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▶ 小林 信次の特許一覧

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  • 特開-ポケット構造 図1
  • 特開-ポケット構造 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063749
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ポケット構造
(51)【国際特許分類】
   A41D 27/20 20060101AFI20230428BHJP
   A41D 27/00 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
A41D27/20 H
A41D27/00 A
A41D27/20 P
A41D27/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173739
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】510320070
【氏名又は名称】小林 信次
(74)【代理人】
【識別番号】100114764
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100178124
【弁理士】
【氏名又は名称】篠原 英樹
(72)【発明者】
【氏名】小林 信次
【テーマコード(参考)】
3B035
【Fターム(参考)】
3B035AA02
3B035AA16
3B035AB03
3B035AB11
3B035AC20
(57)【要約】
【課題】衣服やテントなどのアウトドア用品、スポーツ用品あるいは装飾用品などにおいて、生地に設けられたポケットを簡単かつ確実に開閉することができるポケット構造を提供することを目的とする。
【解決手段】生地10に設けられたポケットに関する構造であって、表側生地31と裏側生地32を有し、ポケットの表側生地31と裏側生地32の内側空間と外側空間を連通する開口部33が設けられたポケット30と、ポケット30の開口部33を強制的に開閉するファスナー40とを備える。ファスナー40によって、ポケット30の表側生地31が生地の平面方向に展開しながら開口部33を閉じる一方、ポケット30の表側生地31が生地10の垂直方向に湾曲しながら開口部33を開く。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生地に設けられたポケットに関する構造であって、
表側生地と裏側生地を有し、前記表側生地と前記裏側生地の内側空間と外側空間を連通する開口部が設けられたポケットと、
該ポケットの開口部を強制的に開閉する開閉機構とを備え、
前記開閉機構によって、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開くことを特徴とするポケット構造。
【請求項2】
前記開閉機構は、所定の方向に延びる一対のテープ部を備え、先端部から基端部にかけて一対の前記テープ部が次第に開くファスナーであって、
前記ファスナーは、先端部が前記ポケットの前記開口部の近傍位置に配置され、基端部が先端部に対して前記ポケットの前記開口部と反対側に配置されることによって、前記ポケットの開口部に交差する方向に設けられ、
前記ファスナーが開かれる際、前記ファスナーの一対の前記テープ部が次第に開くのに伴って、前記生地を介して前記ポケットの前記開口部における両側端部が互いに離間方向に次第に移動することにより、前記ポケットの前記表側生地または裏側生地が平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、
前記ファスナーが閉じられる際、前記ファスナーの一対の前記テープ部が閉じるのに伴って、前記生地を介して前記ポケットの前記開口部における両側端部が互いに近接方向に次第に移動することにより、前記生地を介して前記ポケットの前記表側生地または裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開く請求項1に記載のポケット構造。
【請求項3】
前記ファスナーは、先端部が前記ポケットの内側空間に配置されている請求項2に記載のポケット構造。
【請求項4】
前記ファスナーは、所定の方向に延びる一対のテープと、該一対のテープの内縁部に設けられた一対のエレメントと、該一対のエレメント上に移動可能に設けられたスライダーとを有する線ファスナーである請求項2または請求項3に記載のポケット構造。
【請求項5】
前記ポケットは、湾曲する前記表側生地または前記裏側生地の前記開口部における縁部に沿って弾性部材が設けられている請求項1から請求項4のいずれかに記載のポケット構造。
【請求項6】
前記開閉機構は、前記ポケットの前記開口部における縁部に沿って設けられた伸縮可能なアジャスタ機構であって、
前記アジャスタ機構が収縮された際、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記アジャスタ機構が伸長された際、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開く請求項1に記載のポケット構造。
【請求項7】
前記ポケットの前記裏側生地に通気部が設けられ、
前記開閉機構によって、 前記ポケットの前記表側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じることにより前記通気部が閉鎖される一方、前記ポケットの前記表側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開くことにより前記通気部が開放される請求項1から請求項6のいずれかに記載のポケット構造。
【請求項8】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のポケット構造が設けられたことを特徴とする衣服。
【請求項9】
請求項1から請求項7のいずれかに記載のポケット構造が設けられたことを特徴とするテント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生地に設けられたポケットを開閉するためのポケット構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、アウトドア用品、スポーツ用品あるいは装飾用品などにおいて、物を収容したり、あるいは外気と内気を換気することなどを目的として、生地にポケットが設けられたものを知られている。
【0003】
このポケットは、例えば衣服の生地において、表側生地と裏側生地を有し、表側生地と裏側生地の内側空間と外側空間を連通する開口部が設けられた構成となっている。これにより、ユーザは、衣服に設けられたポケットに物を収容したり(例えば、特許文献1参照)、ポケットの裏側生地に通気部を設けるなどして衣服の外気と内気を換気することができる(例えば、特許文献2参照)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録3231567号公報
【特許文献2】特開平8-284009号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザがポケットの物を収容する際、わざわざ指などを使ってポケットの開口部を開かなければならず些か煩わしい場合があり、特に手が不自由な障害者や高齢者にとっては決して無視できないものであった。
一方、ユーザがポケットを開いて換気する際、ポケットの表側生地が撓むことにより開口部がすぐに閉じてしまい、換気を継続することが難しい場合もあった。
【0006】
本発明は、上述の技術的背景に鑑みてなされたものであり、ポケットを簡単かつ確実に開閉することができるポケット構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、生地に設けられたポケットに関する構造であって、表側生地と裏側生地を有し、前記ポケットの前記表側生地と前記裏側生地の内側空間と外側空間を連通する開口部が設けられたポケットと、該ポケットの開口部を強制的に開閉する開閉機構とを備え、前記開閉機構によって、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開くことを特徴とする。
【0008】
これによれば、開閉機構によって、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開くため、ポケットを簡単かつ確実に開閉することができる。
【0009】
また、前記開閉機構は、所定の方向に延びる一対のテープ部を備え、先端部から基端部にかけて一対の前記テープ部が次第に開くファスナーであって、前記ファスナーは、先端部が前記ポケットの前記開口部の近傍位置に配置され、基端部が先端部に対して前記ポケットの前記開口部と反対側に配置されることによって、前記ポケットの開口部に交差する方向に設けられ、前記ファスナーが開かれる際、前記ファスナーの一対の前記テープ部が次第に開くのに伴って、前記生地を介して前記ポケットの前記開口部における両側端部が互いに離間方向に次第に移動することにより、前記ポケットの前記表側生地または裏側生地が平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記ファスナーが閉じられる際、前記ファスナーの一対の前記テープ部が閉じるのに伴って、前記生地を介して前記ポケットの前記開口部における両側端部が互いに近接方向に次第に移動することにより、前記ポケットの前記表側生地または裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開いてもよい。これによれば、ファスナーの開閉操作により、前記ポケットの前記開口部を簡単かつ確実に開閉することができる。
【0010】
また、前記ファスナーは、先端部が前記ポケットの内側空間に配置されてもよい。これによれば、ファスナーの開閉操作により、ポケットの開口部を大きく開閉することができる。
【0011】
また、前記ファスナーは、所定の方向に延びる一対のテープと、該一対のテープの内縁部に設けられた一対のエレメントと、該一対のエレメント上に移動可能に設けられたスライダーとを有する線ファスナーであってもよい。これによれば、線ファスナーのスライダによる開閉操作により、ポケットの開口部をより一層簡単かつ確実に開閉することができる。
【0012】
また、前記ポケットは、湾曲する前記表側生地または前記裏側生地の前記開口部における縁部に沿って弾性部材が設けられてもよい。これによれば、ポケットの開口部が開かれた際、弾性部材が弾性力に抗しながら湾曲することによってポケットの開口部を確実に開くことができる一方、ポケットの開口部が閉じられた際、弾性部材が弾性力により直線的に戻ることによってポケットの開口部を確実に閉じることができる。
【0013】
また、前記開閉機構は、前記ポケットの前記開口部における縁部に沿って設けられた伸縮可能なアジャスタ機構であって、前記アジャスタ機構が収縮された際、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記アジャスタ機構が伸長された際、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開いてもよい。これによれば、アジャスタ機構の伸縮操作により、ポケットの開口部を簡単かつ確実に開閉することができる。
【0014】
また、前記ポケットの前記裏側生地に通気部が設けられ、前記開閉機構によって、 前記ポケットの前記表側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じることにより前記通気部が閉鎖される一方、前記ポケットの前記表側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開くことにより前記通気部が開放されてもよい。これによれば、開閉機構によりポケットの表側生地を変形させる操作によって、ポケットの開口部が閉じて通気部が閉塞されると、内気と外気を簡単かつ確実に遮断することができる一方、ポケットの開口部が開いて通気部が開放されると、内気と外気を簡単かつ確実に換気することができる。
【0015】
本発明は、上記のポケット構造が設けられたことを特徴とする衣服である。
【0016】
本発明は、上記のポケット構造が設けられたことを特徴とするテントである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、開閉機構によって、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の平面方向に展開しながら前記開口部を閉じる一方、前記ポケットの前記表側生地または前記裏側生地が生地の垂直方向に湾曲しながら前記開口部を開くため、ポケットを簡単かつ確実に開閉することができる。
【0018】
また、前記ポケットの前記裏側生地に通気部が設けられた場合には、開閉機構によりポケットの表側生地を変形させる操作によって、ポケットの開口部が閉じて通気部が閉塞されると、内気と外気を簡単かつ確実に遮断することができる一方、ポケットの開口部が開いて通気部が開放されると、内気と外気を簡単かつ確実に換気することができる。このため、本ポケット構造を衣服やテント等に設けることにより、必要に応じて外気と内気を簡単かつ確実に換気することができ、使用者の快適性を持続させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施形態に係るポケット構造が設けられたアウターの正面図である。
図2図1のポケット構造の斜視図である。
図3図2の(a)A-A線による断面図、(b)B-B線による断面図である。
図4】本発明の第2の実施形態に係るポケット構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第1の実施形態>
次に、本発明に係るポケット構造の第1の実施形態について図1図3を参照しつつ説明する。なお、本明細書において、図2のX軸方向を長さ方向といい、図2のY軸方向を幅方向といい、図2のZ軸方向を外側方向という。
【0021】
このポケット構造1は、図1に示すように、アウトドア等に用いられるアウター100の肩部の下方に設けられ、アウター100の外側の外気と内側の内気を換気するためのベンチレーション構造として機能する。
【0022】
前記ポケット構造1は、外気と内気を仕切る生地10と、生地10に形成された通気部20と、通気部20を被覆するように生地10に設けられたポケット30と、ポケットを変形させる開閉機構としてのファスナー40を備えている。
【0023】
前記生地10は、例えば布状の表地と裏地の二層により構成される。表地は、ナイロン、ポリエステルなどで構成され、表面に防水コーティング処理が施されることにより高い防水性を有する。一方、裏地は、フリース、ウールなどで構成され、空気を多く吸収することにより高い保温性を有する。
【0024】
前記通気部20は、図2に示すように、生地10の平面方向に拡がる矩形状の開口孔である。この通気部20は、後述するポケット30の裏側生地32に設けられ、開放された状態においてアウター100の外気および内気を通過させることにより外気と内気を換気する一方、閉塞された状態においてアウター100の外気と内気を遮断する。
【0025】
前記ポケット30は、表側生地31と裏側生地32とから構成され、表側生地31と裏側生地32の縁部に開口部33が設けられている。
【0026】
具体的には、前記ポケット30は、生地10とは別体の表側生地31と、生地10に連設した裏側生地32とから構成され、表側生地31の幅方向の両側の縁部311、312が裏側生地32に固着されるとともに、表側生地31の長さ方向の一方側の縁部313が裏側生地32の表側に固着される一方、表側生地31の長さ方向の他方側の縁部314が裏側生地32に固着されていない。このため、ポケット30は、表側生地31の長さ方向の他方側の縁部314と裏側生地32との間に開口部33が設けられ、ポケットの内側空間(表側生地31と裏側生地32に囲まれる空間)と外側空間(表側生地31の外側の空間)を連設せしめる。
【0027】
また、前記ポケット30は、前記表側生地31の長さ方向の他方側の縁部314、つまり開口部33における縁部314に沿って、該縁部314の形状を保持するための弾性部材34が内部に設けられている。このため、ポケット30の開口部33が開かれた際、弾性部材34が弾性力に抗しながら湾曲することによってポケット30の開口部33を確実に開くことができる一方、ポケット30の開口部33が閉じられた際、弾性部材34が弾性力により直線的に戻ることによってポケット30の開口部33を確実に閉じることができる。
【0028】
前記ファスナー40は、ポケット30の開口部33を強制的に開閉させるための機構である。該ファスナー40は、長さ方向の延びる一対のテープ部41を備え、先端部40aから基端部40bにかけて一対の前記テープ部41が次第に開く線ファスナーであって、一対のテープ41a、41bと、該一対のテープ41a、41bの内縁部に設けられた一対のエレメント42a、42bと、該一対のエレメント42a、42b上に移動可能に設けられたスライダー43とを備え、一対のテープ41a、41bが生地10の表側に固着される。
【0029】
また、前記ファスナー40は、先端部40aが前記ポケット30の内側空間に配置され、基端部40bが先端部40aに対してポケット30の開口部33と反対側に配置されることによって、ポケット30の開口部33の幅方向に直交する方向(図1のX軸方向)に設けられている。
【0030】
また、前記ファスナー40は、図2(a)に示すように、生地10における一対のテープ部41同士の間の下方において、ファスナー40の開閉に応じて変形する下生地10aが設けられている。この下生地10aは、図3(a)に示すように、ファスナー40が開かれた状態において平面状に拡がる態様で幅方向に伸展する一方、図3(b)に示すように、ファスナー40が閉じられた状態において垂直方向に湾曲する態様で幅方向に収縮する。
【0031】
このため、図2(a)および図3(a)に示すように、ファスナー40の一対のテープ部41が次第に開かれると、生地10における一方のテープ41aが固着された部分と他方のテープ41aが固着された部分とが互いに離間するともに、生地10における下生地10aが平面状に拡がる態様で幅方向に伸展し、それに伴って生地10を介してポケット30の開口部33における幅方向の両側端部314a、314bが互いに離間方向に次第に移動することにより、ポケット30の表側生地31が生地10の平面方向に展開しながら開口部33を閉じる。
【0032】
一方、図2(b)および図3(b)に示すように、ファスナー40の一対のテープ部41が次第に閉じられると、生地10における一方のテープ41aが固着された部分と他方のテープ41aが固着された部分とが近接するとともに、生地10における下生地10aが垂直方向に湾曲する態様で幅方向に収縮し、それに伴って生地10を介してポケット30の開口部33における幅方向の両側端部314a、314bが互いに近接方向に次第に移動することにより、ポケット30の表側生地31が生地10の垂直方向に湾曲しながら開口部33を開く。
【0033】
これによれば、ファスナー40の開閉操作により、ポケット30の開口部33を簡単かつ確実に開閉することができる。また、前記ファスナー40は、先端部40aがポケット30の開口部33における内側に配置されているため、ファスナー40の開閉操作により、ポケット30の開口部33を大きく開閉することができる。
【0034】
而して、図2(a)および図3(a)に示すように、前記ファスナー40によって、ポケット30の表側生地31が生地10の平面方向に展開しながら開口部33を閉じることにより通気部20が閉塞される一方、図2(b)および図3(b)に示すように、ポケット30の表側生地31が生地10の垂直方向に湾曲しながら開口部33を開くことにより通気部20が開放される。これによれば、ファスナー40によりポケット30の表側生地31を変形させる操作によって、ポケット30の開口部33が閉じて通気部20が閉塞されると、内気と外気を簡単かつ確実に遮断することができる一方、ポケット30の開口部33が開いて通気部20が開放されると、内気と外気を簡単かつ確実に換気することができる。
【0035】
なお、本実施形態では、前記ファスナー40は、線ファスナーとしたが、これに限られず、面ファスナー、点ファスナーであってもよい。
【0036】
また、前記ファスナー40は、ポケット30の開口部33の幅方向に直交する方向に設けられているものとしたが、ポケット30の開口部33に交差する方向に設けられていればよい。
【0037】
また、前記ファスナー40は、先端部40aがポケット30の内側空間に配置されているものとしたが、ポケット30の外側空間に配置されてもよい。ただ、ファスナー40の開閉に応じてポケット30の開口部33が十分に開閉するように、ファスナー40の先端部40aがポケット30の開口部33の近傍位置に配置されるのが好ましい。
【0038】
また、前記ポケット30は、生地10に連設した裏側生地32に表側生地31が固着されるものしたが、生地10に連設した表側生地31に裏側生地32が固着されてもよい。あるいはまた、表側生地31と裏側生地32のいずれもが生地10に連設されており、互いに固着されてもよい。
【0039】
また、前記ポケット構造1は、アウター100に設けられるものとして説明したが、その他の衣服に設けられてもよい。あるいはまた、衣服に限られず、テントやカーテン等の居住スペースの仕切りなどに設けられてもよい。
【0040】
また、前記ポケット構造1は、通気部20を有するベンチレーション構造として説明したが、通気部20を有しない物を収容するだけの構造であってもよい。
【0041】
<第2の実施形態>
次に、本発明に係るポケット構造の第2の実施形態について図4を参照しつつ説明する。なお、以下では上記の実施形態と異なる構成についてのみ説明することとし、同一の構成については説明を省略して同一の符号を付すこととする。
【0042】
本実施形態では、開閉機構として合成樹脂製のアジャスター機構50が設けられている。このアジャスター機構50は、前記ポケット30の開口部33における縁部314に沿って表側生地31の内部に設けられており、幅方向に延びるベルト部51と、ベルト部51の先端部に設けられたスライダ52と、幅方向に延び、スライダ52に進退可能に挿入されるガイド部53とを備えている。
【0043】
前記ベルト部51は、図4に示すように、帯状部材であって、基端部が表側生地31の開口部33における幅方向の他方側の端部314bに固着されている。
【0044】
前記スライダ52は、直方形状部材であって、ガイド部53が挿入される貫通孔と、ガイド部53との係合解除用の押しボタンを備えている。該スライダ52は、貫通孔の内周面に凹凸を有し、後述するガイド部53の表面の凹凸と互いに係合する。
【0045】
前記ガイド部53は、表面に凹凸を有する帯状部材であって、基端部が表側生地31の開口部33における幅方向の一方側の端部314aに固着され、先端部がスライダ52の貫通孔に挿入されている。
【0046】
このため、前記アジャスタ機構50は、スライダ52の押しボタンが押されてスライダ52の凹凸とガイド部53の凹凸との係合が解除された後、ガイド部53に対してスライダ52をスライドさせることにより幅方向に伸縮することができる。
【0047】
これによれば、前記アジャスタ機構50は、図4(a)に示すように、アジャスタ機構50が収縮した際、ポケット30の表側生地31が直線状に変形することによりポケット30の開口部33を閉じる一方、図4(b)に示すように、前記アジャスタ機構50が伸長した際、ポケット30の表側生地31が湾曲することによりポケット30の開口部33を開く。このためアジャスタ機構50の伸縮操作により、ポケット30の開口部33を簡単かつ確実に開閉することができる。
【0048】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、本発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0049】
1…ポケット構造
10…生地
10a…下生地
20…通気部
30…ポケット
31…表側生地
311…幅方向の一方側の縁部
312…幅方向の他方側の縁部
313…長さ方向の一方側の縁部
314…長さ方向の他方側の縁部(開口部における縁部)
314a、314b…ポケットの開口部における両側端部
32…裏側生地
33…開口部
34…弾性部材
40…ファスナー(開閉機構)
40a…先端部
40b…基端部
41…一対のテープ部
41a…一方のテープ
41b…他方のテープ
42a…一方のエレメント
42b…他方のエレメント
43…スライダ
50…アジャスタ機構(開閉機構)
51…ベルト部
52…スライダ
53…ガイド部
図1
図2
図3
図4