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特開2023-64100拡張可能な組立カテーテルのためのデバイスおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064100
(43)【公開日】2023-05-10
(54)【発明の名称】拡張可能な組立カテーテルのためのデバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230428BHJP
   A61B 5/287 20210101ALI20230428BHJP
   A61B 5/33 20210101ALI20230428BHJP
   A61B 5/343 20210101ALI20230428BHJP
   A61B 5/268 20210101ALI20230428BHJP
【FI】
A61B18/14
A61B5/287 100
A61B5/33 100
A61B5/343
A61B5/268
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022189973
(22)【出願日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】17/489,895
(32)【優先日】2021-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
(72)【発明者】
【氏名】アタナシオス・パパイオアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
【テーマコード(参考)】
4C127
4C160
【Fターム(参考)】
4C127AA02
4C127BB05
4C127HH13
4C127KK03
4C127KK05
4C127LL08
4C127LL22
4C160KK47
(57)【要約】
【課題】カテーテル装置を提供すること。
【解決手段】カテーテル装置は、遠位端部を含む細長い偏向可能要素と、遠位端部に接続されたカプラと、遠位部分を含み、偏向可能要素を通って前進および後退するように構成されたプッシャと、フレキシブルポリマー回路ストリップを含む拡張可能な組立体と、を含み、各ストリップは、その上に配置された電極を含む。ストリップは、プッシャが後退されると半径方向外側に曲がり、拡張可能な組立体を折り畳み形態から拡張形態に拡張させるように構成され得る。外被が、フレキシブルポリマー回路ストリップおよび複数の電極を少なくとも部分的に囲むことができる。外被は、各電極のところに複数の開口を含むことができ、各電極の導電性表面の一部が各開口を通して露出される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテル装置であって、
遠位端部を含む細長い偏向可能要素と、
前記遠位端部に接続されたカプラと、
遠位部分を含み、前記偏向可能要素を通って前進および後退するように構成されたプッシャと、
複数のフレキシブルポリマー回路ストリップを含む拡張可能な組立体と、を含み、前記フレキシブルポリマー回路ストリップの第1の端部は、前記カプラに接続され、前記フレキシブルポリマー回路ストリップの第2の端部は、前記プッシャの前記遠位部分に接続され、前記フレキシブルポリマー回路ストリップは、前記プッシャが後退されると半径方向外側に曲がり、前記拡張可能な組立体を折り畳み形態から拡張形態に拡張させるように構成され、各フレキシブルポリマー回路ストリップは、
その上に配置された複数の電極であって、各電極は導電性表面を画定する、複数の電極と、
前記フレキシブルポリマー回路ストリップおよび前記複数の電極を部分的に囲む外被と、を含み、前記外被は、前記複数の電極のうちの各電極のところに複数の開口を含み、各電極の前記導電性表面の一部が、前記複数の開口のうちの各開口を通して露出されている、カテーテル装置。
【請求項2】
前記外被は、非導電性ポリマー材料を含み、各電極の前記導電性表面は、前記外被の外側表面より約12μm(約12ミクロン)下に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
各電極への入力インピーダンスが1Hzで13,000オーム未満であるように、前記複数の開口のうちの各開口内に配置された導電性ポリマーコーティングをさらに含む、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の円形開口を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の多角形開口を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の多角形開口は、矩形開口を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数の多角形開口は、十角形開口を含む、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の細長いスリットを含み、前記複数の細長いスリットのうちの各細長いスリットは、前記電極の第1の端部付近から前記電極の第2の端部付近まで延びる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
カテーテルのためのフレキシブルポリマー回路ストリップであって、
細長い弾力性支持要素と、
前記細長い弾力性支持要素に接続されたフレキシブルポリマー回路であって、前記フレキシブルポリマー回路は、複数の電極を含み、各電極は、第1の導電性表面積を画定する、フレキシブルポリマー回路と、
前記細長い弾力性支持要素、前記フレキシブルポリマー回路、および前記複数の電極を少なくとも部分的に囲む外被と、を含み、前記外被は、前記複数の電極のうちの各電極上に複数の開口を含み、各電極上の前記開口は、前記第1の導電性表面積の約半分未満の第2の導電性表面積を集合的に画定する、フレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項10】
各電極への入力インピーダンスが1Hzで約13,000オーム未満である状態で、電気信号が前記開口を通して前記外被の下の各電極に送信され得るように、前記開口のそれぞれに配置された導電性ポリマーをさらに含む、請求項9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項11】
前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の円形開口を含む、請求項9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項12】
前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の多角形開口を含む、請求項9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項13】
前記複数の多角形開口は、矩形開口を含む、請求項12に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項14】
前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の細長いスリットを含み、前記複数の細長いスリットのうちの各細長いスリットは、前記電極の第1の端部付近から前記電極の第2の端部付近まで延びる、請求項9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項15】
前記細長い弾力性支持要素は、ニチノールを含む、請求項9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項16】
前記細長い弾力性支持要素は、ポリエーテルイミド(PEI)を含む、請求項9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【請求項17】
フレキシブル電極デバイスであって、
フレキシブルポリマー回路ストリップと、
前記フレキシブルポリマー回路ストリップ上に配置された少なくとも2つの電極と、
前記フレキシブルポリマー回路ストリップおよび前記少なくとも2つの電極を部分的に囲む外被であって、前記外被は、前記少なくとも2つの電極のうちの各電極のところに複数の開口を含む、外被と、
前記電極から測定されるインピーダンスが1Hzで13,000オーム未満となるように、前記複数の開口のそれぞれに配置された導電性ポリマーと、
を含む、フレキシブル電極デバイス。
【請求項18】
前記電極から測定されるインピーダンスは、10Hzで1400オーム未満、50Hzで約300オーム以下、および100Hzで約200オーム以下を含む、請求項17に記載のフレキシブル電極デバイス。
【請求項19】
前記複数の開口は、1列当たり5つの実質的に円形の開口を、2列含む、請求項18に記載のフレキシブル電極デバイス。
【請求項20】
前記複数の開口は、1列当たり7つの実質的に円形の開口を、3列含む、請求項18に記載のフレキシブル電極デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年12月20日に出願された米国特許出願第16/723,971号の一部継続出願であり、その内容および実質の全体が、参照により、以下に完全に記載されているかのように全体として本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔発明の分野〕
本発明は、医療機器に関し、特に、拡張可能な組立カテーテルに関するが、これに限定されるものではない。
【背景技術】
【0003】
幅広い医療処置で、患者の身体内でカテーテルなどのプローブを設置することを伴う。このようなプローブを追跡するために、位置感知システムが開発されてきた。磁気位置感知は、当技術分野で知られている方法の1つである。磁気位置感知では、典型的には、磁場発生器が、患者の外部の既知の位置に配置される。プローブの遠位端部内の磁場センサは、これらの磁場に応答して電気信号を発生させ、この電気信号は、プローブの遠位端部の座標位置を決定するために処理される。これらの方法およびシステムは、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号および同第6,332,089号、PCT国際公開第WO1996/005768号、米国特許出願公開第2002/006455号および同第2003/0120150号および同第2004/0068178号に記載されている。また、インピーダンスベースまたは電流ベースのシステムを使用して位置を追跡することもできる。
【0004】
これらのタイプのプローブまたはカテーテルが非常に有用であることが分かっている1つの医療処置が、心不整脈の治療である。心不整脈、特に心房細動は、特に老年人口では、一般的かつ危険な病気として存続している。
【0005】
心不整脈の診断および治療は、心臓組織、特に心内膜および心容積の電気的特性をマッピングし、エネルギーの適用により心臓組織を選択的にアブレーションすることを含む。このようなアブレーションは、心臓のある部分から別の部分への不要な電気信号の伝搬を停止または変更することができる。アブレーションプロセスは、非伝導性の病変を形成することによって、不要な電気経路を破壊する。様々なエネルギー送達様式が、病変を形成するために開示されており、心臓組織壁に沿って伝導ブロックを形成するためのマイクロ波、レーザ、より一般的には高周波エネルギーの使用を含む。マッピングの後にアブレーションが続く2段階の処置では、心臓内の点における電気活動が、典型的には、1つ以上の電気センサを含むカテーテルを心臓内に進め、多数の点でデータを取得することによって感知され、測定される。これらのデータは次に、アブレーションを行う心内膜の標的エリアを選択するために利用される。
【0006】
電極カテーテルは、長年にわたり医療業務において一般的に使用されてきた。これらは、心臓内の電気活動を刺激しマッピングし、異常な電気活動の部位をアブレーションするために使用される。使用中、電極カテーテルは、主要な静脈または動脈、例えば大腿静脈に挿入され、その後、問題の心臓の腔内にガイドされる。典型的なアブレーション処置は、遠位端部に1つ以上の電極を有するカテーテルを心腔に挿入することを伴う。基準電極が、一般的には患者の皮膚にテープで固定されて、または心臓内もしくはその近くに配置される第2のカテーテルによって、提供され得る。RF(高周波)電流がアブレーションカテーテルの先端部電極に印加され、電流は、それを取り囲む媒体、すなわち血液および組織を通って基準電極に向かって流れる。電流の分布は、組織よりも高い導電率を有する血液と比較して、組織と接触している電極表面の量に依存する。組織の加熱は、その電気抵抗により起こる。組織は十分に加熱され、心臓組織内の細胞破壊を引き起こし、その結果、電気的に非伝導性である心臓組織内部の病変が形成される。
【0007】
Harlevらの米国特許出願公開第2013/0253298号は、独立した関節運動および展開特徴部を有する、心臓の非接触マッピングのための多電極カテーテルを記載している。
【0008】
Wallaceらの米国特許出願公開第2012/0239028号は、一実施形態において、第1の部分と第2の部分とを有する拡張可能な支持部材を含むデバイスを記載している。第1の部分は、第2の部分よりも小さい膨張指数を有するように適合される。治療器具または診断器具が、少なくとも部分的に、拡張可能な支持部材の第1の部分によって支持される。別の実施形態では、支持部材は、第1の部分および第2の部分の不均一な拡張に適合されている。治療デバイスを形成する方法も記載されている。また、治療を受けるように選択された身体内の組織に近接してデバイスを配置することによって、身体内の組織に治療を提供する方法も記載されている。次に、拡張可能な支持部材の第2の部分は、器具が、治療を受けるように選択された身体内の組織に対して治療位置にくるまで拡張される。その後、治療または診断が、デバイスを用いて、選択された組織に対して提供される。
【0009】
Kordisに対する米国特許第5,823,189号は、電極支持構造体が少なくとも2つのスプラインリーフを有し、それぞれのスプラインリーフが中央のウェブによって接続されたスプライン要素の対向する対を含むことを記載している。各ウェブは孔を有し、ピン組立体がこの孔を通って延びて、スプラインリーフのウェブを相互に積み重ねた関係で接合する。スプライン要素は、1つ以上の電極を搭載するために、周方向に離間した関係でピン組立体から放射状に延びる。ハブ部材が、ピン組立体の周りにオーバーモールドされている。
【0010】
Kordisらに対する米国特許第8,644,902号は、心臓の心内膜表面から複数の局所的な電圧を感知する方法を記載しており、心臓の心内膜表面から複数の局所的な電圧を感知するためのシステムを提供することを含み、システムは、内腔、近位端部および遠位端部を有する第1の細長い管状部材と、バスケット組立体と、を含み、バスケット組立体は、複数の露出した電極をガイドするための複数の可撓性スプラインを含み、スプラインは、近位部分、遠位部分およびそれらの間の(therein between)内側部分を有し、電極は、実質的に平坦な電極であり、バスケットの外側の方向に向かって実質的に一方向に配向される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本開示の実施形態に従って、カテーテル装置が提供され、これは、遠位端部を含む細長い偏向可能要素と、遠位端部に接続されたカプラと、遠位部分を含み、偏向可能要素を通って前進および後退するように構成されたプッシャと、プッシャの遠位部分に接続され、内側表面および遠位に向いた開口部を有する遠位レセプタクルを含むノーズコネクタと、複数のフレキシブルポリマー回路ストリップを含む拡張可能な組立体と、を含み、各フレキシブルポリマー回路ストリップは、その上に配置された複数の電極を含み、フレキシブルポリマー回路ストリップは、プッシャの遠位部分の周りに周方向に配置され、ストリップの第1の端部はカプラに接続され、ストリップの第2の端部は、遠位に向いた開口部に入り、かつノーズコネクタの遠位レセプタクルの内側表面に接続される、それぞれのヒンジを含み、ストリップは、プッシャが後退されると半径方向外側に曲がり、拡張可能な組立体を折り畳み形態から拡張形態に拡張させるように構成される。
【0012】
さらに本開示の実施形態によれば、それぞれのヒンジは、折り畳み形態と拡張形態との間で、80度を超える最大角度範囲の動きを提供するように構成される。
【0013】
さらに本開示の実施形態によれば、ヒンジは、10~140μm(10~140ミクロン)の範囲の厚さを有する。
【0014】
さらに、本開示の実施形態によれば、装置は、拡張形態における拡張可能な組立体の形状を提供する、フレキシブルポリマー回路ストリップのそれぞれの所与の長さに沿って接続されたそれぞれの細長い弾力性支持要素を含む。
【0015】
さらに、本開示の実施形態によれば、細長い弾力性支持要素はニチノールを含む。
【0016】
さらに本開示の実施形態によれば、細長い弾力性支持要素は、ポリエーテルイミド(PEI)を含む。
【0017】
さらに本開示の実施形態によれば、それぞれの細長い弾力性支持要素は、カプラからそれぞれのヒンジの前まで、それぞれのストリップに沿って延びる。
【0018】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップは、ポリイミド層を含む。
【0019】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップのヒンジは、1本の糸で支持される。
【0020】
さらに本開示の実施形態によれば、糸は、以下の超高分子量ポリエチレン糸、または液晶ポリマーから紡糸された糸のうちのいずれか1つ以上を含む。
【0021】
さらに本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップは、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップ(PET)で覆われている。
【0022】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップのそれぞれの第2の端部のそれぞれは、フレキシブルポリマー回路ストリップのそれぞれの幅に沿ってテーパ状である。
【0023】
さらに、本開示の実施形態によれば、カプラは内側表面を有し、ストリップの第1の端部は、カプラの内側表面に接続されている。
【0024】
さらに本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップのそれぞれの第1の端部のそれぞれは、電気接続アレイを含む。
【0025】
さらに本開示の実施形態によれば、装置は、ノーズコネクタの遠位レセプタクルに配置された位置センサを含む。
【0026】
さらに、本開示の実施形態によれば、装置は、カプラとプッシャとの間に配置された位置センサを含む。
【0027】
さらに、本開示の実施形態によれば、装置は、ノーズコネクタの遠位に向いた開口部を覆うノーズキャップを含む。
【0028】
さらに、本開示の実施形態によれば、カテーテル装置は、フレキシブルポリマー回路ストリップおよび複数の電極を少なくとも部分的に囲むことができる外被を含む。
【0029】
さらに、本開示の実施形態によれば、外被は、複数の電極のうちの各電極のところに複数の開口を含み、各電極の導電性表面の一部が、複数の開口のうちの各開口を通して露出される。
【0030】
さらに、本開示の実施形態によれば、外被は、非導電性ポリマー材料を含む。
【0031】
さらに、本開示の実施形態によれば、各電極の導電性表面は、外被の外側表面より約12μm(約12ミクロン)下に配置される。
【0032】
さらに、本開示の実施形態によれば、カテーテル装置は、各電極への入力インピーダンスが1Hzで13,000オーム未満であるように、複数の開口のうちの各開口内に配置された導電性ポリマーコーティングを含む。
【0033】
さらに、本開示の実施形態によれば、複数の開口は、複数の電極のうちの各電極のところにある、複数の円形開口、多角形開口(例えば、矩形、三角形、もしくは十角形開口)、または細長いスリットを含む。
【0034】
さらに、本開示の実施形態によれば、細長いスリットは、電極の第1の端部付近から電極の第2の端部付近まで延びている。
【0035】
さらに、本開示の実施形態によれば、開示される技術は、カテーテルのためのフレキシブルポリマー回路ストリップを含む。
【0036】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップは、細長い弾力性支持要素と、細長い弾力性支持要素およびフレキシブルポリマー回路に接続されたフレキシブルポリマー回路と、を含む。
【0037】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路は、複数の電極を含み、各電極は、第1の導電性表面積を画定する。
【0038】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブルポリマー回路ストリップは、細長い弾力性支持要素、フレキシブルポリマー回路、および複数の電極を少なくとも部分的に囲む外被を含む。
【0039】
さらに、本開示の実施形態によれば、外被は、複数の電極のうちの各電極上に複数の開口を含み、各電極上の開口は、第1の導電性表面積の約半分未満の第2の導電性表面積を集合的に画定する。
【0040】
さらに、本開示の実施形態によれば、開示される技術は、カテーテルのためのフレキシブルポリマー回路ストリップを製造する方法を含む。
【0041】
さらに、本開示の実施形態によれば、この方法は、細長い弾力性支持要素と、複数の電極を含むフレキシブルポリマー回路と、糸とを、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップがフレキシブルポリマー回路の複数の電極を覆うように、一緒に熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップの中に配置することを含む。
【0042】
さらに、本開示の実施形態によれば、方法は、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップを加熱して、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップを収縮させて、細長い弾力性支持要素、フレキシブルポリマー回路、および糸を少なくとも部分的に囲むことを含む。
【0043】
さらに、本開示の実施形態によれば、方法は、複数の電極のうちの各電極のところに、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップを貫通する複数の開口を形成することを含む。
【0044】
さらに、本開示の実施形態によれば、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップを貫通する複数の開口を形成するステップは、レーザで熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップを貫通する複数の開口を切断することを含む。
【0045】
さらに、本開示の実施形態によれば、レーザで熱可塑性樹脂シュリンクラップを貫通する複数の開口を形成するステップは、レーザで熱可塑性樹脂シュリンクラップを貫通する複数の円形開口を切断することを含む。
【0046】
さらに、本開示の実施形態によれば、フレキシブル電極デバイスが、フレキシブルポリマー回路ストリップと、フレキシブルポリマー回路ストリップ上に配置された少なくとも2つの電極と、を含むことができる。フレキシブル電極デバイスは、フレキシブルポリマー回路ストリップおよび少なくとも2つの電極を部分的に囲む外被をさらに含むことができる。外被は、少なくとも2つの電極のうちの各電極のところに複数の開口を含むことができる。フレキシブル電極デバイスは、電極から測定されるインピーダンスが1Hzで13,000オーム未満となるように、複数の開口のそれぞれに配置された導電性ポリマーをさらに含むことができる。
【0047】
さらに、本開示の実施形態によれば、電極から測定されるインピーダンスは、10Hzで1400オーム未満、50Hzで約300オーム以下、100Hzで約200オーム以下とすることができる。さらに、複数の開口は、各列に5つの実質的に円形の開口を、2列含むことができる。本開示の別の実施形態では、複数の開口は、各列に7つの実質的に円形の開口を、3列とすることができる。
【0048】
本発明は、図面と併せて理解される、以下の詳細な説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0049】
図1】本発明の実施形態に従って構成され、動作するバスケットカテーテルの概略図である。
図2図1のバスケットカテーテルの拡張可能な組立体のより詳細な図である。
図3図1のバスケットカテーテルの拡張可能な組立体のより詳細な図である。
図4図1のバスケットカテーテルの部分分解組立図である。
図5図1のバスケットカテーテルの、ノーズキャップを取り外した状態のノーズセクションの拡大図である。
図6A】拡張形態にある図1のバスケットカテーテルの拡張可能な組立体の概略図である。
図6B】折り畳み形態にある図1のバスケットカテーテルの拡張可能な組立体の概略図である。
図7図1のバスケットカテーテルに使用するためのフレキシブルポリマー回路ストリップの概略図である。
図8A図7の線A-Aを通る断面図である。
図8B図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8C図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8D図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8E図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8F図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8G図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8H図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8I図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口を示す。
図8J図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された例としての開口パターンに対するインピーダンス値を示す表である。
図9図1のバスケットカテーテルの偏向可能要素の概略図である。
図10図1のバスケットカテーテルの灌注スリーブの概略図である。
図11図1のバスケットカテーテルのプッシャの概略図である。
図12図1のバスケットカテーテルの多軸位置センサの概略図である。
図13A図1のバスケットカテーテルのノーズコネクタの概略図である。
図13B図1のバスケットカテーテルのノーズコネクタの概略図である。
図14図1のバスケットカテーテルのノーズコネクタ保持器の概略図である。
図15A図1のバスケットカテーテルのノーズキャップの概略図である。
図15B図1のバスケットカテーテルのノーズキャップの概略図である。
図16図1のバスケットカテーテルのカプラの概略図である。
図17図1のバスケットカテーテルの単軸位置センサの概略図である。
図18図1のバスケットコンテナの近位保持器リングの概略図である。
図19図1の線A-Aを通る断面図である。
図20図1の線A-Aを通る断面図である。
図21】本発明の実施形態による、図1のバスケットカテーテルのフレキシブルポリマー回路ストリップを形成する方法のフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0050】
〔概説〕
バスケットカテーテル上の調査用電極は、一般に、バスケット組立体のスプラインの長さに沿って分配される。バスケット組立体のスプラインの近位端部は、一般に、カテーテルの挿入チューブに接続され、スプラインの遠位端部は、挿入チューブ内に配置されるプッシャに接続される。プッシャは、バスケット組立体を拡張させ、かつ折り畳むために、それぞれ、後退および前進させることができる。バスケット組立体が折り畳まれると、スプラインは実質的に直線的な構造を有し、スプラインの遠位端部は、プッシャの外側表面に接続され、典型的には、カテーテルのノーズを形成するキャップで覆われている。バスケット組立体が拡張されると、カテーテルのノーズは、拡張した組立体を越えて遠位に突出する。
【0051】
調査手順の間、バスケットの遠位部分が接触する組織領域は、調査目的のため、他の領域よりも関心が高いが、バスケットのノーズが拡張した組立体を越えて突出しているために、バスケット組立体のノーズを囲む遠位部分の一部は、組織と接触することを妨げられ、それによってその遠位部分の一部を調査目的で用いることが妨げられる。
【0052】
より平坦なノーズを有するバスケットカテーテルが提案されているが、一般に、これらのカテーテルは、ノーズが十分に平坦でない、バスケットが十分に折り畳まれない、ならびに/または、展開される際および/もしくは使用中にバスケットが圧縮および/もしくは張力下で機能しなくなるような1つ以上の形でバスケットの構造工学に欠陥がある、といった種々の欠点をこうむる。
【0053】
本発明の実施形態は、電極がノーズの近くに配置され、バスケット組立体が拡張されたときに依然として組織と接触し得るように、実質的に平坦なノーズを有する拡張可能なバスケット組立体を含むカテーテル装置を提供することによって、上記問題を解決する。スプラインの遠位端部は、ヒンジを含み、これは、拡張可能な組立体がその完全な拡張形態およびその完全な折り畳み形態を達成すると共に、カテーテルに加えられる様々な圧縮および引張応力に耐えるのに十分な強度を有することを可能にするために、十分に可撓性であり、十分に大きな曲げの角度範囲を有する。スプラインの遠位端部は、プッシャの端部にあるレセプタクルに収納および接続され、カテーテルの端部は、バスケットが拡張されたときにバスケット組立体と同じ高さになるか、または、拡張したバスケット組立体から最小距離(例えば、約1mmまで)で突き出るだけである。
【0054】
いくつかの実施形態では、カテーテル装置は、細長い偏向可能要素と、偏向可能要素の遠位端部に接続されたカプラと、偏向可能要素を通して前進および後退され得るプッシャと、を含む。この装置はまた、プッシャの遠位部分に接続されたノーズコネクタと、フレキシブルポリマー回路ストリップを含む拡張可能な組立体と、を含む。各フレキシブルポリマー回路ストリップは、その上に配置された複数の電極を含む。フレキシブルポリマー回路ストリップは、プッシャの遠位部分の周りに周方向に配置され、ストリップの第1の端部は、カプラに接続され、ストリップの第2の端部は、ノーズコネクタの遠位レセプタクルの遠位に向いた開口部に入り、かつノーズコネクタの遠位レセプタクルの内側表面に接続された、それぞれのヒンジを含む。ストリップは、プッシャが後退されると半径方向外側に曲がり、拡張可能な組立体を折り畳み形態から拡張形態へと拡張させるように構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、フレキシブルポリマー回路ストリップの第2の端部は、ストリップをレセプタクル内に重ならずに挿入することを容易にするために、それらの幅に沿ってテーパ状である。いくつかの実施形態では、ストリップの第1の端部は、カプラの内側表面に接続されている。
【0056】
装置は、拡張形態における拡張可能な組立体の形状を提供する、フレキシブルポリマー回路ストリップのそれぞれの所与の長さに沿って接続されたそれぞれの細長い弾力性支持要素を含む。それぞれの細長い弾力性支持要素は、カプラからそれぞれのヒンジの前まで、それぞれのストリップに沿って延び、それによって、ヒンジに嵩を追加することなく、必要な場合に十分な弾力性をストリップに提供する。細長い弾力性支持要素は、例えばニチノールおよび/またはポリエーテルイミド(PEI)であるが、これらに限定されない、任意の適切な弾力性材料を含むことができる。
【0057】
フレキシブルポリマー回路ストリップは、ポリイミド層を含み得る。フレキシブルポリマー回路ストリップのヒンジは、例えば、可撓性でストリップに引張支持を与える、1本の糸であるが、これらに限定されない、任意の適切な材料で強化され得る。いくつかの実施形態では、1本の糸は、ヒンジを含む各ストリップの全長を延びる。糸は、任意の適切な糸を含み得る。例えば、糸は、以下の:超高分子量ポリエチレン糸;または液晶ポリマーから紡糸された糸、のうちの1つ以上を含み得る。各フレキシブルポリマー回路ストリップ、その1本の糸、および細長い弾力性支持要素は、適切な接着剤、例えばエポキシで一緒に固定され、次に熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップ(PET)または任意の他の適切な外被で覆われ得る。電極を露出させるために、レーザ、機械的除去、または任意の他の適切な方法を用いてPET外被に窓を作ってもよい。あるいは、収縮の前に、PET外被には、既に窓が存在していてもよい。
【0058】
フレキシブルポリマー回路ストリップは、電極を保護し、入力インピーダンスを低減し、信号対雑音比を高めるのに役立つように、各電極上に、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)またはポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)等の導電性ポリマーコーティングをさらに含むことができる。導電性ポリマーコーティングは、導電性ポリマーコーティングを含む溶液に電極を浸し、その後、電極に電流を流すことによって、各電極に適用することができる。電流が各電極を通過するとき、導電性ポリマーコーティングは電極の表面に付着する。
【0059】
導電性ポリマーコーティングがシース上で擦れたり他の物体に接触したりすることによって損傷する可能性を低減するのを助けるために、開示される技術は、各電極の一部のみを露出させるために、レーザ、機械的除去、または任意の他の適切な方法でPET外被に開口を形成することを含むことができる。言い換えれば、電極の表面全体を露出させるためにPET外被を除去するのではなく、開示される技術は、電極の表面の一部のみを露出させるためにPET外被を貫通する小さな開口を形成するため、PET外被のより小さな部分を除去することを含むことができる。PETを貫通する小さな開口を含むことにより、PETは、導電性ポリマーコーティングがシースまたは他の物体に接触するのを防止することによって、各開口内に配置される導電性ポリマーコーティングに保護を提供することができる。開口は、電極が心臓の電気信号を検出できるのを確実にしながら、導電性ポリマーコーティングがシースまたは他の物体に接触する可能性を低減するのに役立つようにサイズ決めされ、成形され、かつ配置されることができる。導電性ポリマーコーティングへの損傷を減らすことは、電極からのより正確な信号、ならびに/または、患者の心臓および/もしくは脈管構造内へのコーティングの脱落に起因する健康障害のリスクの低さにつながり得る。
【0060】
いくつかの実施形態において、各フレキシブルポリマー回路ストリップは、例えば、細長い弾力性支持要素を絶縁体でコーティングすることによって、または細長い弾力性支持要素および1本の糸を包むシュリンクラップなどの外被を使用することによって、その細長い弾力性支持要素から電気的に絶縁され得る。いくつかの実施形態では、細長い弾力性支持要素は、非導電性であってよい。
【0061】
ヒンジ(糸および外被層を含む)は、例えば10~140μm(10~140ミクロン)の範囲の、任意の適切な厚さを有し得る。
【0062】
カテーテル装置は、1つ以上の位置センサ、例えば、ノーズコネクタの遠位レセプタクルに配置された位置センサ(例えば、多軸センサ)、および/またはカプラとプッシャとの間に配置された位置センサ(例えば、単軸センサ)、を含むことができる。ノーズキャップを使用して、ノーズコネクタの遠位に向いた開口部を覆うことができる。
【0063】
〔システムの説明〕
次に、本発明の実施形態に従って構築され、動作するバスケットカテーテル10の概略図である図1を参照する。バスケットカテーテル10は、遠位端部14を有する細長い偏向可能要素12と、遠位端部14に接続されたカプラ16と、遠位部分20を含むプッシャ18と、を含む。プッシャ18は、例えば、マニピュレータまたはハンドル(図示せず)を用いて、偏向可能要素12を通って前進および後退されるように構成される。バスケットカテーテル10はまた、複数のフレキシブルポリマー回路ストリップ24(簡略化のために一部のみラベル付けされている(labeled))を含む拡張可能な組立体22を含む。各フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、その上に配置された複数の電極26(簡略化のために一部のみラベル付けされている)を含む。様々な要素の構造、およびそれらがどのように互いに接続されるかは、図4図20を参照してより詳細に説明される。
【0064】
次に、図1のバスケットカテーテル10の拡張可能な組立体22のより詳細な図である図2および図3を参照する。図2および図3は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24上の電極26をより明確に示している。図2は、電極26がフレキシブルポリマー回路ストリップ24の近位部分上に配置されていないことを示している。バスケットカテーテル10は、プッシャ18の遠位部分20に接続されたノーズコネクタ30を含む。フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24のヒンジ28(簡略化のために一部のみラベル付けされている)を介してノーズコネクタ30に接続されている。
【0065】
次に、図4図5を参照する。図4は、図1のバスケットカテーテル10の部分分解組立図である。図5は、図1のバスケットカテーテル10の、ノーズキャップ32が取り外された、ノーズセクションの拡大図である。
【0066】
図4は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24がノーズコネクタ30およびカプラ16にどのように接続されるかを説明するために、バスケットカテーテル10から取り外したノーズキャップ32およびカプラ16を示す。ノーズコネクタ30は、プッシャ18の遠位部分20に接続されている。カプラ16の近位端部は、接着剤、例えばエポキシを使用するなど、任意の適切な接続方法を使用して、細長い偏向可能要素12に接続され得る。ノーズコネクタ30は、図14および図19を参照してより詳細に説明される中心電極リング40を用いてプッシャ18の遠位部分20に固定される。フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、プッシャ18の遠位部分20の周りに周方向に配置され、ストリップ24の第1の端部42(簡略化のために一部のみラベル付けされている)は、カプラ16の内側表面44に接続される。フレキシブルポリマー回路ストリップ24と内側表面44との間の接続は、図20を参照するとより明確に示されている。
【0067】
図5は、ノーズコネクタ30が、内側表面36および遠位に向いた開口部38を有する遠位レセプタクル34を含むことを示す。ノーズコネクタ30は、図13A図13Bおよび図19を参照してより詳細に説明される。図5は、ストリップ24の第2の端部46(図5)(簡略化のために一部のみラベル付けされている)が、遠位に向いた開口部38(図5)に入り、かつノーズコネクタ30の遠位レセプタクル34(図5)の内側表面36(図5)に接続される、それぞれのヒンジ28(図5)を含むことを示す。
【0068】
図4は、バスケットカテーテル10が、拡張可能な組立体22の拡張形態における拡張可能な組立体22の形状を提供する、フレキシブルポリマー回路ストリップ24のそれぞれの所与の長さに沿って接続されたそれぞれの細長い弾力性支持要素48も含むことを示している。細長い弾力性支持要素48は、例えば、ニチノールおよび/またはポリエーテルイミド(PEI)であるがこれらに限定されない、任意の適切な材料を含み得る。
【0069】
図4は、それぞれの細長い弾力性支持要素48が、カプラ16からそれぞれのストリップ24の内側表面に沿って延びていることを示し、図5は、細長い弾力性支持要素48が、それぞれのヒンジ28の前まで、それぞれのフレキシブルポリマー回路ストリップ24に沿って延びていることを示す。図5の挿入図50は、ヒンジ28の1つと、そのヒンジ28に隣接するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の1つの一部と、を示している。挿入図50は、細長い弾力性支持要素48がヒンジ28の領域まで延びていないことを図示している。また、ヒンジ領域は、細長い弾力性支持要素48を含む領域よりもはるかに薄いことが分かる。ヒンジ28は、例えば約10~約140μm(約10~約140ミクロン)の範囲の、任意の適切な厚さを有し得る。ストリップ24は、ストリップ24が互いに概ね垂直な構成(挿入図50)を画定するように折り曲げられる。
【0070】
いくつかの実施形態では、フレキシブルポリマー回路ストリップ24はそれぞれ、ポリイミド層を含む。フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、任意の適切な材料で構成され得る。フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、図7および図8を参照してより詳細に説明される。
【0071】
図5はまた、フレキシブルポリマー回路ストリップ24のそれぞれの第2の端部46のそれぞれが、第2の端部46を遠位レセプタクル34に重ならずに挿入できるように、フレキシブルポリマー回路ストリップ24のそれぞれの幅に沿ってテーパ状であることを示す。ヒンジ28は、任意の適切な接着剤、例えばエポキシを使用して、かつ/または任意の適切な接続方法を使用して、遠位レセプタクル34の内側表面36に接続され得る。
【0072】
フレキシブルポリマー回路ストリップ24のヒンジ28は、典型的には各それぞれのフレキシブルポリマー回路ストリップ24の長さを延びる、1本の糸52で支持される。各フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、糸52および関連する細長い弾力性支持要素48と共に、適切な外被54、例えば、図8Aを参照してより詳細に説明する熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップ(PET)で覆われ得る。糸52は、例えば、超高分子量ポリエチレン(SpectraまたはDyneema)、ケブラー、液晶ポリマー(Vectran)などを含む任意の適切な高強度ポリマーとすることができる。
【0073】
次に、それぞれ拡張形態および折り畳み形態にある図1のバスケットカテーテル10の拡張可能な組立体22の概略図である図6Aおよび図6Bを参照する。フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、プッシャ18が後退されると半径方向外側に曲がり、拡張可能な組立体22を折り畳み形態から拡張形態に拡張させるように構成される。拡張可能な組立体22の折り畳み形態は、細長い弾力性支持要素48(図4)を用いてその形状が与えられるフレキシブルポリマー回路ストリップ24の、応力を受けていない形態を表す。
【0074】
いくつかの実施形態では、フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、図7を参照してより詳細に説明するように、平坦なストリップとして形成される。フレキシブルポリマー回路ストリップ24の遠位端部は、ノーズコネクタ30の内側表面36(図5)に接続される。その時点で、平坦なフレキシブルポリマー回路ストリップ24は、ノーズコネクタ30の遠位端部を越えて遠位に延ばされたノーズコネクタ30の軸の延長である、線58と概ね平行である。次いで、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の近位端部はカプラ16に接続され、折り畳み形態では、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の接線56と線58との間の角度は、180度に近く、一方、拡張形態では、接線56と線58との間の角度は約90度になる。したがって、動作時(フレキシブルポリマー回路ストリップ24がノーズコネクタ30およびカプラ16に接続されるとき)、ヒンジ28は、約90度、一般に80度を超える、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の最大角度範囲の動きを提供するように構成される。しかしながら、ヒンジ28は180度以上曲げることが可能である。最大角度範囲は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の接線56と線58との間の最大角度範囲として定義される。フレキシブルポリマー回路ストリップ24の最遠位部分の接線56は、一般に、フレキシブルポリマー回路ストリップ24と線58との間の最大角度範囲を提供する。
【0075】
次に、図1のバスケットカテーテル10で使用するためのフレキシブルポリマー回路ストリップ24の概略図である図7を参照する。フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、ポリイミドなどの、単一片のポリマーから形成され得る。回路ストリップ24は、ポリイミドによって互いに接続されてもよいし、適切に整列して保持されカプラ16に固定される個々の部品として組み立てられてもよい。回路ストリップ24を個々の構成要素として製造することにより、電極が故障すると、ストリップの組立体全体ではなく1つの回路ストリップが廃棄されるので、ベース回路の歩留まりが増加し得る。それぞれのフレキシブルポリマー回路ストリップ24のそれぞれの第1の端部42は、電気接続アレイ60を含む。挿入図62は、電気接続アレイ60がその上に電気接点64(簡略化のために一部のみラベル付けされている)を含むことを示す。電気接点64は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の背面上のトレース(図示せず)を介して、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の前面に配置された電極26のそれぞれに接続される。第1の端部42の領域から離れると、フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、バスケットカテーテル10に接続されたときにフレキシブルポリマー回路ストリップ24が拡張可能な組立体22(図1)を形成できるように、互いに分離されている。ワイヤ(図示せず)が、電気接点64を介して電極26を制御回路(図示せず)に接続し得る。ワイヤは、細長い偏向可能要素12(図4)の内腔66(図4)内に配置され得る。
【0076】
フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、任意の適切な寸法を有し得る。例えば、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の長さは、10mm~60mmの範囲、例えば30mmとすることができ、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の幅は、0.25mm~3mmの範囲、例えば0.72mmであってよく、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の厚さは、0.005mm~0.14mmの範囲であってよい。
【0077】
次に、図7の線A-Aを通る断面図である図8Aを参照する。糸52は、例えばニチノールまたはPEIから形成された、細長い弾力性支持要素48の長さに沿って、そしてそれ以上に延び、糸52は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24から構成されるヒンジ28の長さにも延びる。細長い弾力性支持要素48は、例えば、0.025mm~0.25mmの範囲の、任意の適切な厚さを有することができる。熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップ(PET)などの外被68が、糸52および細長い弾力性支持要素48の上に配置される。エポキシが、外被68の中に注入される。次いで、熱が外被に加えられ、それによって、糸52および細長い弾力性支持要素48の上の外被が収縮する。細長い弾力性支持要素48を外被68で覆う1つの理由は、細長い弾力性支持要素48をフレキシブルポリマー回路ストリップ24の回路トレースから電気的に絶縁することである。外被68は、例えば、細長い弾力性支持要素48が絶縁コーティング(例えば、ポリウレタン)で覆われているか、または絶縁材料で構成されている場合には、省略されてもよい。
【0078】
糸52は、以下の:超高分子量ポリエチレン糸;または液晶ポリマーから紡糸された糸、のうちの任意の1つ以上を含み得る。糸52は、例えば25デニール~250デニールの範囲の、任意の適切な線密度とすることができる。
【0079】
次いで、フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の回路トレース側が細長い弾力性支持要素48に面し、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の電極26が細長い弾力性支持要素48から離れる方を向いた状態で、糸52および細長い弾力性支持要素48の上に置かれる。外被54は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24、糸52、および細長い弾力性支持要素48の組み合わせの周りに配置され、エポキシ70が外被54の中に注入される。次いで、外被54は加熱され、それによって、組み合わせの周りで外被54を収縮させる。したがって、フレキシブルポリマー回路ストリップ24は、外被54、例えば、熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップ(PET)で覆われる。
【0080】
図8Aに示されるように、開口55が、電極26を露出させるために、外被54を貫通して形成され得る。いくつかの実施例では、開口55は、各電極26の外側表面全体を露出させることができ、または開口は、各電極26の外側表面の一部分のみを露出させることができる。開口55は、レーザを用いて外被54を切断するか、または別様に除去して、電極26を露出させることにより、形成され得る。他の実施例では、開口55は、外被54を機械的に除去することによって、外被を化学的にエッチングすることによって、外被をプラズマエッチングすることによって、または外被54を除去して開口55を形成する他の適切な方法によって、形成され得る。外被54は、各電極26の導電性表面が外被54の外側表面より約12μm(約12ミクロン)下に配置されるように、除去され得る。図8B図8Iに関連してより詳細に説明されるように、開口55が各電極26の外側表面の一部のみを露出する場合、開口55は、電極26の導電性表面の50%未満である導電性面積を集合的に画定するいくつかの小さな開口55を含み得る。
【0081】
電極26の一部または全部は、電極26が心臓の電気信号を適切に検出できるのを確実にする助けとなるよう、コーティング27でコーティングされることもできる。コーティング27は、用途に適した任意のタイプのコーティングとすることができる。非限定的な例として、コーティング27は、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ(3,4エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(PEDOT:PSS)、電気化学的に成長した酸化イリジウム、電気化学的に成長した窒化チタン(TiN)、または特定の用途のための任意の他の適切なコーティングとすることができる。コーティング27は、電極26の全体的なインピーダンスを低減させるのに役立ち得る。いくつかの実施例では、コーティング27は、全体的なインピーダンスが低周波数で約99%低減され得るように、電極26の露出した表面に適用することができる。一例として、コーティング27は、各電極26への入力インピーダンスが1Hzで13,000オーム未満となるように、構成され得る。
【0082】
コーティング27は、電極26に電流を流したときに電気化学的に成長されるかまたは電極26に付着されることができる、ヒドロゲルであり得る。他の実施例では、コーティング27は、電極26にコーティング27を噴霧するか、電極26をコーティング27で塗装するか、電極26をコーティング27に浸漬するか、または別様に電極26をコーティング27で覆うことによって、各電極26に機械的に適用することができる。コーティングは、10nm~10μm(10ミクロン)の厚さを有することができる。いくつかの実施例では、コーティングは、外被54が、カプラ16、偏向可能要素12、またはコーティング27を損傷し得る他の物体との接触からコーティング27を保護するのに役立ち得るように、外被54の厚さよりも小さい厚さとすることができる。
【0083】
次に、図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された、例としての開口55を示す図8B図8Iを参照する。電極26の表面を露出させるために外被54を貫通して形成された開口55を形成することによって、電極26の露出した表面は、コーティング27でコーティングされ得る。図8B図8Iに示されるように、開口55は、多くの形状、サイズ、および構成とすることができる。当業者には理解されるように、開口55の形状、サイズ、および構成を変更することによって、電極26の露出表面積の量を増加または減少させて、電極26の導電性表面積を効果的に増加または減少させることができる。さらに、電極26の露出表面積を増加または減少させることによって、開口55に適用され得るコーティング27の量も増加または減少することになる。つまり、開口55のサイズが増大すると、各開口55におけるコーティング27の表面積も増加し、これにより、コーティング27が物体と擦れて剥離する可能性が高くなり得る。したがって、開口55のサイズが減少すると、外被54は、バスケットカテーテル10が使用されるときにコーティング27が物体に接触する可能性を低減するのを助けるために、コーティング27により多くの機械的保護を提供することができる。しかしながら、理解されるように、所与の開口55のサイズが減少すると、電極26の導電性表面積も減少する。したがって、電極26上の開口55のサイズ、形状、および構成は、電極が電気信号を十分に検出することを可能にする一方で、外被54がコーティング27に十分な機械的保護を提供することも確実にするように、最適化され得る。製造可能性は別の考慮事項である。現在、製造中に開口55間の外被54を損傷するのを避けるために、外被54の特徴部は少なくとも76μm(0.003インチ(76ミクロン))であることが好ましい。
【0084】
図8Bは、外被54を貫通する円形開口55Aを有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の例としての電極26を示す。この実施例では、8つの円形開口55Aが外被54を貫通して形成され得、各円形開口55Aは互いから等間隔で配置されている。理解されるように、用途に応じて、より多いかまたはより少ない円形開口55Aが、外被54を貫通して形成され得る。さらに、いくつかの実施例では、円形開口55Aは、互いから不等間隔で配置され得る。コーティング27は、各円形開口55A内の電極26の露出した表面に付着させることができる。
【0085】
他の実施例では、開口55は多角形の形状を含むことができる。例えば、図8Cは、外被54を貫通する矩形開口55Bを有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の電極26を示す。この実施例では、15個の矩形開口55Bが外被54を貫通して形成され得、各矩形開口55Bは互いから等間隔に配置されている。矩形開口55Bは、正方形または他の矩形の形状を含み得る。別の実施例として、図8Dは、外被54を貫通する十角形開口55Cを有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の電極26を示す。この実施例では、15個の十角形開口55Cが外被54を貫通して形成され得、各十角形開口55Cは互いから等間隔で配置されている。さらに別の実施例として、図8Eは、外被54を貫通する三角形開口55Dを有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の電極26を示す。この実施例では、19個の三角形開口55Dが外被54を貫通して形成され得る。三角形開口55Dは、三角形開口55Dの各列間でオフセットされ得、第1の列は4つの三角形開口55Dを含み、一方、第2の列は3つの三角形開口55Dを含む。さらに、一つ置きの列は、前の列に対して反転させることができる。これにより、反転された三角形開口55Dの先端部を、前の列の2つの他の三角形開口55Dの間に、部分的に入れ子にすることができる。コーティング27は、各矩形開口55B、十角形開口55C、三角形開口55Dなどの内部の電極26の露出した表面に付着させることができる。
【0086】
当業者には理解されるように、様々な他の形状およびサイズの開口55が、外被54を貫通して形成されて、電極26の表面を露出させることができる。さらに、様々な形状の開口55が、単一の電極26の上で外被54を貫通して形成され得る。例えば、円形開口55A、十角形開口55C、および三角形開口55Dは、単一の電極26の上に一緒に形成され得る。同様に、1つのサイズの開口55が、異なるサイズの開口55と共に、電極26の上で外被54を貫通して形成され得る。さらに、開口55は、電極26の表面にわたって等間隔に配置されてもよいし、電極26の表面にわたって不等間隔に配置されてもよい。
【0087】
図8Fおよび図8Gは、外被54を貫通して形成された細長いスリット55E、55Fである開口55を有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の例としての電極26を示す。少なくとも4つの細長いスリット55E、55Fは、外被54を貫通して形成されて、電極26の表面を露出させることができるが、用途に応じてより多いかまたはより少ない細長いスリット55E、55Fを形成できることが理解されよう。図8Fに図示された実施例では、細長いスリット55Eは、電極26の一端部付近から電極26の第2の端部付近まで縦方向に延び得る。図8Gに図示された実施例では、細長いスリット55Eは、電極26の一端部付近から電極26の第2の端部付近まで横方向に延びることができる。
【0088】
当業者には理解されるように、外被54を貫通する細長いスリット55E、55Fを形成することによって、電極26のより大きな連続的表面積が露出され得、これは電極26の露出導電性表面積を増加させるのに役立ち得るが、使用中にコーティング27が擦られる可能性も増加させ得る。したがって、細長いスリット55E、55Fの間隔およびサイズは、電極26が十分な量の表面積を露出させることを保証しつつ、コーティング27が十分に保護されることも保証するのを助けるように、変化させることができる。
【0089】
図8Hは、外被54を貫通して形成された細長いスリット55Gである開口55を有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の例としての電極26を示す。図8Fおよび図8Gに図示された細長いスリット55E、55Fとは異なり、細長いスリット55Gは、電極26の長さの一部のみ(例えば、電極26の長さの約1/3未満)を延びる。このようにして、細長いスリット55Gは、コーティング27に対してより大きな機械的保護を提供しながらも、十分な量の電極26が露出することを確実にするように構成され得る。
【0090】
図8Iは、円形開口55Aと細長いスリット55Eとの組み合わせを有するフレキシブルポリマー回路ストリップ24の例としての電極26を示す。この実施例では、細長いスリット55Eは、電極26の露出表面積を増加させるのに役立ち得、一方、円形開口55Aは、電極26の表面積の一部を露出させると共にコーティング27により大きな機械的保護を提供するのに役立つことができる。当業者には理解されるように、例としての開口55A~55Dおよび細長いスリット55E~55Gのいずれかを組み合わせて、十分な量の電極26の露出を確実にすると共に、コーティング27が適切に保護されることも確実にするのを助けることができる。
【0091】
次に、図7のフレキシブルポリマー回路ストリップの外被に形成された開口55の例としてのパターンに対するインピーダンス値を例示する表(表1)である図8Jを参照する。表1は、開口55のいくつかの選択されたパターンについて実験的に得られたインピーダンス値を示しているが、インピーダンス値は、本明細書に記載された開口55のパターンのいずれについても得ることができる。したがって、表1は、限定するものとして解釈されるべきではなく、開口55のいくつかの例としてのパターンのインピーダンス値を例示するために提供される。
【0092】
図8Jに示されるように、6つの異なる開口55パターンおよび2つの対照サンプル(電極26の表面の約100%を覆うコーティング27を有するものと、コーティング27を有しないもの)に対するインピーダンス値(オーム単位)が、1Hz、10Hz、50Hz、および100Hzの周波数で示されている。図示されているように、入力周波数が増加するにつれて、インピーダンスは概して減少している。さらに、インピーダンス値は、露出表面積に反比例している。表1の下に、説明のために6つの異なる開口55パターンのイラストを示す。
【0093】
表1の左から右に向かって、各列に7つの円形開口55Aを、3列有する第1の例としての電極26(実施例1)のインピーダンスデータが示されている。実施例1のインピーダンスは、1Hzで約10,406±920オームから100Hzで約168±28オームまでの範囲とすることができる。実施例2は、同様に、円形開口55Aを有する電極26を示すが、実施例2は、各列に5つの円形開口55Aを、2列含む。示されるように、実施例2のインピーダンスは、1Hzで約12,502±552オームから100Hzで約206±20オームまでの範囲とすることができる。理解されるように、実施例2はコーティング27でコーティングされた電極26の表面積が少ないので、外被54は、電極26のより多くの量の表面積を覆い、より多くの外被54材料が各円形開口55A間に位置し得るので機械的にさらに堅牢であることができる。
【0094】
表1の左から右へ続けて、実施例3は、電極26の一端部付近から電極26の第2の端部付近まで広がる4つの細長いスリット55Eを有する電極26を示す。実施例3のインピーダンスは、1Hzで約7,000±467オームから100Hzで約109±4オームの範囲とすることができる。実施例4は、各細長いスリット55Gが電極26の表面の一部のみを延びる3列の細長いスリット55Gを有する電極26を示す。特に、実施例4は、3つの細長いスリット55Gを3列含む。実施例4のインピーダンスは、1Hzで約10,544±235オームから100Hzで約164±8オームの範囲とすることができる。理解されるように、実施例4の細長いスリット55Gは、電極26の表面の一部のみを延びるので、実施例3と比較すると、コーティング27は、外被54によってより機械的に保護されることができる。
【0095】
表1の実施例5および実施例6は、電極26の約3分の1および3分の2をそれぞれ露出させるようなサイズの開口55を有する電極26を示す。示されるように、実施例5のインピーダンス値は、1Hzで約16,921±4,158オームから100Hzで306±77オームの範囲とすることができ、一方、実施例6のインピーダンス値は、1Hzで約9,951±407オームから100Hzで186±24オームまでの範囲とすることができる。理解されるように、インピーダンスは、実施例6に示されるように、より大きな開口サイズ55を有することによって低減され得るが、外被54がコーティング27に機械的保護を与えにくくなるので、コーティング27は損傷する傾向が高くなり得る。
【0096】
表1の右端の2列には、2つの対照実施例に対するインピーダンス値が参考のために含まれている。まず、コーティング27で表面の約100%がコーティングされた電極26を示す対照が示される。この実施例では、全体的なインピーダンスは、1Hzで約6,629±197オームから100Hzで117±3オームまでの範囲とすることができる。第2の対照実施例では、コーティング27で表面のどこもコーティングされていない電極が示されている。コーティング27を有しない電極26のインピーダンス値は、1Hzで約265,513±9,186オームから100Hzで3,636±182オームまでの範囲とすることができる。これらの2つの対照実施例が示すように、コーティング27は、電極26の全体的なインピーダンスを大幅に減少させるのに役立つことができる。しかしながら、先に説明したように、コーティング27は、バスケットカテーテル10の構成要素または他の物体によってコーティング27が衝撃を受けると、損傷し、最終的に剥離し得る。したがって、外被54を貫通する開口55を形成し、その後、コーティング27で電極26の表面をコーティングすることによって、開示された技術は、全体的なインピーダンスを低減させると共に、コーティング27を損傷する可能性の低減にも役立つことができる。
【0097】
次に、図1のバスケットカテーテル10の細長い偏向可能要素12の概略図である図9を参照する。細長い偏向可能要素12は、任意の適切な材料、例えば、ポリウレタンまたはポリエーテルブロックアミドから製造され得る。細長い偏向可能要素12の遠位端部14は、図20に示すように、その上にカプラ16を受け入れるために、細長い偏向可能要素12の残りの部分よりも小さい外径を有する。細長い偏向可能要素12は、本明細書に記載されるように、様々なチューブおよびワイヤを挿入するための内腔66を含む。細長い偏向可能要素12は、任意の適切な外径および長さを有してよく、例えば、外径は1mm~4mmの範囲であってよく、長さは1cm~15cmの範囲であってよい。
【0098】
次に、図1のバスケットカテーテル10の灌注スリーブ72の概略図である図10を参照する。灌注スリーブ72は、細長い偏向可能要素12(図9)の内腔66(図9)の1つに配置される可撓性チューブである。灌注スリーブ72は、拡張可能な組立体22(図1)の領域へ灌注流体を運ぶために使用され得る。灌注スリーブ72は、図20に示すように、細長い偏向可能要素12の内腔66(典型的には中央内腔)の1つに嵌り、細長い偏向可能要素12の遠位端部14(図9)を越えて延びるようなサイズである。灌注スリーブ72の内径および外径は、3mm~5mmの範囲であってよい。灌注スリーブ72は、例えば、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエーテルブロックアミド、またはポリエチレンテレフタレートであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。
【0099】
次に、図1のバスケットカテーテル10のプッシャ18の概略図である図11を参照する。プッシャ18は、可撓性チューブであり、灌注スリーブ72内に配置される。プッシャ18は、灌注スリーブ72内をスライドし、灌注流体が灌注スリーブ72とプッシャ18との間を通過する空間を確保できるようなサイズである。プッシャ18の内径は、図12を参照して説明される多軸位置センサの配線を収容するようなサイズである。プッシャ18は、図19に示すように、細長い偏向可能要素12(図9)の遠位端部14を越えてノーズコネクタ30まで延びている。プッシャ18は、例えば、編組を含むかもしくは含まないポリイミド、編組を含むかもしくは含まないポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、または編組を含むかもしくは含まないポリアミドであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。
【0100】
次に、図1のバスケットカテーテル10の多軸位置センサ74の概略図である図12を参照する。多軸位置センサ74は、2軸または3軸位置センサ、例えば、直交する複数のコイルを含む磁気位置センサを含み得る。配線76が、プッシャ18(図11)の中空部を介して多軸位置センサ74を、バスケットカテーテル10の近位に配置された位置計算システム(図示せず)に接続するために用いられる。多軸位置センサ74および配線76は、図5および図19に、より詳細に示されている。
【0101】
次に、図1のバスケットカテーテル10のノーズコネクタ30の概略図である図13A図13Bを参照する。ノーズコネクタ30は、例えば、ガラス充填材を含むかもしくは含まないポリカーボネート、ガラス充填材を含むかもしくは含まないPEEK、またはガラス充填材を含むかもしくは含まないPEIであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。ノーズコネクタ30は、近位キャビティ78(図13A)を含み、近位キャビティ内にプッシャ18(図11)が固定され、図19に示すように配線76が近位キャビティを通過する。図13Bはまた、遠位レセプタクル34、内側表面36、および遠位に向いた開口部38を示す。遠位レセプタクル34は、多軸位置センサ74(図12)、および内側表面36に接続されるヒンジ28(図5)を収容する。
【0102】
次に、図1のバスケットカテーテル10の中心電極リング40の概略図である図14を参照する。電極40は、近位キャビティ78の側面のスロットを通過してプッシャ18の中に入るワイヤ(図示せず)に電気的に接続される。中心電極リング40は、例えば、白金、パラジウム、金、またはイリジウムを含む貴金属およびそれらの合金であるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。中心電極リング40は、図19に示すように、ノーズコネクタ30をプッシャ18(図11)に固定するためにノーズコネクタ30の近位キャビティ78(図13A)の周りに機械的支持を提供することによって、二次的役割を果たす。
【0103】
次に、図1のバスケットカテーテル10のノーズキャップ32の概略図である図15A図15Bを参照する。ノーズキャップ32は、カバー82で覆われた中空シリンダ80を含み、カバー82は中空シリンダ80よりも幅広であってよい。ノーズキャップ32は、例えば、ガラス充填材を含むかもしくは含まないポリカーボネート、ガラス充填材を含むかもしくは含まないPEEK、またはガラス充填材を含むかもしくは含まないPEIであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。ノーズキャップ32は、図19に示すように、ノーズコネクタ30(図13B)の遠位レセプタクル34(図13B)に嵌まり、遠位に向いた開口部38(図13B)を覆うと共に、中に多軸位置センサ74(図12)およびヒンジ28(図5)のための空間を確保できるようなサイズとされる。ノーズキャップ32は、オプションとして、ヒンジ28がノーズコネクタ30(図13B)の内側表面36(図13B)から引き離されるのを防ぐために、ヒンジ28に対して圧入を提供するようなサイズにされてもよい。ノーズコネクタ30はまた、多軸位置センサ74を保護するように機能し得る。
【0104】
次に、図1のバスケットカテーテル10のカプラ16の概略図である図16を参照する。カプラ16は、典型的には、中空チューブを含み、例えば、ガラス充填材を含むかもしくは含まないポリカーボネート、ガラス充填材を含むかもしくは含まないPEEK、ポリイミド、ポリアミド、またはガラス充填材を含むかもしくは含まないPEIであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。カプラ16は、細長い偏向可能要素12(図9)の遠位端部14(図9)の外径と同じ内径、および細長い偏向可能要素12の近位部分と同じ外径を有するようなサイズにされ得る。また、カプラ16は、図20を参照してより詳細に説明する様々な要素を囲むようなサイズである。
【0105】
次に、図1のバスケットカテーテル10の単軸位置センサ86の概略図である図17を参照する。単軸位置センサ86は、任意の適切な位置センサ、例えば、中空シリンダ88に巻かれたコイルを含む磁気位置センサを含むことができる。単軸位置センサ86からの配線(図示せず)は、内腔66(図9)の1つを通り過ぎて、バスケットカテーテル10の近位に配置された位置計算システム(図示せず)まで通ることができる。中空シリンダ88は、図20に示すように、その中に灌注スリーブ72を収容するようなサイズである。単軸位置センサ86の外径および長さは、カプラ16(図16)に嵌まるようなサイズである。中空シリンダ88は、例えば、磁気コアとして使用される材料であるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。
【0106】
次に、図1のバスケットコンテナ10の近位保持器リング84の概略図である図18を参照する。近位保持器リング84は、図20に示すように、灌注スリーブ72(図10)の遠位端部の周りに圧入を提供し、細長い偏向可能要素12(図9)の遠位端部14(図9)に隣接するように単軸位置センサ86(図17)を保持するように構成される。近位保持器リング84は、フレキシブルポリマー回路24を保持器リング84とカプラ16との間に固定する役割も果たす。近位保持器リング84は、例えば、ガラス充填材を含むかもしくは含まないポリカーボネート、ガラス充填材を含むかもしくは含まないPEEK、またはガラス充填材を含むかもしくは含まないPEIであるがこれらに限定されない、任意の適切な材料から形成され得る。
【0107】
次に、図1の線A-Aを通る断面図である図19図20を参照する。図19は、拡張可能な組立体22の遠位部分を示し、一方、図20は、近位部分を示す。
【0108】
図19は、プッシャ18の遠位部分20が、ノーズコネクタ30の近位キャビティ78内に配置され、近位キャビティ78の外側の周りに配置された中心電極リング40を用いてそこに固定されることを示している。多軸位置センサ74は、配線76がプッシャ18を通って近位に延びている状態で、ノーズコネクタ30の遠位レセプタクル34内に配置される。フレキシブルポリマー回路ストリップ24の第2の端部46は、ノーズコネクタ30の遠位レセプタクル34の内側表面36に接続されている。細長い弾力性支持要素48は、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の長さに沿って、ヒンジ28を含まないがヒンジ28に至るまで、延びる。ノーズキャップ32は、中空シリンダ80が多軸位置センサ74の遠位部分を囲み、フレキシブルポリマー回路ストリップ24の第2の端部46に対して圧力を与える状態で、遠位レセプタクル34の中に挿入される。ノーズキャップ32は、ノーズコネクタ30の遠位に向いた開口部38を覆う。
【0109】
図20は、灌注スリーブ72が細長い偏向可能要素12内に配置されていることを示す。プッシャ18は、灌注スリーブ72の中に配置されている。配線76は、プッシャ18内に配置されている。単軸位置センサ86は、細長い偏向可能要素12の遠位端部14に近い灌注スリーブ72の周り(カプラ16とプッシャ18との間)に配置されている。近位保持器リング84は、灌注スリーブ72の周りに圧入を提供し、単軸位置センサ86を細長い偏向可能要素12の遠位端部14より遠位で定位置に保持する。カプラ16の近位端部は、細長い偏向可能要素12の遠位端部14に接続される。フレキシブルポリマー回路ストリップ24の第1の端部42は、カプラ16の内側表面44に接続されている。図20は、細長い弾力性支持要素48が、カプラ16からそれぞれのヒンジ28(図19)の前まで、それぞれのストリップ24に沿って延びていることを示す。
【0110】
拡張可能な組立体は、可撓性膜に装着されることなく示されているが、拡張可能な組立体が、回路ストリップのためのベース基板として膜(例えば、バルーン状の表面)を備え得ることは、本発明の範囲内である。同様に、膜は、電極26が周囲環境(例えば、器官組織の内側)に露出されている(または露出のために膜によって覆われていない)状態で、回路ストリップ24上の外被層として使用することができる。
【0111】
次に、本明細書に記載されるようなフレキシブルポリマー回路ストリップ24を製造する、例としての方法100を示す図21を参照する。方法100は、細長い弾力性支持要素(例えば、細長い弾力性支持要素48)を提供すること102、フレキシブルポリマー回路(例えば、フレキシブルポリマー回路ストリップ24)を提供すること104、および糸(例えば、糸52)を提供すること106を含むことができる。この方法は、細長い弾力性支持要素、フレキシブルポリマー回路、および糸を一緒に熱可塑性ポリマー樹脂シュリンクラップ(PET)(例えば、外被54)の中に入れること108をさらに含むことができる。次いで、PETを加熱して110、細長い弾力性支持要素、フレキシブルポリマー回路、および糸の周りでPETを収縮させて、細長い弾力性支持要素、フレキシブルポリマー回路、および糸を少なくとも部分的に囲むことができる。
【0112】
方法100は、フレキシブルポリマー回路上の各電極(例えば、電極26)の表面を露出させるために、PETを貫通する複数の開口を形成すること112をさらに含むことができる。本開示の恩恵を受ける当業者によって理解されるように、PETを貫通する複数の開口を形成すること112は、本開示に示され説明される実施例のいずれをも含むことができる。例えば、PETを貫通する複数の開口を形成すること112は、図8Bに関連して示され説明されたように、円形開口55Aを形成することを含むことができる。別の実施例として、PETを貫通する複数の開口を形成すること112は、図8Fに関連して示され説明されるように、細長いストリップ55Eを形成することを含むことができる。PETを貫通する複数の開口を形成すること112は、本開示に示され説明される実施例と本明細書に説明される方法のいずれかとの任意の組み合わせをさらに含むことができる。
【0113】
本明細書で使用される場合、任意の数値または範囲に対する用語「約(about)」または「約(approximately)」は、部品または構成要素の集合体が本明細書に記載されるような意図した目的のために機能することを可能にする適切な寸法公差を示す。より具体的には、「約(about)」または「約(approximately)」は、言及された値の±20%の値の範囲を指すことができ、例えば、「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0114】
明確さのために別々の実施形態の文脈で説明される本発明の様々な特徴部は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもできる。逆に、簡潔さのために単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴部もまた、別々に、または任意の適切な部分的組み合わせで提供されてもよい。
【0115】
上述した実施形態は例として挙げられたものであり、本発明は、前述の部分において具体的に示され、説明されたものによって限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、前述の部分において記載された様々な特徴部の組み合わせおよび部分的組み合わせの両方、ならびに前述の説明を読めば当業者が想到するであろう、先行技術に開示されていないその変形および修正を含む。
【0116】
〔実施の態様〕
(1) カテーテル装置であって、
遠位端部を含む細長い偏向可能要素と、
前記遠位端部に接続されたカプラと、
遠位部分を含み、前記偏向可能要素を通って前進および後退するように構成されたプッシャと、
複数のフレキシブルポリマー回路ストリップを含む拡張可能な組立体と、を含み、前記フレキシブルポリマー回路ストリップの第1の端部は、前記カプラに接続され、前記フレキシブルポリマー回路ストリップの第2の端部は、前記プッシャの前記遠位部分に接続され、前記フレキシブルポリマー回路ストリップは、前記プッシャが後退されると半径方向外側に曲がり、前記拡張可能な組立体を折り畳み形態から拡張形態に拡張させるように構成され、各フレキシブルポリマー回路ストリップは、
その上に配置された複数の電極であって、各電極は導電性表面を画定する、複数の電極と、
前記フレキシブルポリマー回路ストリップおよび前記複数の電極を部分的に囲む外被と、を含み、前記外被は、前記複数の電極のうちの各電極のところに複数の開口を含み、各電極の前記導電性表面の一部が、前記複数の開口のうちの各開口を通して露出されている、カテーテル装置。
(2) 前記外被は、非導電性ポリマー材料を含み、各電極の前記導電性表面は、前記外被の外側表面より約12μm(約12ミクロン)下に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 各電極への入力インピーダンスが1Hzで13,000オーム未満であるように、前記複数の開口のうちの各開口内に配置された導電性ポリマーコーティングをさらに含む、実施態様2に記載の装置。
(4) 前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の円形開口を含む、実施態様1に記載の装置。
(5) 前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の多角形開口を含む、実施態様1に記載の装置。
【0117】
(6) 前記複数の多角形開口は、矩形開口を含む、実施態様5に記載の装置。
(7) 前記複数の多角形開口は、十角形開口を含む、実施態様5に記載の装置。
(8) 前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の細長いスリットを含み、前記複数の細長いスリットのうちの各細長いスリットは、前記電極の第1の端部付近から前記電極の第2の端部付近まで延びる、実施態様1に記載の装置。
(9) カテーテルのためのフレキシブルポリマー回路ストリップであって、
細長い弾力性支持要素と、
前記細長い弾力性支持要素に接続されたフレキシブルポリマー回路であって、前記フレキシブルポリマー回路は、複数の電極を含み、各電極は、第1の導電性表面積を画定する、フレキシブルポリマー回路と、
前記細長い弾力性支持要素、前記フレキシブルポリマー回路、および前記複数の電極を少なくとも部分的に囲む外被と、を含み、前記外被は、前記複数の電極のうちの各電極上に複数の開口を含み、各電極上の前記開口は、前記第1の導電性表面積の約半分未満の第2の導電性表面積を集合的に画定する、フレキシブルポリマー回路ストリップ。
(10) 各電極への入力インピーダンスが1Hzで約13,000オーム未満である状態で、電気信号が前記開口を通して前記外被の下の各電極に送信され得るように、前記開口のそれぞれに配置された導電性ポリマーをさらに含む、実施態様9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【0118】
(11) 前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の円形開口を含む、実施態様9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
(12) 前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の多角形開口を含む、実施態様9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
(13) 前記複数の多角形開口は、矩形開口を含む、実施態様12に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
(14) 前記複数の開口は、前記複数の電極のうちの各電極のところにある複数の細長いスリットを含み、前記複数の細長いスリットのうちの各細長いスリットは、前記電極の第1の端部付近から前記電極の第2の端部付近まで延びる、実施態様9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
(15) 前記細長い弾力性支持要素は、ニチノールを含む、実施態様9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
【0119】
(16) 前記細長い弾力性支持要素は、ポリエーテルイミド(PEI)を含む、実施態様9に記載のフレキシブルポリマー回路ストリップ。
(17) フレキシブル電極デバイスであって、
フレキシブルポリマー回路ストリップと、
前記フレキシブルポリマー回路ストリップ上に配置された少なくとも2つの電極と、
前記フレキシブルポリマー回路ストリップおよび前記少なくとも2つの電極を部分的に囲む外被であって、前記外被は、前記少なくとも2つの電極のうちの各電極のところに複数の開口を含む、外被と、
前記電極から測定されるインピーダンスが1Hzで13,000オーム未満となるように、前記複数の開口のそれぞれに配置された導電性ポリマーと、
を含む、フレキシブル電極デバイス。
(18) 前記電極から測定されるインピーダンスは、10Hzで1400オーム未満、50Hzで約300オーム以下、および100Hzで約200オーム以下を含む、実施態様17に記載のフレキシブル電極デバイス。
(19) 前記複数の開口は、1列当たり5つの実質的に円形の開口を、2列含む、実施態様18に記載のフレキシブル電極デバイス。
(20) 前記複数の開口は、1列当たり7つの実質的に円形の開口を、3列含む、実施態様18に記載のフレキシブル電極デバイス。
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図8I
図8J
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
図20
図21
【外国語明細書】