(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023063942
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】電子機器及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20230428BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20230428BHJP
H02J 7/02 20160101ALI20230428BHJP
【FI】
G06F1/26 303
H02J1/00 306K
H02J7/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174060
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】518133201
【氏名又は名称】富士通クライアントコンピューティング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤木 立弥
【テーマコード(参考)】
5B011
5G165
5G503
【Fターム(参考)】
5B011DA02
5B011DA13
5B011EA04
5B011FF02
5B011GG02
5B011JB10
5G165DA02
5G165DA06
5G165EA07
5G165HA16
5G165MA01
5G165MA10
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503DA06
5G503GB01
5G503GB03
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】複数の電源からの電力を有効に利用可能にする。
【解決手段】電子機器は、第1コネクタと、第2コネクタと、負荷回路と、バッテリと、外部から入力された電力をバッテリに適合するように調整する充電回路と、第1コネクタに第1電源が接続され、且つ第2コネクタに第2電源が接続された場合に、第1電源及び第2電源のうちの一方からの電力を負荷回路に入力させ、第1電源及び第2電源のうちの他方からの電力を充電回路に入力させる接続制御部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1コネクタと、
第2コネクタと、
負荷回路と、
バッテリと、
外部から入力された電力を前記バッテリに適合するように調整する充電回路と、
前記第1コネクタに第1電源が接続され、且つ前記第2コネクタに第2電源が接続された場合に、前記第1電源及び前記第2電源のうちの一方からの電力を前記負荷回路に入力させ、前記第1電源及び前記第2電源のうちの他方からの電力を前記充電回路に入力させる接続制御部と、
を備える電子機器。
【請求項2】
前記接続制御部は、前記充電回路による調整後の電力を前記バッテリに入力させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記接続制御部は、前記充電回路による調整後の電力を前記負荷回路に入力させる、
請求項1に記載の電子機器。
【請求項4】
前記接続制御部は、
前記第1コネクタと前記負荷回路とを接続する第1接続線と、前記第2コネクタと前記充電回路とを接続する第2接続線とを接続するバイパス線と、
前記バイパス線の導通状態のON/OFFを切り替えるスイッチ部と、
を含む、
請求項1~3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記第1コネクタ及び前記第2コネクタは、データ転送及び送電が可能な構成を有する、
請求項1~4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
第1コネクタと、第2コネクタと、負荷回路と、バッテリと、外部から入力された電力を前記バッテリに適合するように調整する充電回路と、外部電源から入力された電力の流通経路を制御する接続制御部とを備える電子機器を制御するプログラムであって、
前記第1コネクタに第1電源が接続され、且つ前記第2コネクタに第2電源が接続された場合に、前記第1電源及び前記第2電源のうちの一方からの電力を前記負荷回路に入力させ、前記第1電源及び前記第2電源のうちの他方からの電力を前記充電回路に入力させるように前記接続制御部を動作させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子機器及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(Personal Computer)等の電子機器において、データ転送及び送電が可能なケーブル(例えばUSB Type-Cケーブル等)と接続するコネクタが搭載されるケースが増えている。このようなコネクタは、ACアダプタ等の電源が接続されることにより、給電用のコネクタとして利用され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコネクタを利用することにより、1つの電子機器に複数の電源を接続することが可能となるが、従来技術によっては、複数の電源からの電力を有効に利用できなかった。
【0005】
そこで、本開示の課題の一つは、複数の電源からの電力を有効に利用可能な電子機器及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1態様としての電子機器は、第1コネクタと、第2コネクタと、負荷回路と、バッテリと、外部から入力された電力をバッテリに適合するように調整する充電回路と、第1コネクタに第1電源が接続され、且つ第2コネクタに第2電源が接続された場合に、第1電源及び第2電源のうちの一方からの電力を負荷回路に入力させ、第1電源及び第2電源のうちの他方からの電力を充電回路に入力させる接続制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の電子機器によれば、複数の電源からの電力を有効に利用可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1実施形態にかかるPCの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態にかかるACアダプタ接続状態とスイッチ制御と電力供給元との関係の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態にかかるMPUの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図4】
図4は、第2実施形態にかかるPCの構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、第2実施形態にかかるACアダプタ接続状態とスイッチ制御と負荷回路への電力供給元との関係の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態にかかるMPUの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、並びに当該構成によってもたらされる作用及び効果は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態にかかるPC1の構成の一例を示すブロック図である。PC1は、電子機器の一例である。PC1は、第1コネクタ11、第2コネクタ12、負荷回路13、バッテリ14、充電回路15、PDC(Power Delivery Controller)16、及びMPU(Micro Processing Unit)18を備える。
【0011】
第1コネクタ11及び第2コネクタ12は、データ転送及び送電が可能なケーブルと接続するものであり、ここではUSB Type-C規格に準ずる通信が可能なType-Cコネクタであるものとする。
図1において、第1コネクタ11に第1電源の一例としての第1ACアダプタ(AC1)31が接続され、第2コネクタ12に第2電源の一例としての第2ACアダプタ(AC2)32が接続された状態が示されている。
【0012】
負荷回路13は、電力を消費して所定の処理を実行する集積回路であり、例えばCPU(Central Processing Unit)等であり得る。なお、負荷回路13はCPUに限定されるものではない。
【0013】
バッテリ14は、蓄電及び放電が可能な二次電源であり、例えばリチウムイオン電池等であり得る。
【0014】
充電回路15は、MPU18からの制御信号に基づいてバッテリ14の充電及び放電を制御する回路である。充電回路15は、外部から入力された電力をバッテリ14の仕様に適合するように調整する。電力の調整方式は特に限定されるべきものではなく、例えば公知の定電圧方式、定電流方式、定電流定電圧方式、定電力方式等が適用され得る。充電回路15は、バッテリ14と充電回路15との接続状態、及びバッテリ14と負荷回路13との接続状態を切り替えるための第1充放電スイッチSW4及び第2充放電スイッチSW5を制御する。充電時には、第1充放電スイッチSW4がOFFとなり、第2充放電スイッチSW5がONとなり、充電回路15により調整された電力Pbがバッテリ14に供給される。放電時には、第1充放電スイッチSW4及び第2充放電スイッチSW5がONとなり、バッテリ14の電力が負荷回路13に供給される。
【0015】
PDC16は、MPU18からの制御信号に基づいて、第1コネクタ11及び第2コネクタ12から入力される電力の流通経路を制御するユニットである。PDC16は、第1分配スイッチSW1、第2分配スイッチSW2、及び第3分配スイッチSW3(スイッチ部の一例)を有する。
図1において、第1コネクタ11と負荷回路13とを接続する第1接続線21、第2コネクタ12と充電回路15とを接続する第2接続線22、第1コネクタ11と第2接続線22とを接続する第3接続線23、第2コネクタ12と第1接続線21とを接続する第4接続線24、及び第1接続線21と第2接続線22とを接続するバイパス線25が示されている。第1分配スイッチSW1は、第1コネクタ11と第1接続線21とを接続させる接続点1-1と、第1コネクタ11と第3接続線23とを接続させる接続点1-2と、第1コネクタ11を非接続とする(無効化する)接続点1-OFFとを切り替える。第2分配スイッチSW2は、第2コネクタ12と第4接続線24とを接続させる接続点2-1と、第2コネクタ12と第2接続線22とを接続させる接続点2-2と、第2コネクタ12を非接続とする(無効化する)接続点2-OFFとを切り替える。第3分配スイッチSW3は、バイパス線25の導通状態のON/OFFを切り替える。
【0016】
MPU18は、不揮発性記憶媒体に記憶されたプログラムに従って充電回路15及びPDC16を制御するための演算処理及び制御処理を実行する集積回路(プロセッサ)である。MPU18は、外部電源(第1ACアダプタ31、第2ACアダプタ32、又はその他の電源)の接続状態、バッテリ14の残量(電圧)、負荷回路13の消費電力等に基づいて、分配スイッチSW3~SW5及び充放電スイッチSW4,SW5を制御するための処理を行う。
【0017】
図2は、第1実施形態にかかるACアダプタ接続状態とスイッチ制御と電力供給元との関係の一例を示す図である。
【0018】
ケース1は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続され、且つ第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されていない状態である。このようなケース1においては、第1分配スイッチSW1は接続点1-1に接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-OFFに接続し、第3分配スイッチSW3はONとなる。これにより、負荷回路13への電力供給元及びバッテリ14への電力供給元は、共に第1ACアダプタ31となる。
【0019】
ケース3は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続されておらず、且つ第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されている状態である。このようなケース3においては、第1分配スイッチSW1は接続点1-OFFに接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-2に接続し、第3分配スイッチSW3はONとなる。これにより、負荷回路13への電力供給元及びバッテリ14への電力供給元は、共に第2ACアダプタ32となる。
【0020】
ケース2は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続され、且つ第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続された状態である。このようなケース2においては、第1分配スイッチSW1は接続点1-1に接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-2に接続し、第3分配スイッチSW3はOFFとなる。これにより、負荷回路13への電力供給元は第1ACアダプタ31となり、バッテリ14への電力供給元は第2ACアダプタ32となる。
【0021】
本実施形態においては、上記ケース2のように2つの電源が同時に接続された場合には、一方の電源(例えば第1ACアダプタ31)からの電力(例えば電力P1)が負荷回路13へ供給され、他方の電源(例えば第2ACアダプタ32)からの電力(例えば電力P2)が充電回路15により電力Pbに調整されてバッテリ14に供給される。これにより、同時に接続された2つの電源からの電力P1,P2を有効に利用できる。
【0022】
図3は、第1実施形態にかかるMPU18の処理の一例を示すフローチャートである。MPU18は、所定のタイミング(例えばPC1の起動後等)において、全ての分配スイッチSW1~SW3の状態を初期化する(S101)。このとき、第1分配スイッチSW1は接続点1-OFFに接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-OFFに接続し、第3分配スイッチSW3はONとなる。その後、MPU18は、PC1に設けられた所定のコネクタ(本実施形態では第1コネクタ11又は第2コネクタ12)に外部電源としてのACアダプタ(本実施形態では第1ACアダプタ31又は第2ACアダプタ32)が接続されたか否かを判定する(S102)。ACアダプタが接続されていない場合(S102:No)、ステップS102が繰り返し実行される。すなわち、ステップS102によりPC1への外部電源の接続の有無が監視されている状態となる。
【0023】
ACアダプタの接続が検知され(S102:Yes)、その接続が第1コネクタ11への第1ACアダプタ31の接続である場合(AC1接続)、MPU18は、第1ACアダプタ31を有効化するために、第1分配スイッチSW1を接続点1-1に接続させる(S103)。その後、MPU18は、第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されたか否かを判定し(S104)、第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されていない場合(S104:No)、再度ステップS104が実行される。第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続された場合(S104:Yes)、MPU18は、第2ACアダプタ32を有効化するために、第3分配スイッチSW3をOFFにし、第2分配スイッチSW2を接続点2-2に接続させる(S105)。これにより、第1ACアダプタ31からの電力P1が負荷回路13へ供給され、第2ACアダプタ32からの電力P2が充電回路15で電力Pbに調整されてバッテリ14に供給される。
【0024】
一方、ACアダプタの接続が検知され(S102:Yes)、その接続が第2コネクタ12への第2ACアダプタ32の接続である場合(AC2接続)、MPU18は、第2ACアダプタ32を有効化するために、第2分配スイッチSW2を接続点2-1に接続させる(S106)。その後、MPU18は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続されたか否かを判定し(S107)、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続されていない場合(S107:No)、再度ステップS107が実行される。第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続された場合(S107:Yes)、MPU18は、第1ACアダプタ31を有効化するために、第3分配スイッチSW3をOFFにし、第1分配スイッチSW1を接続点1-2に接続させる(S108)。これにより、第2ACアダプタ32からの電力P2が負荷回路13へ供給され、第1ACアダプタ31からの電力P1が充電回路15を介して電力Pbとしてバッテリ14に供給される。
【0025】
上記処理によれば、先に接続されたACアダプタからの電力が負荷回路13に供給され、後に接続されたACアダプタからの電力が充電回路15を介してバッテリ14に供給される。なお、先に接続されたACアダプタからの電力が充電回路15を介してバッテリ14に供給され、後に接続されたACアダプタからの電力が負荷回路13に供給されてもよい。
【0026】
以上のように、本実施形態によれば、同時に2つの電源が接続された場合に、一方の電源の電力を負荷回路13に供給し、他方の電源からの電力を、充電回路15を介してバッテリ14に供給できる。これにより、同時に接続された複数の電源からの電力を有効に利用できる。
【0027】
以下に他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1実施形態と同一又は同様の箇所については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
【0028】
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態にかかるPC2の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態にかかるPC2は、同時に2つの電源が接続された場合に、一方の電源からの電力を負荷回路13に供給し、他方の電源からの電力を充電回路15で調整した上で負荷回路13に供給する手段を有している。
【0029】
本実施形態にかかるPC2は、負荷回路13に供給される電力の値(電圧値又は/及び電流値)を検出するセンサ33を備えている。また、本実施形態にかかる充電回路15は、センサ33による検出結果に基づいて、充電回路15に入力される電力を調整し、調整後の電力を負荷回路13に供給可能な構成を有する。
【0030】
図5は、第2実施形態にかかるACアダプタ接続状態とスイッチ制御と負荷回路への電力供給元との関係の一例を示す図である。
【0031】
ケース1は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続され、且つ第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されていない状態である。このようなケース1においては、第1分配スイッチSW1は接続点1-1に接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-OFFに接続し、第3分配スイッチSW3はONとなり、第1充放電スイッチSW4はOFFとなり、第2充放電スイッチSW5はONとなる。これにより、負荷回路13への電力供給元は、第1ACアダプタ31となる。
【0032】
ケース3は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続されておらず、且つ第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されている状態である。このようなケース3においては、第1分配スイッチSW1は接続点1-OFFに接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-2に接続し、第3分配スイッチSW3はONとなり、第1充放電スイッチSW4はOFFとなり、第2充放電スイッチSW5はONとなる。これにより、負荷回路13への電力供給元は、第2ACアダプタ32となる。
【0033】
ケース2は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続され、且つ第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続された状態である。このようなケース2においては、第1分配スイッチSW1は接続点1-1に接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-2に接続し、第3分配スイッチSW3はOFFとなり、第1充放電スイッチSW4はONとなり、第2充放電スイッチSW5はOFFとなる。これにより、第1ACアダプタ31及び第2ACアダプタ32の両方が負荷回路13への電力供給元となる。
【0034】
本実施形態においては、上記ケース2のように2つの電源が同時に接続された場合には、一方の電源(例えば第1ACアダプタ31)からの電力(例えば電力P1)が負荷回路13へ供給され、他方の電源(例えば第2ACアダプタ32)からの電力(例えば電力P2)が充電回路15で電力Pbに調整されて負荷回路13に供給される。このときの充電回路15における電力調整は、センサ33による検出結果に基づいて、例えば、負荷回路13に供給されている電力の不足分を補うように行われる。これにより、同時に接続された2つの電源からの電力P1,P2を有効に利用できる。
【0035】
図6は、第2実施形態にかかるMPU18の処理の一例を示すフローチャートである。MPU18は、所定のタイミング(例えばPC1の起動後等)において、全ての分配スイッチSW1~SW3及び充放電スイッチSW4,SW5の状態を初期化する(S201)。このとき、第1分配スイッチSW1は接続点1-OFFに接続し、第2分配スイッチSW2は接続点2-OFFに接続し、第3分配スイッチSW3はONとなり、第1充放電スイッチSW4はOFFとなり、第2充放電スイッチSW5はONとなる。その後、MPU18は、PC2に設けられた所定のコネクタ(本実施形態では第1コネクタ11又は第2コネクタ12)に外部電源としてのACアダプタ(本実施形態では第1ACアダプタ31又は第2ACアダプタ32)が接続されたか否かを判定する(S202)。ACアダプタが接続されていない場合(S202:No)、ステップS202が繰り返し実行される。すなわち、ステップS202によりPC2への外部電源の接続の有無が監視されている状態となる。
【0036】
ACアダプタの接続が検知され(S202:Yes)、その接続が第1コネクタ11への第1ACアダプタ31の接続である場合(AC1接続)、MPU18は、第1ACアダプタ31を有効化するために、第1分配スイッチSW1を接続点1-1に接続させる(S203)。その後、MPU18は、第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されたか否かを判定し(S204)、第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続されていない場合(S204:No)、再度ステップS204が実行される。第2コネクタ12に第2ACアダプタ32が接続された場合(S204:Yes)、MPU18は、第2ACアダプタ32を有効化するために、第3分配スイッチSW3をOFFにし、第2充放電スイッチSW5をOFFにし、第1充放電スイッチSW4をONにし、第2分配スイッチSW2を接続点2-2に接続させる(S205)。これにより、第1ACアダプタ31からの電力P1が負荷回路13へ供給され、第2ACアダプタ32からの電力P2が充電回路15で電力Pbに調整されて負荷回路13に供給される。
【0037】
一方、ACアダプタの接続が検知され(S202:Yes)、その接続が第2コネクタ12への第2ACアダプタ32の接続である場合(AC2接続)、MPU18は、第2ACアダプタ32を有効化するために、第2分配スイッチSW2を接続点2-1に接続させる(S206)。その後、MPU18は、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続されたか否かを判定し(S207)、第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続されていない場合(S207:No)、再度ステップS207が実行される。第1コネクタ11に第1ACアダプタ31が接続された場合(S207:Yes)、MPU18は、第1ACアダプタ31を有効化するために、第3分配スイッチSW3をOFFにし、第2充放電スイッチSW5をOFFにし、第1充放電スイッチSW4をONにし、第1分配スイッチSW1を接続点1-2に接続させる(S208)。これにより、第2ACアダプタ32からの電力P2が負荷回路13へ供給され、第1ACアダプタ31からの電力P1が充電回路15で電力Pbに調整されて負荷回路13に供給される。
【0038】
上記処理によれば、先に接続されたACアダプタからの電力がそのまま負荷回路13に供給され、後に接続されたACアダプタからの電力が充電回路15で調整された後に負荷回路13に供給される。
【0039】
以上のように、本実施形態によれば、同時に2つの電源が接続された場合に、一方の電源の電力をそのまま負荷回路13に供給し、他方の電源からの電力を、充電回路15で調整した上で負荷回路13に供給できる。これにより、同時に接続された複数の電源からの電力を有効に利用できる。
【0040】
また、上述した実施形態(第1実施形態)においては、接続制御部(PDC16、MPU18等の協働により構成されるユニット)は、充電回路15による調整後の電力Pbをバッテリ14に入力させる。これにより、同時に接続された複数の電源からの電力を有効に利用してバッテリ14を充電できる。
【0041】
また、上述した実施形態(第2実施形態)においては、接続制御部は、充電回路15による調整後の電力Pbを負荷回路13に入力させる。これにより、同時に接続された複数の電源からの電力を有効に利用して負荷回路13を作動させることができる。
【0042】
また、上述した実施形態においては、接続制御部は、第1コネクタ11と負荷回路13とを接続する第1接続線21と、第2コネクタ12と充電回路15とを接続する第2接続線22とを接続するバイパス線25と、バイパス線25の導通状態のON/OFFを切り替えるスイッチ部(第3分配スイッチSW3)と、を含む。これにより、同時に接続された複数の電源からの電力を適切に分配できる。
【0043】
また、上述した実施形態においては、第1コネクタ11及び第2コネクタ12は、データ転送及び送電が可能な構成を有する。これにより、例えば複数のUSB TYPE-Cコネクタを備える電子機器に、本開示にかかる技術を適用できる。
【0044】
上述した実施形態の機能を実現するための処理をコンピュータ(例えばMPU18)に実行させるプログラムは、例えばCPUに搭載された記憶素子に予め記憶された状態で提供され得るが、これに限定されるものではない。プログラムは、例えば、CD-ROM等の適宜な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよいし、インターネット等のコンピュータネットワークを介して提供されてもよい。
【0045】
以上、本発明の実施形態を説明したが、実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1,2…PC、11…第1コネクタ、12…第2コネクタ、13…負荷回路、14…バッテリ、15…充電回路、16…PDC、18…MPU、21…第1接続線、22…第2接続線、23…第3接続線、24…第4接続線、25…バイパス線、31…第1ACアダプタ、32…第2ACアダプタ、33…センサ、SW1…第1分配スイッチ、SW2…第2分配スイッチ、SW3…第3分配スイッチ、SW4…第1充放電スイッチ、SW5…第2充放電スイッチ