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  • 特開-蓋 図1
  • 特開-蓋 図2
  • 特開-蓋 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063886
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】蓋
(51)【国際特許分類】
   B65D 39/04 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
B65D39/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173945
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000005197
【氏名又は名称】株式会社不二越
(74)【代理人】
【識別番号】100120400
【弁理士】
【氏名又は名称】飛田 高介
(74)【代理人】
【識別番号】100124110
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 大介
(72)【発明者】
【氏名】近藤 真一
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA01
3E084CA01
3E084CC03
3E084DA01
3E084DB09
3E084DB13
3E084DC03
3E084EA03
3E084EC03
3E084EC04
3E084FA09
3E084FC09
3E084GA08
3E084GB12
3E084KB01
3E084LD01
(57)【要約】
【課題】樹脂成形時の無理抜きを避けることができ、成形不良の製品を減らして歩留まりの向上を図ることが可能な蓋を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明にかかる蓋100の構成は、弾性材料からなり、容器102の口102aを封止する蓋部110と、容器102の口102aの外周に形成された溝102cに係止するリップ120と、蓋部110とリップ120とを連結する柱部130とを備え、リップ120は、柱部130以外の箇所で容器102に向かって突出する突出部122を有し、蓋部110とリップ120とは柱部130以外の箇所において離間していて、柱部130以外の箇所において蓋部110の外径と突出部122の内径が略等しいことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性材料からなり、
容器の口を封止する蓋部と、
前記容器の口の外周に形成された溝に係止するリップと、
前記蓋部と前記リップとを連結する柱部とを備え、
前記リップは、前記柱部以外の箇所で前記容器に向かって突出する突出部を有し、
前記蓋部と前記リップとは前記柱部以外の箇所において離間していて、
前記柱部以外の箇所において前記蓋部の外径と前記突出部の内径が略等しいことを特徴とする蓋。
【請求項2】
前記蓋部は、前記容器の口の端面に沿う天面部と、該容器の口の内部に嵌合する嵌合部とを含んで構成されることを特徴とする請求項1に記載の蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口に取り付けられる蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
液体が流通するポンプを構成する容器では、流体の漏れを防ぐために口を封止する蓋が取り付けられることがある。用途は異なるが、流体の漏れを防ぐ蓋としては例えば特許文献1に易開封性打栓式樹脂キャップが開示されている。
【0003】
特許文献1の易開封性打栓式樹脂キャップは、頂板部1と頂板部の周囲から垂下したスカート部2とから形成されている。頂板部1の内面には、容器口部の内周面32と係合して容器を密封するインナーリング11或いは更に容器口部の外周面33と係合するアウターリング12が形成されている。特許文献1によれば、キャップハイトが低く抑制され、打栓により容器へのキャップの締結が容易に行われると共に、タンパーエビデント性にも優れ、更に指による開封やリシールも容易に行えるという利点が得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-292112号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の易開封性打栓式樹脂キャップの形状であると、容器を良好に密閉できるものの、樹脂成形の際に無理抜きを行うこととなる。すると、成形品を抜く際に摩耗が発生し、成形不良が生じやすいという課題がある。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑み、樹脂成形時の無理抜きを避けることができ、成形不良の製品を減らして歩留まりの向上を図ることが可能な蓋を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる蓋の代表的な構成は、弾性材料からなり、容器の口を封止する蓋部と、容器の口の外周に形成された溝に係止するリップと、蓋部とリップとを連結する柱部とを備え、リップは、柱部以外の箇所で容器に向かって突出する突出部を有し、蓋部とリップとは柱部以外の箇所において離間していて、柱部以外の箇所において蓋部の外径と突出部の内径が略等しいことを特徴とする。
【0008】
上記蓋部は、容器の口の端面に沿う天面部と、容器の口の内部に嵌合する嵌合部とを含んで構成されるとよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、樹脂成形時の無理抜きを避けることができ、成形不良の製品を減らして歩留まりの向上を図ることが可能な蓋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の蓋の斜視図である。
図2】本実施形態の蓋の四面図である。
図3図1(a)の蓋を容器に取り付けた状態の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0012】
図1は、本実施形態の蓋100の斜視図である。図1(a)は蓋100を斜め上方から観察した斜視図であり、図1(b)は蓋100を正面から観察した斜視図である。図2は、本実施形態の蓋100の四面図である。図3は、図1(a)の蓋100の部分断面図である。
【0013】
図1および図2に示す本実施形態の蓋100は、弾性材料からなり、容器102の口102a(図3参照)に取り付けられてそこを封止する。蓋100は、蓋部110、リップ120および柱部130を含んで構成される。
【0014】
蓋部110は、容器102の口102aを封止する部位であり、天面部112および勘合部114を有する。天面部112は、容器102の口102aの端面102bに沿っていて、勘合部114は、容器102の口102aの内部に嵌合する。図3に示すように天面部112と一体に形成された勘合部114を容器102の口102aの内部に勘合することにより、容器102の口102aが封止される。
【0015】
リップ120は、容器102の口102aの外周に形成された溝102cに係止する部位である。柱部130は、蓋部110とリップ120とを連結する部位である。そしてリップ120には、柱部130以外の箇所で容器102に向かって突出する突出部122が形成されている。これにより図3に示すように、容器102の口102aに蓋部110の勘合部114を勘合した際に、リップ120の突出部122が容器102の溝102cに係止された状態となる。したがって、容器102に流体が通過した際における蓋100の外れを好適に防ぐことが可能となる。
【0016】
本実施形態の蓋100の特徴として、蓋部110とリップ120とは柱部130以外の箇所において離間している。そして図2の平面図に示すように柱部130以外の箇所において蓋部110の外径R1とリップ120の内径R2が略等しくなっている。これにより、蓋部110とリップ120の突出部122とが平面視において重複しないため、成形後の蓋100を無理抜きすることなく金型(不図示)から取り外すことができる。したがって、成形不良の製品を減らし、歩留まりの向上を図ることが可能となる。
【0017】
換言すれば、蓋100を容器102に係止するために必要な部位はリップ120の突出部122である。そして、平面視において突出部122と重なる位置の側壁(円筒部)を切り欠いている。円周方向において、突出部122は円周方向の一部(2箇所)とし、突出部122がない位置に残した側壁が柱部130である。
【0018】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、容器の口に取り付けられる蓋として利用することができる。
【符号の説明】
【0020】
100…蓋、102…容器、102a…口、102b…端面、102c…溝、110…蓋部、112…天面部、114…勘合部、120…リップ、122…突出部、130…柱部、102d…側面
図1
図2
図3