処理装置が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、単に速読対象となる短いテキストのみを順次表示し、使用者に認識、記憶させる速読学習方法でしかなく、より良く速読学習の効果を高める方法が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-293788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、上述の問題に鑑みて、速読学習の効率を高めることができる、速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、使用者に対して速読学習用の速読対象を表示する表示部と、前記使用者から入力を受け付ける入力部と、これらを制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記入力部から表示時間の設定入力を受け付ける表示時間設定手段と、前記速読対象としての文章を前記表示部に表示させる速読対象表示手段と、前記速読対象を前記表示部に表示させてから前記表示時間の経過後に、当該速読対象を非表示にして別の画面とする速読対象表示切替手段と、前記別の画面として前記速読対象に関連する質問に対する解答の入力を求める解答要求画面を表示する解答要求画面表示手段と、前記入力部から前記解答の入力を受け付ける解答受付手段とを備えた速読学習支援装置、速読学習支援方法、および速読学習支援プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明により、速読学習の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】この発明の速読学習支援端末の構成の例を示す構成図。
図2】速読学習支援端末の記憶部に記憶されるデータの例を示す説明図。
図3】メニュー画面の画面構成の例を示す説明図。
図4】眼筋トレーニング設定画面の画面構成の例を示す説明図。
図5A】眼筋トレーニング画面の注視画像移動前の画面構成の例を示す説明図。
図5B】眼筋トレーニング画面の注視画像移動後の画面構成の例を示す説明図。
図6】眼筋トレーニング画面の画面構成の他の例を示す説明図。
図7】速読学習支援端末の制御部が実行する眼筋トレーニングプログラムのフロー図。
図8】視野拡大トレーニング画面の画面構成の例を示す説明図。
図9】速読学習支援端末の制御部が実行する視野拡大トレーニングプログラムのフロー図。
図10】クイズトレーニング設定画面の画面構成の例を示す説明図。
図11A】文章問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11B】文章問題における解答入力受付画面の画面構成の例を示す説明図。
図11C】ドッツ問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11D】ドッツ問題における解答入力受付画面の画面構成の例を示す説明図。
図11E】同系問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11F】同系問題における解答入力受付画面の画面構成の例を示す説明図。
図11G】見つけてみよう問題における問題文表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図11H】見つけてみよう問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図。
図12】速読学習支援端末の制御部が実行する速読学習プログラムのフロー図。
図13】学習データ記録表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図14】英語速読学習設定画面の画面構成の例を示す説明図。
図15A】英単語イメージ画像表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図15B】速読英単語表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図15C】英単語和訳表示画面の画面構成の例を示す説明図。
図16】速読学習支援端末の制御部が実行する英語速読学習プログラムのフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の一実施形態を図面と共に説明する。
<システム構成>
【0010】
図1は、速読学習支援端末(速読学習支援装置)1の構成の一例を示すブロック図である。速読学習支援端末1は、速読対象を使用者に認識させる速読学習を行うための速読学習機能を有する電子機器(コンピュータ)である。速読学習支援端末1は、少なくとも表示装置および入力装置を備えるコンピュータであり、デスクトップPC、タブレットPC、スマートフォン、フィーチャーフォンおよび携帯型ゲーム機等などの汎用のコンピュータ(端末)で構成される。速読対象は、1以上の文章、文字、数字、記号、イメージ画像またはこれらの組み合わせで構成される。
【0011】
図1に示すように、速読学習支援端末1は、ハードウェア要素として、CPUとROMとRAM等で構成されて各種演算や制御動作を実行する制御部10と、ハードディスクやフラッシュメモリ等で構成されて情報のリードライトを許容する記憶部11と、LANボードやWiFiユニット等で構成されて有線または無線でインターネット6に接続されてデータの送受信を行う通信部12と、タッチパネル、キーボード、マウス、押下ボタン、又はこれらの複数で構成されて接触操作による入力を受け付ける入力部13と、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイ等で構成されて文字や図等の画像を表示する表示部14とを備えている。記憶部11、通信部12、入力部13、および表示部14のそれぞれは、通信線(バス)を介して制御部10に接続される。
【0012】
制御部10は、演算部を含み、速読学習支援端末1における各種演算および制御動作を実行する。演算部は、CPUまたはMPUなどを含む演算処理部である。制御部10は、RAM(DRAM)およびROMなどを有する。RAMは、演算部のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。ROMは、速読学習支援端末1の起動プログラムや各種情報についてのデフォルト値等を記憶する。
【0013】
記憶部11には、制御部10が表示部14にメニュー画面を表示させるために実行するメニュープログラム110と、制御部10が眼筋トレーニングモードを実行するための眼筋トレーニングプログラム111と、制御部10が視野拡大トレーニングモードを実行するための視野拡大トレーニングプログラム112と、制御部10が速読学習モードを実行するための速読学習プログラム113と、制御部10が英語速読学習モードを実行するための英語速読学習プログラム114と、速読学習用の各アプリケーションを実行するための学習用データを格納する学習用データデータベース115を含む、速読学習支援端末1で利用される各種プログラムおよび各種データが記憶(登録)されている。
【0014】
通信部12は、インターネットのような公衆回線(公衆ネットワーク)に接続するための通信回路を有する。通信回路は、有線通信回路または無線通信回路であり、演算部からの指示に従って、公衆回線を介して、他の電子機器(外部コンピュータ)と相互に通信可能に接続される。
【0015】
入力部13は、速読学習支援端末1の利用者の操作入力を受け付ける入力部品と、入力部品と演算部との間に介在する入力検出回路を有する。入力部品は、たとえばタッチパネル(タッチ入力手段)または/およびハードウェアの操作ボタンないし操作キーである。また、入力部品は、ポインタ入力手段としてのコンピュータマウス等を含むこともある。タッチパネルとしては、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。入力検出回路は、各入力部品の操作(操作入力)に応じた操作信号ないし操作データを演算部に出力する。
【0016】
表示部14は、ディスプレイ、およびディスプレイと演算部との間に介在する表示制御回路を有する。ディスプレイとしては、たとえばLCD(液晶ディスプレイ)または有機ELディスプレイなどを用いることができる。表示制御回路は、GPUおよびVRAMなどを有する。演算部の指示の下、GPUは、RAMに記憶された画像生成用のデータを用いてディスプレイに種々の画面(後述する登録画面100等)を表示するための表示画像データをVRAMに生成し、生成した表示画像データをディスプレイに出力する。
【0017】
入力部13がタッチパネルを有する場合には、タッチパネルは、表示部14のディスプレイの表示面上に重なるように設けられる。この場合、タッチパネルは、表示部14のディスプレイと協働して、タッチパネル付きディスプレイ(タッチパネルディスプレイ)を構成する。また、表示部14のディスプレイには、ソフトウェアキー(操作キー)を含むGUI(Graphical User Interface:グラフィカルユーザインタフェース)が表示される。この場合、GUI(操作画面)を介して操作入力を受け付けることができる。なお、ソフトウェアキーとは、たとえば表示部14のディスプレイの表示面にソフトウェア的に再現されたキーまたはアイコン(操作アイコン)のことをいう。以下、ソフトウェアキーのことを「アイコン」という。
<データ構成>
【0018】
図2は、速読学習支援端末1の記憶部11に格納される学習用データデータベース115に含まれる学習用データの一例を示す説明図である。図2に示すように、学習用データデータベースは、速読学習データ1151と、眼筋トレーニングデータ1152と、視野拡大トレーニングデータ1153と、英語速読学習データ1154と、学習記録データ1155と、ユーザデータ1156を有する。
【0019】
速読学習データ1151は、速読対象に関連する速読対象データと、速読対象に関連する質問の質問データと、質問に対する解答の解答データと、問題種類を示す問題種類データを有する。また、速読学習データ1151は、速読学習での表示時間などを設定する表示設定データも有している。
【0020】
速読対象データは、例えば速読対象の名前を示す速読対象名データや、速読対象のテキストデータまたはイメージ画像データである速読表示データや、速読対象の文字数を示す速読対象文字数データを有する。
速読対象名データは、例えば速読対象が物語であった場合にはその物語名とでき、速読対象が問題文であった場合にはその問題名とできる。
【0021】
速読表示データは、速読対象として表示されるデータであり、小説や物語の文章、問題文章、複数行および複数列に配置された複数の丸(図形)、無作為な数字、文字、記号の羅列、複数行および複数列に配置された複数の数字、写真や絵画といったイメージ画像、これらの中から複数を組み合わせた複合データなど、適宜のデータとすることができる。この速読表示データは、数学の数式や問題文が含まれていてもよい。また、速読対象を読ませて(認識させて)その意味や配置を把握できているか確認するための質問をして回答を求める場合には、速読表示データにその質問文そのものを含めておいて、回答を求める際に回答の選択肢のみ表示する形式としてもよい。
【0022】
質問データは、表示した速読表示データの内容に対して読解できているか確認するための質問文を有している。質問データは、例えば、テキストデータの形式である。
解答データは、質問データでの質問文に対する解答の情報を有している。解答データは、例えば、複数の解答用の選択肢を有している。
問題種類データは、問題の種類を示しており、例えば、文章問題、ドッツ、同系問題、見つけてみようといった問題の種類の情報を有している。
【0023】
表示設定データは、速読対象表示時間データと速読対象表示速度データを有する。速読対象表示時間データは、例えば、0.1秒、0.2秒といった速読対象が表示されてから非表示となるまでの時間データである。速読対象表示速度データには、「最速」や「高速」といったデータ名が設定されている。
【0024】
眼筋トレーニングデータ1152は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成された注視画像の注視画像データと、注視画像を表示部14上に表示させる位置を示す注視画像表示位置データと、注視画像の表示速度を示す注視画像表示速度データを有する。注視画像表示位置データは、例えば表示部14の画面上における座標データである。
【0025】
視野拡大トレーニングデータ1153は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成された視野拡大画像の視野拡大画像データと、視野拡大画像と相似の形状で、かつ視野拡大画像より大きい拡大相似画像の拡大相似画像データと、拡大相似画像の表示間隔を示す拡大相似画像表示間隔データとを有する。拡大相似画像データは、視野拡大画像よりも大きく、かつそれぞれの大きさが異なる複数の拡大相似画像を有する。
【0026】
英語速読学習データ1154は、速読対象として表示される英単語テキストデータと、英単語の和訳の英単語和訳テキストデータと、英単語をイメージする英単語イメージ画像データと、速読対象となる英単語のイメージ画像、英単語、および英単語の和訳のそれぞれにおける表示時間(表示の切り替え速度)を示す英語速読表示設定データを有する。また、英単語テキストデータと、英単語和訳テキストデータと、英単語イメージ画像データとは、それぞれ対応するデータが関連付けられて記憶されている。例えば、英単語テキストデータとして「apple」のテキストデータが記憶されている場合、英単語和訳テキストデータとして「りんご」のテキストデータが、英単語イメージ画像データとして「りんごの画像」の画像データが記憶され、それぞれのデータがお互いに関連付けられて記憶されている。また、各英単語には「名詞」、「動詞」、「形容詞」、「接続詞」、「前置詞」、および「副詞」の内いずれか1つがタグ付けされている。また、タグごとの各単語には、番号情報が付与されている。また、英語速読表示設定データは、英単語速読対象表示時間データと英単語速読対象表示速度データを有する。英単語速読対象表示時間データは、例えば、0.1秒、0.2秒といった速読対象が表示されてから非表示となるまでの時間データである。英単語速読対象表示速度データには、「最速」や「高速」といったデータ名が設定されている。
【0027】
学習記録データ1155は、制御部10によって実行された速読学習プログラムにおいて、使用した速読学習データ、速読対象の表示時間設定、得られた解答時間データ、正答率データ、速読学習データに含まれる速読対象の速読対象文字数データ、および解答時間データから算出された速読量データといった速読学習履歴データを有する。
【0028】
ユーザデータ1156は、ユーザ毎に設定されたユーザIDデータや、ログインの認証に必要なパスワードデータを有する。また、パスワードデータと速読学習履歴データは、ユーザIDデータに関連付けられて記憶される。
<制御部による各プログラムの実行処理>
【0029】
図3は、メニュー画面201の画面構成の例を示す説明図である。
制御部10は、例えば入力部13からの入力によってメニュープログラム110を実行する。このとき、制御部10は、速読学習支援端末1を使用している使用者に対して、例えば表示部14にログイン画面を表示し、ユーザIDおよびユーザIDに対応したパスワードの入力を要求し、ログイン処理を実行する。制御部10は、入力されたユーザIDに関連付けられた速読学習履歴データを抽出する。
【0030】
制御部10は、ログイン処理の実行後にメニュー画面(トップ画面)201を表示部14に表示させる。メニュー画面201は、全画面表示アイコン202と、サウンド切替アイコン203と、ログアウトアイコン204と、学習履歴表示部205と、眼筋トレーニング実行アイコン206と、視野拡大トレーニング実行アイコン207と、認識力トレーニング実行アイコン208と、ペースダウントレーニング実行アイコン209と、ペーストレーニング実行アイコン210と、クイズトレーニング実行アイコン211と、学習データ記録入力アイコン212と、英語速読学習実行アイコン213を有している。
【0031】
制御部10は、全画面表示アイコン202が選択されると、メニュー画面201をメニュー画面201の上部にある戻るアイコン、進むアイコン、再読込アイコン、最小化アイコン、最大化アイコン、閉じるアイコン、およびURL入力部といった共通のインターフェースを表示させず、メニュープログラム110の実行によって表示されている各構成要素のみが表示部14に表示される全画面表示状態とする。なお、全画面表示の状態では、例えば全画面表示アイコン202を通常画面表示アイコンとし、選択されると制御部10が各共通のインターフェースを表示部14に表示させてメニュー画面201を通常画面表示状態とする。
【0032】
制御部10は、サウンド切替アイコン203が選択されると、各プログラム(各トレーニング)の実行におけるサウンド出力の有無を切り替える(各プログラムの実行における音声出力の詳細については後述する)。
【0033】
制御部10は、ログアウトアイコンが選択されると、表示部14にログイン画面を再び表示させ、ログインに必要なユーザIDおよびユーザIDに対応したパスワードの入力を再び要求する。
【0034】
学習履歴表示部205には、速読学習履歴データの内容が表示される。例えば、前回のログイン時に速読トレーニングで使用した速読対象名、速読対象の表示時間(画面の切替速度)、速読対象の表示形式、得られた解答時間データ、正答率データ、トレーニング前後の速読量変化等が表示される。速読対象名は、例えば速読対象が物語であればその物語の題名である。トレーニング前後の速読量変化の表示内容は、例えばトレーニング後の速読量が得られた解答時間データから算出され、トレーニング前の速読量はさらに前回(前々回)のログイン時におけるトレーニング後の速読量から抽出される。
【0035】
以下、制御部10が眼筋トレーニング実行アイコン206、視野拡大トレーニング実行アイコン207、認識力トレーニング実行アイコン208、ペースダウントレーニング実行アイコン209、ペーストレーニング実行アイコン210、クイズトレーニング実行アイコン211、学習データ記録入力アイコン212、および英語速読学習実行アイコン213のいずれかの選択を受け付けることによって実行する各プログラムおよび実行するモードを説明する。
<眼筋トレーニングモード(注視画像表示モード)>
【0036】
図4は、眼筋トレーニング設定画面の画面構成の例を示す説明図であり、図5Aは、眼筋トレーニング画面の注視画像移動前の画面構成の例を示す説明図であり、図5Bは、眼筋トレーニング画面の注視画像移動後の画面構成の例を示す説明図であり、図6は、眼筋トレーニング画面の画面構成の他の例を示す説明図である。眼筋トレーニングモード(注視画像表示モード)は、速読学習支援端末1の使用者に対して注視させる注視画像を表示部14上の1か所に表示させ、表示部14上で注視画像の表示位置を一瞬で変更するか、一定の速度で移動させるトレーニングモードである。
【0037】
眼筋トレーニング設定画面301は、トップ画面表示アイコン302と、眼筋トレーニング内容表示部303と、注視画像軌道選択部304と、注視画像移動速度選択部305と、眼筋トレーニング開始アイコン306を有している。
【0038】
トップ画面表示アイコン302は、選択されると、制御部30が眼筋トレーニングモードを終了してメニュー画面201を表示させる。眼筋トレーニング内容表示部303は、注視画像軌道選択部304で選択された注視画像軌道を表示する。注視画像軌道選択部304では、眼筋トレーニングモードにおいて注視画像(後述)の移動する軌道の選択を受け付ける。また、注視画像移動速度選択部305では、眼筋トレーニングにおいて注視画像の移動する移動速度の選択を受け付ける。眼筋トレーニング開始アイコン306は、選択されると、制御部30が眼筋トレーニング画面を表示させる。
【0039】
注視画像軌道選択部304では、注視画像312の移動経路(軌道)の設定(注視画像軌道設定)を受け付ける。本実施例では、選択肢として「縦」、「横」、「縦対角」、「横対角」、「円運動」、「オートトレーニング」の6つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つをデフォルトの設定として、何も選択されない場合はデフォルトの設定を選択されたものとすることができる。
【0040】
注視画像移動速度選択部305では、注視画像312が移動する速度、または注視画像312が表示部14上のある位置に表示されてから次の異なる位置に表示されるまでの時間(表示速度、切替速度)の設定(注視画像速度設定)を受け付ける。本実施例では、選択肢として「低速」、「中速」、「高速」の3つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つをデフォルトの設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。
【0041】
眼筋トレーニング画面310は、戻るアイコン311と、注視画像312と、注視画像軌道313と、眼筋トレーニング領域314を有している。
戻るアイコン311は、選択されると、制御部30が眼筋トレーニング設定画面301を表示させる。
【0042】
眼筋トレーニング領域314は、表示部14上に設定される領域である。眼筋トレーニング領域314は、上端部が眼筋トレーニング画面310における中央より上側に位置し、下端部が眼筋トレーニング画面310における中央より下側に位置し、両側端部がそれぞれ眼筋トレーニング画面310における中央より左右側に位置し、表示部14上において50%以上の面積を有する。本実施例における眼筋トレーニング領域314は、上辺、下辺、および両側辺を有する長方形の領域である。
【0043】
注視画像312は、眼筋トレーニング領域314内の1か所に表示され、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される。本実施例では真円形状の黒丸を注視画像312としたが、注視画像312の形態および形状はこれに限定されず、例えば文字または数字とすることもでき、四角形状や星型形状とすることもできる。また、注視画像312は、複数の文字、数字、記号、および図形を組み合わせて構成することもできる。
【0044】
注視画像軌道313は、眼筋トレーニング領域314内に表示され、その軌道上か一端に注視画像312が表示される。注視画像軌道313は、注視画像312の移動先の軌道(移動の方向)および移動後の軌跡を示す。すなわち、注視画像312は、眼筋トレーニング領域314内において注視画像軌道313上を移動するか、注視画像軌道313の一端から他端に瞬時に移動する(表示位置が変更される)。本実施例では注視画像軌道313は、一定の太さの線としたが、これに限定されず、例えば、移動後の軌跡を注視画像312の形状で残影のように薄く表示したり、移動予定の軌道を注視画像312の形状の破線で表示したりしてもよい。
【0045】
注視画像軌道313は、少なくとも眼筋トレーニング領域314の対向する端部付近にかかる。すなわち、注視画像312は、少なくとも眼筋トレーニング領域314の対向する端部付近を始点および終点とするか、通過するように移動する。
【0046】
また、注視画像軌道313は、直線でなく特定の図形を描くように形成されていてもよい。また、注視画像312は、常に表示されている必要はなく、あらかじめ設定された内容に応じて移動中に一瞬だけ点滅するように表示されない時間があってよい。図6は、注視画像軌道選択部304で、「円運動」が選択されたときの眼筋トレーニング画面310であって、注視画像312は、「∞」に類似した形状を描くように移動し、略半円を描くごとに移動しながら2度点滅する軌道を描くことで注視画像軌道313を形成している。
【0047】
図7は、速読学習支援端末1の制御部10が実行する眼筋トレーニングプログラム111のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上の眼筋トレーニング実行アイコン206が選択されると、眼筋トレーニングモードに移行し、眼筋トレーニングプログラム111を実行し、表示部14に眼筋トレーニング設定画面301を表示し、注視画像軌道設定および注視画像速度設定の設定入力を受け付ける眼筋トレーニング設定受付ステップを実行する(ステップS1)。
【0048】
制御部10は、眼筋トレーニング設定画面301の眼筋トレーニング開始アイコン306が選択されると、眼筋トレーニング画面310を表示部14に表示させ、眼筋トレーニング設定受付ステップで受け付けた注視画像軌道設定に対応した注視画像表示位置データと、注視画像速度設定に対応した注視画像表示速度データを眼筋トレーニングデータ1152から抽出し、眼筋トレーニングデータ1152から抽出した注視画像データで構成された注視画像312を、抽出した注視画像表示速度データおよび注視画像表示位置データに従って眼筋トレーニング領域314内で移動させる眼筋トレーニングステップを実行する(ステップS2)。
【0049】
ここで、注視画像軌道設定および注視画像速度設定の各設定における注視画像の移動の挙動について詳細に説明する。
注視画像軌道設定における「縦」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の上下方向に長く、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに横方向にも徐々に移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の上部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の下部にある。例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「左上」「左下」「左上」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を徐々に横方向(左方向)に移動させるように制御する。注視画像312が眼筋トレーニング領域314の左端部まで移動した場合、今度は注視画像312が右方向へ徐々に移動するように注視画像軌道313の傾きを設定する。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0050】
注視画像軌道設定における「横」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の左右方向に長く、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに縦方向にも徐々に移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の左部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の右部にある。そして、例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「右下」「左下」「右下」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を徐々に縦方向(下方向)に移動させるように制御する。注視画像312が眼筋トレーニング領域314の下端部まで移動した場合、今度は注視画像312が上方向へ徐々に移動するように注視画像軌道313の傾きを設定する。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0051】
注視画像軌道設定における「縦対角」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の対角方向に配置され、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに縦方向にも複数回移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の左下部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の右上部にある。そして、例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「右上」「右下」「左上」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を縦方向と対角方向に移動させるように表示させる。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0052】
注視画像軌道設定における「横対角」の軌道では、注視画像軌道313が眼筋トレーニング領域314の対角方向に配置され、注視画像312が注視画像軌道313の端部間を瞬時に移動する(注視画像312を両端部で交互に瞬時に表示、非表示にする)挙動を繰り返し、さらに横方向にも複数回移動する。詳細には、注視画像軌道313の一端が眼筋トレーニング領域314の右下部にあり、他端が眼筋トレーニング領域314の左上部にある。そして、例えば、制御部10は、注視画像312の移動先が「右上」「右下」「左上」「左下」の順となるように注視画像軌道313の傾きを繰り返し変更することで、注視画像312を横方向と対角方向に移動させるように表示させる。また、上方向と下方向は逆であってもよく、左方向と右方向は逆であってもよい。
【0053】
注視画像軌道設定における「円運動」の軌道では、注視画像312が眼筋トレーニング領域314内を「∞」に類似した形状を描くように移動する(ループする)挙動を繰り返し、注視画像軌道313が注視画像312の軌跡として表示される。「∞」の形状は、その両側端部がそれぞれ眼筋トレーニング領域314の左右部に配置され、その上下端部が眼筋トレーニング領域314の上下部に配置される。さらに、注視画像312は、略半円を描くごとに移動しながら2度点滅する軌道を描く。また、2周目に入ると注視画像軌道313の色が変化し、3周目以降1周ごとに注視画像軌道313の色が変化する。なお、本実施例では注視画像312の軌道を「∞」に類似した形状としたが、円運動が含まれていれば形状は特に限定されず、例えば「8」に類似した形状であってもよい。
【0054】
注視画像軌道設定における「オートトレーニング」の軌道では、「縦」、「横」、「縦対角」、「横対角」、および「円運動」の内2つ以上を順に実行する。
【0055】
制御部10は、注視画像速度設定において受け付けた「高速」、「中速」、「低速」の速度設定に基づいて注視画像312の移動速度および表示時間を制御する。例えば、本実施例では、「高速」の場合では「縦」「横」「縦対角」「横対角」の注視画像軌道設定における注視画像312の1点における表示時間を0.2秒に制御し、「中速」の場合では0.3秒に制御し、「低速」の場合は0.5秒に制御する。なお、速度設定の段階はこの3段階に限らず複数の段階とすることができ、設定できる時間もこれに限らず適宜の時間とすることができる。この適宜の時間は、上限を1秒以下とすることができ、好ましくは1秒未満とすることができ、より好ましくは0.8秒以下とすることができ、0.5秒以下とすることが好適である。また、適宜の時間の下限は、0.05秒以上とすることができ、好ましくは0.1秒以上とすることができ、0.2秒以上とすることが好適である。
【0056】
制御部10は、注視画像312の移動を所定の回数繰り返すか、眼筋トレーニング画面を所定時間表示させるか、戻るアイコン311の選択を受け付けた場合、眼筋トレーニングモードを終了する(ステップS3)。
<視野拡大トレーニングモード>
【0057】
図8は、視野拡大トレーニング画面320の画面構成の例を示す説明図である。視野拡大トレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して注視させる視野拡大画像322を表示部14に表示させ、さらに視野拡大画像322と類似の形状で、かつ視野拡大画像322より大きい複数の拡大相似画像323a、323b、323cを一定の間隔ごとに1つずつ表示させるトレーニングモードである。
【0058】
視野拡大トレーニング画面320は、戻るアイコン321と、視野拡大画像322と、拡大相似画像323a(323b、323c)と、視野拡大トレーニング領域324を有している。
戻るアイコン321は、選択されると、制御部30がメニュー画面201を表示させる。
【0059】
視野拡大トレーニング領域324は、表示部14上に設定される領域である。視野拡大トレーニング領域324は、上端部が視野拡大トレーニング画面320における中央より上側に位置し、下端部が視野拡大トレーニング画面320における中央より下側に位置し、両側端部がそれぞれ視野拡大トレーニング画面320における中央より左右側に位置し、表示部14上において50%以上の面積を有する。本実施例における視野拡大トレーニング領域324は、上辺、下辺、および両側辺を有する長方形の領域である。
【0060】
視野拡大画像322は、視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示され、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される。本実施例では楕円形状または長方形を視野拡大画像322としたが、視野拡大画像322の形態および形状はこれに限定されず、例えば文字または数字とすることもでき、星型形状とすることもできる。また、視野拡大画像322は、複数の文字、数字、記号、および図形を組み合わせて構成することもできる。
【0061】
第1の拡大相似画像323aは、視野拡大画像322と相似であって、視野拡大画像322よりも大きい形状を有する。また、第1の拡大相似画像323aは、視野拡大画像322と中心点が同じとなるように視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示される。さらに、視野拡大画像322と相似であって、第1の拡大相似画像322aよりも大きい形状を有する第2の拡大相似画像323bが、視野拡大画像322と中心点が同じとなるように視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示されている。そして、視野拡大画像322と相似であって、第2の拡大相似画像322bよりもさらに大きい形状を有する第3の拡大相似画像323cが、視野拡大画像322と中心点が同じとなるように視野拡大トレーニング領域324内の1か所に表示される。
【0062】
図9は、速読学習支援端末1の制御部10が実行する視野拡大トレーニングプログラム112のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上の視野拡大トレーニング実行アイコン207が選択されると、視野拡大トレーニングモードに移行し、視野拡大トレーニングプログラム112を実行し、表示部14に視野拡大トレーニング画面320を表示し、視野拡大トレーニングデータ1153に基づいて視野拡大トレーニングを実行する。
【0063】
詳細に説明すると、まず制御部10は、視野拡大トレーニング領域324内に視野拡大画像データに基づいて視野拡大画像322を表示させる(ステップS11)。本実施例では、視野拡大画像322を楕円形状とした。
【0064】
続いて制御部10は、視野拡大トレーニング領域324内に拡大相似画像データに基づいて第1の拡大相似画像323aを表示させる。このとき、第1の拡大相似画像323aは、視野拡大画像322と中心点の位置が同じとなるよう表示される。制御部10は、さらに続けて第2の拡大相似画像323bと、第3の拡大相似画像323cを順に表示する。そして、第2の拡大相似画像323bおよび第3の拡大相似画像323cは、視野拡大画像322と中心点の位置が同じとなるよう表示される(ステップS12)。視野拡大画像322が表示されてから第1の拡大相似画像323aが表示されるまでの表示時間間隔、第1の拡大相似画像323aが表示されてから第2の拡大相似画像323bが表示されるまでの表示時間間隔、および第2の拡大相似画像323bが表示されてから第3の拡大相似画像323cが表示されるまでの表示時間間隔は、拡大相似画像表示間隔データに基づいて制御される。また、各表示時間間隔は、一定であることが好ましい。
【0065】
そして、制御部10は、拡大相似画像323a(323b、323c)を大きさが小さいものから1つずつ順番にすべて表示していく(ステップS13)。
【0066】
制御部10は、すべての拡大相似画像323a(323b、323c)が表示されるか、視野拡大画像322および拡大相似画像323a(323b、323c)の表示を所定の回数繰り返すか、視野拡大トレーニング画面を所定時間表示させるか、戻るアイコン321の選択を受け付けた場合、視野拡大トレーニングモードを終了する(ステップS14)。このとき、制御部10は、すべての拡大相似画像323a(323b、323c)を表示したあと、視野拡大画像322およびすべての拡大相似画像323a(323b、323c)を非表示にして、視野拡大画像322から順にもう1度表示させるループ処理を行ってもよい。また、表示し終わった視野拡大画像322およびすべての拡大相似画像323a(323b、323c)を非表示にして、形状および/または色を変更した視野拡大画像322および拡大相似画像323a(323b、323c)を順に表示させるループ処理を行ってもよい。
<認識力トレーニングモード>
【0067】
認識力トレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して複数の単語(速読対象)を表示部14に一瞬だけ表示させる動作を繰り返すトレーニングモードである。表示される複数の単語はひらがな、カタカナ、および漢字のいずれかからあらかじめ選択される。また、複数の単語が表示される行数や、表示される大きさについてもあらかじめ設定される。制御部10は、速読学習データ1151の速読対象表示時間データか、あらかじめ選択された表示時間に基づいて、単語を表示部14に表示させる時間を制御する。表示時間(画面の切替速度)は、例えば「高速(0.2秒)」、「中速(0.3秒)」、および「低速(0.5秒)」のいずれかとすることができる。
<ペースダウントレーニングモード>
【0068】
ペースダウントレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して文章(速読対象)を表示部14に一瞬だけ表示させる動作を繰り返すトレーニングモードである。表示される文章は、例えば物語の複数の文節で構成される。また、文章が表示される行数や、表示される文字の大きさや、文章が縦書きか横書きかについてもあらかじめ設定される。制御部10は、速読学習データ1151の速読対象表示時間データか、あらかじめ選択された表示時間に基づいて、文章を表示部14に表示させる時間を制御する。このとき、表示時間(画面の切替速度)は徐々に遅くなるように(1回の表示時間が長くなるように)変更し、制御される。また、表示時間変更の制御は、所定の表示回数ごとに行われてもよいし、ペースダウントレーニングを開始してからの経過時間で制御されてもよい。
<ペーストレーニングモード>
【0069】
ペーストレーニングモードは、速読学習支援端末1の使用者に対して文章(速読対象)を表示部14に一瞬だけ表示させる(固定表示)か、文章中の1部分のみを明るく表示させる(移動表示)か、行の両端に点を表示させる(2点表示)動作を繰り返すトレーニングモードである。表示される文章は、例えば物語の複数の文節で構成される。また、文章が表示される行数や、表示される文字の大きさや、文章が縦書きか横書きかについてもあらかじめ設定される。
【0070】
固定表示のモードでは、制御部10は、速読学習データ1151の速読対象表示時間データか、あらかじめ選択された表示時間に基づいて、単語を表示部14に表示させる時間を制御する。このとき、表示時間(画面の切替速度)は一定となるように制御される。表示時間は、例えば「超高速(0.1秒)」、「高速(0.2秒)」、「中速(0.3秒)」、および「低速(0.5秒)」のいずれかとすることができる。また、入力部13の入力(マウスのクリックなど)を受け付けて表示を切り替える「∞」とすることもできる。
【0071】
移動表示のモードでは、制御部10は、表示部14に表示した文章中の1部分のみを一瞬だけ明るく表示させる。そして、明るく表示していた1部分が暗くなると同時に、明るく表示していた1部分の文章上における次の1部分を一瞬だけ明るく表示させる。制御部10は、この動作を繰り返し、表示部14に表示した文章上の最後の1部分が暗くなったと同時か一瞬の後に、表示していた文章を非表示として、次の文章を表示させ、表示した文章の最初の1部分から再び一瞬だけ明るく表示させる処理を繰り返す。明るく表示する1部分は、いくつかの文節とすることが好ましく、2行から5行とすることが好ましい。
【0072】
2点表示のモードでは、制御部10は、表示部14に表示した文章の1行について、一方の端部にマークを表示させ、同じ行か異なる行の他端部にもマークを表示させる。そして、制御部10は、表示させた2つのマークを同じ速度で文章の進行方向(読み進める方向)に平行移動させる。このとき、表示させるマークは特に限定されず、例えば黒丸や星形状とすることができる。また、一方の端部と他端部のマークとは異なる形状であってもよいが、同一形状とすることが好ましい。
<クイズトレーニングモード>
【0073】
図10は、クイズトレーニング設定画面401の画面構成の例を示す説明図であり、図11Aは、文章問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Bは、文章問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図であり、図11Cは、ドッツ問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Dは、ドッツ問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図であり、図11Eは、同系問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Fは、同系問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図であり、図11Gは、見つけてみよう問題における問題文表示画面410の画面構成の例を示す説明図であり、図11Hは、見つけてみよう問題における解答入力受付画面420の画面構成の例を示す説明図である。なお、クイズトレーニングとは、速読対象である問題文を一瞬だけ表示部14に表示し、その問題に対する解答の入力を受け付けるトレーニングである。
【0074】
クイズトレーニング設定画面401は、トップ画面表示アイコン402と、問題数表示部403と、問題数選択部404と、問題種類選択部405と、問題文表示速度選択部406と、クイズトレーニング開始アイコン407を有している。
【0075】
トップ画面表示アイコン402は、選択されると、制御部30がクイズトレーニングモードを終了してメニュー画面201を表示させる。問題数表示部403は、問題数選択部404で選択された問題数を表示する。問題数選択部404では、クイズトレーニングモードにおいて出題される問題数(問題数設定)の選択を受け付ける。問題種類選択部405では、問題文の表示形式(問題文の種類、問題種類設定)の選択を受け付ける。また、問題文表示速度選択部406では、クイズトレーニングにおいて問題文が表示される時間(表示が切り替わる速度、問題文表示速度設定)の選択を受け付ける。クイズトレーニング開始アイコン407は、選択されると、制御部30が問題文表示画面を表示させる。
【0076】
問題数選択部404では、本実施例では、選択肢として「5問」、「10問」、「20問」の3つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つを初期の設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。また、本実施例では、問題数選択部404では3つの選択肢から1つの選択を受け付ける形態としたが、例えば入力欄の形態として自由に数字の入力を受け付けてもよいし、プルダウンの形態としてさらに多くの選択肢から選択を受け付けてもよい。
【0077】
問題種類選択部405では、本実施例では、選択肢として「文章問題」、「ドッツ」、「同系問題」、「見つけてみよう」の4つがあり、これらから1つ以上の選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つを初期の設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。また、本実施例では、問題数選択部404では4つの選択肢から1つ以上の選択を受け付ける形態としたが、例えばプルダウンの形態としてさらに多くの選択肢から選択を受け付けてもよい。
【0078】
問題文表示速度選択部406では、本実施例では、選択肢として「低速」、「中速」、「高速」、「最速」、「∞」の5つがあり、これらから1つの選択を受け付ける。このとき、例えば選択肢の内1つを初期の設定として、何も選択されない場合は初期の設定を選択されたものとすることができる。
【0079】
問題文表示画面410は、戻るアイコン411と、進行度表示部412と、問題文表示部413を有している。
戻るアイコン411は、選択されると、制御部30がクイズトレーニング設定画面401を表示させる。
【0080】
進行度表示部412は、全体の問題数と、全体の問題数に対して今表示している問題文が何問目であるかを表示する。本実施例では、「(現在の問題文が何問目であるか)/(全体の問題数)」の形態で表示されている。
【0081】
問題文表示部413は、速読対象である問題文を表示する。問題文の形式は、1以上の文章、複数行および複数列に配置された複数の丸(図形)、無作為な数字、文字、記号の羅列、複数行および複数列に配置された複数の数字といった、問題種類設定に対応した様々な形式とすることができる。また、問題文を文章として表示する場合、本実施例では最後の1文節を肯定文の文章としたが、最後の1文節を疑問文(質問)の文章としてもよい。
【0082】
解答入力受付画面420は、戻るアイコン421と、質問表示部422と、解答入力部423を有している。
戻るアイコン421は、選択されると、制御部30がクイズトレーニング設定画面401を表示させる。
【0083】
質問表示部422は、解答入力受付画面420の表示される直前に表示されていた問題文表示画面410において、問題文表示部413に表示された問題文に関連する質問を表示する。なお、問題文表示部413で表示された問題文が、数式または最後の1文節が疑問文の形式である場合、質問表示部422は表示されなくてもよい。
【0084】
解答入力部423は、質問表示部422で表示されている質問か、問題文表示部413で表示された問題文に対する解答の入力を受け付ける。本実施例では、5つの選択肢が表示され、その中から1つの選択を受け付ける。なお、解答の入力形態は選択肢に限定されず、例えば、テキスト入力欄を設けて解答を受け付けてもよい。
【0085】
ここで、問題種類設定の各設定における問題文および解答の表示内容について詳細に説明する。
「文章問題」では、図11Aに示すように、例えば、1つ以上の文節を含む文章が問題文(速読対象)として問題文表示部413に表示される。ここで表示される文章としては、例えば、類似した文の構成とした複数の文節を含むような、問題文として複数の出題形式が予想できる内容であることが好ましい。また、表示される文章は30文字以上であることが好ましい。そして、図11Bに示す様に、質問表示部422に表示される質問は、問題文について問う内容である。また、解答入力部423は、問題文中の単語を示す複数の選択肢から1つの選択を受け付ける。
【0086】
「ドッツ」では、図11Cに示すように、複数行および複数列に配置された複数の図形が問題文(速読対象)として問題文表示部413に表示される。本実施例では、10行×5列に配置された50個の丸が問題文として問題文表示部413に表示される。そして、表示されている50個の丸の内、一部が黒丸、その他が白丸として表示されている。そして、図11Dに示すように、質問表示部422に表示される質問は、黒丸または白丸の数か配置について問う内容である。また、解答入力部423は、黒丸または白丸の数を示す数字または位置を示す複数の選択肢から1つの選択を受け付ける。なお、本実施例では、表示される図形を丸とし、表示される数を50個としたが、図形の形状および数はこれに限定されず、例えば、図形を三角または四角とし、50個未満(例えば30個など)または50個より多く(例えば100個など)表示してもよい。
【0087】
「同系問題」では、図11Eに示すように、1列に並んだ複数の数字、文字、記号およびこれらの組み合わせが問題文として問題文表示部413に表示される。詳細には、複数桁の数字(数字の羅列)や、数字とアルファベットと記号の2つ以上が混ざった文字列が問題文表示部413に問題文(速読対象)として表示される。そして、図11Fに示すように、質問表示部422に表示される質問は、問題文として表示された文字列(数字列)と同じ文字列(数字列)の解答選択を指示する内容である。また、解答入力部423は、例えば問題文として表示された文字列(数字列)を1つだけ含む複数の選択肢から1つの選択を受け付ける内容である。
【0088】
「見つけてみよう」では、図11Gに示すように、複数行および複数列に配置された異なる文字、記号、または図形が問題文(速読対象)として問題文表示部413に表示される。本実施例では、1から5の数字の内異なる4つが左上、左下、右上、および右下に1つずつ問題文として表示される。そして、図11Hに示すように、質問表示部422に表示される質問は、問題文として表示されなかった1から5のいずれかの数字の解答を指示する内容である。また、解答入力部423は、1から5の数字がそれぞれ選択肢であって、これらから1つの選択を受け付ける。
【0089】
図13は、速読学習支援端末1の制御部30が実行する速読学習プログラム113の一例のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上のクイズトレーニング実行アイコン211が選択されると、クイズトレーニングモードに移行し、速読学習プログラム113を実行し、表示部14にクイズトレーニング設定画面401を表示し、問題数設定、問題種類設定、および問題文表示速度設定の設定入力を受け付けるクイズトレーニング設定受付ステップを実行する(ステップS21)。
【0090】
制御部10は、クイズトレーニング設定画面401の開始アイコン407が選択されると、問題文表示画面410を表示部14に表示させ、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題種類設定、問題文表示速度設定、および速読学習データ1151の速読対象データおよび質問データを抽出して、複数の質問が記憶されている質問データから所定のルールで選択した質問を表示部14に表示させ、問題文表示ステップを実行する(ステップS22)。ここでの所定のルールは、記憶されている順番、あるいはランダムなど、適宜のルールとすることができる。
【0091】
制御部10は、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題文表示速度設定から、対応した速読学習データ1151の速読対象表示時間データを抽出し、速読対象表示時間データの秒数だけ問題文表示画面410を表示させるように制御し、続けて、解答入力受付画面420を表示させて、解答入力を受け付ける(ステップS23)。
【0092】
制御部10は、受け付けた解答を、速読学習データ1151の解答データを参照して正誤判定を行う(ステップS24)。
【0093】
制御部10は、ステップS24で行った正誤判定の結果、受け付けた解答が正答であるか誤答であるかを表示部14に表示させる(ステップS25)。表示内容としては、例えば、正答の場合は表示部14上に大きく赤丸を表示させ、誤答の場合は大きく赤バツを表示させる形態とすることができる。
【0094】
その後、制御部10は、ステップS22からステップS25までの処理が、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題数設定の回数行われたかを判定し、行われていなければ、再び問題文表示ステップS22を実行する(ステップS26)。このとき、新たに問題文表示部413に表示される問題文は、クイズトレーニングモードを開始してから表示した問題文と、内容が異なる問題文である。また、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題種類設定の中から、対応するランダムな問題文を新たに表示する。例えば、問題種類設定において、「文章問題」と「ドッツ」が両方選択されている場合、表示される問題文は、「文章問題」か「ドッツ」のいずれかの問題文であり、どちらの問題が表示されるかは規則的またはランダムに決定される。
【0095】
制御部10は、ステップS22からステップS25までの処理が、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題数設定の回数行われたと判定した場合、クイズトレーニングモードを終了する。また、学習記録データ1155に記憶させる各データを、今回のトレーニング結果として表示部14に表示させてもよい。このステップS21~S25を繰り返すことで、設定された短時間での問題表示(標準的な読書速度で読み切れない短時間での問題表示)をしてすぐ解答を求め、解答するとすぐ次の問題が短時間で表示されてまたすぐ解答を求めるといった処理が繰り返される。
【0096】
ここで、問題文表示速度設定の各設定における、制御部10による問題文表示の制御について詳細に説明する。
制御部10は、問題文表示速度設定において受け付けた「最速」、「高速」、「中速」、「低速」の速度設定に基づいて問題文表示画面410の表示時間(切替速度)を制御する。例えば、本実施例では、「最速」の場合では表示時間を0.1秒に制御し、「高速」の場合では表示時間を0.2秒に制御し、「中速」の場合では0.3秒に制御し、「低速」の場合は0.5秒に制御する。なお、速度設定の段階はこの4段階に限らず複数の段階とすることができ、設定できる時間もこれに限らず適宜の時間とすることができる。この適宜の時間は、上限を1秒以下とすることができ、好ましくは1秒未満とすることができ、より好ましくは0.8秒以下とすることができ、0.5秒以下とすることが好適である。また、適宜の時間の下限は、0.05秒以上とすることができ、好ましくは0.7秒以上とすることができ、0.1秒以上とすることが好適である。
<学習データ記録モード>
【0097】
図13は、学習データ記録画面501の画面構成の例を示す説明図である。
学習データ記録画面501は、トップ画面表示アイコン502と、トレーニングデータ入力部503と、訓練前データ記録アイコン504と、初見文1データ記録アイコン505と、クイズトレーニングデータ記録アイコン506と、初見文2データ記録アイコン507と、訓練後データ記録アイコン508と、メモ記録アイコン509とを有している。
【0098】
制御部10は、メニュー画面201上の学習データ記録入力アイコン212が選択されると、学習データ記録画面501を表示部14に表示させる。トップ画面表示アイコン502が選択されると、制御部10は、メニュー画面201を表示させる。
【0099】
トレーニングデータ入力部503では、各アイコン(504、505、506、507、508、509)で選択されたデータについての入力を受け付ける。
訓練前データ記録アイコン504が選択されると、制御部10は、前回トレーニング時のデータの入力を受け付ける。受け付ける項目としては、例えば、速読対象の文章について速読可能であった文字数の入力を受け付ける。
【0100】
初見文1データ記録アイコン505または初見文2データ記録アイコン507が選択されると、今回の認識力トレーニング、ペースダウントレーニング、またはペーストレーニングで実行したトレーニングの内、記録するトレーニング結果の選択を受け付ける。
【0101】
クイズトレーニングデータ記録アイコン506が選択されると、今回のクイズトレーニングで実行したトレーニングの内、記録するトレーニング結果の選択を受け付ける。そして、制御部10は、ユーザのログアウト時に、学習記録データ1155に、選択されたクイズトレーニングを実行した日付、表示した(出題した)問題数、表示した(出題した)問題種類、表示した(出題した)問題文の表示時間(表示速度、画面の切替速度)、および全体の問題数に対して何問正答したか(正答率または誤答率)を記憶する。
【0102】
訓練後データ記録アイコン508が選択されると、制御部10は、今回のトレーニング時のデータの入力を受け付ける。受け付ける項目としては、例えば、速読対象の文章について速読可能であった文字数の入力を受け付ける。
【0103】
メモ記録アイコン509が選択されると、制御部10は、トレーニングデータ入力部503に、自由にテキスト入力を受け付けるメモ入力欄を表示させる。
<英語速読学習モード(英単語速読モード)>
【0104】
図14は、英語速読学習設定画面601の画面構成の例を示す説明図であり、図15Aは、英単語イメージ画像表示画面610の画面構成の例を示す説明図であり、図15Bは、英単語表示画面620の画面構成の例を示す説明図であり、図15Cは、英単語和訳表示画面630の画面構成の例を示す説明図である。
英語速読学習モード(英単語速読モード)は、英単語に関連するイメージ画像と、イメージ画像に対応した英単語と、英単語の日本語訳とを、それぞれ一瞬ずつ順番に表示させるトレーニングモードである。
【0105】
英語速読学習設定画面601は、詳細設定呼出アイコン602と、カテゴリー選択部603と、出題範囲選択部604と、英語速読学習開始アイコン605と、戻るアイコン606を有している。
【0106】
詳細設定呼出アイコン602が選択されると、英語速読学習の詳細な設定を受け付けるための詳細設定入力画面が表示される。詳細な設定としては、例えば、速読対象となる英単語のイメージ画像、英単語、および英単語の和訳のそれぞれにおける表示時間(表示の切り替え速度)を示す、英語速読表示時間の設定である。表示の切り替え速度としては、例えば、「fast」または「slоw」から選択される。
【0107】
カテゴリー選択部603では、表示する英単語の文法上のカテゴリーについて選択(カテゴリー設定)を受け付ける。本実施例では、「すべて」、「名詞」、「動詞」、「形容詞」、「接続詞」、「前置詞」、および「副詞」の内いずれか1つ以上の選択を受け付ける。
【0108】
出題範囲選択部604では、表示する英単語の出題範囲について選択(出題範囲設定)を受け付ける。本実施例では、20個ずつに区切られた主題範囲から1つ以上の選択を受け付ける。
【0109】
英語速読学習開始アイコン605は、選択されると、制御部30が英単語イメージ画像表示画面610を表示させる。また、戻るアイコン606は、選択されると、制御部30がメニュー画面201を表示させる。
【0110】
英単語イメージ画像表示画面610は、戻るアイコン611と、英単語イメージ画像表示部612を有している。
戻るアイコン611は、選択されると、制御部30が英語速読学習設定画面601を表示させる。
【0111】
英単語イメージ画像表示部612には、速読対象となる英単語イメージ画像が表示される。英単語イメージ画像としては、次の英単語表示画面620に表示される英単語に関連する(英単語を想起させる)英単語イメージ画像が表示される。例えば、次の英単語表示画面620に表示される英単語が「triangle」である場合、「いくつかの三角形が並んだ画像」が英単語イメージ画像として表示される。
【0112】
英単語表示画面620は、戻るアイコン621と、英単語表示部622を有している。
戻るアイコン621は、選択されると、制御部30が英語速読学習設定画面601を表示させる。
【0113】
英単語表示部622には、速読対象となる英単語が表示される。表示される英単語は、直前の英単語イメージ画像表示部612に表示された英単語イメージ画像と関連付けられた英単語である。例えば、直前の英単語イメージ画像表示部612に表示された英単語イメージ画像が「いくつかの三角形が並んだ画像」であった場合、英単語表示部622には、英単語として「triangle」が表示される。
【0114】
英単語和訳表示画面630は、戻るアイコン631と、英単語和訳表示部632を有している。
戻るアイコン621は、選択されると、制御部30が英語速読学習設定画面601を表示させる。
【0115】
英単語和訳表示部632には、速読対象となる英単語和訳が表示される。表示される英単語和訳は、直前の英単語表示部622に表示された英単語と関連付けられた英単語和訳である。例えば、直前の英単語表示部622に表示された英単語が「triangle」であった場合、英単語和訳表示部632には、英単語和訳として「三角形」が表示される。
【0116】
図16は、速読学習支援端末1の制御部30が実行する英語速読学習プログラム114のフロー図である。
制御部10は、メニュー画面201上の英語速読学習実行アイコン213が選択されると、英語速読学習モードに移行し、英語速読学習プログラム114を実行し、表示部14に英語速読学習設定画面601を表示し、カテゴリー設定および出題範囲設定の設定入力を受け付ける英語速読学習設定受付ステップを実行する(ステップS31)。
【0117】
制御部10は、英語速読学習設定画面601の英語速読学習開始アイコン605が選択されると、英語速読学習設定受付ステップで受け付けたカテゴリー設定と、出題範囲設定に対応した、英語速読学習データ1154に記憶されている英単語テキストデータの番号情報とタグを参照し、該当する英単語テキストデータと、関連付けられた英単語イメージ画像データおよび英単語和訳テキストデータを抽出する。そして、抽出した英単語イメージ画像データを英単語イメージ画像表示部612に張り付けた英単語イメージ画像表示画面610を、英語速読学習設定画面601で受け付けた表示時間の設定に対応した時間だけ表示部14に表示させ、英単語イメージ画像表示ステップを実行する(ステップS32)。このとき表示する英単語イメージは、英語速読学習データ1154に複数記憶されている英単語イメージの中から1つを所定のルールで選択したものである。所定のルールは、記憶されている順番、あるいはランダムなど、適宜のルールとすることができる。
【0118】
各表示時間の設定に対応した時間は、例えば、「fast」であれば0.2秒、「slow」であれば0.5秒とすることができる。なお、速度設定の段階はこの2段階に限らず複数の段階とすることができ、設定できる時間もこれに限らず適宜の時間とすることができる。この適宜の時間は、上限を1秒以下とすることができ、好ましくは1秒未満とすることができ、より好ましくは0.8秒以下とすることができ、0.5秒以下とすることが好適である。また、適宜の時間の下限は、0.05秒以上とすることができ、好ましくは0.1秒以上とすることができ、0.2秒以上とすることが好適である。
【0119】
続けて制御部10は、速読対象となる抽出した英単語テキストデータを英単語表示部622にテキストとして表示させた英単語表示画面620を、英語速読学習設定画面601で受け付けた表示時間の設定に対応した時間だけ表示部14に表示させ、英単語表示ステップを実行する(ステップS33)。
【0120】
続けて制御部10は、速読対象となる抽出した英単語和訳テキストデータを英単語和訳表示部632にテキストとして表示させた英単語和訳表示画面630を、英語速読学習設定画面601で受け付けた表示時間の設定に対応した時間だけ表示部14に表示させ、英単語和訳表示ステップを実行する(ステップS34)。なお、ステップS32、ステップS33、およびステップS34は、実行する順番が異なっていてもよい。すなわち、英単語イメージ画像表示画面610と、英単語表示画面620と、英単語和訳表示画面630は、どのような順番で表示されてもよい。ただし、英語速読学習モードの実行中は、順番が変更されないことが好ましい。また、英単語イメージ画像表示画面610と、英単語表示画面620と、英単語和訳表示画面630の表示する順番の設定を、英語速読学習設定画面601で受け付ける形態としてもよい。なお、ステップS32の英単語イメージ画像の表示時間、ステップS34の英単語の表示時間、およびステップS34の英単語和訳の表示時間はすべて同じとしたが、これに限らず、それぞれ異なる表示時間としてもよい。この場合も、それぞれの表示時間として設定できる時間は、上述した適宜の時間とすることが好ましい。
【0121】
その後、制御部10は、ステップS32からステップS34までの処理が、英語速読学習設定受付ステップ(ステップS31)で受け付けた出題範囲設定に該当する番号情報を有する英単語テキストデータのすべてについて行われたかを判定し、行われていなければ、再び英単語イメージ画像表示ステップS32を実行する(ステップS35)。このとき、新たに抽出する英単語テキストデータ、英単語イメージ画像データ、および英単語和訳データは、少なくとも直前で抽出した各データと異なるデータであって、好ましくは、英語速読学習モードを開始してから抽出した各データと異なるデータである。
【0122】
制御部10は、ステップS32からステップS34までの処理が、英語速読学習設定受付ステップ(ステップS31)で受け付けた出題範囲設定に該当する番号情報を有する英単語テキストデータのすべてについて行われたとき、英語速読学習モードを終了する。
【0123】
各トレーニングモードおよび各学習モードにおいて、制御部10は、表示する画面を切り替えるときや、表示した画面上で何らかの処理を実行するときに、そのことを示す音声を出力してもよい。ここでいう何らかの処理とは、例えば、眼筋トレーニング実行時に注視画像312を表示させる処理や、視野拡大トレーニング実行時に拡大相似画像323aを表示させる処理である。
【0124】
また、各トレーニングモードおよび各学習モードで設定される速読対象の表示時間(画面の切り替え速度)は、速読訓練であることから3秒以下に設定され、1秒以下に設定されることが好ましい。
【0125】
以上の構成により、速読学習の効率を高めることができる、速読学習支援端末1を提供することができる。
制御部10は、クイズトレーニングモードとして、1つ以上の文章で構成される速読対象(問題文)を表示部14に問題文表示画面410として表示させ、問題文表示速度選択部406で受け付けた表示時間だけ、速読対象を表示部14に表示させてから、問題文表示画面410を非表示にして解答入力受付画面420を表示させ、問題文に対する解答を受け付ける。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示された問題文において、質問の内容を予測し、文中のポイントを絞って速読を行うことができ、読むべきところを短時間でしっかりと読むことができる。すなわち、より実践的な日常生活で役に立つ速読の訓練を行うことができる。
そして、解答を入力させる構成であることにより、短時間で表示された問題文を知覚できたかどうか、意味を理解できたかどうかを確実に判別できる。したがって、速読が上達しているかどうかを、以前不正解だった問題が正解になった、正解数が増えたといった形で客観的かつ適切に把握できる。
しかも、問題文表示画面410での問題文の表示は、ユーザがクイズトレーニング開始アイコン407を押してすぐか、解答入力受付画面420で解答されて答えが表示された所定時間後に自動的に開始され、設定時間経過後に自動的に消える(別の画面に変わる)。このため、ユーザは、問題文表示画面410が自動的に表示されて消えるまでの間に何ら操作をする必要がなく、問題文の速読に集中することができる。
【0126】
また、制御部10は、クイズトレーニング実行後に、学習記録データ1155として、選択されたクイズトレーニングを実行した日付、表示した(出題した)問題数、表示した(出題した)問題種類、表示した(出題した)問題文の表示時間(表示速度、画面の切替速度)、および全体の問題数に対して何問正解したか(正答率または誤答率)を記憶し、学習データ記録画面501に表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、クイズトレーニングの正解数を知ることができる。
【0127】
また、制御部10は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される注視画像312を眼筋トレーニング領域314における1か所に表示し
、さらに注視画像312の表示位置を眼筋トレーニング領域314上で変更させ、変更前の位置から変更後の位置までの方向を示す軌道か、さらに次の変更先の表示位置までの注視画像軌道313を変更後の注視画像312とともに表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示された注視画像312がどのように移動するか、またはどの位置に表示位置が変更されるかを予測することができる。すなわち、各速読学習トレーニングを行う前に、眼筋トレーニングを行って注視画像312を眼で追うことによって、眼の準備運動を行うことができ、より効果的な速読学習トレーニングを行うことができる。
【0128】
また、制御部10は、文字、数字、記号、図形またはこれらの組み合わせで構成される視野拡大画像322を表示し、その後、視野拡大画像322と相似の形状で、かつ視野拡大画像322より大きい複数の拡大相似画像323a、323b、323cを、視野拡大画像322と中心点を一致させて小さいものから順に1つずつ表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示された視野拡大画像322を起点として、拡大相似画像323a、323b、323cが表示されていくごとに、視野の拡大を行うことができる。すなわち、各速読学習トレーニングを行う前に、視野拡大トレーニングを行って1つずつ順に表示される拡大相似画像323a、323b、323cを眼に入れるように視野を拡大することによって、眼の準備運動を行うことができ、より効果的な速読学習トレーニングを行うことができる。
【0129】
また、制御部10は、英単語に関連する英単語イメージ画像(英単語イメージ画像表示画面610)と、英単語(英単語表示画面620)と、英単語の和訳(英単語和訳表示画面630)を順に切り替えて表示する。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、表示される英単語および英単語の和訳について予測することができ、効率的な英語速読学習を行うことができる。また、速読学習支援端末1の使用者は、英単語および英単語の和訳について簡単にイメージすることができ、英語速読学習だけでなく、英語の暗記学習を行うこともできる。
【0130】
また、制御部10は、クイズトレーニング設定受付ステップ(ステップS21)で受け付けた問題種類設定の中から、対応するランダムな問題文を新たに表示する。例えば、問題種類設定において、「文章問題」と「ドッツ」が両方選択されている場合、表示される問題文は、「文章問題」か「ドッツ」のいずれかの問題文であり、どちらの問題が表示されるかは規則的またはランダムに決定される。この構成により、速読学習支援端末1の使用者は、一度の速読学習において、様々な表示形式の文字、記号、図形またはこれらの組み合わせについて速読の経験を積むことができる。すなわち、使用者は、様々な日常生活の場面において、より実践的に使用できる速読能力を短時間で効果的に身に着けることができる。
【0131】
また、従来であれば、助詞だけの単語や、文章中の切り文節が悪いテキストが表示されることがあり、このような単語やテキストが表示内容に混在すると、使用者の記憶が曖昧になったり、文章中において特にポイントとはならず、重要でないテキストを読む無駄が発生するため、速読学習としては学習効率が良いとは言えなかったといった課題についても、本願の方式であれば解決し得る。
【0132】
なお、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
本実施例では各プログラムおよび学習用データデータベースを、速読学習を行う使用者が使用する速読学習支援端末(速読学習支援装置)1に格納したが、これらの各プログラムと学習用データデータベースの一方または両方を、使用者が使用するクライアント端末と異なる速読学習支援サーバに格納してもよい。この場合、速読学習支援サーバは、少なくとも各プログラムおよび学習用データデータベースを格納する記憶手段と、クライアント端末とインターネットなどのネットワークを通じて通信する通信手段と、これらを制御する制御手段とを備える。そして、速読学習支援サーバは、ネットワークを通じてクライアント端末からの入力を受け付け、各プログラムの実行および学習記録データ1155の記憶や、ユーザデータ1156を使用したログイン認証処理を実行する。
【0133】
また、本実施例では、制御部10が、日本語の速読トレーニングと、英語の英語速読学習とを、同一のメニュー画面201(プラットフォーム)から選択を受け付けて実行する形態としたが、日本語の速読トレーニングと、英語の英語速読学習とを別のメニュー画面から選択を受け付けて実行してもよい。この場合、使用者は、日本語についての速読トレーニングと、英語の英語速読学習とをそれぞれ別の速読学習として行うことができ、使用者は、自身の目的に応じて日本語の速読トレーニングおよび英語の英語速読学習から適切なトレーニングまたは学習を容易に選択することができる。
【0134】
なお、この発明における表示時間設定手段は、問題文表示速度選択部406に対応し、以下同様に、
速読対象表示手段は、問題文表示画面410、問題文表示部413、およびステップS22を実行する制御部30に対応し、
速読対象表示切替手段は、ステップS22からステップS23を実行する制御部30に対応し、
解答要求画面表示手段は、解答入力受付画面420およびステップS23を実行する制御部30に対応し、
解答受付手段は、解答入力部423に対応し、
注視画像表示モード実行手段は、眼筋トレーニングプログラム111および眼筋トレーニングプログラム111を実行する制御部30に対応し、
視野拡大画像表示モード実行手段は、視野拡大トレーニングプログラム112および視野拡大トレーニングプログラム112を実行する制御部30に対応し、
表示間隔時間設定手段は、視野拡大トレーニングデータ1153に含まれる拡大相似画像表示間隔データに対応し、
英単語速読学習モード実行手段は、英語速読学習プログラム114および英語速読学習プログラム114を実行する制御部30に対応し、
英単語速読表示時間受付手段は、詳細設定呼出アイコン602が選択されると表示される英語速読学習の詳細な設定を受け付けるための詳細設定入力画面に対応しているが、この発明はこの実施形態に限られず、様々な態様とすることができる。
例えば、問題文表示速度選択部406や、詳細設定呼出アイコン602で表示される英語速読表示時間の設定において、速読訓練用ではなく内容確認用の時間設定も設定可能としてもよい。この場合、内容確認用の時間設定は、戻るボタンの押下等のアクションがあるまで表示を変更しない無限大設定や、表示された文字等を十分に読める時間(例えば10秒や30秒や1分や10分など、人の平均的な読み込み速度で十分に読める時間以上の時間)とする長時間設定など、十分に長い時間とすることができる。これにより、速読学習の初心者等が、最初にどのような動作が行われているのかをゆっくり確認することができ、早すぎて問題文が表示されているのか何が表示されているのかわからずクイズの趣旨さえも分からずに使用するといったことを防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0135】
この発明は、コンピュータを利用して速読学習の効率を高めるような産業に利用することができる。
【符号の説明】
【0136】
1…速読学習支援端末
10…制御部
11…記憶部
12…通信部
13…入力部
14…表示部
110…メニュープログラム
111…眼筋トレーニングプログラム
112…視野拡大トレーニングプログラム
113…速読学習プログラム
114…英語速読プログラム
115…学習用データデータベース