(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063905
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】車両用サンバイザ
(51)【国際特許分類】
B60J 3/02 20060101AFI20230428BHJP
B60N 3/00 20060101ALI20230428BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B60J3/02 F
B60N3/00 Z
F16B5/07 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021173977
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】599041329
【氏名又は名称】共和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 浩元
【テーマコード(参考)】
3B088
3J001
【Fターム(参考)】
3B088CA11
3J001FA03
3J001GA06
3J001HA04
3J001HA07
3J001JD27
3J001KA26
3J001KB01
(57)【要約】
【課題】鏡のがたつきを抑制すること。
【解決手段】車両用サンバイザ10は、ボディ11と、ミラーカバー70と、鏡91と、を備える。ボディ11は、固定部と、変形部58,59と、第2突出部34,40と、を備える。鏡91は、ミラー周縁を備える。固定部は、ミラー周縁に沿って設けられている。変形部58,59は、ミラー周縁に沿って設けられている。ミラーカバー70は、ボディ固定部と、押圧部80,81と、を備える。ボディ固定部と固定部とが掛かり合うことでミラーカバー70はボディ11に固定されている。ミラーカバー70が固定されている状態で、押圧部80,81によって変形部58,59が押されて鏡91に接触することで、第2突出部34,40と変形部58,59によって鏡91が挟み込まれる。これにより、鏡91が固定される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製のボディと、
前記ボディの内部に設けられた鏡と、
ミラーカバーと、を備え、
前記鏡は、
ミラー周縁を備え、
前記ボディは、
前記鏡を取り付ける周縁部と、
前記ミラー周縁に沿って設けられており、前記ミラーカバーを固定する固定部と、
前記ミラー周縁に沿って設けられており、前記鏡を固定する少なくとも1つの変形部と、を備え、
前記ミラーカバーが前記固定部によって固定されている状態で、前記ミラーカバーによって前記変形部が押されて前記鏡に接触することで、前記周縁部と前記変形部によって前記鏡を挟み込んで前記鏡を固定する、車両用サンバイザ。
【請求項2】
前記鏡は、板状であり、
前記ミラー周縁は、第1辺と、前記第1辺の対辺である第2辺と、を備え、
前記変形部は、前記第1辺及び前記第2辺のそれぞれに沿って設けられており、
前記固定部と、前記変形部とは隣接して設けられている、請求項1に記載の車両用サンバイザ。
【請求項3】
前記ミラーカバーは、前記固定部と互いに掛かり合うことで前記ミラーカバーを前記ボディに固定するボディ固定部を備える、請求項1又は請求項2に記載の車両用サンバイザ。
【請求項4】
前記ミラーカバーは、前記固定部と向かい合う位置に貫通孔を備える、請求項3に記載の車両用サンバイザ。
【請求項5】
前記ボディは、ミラーリッドをスライドさせるレールを備え、
前記レールが前記周縁部を備える、請求項1~請求項4のうちいずれか一項に記載の車両用サンバイザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用サンバイザに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の車両用サンバイザは、ボディと、ミラーユニットと、表皮と、を備える。ボディは、収容凹部を区画する壁部を備える。ミラーユニットは、鏡を備える。ミラーユニットは、収容凹部に嵌め込まれている。表皮は、ボディを覆っている。表皮は、収容凹部を区画する壁部と、ミラーユニットとの間に介在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のように、収容凹部にミラーユニットを嵌め込む場合、収容凹部を区画する壁部とミラーユニットとの間にクリアランスを設ける必要がある。このクリアランスは鏡ががたつく原因となる。特許文献1ではミラーユニットと壁部との間に表皮を介在させることで、クリアランスによる鏡のがたつきを抑制する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する車両用サンバイザは、樹脂製のボディと、前記ボディの内部に設けられた鏡と、ミラーカバーと、を備え、前記鏡は、ミラー周縁を備え、前記ボディは、前記鏡を取り付ける周縁部と、前記ミラー周縁に沿って設けられており、前記ミラーカバーを固定する固定部と、前記ミラー周縁に沿って設けられており、前記鏡を固定する少なくとも1つの変形部と、を備え、前記ミラーカバーが前記固定部によって固定されている状態で、前記ミラーカバーによって前記変形部が押されて前記鏡に接触することで、前記周縁部と前記変形部によって前記鏡を挟み込んで前記鏡を固定する。
【0006】
これによれば、ミラーカバーを固定部によって固定することによって周縁部と変形部によって鏡を挟み込むことができる。周縁部及び変形部と鏡との間にクリアランスを設けなくてもよいため、鏡のがたつきを抑制できる。
【0007】
上記車両用サンバイザについて、前記鏡は、板状であり、前記ミラー周縁は、第1辺と、前記第1辺の対辺である第2辺と、を備え、前記変形部は、前記第1辺及び前記第2辺のそれぞれに沿って設けられており、前記固定部と、前記変形部とは隣接して設けられていてもよい。
【0008】
これによれば、鏡を強固に固定することができる。
上記車両用サンバイザについて、前記ミラーカバーは、前記固定部と互いに掛かり合うことで前記ミラーカバーを前記ボディに固定するボディ固定部を備えていてもよい。
【0009】
これによれば、固定部とボディ固定部とが掛かり合うことによってミラーカバーを固定することができる。従って、ミラーカバーの着脱が容易である。
上記車両用サンバイザについて、前記ミラーカバーは、前記固定部と向かい合う位置に貫通孔を備えていてもよい。
【0010】
これによれば、固定部とミラーカバーとが干渉することを抑制できる。
上記車両用サンバイザについて、前記ボディは、ミラーリッドをスライドさせるレールを備え、前記レールが前記周縁部を備えていてもよい。
【0011】
これによれば、レールを周縁部として兼用することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、鏡のがたつきを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図2】車両用サンバイザを示す
図1の2-2線断面図である。
【
図4】ボディに組み付けられたミラーカバーの斜視図である。
【
図7】鏡をボディに固定する際の手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
車両用サンバイザの一実施形態について説明する。
図1及び
図2に示すように、車両用サンバイザ10は、ボディ11と、アーム13と、サポート軸17と、ミラーカバー70と、ミラーリッド90と、鏡91と、を備える。車両用サンバイザ10は、車両(図示せず)に取り付けられる。
【0015】
ボディ11は、第1半割体20と、第2半割体12と、を備える。第1半割体20及び第2半割体12は樹脂製である。従って、ボディ11は樹脂製である。第1半割体20及び第2半割体12はシェル状である。第1半割体20と第2半割体12とは互いに固定されている。これにより、ボディ11は中空状になっている。
【0016】
アーム13は、第1軸部14と、第2軸部15と、を備える。第1軸部14と第2軸部15とは、互いに直交している。第1軸部14は、取付ブラケット16を介して、車両の天井(図示せず)に回動可能な状態で取り付けられる。第2軸部15は、ボディ11の上端部に内蔵された軸受(図示せず)に、回動可能な状態で支持される。
【0017】
ボディ11は、第1軸部14を中心として回動可能である。ボディ11は、第2軸部15を中心として回動可能である。第2軸部15を中心としてボディ11が回動することで、ボディ11は使用位置と格納位置との間で回動可能である。使用位置とは、車外からの光が車室内の搭乗者の目に直射することを防ぐ位置である。使用位置は、例えば、第1半割体20が搭乗者を向き、第2半割体12が車両のフロントガラスを向く位置である。格納位置とは、車両の天井に沿ってボディ11が設けられる位置である。格納位置では、第1半割体20が車両の天井を向く。
【0018】
サポート軸17は、ボディ11に設けられている。サポート軸17は、ボディ11の上端部に設けられている。サポート軸17は、アーム13から離間して設けられている。サポート軸17は、車両の天井に設けられたフック(図示せず)によって保持される。
【0019】
図2及び
図3に示すように、第1半割体20は、本体21と、レール30と、固定部51,53と、変形部58,59と、第1規制部61と、第2規制部62と、第3規制部65と、を備える。
【0020】
本体21は、板状である。本体21は、第1面22と、第2面23と、を備える。第1面22と第2面23とは、本体21の厚み方向に互いに反対となる面である。第1面22は、車室内に露出する。第2面23は、ボディ11の内部に面する。第1面22は、ボディ11が格納位置にある状態で車両の天井と向かい合う面ともいえる。第2面23は、第2半割体12と向かい合う面ともいえる。
【0021】
本体21は、開口縁24を備える。開口縁24は、第1面22と第2面23との間で延びている。開口縁24は、環状である。本実施形態では、開口縁24は四角環状である。開口縁24は、第1縁部25と、第2縁部26と、を備える。第1縁部25と第2縁部26とは互いに向かい合っている。開口縁24に囲まれる領域は、開口部27である。開口部27は、本体21を貫通している。以下の説明において、第1縁部25及び第2縁部26が延びる方向を第1方向とする。第1方向は、サポート軸17がフックに保持されている状態で、車幅方向に一致する。
【0022】
レール30は、第1半割体20の第2面23から第2半割体12に向けて突出している。レール30は、第1レール部31と、第2レール部37と、終端部42と、を備える。第1レール部31は、第1縁部25に沿って設けられている。第1レール部31は、基部32と、第1突出部33と、第2突出部34と、を備える。基部32は、第1方向に延びている。2つの突出部33,34は、基部32から第2縁部26に向けて突出している。2つの突出部33,34は、互いに本体21の厚み方向に離れている。第2半割体12から第2突出部34までの距離は、第2半割体12から第1突出部33までの距離よりも短い。2つの突出部33,34の間には、溝35が区画されている。第2レール部37は、第2縁部26に沿って設けられている。第2レール部37は、基部38と、第1突出部39と、第2突出部40と、を備える。基部38は、第1方向に延びている。2つの突出部39,40は、基部38から第1縁部25に向けて突出している。第1レール部31の突出部33,34と第2レール部37の突出部39,40とは、互いに近付くように突出しているといえる。2つの突出部39,40は、互いに本体21の厚み方向に離れている。第2半割体12から第2突出部40までの距離は、第2半割体12から第1突出部39までの距離よりも短い。2つの突出部39,40の間には、溝41が区画されている。2つの溝35,41同士は、第1方向、及び本体21の厚み方向に直交する方向に向かい合っている。以下の説明において、第1方向、及び本体21の厚み方向に直交する方向を第2方向とする。終端部42は、第1レール部31及び第2レール部37の第1方向の一端に設けられている。
【0023】
図3に示すように、固定部51,53は、第1固定部51と、第2固定部53と、を含む。第1固定部51は、第1レール部31の第2突出部34に設けられている。第1固定部51は、複数設けられている。本実施形態において、第1固定部51は、3つ設けられている。複数の第1固定部51は、第1方向に互いに間隔を空けて設けられている。第1固定部51は、2つの支持部55,56と、掛止部57と、を備える。2つの支持部55,56は、第1レール部31から第2半割体12に向けて突出している。2つの支持部55,56は、互いに第1方向に間隔を空けて設けられている。掛止部57は、2つの支持部55,56に架け渡されている。掛止部57は、第1レール部31の第2突出部34と間隔を空けて設けられている。第2固定部53は、第2レール部37の第2突出部40に設けられている。第2固定部53は、複数設けられている。本実施形態において、第2固定部53は、3つ設けられている。複数の第2固定部53は、第1方向に互いに間隔を空けて設けられている。第2固定部53は、第1固定部51と同一の構造を備える。第2固定部53の支持部55,56は、互いに第1方向に間隔を空けて設けられている。第2固定部53の掛止部57は、2つの支持部55,56に架け渡されている。第2固定部53の掛止部57は、第2レール部37の第2突出部40と間隔を空けて設けられている。
【0024】
変形部58,59は、第1変形部58と、第2変形部59と、を含む。第1変形部58は、第1レール部31の第2突出部34に設けられている。第1変形部58は、第1レール部31の第2突出部34から第2半割体12に向けて突出している。第1変形部58は、板状である。第1変形部58の厚み方向と第2方向とは一致している。第1変形部58は、複数設けられている。本実施形態において、第1変形部58は2つ設けられている。第1変形部58は、第1固定部51のうち第1方向に互いに最も離れた2つの第1固定部51に隣接して設けられている。第1変形部58と第1固定部51とは、第1方向に間隔を空けて設けられている。第2変形部59は、第2レール部37の第2突出部40に設けられている。第2変形部59は、第2レール部37の第2突出部40から第2半割体12に向けて突出している。第2変形部59は、板状である。第2変形部59の厚み方向と第2方向とは一致している。第2変形部59は、複数設けられている。本実施形態において、第2変形部59は2つ設けられている。第2変形部59は、第2固定部53のうち第1方向に互いに最も離れた2つの第2固定部53に隣接して設けられている。第2変形部59と第2固定部53とは、第1方向に間隔を空けて設けられている。
【0025】
第1規制部61は、終端部42に設けられている。第1規制部61は、終端部42から第2半割体12に向けて突出している。第2規制部62は、第1レール部31の第1方向の両端部のうち終端部42が設けられた端部とは反対の端部に設けられている。第2規制部62は、第1レール部31の第2突出部34から第2半割体12に向けて突出している。第2規制部62は、第1部位63と、第2部位64と、を備える。第1部位63は、第1方向に延びている。第2部位64は、第2方向に延びている。第3規制部65は、第2レール部37の第1方向の両端部のうち終端部42が設けられた端部とは反対の端部に設けられている。第3規制部65は、第2レール部37の第2突出部40から第2半割体12に向けて突出している。第3規制部65は、第1部位66と、第2部位67と、を備える。第1部位66は、第1方向に延びている。第2部位67は、第2方向に延びている。
【0026】
図4及び
図5に示すように、ミラーカバー70は、カバー本体71と、第1カバー突出部72と、第2カバー突出部73と、ボディ固定部76,78と、押圧部80,81と、を備える。カバー本体71は、四角板状である。第1カバー突出部72と第2カバー突出部73とは、カバー本体71の短辺方向に互いに間隔を空けて設けられている。第1カバー突出部72及び第2カバー突出部73は、カバー本体71の長辺方向に延びている。第1カバー突出部72及び第2カバー突出部73は、カバー本体71の厚み方向に突出している。
【0027】
カバー本体71は、貫通孔74,75を備える。貫通孔74,75は、カバー本体71を貫通している。貫通孔74,75は、第1貫通孔74と、第2貫通孔75と、を含む。第1貫通孔74は、第1カバー突出部72に沿って設けられている。第1貫通孔74の数は、第1固定部51の数と同一である。第2貫通孔75は、第2カバー突出部73に沿って設けられている。第2貫通孔75の数は、第2固定部53の数と同一である。
【0028】
ボディ固定部76,78は、第1ボディ固定部76と、第2ボディ固定部78と、を含む。第1ボディ固定部76は、第1カバー突出部72に設けられている。第1ボディ固定部76は、第1カバー突出部72から第2カバー突出部73に向けて突出している。第1ボディ固定部76は、複数設けられている。第1ボディ固定部76の数は、第1固定部51の数と同一である。第1ボディ固定部76同士の間隔は、第1固定部51同士の間隔と同一である。第2ボディ固定部78は、第2カバー突出部73に設けられている。第2ボディ固定部78は、第2カバー突出部73から第1カバー突出部72に向けて突出している。第2ボディ固定部78は、複数設けられている。第2ボディ固定部78の数は、第2固定部53の数と同一である。第2ボディ固定部78同士の間隔は、第2固定部53同士の間隔と同一である。
【0029】
押圧部80,81は、第1押圧部80と、第2押圧部81と、を含む。第1押圧部80は、第1カバー突出部72に設けられている。第1押圧部80は、第1カバー突出部72から第2カバー突出部73に向けて突出している。第1押圧部80は、複数設けられている。第1押圧部80の数は、第1変形部58の数と同一である。第1押圧部80同士の間隔は、第1変形部58同士の間隔と同一である。第1押圧部80は、第1ボディ固定部76のうち互いにカバー本体71の長辺方向に最も離れた2つの第1ボディ固定部76に隣接して設けられている。第1押圧部80は、カバー本体71に近い位置ほど第1カバー突出部72からの突出量が多い。第2押圧部81は、第2カバー突出部73から第1カバー突出部72に向けて突出している。第2押圧部81は、複数設けられている。第2押圧部81の数は、第2変形部59の数と同一である。第2押圧部81同士の間隔は、第2変形部59同士の間隔と同一である。第2押圧部81は、第2ボディ固定部78のうち互いにカバー本体71の長辺方向に最も離れた2つの第2ボディ固定部78に隣接して設けられている。第2押圧部81は、カバー本体71に近い位置ほど第2カバー突出部73からの突出量が多い。カバー本体71に近い位置ほど第1押圧部80と第2押圧部81との短辺方向の間隔は短くなる。
【0030】
図2に示すように、ミラーリッド90は、レール30に取り付けられている。ミラーリッド90は、2つの溝35,41に挿入されている。これにより、ミラーリッド90は、第1レール部31及び第2レール部37に沿ってスライド可能である。ミラーリッド90がスライドすることで、開口部27の開放状態と閉塞状態とを切り替えることができる。
【0031】
図6に示すように、鏡91は、四角板状である。鏡91は、ミラー周縁92を備える。ミラー周縁92は、鏡91の周縁である。ミラー周縁92は、第1辺93と、第2辺94と、第3辺95と、第4辺96と、を備える。第2辺94は、第1辺93の対辺である。第1辺93及び第2辺94は、鏡91の長辺である。第4辺96は、第3辺95の対辺である。第3辺95及び第4辺96は、鏡91の短辺である。
【0032】
鏡91は、ボディ11の内部に設けられている。鏡91の厚み方向の面のうちミラー周縁92に沿った部分の一部は、第1レール部31の第2突出部34及び第2レール部37の第2突出部40に向かい合って配置されている。鏡91は、固定部51,53、変形部58,59、及び各規制部61,62,65に囲まれる領域内に配置されている。固定部51,53、変形部58,59、及び各規制部61,62,65は、ミラー周縁92に沿って設けられている。これにより、鏡91の移動が規制されている。第1固定部51、及び第1変形部58は、第1辺93に沿って設けられている。第2固定部53、及び第2変形部59は、第2辺94に沿って設けられている。第1規制部61は、第3辺95に沿って設けられている。第2規制部62の第1部位63は、第1辺93に沿って設けられている。第2規制部62の第2部位64は、第4辺96に沿って設けられている。第3規制部65の第1部位66は、第2辺94に沿って設けられている。第3規制部65の第2部位67は、第4辺96に沿って設けられている。
【0033】
ミラーカバー70は、固定部51,53によってボディ11に固定されている。ミラーカバー70は、カバー本体71の長辺方向と第1方向とが一致するようにボディ11に固定されている。カバー本体71の短辺方向は、第2方向と一致している。ミラーカバー70は、第1カバー突出部72と第2カバー突出部73との間に、固定部51,53及び変形部58,59が位置するように固定されている。第1ボディ固定部76は、第1固定部51に掛かり合っている。詳細にいえば、第1ボディ固定部76は、第1固定部51の掛止部57と第1レール部31の第2突出部34との間の領域に入り込んで、第1固定部51の掛止部57に掛かり合っている。第2ボディ固定部78は、第2固定部53に掛かり合っている。詳細にいえば、第2ボディ固定部78は、掛止部57と第2レール部37の第2突出部40との間の領域に入り込んで、第2固定部53の掛止部57に掛かり合っている。このように、固定部51,53とボディ固定部76,78とが互いに掛かり合うことによって、ミラーカバー70はボディ11に固定されている。
【0034】
ミラーカバー70が固定部51,53によって固定されている状態で、ミラーカバー70によって変形部58,59が押されることで、変形部58,59は変形している。第1押圧部80は、第1変形部58に向かい合うように設けられている。第1押圧部80は、第1変形部58を鏡91に向けて押している。第1変形部58は、第1押圧部80に押されることによって変形している。第1変形部58の変形によって第1変形部58は鏡91に接触している。第1変形部58からは、第1レール部31、及び第2変形部59に向けて力が作用する。第2押圧部81は、第2変形部59に向かい合うように設けられている。第2押圧部81は、第2変形部59を鏡91に向けて押している。第2変形部59は、第2押圧部81に押されることによって変形している。第1変形部58及び第2変形部59は、互いに近付くように変形している。第2変形部59の変形によって第2変形部59は鏡91に接触している。第2変形部59からは、第2レール部37、及び第1変形部58に向けて力が作用する。変形部58,59から鏡91に加わる力によって、第1変形部58と第1レール部31の第2突出部34とで鏡91が挟まれ、第2変形部59と第2レール部37の第2突出部40とで鏡91が挟まれる。これにより、鏡91がボディ11に固定されている。変形部58,59とともに鏡91を挟み込む第1レール部31の第2突出部34、及び第2レール部37の第2突出部40は、鏡91を取り付ける周縁部である。
【0035】
第1固定部51は、第1貫通孔74に入り込んでいる。第1変形部58は、第1貫通孔74に入り込んでいる。第1貫通孔74は、第1固定部51に向かい合う位置に設けられているといえる。第2固定部53は、第2貫通孔75に入り込んでいる。第2変形部59は、第2貫通孔75に入り込んでいる。第2貫通孔75は、第2固定部53に向かい合う位置に設けられているといえる。
【0036】
本実施形態の作用について説明する。
図7に示すように、鏡91をボディ11に取り付ける際には、鏡91を第1レール部31の第2突出部34、及び第2レール部37の第2突出部40に重ねて配置する。この状態で、ミラーカバー70をレール30に向けて押し込んでいく。第1押圧部80と第2押圧部81との間隔は、カバー本体71に近いほど短いため、ミラーカバー70が押し込まれるにつれて、第1変形部58と第2変形部59とは互いに近付く方向に変形する。これにより、鏡91は、ミラーカバー70によってボディ11に固定される。
【0037】
本実施形態の効果について説明する。
(1)ミラーカバー70を固定部51,53によって固定することによって第2突出部34,40と変形部58,59によって鏡91を挟み込むことができる。第2突出部34,40及び変形部58,59と鏡91との間にクリアランスを設けなくてもよいため、鏡91のがたつきを抑制できる。第2突出部34,40及び変形部58,59と鏡91との間にクリアランスを設けなくてもよいため、クリアランスを埋めるために、ボディ11を覆う表皮を設けなくてもよい。従って、車両用サンバイザ10を表皮レスにすることができる。
【0038】
(2)固定部51,53と変形部58,59とは隣接して設けられている。固定部51,53と変形部58,59との間の距離が長いと、ボディ固定部76,78と押圧部80,81との間の距離も長くなる。これにより、ミラーカバー70の撓みによって押圧部80,81から変形部58,59に加わる力が弱くなるおそれがある。固定部51,53と変形部58,59とを隣接して設けることで、ボディ固定部76,78と押圧部80,81との間のミラーカバー70の撓みを抑制することができる。従って、鏡91を強固に固定することができる。
【0039】
(3)ミラーカバー70は、固定部51,53とボディ固定部76,78とが互いに掛かり合うことによって固定されている。従って、ミラーカバー70の着脱が容易である。
(4)ミラーカバー70は、固定部51,53と向かい合う位置に貫通孔74,75を備える。従って、固定部51,53とミラーカバー70とが干渉することを抑制できる。また、固定部51,53をボディ固定部76,78から外す際には、貫通孔74,75に工具を挿入し、工具によって固定部51,53をボディ固定部76,78から外すことができる。従って、ミラーカバー70の取り外しが容易になる。
【0040】
(5)変形部58,59を2つ以上設けている。複数箇所で鏡91を支持することができる。従って、鏡91を強固に固定することができる。
(6)レール30が備える第2突出部34,40を、鏡91を取り付ける周縁部として利用している。従って、レール30を周縁部として兼用することができる。
【0041】
(7)ボディ11に、鏡91が嵌め込まれる部位を設けて、この部位に鏡91を嵌め込む場合、鏡91に欠けが生じやすい。これは、鏡91を嵌め込む際には、鏡91が嵌め込まれる部位からの力を受けながら鏡91を嵌め込む必要があるためである。鏡91を嵌め込む際には、ミラー周縁92に力が加わりやすく、鏡91に欠けが生じやすい。これに対し、本実施形態では、鏡91をボディ11に固定する際に、鏡91を嵌め込む必要がなく、鏡91の嵌め込みによる力が鏡91に加わらない。従って、鏡91に欠けが生じることを抑制できる。
【0042】
(8)変形部58,59は樹脂であるため、鏡91に対してくさび効果がある。従って、鏡91を強固に固定することができる。
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0043】
・鏡91を取り付ける周縁部は、レール30とは別体であってもよい。例えば、鏡91を取り付けるための専用の周縁部を第1半割体20に設けてもよい。また、第1半割体20を補強するためのリブを周縁部として兼用してもよい。
【0044】
・変形部は、1つのみであってもよい。例えば、鏡91の第1辺93に沿って1つの変形部を設けて、鏡91の第2辺94には鏡固定部を設ける。鏡固定部は、ミラーカバー70によって変形することなく、鏡91を固定するものである。例えば、鏡固定部は、鏡91の第2辺94が入り込む溝を区画する壁部である。この場合、鏡91の第1辺93は変形部に支持され、鏡91の第2辺94は溝に入り込むことによって支持される。これにより、鏡91をボディ11に固定することができる。
【0045】
・変形部58,59の数と固定部51,53の数とは同一としてもよい。この場合、全ての固定部51,53に隣接して変形部58,59を設けてもよい。
・変形部は、ミラー周縁92のうち第3辺95及び第4辺96の少なくとも一方に沿って設けられていてもよい。この場合、第1辺93及び第2辺94に沿って変形部58,59が設けられていてもよいし、第1辺93及び第2辺94に沿った変形部58,59は設けられていなくてもよい。
【0046】
・変形部58,59は、固定部51,53に隣接していなくてもよい。例えば、第1辺93及び第2辺94に沿って固定部51,53を設けて、第3辺95及び第4辺96に沿って変形部58,59を設けてもよい。
【0047】
・ミラーカバー70は、貫通孔74,75を備えていなくてもよい。この場合、ミラーカバー70の寸法を調整することで、固定部51,53とミラーカバー70との干渉を抑制することが好ましい。
【0048】
・ミラーカバー70は、ボディ11に溶着されることによってボディ11に固定されていてもよい。この場合、ミラーカバー70とボディ11とを溶着する溶着部が固定部である。溶着部は、ミラー周縁92に沿って設けられる。
【0049】
・固定部51,53の形状と、ボディ固定部76,78の形状とを逆にしてもよい。即ち、固定部51,53を実施形態のボディ固定部76,78の形状にし、ボディ固定部76,78を実施形態の固定部51,53の形状にしてもよい。
【0050】
・ボディ11は、表皮が一体となったものでもよい。例えば、スタンピングモールドや接着などでボディ11と表皮とを一体化してもよい。
・変形部58,59は、鏡91を押さえて固定できる形状であれば、どのような形状であってもよい。例えば、変形部58,59は、鏡91に点当たり、線当たり、面当たりできる形状であればよい。
【0051】
・鏡91は、任意の形状とすることができる。例えば、鏡91は、四角形状以外の多角形状であってもよい。
【符号の説明】
【0052】
10…車両用サンバイザ
11…ボディ
30…レール
34,40…周縁部としての第2突出部
51,53…固定部
58,59…変形部
70…ミラーカバー
74,75…貫通孔
76,78…ボディ固定部
91…鏡
92…ミラー周縁
93…第1辺
94…第2辺