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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006395
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】床吹出し用の風向調整装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/068 20060101AFI20230111BHJP
   F24F 13/10 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
F24F13/068 A
F24F13/10 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108971
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390022666
【氏名又は名称】協立エアテック株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390031978
【氏名又は名称】株式会社テクネット
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】村上 宏次
(72)【発明者】
【氏名】菊本 悦司
(72)【発明者】
【氏名】天田 靖佳
(72)【発明者】
【氏名】長田 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】神原 光一
(72)【発明者】
【氏名】宮村 泰至
(72)【発明者】
【氏名】重松 拓也
(72)【発明者】
【氏名】占部 寿雄
(72)【発明者】
【氏名】木場 隆之
(72)【発明者】
【氏名】黒川 郁史
(72)【発明者】
【氏名】金子 幸生
【テーマコード(参考)】
3L080
3L081
【Fターム(参考)】
3L080BA04
3L080BA10
3L080BA11
3L080BB04
3L081AA02
3L081AB06
(57)【要約】
【課題】床吹き出し式の吹出部から吹き出される空調用空気の風向きを容易に調整することができる。
【解決手段】床に配置される吹出部2に設けられ、床上に向けて空調用空気Eを吹き出す吹出ファン3の上側に備えられ、空調用空気Eの風向きを変える床吹出し用の風向調整装置10であって、床に直交する方向に延びる回転軸11と、回転軸11に固定され、水平方向に配列された複数の傾斜羽根12と、回転軸11の上端に一体に固定された回動操作部13と、を備えた構成の床吹出し用の風向調整装置を提供する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床に配置される吹出部に設けられ、床上に向けて空調用空気を吹き出す吹出ファンの上側に備えられ、前記空調用空気の風向きを変える床吹出し用の風向調整装置であって、
床に直交する方向に延びる回転軸と、
前記回転軸に固定され、水平方向に配列された複数の傾斜羽根と、
前記回転軸の上端に一体に固定された回動操作部と、
を備えていることを特徴とする床吹出し用の風向調整装置。
【請求項2】
前記複数の傾斜羽根は、前記回転軸を中心とする円周枠の内側に固定され、
前記円周枠は前記回転軸と一体で設けられ、
前記回動操作部を回転させることで、前記円周枠と前記複数の傾斜羽根とが一体で回転することを特徴とする請求項1に記載の床吹出し用の風向調整装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、床吹出し用の風向調整装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、床の所定位置に配置された複数の吹出口から室内に空調用空気を供給する床吹出し式の空調制御システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このような床吹出し式の空調システムでは、二重床で形成された床下空間(内部空間)をチャンバーとして利用し、このチャンバーから床パネルの通気孔、さらに通気性のタイルカーペットを通じて空調用空気(給気OA)を室内に吹き出すことにより供給して空調を行う。これにより、空調用空気を床全面から室内へ緩やかに且つ均一に送気することができる置換型の空調システムとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-241854号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の床吹出し式の空調システムにおいても吹出口から吹き出される空調用空気の風向きを容易に調整できる構造のものが求められている。風向きを調整する吹出部として、天井設置型のファン付き吹出口が一般的に知られている。この場合、風向きの切り替え操作は手動であるが、天井に設置されていることから風向きを変更する操作を日常的に行い難いという問題があった。さらに、吹出口の取付位置は床パネルの大きさや配置で決まることから、吹出口の設置位置が必ずしも利用者にとって適した位置にならないという問題があり、その点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、床吹き出し式の吹出部から吹き出される空調用空気の風向きを容易に調整することができる床吹出し用の風向調整装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る床吹出し用の風向調整装置は、床に配置される吹出部に設けられ、床上に向けて空調用空気を吹き出す吹出ファンの上側に備えられ、前記空調用空気の風向きを変える床吹出し用の風向調整装置であって、床に直交する方向に延びる回転軸と、前記回転軸に固定され、水平方向に配列された複数の傾斜羽根と、前記回転軸の上端に一体に固定された回動操作部と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明では、回動操作部を回動させて複数の傾斜羽根を回転させることで、上下方向を中心として回転する方向に容易に風向きを変更することができる。また、回動操作部と複数の傾斜羽根とが同じ回転軸によって支持されているので、簡単な構造により実現することができる。このように、風向調整装置によって風向きを任意に調整することができるので、例えば吹出部に対して利用者の位置がずれていても、風向調整装置によって吹き出しの気流方向を変えることにより、利用者に対して最適な向きで空調用空気を付与することができ、利用者の快適性を向上できる。
このように、本発明では、床吹き出し式の吹出部から吹き出される空調用空気の風向きを容易に調整することができる。
【0009】
また、本発明に係る床吹出し用の風向調整装置は、前記複数の傾斜羽根は、前記回転軸を中心とする円周枠の内側に固定され、前記円周枠は前記回転軸と一体で設けられ、前記回動操作部を回転させることで、前記円周枠と前記複数の傾斜羽根とが一体で回転することを特徴としてもよい。
【0010】
この場合には、円周枠に複数の傾斜羽根が一体で設けられているので、構造が簡単であり、床など建物の構造体に対して容易に組み込むことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の床吹出し用の風向調整装置によれば、床吹き出し式の吹出部から吹き出される空調用空気の風向きを容易に調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態による風向調整装置を備えた床吹出し式の空調システムを模式的に示した図である。
図2】空調システムにおける吹出部の構成を示す縦断面図であって、シャッターを開位置にした状態の図である。
図3】吹出部を上方から見た平面図である。
図4】風向調整装置の斜視図である。
図5】空調システムにおける吹出部の構成を示す縦断面図であって、シャッターを閉位置にした状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態による床吹出し用の風向調整装置について、図面に基づいて説明する。
【0014】
本実施形態による床吹出し用の風向調整装置10は、図1に示すように、例えばオフィス等の室内に設けられ、床の所定位置に配置された複数の吹出部2(図2参照)から床上の室内に向けて空調用の空気を吹き出す空調制御システム1に設けられている。空調制御システム1では、操作者Mの操作によって室内の空調が制御される。
【0015】
本実施形態の空調制御システム1が適用される床は、例えば床スラブ上に根太や支持柱などの支持部材を設置し、支持部材に支持された床パネル21を有する二重床構造となっている。吹出部2は、複数が縦横に配置された床パネル21の所定箇所に複数設けられている。床パネル21の上には、例えばカーペットが載置されている。また、二重床構造の床スラブと床パネル21との間のスペースは、空調用空気Eが流通する床下空間(以下、床下チャンバー22という)となっている。
吹出部2の吹出口(後述する蓋部材24)は、所定の間隔をあけて配列される複数の羽板によって格子状に形成されている。吹出部2は、例えば室内の所定の箇所に設けられるデスクの近傍に配置されている。
【0016】
空調制御システム1は、吹出ファン3を備えた吹出部2、操作者Mが持ち歩き可能であり、通信によって吹出ファン3を操作可能な携帯通信端末4と、携帯通信端末4の位置情報P1を取得する位置情報格納部5と、位置情報格納部5で取得した位置情報P1に基づいて携帯通信端末4の近傍に設けられる特定の吹出部2を選定し、選定された吹出部2の吹出ファン3と携帯通信端末4とを組み合わせて紐づける処理を行う吹出部選定処理部6と、携帯通信端末4で操作された空調指示情報P2に基づいて吹出部選定処理部6で選定した吹出ファン3を制御するファン制御情報処理部7と、を備えている。
【0017】
図2に示すように、吹出部2は、床パネル21に形成された円形穴21aに嵌め込まれた有底筒状の収容体23を備えている。収容体23には、上から下の順で、風向調整装置10、後述するシャッター8、吹出ファン3が収容される。
【0018】
図1に示すように、吹出部2のそれぞれには、近傍に位置する携帯通信端末4を検出する位置検出部40が設けられている。位置検出部40としては、例えばビーコン等がある。
【0019】
図3に示すように、収容体23の上端には、収容体23上部の開口を覆う板状の蓋部材24が床パネル21の円形穴21aの周縁部に固定された状態で、吹出口として設けられている。蓋部材24は、複数の貫通穴24aを有している。蓋部材24の貫通穴24aの形状や大きさは、例えば任意に設定することができる。蓋部材24の中央には、後述する風向調整装置10の回動操作部13が配置されている。
【0020】
吹出ファン3には、吹出部2から吹き出す空調用空気Eの風向きを変える風向調整装置10が設けられている。ファン制御情報処理部7は、携帯通信端末4で操作された空調指示情報P2に基づいて風向調整装置10を駆動させて吹出部2から送気される空調用空気Eの風向きを制御する。
【0021】
図2図5に示すように、風向調整装置10は、床面に直交する方向に延びる回転軸11と、回転軸11に固定され、回転軸11に直交する方向に一列で配列された複数の傾斜羽根12と、回転軸11の上端に一体的に固定された回動操作部13と、を備えている。
【0022】
複数の傾斜羽根12は、回転軸11を中心とする円周枠14の内側に固定されている。円周枠14は、回転軸11と一体的に設けられている。蓋部材24の中央に配置される回動操作部13を手で摘まんで回転させることで、円周枠14と複数の傾斜羽根12とが一体で回転軸11回りに回転する。
【0023】
本実施形態の風向調整装置10は、回転軸11を床面に直交する方向に向けた状態で配置されている。すなわち、複数の傾斜羽根12の配列方向は、床面と平行となる。
風向調整装置10では、複数の傾斜羽根12を適宜な回転位置となるようにファン制御情報処理部7で制御することによって回動させることで風向きを変更することができる。なお、図5は、傾斜羽根12の向きが図2に対して左右反転(180°回転)させた状態を示している。
【0024】
図2に示すように、吹出部2には、吹出口を開閉するシャッター8が設けられている。シャッター8の開閉動作は、携帯通信端末4の空調指示情報P2に基づいてファン制御情報処理部7によって制御される。
シャッター8は、板面を水平方向に向けて収容体23の内周面に固定された固定板81と、固定板81の上面81aに沿って一方向にスライド可能に設けられた摺動板82と、固定板81の下方に配置されて固定板81を前記一方向に摺動させる伸縮シリンダ83と、を有している。
【0025】
固定板81には、第1方向(図2で紙面に直交する方向)に延びる複数の第1スリット81bが上面視で第1方向に直交する第2方向(図2で紙面で左右方向)に配列されている。摺動板82には、第1方向に延びる複数の第2スリット82bが上面視で第1方向に直交する第2方向に配列されている。伸縮シリンダ83は、第2方向に伸縮軸84が出没するように配置されている。伸縮軸84の先端84aには、摺動板82の下面82aに固定される連結軸85が設けられている。伸縮軸84の伸縮によって摺動板82が第2方向に往復移動する。
【0026】
シャッター8は、図3に示す開位置8Aと、閉位置8B(図5参照)と、を選択的に取り得るように構成されている。すなわち、図3に示すようにシャッター8が開位置8Aである場合には、第1スリット81bと第2スリット82bとが上下方向に連通し、シャッター8の下方から上方に吹出ファン3から送風される空調用空気Eが流れる。一方、図5に示すようにシャッター8が閉位置8Bである場合には、第1スリット81bが第2スリット82bに対して第1方向にずれて配置され、すなわち第1スリット81bの開口が摺動板82によって適宜な開口量で塞ぐことが可能であり、シャッター8の下方から上方への空調用空気Eの流通路が遮断される。伸縮シリンダ83の伸縮動作は、ソレノイド等を用いて、外部の制御信号に応じて作動される。
【0027】
図1に示すように、携帯通信端末4は、操作することにより所望の吹出ファン3を操作するための空調指示情報P2を通信によってファン制御情報処理部7に送信する機能を有している。
位置情報格納部5は、携帯通信端末4の位置情報P1を取得し、格納する処理を行う処理部である。位置情報格納部5では、吹出部2と位置検出部40とが紐づけされる。
吹出部選定処理部6は、位置情報格納部5で取得した位置情報P1に基づいて、その位置情報P1に相当する携帯通信端末4と、その携帯通信端末4の近傍に設けられる吹出部2の吹出ファン3と、を組み合わせて紐づける処理を行って特定の吹出ファン3を選定する処理部である。
【0028】
ファン制御情報処理部7は、携帯通信端末4で操作された空調指示情報P2を受信し、この空調指示情報P2に基づいて吹出部選定処理部6で特定した吹出部2の吹出ファン3をファン制御部9で制御する処理を行う処理部である。ファン制御部9では、携帯通信端末4にインストールされたアプリよりON-OFFおよび風量調整を行い、操作者Mの状況に応じた快適な風量を選定する。吹出ファン3を起動させたときには、運転と同時にシャッター8を開位置8Aとし、吹出ファン3から送気される空調用空気Eを室内側に供給する。なお、吹出ファン3の停止時には、シャッター8を閉位置8Bとし、室内への空調用空気Eの供給を停止する。
【0029】
吹出部2内のファン制御部9への配線として、電源線と制御用の通信線とを有し、PoE給電方式が採用されている。これにより配線が1系統となって簡素化を図ることができ、従来のような電源線と通信線とを別々で配線する場合に比べて、施工時の配線接続の加工作業にかかる手間や時間を低減することができる。
【0030】
次に、上述した空調制御システム1を使用し、床パネル21の所定位置に配置された複数の吹出部2から室内に空調用空気Eを供給する空調制御方法と、風向調整装置10の作用について、図面に基づいて詳細に説明する。
【0031】
先ず、図1に示すように、操作者Mが持つ携帯通信端末4の位置情報P1を位置情報格納部5で取得する。次に、携帯通信端末4で操作された空調指示情報P2をファン制御情報処理部7で受信する。その後、吹出部選定処理部6において、位置情報格納部5で取得した位置情報P1に基づいて携帯通信端末4と、この携帯通信端末4の近傍に設けられる特定の吹出部2に有する吹出ファン3と、を組み合わせて紐づけする。また、ファン制御情報処理部7において、受信した空調指示情報P2に基づいて吹出部選定処理部6で選定した吹出部2の吹出ファン3を制御するように、選定した吹出ファン3に対応したファン制御部9へ制御指令を送信する。
【0032】
本実施形態では、携帯通信端末4をもつ利用者(操作者M)の位置を特定して、その操作者Mの位置の近傍に設けられている吹出部2から空調用空気Eを適正な風量で吹き出すことができる。
また、本実施形態では、操作者Mの位置や操作者Mが携帯通信端末4を操作して発信した空調指示情報P2に応じた最適な空調に調整することができ、操作者Mの快適性を向上できる。
【0033】
また、本実施形態では、風向調整装置10において、回動操作部13を回動させて複数の傾斜羽根12を回転させることで、上下方向を中心として回転する方向に容易に風向きを変更することができる。また、回動操作部13と複数の傾斜羽根12とが同じ回転軸11によって支持されているので、簡単な構造により実現することができる。
【0034】
このように本実施形態では、風向調整装置10によって風向きを任意に調整することができるので、例えば吹出部2に対して利用者の位置がずれていても、風向調整装置10によって吹き出しの気流方向を変えることにより、利用者(操作者M)に対して最適な向きで空調用空気Eを付与することができ、操作者Mの快適性を向上できる。
したがって、本実施形態では、床吹き出し式の吹出部2から吹き出される空調用空気Eの風向きを容易に調整することができる。
【0035】
また、本実施形態では、複数の傾斜羽根12が回転軸11を中心とする円周枠14の内側に固定され、円周枠14が回転軸11と一体で設けられ、回動操作部13を回転させることで、円周枠14と複数の傾斜羽根12とが一体で回転する構成であるから、構造が簡単であり、本実施形態のような床スラブ21など建物の構造体に対して容易に組み込むことができる。
【0036】
上述のように本実施形態による床吹出し用の風向調整装置では、床吹き出し式の吹出部2から吹き出される空調用空気Eの風向きを容易に調整することができる。
【0037】
以上、本発明による床吹出し用の風向調整装置の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0038】
例えば、本実施形態では、風向調整装置10において、回転軸11を中心とする円周枠14の内側に複数の傾斜羽根12を固定した構成としているが、円周枠14を設ける構成に限定されることはなく、円周枠14を省略することも可能である。
また、風向き調整装置10の形状として、回転軸11方向から見て円形であることに限定されることはなく、矩形状であってもよい。要は、回転軸11回りに回転可能で、水平方向に配列された複数の傾斜羽根12が設けられていればよいのである。
【0039】
また、本実施形態では、風向調整装置10が空調制御システム1の一部に設けられた一例としているが、このような制御システムとして利用することに限定されることはなく、風向調整装置10を単体として使用することも勿論可能である。
そのため、本実施形態では、ファン制御情報処理部7において携帯通信端末4で操作された空調指示情報P2に基づいて風向調整装置10で風向きを調整するように制御される構成としているが、これに制限されることはない。つまり、風向調整装置10をファン制御情報処理部7と切り離し、風向調整装置10の傾斜羽根12を回動操作部13によって手動で回動させて風向きを調整するようにしてもよい。
【0040】
また、吹出部2において吹出口を開閉するシャッター8が設けられ、シャッター8の開閉動作が携帯通信端末4の空調指示情報P2に基づいてファン制御情報処理部7によって制御される構成としているが、このような構成に限定されることはない。また、シャッター8を省略することも可能である。
【0041】
また、本実施形態では、吹出部2の近傍に位置する携帯通信端末4を検出するための位置検出部40を設けた構成としているが、上述したようにビーコン等の位置検出部40に代えて他の位置検出部を採用することも可能であるし、位置検出部40を省略することも可能である。例えば他の位置検出部40として、携帯通信端末4を検出可能なWifiアクセスポイントや、撮像した映像により携帯通信端末4を画像処理可能なカメラや、あるいは画像認識型の人感センサー等を採用することが可能である。
【0042】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【符号の説明】
【0043】
1 空調制御システム
2 吹出部
3 吹出ファン
4 携帯通信端末
5 位置情報格納部
6 吹出部選定処理部
7 ファン制御情報処理部
8 シャッター
8A 開位置
8B 閉位置
9 ファン制御部
10 風向調整装置
11 回転軸
12 傾斜羽根
13 回動操作部
14 円周枠
24 蓋部材
40 位置検出部
E 空調用空気
M 操作者
P1 位置情報
P2 空調指示情報
図1
図2
図3
図4
図5