(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064038
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】ベル装置
(51)【国際特許分類】
G10K 1/064 20060101AFI20230428BHJP
G10K 1/072 20060101ALI20230428BHJP
H01H 36/00 20060101ALN20230428BHJP
【FI】
G10K1/064 A
G10K1/072 Z
H01H36/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022085710
(22)【出願日】2022-05-26
(31)【優先権主張番号】P 2021173650
(32)【優先日】2021-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】392031790
【氏名又は名称】株式会社小泉製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114074
【弁理士】
【氏名又は名称】大谷 嘉一
(74)【代理人】
【識別番号】100222324
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 千明
(72)【発明者】
【氏名】小泉 俊博
【テーマコード(参考)】
5G046
【Fターム(参考)】
5G046AA11
5G046AB01
5G046AC21
5G046AE02
(57)【要約】
【課題】指や手で直接押圧しなくても操作が可能で、デザイン性にも優れたベル装置の提供を目的とする。
【解決手段】ベース部と、前記ベース部に直接又は間接的に支持された本体部を有し、前記本体部は内側に打子と作動子とを有し、前記作動子を操作すると前記打子が本体部を内側から打ち鳴らすものであることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、前記ベース部に直接又は間接的に支持された本体部を有し、前記本体部は内側に打子と作動子とを有し、前記作動子を操作すると前記打子が本体部を内側から打ち鳴らすものであることを特徴とするベル装置。
【請求項2】
前記作動子の操作は押圧操作,遠隔操作及び静電容量変化による近接操作のいずれかであることを特徴とする請求項1記載のベル装置。
【請求項3】
前記作動子の遠隔操作は本体部の内部に設けてある電磁石又はソレノイドによるものであることを特徴とする請求項1記載のベル装置。
【請求項4】
前記作動子の押圧操作は作動子に付勢力を作用したスプリングと操作ボタンからなることを特徴とする請求項1記載のベル装置。
【請求項5】
前記作動子の静電容量変化による近接操作は指等の誘電体を前記本体部に近づけた際の静電容量変化量を検出し、前記作動子を操作させるものであることを特徴とする請求項1記載のベル装置。
【請求項6】
前記指等の誘電体を前記本体部に近づける際に前記誘電体が前記本体部に接触する直前に静電容量が除去されることを特徴とする請求項5記載のベル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内側に打子を有するベル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
呼び鈴としては、卓上式のカウンターベルが知られているが、指や手等でボタンを押圧操作するものが一般的であって、指や手等で触れないと操作できないものであった。
デザイン的にも逆さにしたお椀型が多く、新規性に劣るものである。
特許文献1には、電気磁石にて打ち鳴らす電磁ベルを開示するが、構造が複雑で小型化が難しく、移動性にも劣るものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、指や手で直接押圧しなくても操作が可能で、デザイン性にも優れたベル装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るベル装置は、ベース部と、前記ベース部に直接又は間接的に支持された本体部を有し、前記本体部は内側に打子と作動子とを有し、前記作動子を操作すると前記打子が本体部を内側から打ち鳴らすものであることを特徴とする。
【0006】
ここでベース部とは、卓上式にいろいろな場所に移動及び載置できるようにしたベル装置の基部となるものをいう。
本体部は、このベース部に直接に連結してもよく、ベースと他の連結部材等を介して間接的に取り付けたものでもよく、打子にて打ち鳴らすことができる。
本発明においては、ベース部と本体部とで全体として球形状,横長の楕円形状,卵形状等、いろいろな外観形状にデザインでき、ツリー状にすることもできる。
【0007】
また、打子にて本体部を打ち鳴らす操作は、作動子の遠隔操作で行うことができる。
また、本発明においては、打子を手元操作で打ち鳴らすこともできるようにしてもよい。
さらには、新型コロナウイルス等の対策として、指や手等を本体部に近づけて、その静電容量変化を検出して、ベルが鳴るようにしてもよい。
この場合に、より具体的には作動子の静電容量変化による近接操作は指等の誘電体を前記本体部に近づけた際の静電容量変化量を検出し、前記作動子を操作させるものであってもよく、また指等の誘電体を前記本体部に近づける際に前記誘電体が前記本体部に接触する直前に静電容量が除去されるものであってもよい。
これにより、指等を本体部に近づけ過ぎて、指等と本体部との間に不快の原因となる放電現象が生じるのを防ぐことができる。
【0008】
本発明において、ベル装置を遠隔操作したり、静電容量変化にて操作する手段としては、電磁石やソレノイドを用いることができる。
例えば打子の構造例として、軸支部とその一方に設けた打撃部と、他方に設けた作用杆を有し、作動子にて作用杆を軸支部を支点にして上下させると、支点の反対に有する打撃部が本体部を打ち鳴らすようにした場合に、電磁石の磁力やソレノイドの磁力にて作動子を作用杆に向けて突出させることで、本体部を打撃部にて打ち鳴らすことができる。
この場合に、打撃部にて本体部に衝撃力が加わるように、作動子の復帰方向にスプリングで付勢力を付与してあるのが好ましい。
【0009】
また、作動子に復帰方向の付勢力をスプリング等にて作用させておくと、この作動子を操作ボタンで直接手や指等にて押圧操作し、ベルを鳴らすこともできる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るベル装置は、本体部の内側に打撃機構を設けたので、ベース部とこの本体部にていろいろな意匠からなる外観にすることができ、コンパクトでデザイン性に優れたベル装置となる。
また、ベース部はいろいろな場所、例えばテーブルやカウンター等に載置できるようにし、その際に載置面を緩やかな凸面形状にし、揺動可能にすることもできる。
本発明に係るベル装置は、直接的に指や手で操作しなくても指や手を近づけるだけで、あるいは遠隔操作にて鳴らすことができる。
なお、指等で直接押圧操作することもできるので、電気が供給されない状態になってもベルを鳴らすことができる基本的な機能を有している。
特に、災害や緊急事態において電気が使えなくても音を鳴らすことで、危急に打ち手(操作者)の存在を知らせることができる効果も有している。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図6】誘電体を近づけた際の静電容量変化の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係るベル装置の構造例を以下図に基づいて説明するが、本発明はこれらに限定されない。
【0013】
図1に、実施例1を示す。
(a)は外観図、(b)は断面図を示し、全体として略球形状にした例である。
ベース部11とベース部に設けた支持部13を介して支持した本体部12とからなる。
実施例1は、ベース部11の外形を球の一部として球面形状の本体部12とで構成されている。
本体部の内側には、図示を省略した保持部に対して、軸支部14aにて軸しされた打子14を有する。
打子14は、軸支部14aの一方に打撃部14bを有し、他方に作用杆14cを有している。
この打子14にて、本体部12の内側を打ち鳴らす操作機構として実施例1は、作用杆14cに向けて突出及び後退する作動子15を有する例となっている。
この作動子15の外周側に、コイル16と作動子15を後退方向に付勢したスプリング17とを有する。
図1では、外部からの操作信号を受信する受信部及び二次電池等の電源部の図示を省略してあるが、コイル16に駆動電流を流すとスプリング17の付勢力に抗して、作動子15が下に向けて突出し、作動子の先端部15aにて作用杆14cを下側に向けて回動する。
これにより、打撃部14bが上側に向けて回動するので本体部12の内側に当たり、音が鳴る。
また、作用杆14cに永久磁石を有し、電磁コイルにて同極又は異極を発生させて、作用杆14cを直接動かしてもよい。
図1では、ベース部11の底部に平坦面11aを形成してあり、ベース部11と本体部12の開口端部との間に所定の隙間dを設けることで、音が響きやすくなっている。
【0014】
図2に実施例2を示す。
本実施例2は、ソレノイドによる遠隔操作に限らず、指先等で手元操作にてベルを鳴らすこともできる例である。
操作ボタン18を上下方向に貫通した本体部12の装着孔12aに配置し、操作ボタン18が作動子15に連結されている。
これにより、遠隔操作にて外部からの操作信号による打撃操作が可能であるとともに、操作ボタン18を押圧操作する手元操作でもベルを鳴らすことができる。
【0015】
図3に実施例3を示す。
実施例3は、ベース部11の底部を緩やかな凸面部111aにするとともに、ベース部11側に重心を有するようにすることで、揺動可能にベル装置を載置することができる。
また、
図3(a)に外観を示すように、ベース部11と本体部12にて横長の楕円形状にした例になっている。
【0016】
図5に実施例4を示す。
本実施例4は、水平方向に半割可能な容器部21と、蓋部22の内側にベル装置を収容した例になっている。
本実施例は、容器部21側のねじ部21bと蓋部22側のねじ部で螺合した例になっている。
また、容器部21の底部に平坦部21aを設けてある。
これにより、
図4(a)に外観を示すように、隙間のない球形状になっている。
また、蓋部22を変形容易な(変形可能)な材質で形成し、
図2の実施例2と組み合せることで、上部を押しつぶすようにして操作ボタン18を押圧操作できるようにすることもできる。
【0017】
図5にツリー形状にしたベル装置の例を示す。
このように、本体部の内側に操作機構が設けられていれば、外形形状に制限はない。
【0018】
図6に、本体部に静電容量変化の検出手段(静電容量式近接センサー等)を設けることで、指等の誘電体を本体部に近づけた際の静電容量変化を検出し、それに閾値を設けることでソレノイド等にてベル操作ができる。
静電容量検出センサーとしては、公知の例えば高周波発振回路とその発振状態を検出するものであってもよい。
図6には、本体部にソレノイドと静電容量式近接センサーを設け、指をベル装置の本体部に近づけた際の静電容量変化を示す。
これにより、静電容量変化量に閾値を設定することで、ベル装置をON/OFF制御できることが分かる。
【符号の説明】
【0019】
11 ベース部
12 本体部
13 支持部
14 打子
15 作動子
16 コイル
17 スプリング
18 操作ボタン