(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006404
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】人力駆動車用の操作装置、および人力駆動車
(51)【国際特許分類】
B62K 23/02 20060101AFI20230111BHJP
B62J 45/00 20200101ALI20230111BHJP
【FI】
B62K23/02
B62J45/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108986
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三島 栄治
(72)【発明者】
【氏名】田原 修平
(72)【発明者】
【氏名】三木 良晃
(57)【要約】
【課題】ライダによる誤操作を抑制する人力駆動車用の操作装置を提供する。
【解決手段】操作装置は、ベース部と、前記ベース部に設けられる第1操作部材と、前記ベース部に設けられ、予め定める第1方向において、前記第1操作部材に対して隙間をあけて配置される第2操作部材と、前記ベース部に設けられ、前記予め定める第1方向において、前記第1操作部材、および、前記第2操作部材の間に少なくとも一部が配置され、前記ベース部の表面から突出する突起と、前記ベース部に設けられ、前記予め定める第1方向に非平行な予め定める第2方向において、前記突起に隣接して配置される第3操作部材と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース部と、
前記ベース部に設けられる第1操作部材と、
前記ベース部に設けられ、予め定める第1方向において、前記第1操作部材に対して隙間をあけて配置される第2操作部材と、
前記ベース部に設けられ、前記予め定める第1方向において、前記第1操作部材、および、前記第2操作部材の間に少なくとも一部が配置され、前記ベース部の表面から突出する突起と、
前記ベース部に設けられ、前記予め定める第1方向に非平行な予め定める第2方向において、前記突起に隣接して配置される第3操作部材と、を備える、人力駆動車用の操作装置。
【請求項2】
前記第1操作部材は、非操作状態において前記ベース部の前記表面から突出するように構成され、
前記第2操作部材は、非操作状態において前記ベース部の前記表面から突出するように構成され、
前記第3操作部材は、非操作状態において前記ベース部の前記表面から突出するように構成される、請求項1に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項3】
前記ベース部の前記表面からの前記突起の最大突出量は、前記第1操作部材が操作されていない状態における前記ベース部の前記表面からの前記第1操作部材の第1最大突出量、前記第2操作部材が操作されていない状態における前記ベース部の前記表面からの前記第2操作部材の第2最大突出量、および、前記第3操作部材が操作されていない状態における前記ベース部の前記表面からの前記第3操作部材の第3最大突出量、のそれぞれよりも大きい、請求項1に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項4】
前記最大突出量は、前記第1最大突出量、前記第2最大突出量、および、前記第3最大突出量の少なくとも1つの3倍以下である、請求項3に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項5】
前記突起は、前記第2方向において、前記突起の基端の幅よりも前記突起の遊端の幅が小さい、請求項1~4のいずれか1項に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項6】
前記第2方向における前記遊端の前記幅と、前記第2方向における前記基端の前記幅との比は、1:4以上1:7以下である、請求項5に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項7】
前記突起は、前記第2方向において、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有し、
前記第2端部は、前記第1端部よりも前記第3操作部材に近接して配置され、
前記第1端部は、前記突起の前記基端から前記突起の前記遊端に向かうにつれて、前記第2端部に近接するように傾斜する第1傾斜面を有する、請求項5または6に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項8】
前記第2端部は、前記突起の前記基端から前記突起の前記遊端に向かうにつれて、前記第1端部に近接するように傾斜する第2傾斜面を有する、請求項7に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項9】
前記第1傾斜面は、実質的に平面に形成され、
前記第2傾斜面は、実質的に平面に形成され、
前記ベース部の前記表面に対する前記第1傾斜面の傾斜角度は、前記ベース部の前記表面に対する前記第2傾斜面の傾斜角度以下である、請求項8に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項10】
前記ベース部の前記表面に対する前記第1傾斜面の傾斜角度は、20°以上であり、かつ45°以下である、請求項9に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項11】
前記ベース部の前記表面に対する前記第2傾斜面の傾斜角度は、45°以上であり、かつ70°以下である、請求項9または10に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項12】
前記第1方向における前記第1操作部材と前記突起との第1最小距離、および、前記第1方向における前記第2操作部材と前記突起との第2最小距離の少なくとも1つは、2.0mm以下である、請求項1~11のいずれか1項に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項13】
前記第1最小距離、および、前記第2最小距離の少なくとも1つは、前記第1方向における前記突起の最大幅の半分以下である、請求項12に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項14】
前記ベース部は、少なくとも1つの透光部を有し、かつ、収容空間を形成するハウジングを含み、
前記ハウジングに、前記第1操作部材が配置される第1貫通孔、前記第2操作部材が配置される第2貫通孔、および、前記第3操作部材が配置される第3貫通孔が形成され、
前記操作装置は、
発光部材と、前記第1操作部材によって操作される第1電気スイッチの少なくとも一部と、前記第2操作部材によって操作される第2電気スイッチの少なくとも一部と、前記第3操作部材によって操作される第3電気スイッチの少なくとも一部と、が設けられ、前記収容空間に配置される電子基板と、
前記収容空間に配置され、前記第1貫通孔、前記第2貫通孔、および、前記第3貫通孔と、前記発光部材との間に設けられる遮光部材と、
前記発光部材から出射された光を前記少なくとも1つの透光部に透過させ、かつ前記遮光部材と一体に成形される導光部と、を備える請求項1~13のいずれか1項に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項15】
前記導光部は、導光部材を有する、請求項14に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項16】
前記遮光部材は、前記第1貫通孔、前記第2貫通孔、および、前記第3貫通孔を囲むように前記ハウジングに溶着される溶着部を有し、
前記導光部材は、前記溶着部によって囲まれる領域の外側に設けられる、請求項15に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項17】
前記第1操作部材と前記第1電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される第1操作伝達部と、前記第2操作部材と前記第2電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される第2操作伝達部と、前記第3操作部材と前記第3電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される第3操作伝達部と、をさらに備え、
前記第1操作伝達部、前記第2操作伝達部、および、前記第3操作伝達部は、前記遮光部材に設けられる、請求項14~16のいずれか1項に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項18】
前記第1操作伝達部、前記第2操作伝達部、および、前記第3操作伝達部は、弾性部材によって形成される、請求項17に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項19】
少なくとも1つの操作部材と、
前記少なくとも1つの操作部材が配置される貫通孔が形成され、少なくとも1つの透光部を有し、かつ、収容空間を形成するハウジングを含むベース部と、
発光部材と、前記少なくとも1つの操作部材によって操作される電気スイッチの少なくとも一部とが設けられ、前記収容空間に配置される電子基板と、
前記収容空間に配置され、前記貫通孔と、前記発光部材との間に設けられる遮光部材と、
前記発光部材から出射された光を前記少なくとも1つの透光部に透過させ、かつ前記遮光部材と一体に成形される導光部材と、を備え、
前記遮光部材は、前記貫通孔を囲むように前記ハウジングに溶着される溶着部を有し、
前記導光部材は、前記溶着部によって囲まれる領域の外側に配置される、人力駆動車用の操作装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つの操作部材と前記電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される操作伝達部をさらに備え、
前記操作伝達部は、前記遮光部材に設けられる、請求項19に記載の人力駆動車用の操作装置。
【請求項21】
請求項1~20のいずれか1項に記載の人力駆動車用の操作装置を備える、人力駆動車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、人力駆動車用の操作装置、および人力駆動車に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、人力駆動車のハンドルバーに取り付けられる操作装置が開示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示の目的の1つは、ライダによる誤操作を抑制する人力駆動車用の操作装置を提供することである。本開示の目的の他の1つは、発光部材から出射される光を視認やすい人力駆動車用の操作装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1側面に従う人力駆動車用の操作装置は、ベース部と、前記ベース部に設けられる第1操作部材と、前記ベース部に設けられ、予め定める第1方向において、前記第1操作部材に対して隙間をあけて配置される第2操作部材と、前記ベース部に設けられ、前記予め定める第1方向において、前記第1操作部材、および、前記第2操作部材の間に少なくとも一部が配置され、前記ベース部の表面から突出する突起と、前記ベース部に設けられ、前記予め定める第1方向に非平行な予め定める第2方向において、前記突起に隣接して配置される第3操作部材と、を備える。
【0006】
第1側面の人力駆動車用の操作装置によれば、第1操作部材、および第2操作部材が第1方向において突起を挟み配置される。第3操作部材が突起に対して第2方向に配置される。ライダは、突起を中心に、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材を識別できる。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの誤操作を抑制できる。さらに、ライダが第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材を操作しない場合、人力駆動車用の操作装置は、ライダの指を突起によって支持できる。
【0007】
第1側面に従う第2側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第1操作部材は、非操作状態において前記ベース部の前記表面から突出するように構成される。前記第2操作部材は、非操作状態において前記ベース部の前記表面から突出するように構成される。前記第3操作部材は、非操作状態において前記ベース部の前記表面から突出するように構成される。
【0008】
第2側面の人力駆動車用の操作装置によれば、第1操作部材、第2操作部材、および、第3操作部材が、ベース部の表面から突出するため、ライダは、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材を容易に認識できる。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの誤操作をさらに抑制できる。
【0009】
第1側面に従う第3側面の人力駆動車用の操作装置において、前記ベース部の前記表面からの前記突起の最大突出量は、前記第1操作部材が操作されていない状態における前記ベース部の前記表面からの前記第1操作部材の第1最大突出量、前記第2操作部材が操作されていない状態における前記ベース部の前記表面からの前記第2操作部材の第2最大突出量、および、前記第3操作部材が操作されていない状態における前記ベース部の前記表面からの前記第3操作部材の第3最大突出量、のそれぞれよりも大きい。
【0010】
第3側面の人力駆動車用の操作装置によれば、突起が、第1操作部材、第2操作部材、および、第3操作部材よりもベース部の表面から突出するため、ライダは、突起を容易に認識できる。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの誤操作をさらに抑制できる。
【0011】
第3側面に従う第4側面の人力駆動車用の操作装置において、前記最大突出量は、前記第1最大突出量、前記第2最大突出量、および、前記第3最大突出量の少なくとも1つの3倍以下である。
【0012】
第4側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダがライダの指を各操作部材間においてスムーズに移動させることができる。人力駆動車用の操作装置は、ライダが操作部材を素早く操作することに貢献できる。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの操作性の向上に貢献できる。
【0013】
第1から第4側面のいずれか1つに従う第5側面の人力駆動車用の操作装置において、前記突起は、前記第2方向において、前記突起の基端の幅よりも前記突起の遊端の幅が小さい。
【0014】
第5側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダが第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材の間においてライダの指を移動させる場合、ライダがライダの指を各操作部材間においてスムーズに移動させやすい。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの操作性の向上に貢献できる。
【0015】
第5側面に従う第6側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第2方向における前記遊端の前記幅と、前記第2方向における前記基端の前記幅との比は、1:4以上1:7以下である。
【0016】
第6側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダが突起を認識しやすく、かつ、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材の間においてライダの指を移動させやすい。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0017】
第5または第6側面に従う第7側面の人力駆動車用の操作装置において、前記突起は、前記第2方向において、第1端部と、前記第1端部とは反対側の第2端部とを有する。前記第2端部は、前記第1端部よりも前記第3操作部材に近接して配置される。前記第1端部は、前記突起の前記基端から前記突起の前記遊端に向かうにつれて、前記第2端部に近接するように傾斜する第1傾斜面を有する。
【0018】
第7側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダがライダの指を第2方向に沿って第1端部側から第2端部側に延ばして突起に接触させた状態において、ライダの指を待機させやすい。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0019】
第7側面に従う第8側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第2端部は、前記突起の前記基端から前記突起の前記遊端に向かうにつれて、前記第1端部に近接するように傾斜する第2傾斜面を有する。
【0020】
第8側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダがライダの指を第2方向に沿って突起の第1端部側から突起の第2端部側に延ばして、第3操作部材を操作する場合、第2傾斜面に沿って指を移動させることによって、第3操作部材が操作しやすくなる。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第3操作部材に対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0021】
第8側面に従う第9側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第1傾斜面は、実質的に平面に形成される。前記第2傾斜面は、実質的に平面に形成される。前記ベース部の前記表面に対する前記第1傾斜面の傾斜角度は、前記ベース部の前記表面に対する前記第2傾斜面の傾斜角度以下である。
【0022】
第9側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダが、ライダの指を第2方向に沿って突起の第1端部側から突起の第2端部側に延ばした状態において、各操作部材を操作しやすい。しがたって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0023】
第9側面に従う第10側面の人力駆動車用の操作装置において、前記ベース部の前記表面に対する前記第1傾斜面の傾斜角度は、20°以上であり、かつ45°以下である。
【0024】
第10側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダが、ライダの指を第2方向に沿って突起の第1端部側から突起の第2端部側に延ばした状態において、ライダの指を第1傾斜面に沿わせて待機させやすい。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材に対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0025】
第9または第10側面に従う第11側面の人力駆動車用の操作装置において、前記ベース部の前記表面に対する前記第2傾斜面の傾斜角度は、45°以上であり、かつ70°以下である。
【0026】
第11側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダがライダの指を第2方向に沿って突起の第1端部側から突起の第2端部側に延ばして、第3操作部材を操作する場合、第2傾斜面に沿って指を移動させることよって、第3操作部材が操作しやすくなる。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第3操作部材に対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0027】
第1から第11側面のいずれか1つに従う第12側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第1方向における前記第1操作部材と前記突起との第1最小距離、および、前記第1方向における前記第2操作部材と前記突起との第2最小距離の少なくとも1つは、2.0mm以下である。
【0028】
第12側面の人力駆動車用の操作装置によれば、第1方向における第1操作部材と突起との第1最小距離が2.0mm以下の場合は、ライダが突起に対する第1操作部材の位置を認識しやすい。第1方向における第2操作部材と突起との第2最小距離が2.0mm以下の場合は、ライダが突起に対する第2操作部材の位置を認識しやすい。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、および第2操作部材の少なくとも1つに対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0029】
第12側面に従う第13側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第1最小距離、および、前記第2最小距離の少なくとも1つは、前記第1方向における前記突起の最大幅の半分以下である。
【0030】
第13側面の人力駆動車用の操作装置によれば、第1最小距離が第1方向における前記突起の最大幅の半分以下の場合、ライダが突起に対する第1操作部材の位置を認識しやすい。第2最小距離が第1方向における前記突起の最大幅の半分以下の場合、ライダが突起に対する第2操作部材の位置を認識しやすい。したがって、人力駆動車用の操作装置は、第1操作部材、および第2操作部材の少なくとも1つに対するライダの操作性の向上にさらに貢献できる。
【0031】
第1から第13側面のいずれか1つに従う第14側面の人力駆動車用の操作装置は、前記ベース部は、少なくとも1つの透光部を有し、かつ、収容空間を形成するハウジングを含む。前記ハウジングに、前記第1操作部材が配置される第1貫通孔、前記第2操作部材が配置される第2貫通孔、および、前記第3操作部材が配置される第3貫通孔が形成される。前記操作装置は、発光部材と、前記第1操作部材によって操作される第1電気スイッチの少なくとも一部と、前記第2操作部材によって操作される第2電気スイッチの少なくとも一部と、前記第3操作部材によって操作される第3電気スイッチの少なくとも一部と、が設けられ、前記収容空間に配置される電子基板と、前記収容空間に配置され、前記第1貫通孔、前記第2貫通孔、および、前記第3貫通孔と、前記発光部材との間に設けられる遮光部材と、前記発光部材から出射された光を前記少なくとも1つの透光部に透過させ、かつ前記遮光部材と一体に成形される導光部と、を備える。
【0032】
第14側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ハウジングに形成される第1貫通孔、第2貫通孔、および、第3貫通孔からの漏光が抑制されるので、少なくとも1つの透光部から出射される光の視認性が向上する。さらに、人力駆動車用の操作装置は、遮光部材には導光部が一体に形成されているので、遮光部材の配置と導光部の配置とを同時に実施できる。
【0033】
第14側面に従う第15側面の人力駆動車用の操作装置において、前記導光部は、導光部材を有する。
【0034】
第15側面の人力駆動車用の操作装置によれば、発光部材から出射される光は、導光部材によって少なくとも1つの透光部に導かれ、少なくとも1つの透光部からハウジングの外へ出射される。したがって、人力駆動車用の操作装置は、発光部材から出射される光の視認性の向上に貢献できる。
【0035】
第15側面に従う第16側面の人力駆動車用の操作装置において、前記遮光部材は、前記第1貫通孔、前記第2貫通孔、および、前記第3貫通孔を囲むように前記ハウジングに溶着される溶着部を有する。前記導光部材は、前記溶着部によって囲まれる領域の外側に設けられる。
【0036】
第16側面の人力駆動車用の操作装置によれば、溶接部によって囲まれる領域への漏光が防止される。したがって、人力駆動車用の操作装置は、発光部材から出射される光の視認性の向上に貢献できる。
【0037】
第14から第16側面のいずれか1つに従う第17側面の人力駆動車用の操作装置は、前記第1操作部材と前記第1電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される第1操作伝達部と、前記第2操作部材と前記第2電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される第2操作伝達部と、前記第3操作部材と前記第3電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される第3操作伝達部と、をさらに備える。前記第1操作伝達部、前記第2操作伝達部、および、前記第3操作伝達部は、前記遮光部材に設けられる。
【0038】
第17側面の人力駆動車用の操作装置によれば、第1操作伝達部材、第2操作伝達部材、および、第3操作伝達部材が、遮光部材によって支持される。例えば、人力駆動車用の操作装置は、ライダによる第1操作部材の操作を、第1操作伝達部材を介して第1電気スイッチへ確実に伝達できる。
【0039】
第17側面に従う第18側面の人力駆動車用の操作装置において、前記第1操作伝達部、前記第2操作伝達部、および、前記第3操作伝達部は、弾性部材によって形成される。
【0040】
第18側面の人力駆動車用の操作装置によれば、第1操作部材、第2操作部材、および、第3操作部材のそれぞれをライダが押圧すると、弾性部材が変形することによって、ライダに各操作部材が操作されていることを明確に伝達することができる。
【0041】
第19側面の人力駆動車用の操作装置は、少なくとも1つの操作部材と、前記少なくとも1つの操作部材が配置される貫通孔が形成され、少なくとも1つの透光部を有し、かつ、収容空間を形成するハウジングを含むベース部と、発光部材と、前記少なくとも1つの操作部材によって操作される電気スイッチの少なくとも一部とが設けられ、前記収容空間に配置される電子基板と、前記収容空間に配置され、前記貫通孔と、前記発光部材との間に設けられる遮光部材と、前記発光部材から出射された光を前記少なくとも1つの透光部に透過させ、かつ前記遮光部材と一体に成形される導光部材と、を備える。前記遮光部材は、前記貫通孔を囲むように前記ハウジングに溶着される溶着部を有する。前記導光部材は、前記溶着部によって囲まれる領域の外側に配置される。
【0042】
第19側面の人力駆動車用の操作装置によれば、ハウジングに形成される貫通孔からの漏光が抑制されるので、少なくとも1つの透光部から出射される光の視認性が向上する。さらに、溶接部によって囲まれる領域への漏光が防止される。したがって、人力駆動車用の操作装置は、発光部材から出射される光の視認性の向上に貢献できる。
【0043】
第19側面に従う第20側面の人力駆動車用の操作装置は、前記少なくとも1つの操作部材と前記電気スイッチの前記少なくとも一部との間に配置される操作伝達部をさらに備える。前記操作伝達部は、前記遮光部材に設けられる。
【0044】
第20側面の人力駆動車用の操作装置によれば、操作伝達部材が、遮光部材によって支持される。人力駆動車用の操作装置は、ライダによる少なくとも1つの操作部材の操作を、操作伝達部材を介して電気スイッチへ確実に伝達できる。
【0045】
第21側面の人力駆動車は、第1から第20側面のいずれか1つの人力駆動車用の操作装置を備える。
【0046】
第21側面の人力駆動車によれば、ライダによる操作装置の誤操作が抑制される。
【発明の効果】
【0047】
本開示の人力駆動車用の操作装置によれば、ライダによる操作装置の誤操作の抑制、および、発光部材から出射される光の視認性の向上、の少なくとも1つを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図1】
図1は、第1実施形態の操作装置を搭載する人力駆動車の側面図である。
【
図2】
図2は、ハンドルバーに取り付けられた状態における第1実施形態の操作装置の正面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態の操作装置の斜視図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態の操作装置の左側面図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態の操作装置の一部が分解された斜視図である。
【
図10】
図10は、
図2の操作装置から、第1ハウジング部、第1操作部材、第2操作部材、および第3操作部材が外された状態を示す図である。
【
図11】
図11は、第2実施形態の操作装置において、
図7に対応する箇所を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
<第1実施形態>
図1に示すように、人力駆動車10は、例えば、電動ドライブユニット12を備えるマウンテンバイクである。人力駆動車10は、マウンテンバイクに限定されるものではなく、少なくとも人力によって駆動することができれば、ロードバイク、クロスバイク、シティバイク、カーゴバイク、ハンドサイクル、および、リカンベントなどの他の自転車、ならびに、1輪車および3輪以上の車輪を有する車両であってよい。
【0050】
人力駆動車10は、フレーム14を含む。フレーム14は、例えば、ヘッドチューブ14A、トップチューブ14B、ダウンチューブ14C、シートステー14D、およびチェーンステー14Eを含む。人力駆動車10は、フロントフォーク14F、ステム14G、および、ハンドルバー14Hを含む。フロントフォーク14Fおよびステム14Gは、ヘッドチューブ14Aに連結される。ハンドルバー14Hは、ステム14Gに連結される。人力駆動車10は、2つの車輪16と、ドライブトレイン18と、電動ドライブユニット12と、変速システム20とを備える。2つの車輪16は、前輪16Aおよび後輪16Bを含む。前輪16Aは、フロントフォーク14Fに連結される。後輪16Bは、シートステー14D、およびチェーンステー14Eの接続部に連結される。
【0051】
ドライブトレイン18は、人力駆動力を後輪16Bに伝達するように構成される。ドライブトレイン18は、一対のペダル22と、クランク24と、少なくとも1つのフロントチェーンホイール26と、チェーン28と、少なくとも1つのリアスプロケット30とを含む。一対のペダル22に付加される人力駆動力によってクランク24が回転すると、フロントチェーンホイール26が回転する。フロントチェーンホイール26の回転力は、チェーン28を介してリアスプロケット30に伝達される。リアスプロケット30が回転することによって車輪16が回転する。少なくとも1つのリアスプロケット30は、複数のスプロケットを含む。少なくとも1つのリアスプロケット30は、歯数が異なる複数のスプロケットを含む。
【0052】
ドライブトレイン18は、フロントチェーンホイール26、リアスプロケット30およびチェーン28に代えて、プーリおよびベルトを含んでいてもよく、ベベルギアおよびシャフトを含んでいてもよい。クランク24は、クランク軸と、クランク軸の軸方向の第1端部に連結される第1クランクアームと、クランク軸の軸方向の第2端部に連結される第2クランクアームと、を含む。ドライブトレイン18は、ワンウェイクラッチ、他のスプロケット、または他のチェーンなどの他の部品を含んでいてもよい。少なくとも1つのフロントチェーンホイール26は、複数のチェーンホイールを含んでいてもよい。好ましくは、フロントチェーンホイール26の回転軸は、クランク24の回転軸と同軸に配置される。リアスプロケット30の回転軸は、後輪16Bの回転軸と同軸に配置される。
【0053】
電動ドライブユニット12は、人力駆動車10の推進をアシストするように構成される。電動ドライブユニット12は、例えばペダル22に加えられる人力駆動力に応じて動作する。電動ドライブユニット12は、モータ32を含む。モータ32は、フレーム14に取り付けられるハウジング12Aに設けられる。モータ32は、電気モータを含む。モータ32は、例えば、ブラシレスモータを含む。モータ32は、人力駆動力によって車輪16が回転している状態において駆動され、人力駆動力による人力駆動車10の推進をアシストするように構成される。モータ32は、バッテリ34から供給される電力によって動作する。バッテリ34は、例えばダウンチューブ14Cに収容される。電動ドライブユニット12が発生するアシスト力は、駆動回路を介してモータ32に供給される駆動電流および駆動電圧が調整されることによって、調整される。
【0054】
変速システム20は、制御装置40と、変速装置42とを含む。制御装置40は、例えば電動ドライブユニット12のハウジング12Aに収容される。制御装置40は、電動ドライブユニット12のハウジング12Aではなく、フレーム14に設けられてもよく、変速装置42に設けられてもよい。制御装置40は、バッテリ34から供給される電力によって動作する。
【0055】
変速装置42は、人力駆動力の伝達経路に設けられる。人力駆動力の伝達経路は、ペダル22に付加された人力駆動力が車輪16に伝達されるまでの経路である。変速装置42は、例えば、外装変速機を含む。本実施形態の変速装置42は、リアディレーラ44、チェーン28、および、複数のリアスプロケット30を含む。複数のリアスプロケット30のうちの1つと噛合うチェーン28を、リアディレーラ44によって移動させて、複数のリアスプロケット30のうちの他の1つと噛合わせることによって、変速装置42の変速比が変更される。変速装置42は、フロントディレーラを含んでもよい。変速装置42は、外装変速機に代えて内装変速機を含んでもよく、外装変速機に加えて内装変速機を含んでもよい。内装変速機は、例えば後輪16Bのハブに設けられる。内装変速機は、有段変速機であってもよく、無段変速機であってもよい。
【0056】
人力駆動車10は、操作装置50を備える。電動ドライブユニット12は、
図2に示す操作装置50から出力される信号に応じて制御状態が変更される。操作装置50は、ハンドルバー14Hに取り付けられる。ハンドルバー14Hの形状は、フラット型であってもよく、ドロップ型であってもよく、特に限定されない。操作装置50は、例えば、ハンドルバー14Hのうち、ライダが左手によって握る部分に近接して、ハンドルバー14Hに取り付けられる。操作装置50は、例えば、ライダが左手によって握るグリップ14Jに近接し、かつ、ライダがグリップ14Jを握った状態において、ライダの左手の親指に近接する位置において、ハンドルバー14Hに取り付けられる。操作装置50は、電動ドライブユニット12における制御状態を変更するように構成されているが、操作装置50によって操作される人力駆動車用コンポーネントは、電動ドライブユニット12に限定されない。操作装置50は、例えば、変速装置42における変速段を変更するように構成されていてもよい。
【0057】
操作装置50は、
図2~
図5を参照し説明される。操作装置50は、ベース部52を備える。操作装置50は、少なくとも1つの操作部材54を備える。ベース部52は、ハウジング56を含む。ベース部52は、第1突出部58と、第2突出部60と、取付部62とをさらに含む。ハウジング56は、収容空間110(
図6参照)を形成する。
【0058】
ハウジング56は、第1ハウジング部56aと、第2ハウジング部56bとを含む。ハウジング56は、少なくとも1つの透光部64を有し、かつ、収容空間110を形成する。第2ハウジング部56bは、第1ハウジング部56aよりもハンドルバー14H側に設けられる。第1ハウジング部56aは、ハンドルバー14H側の端に開口部56cを有する。第2ハウジング部56bは、ハンドルバー14Hとは反対側の端に開口部56dを有する。第1ハウジング部56aの開口部56cと第2ハウジング部56bの開口部56dとが合わさるように取り付けられることによって、収容空間110(
図6参照)が形成される。
【0059】
第1ハウジング部56aは、平面部66と、第1側面部68とを含む。平面部66の面積は、第2ハウジング部56bの開口部56dの面積よりも小さい。第1側面部68は、平面部66の周縁に沿って形成される。第1側面部68は、平面部66の周縁から第2ハウジング部56bに向けて広がるように延びる。第1側面部68は、第1外壁68aと、第2外壁68bと、第3外壁68cと、第4外壁68dとを含む。
【0060】
第1外壁68aは、予め定める第1方向Xにおいて平面部66の第1端部に接続される。第2外壁68bは、予め定める第1方向Xにおいて、平面部66の第1端部とは反対側の第2端部に接続される。第1方向Xは、ハンドルバー14Hの軸Pに直交する仮想軸に実質的に平行な方向である。第1外壁68aは、第2ハウジング部56bの開口部56dから平面部66に向かうにつれて、第2外壁68bに近接するように傾斜する。第2外壁68bは、第2ハウジング部56bの開口部56dから平面部66に向かうにつれて、第1外壁68aに近接するように傾斜する。
【0061】
第3外壁68cは、第1方向Xに交差する予め定める第2方向Yにおいて平面部66の第3端部に接続される。第4外壁68dは、平面部66の第3端部とは反対側の第4端部に接続される。第3外壁68cは、第2ハウジング部56bの開口部56dから平面部66に向かうにつれて、第4外壁68dに近接するように傾斜する。第4外壁68dは、第2ハウジング部56bの開口部56dから平面部66に向かうにつれて、第3外壁68cに近接するように傾斜する。第2方向Yは、第1方向Xに非平行な方向である。本実施形態において、第2方向Yは、第1方向Xに実質的に直交し、かつ、ハンドルバー14Hの軸Pに実質的に平行な方向である。
【0062】
第2ハウジング部56bは、底面部70と、第2側面部72と、筒部74とを含む。底面部70は、ハンドルバー14H側に配置される。第2側面部72は、底面部70の周縁から第1ハウジング部56aに向けて延びる。筒部74は、底面部70から、ハンドルバー14H側に突出する。筒部74は、第1方向Xと第2方向Yとに実質的に垂直な方向に延びる。筒部74には、電気コネクタが収容される。電気コネクタは、ハウジング56に設けられる電子基板112に電気的に接続される。筒部74に収容される電気コネクタは、電気ケーブル76のプラグが着脱可能に構成される。電気ケーブル76は、電動ドライブユニット12などに制御信号を伝達する。
【0063】
平面部66には、第1貫通孔80aと、第2貫通孔80bと、第3貫通孔80cとが形成される。第1貫通孔80aと、第2貫通孔80bと、第3貫通孔80cとは、それぞれが第1方向Xと第2方向Yとに垂直な方向に延びて、ハウジング56の外部空間と、収容空間110とに接続される。平面部66には、突起82が設けられる。突起82は、ハウジング56の外表面に設けられる。第1貫通孔80a、および、第2貫通孔80bは、予め定める第1方向Xに沿って並んで配置される。第2貫通孔80bは、第1方向Xにおいて、第1貫通孔80aから離間して配置される。第1貫通孔80aと第2貫通孔80bとの間に、突起82が形成される。突起82の詳細は、後述される。
【0064】
第3貫通孔80cは、第2方向Yにおいて突起82に隣接して形成される。好ましくは、第1貫通孔80a、および、第2貫通孔80bは、第1方向Xに垂直、かつ、第2方向Yに平行な平面に関して、面対称に配置される。
【0065】
少なくとも1つの透光部64は、第1ハウジング部56aに設けられる。少なくとも1つの透光部64は、透光性を有する部材によって構成される。例えば、少なくとも1つの透光部64は、透明の樹脂によって構成される。少なくとも1つの透光部64を構成する合成樹脂は、例えば、ポリカーボネートを含む。少なくとも1つの透光部64は、第1透光部64a、および、第2透光部64bを含む。好ましくは、第1透光部64a、および、第2透光部64bは、それぞれハウジング56の内部空間の光が、ハウジング56の外部空間に透過するように、ハウジング56に設けられる。
【0066】
第1方向Xにおいて、第1透光部64aは、第1貫通孔80aの一方側に設けられる。第1方向Xにおいて、第2方向Yにおいて、第1透光部64a、および、第2透光部64bの間に、第3貫通孔80cの少なくとも一部が配置される。好ましくは、第1透光部64aおよび、第2透光部64bは、第1方向Xに垂直、かつ、第2方向Yに平行な平面に関して、面対称に配置される。
【0067】
第1突出部58は、第1方向Xにおけるハウジング56の第1端部に設けられる。第1突出部58は、第2方向Yにおけるハウジング56の第3端部寄りに設けられる。第1方向Xにおけるハウジング56の第1端部のうち、第2方向Yにおけるハウジング56の第3端部寄りの部分は、第1方向Xにおけるハウジング56の第2端部側に傾斜する第1傾斜部を有する。第1突出部58は、第1傾斜部から突出する。第1突出部58には、第4貫通孔58aが形成される。第4貫通孔58aは、ハウジング56の外部空間と、収容空間110とに接続される。
【0068】
第2突出部60は、第1方向Xにおけるハウジング56の第2端部に設けられる。第2突出部60は、第2方向Yにおけるハウジング56の第3端部寄りに設けられる。第1方向Xにおけるハウジング56の第2端部のうち、第2方向Yにおけるハウジング56の第3端部寄りの部分は、第1方向Xにおけるハウジング56の第1端部側に傾斜する第2傾斜部を有する。第2突出部60は、第2傾斜部から突出する。第2突出部60には、第5貫通孔60aが形成される。好ましくは、第5貫通孔60aは、ハウジング56の外部空間と、収容空間110とに接続される。第1突出部58、および、第2突出部60は、第1方向Xに垂直、かつ、第2方向Yに平行な平面に関して、面対称に配置される。
【0069】
取付部62は、第2ハウジング部56bの底面部70からハンドルバー14H側に向けて突出する。取付部62は、ナット84、および、ボルト86を用いて取付部材88に取り付けられる。取付部62には、取付部材88の挿入部88aが挿入される。挿入部88aにナット84を介してボルト86が締め付けられることによって、取付部62が取付部材88に取り付けられる。
【0070】
取付部材88は、ハンドルバー14Hに取り付けられるように構成される。取付部材88は、C字状である。取付部材88は、ナット90、および、ボルト92を用いてハンドルバー14Hに取り付けられる。取付部材88は、調整部材94を介してハンドルバー14Hに取り付けられてもよい。取付部62は、ハンドルバー14Hの径に対応する複数種類の取付部材88のうちの1つが取り付けられるように構成されてもよい。
【0071】
少なくとも1つの操作部材54は、第1操作部材54aと、第2操作部材54bと、第3操作部材54cとを含む。少なくとも1つの操作部材54は、第4操作部材54dと、第5操作部材54eとをさらに含んでいてもよい。第1操作部材54aは、ベース部52に設けられる。第1操作部材54aは、ハウジング56に形成される第1貫通孔80aに配置される。第1操作部材54aは、非操作状態においてベース部52の表面52aから突出するように構成される。ベース部52の表面52aは、ハウジング56の外表面に含まれる。第1操作部材54aは、例えば、電動ドライブユニット12におけるアシストレベルを増加させるために操作される。第1操作部材54aの操作面は、例えば、平面に形成される。第1操作部材54aの角部は面取りされる。
【0072】
第2操作部材54bは、ベース部52に設けられる。第2操作部材54bは、ハウジング56に形成される第2貫通孔80bに配置される。第2操作部材54bは、非操作状態においてベース部52の表面52aから突出するように構成される。第2操作部材54bは、第1方向Xにおいて、第1操作部材54aに対して隙間をあけて配置される。第2操作部材54bは、電動ドライブユニット12におけるアシストレベルを減少させるために操作される。第2操作部材54bの操作面は、例えば、平面に形成される。第2操作部材54bの角部は面取りされる。
【0073】
第1操作部材54aのうち第2操作部材54b側の端面のうち突起82に対向する部分の少なくとも一部分と、第2操作部材54bのうち第1操作部材54a側の端面のうち突起82に対向する部分の少なくとも一部分とは、第2方向Yに実質的に平行に延びる。第1操作部材54aのうち第2操作部材54b側の端面のうち第3操作部材54cに対向する部分の少なくとも一部分と、第2操作部材54bのうち第1操作部材54a側の端面のうち第3操作部材54cに対向する部分の少なくとも一部分とは、第2方向Yにおいて突起82から離れるにつれて、相互に離れる方向に延びる。第1操作部材54aおよび第2操作部材54bの形状によって、第1操作部材54aおよび第2操作部材54bと、第3操作部材54cとの間の距離をあけることができるので、ライダによる操作装置50の誤操作が抑制される。
【0074】
操作装置50が、変速装置42における変速段を変更するように構成される場合、第1操作部材54aは、変速装置42をアップシフトするために操作され、第2操作部材54bは、変速装置42をダウンシフトするために操作されてもよい。
【0075】
第3操作部材54cは、ベース部52に設けられる。第3操作部材54cは、ハウジング56に形成される第3貫通孔80cに配置される。第3操作部材54cは、非操作状態においてベース部52の表面52aから突出するように構成される。第3操作部材54cは、第2方向Yにおいて、ベース部52に設けられる突起82に隣接して配置される。第3操作部材54cは、第2方向Yにおいて突起82よりもハウジング56の第4端部側に設けられる。第3操作部材54cは、例えば、人力駆動車10に設けられるディスプレイの表示を変更するために操作される。第3操作部材54cの少なくとも一部は、第1方向Xにおいて、第1操作部材54aと第2操作部材54bとの間に配置される。好ましく、第2方向Yおける第3操作部材54cの幅の半分以上が、第1方向Xにおいて、第1操作部材54aと第2操作部材54bとの間に配置される。第3操作部材54cの操作面は、例えば、平面に形成される。第3操作部材54cの角部は面取りされる。
【0076】
第4操作部材54dは、ベース部52に設けられる。第4操作部材54dは、第1突出部58に形成される第4貫通孔58aに挿入される。第4操作部材54dは、非操作状態において、第1突出部58から突出するように構成される。第4操作部材54dは、人力駆動車10に設けられる照明灯を「ON」、または「OFF」に切り替えるために操作される。照明灯は、例えばフロントライトを含む。第4操作部材54dは、操作装置50の電源を「ON」、または「OFF」に切り替えるために操作されてもよい。
【0077】
第5操作部材54eは、ベース部52に設けられる。第5操作部材54eは、第2突出部60に形成される第5貫通孔60aに挿入される。第4操作部材54dは、非操作状態において第2突出部60から突出するように構成される。第5操作部材54eは、操作装置50の電源を「ON」、または「OFF」に切り替えるために操作される。第5操作部材54eは、人力駆動車10に設けられる照明灯を「ON」、または「OFF」に切り替えるために操作されてもよい。
【0078】
突起82は、
図4、
図6、および
図7を参照し説明される。突起82は、ベース部52に設けられる。突起82は、第1方向Xにおいて、第1操作部材54a、および、第2操作部材54bの間に少なくとも一部が配置される。突起82は、ベース部52の表面52aから突出する。突起82は、ハウジング56の平面部66に設けられる。突起82は、角部が面取りされる。
【0079】
突起82は、第2方向Yにおいて、第1端部100と第2端部102とを有する。第1端部100は、第2方向Yにおける突起82のうち、ハウジング56の第3端部側の端部である。第2方向Yにおいて、第2端部102は、第1端部100とは反対側に設けられる。第2端部102は、第1端部100よりも第3操作部材54cに近接して配置される。
【0080】
好ましくは、第1端部100は、第1傾斜面100aを有する。第1傾斜面100aは、突起82の基端82aから突起82の遊端82bに向かうにつれて、第2端部102に近接するように傾斜する。基端82aは、突起82のうちベース部52側の端である。遊端82bは、突起82のうちベース部52側とは反対側の端である。本実施形態において、第1傾斜面100aは、実質的に平面に形成される。第1傾斜面100aは、湾曲する面であってもよい。例えば、第1傾斜面100aは、凸状に湾曲する面であってもよい。第1傾斜面100aは、凹状に湾曲する面であってもよい。好ましくは、第1傾斜面100aは、第2方向Yにおいて、第3外壁68cの外表面のうち第1傾斜面100aに隣接する部分と、同一の平面に含まれる。
【0081】
好ましくは、第2端部102は、第2傾斜面102aを有する。第2傾斜面102aは、突起82の基端82aから突起82の遊端82bに向かうにつれて、第1端部100に近接するように傾斜する。本実施形態において、第2傾斜面102aは、実質的に平面に形成される。第2傾斜面102aは、湾曲する面であってもよい。例えば、第2傾斜面102aは、凸状に湾曲する面であってもよい。第2傾斜面102aは、凹状に湾曲する面であってもよい。
【0082】
本実施形態において、第1傾斜面100a、および、第2傾斜面102aは、第1方向Xに平行である。第1傾斜面100a、および、第2傾斜面102aは、第1方向Xに非平行であってもよい。本実施形態では、突起82は、第2方向Yに平行に延びる。突起82は、第2方向Yに非平行であってもよい。
【0083】
第1傾斜面100aの傾斜角度θ1は、第2傾斜面102aの傾斜角度θ2以下である。傾斜角度は、ベース部52の表面52aに対する角度である。第1傾斜面100aの傾斜角度θ1は、第1傾斜面100aと、平面部66の表面との内角である。好ましくは、第1傾斜面100aの傾斜角度θ1は、20°以上でありかつ45°以下である。第1傾斜面100aは、第1ハウジング部56aの第3外壁68cとの間に段差ができないように、第3外壁68cの表面と連続する平面として形成される。第2傾斜面102aの傾斜角度θ2は、第2傾斜面102aと、平面部66の表面との間の内角である。好ましくは、第2傾斜面102aの傾斜角度θ2は、45°以上であり、かつ70°以下である。
【0084】
好ましくは、第2方向Yにおいて、突起82の遊端82bの幅W1は、突起82の基端82aの幅W2よりも小さい。好ましくは、第2方向Yにおける遊端82bの幅W1と、第2方向Yにおける基端82aの幅W2との比は、1:4以上、1:7以下である。
【0085】
好ましくは、第1方向Xにおける第1操作部材54aと突起82との第1最小距離L1は、2.0mm以下である。第1最小距離L1は、第1方向Xにおいて、突起82の基端82aのうち第1操作部材54aに最も近い部分と、第1操作部材54aとの距離である。好ましくは、第1方向Xにおける第2操作部材54bと突起82との第2最小距離L2は、2.0mm以下である。第2最小距離L2は、第1方向Xにおいて、突起82の基端82aのうち第2操作部材54bに最も近い部分と、第2操作部材54bとの距離である。第1最小距離L1、および、第2最小距離L2のいずれか1つは、2.0mmよりも長くてもよい。好ましくは、第1最小距離L1、および、第2最小距離L2の少なくとも1つは、2.0mm以下である。好ましくは、第1最小距離L1、および、第2最小距離L2の少なくとも1つは、第1方向Xにおける突起82の最大幅L3の半分以下である。
【0086】
突起82の最大突出量Hは、第1操作部材54aの第1最大突出量H1、第2操作部材54bの第2最大突出量H2、および、第3操作部材54cの第3最大突出量H3、のそれぞれよりも大きい。突起82の最大突出量Hは、ベース部52の表面52aからの突出量である。本実施形態では、ベース部52の表面52aからの突出量は、平面部66の外表面からの突出量である。第1最大突出量H1は、第1操作部材54aが操作されていない状態におけるベース部52の表面52aからの突出量である。第2最大突出量H2は、第2操作部材54bが操作されていない状態におけるベース部52の表面52aからの突出量である。第3最大突出量H3は、第3操作部材54cが操作されていない状態におけるベース部52の表面52aからの突出量である。好ましくは、最大突出量Hは、第1最大突出量H1、第2最大突出量H2、および、第3最大突出量H3の少なくとも1つの3倍以下である。
【0087】
操作装置50の内部構成は、
図6~
図9を参照し説明される。操作装置50は、電子基板112と、遮光部材114とを備える。操作装置50は、さらに操作伝達部116を備える。操作装置50は、さらに支持部材118とを備える。電子基板112は、収容空間110に配置される。電子基板112には、発光部材120と、電気スイッチ122の少なくとも一部とが設けられる。電子基板112には、制御装置124とが設けられる。
【0088】
発光部材120は、例えば、発光ダイオードである。発光部材120は、第1発光部材120a、および、第2発光部材120bを含む。第1発光部材120aは、第1透光部64aに向けて光を出射する。第1発光部材120aは、例えば、電動ドライブユニット12(
図1参照)における制御状態に応じた色の光を出射する。制御状態は、例えば、アシストモードであってもよく、アシストレベルであってもよい。第2発光部材120bは、第2透光部64bに向けて光を出射する。第2透光部64b材は、例えば、操作装置50の電池の残量に応じた色の光を出射する。
【0089】
電気スイッチ122の少なくとも一部は、少なくとも1つの操作部材54によって操作される。電気スイッチ122は、第1電気スイッチ122aの少なくとも一部と、第2電気スイッチ122bの少なくとも一部と、第3電気スイッチ122cの少なくとも一部とを含む。電気スイッチ122は、第4電気スイッチ122dと、第5電気スイッチ122eとを含む。第1電気スイッチ122aは、第1操作部材54aによって操作される。第1電気スイッチ122aは、ライダによる第1操作部材54aの操作に応じて第1信号を制御装置124に出力する。第1電気スイッチ122aは、例えば、メンブレンスイッチである。第1電気スイッチ122aは、タクトスイッチなどであってもよい。
【0090】
第2電気スイッチ122bは、第2操作部材54bによって操作される。第2電気スイッチ122bは、ライダによる第2操作部材54bの操作に応じて第2信号を制御装置124に出力する。第2電気スイッチ122bは、例えば、メンブレンスイッチである。第2電気スイッチ122bは、タクトスイッチなどであってもよい。
【0091】
第3電気スイッチ122cは、第3操作部材54cによって操作される。第3電気スイッチ122cは、ライダによる第3操作部材54cの操作に応じて第3信号を制御装置124に出力する。第3電気スイッチ122cは、例えば、タクトスイッチである。第3電気スイッチ122cは、メンブレンスイッチなどであってもよい。
【0092】
第4電気スイッチ122dは、第4操作部材54dによって操作される。第4電気スイッチ122dは、ライダによる第4操作部材54dの操作に応じて第4信号を制御装置124に出力する。第4電気スイッチ122dは、例えば、タクトスイッチである。第4電気スイッチ122dは、メンブレンスイッチなどであってもよい。
【0093】
第5電気スイッチ122eは、第5操作部材54eによって操作される。第5電気スイッチ122eは、ライダによる第5電気スイッチ122eの操作に応じて第5信号を制御装置124に出力する。第5電気スイッチ122eは、例えば、タクトスイッチである。第5電気スイッチ122eは、メンブレンスイッチなどであってもよい。
【0094】
制御装置124は、第1電気スイッチ122aから出力される第1信号に基づいて、第1制御信号を生成する。第1制御信号は、電動ドライブユニット12(
図1参照)におけるアシストレベルを低下させる信号である。制御装置124は、第2電気スイッチ122bから出力される第2信号に基づいて、第2制御信号を生成する。第2制御信号は、電動ドライブユニット12におけるアシストレベルを増加させる信号である。制御装置124は、第3電気スイッチ122cから出力される第3信号に基づいて、第3制御信号を出力する。第3制御信号は、ディスプレイの表示を変更する信号である。制御装置124は、第4電気スイッチ122dから出力される第4信号に基づいて、第4制御信号を生成する。第4制御信号は、人力駆動車10に設けられる照明灯を「ON」、または「OFF」に切り替える信号である。
【0095】
制御装置124は、第1制御信号、および、第2制御信号を、電気ケーブル76を介して電動ドライブユニット12に出力する。制御装置124は、第3制御信号を、電気ケーブル76を介してディスプレイに出力する。制御装置124は、第4制御信号を、電気ケーブル76を介して照明灯に出力する。制御装置124は、第4制御信号を、電気ケーブル76を介して電動ドライブユニット12に出力し、電動ドライブユニット12が照明灯を制御してもよい。第1制御信号、第2制御信号、第3制御信号、および、第4制御信号は、例えば、電力線通信(PLC)よって伝送されてもよく、CANによって伝送されてもよい。
【0096】
第1制御信号、第2制御信号、第3制御信号、および、第4制御信号の少なくとも1つは、無線通信装置によって伝達されてもよい。例えば、第1制御信号および第2制御信号は、無線通信装置によって電動ドライブユニット12に伝達されてもよい。例えば、第3制御信号は、無線通信装置によってディスプレイに伝達されてもよい。例えば、第4制御信号は、無線通信装置によって照明灯または電動ドライブユニット12に伝達されてもよい。無線通信装置は、例えば、近距離無線通信ユニットを含む。近距離無線通信ユニットは、例えば、Bluetooth(登録商標)およびANT+などの無線通信規格に基づいて無線通信するように構成されてもよく、独自の通信方式に基づいて無線通信するように構成れてもよい。
【0097】
遮光部材114は、電子基板112よりも第1ハウジング部56a側に設けられる。遮光部材114は、収容空間110に配置される。遮光部材114は、第1貫通孔80a、第2貫通孔80b、および、第3貫通孔80cと、発光部材120との間に設けられる。遮光部材114は、有色の部材によって構成される。例えば、遮光部材114は、黒色の合成樹脂によって構成れる。遮光部材114を構成する合成樹脂は、例えば、ポリカーボネートを含む。遮光部材114は、溶着部130を有する。遮光部材114は、第1凹部132と、第2凹部134と、導光部136とを含む。
【0098】
溶着部130は、第1貫通孔80a、第2貫通孔80b、および、第3貫通孔80cを囲むように形成される。溶着部130は、ハウジング56に溶着される。溶着部130は、例えば、レーザによってハウジング56に溶着される。溶着部130は、第1貫通孔80a、第2貫通孔80b、および、第3貫通孔80cを囲むようにハウジング56に溶着される。第1凹部132は、溶着部130によって囲まれる領域の内側に設けられる。第1凹部132は、溶着部130よりも電子基板112側に窪むように形成される。
【0099】
第2凹部134は、第1凹部132の底部132aに形成される。第2凹部134は、第1凹部132の底部132aよりも電子基板112側に窪むように形成される。第2凹部134には、操作伝達部116が設けられる。第2凹部134には、第6貫通孔134a、第7貫通孔134b、および、第8貫通孔134cが形成される。第6貫通孔134a、および、第7貫通孔134bは、第1方向Xに沿って並んで形成される。第8貫通孔134cは、第6貫通孔134a、および、第7貫通孔134bよりも右側に形成される。
【0100】
導光部136は、溶着部130によって囲まれる領域の外側に設けられる。導光部136は、発光部材120から出射された光を少なくとも1つの透光部64に透過させる。導光部136は、遮光部材114と一体に形成される。導光部136は、第1導光部136aと、第2導光部136bとを含む。第1導光部136aには、第9貫通孔136cが形成される。第9貫通孔136cは、第1透光部64aと、第1発光部材120aとの間に設けられる。第9貫通孔136cは、第1発光部材120aから出射された光を第1透光部64aに導くように形成される。
【0101】
第2導光部136bには、第10貫通孔136dが形成される。第10貫通孔136dは、第2透光部64bと、第2発光部材120bとの間に設けられる。第10貫通孔136dは、第2発光部材120bから出射された光を第2透光部64bに導くように形成される。
【0102】
操作伝達部116は、遮光部材114に設けられる。操作伝達部116は、少なくとも1つの操作部材54と電気スイッチ122の少なくとも一部との間に配置される。操作伝達部116は、第1操作伝達部116aと、第2操作伝達部116bと、第3操作伝達部116cとを含む。操作伝達部116は、接続部116dを含む。第1操作伝達部116a、第2操作伝達部116b、および第3操作伝達部116cは、弾性部材によって形成される。接続部116dは、第1操作伝達部116aと、第2操作伝達部116bと、第3操作伝達部116cとを接続する。接続部116dは、第2凹部134に嵌め込まれる。
【0103】
第1操作伝達部116aは、第1操作部材54aと、第1電気スイッチ122aの少なくとも一部との間に配置される。第1操作伝達部116aは、第1操作部材54aの突出部54fと、第1電気スイッチ122aとの間に設けられる。第1操作部材54aがライダによって電子基板112側に押された場合、第1操作部材54aは、第1電気スイッチ122a側に向けて変形し、第1電気スイッチ122aを作動させる。ライダによる第1操作部材54aの操作が解除されると、第1操作部材54aは、非操作状態に戻る。
【0104】
第2操作伝達部116bは、第2操作部材54bと、第2電気スイッチ122bの少なくとも一部との間に設けられる。第2操作伝達部116bは、第2操作部材54bの突出部54gと、第2電気スイッチ122bとの間に設けられる。第2操作部材54bがライダによって電子基板112側に押された場合、第2操作部材54bは、第2電気スイッチ122b側に向けて変形し、第2電気スイッチ122bを作動させる。ライダによる第2操作部材54bの操作が解除されると、第2操作部材54bは、非操作状態に戻る。
【0105】
第3操作伝達部116cは、第3操作部材54cと、第3電気スイッチ122cの少なくとも一部との間に設けられる。第3操作伝達部116cは、第3操作部材54cの突出部54hと、第3電気スイッチ122cとの間に設けられる。第3操作部材54cがライダによって電子基板112側に押された場合、第3操作部材54cは、第3電気スイッチ122c側に向けて変形し、第3電気スイッチ122cを作動させる。ライダによる第3操作部材54cの操作が解除されると、第3操作部材54cは、非操作状態に戻る。
【0106】
第1操作伝達部116a、第2操作伝達部116b、および、第3操作伝達部116cの少なくとも1つは、接続部116dとは別に設けられてもよい。操作伝達部116は、接続部116dが設けられなくてもよい。第1操作伝達部116a、第2操作伝達部116b、および、第3操作伝達部116cは、別の部材として設けられてもよい。
【0107】
支持部材118は、遮光部材114と、第1ハウジング部56aとの間に設けられる。支持部材118は、遮光部材114の第1凹部132に設けられる。支持部材118は、第1操作部材54a、第2操作部材54b、および、第3操作部材54cを支持する。第1操作部材54aの周端の少なくとも一部は、支持部材118と、第1ハウジング部56aとによって挟持される。第2操作部材54bの周端の少なくとも一部は、支持部材118と、第1ハウジング部56aとによって挟持される。第3操作部材54cの周端の少なくとも一部は、支持部材118と、第1ハウジング部56aとによって挟持される。支持部材118には、第11貫通孔118a、第12貫通孔118b、および、第13貫通孔113cが形成される。
【0108】
第11貫通孔118aは、第1操作部材54aと第1操作伝達部116aとの間に設けられる。第11貫通孔118aには、第1操作部材54aの突出部54fの一部、および、第1操作伝達部116aの一部が挿入される。第12貫通孔118bは、第2操作部材54bと第2操作伝達部116bとの間に設けられる。第12貫通孔118bには、第2操作部材54bの突出部54gの一部、および、第2操作伝達部116bの一部が挿入される。
【0109】
第13貫通孔113cは、第3操作部材54cと第3操作伝達部116cとの間に設けられる。第13貫通孔113cには、第3操作部材54cの突出部54hの一部、および、第3操作伝達部116cの一部が挿入される。
【0110】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態の操作装置150は、第1実施形態の操作装置50とは、操作装置150の内部構成が異なる。第2実施形態の操作装置150は、第1実施形態の操作装置50とは異なる部分についてのみ
図10を参照し説明される。第2実施形態の操作装置150の導光部152は、導光部材154を有する。
【0111】
導光部材154は、溶着部130によって囲まれる領域の外側に配置される。導光部材154は、遮光部材156と一体に形成される。導光部材154は、例えば、透明の合成樹脂によって構成される。導光部材154を構成する合成樹脂は、例えば、ポリカーボネートを含む。導光部材154は、発光部材120から出射された光を少なくとも1つの透光部64に透過させる。導光部材154は、第1導光部材154aと、第2導光部材154bとを含む。
【0112】
第1導光部材154aは、第1導光部152aに設けられる。第1導光部材154aは、第1導光部152aの第9貫通孔152cに嵌め込まれる。第1導光部材154aは、第1発光部材120aから出射された光の拡散を抑制する。第1導光部材154aは、第1発光部材120aから出射された光を第1透光部64aに導く。
【0113】
第2導光部材154bは、第2導光部152bに設けられる。第2導光部材154bは、第2導光部152bの第10貫通孔152dに嵌め込まれる。第2導光部材154bは、第2発光部材120bから出射された光の拡散を抑制する。第2導光部材154bは、第2発光部材120bから出射された光を第2透光部64bに導く。
【0114】
<変形例>
操作装置50、150は、無線通信装置を介して外部装置と無線通信してもよい。外部装置は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、または、スマートフォンなどを含む。外部装置は、操作装置50から受信する信号に基づいて、例えば、操作装置50による操作対象の状態を表示する。例えば、外部装置は、電動ドライブユニット12におけるアシストレベルを表示する。操作装置50、150は、ディスプレイと一体に設けられてもよい。
【0115】
操作装置50、150は、ハンドルバー14Hのうち、ライダが右手によって握る部分に近接して、ハンドルバー14Hに取り付けられてもよい。操作装置50、150が、ハンドルバー14Hのうち、ライダが右手によって握る部分に近接して、ハンドルバー14Hに取り付けられる場合、操作装置50、150は、
図2に示される状態から、ハウジング56の中央をとおり、かつ第1方向Xおよび第2方向Yに垂直な軸線まわりに180度回転した状態において、ハンドルバー14Hに取り付けられる。
【0116】
操作装置50、150において、第1操作部材54a、第2操作部材54b、第3操作部材54c、第4操作部材54d、および、第5操作部材54eの少なくとも1つは、タッチパネルであってもよい。操作装置50、150において、第4操作部材54d、および、第5操作部材54eは、省略されてもよい。操作装置50、150において、突起82と、第1操作部材54a、第2操作部材54b、および、第3操作部材54cの1つまたは2つと、第1透光部64a、および、第2透光部64bの1つが省略されてもよい。
【0117】
操作装置50、150において、操作伝達部116は、電気スイッチ122の一部を構成してもよい。例えば、第1操作伝達部116aの先端に導電性部材が設けられる。第1操作部材54aがライダによって押された場合、第1操作伝達部116aの先端に設けられた導電性部材が、電子基板112に形成される接点と接触することによって、導電性部材と接点とが電気的に接続される。本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。実施形態、および変形例のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で実施することが可能である。
【符号の説明】
【0118】
10…人力駆動車、12…電動ドライブユニット、50…操作装置、52…ベース部、52a…表面、54…操作部材、54a…第1操作部材、54b…第2操作部材、54c…第3操作部材、56…ハウジング、64…透光部、80a…第1貫通孔、80b…第2貫通孔、80c…第3貫通孔、82…突起、82a…基端、82b…遊端、100…第1端部、100a…第1傾斜面、102…第2端部、102a…第2傾斜面、112…電子基板、114…遮光部材、116…操作伝達部、116a…第1操作伝達部、116b…第2操作伝達部、116c…第3操作伝達部、118…支持部材、122…電気スイッチ、122a…第1電気スイッチ、122b…第2電気スイッチ、122c…第3電気スイッチ、130…溶着部、136…導光部、150…操作装置、152…導光部、154…導光部材、θ1…第1傾斜面の傾斜角度、θ2…第2傾斜面の傾斜角度、H…突起の最大突出量、H1…第1操作部材の第1最大突出量、H2…第2操作部材の第2最大突出量、H3…第3操作部材の第3最大突出量、L1…第1最小距離、L2…第2最小距離、L3…最大幅、W1…遊端の幅、W2…基端の幅