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特開2023-63763印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システム
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  • 特開-印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システム 図1
  • 特開-印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システム 図2
  • 特開-印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063763
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20230428BHJP
【FI】
G06Q40/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173767
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】木暮 正行
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB13
(57)【要約】
【課題】登録印影画像を持ち出す場合であっても登録印影画像の外部流出のリスクを無くすことができるようにする。
【解決手段】印影表示端末は、表示部と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに含まれる登録印影画像データが記憶された印影画像データ記憶部と、登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信する送信部と、送信部により送信された顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる付加情報を印影管理サーバから受信する受信部と、受信部により受信された付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部に記憶された登録印影画像データが表す登録印影画像を表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに含まれる前記登録印影画像データが記憶された印影画像データ記憶部と、
前記登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信する送信部と、
前記送信部により送信された前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記付加情報に基づいて、前記印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備えることを特徴とする印影表示端末。
【請求項2】
前記表示部に前記登録印影画像が表示され、照合される印影との印影照合が行われた後に、前記受信部により受信された前記付加情報を削除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印影表示端末。
【請求項3】
前記受信部により受信された前記付加情報は暗号化されており、
前記表示制御部は、前記受信部により受信された前記付加情報を復号化し、復号化された前記付加情報に基づいて、前記印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を前記表示部に表示させる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印影表示端末。
【請求項4】
登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信し、
送信した前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信し、
受信した前記付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を表示部に表示させる、
ということを印影表示端末が行うことを特徴とする印影表示方法。
【請求項5】
登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信し、
送信した前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信し、
受信した前記付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を表示部に表示させる、
という処理をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項6】
各顧客についての、顧客識別情報と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルと、が関連付けられて記憶された印影画像ファイル記憶部と、
顧客識別情報を印影表示端末から受信する受信部と、
前記印影画像ファイル記憶部から、前記受信部により受信された前記顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる付加情報を取得する付加情報取得部と、
前記付加情報取得部により取得された前記付加情報を前記印影表示端末に送信する送信部と、
を備えることを特徴とする印影管理サーバ。
【請求項7】
印影表示端末と印影管理サーバとを含む印影表示システムであって、
前記印影表示端末は、
表示部と、
登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに含まれる前記登録印影画像データが記憶された印影画像データ記憶部と、
前記登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を前記印影管理サーバに送信する送信部と、
前記送信部により送信された前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信する受信部と、
前記受信部により受信された前記付加情報に基づいて、前記印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、
を備え、
前記印影管理サーバは、
各顧客についての、顧客識別情報と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルと、が関連付けられて記憶された印影画像ファイル記憶部と、
前記印影表示端末により送信された前記顧客識別情報を受信する受信部と、
前記印影画像ファイル記憶部から、前記受信部により受信された前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を取得する付加情報取得部と、
前記付加情報取得部により取得された前記付加情報を前記印影表示端末に送信する送信部と、
を備える、
ことを特徴とする印影表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、銀行等の金融機関の渉外員(或いは営業員等)は、客先での顧客との取引時であっても印影照合(印鑑照合)が可能になるように、客先へ出向く前に、金融機関の印鑑システム(例えば特許文献1参照)から顧客の登録印影画像(届出印の印影画像)を取得して、客先へ持ち出すようにしている。具体的には、金融機関の印鑑システムから、顧客の登録印影画像の画像ファイルを取得し、タブレット等のモバイル端末に格納して、客先に持ち出すようにしている。このとき、画像ファイルに含まれる画像データは、MMR(Modified Modified Read)等の形式で圧縮されており、画像ファイルは、暗号化等の技術が適用されることでセキュリティが高められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-285742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
モバイル端末に格納されて持ち出される登録印影画像の画像ファイルは、暗号化等の技術が適用されているものの、モバイル端末を紛失した場合やモバイル端末から不正に画像ファイルが抜き出された場合等において、さらに暗号化等の技術が解読されてしまうと、登録印影画像が外部流出する虞がある。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑み、登録印影画像を持ち出す場合であっても登録印影画像の外部流出のリスクを無くすことができる印影表示端末、印影表示方法、プログラム、印影管理サーバ、及び印影表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
装置の一観点は、表示部と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに含まれる前記登録印影画像データが記憶された印影画像データ記憶部と、前記登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信する送信部と、前記送信部により送信された前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信する受信部と、前記受信部により受信された前記付加情報に基づいて、前記印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える印影表示端末である。
【0007】
方法の一観点は、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信し、送信した前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信し、受信した前記付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を表示部に表示させる、ということを印影表示端末が行う印影表示方法である。
【0008】
プログラムの一観点は、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を印影管理サーバに送信し、送信した前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信し、受信した前記付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を表示部に表示させる、という処理をコンピュータに実行させるプログラムである。
【0009】
装置の他の一観点は、各顧客についての、顧客識別情報と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルと、が関連付けられて記憶された印影画像ファイル記憶部と、顧客識別情報を印影表示端末から受信する受信部と、前記印影画像ファイル記憶部から、前記受信部により受信された前記顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる付加情報を取得する付加情報取得部と、前記付加情報取得部により取得された前記付加情報を前記印影表示端末に送信する送信部と、を備える印影管理サーバである。
【0010】
システムの一観点は、印影表示端末と印影管理サーバとを含む印影表示システムであって、前記印影表示端末は、表示部と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルに含まれる前記登録印影画像データが記憶された印影画像データ記憶部と、前記登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を前記印影管理サーバに送信する送信部と、前記送信部により送信された前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を前記印影管理サーバから受信する受信部と、前記受信部により受信された前記付加情報に基づいて、前記印影画像データ記憶部に記憶された前記登録印影画像データが表す登録印影画像を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記印影管理サーバは、各顧客についての、顧客識別情報と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルと、が関連付けられて記憶された印影画像ファイル記憶部と、前記印影表示端末により送信された前記顧客識別情報を受信する受信部と、前記印影画像ファイル記憶部から、前記受信部により受信された前記顧客識別情報に関連付けられた前記登録印影画像ファイルに含まれる前記付加情報を取得する付加情報取得部と、前記付加情報取得部により取得された前記付加情報を前記印影表示端末に送信する送信部と、を備える、印影表示システムである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、登録印影画像を持ち出す場合であっても登録印影画像の外部流出のリスクを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】一実施の形態に係る印影表示システムの構成を例示する図である。
図2】登録印影画像表示処理の流れを例示するフローチャートである。
図3】コンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は、一実施の形態に係る印影表示システムの構成を例示する図である。
図1に例示した印影表示システム1は、印影表示端末2、印影管理サーバ3、及びネットワーク4を含む。印影表示端末2は、無線によりネットワーク4に接続され、印影管理サーバ3は、有線によりネットワーク4に接続されている。これにより、印影表示端末2と印影管理サーバ3は、ネットワーク4を介して、互いにデータ(信号、情報)の送受信が可能である。なお、印影表示端末2は、有線によりネットワーク4に接続されてもよく、印影管理サーバ3は、無線によりネットワーク4に接続されてもよい。ネットワーク4は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、及びインターネットのうちの1つ以上を含む。
【0014】
印影表示端末2は、例えば、タブレット等のモバイル端末(携帯型情報端末)であって、銀行等の金融機関の渉外員(或いは営業員等)により携帯される端末である。印影表示端末2は、印影画像データ記憶部21、入力部22、送信部23、受信部24、表示制御部25、及び表示部26を含む。
【0015】
印影画像データ記憶部21には、渉外員が客先での顧客との取引の際に行う印影照合(印鑑照合)時に使用する、顧客の登録印影画像(届出印の印影画像)の画像データ(以下「登録印影画像データ」という)が記憶される。ここで、登録印影画像データは、顧客の登録印影画像の画像ファイル(以下「登録印影画像ファイル」という)に含まれる画像データであり、登録印影画像ファイルの実データ部のデータに対応する。詳しくは、登録印影画像ファイルは、登録印影画像データと、当該登録印影画像データの表示に必要な付加情報とを含み、そのような登録印影画像ファイルに含まれるもののうちの登録印影画像データのみが、印影画像データ記憶部21に記憶される。従って、印影画像データ記憶部21に記憶された登録印影画像データのみからでは、表示に必要な付加情報が無いことから、登録印影画像データが表す登録印影画像を表示することができないようになっている。なお、登録印影画像ファイルに含まれる付加情報は、例えば、登録印影画像ファイルがTIFF(Tagged Image File Format)形式の画像ファイルである場合は、当該画像ファイルのファイルヘッダ部とIFD(Image File Directory)部のデータに対応する。IFD部のデータは、例えば、X画素数、Y画素数、階調、圧縮方式、イメージデータサイズ、解像度等のデータである。
【0016】
入力部22は、渉外員の入力操作に応じて各種の入力を行う。例えば、入力部22は、渉外員の入力操作に応じて、顧客の登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を入力する。顧客識別情報は、例えば、顧客の銀行口座番号や顧客識別番号等である。
【0017】
送信部23は、各種の送信を行う。例えば、送信部23は、入力部22により入力された顧客識別情報を印影管理サーバ3に送信する。
受信部24は、各種の受信を行う。例えば、受信部24は、送信部23により送信された顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる付加情報を印影管理サーバ3から受信する。
【0018】
表示制御部25は、表示部26の各種の表示制御を行う。例えば、表示制御部25は、受信部24により受信された付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部21に記憶された登録印影画像データが表す登録印影画像を表示部26に表示させる制御を行う。
表示部26は、各種の表示を行う。例えば、表示部26は、登録印影画像を表示する。
【0019】
印影管理サーバ3は、各顧客の登録印影画像の管理等を行うサーバである。印影管理サーバ3は、印影画像ファイル記憶部31、送信部32、受信部33、及び付加情報取得部34を含む。
【0020】
印影画像ファイル記憶部31には、各顧客についての、顧客識別情報と、登録印影画像データと当該登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報とを含む登録印影画像ファイルとが関連付けられて記憶されている。
【0021】
受信部33は、各種の受信を行う。例えば、受信部33は、印影表示端末2により送信された顧客識別情報を受信する。
付加情報取得部34は、印影画像ファイル記憶部31から、受信部33により受信された顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる付加情報を取得する。
送信部32は、各種の送信を行う。例えば、送信部32は、付加情報取得部34により取得された付加情報を印影表示端末2に送信する。
【0022】
このような構成の印影表示システム1では、渉外員が客先での顧客との取引の際に行う印影照合時において、図2を用いて説明する登録印影画像表示処理が行われる。但し、渉外員は、客先に出向く前に、顧客の登録印影画像データを印影管理サーバ3から取得して印影表示端末2の印影画像データ記憶部21に記憶しておくものとする。これは、例えば、渉外員が顧客の顧客識別情報を印影表示端末2に入力し、その顧客識別情報を印影表示端末2が印影管理サーバ3に送信し、その顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる登録印影画像データを印影管理サーバ3が印影画像ファイル記憶部31から取得して印影表示端末2に送信し、その登録印影画像データを印影表示端末2が印影画像データ記憶部21に記憶することで、行われてもよい。
【0023】
図2は、登録印影画像表示処理の流れを例示するフローチャートである。
図2に例示した登録印影画像表示処理が開始すると、印影表示端末2では、渉外員の入力操作に応じて顧客の登録印影画像ファイルに関連付けられた顧客識別情報を入力部22が入力すると(ステップS11)、その顧客識別情報を送信部23が印影管理サーバ3に送信する(ステップS12)。
【0024】
印影管理サーバ3では、その顧客識別情報を受信部33が受信すると(ステップS13)、その顧客識別情報に関連付けられた登録印影画像ファイルに含まれる付加情報を付加情報取得部34が印影画像ファイル記憶部31から取得し(ステップS14)、その付加情報を送信部32が印影表示端末2に送信する(ステップS15)。
【0025】
印影表示端末2では、その付加情報を受信部24が受信すると(ステップS16)、その付加情報に基づいて、印影画像データ記憶部21に記憶されている登録印影画像データが表す登録印影画像を表示制御部25が表示部26に表示させる(ステップS17)。これにより、表示部26には顧客の登録印影画像が表示されるので、渉外員は、照合される印影と登録印影との印影照合を行うことができる。
【0026】
そして、渉外員による印影照合が終了した後、印影表示端末2は、ステップS17で登録印影画像を表示するために使用した付加情報(ステップS16で受信した付加情報でもある)を、当該印影表示端末2上から削除する。これにより、顧客の登録印影画像の表示を可能にする付加情報は、印影照合の際のみに印影表示端末2上に存在することになるものの、それ以外では印影表示端末2上に存在しないようにさせることができる。
【0027】
以上のように、本実施形態によれば、客先での印影照合時に必要になる登録印影画像として、登録印影画像ファイルが印影表示端末2に記憶されて客先に持ち出されるのではなく、登録印影画像ファイルに含まれるもののうちの登録印影画像データのみが印影表示端末2に記憶されて客先に持ち出されるようになる。このため、印影表示端末2を紛失した場合や印影表示端末2から不正に登録印影画像データが抜き出された場合等であっても、その登録印影画像データが表す登録印影画像の表示に必要な付加情報が無いことから、登録印影画像の表示ができない。よって、登録印影画像の外部流出のリスクを無くすことができる。
【0028】
なお、本実施形態では、印影管理サーバ3が、付加情報取得部34により取得された付加情報を暗号化してから、それを送信部32が印影表示端末2に送信してもよい。この場合、印影表示端末2では、暗号化された付加情報を受信部24が受信すると、表示制御部25が、暗号化された付加情報を復号化し、復号化された付加情報に基づいて、登録印影画像を表示部26に表示させてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、登録印影画像データを印影表示端末2に記憶させた後は、その登録印影画像データがネットワーク4上を経由することが無いことから、そのような仕組みを、ネットワーク経由での登録印影検索(登録印鑑検索)に適用してもよい。これにより、登録印影検索時に登録印影画像(登録印影画像データ又は登録印影画像ファイル)がネットワーク上を経由しないようにすることもできる。
【0030】
また、本実施形態において、印影表示端末2や印影管理サーバ3は、図3に例示するハードウェア構成のコンピュータにより実現されてもよい。
図3は、コンピュータのハードウェア構成を例示する図である。
図3に例示したコンピュータ100は、プロセッサ101、メモリ102、入力装置103、出力装置104、記憶装置105、可搬型記憶媒体駆動装置106、及び通信インタフェース107を備え、その各々は、バス108に接続されて互いにデータの送受信が可能である。
【0031】
プロセッサ101は、CPU(Central Processing Unit)等であり、OS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムを実行することにより、各種の処理を行う。メモリ102は、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含む。RAMには、プロセッサ101が実行するプログラムの一部等が一時的に格納される。また、RAMは、プロセッサ101の作業用記憶領域としても使用される。ROMには、プロセッサ101が実行するプログラムやプログラムの実行に必要な各種データ等が記憶される。
【0032】
入力装置103は、入力を行う装置であり、キーボード、マウス、タッチパネル等である。出力装置104は、出力を行う装置であり、液晶ディスプレイ等である。
【0033】
記憶装置105は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等である。可搬型記憶媒体駆動装置106は、可搬型記憶媒体106aを駆動し、その記憶内容にアクセスしてデータの読み出しや書き込み等を行う。可搬型記憶媒体106aは、メモリデバイス、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク等であり、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等も含まれる。
【0034】
通信インタフェース107は、有線又は無線によりネットワーク4に接続され、当該ネットワーク4に接続された外部装置との間で通信を行うためのインタフェースである。
【0035】
このようなコンピュータ100において、プロセッサ101が実行するプログラムやプログラムの実行に必要な各種データは、メモリ102に限らず、記憶装置105や可搬型記憶媒体106aに記憶されてもよい。また、プロセッサ101が実行するプログラムやプログラムの実行に必要な各種データは、外部装置からネットワーク4を介して、メモリ102、記憶装置105、及び可搬型記憶媒体106aのうちの1つ以上に記憶されてもよい。
【0036】
また、コンピュータ100は、図3に例示したものに限らず、図3に例示した各構成要素を1つ又は複数備えて構成されてもよいし、一部の構成要素を備えずに構成されてもよい。例えば、コンピュータ100は、1つのプロセッサ101に限らず、複数のプロセッサを備えてもよい。また、印影管理サーバ3としてのコンピュータ100は、入力装置103及び出力装置104を備えていなくてもよい。
【0037】
また、コンピュータ100は、マイクロプロセッサ、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよい。例えば、プロセッサ101は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0038】
印影表示端末2がコンピュータ100により実現された場合、例えば、印影画像データ記憶部21は、メモリ102、記憶装置105、及び可搬型記憶媒体106aのうちの1つ以上に対応し、入力部22は、入力装置103に対応し、送信部23及び受信部24は、通信インタフェース107に対応し、表示制御部25は、プロセッサ101に対応し、表示部26は、出力装置104に対応する。
【0039】
印影管理サーバ3がコンピュータ100により実現された場合、例えば、印影画像ファイル記憶部31は、メモリ102、記憶装置105、及び可搬型記憶媒体106aのうちの1つ以上に対応し、送信部32及び受信部33は、通信インタフェース107に対応し、付加情報取得部34は、プロセッサ101に対応する。
【0040】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は、上述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 印影表示システム
2 印影表示端末
3 印影管理サーバ
4 ネットワーク
21 印影画像データ記憶部
22 入力部
23 送信部
24 受信部
25 表示制御部
26 表示部
31 印影画像ファイル記憶部
32 送信部
33 受信部
34 付加情報取得部
100 コンピュータ
101 プロセッサ
102 メモリ
103 入力装置
104 出力装置
105 記憶装置
106 可搬型記憶媒体駆動装置
106a 可搬型記憶媒体
107 通信インタフェース
108 バス
図1
図2
図3