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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064178
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】インターホン装置
(51)【国際特許分類】
   H04M 9/00 20060101AFI20230501BHJP
   H04B 3/54 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
H04M9/00 C
H04B3/54
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174283
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
【テーマコード(参考)】
5K038
5K046
【Fターム(参考)】
5K038AA07
5K038CC01
5K038DD09
5K038DD15
5K038EE02
5K046AA03
5K046BB02
5K046PS31
(57)【要約】
【課題】家電製品等に起因するノイズが親機及び子機間における通信に与える影響を抑制可能なインターホン装置を提供する。
【解決手段】インターホン装置は、親機と、親機に2線ケーブルを通じて接続される子機とを備える。親機は、電源部と、第1PLC通信部とを含む。電源部は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、2線ケーブルを通じて直流電力を子機に供給するように構成される。第1PLC通信部は、PLC(Power Line Communication)規格に準拠した方式で搬送波にデータを重畳し、2線ケーブルを通じてデータを子機に送信するように構成される。子機は、第2PLC通信部を含む。第2PLC通信部は、PLC規格に準拠した方式で搬送波にデータを重畳し、2線ケーブルを通じてデータを親機に送信するように構成される。搬送波の周波数帯域は2~30MHzである。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と、
前記親機に2線ケーブルを通じて接続される子機とを備え、
前記親機は、
商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、前記2線ケーブルを通じて前記直流電力を前記子機に供給するように構成された電源部と、
PLC(Power Line Communication)規格に準拠した方式で搬送波にデータを重畳し、前記2線ケーブルを通じてデータを前記子機に送信するように構成された第1PLC通信部とを含み、
前記子機は、PLC規格に準拠した方式で前記搬送波にデータを重畳し、前記2線ケーブルを通じてデータを前記親機に送信するように構成された第2PLC通信部を含み、
前記搬送波の周波数帯域は2~30MHzである、インターホン装置。
【請求項2】
前記子機は、
画像データを生成するように構成されたカメラと、
音声データを生成するように構成されたマイクロホンと、
前記マイクロホンによって生成された音声データをアナログ通信で前記親機に送信するように構成されたアナログ通信部とをさらに含み、
前記第2PLC通信部は、前記カメラによって生成された画像データを前記親機に送信するように構成され、
前記アナログ通信において利用される周波数帯域は、前記搬送波の周波数帯域と重複しない、請求項1に記載のインターホン装置。
【請求項3】
前記親機は、
各々が人の顔を示す複数の画像データを記憶するように構成された記憶部と、
前記子機から受信された画像データと前記記憶部に記憶された複数の画像データとを照合することによって、前記子機から受信された画像データが示す人の認証を行なうように構成された認証部とをさらに含む、請求項1又は請求項2に記載のインターホン装置。
【請求項4】
前記親機は、
画像データが示す人の認証を行なうサーバと通信するように構成された通信部と、
画像を表示するように構成された表示部とをさらに含み、
前記通信部は、前記子機から受信された画像データを前記サーバへ送信し、前記サーバにおける前記認証の結果を受信するように構成されており、
前記表示部は、前記認証の結果を表示するように構成されている、請求項1又は請求項2に記載のインターホン装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2003-46654号公報(特許文献1)は、ホームインターホンを開示する。このホームインターホンにおいては、PLC(Power Line Communication)技術が用いられている。すなわち、親機及び子機間において宅内配線を伝送路とする通信が行なわれる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-46654号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているホームインターホンにおいては、親機及び子機間の通信において交流電力に信号が重畳される。しかしながら、宅内配線には家電製品等が接続されるため、通信に用いられる交流電力が家電製品等に起因するノイズの影響を受ける可能性がある。その結果、親機及び子機間における通信が家電製品等に起因するノイズの影響を受ける可能性がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、家電製品等に起因するノイズが親機及び子機間における通信に与える影響を抑制可能なインターホン装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に従うインターホン装置は、親機と、親機に2線ケーブルを通じて接続される子機とを備える。親機は、電源部と、第1PLC通信部とを含む。電源部は、商用電源から供給される交流電力を直流電力に変換し、2線ケーブルを通じて直流電力を子機に供給するように構成される。第1PLC通信部は、PLC(Power Line Communication)規格に準拠した方式で搬送波にデータを重畳し、2線ケーブルを通じてデータを子機に送信するように構成される。子機は、第2PLC通信部を含む。第2PLC通信部は、PLC規格に準拠した方式で搬送波にデータを重畳し、2線ケーブルを通じてデータを親機に送信するように構成される。搬送波の周波数帯域は2~30MHzである。
【0007】
このインターホン装置においては、PLC規格に準拠して生成された高周波信号が直流電力に重畳されて親機及び子機間で伝送される。仮にPLC規格に準拠した高周波信号が交流電力に重畳されて伝送されるとすると、該高周波信号が、交流電力を利用する他の家電製品等に起因するノイズの影響を受け得る。本発明に従うインターホン装置によれば、高周波信号が直流電力に重畳されて伝送されるため、該高周波信号が家電製品等に起因するノイズの影響を受けることを抑制することができる。また、本発明に従うインターホン装置によれば、搬送波の周波数帯域として2~30MHzが採用されるため、親機及び子機間において高速大容量の通信が可能である。
【0008】
上記インターホン装置において、子機は、画像データを生成するように構成されたカメラと、音声データを生成するように構成されたマイクロホンと、マイクロホンによって生成された音声データをアナログ通信で親機に送信するように構成されたアナログ通信部とをさらに含み、第2PLC通信部は、カメラによって生成された画像データを親機に送信するように構成され、アナログ通信において利用される周波数帯域は、上記搬送波の周波数帯域と重複しなくてもよい。
【0009】
このインターホン装置においては、画像データがPLC規格に準拠した方式で伝送される。したがって、このインターホン装置によれば、大容量の画像データを子機から親機へ送信することができる。
【0010】
上記インターホン装置において、親機は、各々が人の顔を示す複数の画像データを記憶するように構成された記憶部と、子機から受信された画像データと記憶部に記憶された複数の画像データとを照合することによって、子機から受信された画像データが示す人の認証を行なうように構成された認証部とをさらに含んでもよい。
【0011】
このインターホン装置によれば、子機によって撮影された人(訪問者)の認証を親機において行なうことができる。その結果、セキュリティレベルを向上させることができる。
【0012】
上記インターホン装置において、親機は、画像データが示す人の認証を行なうサーバと通信するように構成された通信部と、画像を表示するように構成された表示部とをさらに含み、通信部は、子機から受信された画像データをサーバへ送信し、サーバにおける上記認証の結果を受信するように構成されており、表示部は、上記認証の結果を表示するように構成されていてもよい。
【0013】
このインターホン装置によれば、訪問者の認証がサーバで行なわれるため、より負荷のかかる認証処理を行なうことができる。その結果、より高精度な認証を行なうことができる。また、このインターホン装置によれば、認証の結果が表示部に表示されるため、訪問者に問題がないか否かを容易にユーザに認識させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、家電製品等に起因するノイズが親機及び子機間における通信に与える影響を抑制可能なインターホン装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施の形態1に従うインターホン装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図2】登録情報を模式的に示す図である。
図3】親機における通話開始のための準備手順を示すフローチャートである。
図4】実施の形態2に従うインターホン装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図5】実施の形態3に従うインターホン装置を含むインターホンシステムの構成を模式的に示すブロック図である。
図6】実施の形態3に従うインターホン装置の構成を模式的に示すブロック図である。
図7】サーバの構成を模式的に示すブロック図である。
図8】インターホンシステムにおける通話開始のための準備手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0017】
[1.実施の形態1]
<1-1.インターホン装置の構成>
図1は、本実施の形態1に従うインターホン装置10の構成を模式的に示すブロック図である。図1に示されるように、インターホン装置10は、親機100と子機200とを含んでいる。親機100と子機200とは、2線ケーブルL1を通じて接続されている。2線ケーブルL1は、2線式の伝送路であり、例えば、ツイストペア線によって構成される。親機100と子機200とは双方向通信が可能であり、親機100及び子機200間においては通話が可能である。
【0018】
例えば、親機100はユーザの居住スペース又は仕事場等の作業エリアの中(屋内と定義する。)に設置され、子機200はユーザの居住スペース又は仕事場等の作業エリアの外(屋外と定義する。)に設置される。親機100は、例えば、ユーザによって操作され、子機200は、例えば、ユーザの家又は作業場等に来る訪問者によって操作される。ユーザの家に訪問者が来た場合に、ユーザ及び訪問者は、親機100及び子機200のそれぞれを通じて互いに会話することができる。なお、親機100を屋内、子機200を屋外に配置する例を示したが、親機100及び子機200の両方が屋内に設置されていてもよい。
【0019】
親機100は、第1制御部110と、記憶部120と、マイクロホン130と、スピーカ140と、ディスプレイ150と、操作部160と、第1PLC通信部170と、電源部180とを含んでいる。
【0020】
第1制御部110は、CPU(Central Processing Unit)及びメモリ等(不図示)を含み、親機100の各構成要素を制御するように構成されている。例えば、メモリに記憶された親機100の制御プログラムがCPUによって実行されることにより、親機100における各種機能が実現される。
【0021】
記憶部120は、各種データを記憶するように構成されている。記憶部120は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブの少なくとも一部によって構成される。
【0022】
記憶部120は、例えば、ディスプレイ150に表示されるUI(User Interface)を示す画像データ、過去に撮影された訪問者の画像データ、及び、スピーカ140から出力される呼び出し音を示す音声データを記憶する。例えば、記憶部120には、複数種類の呼び出し音が記憶されている。親機100においては、例えば、訪問者の顔認証が行なわれ、訪問者に応じた呼び出し音がスピーカ140から出力される。このような機能を実現するために、記憶部120には、登録情報50が記憶されている。
【0023】
図2は、登録情報50を模式的に示す図である。図2に示されるように、登録情報50においては、人の顔を示す画像データ、該人を識別するための情報(人物情報)及び該人に対応付けられている呼び出し音を示す音声データが対応付けられている。「人の顔を示す画像データ」は、過去に撮影された訪問者の画像データであり、記憶部120に記憶されている。記憶部120には、例えば、各々が訪問者の顔を示す複数の画像データが記憶されている。「人を識別するための情報」の一例としては、人の名前、及び、人の社会における役割(新聞配達員、ご近所さん又はセールスマン等)が挙げられる。
【0024】
登録情報50は、例えば、親機100が登録モードに設定された状態で更新される。例えば、子機200によって生成された訪問者の画像データは、親機100に送信され、記憶部120に記憶される。例えば、親機100が登録モードに設定された状態で、ユーザは、記憶部120に記憶された画像のいずれかを選択的にディスプレイ150に表示させることができる。ユーザは、例えば、登録情報50に追加する人(訪問者)を含む画像をディスプレイ150に表示させる。画像が表示された状態で、ユーザは、表示されている画像に含まれる人に関する人物情報を入力すると共に、該人の訪問時にスピーカ140から出力される呼び出し音を複数種類の呼び出し音から選択する。これにより、登録情報50に該人の情報が追加され、登録情報50が更新される。
【0025】
再び図1を参照して、マイクロホン130は、入力された音声をアナログ音声信号に変換するように構成されている。このアナログ音声信号は、例えば、音声処理回路(不図示)によってデジタル音声信号(音声データ)に変換され、子機200に送信される。
【0026】
スピーカ140は、アナログ音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。例えば、子機200から受信されたデジタル音声信号(音声データ)が音声処理回路(不図示)によってアナログ音声信号に変換され、スピーカ140は、該アナログ音声信号を音声に変換して出力する。また、スピーカ140は、例えば、親機100が子機200から呼び出し信号を受信している状態において、記憶部120に記憶されている音声データが示す呼び出し音を出力する。
【0027】
ディスプレイ150は、画像を表示するように構成されている。ディスプレイ150は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。ディスプレイ150には、例えば、子機200によって撮影された画像が表示される。
【0028】
操作部160は、ユーザからの操作を受け付けるように構成されている。操作部160は、例えば、タッチパネル又は物理ボタンで構成される。例えば、親機100が子機200から呼び出し信号を受信している状態において、操作部160を介した所定の操作(例えば、物理ボタンの押下)が行なわれると、親機100及び子機200間における通話が可能となる。操作部160がタッチパネルによって構成される場合には、例えば、ディスプレイ150上に所定の操作を受け付ける操作領域が表示され、ユーザからのタッチ操作に応じて親機100及び子機200間における通話が可能となる。
【0029】
電源部180は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC:Alternating Current)を直流電力(DC:Direct Current)に変換し、親機100の各構成要素に直流電力を供給すると共に、2線ケーブルL1を通じて子機200に直流電力を供給するように構成されている。例えば、電源部180によって供給される直流電力の電圧は12Vである。
【0030】
第1PLC通信部170は、2線ケーブルL1を通じて子機200とPLC(Power Line Communication)規格に準拠した通信(以下、「PLC通信」とも称する。)を行なうように構成されている。すなわち、第1PLC通信部170は、例えば、PLC規格に準拠した変調処理及び復調処理を行なうように構成されている。例えば、第1PLC通信部170は、いわゆる高速PLC規格(例えば、HD-PLC)に準拠した通信を行なう。高速PLCにおける搬送波の周波数帯域は、例えば、2~30MHzである。
【0031】
第1PLC通信部170は、2線ケーブルL1を通じて子機200との間で画像データ、音声データ及び制御信号等の送受信を行なうように構成されている。すなわち、親機100及び子機200間においては、2線ケーブルL1を介した双方向通信が可能である。また、第1PLC通信部170は、2線ケーブルL1を通じて子機200に電力を送るように構成されている。この電力は、電源部180から供給される。
【0032】
例えば、マイクロホン130を介して生成されたデジタル音声信号(音声データ)が親機100から子機200へ送信される場合に、第1PLC通信部170は、搬送波(2~30MHz)を生成し、搬送波に音声データを重畳する。例えば、第1PLC通信部170においては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等を用いた変調が行なわれる。第1PLC通信部170は、音声データが重畳された搬送波を直流電力に重畳してPLC信号を生成し、2線ケーブルL1を通じて該PLC信号を子機200へ送信する。
【0033】
子機200は、第2制御部210と、記憶部220と、呼び出しベル230と、マイクロホン240と、スピーカ250と、カメラ260と、第2PLC通信部270と、電力分離部275と、電源部280とを含んでいる。
【0034】
第2制御部210は、CPU及びメモリ等(不図示)を含み、子機200の各構成要素を制御するように構成されている。例えば、メモリに記憶された子機200の制御プログラムがCPUによって実行されることにより、子機200における各種機能が実現される。
【0035】
記憶部220は、各種データを記憶するように構成されている。記憶部220は、例えば、スピーカ250から出力される音声のデータを記憶する。記憶部220は、例えば、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブの少なくとも一部によって構成される。
【0036】
呼び出しベル230は、例えば、訪問者によって押下されるボタンである。訪問者によって呼び出しベル230が押下されると、呼び出し信号が2線ケーブルL1を通じて子機200から親機100に送信される。
【0037】
マイクロホン240は、入力された音声をアナログ音声信号に変換するように構成されている。このアナログ音声信号は、例えば、音声処理回路(不図示)によってデジタル音声信号(音声データ)に変換され、親機100に送信される。
【0038】
スピーカ250は、アナログ音声信号を音声に変換して出力するように構成されている。例えば、親機100から受信されたデジタル音声信号(音声データ)が音声処理回路(不図示)によってアナログ音声信号に変換され、スピーカ250は、該アナログ音声信号を音声に変換して出力する。
【0039】
カメラ260は、動画像を撮像し、画像データを生成するように構成されている。呼び出しベル230が押下されると、カメラ260によって生成された画像データは、子機200から親機100に送信される。送信された画像は、親機100のディスプレイ150に表示される。カメラ260は、例えば、イメージセンサーを含むカメラモジュールで構成される。
【0040】
第2PLC通信部270は、2線ケーブルL1を通じて親機100(第1PLC通信部170)とPLC通信を行なうように構成されている。すなわち、第2PLC通信部270は、例えば、PLC規格に準拠した変調処理及び復調処理を行なうように構成されている。例えば、第2PLC通信部270は、いわゆる高速PLC規格に準拠した通信を行なう。第2PLC通信部270は、2線ケーブルL1を通じて親機100との間で画像データ、音声データ及び制御信号等の送受信を行なうように構成されている。また、第2PLC通信部270は、2線ケーブルL1を通じて親機100から電力の供給を受けるように構成されている。
【0041】
例えば、カメラ260を介して生成されたデジタル画像信号(画像データ)が子機200から親機100へ送信される場合に、第2PLC通信部270は、搬送波(2~30MHz)を生成し、搬送波に画像データを重畳する。例えば、第2PLC通信部270においては、OFDM等を用いた変調が行なわれる。第2PLC通信部270は、画像データが重畳された搬送波を直流電力に重畳してPLC信号を生成し、2線ケーブルL1を通じて該PLC信号を子機200へ送信する。
【0042】
電力分離部275は、第2PLC通信部270を介して受信されたPLC信号から電力(直流電力)を分離するように構成されている。分離された直流電力は、電源部280へ供給される。電源部280は、電力分離部275から供給された直流電力を子機200の各構成要素に供給するように構成されている。
【0043】
<1-2.PLC通信に直流電力が用いられる理由>
上述のように、第1PLC通信部170及び第2PLC通信部270間においては、直流電力を用いたPLC通信が行なわれる。例えば、親機100が設置されている宅内の各コンセントには、家電製品等が接続され得る。コンセントに家電製品等が接続されると、宅内の電力線における交流電力に家電製品等に起因するノイズが乗り得る。仮にPLC規格に準拠した高周波信号が宅内の電力線における交流電力に重畳されて伝送されるとすると、該高周波信号が、交流電力を利用する他の家電製品等に起因するノイズの影響を受け得る。
【0044】
インターホン装置10においては、搬送波にデータを重畳することによって生成された高周波信号が、交流電力に重畳されず、直流電力に重畳される。したがって、インターホン装置10によれば、高周波信号が家電製品等に起因するノイズの影響を受けることを抑制することができる。
【0045】
<1-3.認証を伴なう通話開始動作>
上述のように、インターホン装置10においては、訪問者によって呼び出しベル230が押下された後に、訪問者の顔認証が行なわれる。呼び出しベル230が押下されてから通話が開始されるまでの一連の流れについて次に説明する。
【0046】
図3は、親機100における通話開始のための準備手順を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、訪問者によって呼び出しベル230が押下された後に親機100の第1制御部110によって実行される。
【0047】
図3を参照して、第1制御部110は、2線ケーブルL1及び第1PLC通信部170を介して子機200から呼び出し信号及び画像データ(以下、「画像データ等」とも称する。)を受信したか否かを判定する(ステップS100)。画像データ等を受信していないと判定されると(ステップS100においてNO)、第1制御部110は、画像データ等を受信するまで待機する。
【0048】
一方、画像データ等を受信したと判定されると(ステップS100においてYES)、第1制御部110は、記憶部120に記憶されている複数の画像データ(人の顔を示す画像データ)のうち登録情報50に登録されている各画像データと、受信された画像データ(訪問者の顔を示す画像データ)とを照合することによって、受信された画像データが示す人(訪問者)を認証する処理(個人認証処理)を実行する(ステップS110)。個人認証技術としては、公知の種々の技術を用いることができる。個人認証技術の一例としては、一般化学習ベクトル量子化手法、多点特徴点検出法、及び、多元特徴識別法が挙げられる。なお、個人認証処理においては、例えば、受信された動画像データから抽出された静止画像データが用いられる。
【0049】
個人認証処理が完了した後に、第1制御部110は、訪問者が登録情報50に登録されていたか否かを判定する(ステップS120)。訪問者が登録情報50に登録されていたと判定されると(ステップS120においてYES)、第1制御部110は、受信された画像を表示すると共に、登録情報50において訪問者に対応付けられている人物情報を表示するようにディスプレイ150を制御する。また、第1制御部110は、登録情報50において訪問者に対応付けられている呼び出し音を出力するようにスピーカ140を制御する(ステップS130)。
【0050】
一方、訪問者が登録情報50に登録されていないと判定されると(ステップS120においてNO)、第1制御部110は、受信された画像を表示すると共に、登録情報50において訪問者に関する登録がない旨を表示するようにディスプレイ150を制御する。また、第1制御部110は、訪問者が登録情報50に登録されていない場合に出力する呼び出し音を出力するようにスピーカ140を制御する(ステップS140)。
【0051】
その後、第1制御部110は、操作部160を介した呼び出しに応じる操作がユーザによって行なわれたか否かを判定する(ステップS150)。呼び出しに応じる操作が行なわれていないと判定されると(ステップS150においてNO)、第1制御部110は、呼び出しに応じる操作が行なわれるまで待機する。一方、呼び出しに応じる操作が行なわれたと判定されると(ステップS150においてYES)、第1制御部110は、通話可能とするように第1PLC通信部170等を制御する(ステップS160)。
【0052】
<1-4.特徴>
以上のように、本実施の形態1に従うインターホン装置10によれば、親機100及び子機200間において、高周波信号が直流電力に重畳されて伝送されるため、該高周波信号が家電製品等に起因するノイズの影響を受けることを抑制することができる。また、このインターホン装置10によれば、搬送波の周波数帯域として2~30MHzが採用されるため、親機100及び子機200間において高速大容量の通信が可能である。
【0053】
また、本実施の形態1に従うインターホン装置10においては、子機200によって撮影された訪問者の認証が親機100で行なわれる。したがって、インターホン装置10によれば、セキュリティレベルを向上させることができる。特に、インターホン装置10においては、親機100及び子機200間の通信に、2~30MHzの搬送波が用いられる。すなわち、インターホン装置10においては、いわゆる高速PLC通信が行なわれる。したがって、インターホン装置10によれば、子機200から親機100へ高解像度(例えば、HD(High Definition)以上の解像度)の画像データを容易に送信することができる。そして、インターホン装置10によれば、高解像度の画像データを用いることによって、訪問者の認証精度を向上させることができる。
【0054】
また、本実施の形態1に従うインターホン装置10においては、複数種類の呼び出し音のうち訪問者の認証結果に応じた呼び出し音がスピーカ140によって出力される。したがって、インターホン装置10によれば、認証結果に応じた呼び出し音がスピーカ140から出力されるため、訪問者に問題がないか否かをより容易にユーザに認識させることができる。
【0055】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1においては、親機100及び子機200間において、画像データ、音声データ及び各種制御信号の各々が高速PLC通信で伝送された。本実施の形態2に従うインターホン装置10Aにおいては、親機100A及び子機200A間において、画像データが高速PLC通信で伝送される一方、アナログ音声信号及び各種制御信号の各々がアナログ通信で伝送される。以下、上記実施の形態1に従うインターホン装置10と異なる点を中心に説明する。
【0056】
<2-1.インターホン装置の構成>
図4は、本実施の形態2に従うインターホン装置10Aの構成を模式的に示すブロック図である。図4に示されるように、インターホン装置10Aは、親機100Aと子機200Aとを含んでいる。
【0057】
親機100Aは、第1PLC通信部170Aと、LPF(Low-pass Filter)191と、第1アナログ通信部185と、HPF(High-pass Filter)192とを含んでいる。子機200Aは、第2PLC通信部270Aと、LPF291と、第2アナログ通信部285と、HPF292とを含んでいる。
【0058】
第1PLC通信部170Aは、2線ケーブルL1を通じて子機200AとPLC通信を行なうように構成されている。すなわち、第1PLC通信部170Aは、例えば、PLC規格に準拠した変調処理及び復調処理を行なうように構成されている。例えば、第1PLC通信部170Aは、いわゆる高速PLC規格に準拠した通信を行なう。
【0059】
第1PLC通信部170Aは、2線ケーブルL1を通じて子機200Aとの間で画像データの伝送を行なうように構成されている。一方、第1PLC通信部170Aは、2線ケーブルL1を通じて子機200Aとの間で音声信号及び制御信号の伝送を行なわない。音声信号及び制御信号の伝送は、第1アナログ通信部185を介して行なわれる。また、第1PLC通信部170Aは、2線ケーブルL1を通じて子機200Aに電力を送るように構成されている。この電力は、電源部180から供給される。
【0060】
LPF191は、第1PLC通信部170A又は第2PLC通信部270Aによって生成されたPLC信号のうち30MHz以下の周波数成分を通すように構成されている。LPF191を経たPLC信号の周波数帯域は、2~30MHzとなる。
【0061】
第1アナログ通信部185は、子機200A(第2アナログ通信部285)との間でアナログ通信を行なうように構成されており、2線ケーブルL1を通じて子機200Aとの間でアナログ音声信号及び各種制御信号の各々の送受信を行なうように構成されている。すなわち、インターホン装置10Aにおいては、音声通話に関して、アナログ通信が用いられる。また、第1アナログ通信部185を介して電力伝送が行なわれてもよい。第1アナログ通信部185及び第2アナログ通信部285間におけるアナログ通信において用いられる周波数帯域は、高速PLC通信において用いられる周波数帯域(2~30MHz)と重ならない。第1アナログ通信部185及び第2アナログ通信部285間におけるアナログ通信において用いられる周波数帯域は、例えば、30~50MHzである。したがって、高速PLC通信とアナログ通信とは互いに干渉しない。
【0062】
HPF192は、第1アナログ通信部185又は第2アナログ通信部285によって生成されたアナログ信号のうち、例えば、30MHzよりも大きい周波数成分を通すように構成されている。具体的には、30~50MHzの範囲の周波数成分を通すことが好適である。HPF192を経たアナログ信号の周波数帯域は、例えば、30~50MHzとなる。
【0063】
第2PLC通信部270Aは、2線ケーブルL1を通じて親機100AとPLC通信を行なうように構成されている。すなわち、第2PLC通信部270Aは、例えば、PLC規格に準拠した変調処理及び復調処理を行なうように構成されている。例えば、第2PLC通信部270Aは、いわゆる高速PLC規格に準拠した通信を行なう。
【0064】
第2PLC通信部270Aは、2線ケーブルL1を通じて親機100Aとの間で画像データの送受信を行なうように構成されている。一方、第2PLC通信部270Aは、2線ケーブルL1を通じて親機100Aとの間で音声信号及び制御信号の送受信を行なわない。音声信号及び制御信号の送受信は、第2アナログ通信部285を介して行なわれる。
【0065】
LPF291は、第2PLC通信部270A又は第1PLC通信部170Aによって生成されたPLC信号のうち30MHz以下の周波数成分を通すように構成されている。LPF291を経たPLC信号の周波数帯域は、2~30MHzとなる。
【0066】
第2アナログ通信部285は、親機100A(第1アナログ通信部185)との間でアナログ通信を行なうように構成されており、2線ケーブルL1を通じて親機100Aとの間でアナログ音声信号及び各種制御信号の各々の送受信を行なうように構成されている。
【0067】
HPF292は、第2アナログ通信部285又は第1アナログ通信部185によって生成されたアナログ信号のうち、例えば、30MHzよりも大きい周波数成分を通すように構成されている。HPF292を経たアナログ信号の周波数帯域は、例えば、30~50MHzとなる。
【0068】
<2-2.特徴>
以上のように、本実施の形態2に従うインターホン装置10Aにおいては、親機100A及び子機200A間において、大容量を必要としない音声信号及び制御信号がアナログ通信で伝送され、大容量を必要とする画像データが高速PLC通信で伝送される。したがって、インターホン装置10Aによれば、大容量の画像データ(高解像度)を子機200Aから親機100Aへ送信することができる。そして、インターホン装置10Aによれば、高解像度の画像データを用いることによって、訪問者の認証精度を向上させることができる。
【0069】
[3.実施の形態3]
上記実施の形態1,2においては、訪問者の認証処理が親機において行なわれた。本実施の形態3に従うインターホンシステム1Bにおいては、訪問者の認証処理がサーバ300において行なわれる。以下、上記実施の形態1,2に従うインターホン装置10,10Aと異なる点を中心に説明する。
【0070】
<3-1.インターホンシステムの構成>
図5は、本実施の形態3に従うインターホン装置10Bを含むインターホンシステム1Bの構成を模式的に示すブロック図である。図5に示されるように、インターホンシステム1Bは、インターホン装置10Bと、サーバ300とを含んでいる。インターホンシステム1Bにおいては、ネットワーク(例えば、インターネット)N1を通じて、インターホン装置10B及びサーバ300が相互に通信可能である。
【0071】
<3-2.インターホン装置の構成>
図6は、本実施の形態3に従うインターホン装置10Bの構成を模式的に示すブロック図である。図6に示されるように、インターホン装置10Bは、親機100Bと、子機200とを含んでいる。親機100Bは、第1制御部110Bと、記憶部120Bと、通信部190とを含んでいる。
【0072】
第1制御部110Bは、CPU及びメモリ等(不図示)を含み、親機100Bの各構成要素を制御するように構成されている。例えば、メモリに記憶された親機100Bの制御プログラムがCPUによって実行されることにより、親機100Bにおける各種機能が実現される。
【0073】
記憶部120Bは、各種データを記憶するように構成されている。記憶部120Bは、例えば、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブの少なくとも一部によって構成される。記憶部120Bは、例えば、ディスプレイ150に表示されるUIを示す画像データ、過去に撮影された訪問者の画像データ、及び、スピーカ140から出力される呼び出し音を示す音声データを記憶する。例えば、記憶部120Bには、複数種類の呼び出し音が記憶されている。なお、記憶部120Bには、上述の登録情報50(図2)が記憶されていてもよいし、記憶されていなくてもよい。
【0074】
通信部190は、ネットワークN1(図5)を通じて、サーバ300と通信するように構成されている。通信部190は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0075】
<3-3.サーバの構成>
図7は、サーバ300の構成を模式的に示すブロック図である。サーバ300は、例えば、汎用コンピュータによって実現される。図7に示されるように、サーバ300は、制御部310と、通信部330と、記憶部320とを含んでいる。
【0076】
制御部310は、CPU、RAM及びROM等(不図示)を含み、各構成要素を制御するように構成されている。通信部330は、ネットワークN1を通じて、インターホン装置10B(親機100B)と通信するように構成されている。通信部330は、例えば、有線LANモジュール又は無線LANモジュールで構成される。
【0077】
記憶部320は、例えば、ハードディスクドライブ又はソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部320は、例えば、制御プログラムを記憶している。制御プログラムが制御部310のCPUによって実行されることによって、サーバ300における各種機能が実現される。また、記憶部320には、例えば、上述の登録情報50、及び、過去にインターホン装置10Bから受信された訪問者の画像データが記憶されている。
【0078】
<3-4.認証を伴なう通話開始動作>
インターホンシステム1Bにおいては、訪問者によって呼び出しベル230が押下された後に、訪問者の顔認証が行なわれる。呼び出しベル230が押下されてから通話が開始されるまでの一連の流れについて次に説明する。
【0079】
図8は、インターホンシステム1Bにおける通話開始のための準備手順を示すフローチャートである。図8の左側のフローチャートに示される処理は、訪問者によって呼び出しベル230が押下された後に親機100Bの第1制御部110Bによって実行される。図8の右側のフローチャートに示される処理は、サーバ300の制御部310によって実行される。
【0080】
図8の左側を参照して、親機100Bの第1制御部110Bは、2線ケーブルL1及び第1PLC通信部170を介して子機200から呼び出し信号及び画像データ(画像データ等)を受信したか否かを判定する(ステップS200)。画像データ等を受信していないと判定されると(ステップS200においてNO)、第1制御部110Bは、画像データ等を受信するまで待機する。
【0081】
一方、画像データ等を受信したと判定されると(ステップS200においてYES)、第1制御部110Bは、受信された画像データをサーバ300へ送信するように通信部190を制御する(ステップS210)。
【0082】
その後、第1制御部110Bは、画像データに基づいた訪問者の認証の結果をサーバ300から受信したか否かを判定する(ステップS220)。認証結果には、例えば、登録情報50における訪問者の登録の有無が含まれ、登録情報50における登録があった場合には、訪問者の人物情報、及び、訪問者に対応付けられている呼び出し音を特定可能な情報が含まれる。認証結果をサーバ300から受信していないと判定されると(ステップS220においてNO)、第1制御部110Bは、認証結果をサーバ300から受信するまで待機する。
【0083】
一方、認証結果をサーバ300から受信したと判定されると(ステップS220においてYES)、第1制御部110Bは、認証結果に応じた表示をするようにディスプレイ150を制御すると共に、認証結果に応じた呼び出し音を出力するようにスピーカ140を制御する(ステップS230)。
【0084】
例えば、訪問者が登録情報50に登録されていたという認証結果が受信された場合に、第1制御部110Bは、受信された画像を表示すると共に、登録情報50において訪問者に対応付けられている人物情報を表示するようにディスプレイ150を制御する。また、第1制御部110Bは、登録情報50において訪問者に対応付けられている呼び出し音を出力するようにスピーカ140を制御する。
【0085】
また、例えば、訪問者が登録情報50に登録されていないという認証結果が受信された場合に、第1制御部110Bは、受信された画像を表示すると共に、登録情報50において訪問者に関する登録がない旨を表示するようにディスプレイ150を制御する。また、第1制御部110Bは、訪問者が登録情報50に登録されていない場合に出力する呼び出し音を出力するようにスピーカ140を制御する。
【0086】
その後、第1制御部110Bは、操作部160を介した呼び出しに応じる操作がユーザによって行なわれたか否かを判定する(ステップS240)。呼び出しに応じる操作が行なわれていないと判定されると(ステップS240においてNO)、第1制御部110Bは、呼び出しに応じる操作が行なわれるまで待機する。一方、呼び出しに応じる操作が行なわれたと判定されると(ステップS240においてYES)、第1制御部110Bは、通話可能とするように第1PLC通信部170等を制御する(ステップS250)。
【0087】
次に図8の右側を参照して、サーバ300の制御部310は、通信部330を介してインターホン装置10B(親機100B)から画像データを受信したか否かを判定する(ステップS300)。画像データを受信していないと判定されると(ステップS300においてNO)、制御部310は、画像データを受信するまで待機する。
【0088】
一方、画像データを受信したと判定されると(ステップS300においてYES)、制御部310は、記憶部320に記憶されている複数の画像データ(人の顔を示す画像データ)のうち登録情報50に登録されている各画像データと、受信された画像データ(訪問者の顔を示す画像データ)とを照合することによって、受信された画像データが示す人(訪問者)を認証する処理(個人認証処理)を実行する(ステップS310)。個人認証技術としては、公知の種々の技術を用いることができる。個人認証技術の一例としては、一般化学習ベクトル量子化手法、多点特徴点検出法、及び、多元特徴識別法が挙げられる。特に、例えば、サーバ300がクラウドサーバ等であり、制御部310が高い演算能力を有する場合には、演算負荷の高い多元特徴識別法が用いられても問題なく処理することができる。なお、個人認証処理においては、例えば、受信された動画像データから抽出された静止画像データが用いられる。
【0089】
個人認証処理が完了した後に、制御部310は、認証結果をインターホン装置10B(親機100B)へ送信するように通信部330を制御する(ステップS320)。上述のように、認証結果には、例えば、登録情報50における訪問者の登録の有無が含まれ、登録情報50における登録があった場合には、訪問者の人物情報、及び、訪問者に対応付けられている呼び出し音を特定可能な情報が含まれる。
【0090】
<3-5.特徴>
以上のように、インターホンシステム1Bによれば、訪問者の認証がサーバ300で行なわれるため、より負荷のかかる認証処理を行なうことができる。その結果、より高精度な認証(例えば、多元特徴識別法を用いた認証)を行なうことができる。また、インターホンシステム1Bによれば、認証の結果が親機100Bのディスプレイ150に表示されるため、訪問者に問題がないか否かを容易にユーザに認識させることができる。
【0091】
[4.変形例]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。以下、上記実施の形態の思想を適用できる変形例の一例について説明する。
【0092】
<4-1>
上記実施の形態1-3の各々においては、登録情報50の更新が親機の操作部160を介して行なわれた。しかしながら、登録情報50の更新方法はこれに限定されない。例えば、親機がユーザの情報端末(例えば、スマートホン、タブレット、PC(Personal Computer))と通信可能となっており、情報端末を介して登録情報50の更新が行なわれてもよい。
【0093】
<4-2>
上記実施の形態2に従うインターホン装置10Aにおいては、高速PLC通信及びアナログ通信の両方が2線ケーブルL1を通じて行なわれた。しかしながら、必ずしも両方の通信が2線ケーブルL1を通じて行なわれなくてもよい。例えば、高速PLC通信が2線ケーブルL1を通じて行なわれ、アナログ通信が別の通信線を通じて行なわれてもよい。
【0094】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0095】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0096】
1B インターホンシステム、10,10A,10B インターホン装置、50 登録情報、100,100A,100B 親機、110 第1制御部、120,220,320 記憶部、130,240 マイクロホン、140,250 スピーカ、150 ディスプレイ、160 操作部、170,170A 第1PLC通信部、180,280 電源部、185 第1アナログ通信部、190,330 通信部、191,291 LPF、192,292 HPF、200,200A 子機、210 第2制御部、230 呼び出しベル、260 カメラ、270,270A 第2PLC通信部、275 電力分離部、285 第2アナログ通信部、300 サーバ、310 制御部、L1 2線ケーブル、N1 ネットワーク。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8