(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064004
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】固形分掻寄機及びその駆動機構取替方法
(51)【国際特許分類】
B01D 21/06 20060101AFI20230428BHJP
【FI】
B01D21/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174176
(22)【出願日】2021-10-25
(71)【出願人】
【識別番号】591030651
【氏名又は名称】水ing株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094226
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100087066
【弁理士】
【氏名又は名称】熊谷 隆
(72)【発明者】
【氏名】山田 直美
(72)【発明者】
【氏名】池田 伸吾
(72)【発明者】
【氏名】財前 亜美
(72)【発明者】
【氏名】星川 哲範
(72)【発明者】
【氏名】平田 裕希
(57)【要約】
【課題】駆動装置や動力伝達機構などの回転駆動機構の取り替えや補修を容易に行うことができる固形分掻寄機及びその駆動機構取替方法を提供すること。
【解決手段】沈殿池10の中央付近の水面より上側に駆動装置50などを設置し、且つ駆動装置50に接続した主軸70によってスクレーパ81を取り付けた旋回アーム80を旋回して沈殿池10内の固形分を掻き寄せる固形分掻寄機1-1である。主軸70の沈殿池10の水面よりも上部の位置に、主軸70と駆動装置50間を着脱自在に接続する接続部分を設ける。駆動装置50から取り外した主軸70を、取り外した位置近傍で保持する保持手段を、沈殿池10の水面よりも上部の位置に設置する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水槽の中央付近の水面より上側に、少なくとも駆動装置またはその動力伝達機構からなる回転駆動機構を設置し、且つ当該回転駆動機構によって回転駆動されると共にスクレーパを取り付けた回転部材を前記水槽内に配置し、前記回転駆動されるスクレーパによって水槽内の固形分を掻き寄せる固形分掻寄機において、
前記回転部材の前記水槽の水面よりも上部の位置に、当該回転部材と前記回転駆動機構間を着脱自在に接続する接続部分を設け、
前記接続部分において前記回転駆動機構から取り外す前記回転部材を、当該取り外した位置近傍に保持する保持手段を前記水槽の水面よりも上部の位置に設置したことを特徴とする固形分掻寄機。
【請求項2】
請求項1に記載の固形分掻寄機であって、
前記固形分掻寄機は、前記回転駆動機構が前記駆動装置を有し、前記回転部材が前記駆動装置に懸垂される主軸を有する中央駆動懸垂式固形分掻寄機であり、
前記保持手段は、前記水槽の上部に設置した歩廊側のサポート部材に、前記主軸側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる構成であることを特徴とする固形物掻寄機。
【請求項3】
請求項2に記載の固形物掻寄機であって、
前記主軸側のサポート部材は、当該主軸から半径方向外方に向かって張り出すブラケットによって構成され、
前記歩廊側のサポート部材は、当該歩廊を構成する鋼材または当該鋼材に取り付けたブラケットによって構成され、
前記主軸側のブラケットを、前記歩廊側の鋼材またはブラケットに仮固定または載置することで前記主軸を保持することを特徴とする固形分掻寄機。
【請求項4】
請求項2に記載の固形物掻寄機であって、
前記接続部分は、前記駆動装置の駆動軸に設けたフランジと前記主軸に設けたフランジ同士を接続する構成であり、
前記主軸側のサポート部材は、前記主軸に設けたフランジの外径を拡大したフランジ拡径部によって構成され、
当該フランジ拡径部を、前記歩廊を構成する鋼材または当該鋼材に取り付けたブラケットに仮固定または載置することで前記主軸を保持することを特徴とする固形分掻寄機。
【請求項5】
請求項2又は3又は4に記載の固形分掻寄機であって、
前記保持手段は、前記歩廊側のサポート部材の上に、前記主軸側のサポート部材を配置し、且つ当該歩廊側のサポート部材と主軸側のサポート部材の間に、ジャッキ機構設置用スペースを設けた構成であることを特徴とする固形物掻寄機。
【請求項6】
請求項1に記載の固形分掻寄機であって、
前記固形分掻寄機は、前記水槽の中央付近の底面側から突出する支柱の上部に前記回転駆動機構を設置し、当該回転駆動機構によって回転駆動される前記回転部材は、前記支柱の外周を囲むように設置されるセンターケージを有する中央駆動支柱式固形分掻寄機または周辺駆動支柱式固形分掻寄機であり、
前記保持手段は、前記支柱側のサポート部材に、前記センターケージ側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる構成であることを特徴とする固形物掻寄機。
【請求項7】
請求項6に記載の固形物掻寄機であって、
前記保持手段は、前記支柱側のサポート部材の上に、前記センターケージ側のサポート部材を配置し、且つ当該支柱側のサポート部材とセンターケージ側のサポート部材の間に、ジャッキ機構設置用スペースを設けた構成であることを特徴とする固形分掻寄機。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の固形物掻寄機であって、
前記センターケージ側のサポート部材に、前記水槽上に設置した歩廊側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる第2の保持手段をさらに有することを特徴とする固形分掻寄機。
【請求項9】
請求項8に記載の固形物掻寄機であって、
前記第2の保持手段は、前記センターケージ側のサポート部材の上に、前記歩廊側のサポート部材を配置し、且つ当該センターケージ側のサポート部材と歩廊側のサポート部材の間に、第2のジャッキ機構設置用スペースを設けた構成であることを特徴とする固形分掻寄機。
【請求項10】
水槽の中央付近の水面より上側に、少なくとも駆動装置またはその動力伝達機構からなる回転駆動機構を設置し、且つ当該回転駆動機構によって回転駆動されると共にスクレーパを取り付けた回転部材を前記水槽内に配置し、前記回転駆動されるスクレーパによって水槽内の固形分を掻き寄せる固形分掻寄機の駆動機構取替方法において、
前記回転部材を前記水槽の水面よりも上部の位置において保持する保持工程と、
前記保持工程において保持された回転部材から、前記水槽の水面よりも上部の位置において前記回転駆動機構を取り外す取外工程と、
前記取外工程において回転駆動機構を取り外した回転部材に、前記水槽の水面よりも上部の位置において、補修または取り替え後の前記回転駆動機構を取り付ける取付工程と、
前記保持工程において前記水槽の水面よりも上部の位置で保持しておいた回転部材の保持を解除する保持解除工程と、
を有することを特徴とする固形分掻寄機の駆動機構取替方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体中の固形分を掻き寄せて分離するために使用される固形分掻寄機及びその駆動機構取替方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液体中からの固形分の分離は、下水、し尿、工場廃水、上水処理においてだけでなく、工場の生産工程などにおいても重要な操作の一つであり、そのために固形分掻寄機が使用されている。
【0003】
この種の固形分掻寄機は、沈殿池(水槽)内に旋回アーム(スクレーパアーム)を設置し、この旋回アームに沈殿池の底に沈殿した沈殿物(固形分)を掻き寄せるスクレーパ(スクレーパブレード、掻寄部)を取り付け、このスクレーパで掻き寄せた沈殿物と、当該沈殿物を取り除いた水とを、それぞれ系外に排出する構成を有している。
【0004】
固形分掻寄機の中には、中央駆動懸垂式固形分掻寄機、中央駆動支柱式固形分掻寄機、周辺駆動支柱式固形分掻寄機などがある。中央駆動懸垂式固形分掻寄機は、沈殿池の中央付近に駆動装置(モータ)を設置し、当該駆動装置に懸垂させた主軸に旋回アーム及びスクレーパを設置して構成される。中央駆動支柱式固形分掻寄機は、沈殿池の中央付近に立設した支柱の上部に取り付けた駆動装置によって回転駆動されるセンターケージに旋回アーム及びスクレーパを設置して構成される。周辺駆動支柱式固形分掻寄機は、沈殿池の中央付近に立設した支柱に回転自在に軸支された歩廊などの旋回体を、沈殿池の外周付近に設置した駆動装置によって回転駆動し、同時にこの旋回体に取り付けたセンターケージ及びこのセンターケージに取り付けた旋回アームやスクレーパを回転するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の各種掻寄機において、駆動装置やその動力伝達機構などの取り替えや補修を行おうとする場合、従来は、沈殿池の水抜きと清掃を行い、前記駆動装置やその動力伝達機構から沈殿池内にぶら下がる主軸やセンターケージや旋回アームなどを落下しないように現在の位置に仮受けし、その後駆動装置や動力伝達機構の取り替えなどを行う必要があった。そのためそれらの作業が煩雑であるという課題があった。
【0007】
また固形分掻寄機に予備機が設置されていない処理施設において、駆動装置や動力伝達機構が緊急破損したような場合は、上記沈殿池の水抜きから始めなければならず、迅速な取り替え・補修対応ができないという課題もあった。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、駆動装置や動力伝達機構などの回転駆動機構の取り替えや補修を容易に行うことができる固形分掻寄機及びその駆動機構取替方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、水槽の中央付近の水面より上側に、少なくとも駆動装置またはその動力伝達機構からなる回転駆動機構を設置し、且つ当該回転駆動機構によって回転駆動されると共にスクレーパを取り付けた回転部材を前記水槽内に配置し、前記回転駆動されるスクレーパによって水槽内の固形分を掻き寄せる固形分掻寄機において、前記回転部材の前記水槽の水面よりも上部の位置に、当該回転部材と前記回転駆動機構間を着脱自在に接続する接続部分を設け、前記接続部分において前記回転駆動機構から取り外す前記回転部材を、当該取り外した位置近傍に保持する保持手段を前記水槽の水面よりも上部の位置に設置したことを特徴としている。
本発明によれば、水槽の水面よりも上部の位置に設置した保持手段によって回転部材を保持しておくことができるので、水槽内の水を抜くなどの煩雑で時間のかかる作業を行わなくても、回転駆動機構の取り替えや補修を容易に行うことが可能になる。
また回転駆動機構を構成する駆動装置などの緊急破損時や予備機の無い処理施設での迅速なメンテナンス方法が確保でき、水処理の安心・安全を確保すると共に機器の長寿命化に寄与できる。
【0010】
また本発明は、上記特徴に加え、前記固形分掻寄機は、前記回転駆動機構が前記駆動装置を有し、前記回転部材が前記駆動装置に懸垂される主軸を有する中央駆動懸垂式固形分掻寄機であり、前記保持手段は、前記水槽の上部に設置した歩廊側のサポート部材に、前記主軸側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる構成であることを特徴としている。
本発明によれば、歩廊側のサポート部材に主軸側のサポート部材を保持させる構成なので、中央駆動懸垂式固形分掻寄機において、簡単な構成で主軸などを水槽の水面よりも上部の位置で保持することができる。
【0011】
また本発明は、上記特徴に加え、前記主軸側のサポート部材は、当該主軸から半径方向外方に向かって張り出すブラケットによって構成され、前記歩廊側のサポート部材は、当該歩廊を構成する鋼材または当該鋼材に取り付けたブラケットによって構成され、前記主軸側のブラケットを、前記歩廊側の鋼材またはブラケットに仮固定または載置することで前記主軸を保持することを特徴としている。
本発明によれば、主軸側のサポート部材をブラケットで構成し、このブラケットを歩廊側の鋼材または歩廊側のブラケットに仮固定などすることで主軸を保持する構成なので、簡単な構成で、主軸などを水槽の水面よりも上部の位置で保持することができる。
【0012】
また本発明は、上記特徴に加え、前記接続部分は、前記駆動装置の駆動軸に設けたフランジと前記主軸に設けたフランジ同士を接続する構成であり、前記主軸側のサポート部材は、前記主軸に設けたフランジの外径を拡大したフランジ拡径部によって構成され、当該フランジ拡径部を、前記歩廊を構成する鋼材または当該鋼材に取り付けたブラケットに仮固定または載置することで前記主軸を保持することを特徴としている。
本発明によれば、主軸側のフランジに設けたフランジ拡径部を、歩廊側の鋼材または歩廊側のブラケットに保持する構成なので、主軸保持のための構造が簡単で且つ保持用のスペースを小さくすることができる。
【0013】
また本発明は、上記特徴に加え、前記保持手段は、前記歩廊側のサポート部材の上に、前記主軸側のサポート部材を配置し、且つ当該歩廊側のサポート部材と主軸側のサポート部材の間に、ジャッキ機構設置用スペースを設けた構成であることを特徴としている。
本発明によれば、ジャッキ機構設置用スペースを設けたので、容易にジャッキ機構を設置することができ、これによって主軸の保持位置を容易に上下方向に調整でき、回転駆動機構の着脱作業をより容易且つスムーズに行うことができる。
【0014】
また本発明は、上記特徴に加え、前記固形分掻寄機は、前記水槽の中央付近の底面側から突出する支柱の上部に前記回転駆動機構を設置し、当該回転駆動機構によって回転駆動される前記回転部材は、前記支柱の外周を囲むように設置されるセンターケージを有する中央駆動支柱式固形分掻寄機または周辺駆動支柱式固形分掻寄機であり、前記保持手段は、前記支柱側のサポート部材に、前記センターケージ側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる構成であることを特徴としている。
本発明によれば、支柱側のサポート部材にセンターケージ側のサポート部材を保持させる構成なので、中央駆動支柱式固形分掻寄機または周辺駆動支柱式固形分掻寄機において、簡単な構成で、センターケージなどを水槽の水面よりも上部の位置で保持することができる。
【0015】
また本発明は、上記特徴に加え、前記保持手段は、前記支柱側のサポート部材の上に、前記センターケージ側のサポート部材を配置し、且つ当該支柱側のサポート部材とセンターケージ側のサポート部材の間に、ジャッキ機構設置用スペースを設けた構成であることを特徴としている。
本発明によれば、ジャッキ機構設置用スペースを設けたので、容易にジャッキ機構を設置することができ、これによってセンターケージの保持位置を容易に上下方向に調整でき、回転駆動機構の着脱作業をより容易且つスムーズに行うことができる。
【0016】
また本発明は、上記特徴に加え、前記センターケージ側のサポート部材に、前記水槽上に設置した歩廊側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる第2の保持手段をさらに有することを特徴としている。
本発明によれば、例えば歩廊が回転駆動機構側に支持されていたような場合に当該回転駆動機構が取り外されても、歩廊を正規の位置に保持することができ、これによって回転駆動機構の着脱作業をスムーズに行うことができる。
【0017】
また本発明は、上記特徴に加え、前記第2の保持手段は、前記センターケージ側のサポート部材の上に、前記歩廊側のサポート部材を配置し、且つ当該センターケージ側のサポート部材と歩廊側のサポート部材の間に、第2のジャッキ機構設置用スペースを設けた構成であることを特徴としている。
本発明によれば、第2のジャッキ機構設置用スペースを設けたので、容易に第2のジャッキ機構をセンターケージ側のサポート部材と歩廊側のサポート部材の間に設置することができ、これによって歩廊の保持位置を容易に上下方向に調整でき、回転駆動機構の着脱作業をより容易且つスムーズに行うことができる。
【0018】
また本発明は、水槽の中央付近の水面より上側に、少なくとも駆動装置またはその動力伝達機構からなる回転駆動機構を設置し、且つ当該回転駆動機構によって回転駆動されると共にスクレーパを取り付けた回転部材を前記水槽内に配置し、前記回転駆動されるスクレーパによって水槽内の固形分を掻き寄せる固形分掻寄機の駆動機構取替方法において、前記回転部材を前記水槽の水面よりも上部の位置において保持する保持工程と、前記保持工程において保持された回転部材から、前記水槽の水面よりも上部の位置において前記回転駆動機構を取り外す取外工程と、前記取外工程において回転駆動機構を取り外した回転部材に、前記水槽の水面よりも上部の位置において、補修または取り替え後の前記回転駆動機構を取り付ける取付工程と、前記保持工程において前記水槽の水面よりも上部の位置で保持しておいた回転部材の保持を解除する保持解除工程と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、水槽の水面よりも上部の位置において回転部材を保持しておくことができるので、水槽内の水を抜くなどの煩雑で時間のかかる作業を行わなくても、回転駆動機構の取り替えや補修を容易に行うことが可能になる。
【0019】
また本発明は、上記特徴に加え、前記固形分掻寄機は、前記回転駆動機構が前記駆動装置を有し、前記回転部材が前記駆動装置に懸垂される主軸を有する中央駆動懸垂式固形分掻寄機であり、前記保持工程は、前記水槽の上部に設置した歩廊側のサポート部材に、前記主軸側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる工程である構成としても良い。
【0020】
また本発明は、上記特徴に加え、前記固形分掻寄機は、前記水槽の中央付近の底面側から突出する支柱の上部に前記回転駆動機構を設置し、当該回転駆動機構によって回転駆動される前記回転部材は、前記支柱の外周を囲むように設置されるセンターケージを有する中央駆動支柱式固形分掻寄機または周辺駆動支柱式固形分掻寄機であり、前記保持工程は、前記支柱側のサポート部材に、前記センターケージ側のサポート部材を、前記水槽の水面よりも上部の位置で保持させる工程である構成としても良い。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、駆動装置や動力伝達機構などの回転駆動機構の取り替えや補修を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】沈殿池10内に設置された中央駆動懸垂式固形分掻寄機1-1の一例を示す図であり、
図1(a)は概略平面図、
図1(b)は概略側断面図である。
【
図2】
図2(a)は駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図2(b)は
図2(a)のA-A矢視図である。
【
図3】
図3(a)は駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図3(b)は
図3(a)のB-B矢視図である。
【
図4】
図4(a)は駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図4(b)は
図4(a)のC-C矢視図である。
【
図5】
図5(a)は駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図5(b)は
図5(a)のD-D矢視図である。
【
図6】駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図である。
【
図7】駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図である。
【
図8】駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図である。
【
図9】
図9(a)は駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図9(b)は
図9(a)のE-E矢視図である。
【
図10】沈殿池10内に設置された中央駆動支柱式固形分掻寄機1-2の一例を示す概略側断面図である。
【
図11】駆動装置150と動力伝達機構160と支柱110の上部付近とセンターケージ190の上部付近の要部拡大概略断面図である。
【
図12】
図11を下側から見たときの支柱110とセンターケージ190と歩廊180の位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は沈殿池10内に設置された中央駆動懸垂式固形分掻寄機(以下「固形分掻寄機」という)1-1の一例を示す図であり、
図1(a)は概略平面図、
図1(b)は概略側断面図である。
【0024】
これらの図に示すように、固形分掻寄機1-1は、円形に形成された水槽からなる沈殿池10の上を跨ぐように設置された歩廊30と、歩廊30の中央に設置された駆動装置50と、駆動装置50に懸垂された主軸70と、主軸70の下部に取り付けられる旋回アーム(スクレーパアーム)80とを具備して構成されている。
【0025】
歩廊30は、沈殿池10の外周上端辺上に、沈殿池10の中心部分を通って跨ぐように設置されている。歩廊30は、一対の平行に設置した歩廊基礎部材31,31(下記する
図2参照)の上に、平板状の床板を設置し、床板の両側に手すり34を取り付けて構成されている。歩廊30の中央位置には駆動装置50が設置され、当該駆動装置50の周囲の歩廊30部分には複数個(この例では4個)の点検口32が形成されている。点検口32の下面側には、下記する駆動装置50の出力軸(駆動軸)55,57と主軸70を接続するカップリング部分(接続部)59,61や、下記する保持手段(ブラケット71,71と歩廊30)のメンテナンスなどを行う点検架台33が設置されている。点検架台33は沈殿池10の最高水位HWLよりも高い位置に設置されている。
【0026】
主軸70の下部には、当該主軸70と一体に回転する旋回アーム80が取り付けられている。旋回アーム80には、沈殿池10の底に沈殿した汚泥を掻き取るスクレーパ(スクレーパブレード)81が取り付けられている。
【0027】
図2(a)は上記駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図2(b)は
図2(a)のA-A矢視図である。
図2(a)に示すように、駆動装置50は、駆動装置架台51上に設置されるモータ直結型減速機53と、モータ直結型減速機53の駆動軸55に連結される駆動軸57とを具備している。駆動軸57には前記主軸70が連結される。ここでモータ直結型減速機53と駆動軸57を具備する駆動装置50は回転駆動機構を構成する。
【0028】
モータ直結型減速機53の駆動軸55の下端は上部カップリング59によって駆動軸57の上端に連結され、駆動軸57の下端は下部カップリング61によって主軸70の上端に連結されている。なお上部カップリング59は駆動軸55に設けたフランジ551と、駆動軸57に設けたフランジ571とを接合・固定することで構成され、下部カップリング61は、駆動軸57に設けたフランジ573と、主軸70に設けたフランジ701とを接合・固定することで構成されている。このフランジ573とフランジ701の接合部分を、主軸70と駆動装置50とを着脱自在に接続する接続部分という。
【0029】
駆動軸57の途中の部分は、軸受部63によって支えている。軸受部63は、歩廊30を構成するH形鋼からなる歩廊基礎部材31,31の上面側に固定されている。歩廊基礎部材31,31の上部には、前記駆動装置50が設置された前記駆動装置架台51が取り付けられている。
【0030】
主軸70の前記下部カップリング61の下側の外周面には、
図2(a),(b)に示すように、一対のブラケット71,71のそれぞれ一端が固定されている。両ブラケット71,71は、主軸70の外周面の180°反対側の位置から半径方向外方に向けて直線状に、同一高さ位置から突出するように取り付けられている。これらブラケット71,71は、主軸70の回転と共に回転(旋回)するが、その際、両ブラケット71,71の上面が、前記歩廊基礎部材31,31の下面に接近する接触しない位置となるように配置している。
【0031】
そして上記
図1に示す沈殿池10に、例えば川から取り入れて沈砂池でゴミや砂を沈めた後の水を導入する。導入された水には凝集剤を添加し、凝集フロックを生成して当該沈殿池10の底に沈める。このとき、前記モータ直結型減速機53を駆動しておくことで、駆動軸57を介して主軸70及び旋回アーム80を回動し、前記沈殿物を沈殿池10の底面中央に集め、図示しない配管によって外部に排出し、次の工程に移行させる。一方、当該沈殿物を取り除いた水は、別の配管などによって外部に排出し、次の工程に移行させる。
【0032】
次に、モータ直結型減速機53や駆動軸57や軸受部63などの駆動装置50の取り替えや補修を行う場合は、まず、歩廊30の点検口32から点検架台33に作業員が入り、主軸70を回転して両ブラケット71,71の位置を、
図2(b)に示す位置、即ち両ブラケット71,71の長手方向と歩廊基礎部材31,31の長手方向が交差する位置に移動する。
【0033】
次に、予め両ブラケット71,71と歩廊基礎部材31,31に形成していた図示しない取付孔の位置を一致させ、例えばボルト・ナットなどの固定手段R1,R1によって、両ブラケット71,71と歩廊基礎部材31,31間を固定する。これによって、主軸70及び旋回アーム80は、固定側部材である歩廊30に固定される。
【0034】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重をブラケット71,71を介して歩廊30に保持させる。以上の工程は、主軸70を沈殿池10の水面よりも上部の位置において保持する保持工程である。
【0035】
次にこの状態で、例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行う(取外工程)。このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えているので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しは容易且つスムーズに行うことができる。
【0036】
このように、両ブラケット71,71とこれらを取り付ける歩廊30は、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段を構成する。
【0037】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続し(取付工程)、次に、前記両ブラケット71,71と歩廊基礎部材31,31間の固定状態を解除する(保持解除工程)。
【0038】
これによって上記取り替えや補修作業が完了する。なお上記取り替え・補修手順はその一例であり、他の各種異なる取り替え・補修手順を用いて取り替え・補修を行っても良い(以下の各実施形態でも同様)。
【0039】
上記主軸70などの保持は水面の上側で行うので、従来のように沈殿池10の水を抜いたり、当該水を抜いた沈殿池10内において主軸70や旋回アーム80を仮受けしたりする必要がなく、このため駆動装置50の取り替えや補修作業は短時間に、容易且つスムーズに行うことができる。また駆動装置50などの緊急破損時や予備機の無い処理施設での迅速なメンテナンス方法が確保でき、水処理の安心・安全を確保すると共に機器の長寿命化に寄与できる。
【0040】
図3(a)は、本発明の他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図3(b)は
図3(a)のB-B矢視図である。この実施形態において、前記
図1,
図2に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2に示す実施形態と同じである。
【0041】
この実施形態において、
図1,
図2に示す実施形態と異なる保持手段の構成は、両歩廊基礎部材31,31間に一対の歩廊側のブラケット35,35を平行に架け渡し、これら歩廊側のブラケット35,35の上面側に、前記主軸70のブラケット71,71を、両者の面が接触しないように接近して配置した点である。
【0042】
歩廊側のブラケット35,35は、略コ字状であって、それらの両端を、取付金具35a,35aによって歩廊基礎部材31,31の外辺側に固定し、当該歩廊基礎部材31,31の下側に設置している。
【0043】
そしてモータ直結型減速機53や駆動軸57や軸受部63などの駆動装置50の取り替えや補修を行う場合は、上述のように、歩廊30の点検口32から点検架台33に作業員が入り、主軸70を回転して両ブラケット71,71の位置を、
図3(b)に示す位置、即ち両ブラケット71,71の長手方向と両ブラケット35,35の長手方向が交差する位置に移動する。
【0044】
次に、予め両ブラケット71,71と両ブラケット35,35に形成していた図示しない取付孔の位置を一致させ、例えばボルト・ナットなどの固定手段R1,R1によって、両ブラケット71,71と両ブラケット35,35間を固定する。なお、この実施形態の場合は、固定手段R1,R1を用いず、両ブラケット35,35上に両ブラケット71,71を載置するだけでも良い。これによって、主軸70及び旋回アーム80は、固定側部材である歩廊30側の両ブラケット35,35に取り付けられる。
【0045】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重をブラケット71,71とブラケット35,35を介して歩廊30に保持させる。
【0046】
そしてこの状態で、例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行うが、このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えるので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しは容易且つスムーズに行うことができる。
【0047】
この実施形態の場合は、主軸70側のサポート部材を構成する両ブラケット71,71と、これらを固定(又は載置のみ)する歩廊30側のサポート部材を構成する両ブラケット35,35が、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段を構成する。
【0048】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続し、前記ブラケット71,71とブラケット35,35間の固定状態(固定しない場合は載置状態)を解除する。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0049】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行うので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0050】
図4(a)は、本発明のさらに他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図4(b)は
図4(a)のC-C矢視図である。この実施形態において、前記
図1,
図2に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2に示す実施形態と同じである。
【0051】
この実施形態において、
図1,
図2に示す実施形態と異なる保持手段の構成は、主軸70のフランジ701の外径を拡大することでフランジ拡径部701Aを形成してこのフランジ拡径部701Aを主軸70側のサポート部材とした点と、両歩廊基礎部材31,31間に平行に架け渡して固定した一対の歩廊側のブラケット37,37とこれらブラケット37,37に取り付けたジャッキボルト(ジャッキ機構)39,39とを駆動装置50側のサポート部材とした点とである。
【0052】
歩廊側のブラケット37,37は、両歩廊基礎部材31,31間を跨ぐ長さに形成され、ボルト・ナットなどの固定手段R1,R1によって歩廊基礎部材31,31の下面に直接固定されている。歩廊側のブラケット37,37と主軸側のフランジ拡径部701A間には、ジャッキ機構設置用スペースS1が形成されている。
【0053】
そして駆動装置50の取り替えや補修などを行う場合は、上述のように、歩廊30の点検口32から点検架台33に作業員が入る。この実施形態の場合は、主軸70を回転してその回転位置を調整する必要はない。
【0054】
次に、前記ジャッキボルト39,39を回転してその上端をそれぞれ前記フランジ拡径部701Aに当接する。これによって、主軸70及び旋回アーム80は、固定側部材である歩廊30側の両ブラケット37,37に支持される。
【0055】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重を歩廊30に保持させる。
【0056】
そしてこの状態で、上記と同様に例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行うが、このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えるので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しを容易且つスムーズに行うことができる。
【0057】
この実施形態の場合は、フランジ拡径部701Aとこれを載置する歩廊30側の両ブラケット37,37とジャッキボルト39,39が、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。
【0058】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続した後、ジャッキボルト39,39を逆回転してそれらの上端をフランジ拡径部701Aから引き離し、主軸70などの保持状態を解除する。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0059】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0060】
なおジャッキボルト39,39は、通常運転時はブラケット37,37から取り外しておいても良い。
【0061】
図5(a)は、本発明のさらに他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図5(b)は
図5(a)のD-D矢視図である。この実施形態において、前記
図1,
図2に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2に示す実施形態と同じである。
【0062】
この実施形態において、
図1,
図2に示す実施形態と異なる保持手段の構成は、主軸70の外周面から等間隔に4本のブラケット73,73,…を半径方向外方に向かって突出させこれら4本のブラケット73,73,…を主軸70側のサポート部材とした点と、両歩廊基礎部材31,31の下面に下向きに取り付けた4本の支柱311、311,…の下端に取り付けた四角形でリング状のブラケット41とこのブラケット41上に設置したジャッキ(ジャッキ機構)43,43,…とを駆動装置50側のサポート部材とした点とである。
【0063】
主軸70側のブラケット73,73,…は平板状で、前記歩廊基礎部材31,31の下面から所定の隙間を介した位置に設置されている。
【0064】
歩廊30側のブラケット41は矩形リング状に形成して構成され、前記主軸70側のブラケット73の下側に位置し、両者の間には、所定距離離間するジャッキ機構設置用スペースS2が形成されている。
【0065】
そして駆動装置50の取り替えや補修などを行う場合は、上述のように、歩廊30の点検口32から点検架台33に作業員が入り、主軸70を回転してブラケット73,73,…の位置を、
図5(b)に示す位置、即ち両各ブラケット73,73,…の先端近傍部分が、ブラケット41の各辺の中央に位置するように移動する。
【0066】
次に、前記各ジャッキ43,43,…内のシャフトを上昇させてその上端をそれぞれ前記各ブラケット73,73,…の下面に当接する。これによって、主軸70及び旋回アーム80は、固定側部材である歩廊30側のブラケット41に支持される。
【0067】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重を歩廊30に保持させる。
【0068】
そしてこの状態で、上記と同様に例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行うが、このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えるので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しを容易且つスムーズに行うことができる。
【0069】
この実施形態の場合は、ブラケット73,73,…とこれらを載置する歩廊30側のブラケット41とジャッキ43,43,…が、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。
【0070】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続した後、ジャッキ43,43,…内のシャフトを下降させてそれらの上端をブラケット73から引き離し、主軸70などの保持状態を解除する。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0071】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0072】
なおジャッキ43,43,…は、通常運転時はブラケット41上から取り外しておいても良い(下記するジャッキ45,47,250,260も同様)。またジャッキ43は4台の代わりに180°対向する位置にある2台で構成しても良い。
【0073】
図6は、本発明のさらに他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図である。この実施形態において、前記
図1,
図2に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2に示す実施形態と同じである。この実施形態及び下記する
図7~
図9に示す実施形態においては、上記
図1~
図5に示す実施形態と異なり、保持部材を歩廊30の上側に設置している。
【0074】
即ち、
図6に示す実施形態においては、前記
図1,
図2で説明した歩廊基礎部材31,31と駆動装置架台51の間に、第2架台52を設置し、これによって主軸70側の下部カップリング61の位置を歩廊基礎部材31,31よりも上方に設置し、主軸70のフランジ701よりも下方の前記歩廊基礎部材31,31の上面よりも少し上方の位置に、円形のブラケット75を設置している。ブラケット75の外径寸法は、一対の歩廊基礎部材31,31間の隙間間隔よりも大きい寸法に形成されている。即ち、ブラケット75は、主軸70と共に回転するが、その際当該ブラケット75の下面が、歩廊基礎部材31,31の上面に接近する接触しない位置となるように配置されている。
【0075】
そして駆動装置50の取り替えや補修などを行う場合、本実施形態では下部カップリング61やブラケット75が歩廊基礎部材31,31より上方の位置にあるので、作業員が歩廊30の点検架台33に入る必要はなく、作業性が向上する(もちろん点検架台33に入って作業しても良い)。この実施形態の場合は、主軸70を回転してその回転位置を調整する必要はないが、その代わりに歩廊基礎部材31,31とブラケット75の回転位置を両者に設けた取付孔の位置を合わせるように調整した上で両者間をボルト・ナットなどの固定手段で固定しても良い。
【0076】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重を歩廊30に保持させる。
【0077】
そしてこの状態で、例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行う。このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えているので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しを容易且つスムーズに行うことができる。
【0078】
このように、ブラケット75とこれを載置する歩廊30は、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。
【0079】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続し、前記ブラケット75を歩廊基礎部材31,31から少し持ち上げて載置状態を解除する。具体的には、フランジ573とフランジ701間を固定するフランジボルトの長さを長めに構成しておき、当該フランジボルトを締めることによって前記ブラケット75の歩廊基礎部材31,31への載積状態を解除する。なお逆に前記フランジボルトを緩めることによって上述のようにブラケット75を歩廊基礎部材31,31に載積・保持させている。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0080】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0081】
なお、上記ブラケット75は円形鋼材以外に、直線状の2つの鋼材を主軸70の180°対向する外周面から半径方向外方に向けて突出するように当該外周面に取り付けた構成のブラケットであっても良い。
【0082】
図7は、本発明のさらに他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図である。この図においては、モータ直結型減速機53部分の記載を省略している。この実施形態において、前記
図1,
図2,
図6に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2,
図6に示す実施形態と同じである。
【0083】
この実施形態においては、主軸70のフランジ701よりも下方の、前記歩廊基礎部材31,31の上面よりも上方の位置に、円形のブラケット77を設置している。ブラケット77の外径寸法は、一対の歩廊基礎部材31,31間の隙間間隔よりも大きい寸法に形成されている。また歩廊基礎部材31,31の上面の前記ブラケット77の下面に対向する位置には、一対のジャッキ(ジャッキ機構)45,45が設置されている。
【0084】
ブラケット77は、歩廊基礎部材31,31の上面から所定の隙間を介した位置に設置され、両者の間は、所定距離離間するジャッキ機構設置用スペースS3となっている。
【0085】
そして駆動装置50の取り替えや補修などを行う場合、本実施形態でも下部カップリング61やブラケット77が歩廊基礎部材31,31より上方の位置にあるので、作業員が歩廊30の点検架台33に入る必要はなく、作業性が向上する(もちろん点検架台33に入って作業しても良い)。この実施形態の場合は、主軸70を回転してその回転位置を調整する必要はない。
【0086】
次にジャッキ45,45内のシャフトを上昇させてそれらの先端をブラケット77の下面に当接させる。
【0087】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重を歩廊30に保持させる。
【0088】
そしてこの状態で、例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行う。このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えているので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しを容易且つスムーズに行うことができる。
【0089】
このように、ブラケット77とジャッキ45,45とこれらを載置する歩廊30は、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。
【0090】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続し、ジャッキ45,45のシャフトを下降させてブラケット77から離し、上記保持状態を解除する。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0091】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0092】
なお、上記ブラケット77は円形鋼材以外に、直線状の2つの鋼材を主軸70の180°対向する外周面から半径方向外方に向けて突出するように当該外周面に取り付けた構成のブラケットであっても良い。
【0093】
図8は、本発明のさらに他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図(但しモータ直結型減速機53部分の記載は省略)である。この実施形態において、前記
図1,
図2,
図6に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2,
図6に示す実施形態と同じである。
【0094】
この実施形態においては、主軸70のフランジ701の外径を拡大することで円形のフランジ拡径部701Bを形成してこのフランジ拡径部701Bを主軸70側のサポート部材とし、一方両歩廊基礎部材31,31の上面の前記フランジ拡径部701Bの下面側位置にジャッキ(ジャッキ機構)47,47を設置してこれを歩廊30側のサポート部材としている。
【0095】
フランジ拡径部701Bは、歩廊基礎部材31,31の上面から所定の隙間を介した位置に設置され、両者の間は、所定距離離間するジャッキ機構設置用スペースS4となっている。
【0096】
そして駆動装置50の取り替えや補修などを行う場合、本実施形態でも下部カップリング61やジャッキ47,47が歩廊基礎部材31,31より上方の位置にあるので、作業員が歩廊30の点検架台33に入る必要はなく、作業性が向上する(もちろん点検架台33に入って作業しても良い)。この実施形態の場合は、主軸70を回転してその回転位置を調整する必要はない。
【0097】
次にジャッキ47,47内のシャフトを上昇させてそれらの先端をフランジ拡径部701Bの下面に当接させる。
【0098】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重を歩廊30に保持させる。
【0099】
そしてこの状態で、例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行う。このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えているので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しを容易且つスムーズに行うことができる。
【0100】
このように、フランジ拡径部701Bとジャッキ47,47とこれらを載置する歩廊30は、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。
【0101】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続し、ジャッキ47,47のシャフトを下降させてフランジ拡径部701Bから離し、上記保持状態を解除する。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0102】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0103】
なお、上記フランジ拡径部701Bは円形以外に、直線状の2つの鋼材をフランジ701の180°対向する外周辺から半径方向外方に向けて突出するように形成した構成であっても良い。
【0104】
図9(a)は、本発明のさらに他の実施形態にかかる駆動装置50と主軸70の接続部分の要部拡大概略断面図、
図9(b)は
図9(a)のE-E矢視図である。この実施形態において、前記
図1,
図2,
図6に示す実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付す。なお以下で説明する事項以外の事項については、前記
図1,
図2,
図6に示す実施形態と同じである。
【0105】
この実施形態では、それぞれの歩廊基礎部材31,31の上面に、一対のブラケット49,49が歩廊基礎部材31,31に沿うように設置され固定されている。一方、主軸70の外周面には、一対のブラケット79,79が、180°対向する位置から半径方向外方に向けて突出するように取り付けられている。ブラケット49、49とブラケット79,79は、両者の間に狭い隙間が形成されて対向する位置となるように設置されている。
【0106】
そして駆動装置50の取り替えや補修を行う場合、本実施形態でも下部カップリング61やブラケット49,49,79,79が歩廊基礎部材31,31より上方の位置にあるので、作業員は歩廊30の点検架台33に入る必要はなく、作業員は、主軸70を回転して両ブラケット79,79の位置を、
図9(b)に示す位置、即ち両ブラケット79,79の長手方向と両ブラケット49,49の長手方向が交差する位置に移動する。このとき、ブラケット79,79とブラケット49,49間をボルト・ナットなどの固定手段で固定しても良い。
【0107】
次に、前記下部カップリング61を構成するフランジ573とフランジ701の接続部分を切り離すことで、主軸70や旋回アーム80の荷重を両ブラケット49,49側、即ち歩廊30に保持させる。
【0108】
そしてこの状態で、例えば前記駆動装置50の取り替えや補修を行う。このとき、主軸70や旋回アーム80の荷重は歩廊30が支えているので、前記駆動装置50のモータ直結型減速機53などの取り外しを容易且つスムーズに行うことができる。
【0109】
このように、ブラケット79,79とブラケット49,49とブラケット49,49を載置する歩廊30は、駆動装置50から取り外した主軸70を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。
【0110】
駆動装置50の取り替えや補修が終了すると、前記フランジ573とフランジ701の接続部分を接続し、このときブラケット49,49の上面からブラケット79,79の下面を少し浮かせて離し、上記保持状態を解除する。具体的には、フランジ573とフランジ701間を固定するフランジボルトの長さを長めに構成しておき、当該フランジボルトを締めることによって前記ブラケット79、79のブラケット49,49への載積状態を解除する。なお逆に前記フランジボルトを緩めることによって上述のようにブラケット79,79をブラケット49,49に載積・保持させている。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0111】
この実施形態の場合も、主軸70などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池10の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。なお、上記ブラケット79,79は、円板状に形成しても良い。
【0112】
図10は沈殿池100内に設置された中央駆動支柱式固形分掻寄機(以下「固形分掻寄機」という)1-2の一例を示す側断面概略図である。同図に示すように、固形分掻寄機1-2は、円形に形成された水槽からなる沈殿池100と、沈殿池100の中央付近の底面から突出する支柱110と、支柱110の上部に設置される回転駆動機構としての駆動装置150及びその動力伝達機構160と、沈殿池100の外周上辺から前記動力伝達機構160に至るように設置された歩廊180と、前記支柱110の外周を囲むと共に上端が前記動力伝達機構160に接続されて回転されるセンターケージ(回転部材)190と、センターケージ190の下部に取り付けられる旋回アーム200と、を具備している。旋回アーム200には、沈殿池100の底に沈殿した汚泥を掻き取るスクレーパ201などが取り付けられている。沈殿池100の底部中央には排泥配管203が取り付けられている。沈殿池100の前記センターケージ190の周囲には、筒状のセンターウエル210が設置され、センターウエル210内に被処理水を導入する流入管220の先端が位置している。動力伝達機構160の周囲の歩廊180部分には点検架台230につながる点検口183が形成されている。点検架台230や動力伝達機構160は沈殿池100の最高水位HWLよりも高い位置に設置されている。
【0113】
図11は上記駆動装置150と動力伝達機構160と支柱110の上部付近とセンターケージ190の上部付近の要部拡大概略断面図、
図12は
図11のF-F矢視図であり、支柱110とセンターケージ190(その取付フランジ部191)と歩廊180の位置関係を示す図である。歩廊180は、図示の都合上、一点鎖線で示している。
【0114】
図11に示すように、駆動装置150は、モータ直結型減速機151と、モータ直結型減速機151の駆動軸153とを具備している。モータ直結型減速機151は、下記する減速機台171に取り付けられている。駆動軸153には動力伝達機構160を構成する歯車165が取り付けられ、歯車165には動力伝達機構160を構成する円盤状歯車167が噛み合っている。円盤状歯車167の下面には動力伝達機構160を構成する旋回盤169が固定され、旋回盤169の下面には、センターケージ190の上端の取付フランジ部191が着脱自在に固定されている。
【0115】
支柱110は円柱状の支柱本体111を有している。支柱本体111の上端には、動力伝達機構160を構成する略円錐台形状の台盤113及び台盤113の上部の外周に旋回盤軸受115を介して回動自在に取り付けられる前記旋回盤169が回動自在に取り付けられている。台盤113の上端には、前記モータ直結型減速機151を取り付ける減速機台171が取り付けられている。
【0116】
支柱本体111の上部外周からは、90°間隔で4本のブラケット117,117,…を半径方向外方に向けて突出している。各ブラケット117,117,…は、その上面が前記センターケージ190の取付フランジ191の下面に対向する位置まで突出しており、これら取付フランジ191とブラケット117,117,…の間の空間をジャッキ機構設置用スペースS5,S5,…としている。
【0117】
歩廊180は、その先端に歩廊中央部180Aを取り付け、これによって動力伝達機構160や支柱110の真上まで作業員が移動できるように構成されている。歩廊中央部180Aは分割線P1の部分で歩廊180から着脱できる。また歩廊180の左右両側からはL字状のブラケット181,181を突出させている。両ブラケット181,181の先端部分は、その下面が前記センターケージ190の取付フランジ191の2つの角部の上面に対向するように位置しており、両者の間の空間をジャッキ機構設置用スペースS6としている。
【0118】
そして上記
図10に示す沈殿池100において、流入管220から導入された被処理水に凝集剤を添加し、凝集フロックを生成して当該沈殿池100の底に沈める。このとき、前記モータ直結型減速機151を駆動しておくことで、駆動軸153を介して円盤状歯車167、旋回盤169、センターケージ190、旋回アーム200を回動し、前記沈殿物を沈殿池100の底面中央に集め、排泥配管203によって外部に排出し、次の工程に移行させる。一方、当該沈殿物を取り除いた上澄水は、別の配管などによって外部に排出し、次の工程に移行させる。
【0119】
一方、駆動装置150や動力伝達機構160などの取り替えや補修を行う場合は、まず、歩廊180の点検口183から点検架台230に作業員が入り、センターケージ190を回転して各ブラケット117,117,…の位置を、
図12に示す位置、即ち各ブラケット117,117,…に対してセンターケージ190の取付フランジ191の各辺の中間部分が位置するように移動する。このとき同時に歩廊180の各ブラケット181,181の先端部分の下側に、取付フランジ191の角部が位置する。
【0120】
次に、前記4つのブラケット117,117,…の上、即ちジャッキ機構設置用スペースS5,S5,…に、それぞれジャッキ(ジャッキ機構)250,250,…を設置して、各ジャッキ250,250,…内のシャフトを上昇させてそれらの先端を取付フランジ191の下面に当接させる。
【0121】
また取付フランジ191の上面の2つの角部上、即ちジャッキ機構設置用スペースS6,S6に、ジャッキ(ジャッキ機構)260,260を設置して、各ジャッキ260,260内のシャフトを上昇させてそれらの先端を歩廊180の各ブラケット181,181の下面に当接させる。
【0122】
そして例えば歩廊中央部180Aと減速機台171間の固定を外して歩廊中央部180Aを歩廊180から分割して仮撤去し、その後、旋回盤169とセンターケージ190の取付フランジ191間の接続部分を切り離して駆動装置150などを撤去する。このとき、センターケージ190と歩廊180の荷重は、ジャッキ250,260を介して支柱110に保持される。
【0123】
そしてこの状態で、例えば前記取り外した駆動装置150や動力伝達機構160を構成する各部材の取り替えや補修を行う。このとき、センターケージ190と歩廊180の荷重は支柱110が支えているので、前記駆動装置150や動力伝達機構160の取り替えや補修を容易且つスムーズに行うことができる。
【0124】
このように、支柱110側のサポート部材を構成するブラケット117,117,…とジャッキ(ジャッキ機構)250,250,…と、センターケージ190側のサポート部材を構成する取付フランジ191は、駆動装置150や動力伝達機構160などを取り外したセンターケージ190を当該取り外した位置近傍に保持する保持手段である。またセンターケージ190側のサポート部材を構成する取付フランジ191とジャッキ(ジャッキ機構)260,260と、歩廊180側のサポート部材を構成するブラケット181,181は、駆動装置150や動力伝達機構160などを取り外した歩廊180を当該取り外した位置近傍に保持する第2の保持手段である。これら保持手段や第2の保持手段は、何れも沈殿池100の水面上にある。
【0125】
駆動装置150や動力伝達機構160などの取り替えや補修が終了してそれぞれの部材を元の位置に取り付け、その後前記ジャッキ260,260内のシャフトの先端を下降させて各ブラケット181,181の下面から離し(またはジャッキ260,260を取り外し)、次に、前記ジャッキ250,250,…内のシャフトの先端を下降させて取付フランジ191の下面から離し(またはジャッキ250,250,…を取り外し)、支柱110によるセンターケージ190と歩廊180の保持状態を解除する。これによって上記取り替えや補修作業が完了する。
【0126】
この実施形態の場合も、センターケージ190などの保持は水面の上側で行えるので、従来のように沈殿池100の水を抜くなどする必要がなく、その作業は短時間で、容易且つスムーズに行うことができる。
【0127】
なお、上記ブラケット117は、円形などの他の形状で構成しても良い。また取付フランジ191の代わりにセンターケージ190の外周からブラケットを突出して設け、当該ブラケットと前記支柱側のブラケット117,117,…及びジャッキ250,250,…によって保持手段を構成しても良い。またジャッキ機構設置用スペースS5やジャッキ機構設置用スペースS6の隙間を小さくすることで、ジャッキ250,250,…やジャッキ260,260を省略しても良い。
【0128】
図10~
図12に示す固形分掻寄機1-2は、沈殿池100の中央付近の底面側から突出する支柱110の上部に駆動装置150や動力伝達機構160などの回転駆動機構を設置し、当該回転駆動機構によって回転部材であるセンターケージ190を回転駆動する中央駆動支柱式固形分掻寄機の一例であるが、本発明は周辺駆動支柱式固形分掻寄機、即ち水槽の中央付近の底面側から突出する支柱の水面よりも上部の位置に、回転駆動機構(動力伝達機構)としての旋回盤を設置し、この旋回盤に歩廊などの旋回体を取り付けて回転自在に支持し、当該旋回体の外周に駆動装置を取り付けて沈殿池の外周部分において旋回体の先端部分を駆動させ、これによって旋回する旋回体に取り付けたセンターケージ(回転部材)及びセンターケージに取り付けた旋回アーム及びスクレーパを回転駆動する周辺駆動支柱式固形分掻寄機においても同様に適用することができる。
【0129】
以上本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。なお直接明細書及び図面に記載がない何れの形状や構造であっても、本願発明の作用・効果を奏する以上、本願発明の技術的思想の範囲内である。また、上記記載及び各図で示した実施形態は、その目的及び構成等に矛盾がない限り、互いの記載内容を組み合わせることが可能である。また、上記記載及び各図の記載内容は、その一部であっても、それぞれ独立した実施形態になり得るものであり、本発明の実施形態は上記記載及び各図を組み合わせた一つの実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0130】
1-1 固形分掻寄機(中央駆動懸垂式固形分掻寄機)
10 沈殿池(水槽)
30 歩廊(保持手段)
31 歩廊基礎部材(鋼材、サポート部材、保持手段)
35,37、41,49 歩廊側のブラケット(サポート部材、保持手段)
39 ジャッキボルト(ジャッキ機構、サポート部材、保持手段)
43,45,47 ジャッキ(ジャッキ機構、サポート部材、保持手段)
50 駆動装置(回転駆動機構)
70 主軸(回転部材)
71,73,75,79 主軸側のブラケット(サポート部材、保持手段)
80 旋回アーム
81 スクレーパ
701A,701B フランジ拡径部(サポート部材、保持手段)
S1-S5 ジャッキ機構設置用スペース
S6 第2のジャッキ機構設置用スペース
1-2 固形分掻寄機(中央駆動支柱式固形分掻寄機)
100 沈殿池(水槽)
110 支柱
117 ブラケット(サポート部材、保持手段)
150 駆動装置(回転駆動機構)
160 動力伝達機構(回転駆動機構)
180 歩廊
181 ブラケット(サポート部材、第2の保持手段)
183 点検口
190 センターケージ(回転部材)
191 取付フランジ(サポート部材、保持手段、第2の保持手段)
200 旋回アーム
201 スクレーパ
230 点検架台
250 ジャッキ(ジャッキ機構、サポート部材、保持手段)
260 ジャッキ(ジャッキ機構、サポート部材、第2の保持手段)