(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006406
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】回線制御装置及び無線通信システム
(51)【国際特許分類】
G10L 19/012 20130101AFI20230111BHJP
G10L 25/84 20130101ALI20230111BHJP
【FI】
G10L19/012
G10L25/84
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021108989
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001122
【氏名又は名称】株式会社日立国際電気
(74)【代理人】
【識別番号】100093104
【弁理士】
【氏名又は名称】船津 暢宏
(72)【発明者】
【氏名】中村 崇司
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 典央
(57)【要約】
【課題】 音声信号の無音状態が特定期間連続しても異音の発生を防止できる回線制御装置及び無線通信システムを提供する。
【解決手段】 第1の回線制御装置において、無音値検出部15a,15bが連続無音値信号を検出し、その部分に加算部20a,20bが疑似ノイズ計算部17a,17bで再計算された疑似ノイズ符号を加算して連続疑似ノイズ符号を生成し、それを第2の変換部18a,18bでデジタル音声信号に変換した連続疑似ノイズ信号を選択部19a,19bが連続無音値信号の代わりに音声符号化部14に入力する回線制御装置及び無線通信システムである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アナログ音声信号を音声符号化して基地局に送信する回線制御装置であって、
前記アナログ信号をデジタル音声信号に変換するA/D変換器と、
前記デジタル音声信号における無音値が特定期間連続する状態を連続無音値信号として検出し、前記連続無音値信号とそれ以外のデジタル音声信号に分別する無音値検出部と、
前記連続無音値信号に疑似ノイズの符号を加算する疑似ノイズ加算部と、
前記疑似ノイズの符号が加算されたデジタル音声信号又は前記連続無音値信号以外のデジタル音声信号を選択する選択部と、
前記選択部からのデジタル音声信号を前記基地局用に音声符号化する音声符号化部と、を有することを特徴とする回線制御装置。
【請求項2】
複数の基地局に対応して音声符号化部を複数有することを特徴とする請求項1記載の回線制御装置。
【請求項3】
複数の基地局に対応して、前記基地局毎に、無音値検出部と、疑似ノイズ加算部と、選択部と、音声符号化部とを備え、
前記疑似ノイズ加算部が、基準フレーム信号に基づいて疑似ノイズの符号を再計算することを特徴とする請求項1記載の回線制御装置。
【請求項4】
A/D変換部が、アナログ音声信号をμLAWのデジタル音声信号に変換するものであり、
前記μLAWのデジタル音声信号をリニア信号に変換する第1の変換部と、
前記リニア信号を前記μLAWのデジタル音声信号に変換する第2の変換部と、を備え、
疑似ノイズ加算部が、前記第1の変換部で変換されたリニア信号に疑似ノイズの符号を加算し、前記第2の変換部に出力することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の回線制御装置。
【請求項5】
無線通信システムであって、
請求項1乃至4のいずれか記載の回線制御装置と、
前記回線制御装置に接続する基地局と、
前記基地局に無線接続する移動局と、を有することを特徴とする無線通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声信号を複数の基地局を介して移動局に送信する回線制御装置に係り、特に、移動局での異音の発生を防止できる回線制御装置及び無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
[従来の技術]
従来の無線通信システムにおける回線制御装置(LCU:Line Control Unit)では、アナログ音声信号をデジタル音声信号に変換した場合に、無音値が特定期間連続すると、ザラついた音声、つまり異音が発生することがある。
【0003】
[従来の無線通信システム:
図4]
従来の無線通信システムについて
図4を参照しながら説明する。
図4は、従来の無線通信システムの概略構成図である。
従来の無線通信システムは、
図4に示すように、回線制御装置10と、基地局2a,2b(まとめて「基地局2」と記載することがある)と、移動局3とを基本的に有している。
基地局2の数は、2つとは限らず、それ以上であってもよい。
また、移動局3も本来複数存在するものである。
【0004】
回線制御装置10は、入力されるアナログ音声信号をアナログからデジタルに変換(A/D変換)するA/D変換部11と、基準クロック(CLK)を発生させる基準CLK発生部12と、基準CLKを基に基準フレーム信号(FRM信号)を生成する基準FRM生成部13と、各基地局用にインタフェース部10a,10bとを備えている。
【0005】
A/D変換部11は、入力されるアナログ音声信号をμLAWのデジタル音声信号に変換し、各インタフェース部10a,10bに出力する。
基準CLK発生部12は、OCXO(Oven Controlled Crystal Oscillator:恒温槽付水晶発振器)等の発振器を用いて基準クロックを生成する。
基準FRM生成部13は、一定の周期(例えば40msの周期)で基準フレーム信号を各インタフェース部10a,10bに出力する。
【0006】
インタフェース部10a,10bは、基準フレーム信号に従って動作し、内部に音声符号化部14a,14b(まとめて「音声符号化部14」と記載することがある)を備えている。
音声符号化部14a,14bは、音声コーデックを行い、基地局2a,2bに出力する。
【0007】
ここで、μLAW(μ-Law)形式とは、ITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication Standardization Sector)で規格化されている音声符号化における圧縮方式の1つであり、このμ-Law方式では、14bitのリニアPCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)データを8ビットに圧縮する。
【0008】
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特許第6494918号公報「無線通信システム」(特許文献1)がある。
特許文献1には、複数の基地局からの同時送信において同一運用波送信による干渉を抑制するデジタル無線システムが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、従来の無線通信システムでは、回線制御装置においてデジタル音声信号で無音値の信号が特定期間連続すると異音(ザラついた音声)が発生することがあり、音声品質が低下するという問題点があった。
【0011】
具体的には、A/D変換部11でμLAWのデジタル音声信号に変換した場合に、無音値(μLAW符号における「FF」)の信号が40ms連続で音声符号化部14に入力されると、音声コーデックされた信号が基地局2を介して移動局3で再生される際に、異音が発生していた。
【0012】
尚、特許文献1には、特定期間連続で無音値の信号が音声符号化部に入力されないようにする構成は記載されていない。
【0013】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、音声信号の無音状態が特定期間連続しても異音の発生を防止できる回線制御装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、アナログ音声信号を音声符号化して基地局に送信する回線制御装置であって、アナログ信号をデジタル音声信号に変換するA/D変換器と、デジタル音声信号における無音値が特定期間連続する状態を連続無音値信号として検出し、連続無音値信号とそれ以外のデジタル音声信号に分別する無音値検出部と、連続無音値信号に疑似ノイズの符号を加算する疑似ノイズ加算部と、疑似ノイズの符号が加算されたデジタル音声信号又は連続無音値信号以外のデジタル音声信号を選択する選択部と、選択部からのデジタル音声信号を基地局用に音声符号化する音声符号化部と、を有することを特徴とする。
【0015】
本発明は、上記回線制御装置において、複数の基地局に対応して音声符号化部を複数有することを特徴とする。
【0016】
本発明は、上記回線制御装置において、複数の基地局に対応して、基地局毎に、無音値検出部と、疑似ノイズ加算部と、選択部と、音声符号化部とを備え、疑似ノイズ加算部が、基準フレーム信号に基づいて疑似ノイズの符号を再計算することを特徴とする。
【0017】
本発明は、上記回線制御装置において、A/D変換部が、アナログ音声信号をμLAWのデジタル音声信号に変換するものであり、μLAWのデジタル音声信号をリニア信号に変換する第1の変換部と、リニア信号をμLAWのデジタル音声信号に変換する第2の変換部と、を備え、疑似ノイズ加算部が、第1の変換部で変換されたリニア信号に疑似ノイズの符号を加算し、第2の変換部に出力することを特徴とする。
【0018】
本発明は、無線通信システムであって、上記の回線制御装置と、回線制御装置に接続する基地局と、基地局に無線接続する移動局と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、アナログ音声信号を音声符号化して基地局に送信する回線制御装置であって、A/D変換器が、アナログ信号をデジタル音声信号に変換し、無音値検出部が、デジタル音声信号における無音値が特定期間連続する状態を連続無音値信号として検出し、連続無音値信号とそれ以外のデジタル音声信号に分別し、疑似ノイズ加算部が、連続無音値信号に疑似ノイズの符号を加算し、選択部が、疑似ノイズの符号が加算されたデジタル音声信号又は連続無音値信号以外のデジタル音声信号を選択し、音声符号化部が、選択部からのデジタル音声信号を基地局用に音声符号化するものとしているので、無音値が特定期間連続することで発生していた異音を抑えることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図2】第1の回線制御装置における処理を示すフロー図である。
【
図4】従来の無線通信システムの概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る回線制御装置(本回線制御装置)は、アナログ信号をデジタル音声信号に変換するA/D変換器と、デジタル音声信号における無音値が特定期間連続する状態を連続無音値信号として検出し、連続無音値信号とそれ以外のデジタル音声信号に分別する無音値検出部と、連続無音値信号に疑似ノイズの符号を加算する疑似ノイズ加算部と、疑似ノイズの符号が加算されたデジタル音声信号又は連続無音値信号以外のデジタル音声信号を選択する選択部と、選択部からのデジタル音声信号を基地局用に音声符号化する音声符号化部と、を有するものであり、無音値が特定期間連続することで発生していた異音を抑えることができる。
【0022】
また、本発明の実施の形態に係る無線通信システム(本システム)は、上記回線制御装置を有するものであり、移動局での異音の発生を防止できるものである。
尚、本システムは、列車無線のシステム等の移動体通信に適用できるものである。
【0023】
[第1のシステム:
図1]
まず、本回線制御装置における第1の実施形態に係る回線制御装置(第1の回線制御装置)を用いた無線通信システム(第1のシステム)について
図1を参照しながら説明する。
図1は、第1のシステムの概略構成図である。
第1のシステムは、
図1に示すように、回線制御装置(LCU)1と、基地局2a,2b(まとめて「基地局2」と記載することがある)と、移動局3とを基本的に有している。
基地局2の数は、2つとは限らず、それ以上であってもよい。
また、移動局3も本来複数存在するものである。
【0024】
回線制御装置1は、入力されるアナログ音声信号をアナログからデジタルに変換(A/D変換)するA/D変換部11と、基準クロック(CLK)を発生させる基準CLK発生部12と、基準CLKを基に基準フレーム信号(FRM信号)を生成する基準FRM生成部13と、各基地局用にインタフェース部1a,1bとを備えている。
【0025】
A/D変換部11は、入力されるアナログ音声信号をμLAWのデジタル音声信号に変換し、各インタフェース部1a,1b(基地局IF1,基地局IF2)に出力する。
基準CLK発生部12は、OCXO等の発振器を用いて基準クロックを生成する。
基準FRM生成部13は、一定の周期で基準フレーム信号を各インタフェース部1a,1bに出力する。
【0026】
インタフェース部1a,1bは、基準フレーム信号に従って動作し、内部に、無音値検出部15a,15b(まとめて「無音値検出部15」と記載することがある)と、第1の変換部16a,16b(まとめて「第1の変換部16」と記載することがある)と、疑似ノイズ計算部17a,17b(まとめて「疑似ノイズ計算部17」と記載することがある)と、加算部20a,20b(まとめて「加算部20」と記載することがある)と、第2の変換部18a,18b(まとめて「第2の変換部18」と記載することがある)と、選択部19a,19b(まとめて「選択部19」と記載することがある)と、音声符号化部14a,14b(まとめて「音声符号化部14」と記載することがある)を備えている。
【0027】
尚、疑似ノイズ計算部17a,17bと、加算部20a,20bとを合わせて、「疑似ノイズ加算部」と記載することがある。請求項では、「疑似ノイズ加算部」と表現している。
【0028】
無音値検出部15は、特定期間、例えば40ms連続して無音値信号(μLAWのデジタル音声信号では「FF」符号)を検出(判定)する。
そして、無音値検出部15は、40ms連続で符号「FF」を検出すると、その40ms分の無音値信号(連続無音値信号)を第1の変換部16に出力し、検出しなければ選択部19に連続無音値信号以外のデジタル音声信号を出力する。
第1の変換部16は、μLAWのデジタル音声信号(連続無音値信号)をリニア信号(リニア符号)に変換し、加算部20a,20bに出力する。
【0029】
疑似ノイズ計算部17は、基準FRM生成部からの一定の周期毎の基準フレーム信号でリセットし、疑似ノイズ符号、例えばPN(Pseudo Noise:疑似ランダム)9符号の再計算を行う。PN9符号は、9段のビットシフト回路で発生した疑似ランダムパターンの符号のことで、2の9乗の長さのパターンとなり、511ビットの規則性のあるランダム信号である。
【0030】
ここで、疑似ノイズ計算部17が、基準フレーム信号でリセットされ、同一の値の疑似ノイズ符号が生成されるのは、基地局2a,2bから送信される音声信号の同期を図るためである。この同期により、移動局3が受信した音声データに破損が起こることを防止することができる。
【0031】
加算部20は、疑似ノイズ計算部17で再計算された疑似ノイズ符号を第1の変換部16で変換されたリニア符号に加算し、連続疑似ノイズ符号として第2の変換部18に出力する。
第2の変換部18は、疑似ノイズ符号が加算されたリニア符号(連続疑似ノイズ符号)をμLAWのデジタル音声信号(連続疑似ノイズ信号)に変換し、選択部19に出力する。
【0032】
選択部19は、無音値検出部15からの連続無音値信号以外のデジタル音声信号又は第2の変換部18からの疑似ノイズ符号が加算されたデジタル音声信号(連続疑似ノイズ信号)のいずれかを選択して音声符号化部14に出力する。
音声符号化部14は、音声コーデックを行い、基地局2に出力する。
【0033】
[第1の回線制御装置の処理:
図2]
次に、第1の回線制御装置における処理について
図2を参照しながら説明する。
図2は、第1の回線制御装置における処理を示すフロー図である。
図2では、特にインタフェース部1a,1bでの処理を示している。説明を単純にするために、インタフェース部1aでの処理を中心に説明する。
【0034】
図2に示すように、インタフェース部(基地局IF1)1aにμLAWのデジタル音声信号がA/D変換部11から入力されると(S1)、無音値検出部15aは、入力デジタル音声が40ms連続しての「FF」(連続無音値信号)かどうかを判定する(S2)。
【0035】
無音値検出部15aが、40ms連続の「FF」(連続無音値信号)でないと判定する(Noの場合)と、入力されたデジタル音声信号を選択部19aに出力して(S3)、選択部19aが当該デジタル音声信号を選択して音声符号化部14aに出力する(S4)。
【0036】
また、無音値検出部15aが、40ms連続の「FF」(連続無音値信号)であると判定する(Yesの場合)と、入力されたデジタル音声信号を連続無音値信号として第1の変換部16aに出力する(S5)。そして、第1の変換部16aがμLAW符号をリニア符号に変換し、加算部20aに出力する(S6)。
【0037】
加算部20aは、疑似ノイズ計算部17aで基準フレーム信号のタイミングで再計算された疑似ノイズ符号をリニア符号に加算して第2の変換部18aに出力する(S7)。
更に、第2の変換部18aは、加算部20aからの疑似ノイズ符号が加算されたリニア符号(連続疑似ノイズ符号)をμLAW符号に変換し、選択部19aに出力する(S8)。
【0038】
そして、選択部19aは、無音値検出部15aからの連続無音値信号以外のデジタル音声信号を選択して音声符号化部14aに出力すると共に、第2の変換部18aからのμLAW符号のデジタル音声信号(連続疑似ノイズ信号)を選択して音声符号化部14aに出力する(S9)。音声符号化部14aでは、選択部19aからのデジタル音声信号が入力され音声コーデックが行われる(S10)。
【0039】
以上の
図2に示す処理を行うことで、音声符号化部14aには、40ms連続して「FF」の連続無音値信号の代わりに、疑似ノイズ符号が加算された連続疑似ノイズ信号が入力されることになり、連続無音値信号が入力されなくなるため、移動局3で再生された音声信号に異音が発生することを防止できる。
【0040】
[第1のシステムの効果]
第1のシステムによれば、第1の回線制御装置において、無音値検出部15a,15bが連続無音値信号を検出し、その部分に加算部20a,20bが疑似ノイズ計算部17a,17bで再計算された疑似ノイズ符号を加算して連続疑似ノイズ符号を生成し、それを第2の変換部18a,18bでデジタル音声信号に変換した連続疑似ノイズ信号を選択部19a,19bが連続無音値信号の代わりに音声符号化部14に入力するようにしているので、移動局3でザラついた異音が発生することを防止できる効果がある。
【0041】
[第2のシステム:
図3]
次に、本回線制御装置における第2の回線制御装置を用いた無線通信処理(第2のシステム)について
図3を参照しながら説明する。
図3は、第2のシステムの概略構成図である。
第2のシステムは、第1のシステムと同様の効果を達成するものであるから、相違する構成について具体的に説明する。
【0042】
図3に示すように、インタフェース部1a,1bにそれぞれ設けていた無音値検出部15a,15b、第1の変換部16a,16b、疑似ノイズ計算部17a,17b、加算部20a,20b、第2の変換部18a,18b、選択部19a,19bをインタフェース部1a,1bの外に設けるようにし、一つの無音値検出部15、一つの第1の変換部16、一つの疑似ノイズ計算部17、一つの加算部20、一つの第2の変換部18、一つに選択部19とし、選択部19からの出力を分岐して各インタフェース部1a,1bに出力するようにしたものである。
【0043】
第2の回線制御装置では、疑似ノイズ計算部17が一つしかないため、基準フレーム信号に合わせてリセットして擬似ノイズ符号の再計算を行う必要がなく、構成を簡略にできる効果がある。
尚、
図3において一つにした各部は、
図1において各基地局用に設けた各部と同様の構成であり、動作も同様である。
【0044】
[第2のシステムの効果]
第2のシステムによれば、第2の回線制御装置において、無音値検出部15が連続無音値信号を検出し、その部分に加算部20が疑似ノイズ計算部17で算出された疑似ノイズ符号を加算して連続疑似ノイズ符号を生成し、それを第2の変換部18でデジタル音声信号に変換した連続疑似ノイズ信号を選択部19が連続無音値信号の代わりに音声符号化部14に入力するようにしているので、移動局3でザラついた異音が発生することを防止できる効果がある。
【0045】
[実施の形態の効果]
本システムによれば、本回線制御装置が連続無音値信号を検出し、その部分に疑似ノイズ符号を加算して連続疑似ノイズ符号を生成し、それをデジタル音声信号に変換した連続疑似ノイズ信号を連続無音値信号の代わりに音声符号化部14に入力するようにしているので、移動局3でザラついた異音が発生することを防止できる効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、音声信号の無音状態が特定期間連続しても異音の発生を防止できる回線制御装置及び無線通信システムに好適である。
【符号の説明】
【0047】
1,10…回線制御装置(LCU)、 1a,1b,10a,10b…インタフェース部、 2,2a,2b…基地局、 3…移動局、 11…A/D変換部、 12…基準CLK発生部、 13…基準FRM生成部、 15,15a,15b…無音値検出部、 16,16a,16b…第1の変換部、 17,17a,17b…疑似ノイズ計算部、 18,18a,18b…第2の変換部、 19,19a,19b…選択部、 20,20a,20b…加算部