(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063918
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ベルトコンベヤ
(51)【国際特許分類】
B65G 23/44 20060101AFI20230428BHJP
B65G 15/64 20060101ALI20230428BHJP
B65G 15/34 20060101ALI20230428BHJP
【FI】
B65G23/44
B65G15/64
B65G15/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174005
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110559
【弁理士】
【氏名又は名称】友野 英三
(72)【発明者】
【氏名】今泉 幸三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 佳汰
【テーマコード(参考)】
3F023
3F024
【Fターム(参考)】
3F023BA02
3F023BB01
3F023BC01
3F023GA03
3F023GA05
3F024AA01
3F024BA01
3F024CA02
3F024CA04
3F024CB03
3F024CB09
3F024CB13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】プーリの種類及び数量が劇的に削減され、短機長で小型化・ユニット化され得ると共に、解体・組立が容易でメンテナンスフリーであるベルトコンベヤを提供する。
【解決手段】エンドレスベルト33が駆動機構34を具備しているヘッドプーリ31とテールプーリ32とに張架され、物品及び/又は物品収納容器を搬送するベルトコンベヤとし、ヘッドプーリ31及び/又はテールプーリ32にエンドレスベルト33の張力調整機構が具備され、ヘッドプーリ31及び/又はテールプーリ32にエンドレスベルト33の蛇行調整機構が具備されている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンドレスベルトが駆動機構を具備しているヘッドプーリとテールプーリとに張架され、物品及び/又は物品収納容器を搬送するベルトコンベヤであって、
前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリに前記エンドレスベルトの張力調整機構が具備され、
前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリに前記エンドレスベルトの蛇行調整機構が具備されているベルトコンベヤ。
【請求項2】
エンドレスベルトが駆動機構を具備しているヘッドプーリとテールプーリとに張架され、物品及び/又は物品収納容器を搬送するベルトコンベヤであって、
前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリに前記エンドレスベルトの張力調整機構が具備され、
前記ヘッドプーリ及び前記テールプーリと前記エンドレスベルトとに係合する蛇行調整機構が具備されているベルトコンベヤ。
【請求項3】
前記エンドレスベルトの芯体が、ポリエステル樹脂シート又はポリアミド樹脂シートである請求項1又は2に記載のベルトコンベヤ。
【請求項4】
前記エンドレスベルトの芯体が、繊維強化ポリエステル樹脂シート又は繊維強化ポリアミド樹脂シートである請求項1又は2に記載のベルトコンベヤ。
【請求項5】
前記ヘッドプーリの搬送方向の最先端と前記テールプーリの前記搬送方向の最後端との長さである機長が1,000~10,000mmである請求項1~4のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項6】
前記張力調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心と前記搬送方向との交差角を変えることなく、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリを前記搬送方向と平行に反復して移動させる第一のプーリ駆動装置である請求項1~5のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項7】
前記張力調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心の位置を変えることなく、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリのシェル外壁を前記搬送方向と平行に反復して移動させる第一のシェル外壁駆動装置である請求項1~5のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項8】
前記張力調整機構が、貫通孔をシェル外壁に形成したヘッドプーリ及び/又はテールプーリと、前記貫通孔から空気を吹き出す空気吐出装置を具備する非接触プーリである請求項1~5のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項9】
前記張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置が備えられ、前記張力検知器から前記張力制御装置に送信された信号に基づいて、前記張力制御装置が前記第一のプーリ駆動装置を作動させる請求項6に記載のベルトコンベヤ。
【請求項10】
前記張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置が備えられ、前記張力検知器から前記張力制御装置に送信された信号に基づいて、前記張力制御装置が前記第一のシェル外壁駆動装置を作動させる請求項7に記載のベルトコンベヤ。
【請求項11】
前記張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置が備えられ、前記張力検知器から前記張力制御装置に送信された信号に基づいて、前記空気吐出装置を作動させる請求項8に記載のベルトコンベヤ。
【請求項12】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度である中央周速度が最大となり、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最小となるシェル外壁の形状を成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリである請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項13】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度が最小となり、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最大となるシェル外壁の形状を成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリである請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項14】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリのシェルの軸心を通る断面の両端を除く外周の形状を弓状に成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリである請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項15】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心を、前記シェル外壁と共に弓状に成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリである請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項16】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリのシェル外壁に凹凸形状を成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリである請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項17】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの分割されたシェル外壁が、搬送方向の左右に揺動する第二のシェル外壁駆動装置である請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項18】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心を含む平面上を前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリが回動する第二のプーリ駆動装置である請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項19】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度である中央周速度が最大となり、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最小となるように、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの分割されたシェル外壁が傾動する第三のシェル外壁駆動装置である請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項20】
前記蛇行調整機構が、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度である中央周速度が最小となり、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最大となるように、前記ヘッドプーリ及び/又は前記テールプーリの分割されたシェル外壁が傾動する第四のシェル外壁駆動装置である請求項1~11のいずれか一項に記載のベルトコンベヤ。
【請求項21】
前記蛇行調整機構に蛇行検知器及び蛇行制御装置が備えられ、前記蛇行検知器から前記蛇行制御装置に送信された信号に基づいて、前記蛇行制御装置が前記第二のシェル外壁駆動装置を作動させる請求項17に記載のベルトコンベヤ。
【請求項22】
前記蛇行調整機構に蛇行検知器及び蛇行制御装置が備えられ、前記蛇行検知器から前記蛇行制御装置に送信された信号に基づいて、前記蛇行制御装置が前記第二のプーリ駆動装置を作動させる請求項18に記載のベルトコンベヤ。
【請求項23】
前記蛇行調整機構に蛇行検知器及び蛇行制御装置が備えられ、前記蛇行検知器から前記蛇行制御装置に送信された信号に基づいて、前記蛇行制御装置が前記第三のシェル外壁駆動装置を作動させる請求項19に記載のベルトコンベヤ。
【請求項24】
前記蛇行調整機構に蛇行検知器及び蛇行制御装置が備えられ、前記蛇行検知器から前記蛇行制御装置に送信された信号に基づいて、前記蛇行制御装置が前記第四のシェル外壁駆動装置を作動させる請求項20に記載のベルトコンベヤ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベヤの機械要素を大幅に削減した省エネルギー・省資源型の物流システムのための短機長ベルトコンベヤに関する。特に、本発明は、ベルトコンベヤの機構を複雑にし、操作性・耐久性等を低下させる要因である各種プーリの数量を極限まで削減することにより生じる課題を解決した、エンドレスベルト、両端のエンドプーリ、及び、駆動装置を基本的機械要素として具備し、両端のエンドプーリに張力調整機構及び蛇行調整機能を集約したヘッドドライブ式短機長ベルトコンベヤを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
物流システムを構成するベルトコンベヤは、駆動装置によって回転力が付与されるプーリの位置により、主として、ヘッドドライブ方式、センタドライブ方式、及び、フリクションドライブ方式に分類される。
【0003】
ヘッドドライブ方式ベルトコンベヤは、両端に配備されるエンドプーリの一端がドライブプーリとしてベルトコンベヤを駆動し、ドライブプーリが搬送方向最前部のヘッドプーリとなり、他端のエンドプーリが搬送方向の最後部のテールプーリとなるベルトコンベヤで、一方向に搬送する正運転だけが可能である。
【0004】
センタドライブ方式ベルトコンベヤは、両端に配備されるエンドプーリの中間部にベルトコンベヤを駆動するドライブプーリが配備され、両端に配備されるエンドプーリは、ヘッドプーリとしてもテールプーリとしても機能する正逆運転が可能である。
【0005】
いずれの方式のベルトコンベヤも、上記両端に配備されるヘッドプーリ及びテールプーリ以外に、張力調整機構及び/又は蛇行調整機能を備えるテークアッププーリ、蛇行調整機能及び/又は巻付け角調整機能を有するスナブプーリ、進行方向調整機能を有するベンドプーリ等が各所に備えられている。特に、蛇行調整機能及び/又は空転防止機能を有するスナブプーリは、コンベヤベルトのプーリへの巻付け角の調整によって行われるため、ドライブプーリ、ヘッドプーリ、テールプーリ、テークアッププーリ、及び、ベンドプーリの前後に数多く備えられている。このように、ベルトコンベヤは、プーリの種類及び数量が多いため、運転時の振動や騒音が激しく、コンベヤベルトの耐久性を低下させ、故障やメンテナンスの頻度が高い上、機構が複雑であるため、修理及びメンテナンスに専門的技術が要求され、それらに掛かる労力の負担が大きいという問題がある。また、数量の多いプーリは、コンベヤベルトを激しく屈曲させることになるため、コンベヤベルトの劣化を促進して、その寿命を縮減するという問題にも繋がっている。しかし、スナブプーリを削減すると、ドライブプーリの駆動力がベルトに十分伝達されないという現象が生じる(非特許文献1)。
【0006】
そして、このような物流用ベルトコンベヤでは、ポリエステル繊維製帆布、ポリウレタン系エラストマーシート、及び、ポリ塩化ビニル系エラストマーシート等が樹脂接着層(中間層)を介して1~3層積層された芯体をプーリの接触する裏面とし、ポリエステル繊維製帆布、ポリウレタン系エラストマーシート、ポリ塩化ビニル系エラストマーシート、及び、特殊ゴムを搬送物が接触する表面として更に積層した構成の樹脂コンベヤベルトが適用されており、主として、段ボール等の搬送物との摩擦力の制御、食品、機械部品、及び、電子部品等の搬送物の種類に対応した耐油性や静電防止性等の付与、並びに、高速搬送における擦過音削減等に対応した材質及び層構成に工夫が施されている。しかし、上記コンベヤベルに求められる耐久性を重視したものではない(非特許文献2及び3)。特に、芯体積層間の剥離及び芯体と表面層間の剥離は、プーリを通過する際のコンベヤベルトの屈曲によって発現し易い(特許文献2)。
【0007】
なお、耐久性を重視したコンベヤベルトは、搬送距離が長く、搬送重量が重い土木・建築用ベルトコンベヤで数多く認められ、抗張力の高いポリエステル繊維製帆布と屈曲力に優れるナイロン繊維製帆布とを複合化した芯体、ポリエステル繊維とナイロン繊維を複合化した帆布の芯体、アラミド繊維製帆布の芯体、及び、高強度化学繊維で強化したポリエステルシートの芯体等の両面に、ポリウレタン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、及び、特殊ゴム(ブタジエンゴム、スチレン-ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、及び、エチレン-プロピレン-ジエンゴム等)が積層されたコンベヤベルトが実用化されている(非特許文献4及び5)。
【0008】
しかし、物流用コンベヤベルトとして、このような土木・建築用コンベヤベルトの機能は過剰であり、設備コストを圧迫する要因となる。そのため、物流用コンベヤベルトのポリエステル繊維製帆布を芯体し、その両面にポリウレタン系エラストマーシート、ポリ塩化ビニル系エラストマーシート、及び、特殊ゴムを積層させたコンベヤベルト、並びに、ポリアミドフィルムを芯体とし、その両面にニトリルゴム等の特殊ゴムを積層させたコンベヤベルトが開発されている(非特許文献6)。
【0009】
さて、これらの課題を解決する一つの手段として、コンベヤベルトの搬送物と接触する表面とプーリのシェル外壁面との接触摩擦力を駆動力とした、
図1に示す駆動方式がフリクションドライブであるフリクション式ベルトコンベヤが挙げられる(特許文献1及び非特許文献7)。図から明らかなように、フリクション式ベルトコンベヤ
1は、両端のヘッドプーリ11とテールプーリ12に張架されるエンドレスベルト13の帰り側中間部に、コンベヤベルトのヘッドプーリ11及びテールプーリ12側裏面に接触する2台の受けプーリ16が備えられると共に、その2台の受けプーリ16の間のエンドレスベルト13の搬送物と接触する表面側から、スプリング部材によって2台の受けプーリ16側に所定の圧力で押圧付勢するドライブプーリ14が備えられ、受けプーリ16とドライブプーリ14とで挟まれた部分で生じるエンドレスベルト13裏面と受けプーリ16のシェル外壁面、及び、エンドレスベルト13表面とドライブプーリ14のシェル外壁面で生じる摩擦力によってドライブプーリ14に連結された駆動装置15の駆動力がエンドレスベルト13に伝達されるベルトコンベヤである。この方式によれば、張力がドライブプーリ14で調整されるため、テークアッププーリが不要で、機械要素を削減でき、メンテナンスが容易であることが記載されている。また、コンベヤベルト13に負荷される張力が小さく、その伸長が抑制されるため、特殊なコンベヤベルトが不要であることが記載されている。なお、動力源がエンドプーリ間にあるため、搬送方向は可逆的に変更可能である。
【0010】
ところで、近年のコンピュータ及びインターネット技術の急速な進歩と普及は、物流システムを劇的に変化させてきた。すなわち、コンピュータ及びインターネット技術を利用できる環境が整うことによって、入荷、検品、保管、搬送、仕分け、出荷等の物の運搬及び保管機能を備えた物流センターに、物に付随する情報を把握し、制御できる、計画処理、統計処理、会計処理、在庫管理等の機能を備えた保管設備、仕分け設備、及び、搬送装置として、自動倉庫・積層棚・移動棚、デジタルソータ・ピッキングシステム、デジタルコンベヤシステム、並びに、AGV(Automatic Guided Vehicle、無人搬送車)等が導入され、物流システムと情報システムとの統合、すなわち、情報システムによる物流システムの統合的管理が行われるようになると共に、物流を支援するPOS(Point of Sales)及びPOP(Point of Production)を用いて、物の運搬及び保管に係る動きだけでなく、物の需要及び生産を含めた物の動きを把握及び制御可能な情報物流システムとも称することができるシステムが創生されてきたのである。その結果、自動車等の生産方式に代表されるジャストインタイムのシステムが、一般社会にも波及し、必要な物を、必要な時に、必要な量だけが供給されるジャストインタイムの社会経済システムが展開されるようになった。
【0011】
このような状況においては、物流センターだけでなく、空港手荷物搬送システム、電子・電気・自動車工場、及び、食品製造工場等、物流の根幹をなす搬送装置であるコンベヤのデジタル化と共に、小型化、ユニット化、及び、メンテナンスフリー化等の設備流動性が求められる。それが、極度に発達した代表例がAGVを利用した搬送システムと考えることができる。しかしながら、コンベヤ、特に、ベルトコンベヤについては、搬送装置としての能力が極めて優れているものの、上述したように、プーリの種類及び数量が多いため、運転時の振動や騒音が激しく、コンベヤベルトの耐久性を低下させ、故障やメンテナンスの頻度が高い上、機構が複雑であるため、修理及びメンテナンスに専門的技術が要求され、修理及びメンテナンスに多大の労力を必要とする。また、物流システムの流動性に関わる配置転換等の解体・組立においても、特殊技能を要する専門技術者が必要で、負担が大きい。これらの課題を解決する一つの手段である考えられるフリクション式ベルトコンベヤでも、テークアッププーリが不要になったとはいえ、テークアッププーリと駆動装置とが統合されたものとも考えられ、プーリの種類及び数量が劇的に削減されたものではない。従って、プーリの種類及び数量が更に削減されることによって、運転時の振動や騒音、コンベヤベルトの耐久性、故障頻度等が改善され、短機長で、小型化・ユニット化され得ると共に、解体・組立が容易で、メンテナンスフリーなベルトコンベヤが、AGVに匹敵する設備流動性を備え搬送能力に優れた搬送装置として様々な産業において求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特許第3188836号公報
【特許文献2】特開2018-158839号公報
【特許文献3】特許第2900917号公報
【特許文献4】特開平3-95059号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】株式会社ジェイアールシホームページ,「プーリの種類と構造」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット<URL:https://www.jrcnet.co.jp/products/pulley/1476>
【非特許文献2】三ツ星ベルト株式会社ホームページ,「物流用樹脂コンベヤベルトLOGISTAR(登録商標)」,[on line],[2021年9月9日検索],インターネット<URL:https://www.mitsuboshi.com/japan/product/catalog/pdf/logistar_U139-C.pdf>
【非特許文献3】バンドー化学ホームページ「物流用樹脂コンベヤベルトMシリーズ」,[on line],[2021年9月9日検索],インターネット<URL:https://www.bandogrp.com/product/lightduty/pdf/light_03.pdf>
【非特許文献4】株式会社ブリヂストンホームページ,「コンベヤベルト製品編」,[on line],[2021年9月9日検索],インターネット<URL:https://www.bridgestone.co.jp/products/dp/belt/pdf/Conveyor_belt.pdf>
【非特許文献5】チアルベルトラック株式会社ホームページ,「帆布(ナイロン、ポリエステル)コンベヤベルト/ユニプライ(Uni Ply)コンベヤベルト/デュオプライ(Duo Ply)コンベヤベルト」,[on line],[2021年9月9日検索],インターネット<URL:http://trbeltrack.com/ja/home_jp/menu02/sub02/sub02_1~3/>
【非特許文献6】ニッタ株式会社ホームページ,「伝動・搬送用ベルト」,[on line],[2021年9月9日検索],インターネット<URL:https://www.nitta.co.jp/product/belt-conv/belt/>
【非特許文献7】三機工業株式会社ホームページ,「搬送Q&A」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット<URL:https://www.hansou.jp/plaza/faq/faq_03.html>
【非特許文献8】関西金網株式会社ホームページ,「ワイヤーコンベヤベルト」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット<URL: https://www.kwn.co.jp/engineering/wireconveyor/ew_07.html>
【非特許文献9】大橋塁,平田堅輔,久住智勇,石橋希遠,長谷川敬晃,「非接触Roll to Roll搬送技術の開発」,IHI技報,Vol.57,No.2,pp.46-52(2017)
【非特許文献10】三菱電機株式会社ホームページ,「テンション制御コンプリートガイド」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット,<URL:https://dl. mitsubishielectric.co.jp/dl/fa/document/catalog/clutch/sh-170004/sh170004-c.pdf>
【非特許文献11】株式会社都ローラー工業,「搬送時のシワを防止!シワ取りロール」[on line],[2021年9月6日検索],インターネット,<URL:https://premium.ipros.jp/miyako-roller/product/detail/155308016/?hub=163&categoryId=46391>
【非特許文献12】株式会社森高ローラ製作所,「加工技術紹介」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット,<URL:http://www.moritakaroller.co.jp/technology/>
【非特許文献13】株式会社三橋製作所ホームページ,「03 LPC WEB GUIDE SYSTEM 駆動機・アクチェータ・ロールガイダー・コントロールモータ」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット,<URL:https://www. mitsuhashi-corp. co.jp/files/8813/6841/7564/LPC_03.pdf>
【非特許文献14】株式会社三橋製作所ホームページ,「LPC(登録商標)蛇行制御装置」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット,<URL:https://www.mitsuhashi-corp.co.jp/product/lpc>
【非特許文献15】MISUMI-VONAホームページ,「Vol.9-A ミスミベルトコンベヤの蛇行(片寄り)抑制のコツ」,[on line],[2021年9月6日検索],インターネット,<URL:https://jp.misumi-ec.com/maker/misumi/mech/product/cvs/useful_info/u9-a.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
ベルトコンベヤは、物流センターだけでなく、空港手荷物搬送システム、電子・電気・自動車工場、及び、食品製造工場等、あらゆる産業の物流の根幹を成し、優れた搬送能力に優れた搬送装置である。しかしながら、従来のベルトコンベヤは、情報システムによる物流システムの統合的管理が行われるようになった物流システムの劇的な変化に対応した搬送装置として捉えた場合、様々な課題を内在している。特に、ベルトコンベヤのデジタル化に対応した、小型化、ユニット化、及び、メンテナンスフリー化等の設備流動性を挙げることができる。この原因は、従来のベルトコンベヤ自体の機構に内在しており、具体的には、プーリの種類及び数量が多く、コンベヤベルトの耐久性も低いため、メンテナンスに多大の労力を必要とする上、解体・組立が複雑で、特殊技能を要する専門技術者が配備されなければならないことにある。
【0015】
そこで、本発明は、プーリの種類及び数量が劇的に削減され、短機長で、小型化・ユニット化され得ると共に、解体・組立が容易で、メンテナンスフリーであるベルトコンベヤを提供することを目的としている。すなわち、本発明の課題は、ベルトコンベヤの機構を支える構成部品の機能を集約した設備流動性が高いベルトコンベヤを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記課題を解決するため、プーリの種類及び数量をどこまで削減することができるかを検討した結果、ベルトコンベヤの搬送安定性を支える各種プーリの機能集約化、コンベヤベルトの種類及び長さの最適化、及び、搬送制御機構の付設の少なくともいずれか一つを整備することによって、必要最低限である2基のプーリにエンドレスベルトが張架されている搬送装置が、従来のベルトコンベヤの搬送機能を充足し、設備流動性を満足するベルトコンベヤとして成り立つ可能性があることを見出し、更に、各種機構の有効性を実験、評価するため、多数の試作を行うことによって本発明の完成に至った。
【0017】
すなわち、本発明は、エンドレスベルトが、駆動機構を具備しているヘッドプーリとテールプーリとに張架され、物品及び/又は物品収納容器を搬送するベルトコンベヤであって、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリにエンドレスベルトの張力調整機構が具備され、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリにエンドレスベルトの蛇行調整機構が具備されているベルトコンベヤである。
【0018】
特に、エンドレスベルトの芯体が、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂シートであることが好ましく、繊維強化ポリエステル樹脂シート又は繊維強化ポリアミド樹脂シートであることがより好ましい。
【0019】
更に、本発明のベルトコンベヤは、小型化、ユニット化、及び、メンテナンスフリー化等の設備流動性を付与するため、ヘッドプーリの搬送方向の最先端とテールプーリの搬送方向の最後端との長さである機長が1,000~10,000mmであることを特徴としている。
【0020】
従って、本発明のベルトコンベヤは、両端のエンドプーリに張力調整機構及び蛇行調整機構を集約したヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤと呼称することができる。
【0021】
本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤは、必要最低限である2基のプーリだけしか備えておらず、コンベヤベルトが担う屈曲、屈折、及び、捩れ等の力学的負荷が著しく低減される。この極めてシンプルな構造が、従来のポリエステル繊維やナイロン繊維の織物である帆布を芯材とするコンベヤベルトの寿命を延ばすことができるという効果を奏する。更に好ましいことに、本発明のベルトコンベヤでは、コンベヤベルトの芯材の材質を、屈曲性に乏しいが、抗張力に優れた安価な樹脂シートに置き換えることができ、一層コンベヤベルトの寿命を延ばすことができるという効果も奏する。
【0022】
従来のポリエステル繊維やナイロン繊維の織物である帆布は織物であるが故に屈曲性に優れ、プーリの数量が多いベルトコンベヤのコンベヤベルトに求められる機能を満足するために活用されてきたが、これに伴うベルトの伸張という短所を有しており、これがコンベヤベルトの寿命が短い理由であった。そして、このベルトの伸張がもたらす張力変動及び蛇行の問題は、機械的手段である種類や数量の多いプーリが補完してきた。しかし、本発明のベルトコンベヤは、必要最低限の2基のプーリだけしか備えていないため、屈曲性が必ずしも必要でないため、抗張力に優れた安価な樹脂シートをコンベヤベルトの芯体として活用することができるようになったのである。このコンベヤベルトの芯体の樹脂シートへの置換は、抗張力に優れ、伸張が少ないコンベヤベルトとなるため、顕著な張力変動及び蛇行の問題が抑制されるのである。更に、このコンベヤベルトの効果に加え、ベルトコンベヤの短い機長が相乗効果として働くため、ベルトコンベヤの機構を極めて単純化することができた。従って、本発明の両端のエンドプーリに張力調整機構及び蛇行調整機構を集約したヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤは、小型軽量のユニット化可能な設備流動性を備えているものはいうまでもなく、プーリが2基だけであるという究極のベルトコンベヤであるにもかかわらず、頻繁なメンテナンスを行う必要がなく、極めて安定した搬送動作を実現することができたのである。
【0023】
特に、本発明のベルトコンベヤのエンドレスベルトの芯体としては、ポリエステル樹脂又はポリアミド樹脂シートを用いることができるが、抗張力という点で、繊維強化ポリエステル樹脂シート又は繊維強化ポリアミド樹脂シートであることがより好ましい。これらのシートは、搬送物の重量やコンベヤベルト幅等に応じて、総厚0.5~3mmで、層数1~3層を重ねて使用することができるが、シート間界面の剥離の問題があり、1層であることが好ましい。特に、駆動装置の負担を軽くするためには、コンベヤベルトを軽量化することが望ましく、繊維強化ポリエステル樹脂シート又は繊維強化ポリアミド樹脂シートの場合には、0.5~1.2mmの芯体を1層で用いることが好ましく、0.5~1.0mmとすることがより好ましい。
【0024】
これらの芯体の両面又は搬送物と接触する表面には、エラストマーを積層することが好ましく、エラストマーとしては、ポリウレタンゴム(PUR)、ポリ塩化ビニルゴム(PVCR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン-ブタジエンゴム(SBR)、ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、イソプレンゴム(IR)、イソブチレン-イソプレン系ゴム(IIR)、エチレン-プロピレン系樹脂(EPM)、エチレン-プロピレン系ゴム(EPM)、エチレン-プロピレン-ジエン系樹脂(EPDM)、塩素化ポリエチレンゴム(CM)、クロロスルホン化ポリエチレンゴム(CSM)、エチレン-酢酸ビニルゴム(EVAR)、エピクロルヒドリンゴム(CO)、エピクロルヒドリン-エチレンオキシドゴム(ECO)、チオコオールゴム(T)、アクリルゴム(ACM)、シリコーンゴム(SR)、フッ素ゴム(FKM)、及び、天然ゴム(NR)等から選択することができる。
これらエラストマーの厚さは、コンベヤベルトの総厚が3.5~12mmとなるように芯体に積層することが、搬送物が滑ることなく安定した搬送を行える。特に、軽量化を考慮すれば、コンベヤベルトの総厚を3.5~4.3mmとすることが好ましく、3.5~4.0mmとすることがより好ましい。
【0025】
コンベヤベルト全体としては、反りを防止するため、上記エラストマーが芯体の両面に積層されていることが好ましい。また、プーリと接触する面は、エラストマーの有無にかかわらず、ベルトコンベヤの静粛性という観点から、プーリとの接触音及び乖離音を低減するための凹凸が形成されていることが好ましく、表面粗さが約0.1~0.3mmの凹凸が適している。
【0026】
一方、ベルトコンベヤは、コンベヤベルトとプーリ及び搬送物との接触及び乖離に基づく静電気を発生するため、安全上、除電バー等の装置的な除電対策が講じられている。この点についても、本発明のベルトコンベヤは、プーリが2基しかないため、静電気の発生を抑制することができる。しかし、本発明のベルトコンベヤに使用するコンベヤベルトは、帯電し易い樹脂製であるため、接触帯電、剥離帯電、及び、摩擦帯電を妨げる帯電防止機能を有していることが、搬送物及びベルトコンベヤの損傷防止並びに安全なベルトコンベヤの安全運転という観点から好ましく、コンベヤベルトの素材である樹脂に、帯電防止剤、特に、カーボンブラック等の無機系帯電防止剤を含有していることが望ましい。
【0027】
このように、本発明のベルトコンベヤは、両端のエンドプーリに張力調整機構及び蛇行調整機構を集約した、プーリが2基だけの極めて単純なヘッドドライブ式ベルトコンベヤであるが、樹脂シートを芯体としたコンベヤベルト及び短機長の相乗効果により、頻繁なメンテナンスを行う必要がなく、極めて安定した搬送動作を実現することができる。このことは、既に説明したように、樹脂シートを芯体としたコンベヤベルト及び短機長の相乗効果が、張力調整及び蛇行調整を低減できたことに他ならない。そして、この張力調整及び蛇行調整の低減は、ヘッドプーリ及びテールプーリへの様々な張力調整機構及び蛇行調整機構の適用を可能にした。また、本発明の樹脂シートを芯体としたコンベヤベルトは従来のコンベヤベルトよりも薄くすることができるため、従来のベルトコンベヤでは効果が認められなかった様々な張力調整機構及び蛇行調整機構の適用を可能にした。以下、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ及びテールプーリに採用することができる張力調整機構及び蛇行調整機構を説明する。
【0028】
本発明の両端のエンドプーリに張力調整機構及び蛇行調整機構を集約したヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ及びテールプーリの張力調整機構は、プーリが2基しかないので、張力の変動に伴う両端エンドプーリの間隔調整により、エンドレスベルに負荷される張力を最適な大きさに保つ機能を発現することができれば、特に限定されるものではない。そして、張力調整機構は、ヘッドプーリ又はテールプーリの少なくともいずれか一方に配備されればよい。ただし、ヘッドプーリには駆動装置が備えられる必要があり、構造を複雑にしないため、テールプーリに配備することが好ましい。
【0029】
第一の張力調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心と搬送方向との交差角を変えることなく、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリを搬送方向と平行に反復して移動させる第一のプーリ駆動装置であることを特徴としている。
【0030】
このプーリを平行移動させる駆動装置は、プーリ移動式張力調整装置と呼称でき、この駆動方式としては、ネジ、バネ、ガススプリング、カウンターウェイト、又は、各種アクチュエータ等を用いることができるが、構造上及び操作上、ネジ、ガススプリング、又は、電動シリンダであることが好ましい。従来、ベルトコンベヤのテークアッププーリに採用されてきた張力調整機構をそのまま適用することが可能であり、最も実用的な方式である。
【0031】
第二の張力調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心の位置を変えることなく、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリのシェル外壁を搬送方向と平行に反復して移動させる第一のシェル外壁駆動装置であることを特徴としている。
【0032】
この第一のシェル外壁駆動装置は、プーリの中空円柱状シェルの複数の分割体を、搬送方向と平行方向に独立した反復運動が可能であるように駆動装置と連接されたものである。この複数の分割体は、例えば、シェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円の所定の中心角を成す2本の中心線とこのシェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円との交点において、軸心方向に切断して一つの分割体が形成され、更に、これらが所定の中心角の間隔で複数形成されるものである。特に、プーリによりコンベヤベルトを円滑に駆動して搬送物を安全に搬送するためには、この複数の分割体全てが、プーリの軸心に対して垂直に切断した断面である円の中心からその円の法線方向に同時に、しかも、複数の分割体の最外周面が、プーリ軸心と平行に反復運動が可能であるように駆動装置と連接されていることが好ましい。このような張力調整装置は、分割シェル伸縮式張力調整装置と呼称でき、この複数の分割体の駆動方式としては、特に限定されないが、バネ又は各種アクチュエータ、特に、電動シリンダを用いることが好ましい。
【0033】
第三の張力調整機構は、貫通孔をシェル外壁に形成したヘッドプーリ及び/又はテールプーリと、貫通孔から空気を吹き出す空気吐出装置を具備する非接触プーリであることを特徴としている。
【0034】
この張力調整機構は、プーリのシェルに備えられた流体が吐出可能な通風孔から流体が所定量吐出されることによって、プーリの軸心に対して垂直に切断した断面である円の中心からその円の法線方向に、プーリとコンベヤベルトに適度な間隙を形成して張力を調整するものであり、張力が低下した場合には、流体の吐出量を高め、その逆の場合には、流体の吐出量を下げることによって張力調整が行われる。そのため、この張力調整機構は、非接触式張力調整装置と呼称できる。なお、流体は安全な気体であれば特に限定されないが、経済的に空気であることが好ましい。
【0035】
第一の張力調整機構は、従来のベルトコンベヤのテークアッププーリで実用化されてきたものであり、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤにおいても、張力調整機能を十分には発現することができる。一方、本発明の第二及び第三の張力調整機構を本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤに適用し、張力調整が十分に機能するのは、樹脂シートを芯体としたコンベヤベルト及び短機長の相乗効果によって、張力調整が低減されたためである。
【0036】
このような張力調整機構は、手動制御することは可能であるが、張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置を組み込み、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのコンベヤベルトの張力を自動的に制御することもできる。第一の張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置を組み込む場合は、本発明のベルトコンベヤに配備された張力検知器により検知されたコンベヤベルトの張力が、荷重等の信号として張力制御装置に送信され、その信号に基づいて、張力制御装置が上記第一のプーリ駆動装置を作動させることによってヘッドプーリ及び/又はテールプーリが搬送方向に平行移動して張力調整が行われる。第二の張力調整機構及び第三の張力調整機構の場合も、張力検出器及び張力制御装置が全く同様に組み込まれ、前者の場合には、第一のシェル外壁駆動装置を作動させ、後者の場合には、空気吐出装置を作動させる。
【0037】
本発明のベルトコンベヤは、2基のプーリしか備えられていないため、張力検出器としては、プーリの軸受けに配備することができるフランジ型(軸受け型)の張力検出器が好ましい。検出方式は特に限定されないが、差動トランス方式、磁歪方式、及び、歪ゲージ方式が好ましく用いられる。
【0038】
一方、蛇行調整機構については、大別すると、プーリの形態に基づいて蛇行が修正される静的な方法、又は、プーリ全体又はプーリのシェルの動作に基づいて蛇行が修正される動的な方法があり、それらのいずれも適用することができる。しかし、前者の場合は、特別に付設すべき装置を必要としないため、ヘッドプーリ及びテールプーリのいずれにも採用することができるが、後者の場合、プーリ全体又はプーリのシェルを作動させる装置を必要とするため、テールプーリに採用することが好ましい。また、蛇行調整機構も、ヘッドプーリ又はテールプーリの少なくともいずれか一方に配備することが、蛇行調整機能が円滑に機能するので好ましい。
【0039】
第一の静的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度である中央周速度が最大となり、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最小となるシェル外壁の形状が成形されたヘッドプーリ及び/又はテールプーリであることを特徴としている。この条件を満足するシェル外壁の形状であれば、特に限定されないが、周速度の大きいシェル中央部の方向にコンベヤベルトが移動しようとすることによって蛇行調整機能を発現するため、上記重心を通るシェル断面の円の中心線を対称の中心とする対称な形状が精度良く形成される必要がある。
【0040】
一般的には、クラウン加工と呼称され、上記重心を通り、軸心に直交するシェル断面のシェル中央部が最も高く隆起しており、このシェル断面の円の中心線を対称の中心として、このシェル断面と平行な断面の直径が維持されるシェル中央平坦部と連続的に減少するシェル端部とからなる凸部を形成しているプーリが用いられ、本発明のベルトコンベヤにおいても蛇行調整機構として採用することができる。しかし、このようなクラウン加工を施されたプーリは、平坦部の両端でコンベヤベルトが屈折し、積層されたコンベヤベルトの層間剝離が促進され、コンベヤベルトの寿命が短くなるため、プーリのシェル外壁は、シェル中央部が隆起している円孤状であることが好ましい。特に、シェル外壁の曲率κ(=1/R、R:曲率半径)が、2.4×10-6~1.5×10-3で隆起していることが好ましく、κ=9.6×10-6~1.1×10-4で隆起していることがより好ましい。
【0041】
このような形状の成形方法は、特に限定されないが、シェルの切削加工及び成形加工が施された樹脂シートを円柱状のシェル表面に接着させることが好ましい。
【0042】
第二の静的な蛇行調整機構は、第一の静的な蛇行調整機構とは逆に、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度が最小となり、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最大となるシェル外壁の形状が成形されたヘッドプーリ及び/又はテールプーリであることを特徴としている。この場合も、この条件を満足するシェル外壁の形状であれば、特に限定されないが、周速度の大きいシェル両端部の方向にコンベヤベルトが移動しようとすることによって蛇行調整機能を発現するため、上記重心を通るシェル断面の円の中心線を対称の中心とする対称な形状が精度良く形成される必要がある。
【0043】
一般的には、コンケイブ加工が施されたプーリとして知られているが、クラウン加工同様、プーリのシェル外壁は、シェル中央部が陥没している円孤状であることが好ましい。特に、シェル外壁の曲率κ(=1/R、R:曲率半径)が、2.4×10-6~1.5×10-3で陥没していることが好ましく、κ=9.6×10-6~1.1×10-4で陥没していることがより好ましい。
【0044】
第二の静的な蛇行調整機構の形状の成形方法も、特に限定されないが、シェルの切削加工及び成形加工が施された樹脂シートを円柱状のシェル表面に接着させることが好ましい。
【0045】
第三の静的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリのシェルの軸心を通る一つの断面が、シェル両端を除き、同一方向に隆起した弓状の外周に成形されたヘッドプーリ及び/又はテールプーリであることを特徴としている。すなわち、弾性体の円柱を、その重心を対称の中心として折り曲げた外形を有し、元の円柱の軸心を維持している形態のプーリである。特に、弓状は円弧状であることが好ましく、シェルの軸心を通る一つの断面、すなわち、円弧状の隆起した頂点と軸心を通る軸心方向に切断された断面が、軸心方向と略直交する両端と、軸心方向と直角で同一方向に隆起する同心円の円弧で囲まれていることが好ましい。従って、第一及び第二の静的な蛇行調整機構は、プーリの軸心を通り、軸心方向に切断した断面は、どの断面も同一形状をしているのに対し、第三の静的な蛇行調整機構は、軸心を通り、軸心方向に切断可能な断面は一つしかない。そして、軸心を通り、軸心方向に切断された断面において認められる円弧は、一方が、シェル中央部が隆起している第一の静的な蛇行調整機構で説明した形状であり、一方が、シェル中央が陥没している第二の静的な蛇行調整機構で説明した形状である。このような円弧状の断面形状を有するプーリの蛇行調整機能は、第一の静的な蛇行調整機構同様、シェル中央部の周速度が大きくなり、コンベヤベルトがシェル中央部に移動しようとすることによって発現するので、第一及び第二の静的な蛇行調整機能同様、精度よく成形される必要があり、第一及び第二の静的な蛇行調整機構と同様の形状成形法によって製造されることが好ましい。
【0046】
第四の静的な蛇行調整機構は、外形が円柱状のヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心を、これらのシェル外壁と共に弓状に成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリであることを特徴としている。この場合の弓状プーリも、円弧状であることが好ましく、第一~第三の静的な蛇行調整機構で説明した曲率で、円柱状のプーリが屈曲された形状であることが好ましい。このようなプーリの形状の成形方法は、特に限定されないが、切削加工で製造された弓状のシャフトに配置されたベアリングに樹脂を被覆する方法及び切削加工で製造された弓状のシャフトに切削加工で製造されたシェルをボス及び鏡板を介して固定する方法が好ましい。
【0047】
このような第一~第四の静的な蛇行調整機構は、周速度を制御することによってコンベヤベルトの移動方向をベルトコンベヤの幅方向の外側又は内側に誘導することによって蛇行が防止されるので、周速度制御式蛇行調整プーリと呼称できる。
【0048】
第五の静的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリのシェル外壁に凹凸形状を成形したヘッドプーリ及び/又はテールプーリであることを特徴としている。従来の凹凸がないシェル外壁は、コンベヤベルトとシェルとの界面に空気が不均一に介在し、コンベヤベルトとシェルとの摩擦力が均一に作用しないため、エンドレスベルトであるコンベヤベルトが蛇行するものと考えられる。これに対し、シェル外壁に凹凸が形成されたプーリは、コンベヤベルトとシェルとの界面に生成される不均一な空気溜まりを抜くエアスキュー効果を奏し、コンベヤベルトとシェルとの摩擦力が均一に作用し、蛇行を防止することができる。従って、この蛇行調整機構は、シェル表面形状制御式蛇行調整プーリと呼称できる。
【0049】
蛇行調整機能を発現するための凹凸の形状、幅、及び、深さ等は特に限定されないが、成形加工される凹凸の形状によってエアスキュー効果が異なるため、凹部の溝としては、一般的に、Wヘリカル溝、ヘリカル溝、ネジ切り溝、縦溝、横溝、及び、ダイヤカット溝と呼称される形状であることが好ましい。
【0050】
Wヘリカル溝は、シェルの幅方向の中央からシェル両端部の方向に、シェル軸心と直交する搬送方向と逆方向の直線と溝の成す角が約10~45°の傾きと所定の間隔をもって形成されているものである。ヘリカル溝は、シェル外壁の一端から他端に所定の間隔をもって、シェル軸心と直交する搬送方向と逆方向の直線と溝の成す角が約10~45°の傾きで形成されているものである。ネジ切り溝は、シェル外壁の一端から他端に連続したネジの様な溝が所定のピッチで形成されているものである。縦溝は、搬送方向に所定の間隔をもって形成されるシェル円周に沿って形成される溝である。横溝は、シェルの幅方向に所定の間隔をもって形成される溝である。そして、ダイヤカット溝は、向きの異なるヘリカル溝を形成して、ダイヤ状の凸部が形成されるものである。
【0051】
特に、第五の静的な蛇行調整機構は、従来、薄いロール状フィルムやシートへの印刷や塗料・インキのコーティング等のウェブ(Web)搬送に適用されてきた蛇行調整機構であり、厚いコンベヤベルトを旋回するベルトコンベヤの蛇行調整には機能を発現することが困難であると考えられてきた。しかし、このような蛇行調整機構を本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤに適用し、蛇行調整機能を十分に発現できるのは、樹脂シートを芯体としたコンベヤベルト及び短機長の相乗効果による蛇行調整の低減に加え、樹脂シートを芯体としたコンベヤベルト総厚の低減に起因している。
【0052】
次に、動的な蛇行調整機構について説明する。第一の動的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの分割されたシェル外壁が、搬送方向の左右に揺動する第二のシェル外壁駆動装置であることを特徴としている。
【0053】
この第二のシェル外壁駆動装置は、プーリの中空円柱状シェルの複数の分割体が、プーリのシャフトが回転するに伴い搬送方向に対して左右に(垂直に)揺動すると共にシャフトと同期して回転するように、複数の分割体とシャフトとの間に揺動可能な傾斜板を介して対偶(ジョイント)を連接したリンク機構が設けられていることが好ましい。この複数の分割体は、例えば、シェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円の所定の中心角を成す2本の中心線とこのシェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円との交点において、軸心方向に切断して一つの分割体が形成され、更に、これらが所定の中心角の間隔で複数形成されるものである。このような分割体は、シェル軸心方向で対称となるように分割され、シェルの軸心方向の両端に上記リンク機構が設けられていてもよい。このことから、この蛇行制御機構は、分割シェルスライド式蛇行調整装置と呼称できる。
【0054】
第二の動的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心を含む平面上をヘッドプーリ及び/又はテールプーリが回動する第二のプーリ駆動装置であることを特徴としている。ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心を回動させる方法としては、回動の中心が、プーリ中央にあるセンターピボット方式とプーリ端部にあるエンドピボット方式のいずれも用いることができるが、本発明のように、装置の小型化を考慮すると、センターピボット方式であることが好ましい。いずれの場合も、エンドレスベルトが、プーリの軸心の回動によってその幅方向に対し直角方向に移動することを利用するもので、プーリ旋回式蛇行調整装置と呼称できる。
【0055】
第一及び第二の動的な蛇行調整機構も、従来、薄いロール状フィルムやシートへの印刷や塗料・インキのコーティング等のウェブ(Web)搬送に適用されてきた蛇行調整機構であったが、第五の静的な蛇行調整機構と同様、本発明のベルトコンベヤにおいて蛇行調整機能を十分に発現する。
【0056】
第三の動的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度である中央周速度が最大となり、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最小となるように、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの分割されたシェル外壁が傾動する第三のシェル外壁駆動装置であることを特徴としている。
【0057】
この第三のシェル外壁駆動装置は、プーリの中空円柱状シェルの軸心方向に切断され、シェルの幅方向の中央を頂点として、弓状、好ましくは、円弧状に隆起している複数の分割体が、その頂点を中心として、天秤のように傾動することによって、中央周速度と外側周速度を制御し、蛇行調整機能を発現するものであることが好ましい。この複数の分割体は、例えば、シェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円の所定の中心角を成す2本の中心線とこのシェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円との交点において、軸心方向に切断して一つの分割体が形成され、更に、これらが所定の中心角の間隔で複数形成されたものを、弓状、好ましくは、円弧状に変形された形状である分割体が好ましい。そして、このような分割体は、傾動しやすいように、シェルの幅方向両端部に従って細くなるように、流線形に切削されていることがより好ましい。この複数の分割体の駆動装置の駆動方式としては、特に限定されないが、バネ又は電動アクチュエータを用いることが好ましい。
【0058】
第四の動的な蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの密度が均一である場合の重心を通り、軸心に直行するシェル断面外周の周速度である中央周速度が最小となり、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの軸心方向両端のシェル断面外周の周速度である外側周速度が最大となるように、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリの分割されたシェル外壁が傾動する第四のシェル外壁駆動装置であることを特徴としている。
【0059】
この第四のシェル外壁駆動装置は、上記第二のシェル外壁駆動装置と逆の動作を行うものである。すなわち、第二の外壁駆動装置と同様の、プーリの中空円柱状シェルの複数の分割体であるが、逆に、そのシェルの幅方向の中央を底点として、弓状、好ましくは、円弧状に陥没しており、このような分割体が、底点を中心として、板バネのように底点が上下動することによって、中央周速度と外側周速度を制御し、蛇行調整機能を発現するものである。この複数の分割体の駆動装置の駆動方式としては、特に限定されないが、バネ又は電動アクチュエータを用いることが好ましい。
【0060】
第三及び第四の蛇行調整機構は、分割されたシェルの傾動によって周速度を調整し、蛇行を防止するので、分割シェル傾動式蛇行調整装置と呼称できる。
【0061】
このような動的な蛇行調整機構は、手動制御することは可能であるが、蛇行調整機構に蛇行検知器及び蛇行制御装置を組み込み、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのコンベヤベルトの蛇行を自動的に制御することもできる。いずれの動的な蛇行調整機構も、本発明のベルトコンベヤのコンベヤベルトの位置を検出できるように配備された蛇行検知器により検知されたコンベヤベルトの位置が、変動量等の信号として蛇行制御装置に送信され、その信号に基づいて、蛇行制御装置が、上記第二のシェル外壁駆動装置、第二のプーリ駆動装置、第三のシェル外壁駆動装置、及び、第四のシェル外壁駆動装置を作動させることによってコンベヤベルトの蛇行調整が行われる。
【0062】
上記蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリに配備する方式であるが、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤには、プーリとコンベヤベルトとが係合する静的な蛇行調整機構を備えることも可能であり、好ましい形態の一つである。すなわち、本発明のベルトコンベヤは、エンドレスベルトが、駆動機構を具備しているヘッドプーリとテールプーリとに張架され、物品及び/又は物品収納容器を搬送するベルトコンベヤであって、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリにエンドレスベルトの張力調整機構が具備され、ヘッドプーリ及びテールプーリとエンドレスベルトとに係合する蛇行調整機構が具備されていることを特徴とするベルトコンベヤであってもよい。
【0063】
この蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及びテールプーリに、エンドレスベルトを誘導する凹部が形成されており、エンドレスベルトのプーリ側裏面に形成されている凸部と上記凹部が嵌合し、エンドレスベルトの蛇行を防止するものであるものが好ましく用いられる。従って、この蛇行調整機構は、嵌合式蛇行調整治具と呼称できる。ただし、このような凹部及び凸部は、プーリ及びエンドレスベルトの幅方向の中央に形成されていることが好ましいが限定されるものでもなく、また、凹部及び凸部の嵌合によって蛇行調整機能を発現するものに限定されず、プーリとエンドレスベルトとが係合する形態であれば限定されるものではない。
【0064】
以上、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤを詳細に説明してきたが、技術的根幹は、エンドレスベルトが、駆動機構を具備しているヘッドプーリとテールプーリとに張架され、物品及び/又は物品収納容器を搬送するベルトコンベヤにおいて、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリにエンドレスベルトの張力調整機構が具備され、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリにエンドレスベルトの蛇行調整機構が具備されているベルトコンベヤであることにある。特に、そのエンドレスベルトの芯体が樹脂シート又は繊維強化樹脂シートであり、機長が1,000~10,000mmであることを特徴としている。
【0065】
しかし、張力調整機構及び蛇行調整機構は、本発明のベルトコンベヤの小型化、ユニット化、及び、メンテナンスフリー化等の設備流動性を考慮すると、張力調整機構をテールプーリに配備し、静的な蛇行調整機構をヘッドプーリに配備することが最も好ましい形態である。しかしながら、本発明のベルトコンベヤの目的及び用途により、この構成に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0066】
本発明により、プーリの種類及び数量が劇的に削減されるので、運転時の振動や騒音、コンベヤベルトの耐久性、故障頻度等が改善され、短機長で、小型化・ユニット化されると共に、解体・組立が容易で、メンテナンスフリーであるベルトコンベヤを提供することが可能となる。言い換えれば、本発明は、その機構を支える構成部品の機能を集約した設備流動性が高いベルトコンベヤを提供するものである。更に、本発明により、コンベヤベルトの寿命及び経済性を改善することができる。従って、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤにより、情報システムによる物流システムの統合的管理が行われ、物の運搬及び保管に係る動きだけでなく、物の需要及び生産を含めた物の動きを把握及び制御可能な情報物流システムを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【
図1】駆動方式がフリクションドライブであるフリクション式ベルトコンベヤの断面構造模式図である。
【
図2】一般的なベルトコンベヤにおいて使用されるプーリの断面構造模式図である。
【
図3】本発明の、ポリエステルシートを芯体とするエンドレスベルト、両端のエンドプーリ、及び、駆動装置を基本的機械要素として具備し、両端のエンドプーリに張力調整機構及び蛇行調整機構を集約したヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤの外観斜視模式図である。
【
図4】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態であるプーリ移動式ネジ型張力調整装置を示す平面模式図(a)及び側面模式図(b)である。
【
図5】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態であるプーリ移動式バネ型張力調整装置を示す側面模式図である。
【
図6】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態であるプーリ移動式ガススプリング型張力調整装置を示す側面模式図である。
【
図7】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態であるプーリ移動式アクチュエータ型張力調整装置を示す側面模式図である。
【
図8】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態である分割シェル伸縮式アクチュエータ型張力調整装置を示すプーリシャフト軸心方向に切断した断面模式図(a)及び切断線Aを紙面に垂直に切断した断面模式図(b)である。
【
図9】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態である分割シェル伸縮式バネ型張力調整装置を示す分割シェルの一部を切断した開口部から見た斜視模式図(a)及び切断線Bをプーリシャフト軸心方向に対して垂直に切断した断面模式図(b)である。
【
図10】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される張力調整機構の一実施形態であるプーリ-コンベヤベルト間非接触式張力調整装置を示すシェルに通風孔を備えたプーリ断面模式図(a)及びシェルが連続気泡型多孔質体であるプーリ断面模式図(b)である。
【
図11】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤに適用される自動張力制御機構を構成するフランジ型張力検出装置断面模式図と張力制御装置の外観模式図である。
【
図12】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態である周速度制御式クラウン(凸面)型プーリの断面模式図である。
【
図13】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態である周速度制御式コンケイブ(凹面)型プーリの断面模式図である。
【
図14】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態である周速度制御式シェルカーブ型プーリの断面模式図である。
【
図15】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態である周速度制御式シャフトカーブ型プーリの断面模式図である。
【
図16】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態であるシェル表面形状制御式W螺旋溝加工シェル型プーリの平面模式図(a)及び切断線Cを紙面に垂直に切断した断面模式図(b)である。
【
図17】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態であるシェル表面形状制御式の縦溝加工シェル型プーリ(a)、横溝加工シェル型プーリ(b)、及び、ダイヤ加工シェル型プーリ(c)の表面形状を示す外観模式図である。
【
図18】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態である分割シェルスライド式蛇行調整装置を示すプーリシャフト軸心方向に切断した断面模式図(a)及び切断線Dを紙面に垂直に切断した断面模式図(b)である。
【
図19】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態であるプーリ旋回式センターピボット型蛇行調整装置を示すプーリシャフト軸心方向から視た側面模式図(a)及びプーリシャフト軸心の垂直方向から視た正面模式図(b)である。
【
図20】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態であるプーリ旋回式エンドピボット型蛇行調整装置を示す平面模式図(a)及びプーリシャフト軸心の垂直方向から視た正面模式図(b)である。
【
図21】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態である分割シェル傾動式蛇行調整装置を示す分割シェルの一部を切断した開口部から見た斜視模式図(a)及び切断線Eをプーリシャフト軸心方向に対して垂直に切断した断面模式図(b)である。
【
図22】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤに適用される自動蛇行制御機構を構成するエッジ検出センサー及び蛇行制御装置の外観模式図である。
【
図23】本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される蛇行調整機構の一実施形態であるベルト-プーリ嵌合式蛇行調整治具を示すプーリシャフト軸心を通り鉛直方向に切断した断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、図面に示した実施形態を用い、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
【0069】
図3(a)は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤの概要を示す外観斜視模式図である。この図には、張力調整機構及び/又は蛇行調整機構が認識することができないが、一端に、駆動装置34を具備し、張力調整機構及び/又は蛇行調整機構を集約した機能集約ヘッドプーリ31、他端に、張力調整機構及び/又は蛇行調整機構を集約した機能集約テールプーリ32を備え、これらのプーリにエンドレスベルト33が張架されたベルトコンベヤであり、極めてシンプルな構成のベルトコンベヤである。機長も図示されていないが、1,000~10,000mmの範囲内で、高速運転が可能である。
【0070】
特に、エンドレスベルト33は、
図3(b)に示すように、帯電防止ポリエステルシート芯体331の搬送物接触面に帯電防止ポリウレタン系エラストマーシート332、そのプーリ接触面に帯電防止ポリ塩化ビニルエラストマーシート333を積層したエンドレスベルトを一実施形態として示した。芯体は、ポリエステルシート以外に、ポリアミドシート、繊維強化したポリエステルシート及びポリアミドシートが用いられ、薄い程好ましい。一方、プーリ接触面のエラストマーは必ずしも必要としないが、搬送物接触面のエラストマーは、搬送物を安定して移動させるため、搬送物の種類、大きさ、重量等に応じて材質及び表面形状等を最適化することが好ましい。また、除電バー等の設置により、帯電防止機能も必ずしも必要としないが、搬送速度、エラストマーの材質、搬送物の種類等によっては、接触帯電、剥離帯電、及び、摩擦帯電が激しい場合があるため、設備及び搬送物の安全性という観点から付与されている方が好ましい。
【0071】
図3(a)からは、本発明のベルトコンベヤに具備される張力調整機構及び蛇行調整機構が認識されないので、以下、図面を用いて説明するが、基本的には、
図2に示す、シェル21、鏡板22、ボス23、シャフト24、及び、軸受け25から構成される典型的なプーリ
2及びエンドレスベルト33に張力調整機能及び蛇行調整機能を発現する機械的要素技術を付加するものである。なお、本発明のベルトコンベアには、ヘッドプーリとテールプーリの区別なく、張力調整機構及び蛇行調整機構を配備することが可能であるが、図面では、張力調整機構をテールプーリに、蛇行調整機構をヘッドプーリに配備する実施形態とし、張力調整機構及び蛇行調子機構以外の機構の図示は省略している。
【0072】
図4~7は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第一の張力調整機構の一実施形態として、プーリ自体を搬送方向及びその逆方向に可逆的な平行移動を行うことによって張力を制御するプーリ移動式張力調整装置を示すものである。従来のベルトコンベヤのテークアッププーリに採用されてきた張力調整機構をヘッドプーリ又はテールプーリに配備するものである(非特許文献8)。ここでは、上記の通り、テールプーリに張力調整機構を配備している実施形態を挙げる。
【0073】
図4は、本発明の一実施形態に係る、テールプーリを変位させる原動力としてボルト41を採用したプーリ移動式ネジ型張力調整装置
4であり、
図4(a)にその平面模式図を、
図4(b)にその側面模式図を示した。なお、テールプーリは、それを構成する一部の部品であるシャフト411、シェル412、及び、鏡板413等を表記することにより示している(以下、同様)。テールプーリのシャフト411に備えられた(軸受けプレート45に隠れ、破線の矢印で示している)軸受け414を支える軸受けプレート45が、張力調整可動ブロック43と接合治具48で接合されると共に、張力調整固定ブロック44と接合治具49で接合されており、更に、張力調整固定ブロック44は、接合治具49でコンベヤカバー側板47を備えた張力調整機構支持体46に固定されている。そして、張力調整ボルト41が、張力調整可動ブロック43と張力調整固定ブロック44とに亘って螺合されると共に、張力調整ナット42が螺合され、張力調整装置
4として機能する。張力調整ボルト41の回動による張力調整可動ブロック43の搬送方向への移動及びその逆方向への移動に連動したテールプーリの移動によりコンベヤベルト414の張力調整機能が発現される。張力調整機構位置ずれ防止治具410は、張力調整可動ブロック43の搬送方向への移動及びその逆方向への移動が正確に行われるために設けられており、張力調整ナット42は、手動の場合の張力調整可動ブロック43、すなわち、テールプーリの位置を固定するために設けられている。なお、
図4(b)の側面模式図では認識できない軸受けプレート45は、張力調整可動ブロック44と張力調整固定ブロック45の背面にあり、破線の矢印で示している。
【0074】
図5は、本発明の一実施形態に係る、テールプーリを変位させる原動力としてバネ51を採用したプーリ移動式ネジ型張力調整装置
5であり、
図4に示すプーリ移動式ネジ型張力調整装置
4と基本的に同じ構成の実施形態を代表例として示した。張力調整可動ブロック53と張力調整固定ブロック54とが連結されている張力調整圧縮バネ51がテールプーリを変位させる原動力で、コンベヤベルト514の張力を調整するものである。更に、張力調整装置
5は、張力調整固定ブロック54の位置を張力調整ネジ52によって変位させ、張力調整固定ブロック-張力調整機構支持体間接合治具59で固定することにより、最適なコンベヤベルト514の張力に設定可能に構成されている。
【0075】
図6は、本発明の一実施形態に係る、テールプーリを変位させる原動力としてガススプリング61を採用したプーリ移動式ガススプリング型張力調整装置
6であり、
図4に示すプーリ移動式ネジ型張力調整装置
4と基本的に同じ構成の実施形態を代表例として示した。張力調整可動ブロック62と張力調整固定ブロック63とが連結されているガススプリング61がテールプーリを変位させる原動力で、コンベヤベルト614の張力を調整するものである。この場合も、ガススプリング61による張力調整を補完するための、張力調整固定ブロック63の位置を変位させ、固定できる張力調整固定ブロック-張力調整機構支持体間接合治具69が備えられている。
【0076】
図7は、本発明の一実施形態に係る、テールプーリを変位させる原動力として電動シリンダ71を採用したプーリ移動式アクチュエータ型張力調整装置
7であり、
図4~6に示す張力調整機構同様、テールプーリを変位させて張力調整を行うものである。ただし、このアクチュエータ型張力調整装置
7では、電動シリンダ71が、軸受けプレートカバー側板74の背後にある、テールプーリを軸支する張力調整可動ブロック73と一体化した軸受けプレート72を変位させて張力調整を行えるため、構造がシンプルとなっている。このような構成において、コンベヤベルト78の張力調整は、電動シリンダ71のモーター711の回転運動がギアを介してボールネジ712の直進運動に変換され、ボールネジ712の先端固定金具713が軸受けプレート72を搬送方向及びその逆方向に変位させて行われる。
図7では、固定金具713が軸受けプレート72に連接されているが、張力調整ブロック73に連接する方が安定性を高めることができる。
【0077】
図8及び9は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第二の張力調整機構の一実施形態として、プーリを構成するシェルを複数に分割し、このシェルの複数の分割体をプーリの軸心に垂直な搬送方向及びその逆方向に可逆的な平行移動を行うことによって張力を制御するプーリ移動式張力調整装置を示すものである。特に、
図8(b)及び
図9(b)に示すように、この複数の分割体である張力調整分割シェル83、91は、シェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円の所定の中心角を成す2本の中心線とこのシェルの軸心に対して垂直に切断した断面である円との交点において、軸心方向に切断して一つの分割体が形成され、更に、これらが所定の中心角の間隔で複数形成された外形をしている。そして、これらの複数の分割体は、
図8の場合は電動シリンダ81を用い、
図9の場合は圧縮コイルバネ94を用い、搬送方向と平行方向に独立した反復運動が可能であるように、それぞれ、電動シリンダ81及び圧縮コイルバネ94と連接されている。
【0078】
図8に示す電動シリンダ81の場合、電動シリンダ81のモーター811の回転運動がギアを介して直進運動に変換されるボールネジ812の先端固定金具813が、スライダ82と連接され、更に、スライダ82は、連結棒接続リング85に固定されると共に、連結棒84を介して張力調整分割シェル83に連接されて、スライダ誘導シリンダ87内を移動できるように構成されている。このような構成において、電動シリンダ71のボールネジ812の駆動力が、スライダ82、連結棒接続リング85、及び、連結棒84を経由して、張力調整分割シェル83を、シャフト86の軸心から、
図8(a)の切断線Aで紙面に垂直に切断した断面模式図である
図8(b)の張力分割シェル83の外周を結ぶ円周の法線方向に伸縮してコンベヤベルト810の張力を調整する。
【0079】
図9に示す圧縮コイルバネ94の場合、張力調整分割シェル94には、張力調整ブロック911と共に、その移動方向のずれを防止する張力調整ブロックずれ防止凸部912が形成される一方、シャフト92に固定される張力調整ボス93には、張力調整ブロック911の変位を誘導する張力調整ブロック誘導凹部と圧縮コイルバネ94を装着する圧縮コイルバネ装着凹部が形成され、そこに圧縮コイルバネ94が装着される。このような構成において、圧縮コイルバネ94の押圧力が、張力調整ブロック911を経由して、
図9(a)の切断線Bで搬送方向に切断した断面模式図である
図9(b)の張力分割シェル94の外周を結ぶ円周の法線方向に作用してコンベヤベルト95の張力を調整する。
【0080】
図10は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第三の張力調整機構の一実施形態である、プーリのシェルから吐出される空気によってコンベヤベルトの張力が調整されるプーリ-コンベヤベルト間非接触式張力調整装置の、プーリの軸心に対して垂直に切断した、シェルに通風孔を備えたプーリ断面模式図(a)及びシェルが連続気泡型多孔質体であるプーリ断面模式図(b)である。
【0081】
この非接触式張力調整装置は、単純に説明すると、
図2に示す典型的なプーリ
2の構造のシェル21の代わりに、
図10(a)のように、通気孔1011を形成したスリット形成シェル101を適用し、
図10(b)のように、連続気泡型多孔質体シェル102を適用し、(図示していない)空気供給装置から供給される空気を各シェル101、102から吐出して、コンベヤベルト107をプーリから浮上させて張力調整を行いながらベルトコンベヤを稼働するものである(非特許文献9)。ただし、
図10(a)及び(b)では、一例として、スリット形成シェル101及び連続気泡型多孔質体シェル102の強度を補強するためのシェル支持体106を設けている。また、コンベヤベルトとシェルとが非接触であるため、必ず、蛇行調整機構を設ける必要がある。
【0082】
このような張力調整機構は、手動制御することは可能であるが、張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置を組み込み、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのコンベヤベルトの張力を自動的に制御することもできる。
図11には、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤの張力調整機構に張力検知器及び張力制御装置を組み込む自動張力制御機構の一実施形態として、フランジ型張力検出装置の断面模式図と張力制御装置の外観模式図を示した(非特許文献10)。
【0083】
図から明らかなように、自動調心軸受け1111、ベアリング1112、軸受けカバー1113から構成されるフランジ型張力検出装置111が、軸受けプレート113に検出装置固定治具1114で固定され、テールプーリのシャフト112が挿入されている。このように、フランジ型張力検出装置111が配備されると、このフランジ型張力検出装置111により検知されたコンベヤベルト117の張力が、荷重の信号として張力制御装置118に送信され、その信号に基づいて、張力制御装置112が、例えば、(図示されていない)プーリ移動式アクチュエータ型張力調整装置7の電動シリンダ71を作動させ、コンベヤベルト78の張力を調整することができる。
【0084】
次いで、本発明の蛇行調整機構について、図面に示した実施形態を用い、より詳細に説明するが、本発明の蛇行調整機構は、これらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
【0085】
本発明の蛇行調整機構は、大別すると、プーリの形態に基づいて蛇行が修正される静的な方法、又は、プーリ全体又はプーリのシェルの動作に基づいて蛇行が修正される動的な方法があり、それらのいずれも適用することができる。しかし、前者の場合は、特別に付設すべき装置を必要としないため、ヘッドプーリ及びテールプーリのいずれにも採用することができるが、後者の場合、プーリ全体又はプーリのシェルを作動させる装置を必要とするため、テールプーリに採用することが好ましい。しかし、これらは、張力調整機構及び蛇行調整機構の組み合わせにより適宜設計されるものであるため、実施形態においては、ヘッドプーリ及びテールプーリのいずれに配備するかという点には言及せず、蛇行調整機構はヘッドプーリに配備するものとする。
【0086】
図12~15には、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第一~四の静的な蛇行調整機構の一実施形態である、周速度が速い方向にコンベヤベルトが移動するという性質を利用した周速度制御式蛇行調整装置
12である(非特許文献11)。
図12~14は、プーリの軸心を通り、プーリの軸心方向に切断した断面模式図であり、
図15は、被覆されているエラストマーを一部剥離した外観模式図である。
【0087】
図12は、クラウン(凸面)型プーリ12-1であり、一般的なクラウン加工が施された断面形状である。すなわち、シェルの重心を通り軸心に直交するシェル断面の幅方向のシェル中央が最も高く隆起しており、このシェル断面の円の中心線を対称の中心とする対称な形状で、最も高く隆起しているシェル中央部に平坦部があり、シェル端部に向かって、軸心に直交するシェル断面の直径が小さくなる形状で、プーリ軸心を通り、プーリの軸心方向に切断した断面は全て
図12と同じ形状をしている。本発明のベルトコンベヤにおいても蛇行調整機構としてこのプーリを採用することができるが、図から明らかなように、クラウン加工が施されたプーリにおいては、平坦部の両端でコンベヤベルトが屈折している。この屈折が、積層されたコンベヤベルトの層間剝離を促進し、コンベヤベルトの寿命を短くする原因となるため、プーリのシェル外壁は、
図14のシェルカーブ型プーリ12-3の上部のように、シェル中央部が隆起している円孤状であることが好ましい。
【0088】
図13は、コンケイブ(凹面)型プーリ12-2であり、この場合も、シェル中央部軸心に直交するシェル断面の幅方向のシェル中央部が最も陥没しており、シェル断面の円の中心線を対称の中心とする対称な形状で、最も陥没しているシェル中央部に平坦部が形成されている。そして、このプーリも、軸心を通り、軸心方向に切断した断面は全て
図13と同じ形状である。また、クラウン型プーリ同様、コンベヤベルトの寿命という観点から、
図14のシェルカーブ型プーリ12-3の下部のように、円弧状に陥没していることが好ましい。
【0089】
図14は、
図12のクラウン型プーリ12-1と
図13のコンケイブ型プーリ12-2を折衷したシェルカーブ型プーリ12-3で、クラウン型プーリの隆起した円弧の頂点と軸心を通る一つの断面において、コンケイブ型プーリの陥没した底点が、クラウン型プーリの隆起した円弧の頂点と同じプーリの幅方向の中央となるように成形されているものである。すなわち、この断面においては、同心円の円弧で囲まれており、この断面の形状は、軸心を通り、軸心方向に切断した断面だけでしか認められない形状である。
【0090】
図12~14に示した各種プーリは、金属製円柱状シェルの外周に、精度よく成形されたエラストマーを接着して所望の形状を形成した実施形態を示したが、金属シェルの切削加工等の方法で形成されたものでもよく、更に、この切削加工等によって形成された形状を維持する状態でエラストマーが被覆されたものでもよい。
【0091】
図15は、シャフトカーブ型プーリ12-4であり、ここには、切削加工で製造された弓状のシャフト12-42に配置されたベアリングで装着された分割シェル12-41にエラストマーの樹脂カバー12-44を被覆して作製されたものについて、一部の樹脂カバー12-44を削除した外観模式図を示している。これは、円柱プーリをその重心を対称の中心として、弓状、好ましくは、円弧状に折り曲げたもので、
図14のシェルカーブ型プーリ12-3の軸心を円弧状に折り曲げたものと言える。
【0092】
図12~15に示した蛇行を防止するプーリは、いずれもシェルの周速度が幅方向で異なり、周速度の大きい方向にコンベヤベルトが移動する性質を用いて蛇行を防止するものであり、同じ範疇の周速度制御式蛇行調整装置
12として捉えることができる。
【0093】
図16及び17は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第五の蛇行調整機構の一実施形態であるシェル表面形状制御式蛇行調整装置
13である(非特許文献12)。
【0094】
図16(a)は、W螺旋溝加工シェル型プーリ13-1の平面模式図であり、
図16(b)は、
図16(a)の切断線Cを紙面に垂直に切断した断面模式図である。図から明らかのように、白く描かれている溝はシェルの幅方向の中央からシェルの端部の方向に、シェル軸心と直交する矢印の搬送方向と逆方向の直線と溝とが所定の角度を有して形成されている。また、溝は、シェル軸心方向に直角に形成されるよりも、
図16(b)の断面模式図に示すように、シェル端部の方向に傾斜している方が、エアスキュー効果が高く、蛇行を防止機能に優れている。
【0095】
更に、
図17には、エアスキュー効果による蛇行防止機能発現する代表的な表面形状を有するプーリの外観模式図を示した。いずれも白く描かれている部分が溝である。(a)は縦溝加工シェル型プーリ13-2、(b)は横溝加工シェル型プーリ13-3、そして、(c)はダイヤ加工シェル型プーリ13-4の表面形状を示す外観模式図である。エアスキュー効果は、これらの表面形状に限定されることなく、少なくともシェル表面に凹凸が形成されていればよい。
【0096】
図18~21には、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第一~三の動的な蛇行調整機構の実施形態を示す。
【0097】
図18は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第一の動的な蛇行調整機構の一実施形態である、シェル分割体がシェルの幅方向にスライドすることによって蛇行が防止される分割シェルスライド式蛇行調整装置
14を示すプーリシャフト軸心方向に切断した断面模式図(a)及び切断線Dを紙面に垂直に切断した断面模式図(b)である(特許文献3)。
【0098】
シェル分割体である分割スライドシェル141は、
図8及び9と同様に分割され、更に、シェル中央で分離され、搬送方向の左右で同期した、搬送方向に垂直な揺動が行われるようにリンク機構が備えられている。
【0099】
分割スライドシェル141は、中空シャフト142の中空シャフト被嵌円筒部材143に放射線状に配備されているスライド軸受け144によりスライド可能に支持されている。また、中空シャフト被嵌円筒部材143は、分割シェルスライド式蛇行調整装置支持体1414に固定されている中空シャフト142に軸受け145を介し回転可能に嵌合している。一方、中空シャフト142内に傾斜リング-スライドブロック間連結軸146は、(図示されていない)駆動装置と各種ギアで連接されて回転されると共に揺動され、この連結軸146と連接された傾斜リング147及びスライドブロック148も回転及び揺動する。そして、傾斜リング147は、スライドブロック148とリンクバー1410で連接され、スライドブロック148よりも径の大きいスライドブロック被嵌リンクアーム149とリンクバー1411で連接される一方、傾斜リング147は、各分割スライドシェル141とブラケット1412を介しボールジョイントのような連結治具1413で連接されている。このようなリンク機構に基づき、各分割スライドシェル141が、傾斜リング-スライドブロック間連結軸146の駆動が傾斜リング147の回転及び揺動、そして、各分割スライドシェルの回転及び揺動する。このような分割スライドシェル141とコンベヤベルト145との間に、コンベアベルト1415を搬送方向の左右に移動させる摩擦力が働き、コンベヤベルト1415の一方向への蛇行を防止することができる。従って、特に、分割スライドシェル141のコンベヤベルト1415との接触面及びコンベヤベルト1415の分割スライドシェル141との接触面は、両者の摩擦力を高める材質や形状とすることが好ましい。
【0100】
図19及び20は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第二の動的な蛇行調整機構の一実施形態である、プーリが回動することによって蛇行調整を行うプーリ旋回式蛇行調整装置を示している(非特許文献13)。
図19は、センターピボット型蛇行調整装置
15について、プーリシャフト軸心方向から視た側面模式図(a)及びプーリシャフト軸心の垂直方向から視た正面模式図(b)であり、
図20は、エンドピボット型蛇行調整装置
16について、平面模式図(a)及びプーリシャフト軸心の垂直方向から視た正面模式図(b)である。
【0101】
センターピボット型蛇行調整装置
15は、
図19から明らかなように、シャフト157に取り付けられている軸受け158を介してヘッドプーリを支持する蛇行調整軸受けブロック154の中央に取り付けられたアクチュエータ等の駆動部52に接続されたセンターピボット151が回動する蛇行調整装置である。
【0102】
エンドピボット型蛇行調整装置
16は、
図20から明らかなように、シャフト168に取り付けられている軸受け169を介してヘッドプーリを支持する蛇行調整軸受けブロック166の端部に取り付けられたアクチュエータ等の駆動部に接続されたエンドピボット161の回動により、蛇行調整軸受けブロック166のエンドピボット161の反対側端部に取り付けられた蛇行調整軸受けブロック回動中心軸164を中心に蛇行調整軸受けブロック166が回動する蛇行調整装置である。
【0103】
いずれも、コンベヤベルト159、1610が、シェル155、167の軸心方向に対し直角法方向に移動する性質を利用した蛇行調整装置である。エンドピボット型の方がコンベヤベルトの搬送方向と直角方向の両端部の張力差が大きいが、コンベヤベルトの強度を考えれば、いずれも使用することができる。しかし、本発明の機能をヘッドプーリ及び/又はテールプーリに機能を集約することを考慮すると、装置がコンパクトであるセンターピボット型の方が好ましい。
【0104】
図21は、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのヘッドプーリ又はテールプーリに具備される第三の動的な蛇行調整機構の一実施形態である、分割されたシェルの傾動によって周速度を変化させ蛇行を調整を行う分割シェル傾動式蛇行調整装置
17を示しており、分割シェルの一部を切断した開口部から見た斜視模式図(a)及び切断線Eをプーリシャフト軸心方向に対して垂直に切断した断面模式図(b)である(特許文献4)。
【0105】
分割傾動シェル171は、
図8及び9と同様に分割されたシェルを、シェルの軸心方向中央部を隆起させ、その端部の搬送方向の長さを短くした太鼓状とし、分割傾動シェル171の搬送方向中央部と端部の周速度の差を大きくすると共に、傾動しい形状としている。
この分割傾動シェル171には蛇行調整ブロック1711が形成される一方、シャフト172の軸心方向中央に蛇行調整ボス173が取り付けられ、蛇行調整ボスには、蛇行調整ブロック支持部1731及び引張りバネ装着凹部1733が形成されている。そして、蛇行調整ブロック1711と蛇行調整ブロック支持部1731とが、蛇行調整ブロック傾動軸1732により枢支され、引張りバネ174の張力とコンベヤベルトの張力のバランスにより、分割傾動シェル171が蛇行調整ブロック傾動軸1732を中心に回動、すなわち、各分割傾動シェル171がシェルの幅方向に傾動する。この傾動によって、コンベヤベルト175の蛇行が防止される。
【0106】
このような動的な蛇行調整機構は、手動制御することは可能であるが、蛇行調整機構に蛇行検知器及び蛇行制御装置を組み込み、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤのコンベヤベルトの蛇行を自動的に制御することもできる(非特許文献14)。例えば、
図22に示すように、コンベヤベルトのエッジ検出センサー181を備え、その変位量を信号として蛇行制御装置に送信し、その信号に基づいて、蛇行制御装置を駆動させることができる。
【0107】
以上、上記蛇行調整機構は、ヘッドプーリ及び/又はテールプーリに配備する方式であるが、本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤには、プーリとコンベヤベルトとが係合する静的な蛇行調整機構を備えることも可能であり、好ましい形態の一つである。
図23には、このような蛇行調整機構の一実施形態として、ベルト-プーリ嵌合式蛇行調整装置
19を示す(非特許文献15)。
図23は、プーリの軸心を通り、鉛直方向に切断した断面の模式図である。
【0108】
プーリのシェルの幅方向中央部にコンベヤベルト誘導凹部1911を形成した嵌合凹部形成シェル型プーリ191とし、コンベヤベルト誘導凸部をコンベヤベルトの幅方向中央部の搬送方向の全領域に形成した嵌合凸部形成コンベヤベルト192とし、これらが嵌合することによって蛇行が防止されるものである。この蛇行調整機構も、本発明の機能集約型ベルトコンベヤの目的に合致した有効な方法である。
【産業上の利用可能性】
【0109】
本発明のヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤは、プーリの種類及び数量が劇的に削減され、短機長で、小型化・ユニット化され得ると共に、解体・組立が容易で、メンテナンスフリーであり、設備流動性が高いため、物流センター内の各工程を中継する搬送装置としてだけではなく、自動車、家電製品、半導体製品、食品加工等、多種多様な生産工場の搬送装置に適用することによって、製造ラインの生産集約度の向上を図ることができ、産業上の利用可能性が極めて高い。
【0110】
また、本発明に具備されている張力調整機構及び蛇行調整機構性は、ベルトコンベヤのみならず、ウェブ搬送が行われている工程に広く応用することができ、技術的波及効果が大きい。この点からも、本発明の産業上の利用可能性は極めて高いと考えられる。
【符号の説明】
【0111】
1 フリクション式ベルトコンベヤ
11 ヘッドプーリ
12 テールプーリ
13 コンベヤベルト
14 駆動ホイール
15 駆動装置
16 受けプーリ
17 フレーム
2 典型的プーリ
21 シェル
22 鏡板
23 ボス
24 シャフト
25 軸受け
3 張力調整機構及び蛇行調整機構をエンドプーリに集約したヘッドドライブ式短機長ツーエンドプーリ型ベルトコンベヤ
31 機能集約ヘッドプーリ
32 機能集約テールプーリ
33 ポリエステルシート芯体ユニプライ型エンドレスベルト
331 ポリエステルシート芯体
332 ポリウレタン系エラストマーシート(搬送物接触面)
333 ポリ塩化ビニル系エラストマーシート(プーリ接触面)
34 ベルトコンベヤ駆動装置
35 ベルトコンベヤ筐体
4 プーリ移動式ネジ型張力調整装置
41 張力調整ボルト
42 張力調整ナット
43 張力調整可動ブロック
44 張力調整固定ブロック
45 軸受けプレート
46 張力調整機構支持体
47 コンベヤカバー側板
48 張力調整可動ブロック-軸受けプレート間接合治具
49 張力調整固定ブロック-張力調整機構支持体間接合治具
410 張力調整機構位置ずれ防止治具
411 シャフト
412 シェル
413 鏡板
414 コンベヤベルト
5 プーリ移動式バネ型張力調整装置
51 張力調整圧縮コイルバネ
52 張力調整ネジ
53 張力調整可動ブロック
54 張力調整固定ブロック
55 軸受けプレート
56 張力調整機構支持体
57 コンベヤカバー側板
58 張力調整可動ブロック-軸受けプレート間接合治具
59 張力調整用張力調整固定ブロック-張力調整機構支持体間接合治具
510 張力調整機構位置ずれ防止治具
511 シャフト
512 シェル
513 鏡板
514 コンベヤベルト
6 プーリ移動式ガススプリング型張力調整装置
61 ガススプリング
62 張力調整可動ブロック
63 張力調整固定ブロック
64 軸受けプレート
65 張力調整機構支持体
66 コンベヤカバー側板
67 ガススプリング-張力調整固定ブロック間接合治具
68 張力調整可動ブロック-軸受けプレート間接合治具
69 張力調整用張力調整固定ブロック-張力調整機構支持体間接合治具
610 張力調整機構位置ずれ防止治具
611 シャフト
612 シェル
613 鏡板
614 コンベヤベルト
7 プーリ移動式アクチュエータ型張力調整装置
71 電動シリンダ
711 モーター
712 ボールネジ
713 先端固定金具
72 軸受けプレート
73 張力調整可動ブロック
74 軸受けプレートカバー側板
75 シャフト
76 シェル
77 鏡板
78 コンベヤベルト
8 分割シェル伸縮式アクチュエータ型張力調整装置
81 電動アクチュエータ
811 モーター
812 ボールネジ
813 先端固定金具
82 スライダ
83 張力調整分割シェル
84 分割シェル-スライダ間連結棒
85 連結棒接続リング
86 シャフト
87 スライダ誘導シリンダ
88 ベアリング
89 軸受けプレート
810 コンベヤベルト
9 分割シェル伸縮式バネ型張力調整装置
91 張力調整分割シェル
911 張力調整ブロック
912 張力調整ブロックずれ防止凸部
92 シャフト
93 張力調整ボス
931 張力調整ブロック誘導凸部
932 圧縮コイルバネ装着凹部
94 圧縮コイルバネ
95 コンベヤベルト
10 プーリ-コンベヤベルト間非接触式張力調整装置
101 スリット形成シェル
1011 通風孔
102 連続気泡型多孔質体シェル
103 シャフト
104 ベアリング
105 シェル支持体固定シャフトカバー
106 シェル支持体
107 コンベヤベルト
11 自動張力制御機構
111 フランジ型張力検出装置
1111 自動調心軸受け
1112 ベアリング
1113 軸受けカバー
1114 検出装置固定治具
112 張力制御装置
12 周速度制御式蛇行調整装置
12-1 クラウン(凸面)型プーリ
121 シェル
122 鏡板
123 ボス
124 シャフト
125 軸受け
126 コンベヤベルト
12-2 コンケイブ(凹面)型プーリ
12-3 シェルカーブ型プーリ
12-4 シャフトカーブ型プーリ
12-41 ベアリング
12-42 シャフト
12-43 軸受け
12-44 樹脂カバー
13 シェル表面形状制御式蛇行調整装置
13-1 W螺旋溝加工シェル型プーリ
131 シェル
132 鏡板
133 ボス
134 シャフト
135 軸受け
136 コンベヤベルト
13-2 縦溝加工シェル型プーリ
13-3 横溝加工シェル型プーリ
13-4 ダイヤ加工シェル型プーリ
14 分割シェルスライド式蛇行調整装置
141 分割スライドシェル
142 中空シャフト
143 中空シャフト被嵌円筒部材
144 スライド軸受け
145 中空シャフト被嵌円筒部材軸受け
146 傾斜リング-スライドブロック間連結軸
147 傾斜リング
148 スライドブロック
149 スライドブロック被嵌リンクアーム
1410 傾斜リング-スライドブロック間リンクバー
1411 傾斜リング-リンクアーム間リンクバー
1412 分割スライドシェル支持ブラケット
1413 傾斜リング-ブラケット間連結治具
1414 分割シェルスライド式蛇行調整装置支持体
1415 コンベヤベルト
15 プーリ旋回式センターピボット型蛇行調整装置
151 センターピボット
152 駆動部
153 ピボットスタンド
154 蛇行調整軸受けブロック
155 シェル
156 鏡板
157 シャフト
158 軸受け
159 コンベヤベルト
16 プーリ旋回式エンドピボット型蛇行調整装置
161 エンドピボット
162 駆動部
163 ピボットスタンド
164 蛇行調整軸受けブロック回動中心軸
165 蛇行調整軸受けブロック回動中心軸スタンド
166 蛇行調整軸受けブロック
167 シェル
168 シャフト
169 軸受け
1610 コンベヤベルト
17 分割シェル傾動式蛇行調整装置
171 分割傾動シェル
1711 蛇行調整ブロック
172 シャフト
173 蛇行調整ボス
1731 蛇行調整ブロック支持部
1732 蛇行調整ブロック傾動軸
1733 引張りバネ装着凹部
174 引張りバネ
175 コンベヤベルト
18 自動蛇行制御機構
181 エッジ検出センサー
182 蛇行制御装置
19 ベルト-プーリ嵌合式蛇行調整装置
191 嵌合凹部形成シェル型プーリ
1911 コンベヤベルト誘導凹部
192 嵌合凸部形成コンベヤベルト
1921 コンベヤベルト誘導凸部(桟)
193 鏡板
194 ボス
195 シャフト
196 軸受け
A、B、C、D、及び、E 切断線