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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063869
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】クロック信号生成回路
(51)【国際特許分類】
   H03M 3/02 20060101AFI20230428BHJP
   G06F 1/06 20060101ALI20230428BHJP
   H03M 1/12 20060101ALN20230428BHJP
【FI】
H03M3/02
G06F1/06 520
H03M1/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173922
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520124752
【氏名又は名称】株式会社ミライズテクノロジーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】和田 祥太郎
(72)【発明者】
【氏名】根塚 智裕
【テーマコード(参考)】
5J022
5J064
【Fターム(参考)】
5J022AA00
5J022CA07
5J022CE01
5J022CF02
5J022CF07
5J064BA03
5J064BC11
5J064BC19
5J064BC24
(57)【要約】
【課題】スイッチドキャパシタ信号とチョッピング信号とについて、両者のON/OFFタイミングの順序を保証できるようにクロック信号を生成できるクロック信号生成回路を提供する。
【解決手段】スイッチドキャパシタシステム1において、第1、第2同期クロック回路4(1、2)は、それぞれADC動作周波数信号、チョッピング周波数信号をマスタクロックにより同期させたクロック信号を生成する。ON/OFFエッジ生成器6は、ADC動作周波数信号を遅延させて複数のライズ及びフォールエッジ信号を生成する。クロック生成器7で生成されるスイッチドキャパシタ用信号は、その周波数が第1同期クロック回路4(1)により、そのライズ及びフォールエッジがON/OFFエッジ生成器6により規定される。クロック生成器8で生成されるチョッピング用信号は、その周波数が第2同期クロック回路4(2)により、そのライズ及びフォールエッジがON/OFFエッジ生成器6により規定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号をチョッピングするチョッピング機能部(CSW1、CSW2、CSW3、CSW4、CSW5)を備えたスイッチトキャパシタ回路(2)に対し、各部を駆動するためのクロック信号を生成するクロック信号生成回路であって、
第1動作周波数信号をマスタクロックにより同期させた第1同期クロック信号を生成する第1同期クロック回路(4(1))と、
第2動作周波数信号をマスタクロックにより同期させた第2同期クロック信号を生成する第2同期クロック回路(4(2))と、
前記第1同期クロック信号を遅延させることで、1つ以上のライズ及びフォールエッジ信号を生成するエッジ信号生成回路(6)と、
主に前記スイッチトキャパシタ回路を駆動するための第1クロック信号群を生成する第1クロック生成器(7)と、
前記チョッピング機能部を駆動するための第2クロック信号群を生成する第2クロック生成器とを備えるクロック信号生成回路(8)とを備え、
前記第1クロック信号群は、その周波数が前記第1同期クロック回路により規定され、そのライズ及びフォールエッジが前記エッジ信号生成回路により規定されて出力され、
前記第2クロック信号群は、その周波数が前記第2同期クロック回路により規定され、そのライズ及びフォールエッジが前記エッジ信号生成回路により規定されて出力されるクロック信号生成回路。
【請求項2】
前記エッジ信号生成回路は、前記第1同期クロック信号を所定の位相量だけ移相した1つ以上の移相クロック信号も用いて、前記ライズ及びフォールエッジ信号を生成する請求項1記載のクロック信号生成回路。
【請求項3】
信号をチョッピングするチョッピング機能部(CSW1、CSW2、CSW3、CSW4、CSW5)を備えたスイッチトキャパシタ回路(2)に対し、各部を駆動するためのクロック信号を生成するクロック信号生成回路であって、
第1動作周波数信号をマスタクロックにより同期させた第1同期クロック信号を生成する第1同期クロック回路(4(1))と、
第2動作周波数信号をマスタクロックにより同期させた第2同期クロック信号を生成する第2同期クロック回路(4(2))と、
前記第2同期クロック信号を遅延させることで、1つ以上のライズ及びフォールエッジ信号を生成するエッジ信号生成回路(6)と、
主に前記スイッチトキャパシタ回路を駆動するための第1クロック信号群を生成する第1クロック生成器(7)と、
前記チョッピング機能部を駆動するための第2クロック信号群を生成する第2クロック生成器(8)とを備え、
前記第1クロック信号群は、その周波数が前記第1同期クロック回路により規定され、そのライズ及びフォールエッジが前記エッジ信号生成回路により規定されて出力され、
前記第2クロック信号群は、その周波数が前記第2同期クロック回路により規定され、そのライズ及びフォールエッジが前記エッジ信号生成回路により規定されて出力されるクロック信号生成回路。
【請求項4】
前記エッジ信号生成回路は、前記第2同期クロック信号を所定の位相量だけ移相した1つ以上の移相クロック信号も用いて、前記ライズ及びフォールエッジ信号を生成する請求項3記載のクロック信号生成回路。
【請求項5】
前記チョッピング機能部(CSW1、CSW2)は、前記スイッチトキャパシタ回路を構成するオペアンプの入力端子側及び出力端子側に配置されている請求項1から4の何れか一項に記載のクロック信号生成回路。
【請求項6】
前記チョッピング機能部(CSW1~CSW5)は、前記スイッチトキャパシタ回路を構成する入力コンデンサの入力側,前記スイッチトキャパシタ回路を構成するオペアンプの帰還コンデンサの両端,及び前記オペアンプの出力端子の後段に配置されている請求項1から4の何れか一項に記載のクロック信号生成回路。
【請求項7】
前記チョッピング機能部(CSW1、CSW2)は、前記スイッチトキャパシタ回路に基準電圧を付与する基準電圧回路を構成するオペアンプの入力端子側及び出力端子側に配置されている請求項1から4の何れか一項に記載のクロック信号生成回路。
【請求項8】
前記第2動作周波数信号は、前記第1動作周波数信号を整数分周して生成する請求項1から7の何れか一項に記載のクロック信号生成回路。
【請求項9】
外部クロック信号又は前記マスタクロック信号を分周して、前記第1動作周波数信号及び前記第2動作周波数信号を生成する分周回路(3、5)を備える請求項1から7の何れか一項に記載のクロック信号生成回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号をチョッピングする機能を備えたスイッチトキャパシタ回路に供給するクロック信号を生成する回路に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば非特許文献1には、図10に示すように、スイッチドキャパシタ回路を用いたΔΣ型のA/D変換器において、オフセット電圧を低減させるためチョッピングを行う構成が開示されている。A/D変換器の内部にもスイッチがあることから、その内部スイッチをON/OFFするタイミング信号と、チョッピング用スイッチをON/OFFするタイミング信号とをマージすることで、内部スイッチとチョッピング用スイッチとをマージする構成も開示されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】L. Xu, J. H. Huijsing and K. A. A. Makinwa, "A ±4-A High-Side Current Sensor With 0.9% Gain Error From ?40 °C to 85 °C Using an Analog Temperature Compensation Technique," in IEEE Journal of Solid-State Circuits, vol. 53, no. 12, pp. 3368-3376, Dec. 2018.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に開示されている構成では、同一のエッジを生成する回路からそれぞれの信号を作成していないため、スイッチドキャパシタにおけるON/OFFタイミングと、チョッピング信号のON/OFFタイミングが前後する可能性があり、両者のON/OFFタイミングの順序が保証されない。ΔΣ型のA/D変換器を構成する際に、両者のON/OFFタイミングが前後すると、A/D変換器の出力誤差に影響してしまう。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、スイッチドキャパシタ信号とチョッピング信号とについて、両者のON/OFFタイミングの順序を保証できるようにクロック信号を生成できるクロック信号生成回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のクロック信号生成回路によれば、第1、第2同期クロック回路は、それぞれ第1、第2動作周波数信号をマスタクロックにより同期させた第1、第2同期クロック信号を生成する。エッジ信号生成回路は、第1同期クロック信号を遅延させることで、1つ以上のライズ及びフォールエッジ信号を生成する。第1クロック生成器で生成される第1クロック信号群は、その周波数記第1同期クロック回路により規定され、そのライズ及びフォールエッジがエッジ信号生成回路により規定される。また、第2クロック生成器で生成される第2クロック信号群は、その周波数が第2同期クロック回路により規定され、そのライズ及びフォールエッジがエッジ信号生成回路により規定される。
【0007】
このように構成すれば、主にスイッチトキャパシタ回路を駆動するための第1クロック信号群と、チョッピング機能部を駆動するための第2クロック信号群とは、それぞれの周波数が第1、第2同期クロック回路により個別に規定されるので、各周波数を柔軟に設定できる。そして、第1、第2クロック信号群のライズ及びフォールエッジは、何れもエッジ信号生成回路により規定されるので、両信号群のエッジタイミングは、ライズ及びフォールエッジ信号に合わせて同期させることができる。
【0008】
また、請求項3記載のクロック信号生成回路によれば、エッジ信号生成回路が、第2同期クロック信号を遅延させることで、1つ以上のライズ及びフォールエッジ信号を生成する点を除いて、請求項1記載のクロック信号生成回路と同様である。したがって、請求項1と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1実施形態において、スイッチドキャパシタシステムの構成を示す機能ブロック図
図2】スイッチドキャパシタ回路を示す図
図3】各部の信号波形を示すタイミングチャート
図4】スイッチドキャパシタ回路に供給される各スイッチのON/OFF制御信号の波形を示すタイミングチャート
図5】第2実施形態において、スイッチドキャパシタシステムの構成を示す機能ブロック図
図6】各部の信号波形を示すタイミングチャート
図7】第3実施形態において、スイッチドキャパシタシステムの一部の構成を示す機能ブロック図
図8】チョッピング機能部の配置のバリエーションである第4実施形態を示す図
図9】チョッピング機能部の配置のバリエーションである第5実施形態を示す図
図10】従来技術を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
図1及び図2に示すように、本実施形態のスイッチドキャパシタシステム1は、チョッピング機能部を備えたスイッチトキャパシタ回路2に対して、各部を駆動するためのクロック信号を生成して供給する構成である。スイッチトキャパシタ回路2は、例えばΔΣA/D変換器を構成するために適用される。ΔΣA/D変換器の動作の詳細については、例えば特許第6753330号等に記載されている。
【0011】
スイッチトキャパシタ回路2を構成するオペアンプOPの出力端子は、積分容量Cfを介してオペアンプOPの反転入力端子に接続されている。オペアンプOPの非反転入力端子はグランドに接続されている。サンプリング容量Csの一端は、スイッチSS1を介してアナログ信号Vinの入力端子に接続されていると共に、スイッチSS2を介してグランドに接続されている。サンプリング容量Csの他端は、スイッチSS3を介してグランドに接続されていると共に、スイッチSS4を介してオペアンプOPの反転入力端子に接続されている。
【0012】
DACは、D/A変換器として動作するための参照電圧を示している。DAC容量Cdの一端には、スイッチSD1を介してDACが印加され、DAC容量Cdの他端は、サンプリング容量CsとスイッチSS4との共通接続点に接続されている。チョッピング機能部であるチョッピング用スイッチCSW1は、オペアンプOPの入力端子側に配置されており、チョッピング用スイッチCSW2は、オペアンプOPの出力端子側に配置されている。
【0013】
マスタクロック信号は、第1分周期生成回路3及び同期回路4に入力されている。第1分周期生成回路3において分周されたクロック信号は、スイッチトキャパシタ回路2において、ΔΣA/D変換器の動作に必要な周波数のクロック信号となる(図3(1)、(2)参照)。以下、A/D変換器の動作を「ADC動作」と称する。また、ADC動作に必要な周波数のクロック信号を、ADC動作周波数信号と称する。ADC動作周波数信号は、第1動作周波数信号である。
【0014】
ADC動作周波数信号は、同期回路4及び第2分周期生成回路5に入力されている。第2分周期生成回路5において分周されたクロック信号は、スイッチトキャパシタ回路2において、チョッピング動作に必要な周波数のクロック信号となる(図3(3)参照)。このクロック信号を、チョッピング周波数信号と称する。チョッピング周波数信号も、同期回路4に入力されている。チョッピング周波数信号は、第2動作周波数信号である。
【0015】
同期回路4は、ADC動作周波数信号及びチョッピング周波数信号を、それぞれマスタクロック信号に同期させて出力する(図3(4)、(5)参照)。同期されたADC動作周波数信号は、ON/OFFエッジ生成器6及びスイッチトキャパシタ用クロック生成器7に入力され、同期させたチョッピング周波数信号は、チョッピング用クロック生成器8に入力されている。
【0016】
尚、同期回路4は実際には2分されており、ADC動作周波数信号を同期させる側が第1クロック同期回路4(1)、チョッピング周波数信号を同期させる側が第2クロック同期回路4(2)となっている。そして、マスタクロック信号に同期させたADC動作周波数信号は第1同期クロック信号であり、マスタクロック信号に同期させたチョッピング周波数信号は第2同期クロック信号である。
【0017】
エッジ信号生成回路であるON/OFFエッジ生成器6は、入力されたADC動作周波数信号をそのまま出力すると共に、当該信号を段階的に遅延させた信号をON/OFFエッジ信号として(図3(6)参照)、それぞれが第1クロック生成器及び第2クロック生成器である、スイッチトキャパシタ用クロック生成器7及びチョッピング用クロック生成器8に出力する。これらのクロック生成器7及び8では、それぞれスイッチトキャパシタ回路2を動作させるための信号と、チョッピング機能部を動作させるための信号とが生成されて(図3(7)、(8)参照)スイッチトキャパシタ回路2に供給される。
【0018】
図4に示すスイッチトキャパシタ用信号(7)のΦ1、Φ1d、Φ2、Φ2dは、それぞれスイッチSS3、SS1、SS4、SD1のON/OFFを制御する信号であり、第1クロック信号群に相当する。また、同図に示すチョッピング用信号(8)は、チョッピング用スイッチCSW1、CSW2のON/OFFを制御する信号であり、第2クロック信号群に相当する。
【0019】
以上のように本実施形態によれば、スイッチドキャパシタシステム1において、第1同期クロック回路4(1)、第2同期クロック回路4(2)は、それぞれADC動作周波数信号、チョッピング周波数信号をマスタクロックにより同期させたクロック信号を生成する。ON/OFFエッジ生成器6は、ADC動作周波数信号を遅延させることで、複数のライズ及びフォールエッジ信号を生成する。スイッチドキャパシタ用クロック生成器7で生成されるスイッチドキャパシタ用信号は、その周波数が第1同期クロック回路4(1)により規定され、そのライズ及びフォールエッジがON/OFFエッジ生成器6により規定される。また、チョッピング用クロック生成器8で生成されるチョッピング用信号は、その周波数が第2同期クロック回路4(2)により規定され、そのライズ及びフォールエッジがON/OFFエッジ生成器6により規定される。
【0020】
このように構成すれば、スイッチトキャパシタ回路2を駆動するためのスイッチドキャパシタ用信号と、チョッピング用スイッチCSW1、CSW2を駆動するためのチョッピング用信号とは、それぞれの周波数が第1、第2同期クロック回路により個別に規定されるので、各周波数を柔軟に設定できる。そして、スイッチドキャパシタ用信号及びチョッピング用信号のライズ及びフォールエッジは、何れもON/OFFエッジ生成器6により規定されるので、両信号のエッジタイミングは、ライズ及びフォールエッジ信号に合わせて同期させることができる。
そして、上記のように両信号のエッジタイミングを同期させることで、スイッチドキャパシタ用信号とチョッピング用信号とのON/OFFタイミングの順序が所期通りとなるので、A/D変換動作を正しく行うことが可能になる。
【0021】
(第2実施形態)
以下、第1実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分について説明する。図5に示す第2実施形態のスイッチドキャパシタシステム11は、同期回路4とクロック生成器7及び8との間におけるON/OFFエッジ生成器6の配置が、スイッチドキャパシタシステム1とは相違している。すなわち、同期回路4(1)において同期されたADC動作周波数信号は、直接スイッチトキャパシタ用クロック生成器7に入力されている。そして、同期回路4(2)において同期されたチョッピング周波数信号は、ON/OFFエッジ生成器6及びチョッピング用クロック生成器8に入力されている。
【0022】
これにより、図6に示すように、ON/OFFエッジ生成器6が出力するON/OFFエッジ信号(6)は、チョッピング周波数信号及び当該信号を段階的に遅延させた信号となっている。以上のように構成される第2実施形態による場合も、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0023】
(第3実施形態)
第1実施形態では、ADC動作周波数信号は、第2分周期生成回路5がADC動作周波数信号を分周することでチョッピング周波数信号を生成したが、図7に示す第3実施形態では、第2分周期生成回路5がマスタクロック信号を分周してチョッピング周波数信号を生成する。
【0024】
(第4実施形態)
第4実施形態は、スイッチドキャパシタ回路におけるチョッピング機能部の配置のバリエーションを示す。図8に示すスイッチドキャパシタシステム12では、DACとDAC容量Cdとの間にチョッピング用スイッチCSW1を配置し、入力電圧Vinとサンプリング容量Csとの間にチョッピング用スイッチCSW2を配置している。更に、積分容量Cfの両端に、チョッピング用スイッチCSW3及びCSW4を配置し、オペアンプOPの出力端子に、チョッピング用スイッチCSW5を配置している。
【0025】
(第5実施形態)
図9に示す第5実施形態も、第4実施形態と同様に、チョッピング機能部の配置のバリエーションを示す。第5実施形態のスイッチドキャパシタシステム13では、参照電圧DACを、バンドギャップ基準電圧回路14により生成している。電源とグランドとの間には、電流源15、抵抗素子R1及びR2、ダイオードD1の直列回路が接続されている。また、その直列回路には、抵抗素子R3及びダイオードD2の直列回路が並列に接続されている。
【0026】
ここで、スイッチドキャパシタ回路2を構成するオペアンプをOP1とし、基準電圧回路14に使用されるオペアンプをOP2とする。抵抗素子R1及びR2の共通接続点は、オペアンプOP2の反転入力端子に接続されており、ダイオードD2のアノードは、オペアンプOP2の非反転入力端子に接続されている。オペアンプOP2の出力端子は、抵抗素子R1及びR3の共通接続点に接続されていると共に、参照電圧DACを供給する端子となる。そして、チョッピング用スイッチCSW1、CSW2は、オペアンプOP1に替えて、オペアンプOP2の入力端子側と出力端子側とにそれぞれ配置されている。
【0027】
(その他の実施形態)
スイッチドキャパシタ回路は、ΔΣA/D変換器を構成するものに限らない。
エッジ信号生成回路が生成するライズ及びフォールエッジ信号は、それぞれ1つ以上であれば良い。
チョッピング周波数信号は、ADC動作周波数信号を2分周したものに限らない。
マスタクロック信号に替えて、外部クロック信号を用いても良い。
【0028】
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0029】
図面中、1はスイッチドキャパシタシステム、2はスイッチトキャパシタ回路、3は第1分周期生成回路、4(1)は第1クロック同期回路、4(2)は第2クロック同期回路、5は第2分周期生成回路、6はON/OFFエッジ生成器、7はスイッチトキャパシタ用クロック生成器、8はチョッピング用クロック生成器、CSW1、CSW2はチョッピング用スイッチを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10