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特開2023-6423ラベル印刷システム及びラベル印刷方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006423
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】ラベル印刷システム及びラベル印刷方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/02 20060101AFI20230111BHJP
   B41M 5/26 20060101ALI20230111BHJP
   B41J 2/475 20060101ALI20230111BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20230111BHJP
【FI】
G01N35/02 C
B41M5/26
B41J2/475 Z
B41J3/407
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109013
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】591083336
【氏名又は名称】株式会社ビー・エム・エル
(71)【出願人】
【識別番号】592053778
【氏名又は名称】株式会社日本設計工業
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健治
(72)【発明者】
【氏名】島嵜 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】石川 美明
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信広
(72)【発明者】
【氏名】名倉 慎太郎
【テーマコード(参考)】
2C065
2G058
2H111
【Fターム(参考)】
2C065AB01
2C065AD02
2C065AD07
2C065CA04
2C065CA07
2G058CB08
2G058GC02
2G058GC03
2G058GC05
2G058GC06
2G058GC09
2H111HA14
2H111HA23
2H111HA32
(57)【要約】
【課題】対象検体数が大量である場合でも分注後の検体の検体容器のラベルに対して印刷する。
【解決手段】本開示は、ラベル印刷システム1であって、検体容器10に貼付されるラベルと、検体を検体容器10に分注する分注装置から所定のラック移載装置へ搬送される搬送ライン7上の検体容器10のラベルに対して、検体容器10に収容された検体の検体情報を、UVレーザー光を照射して印字するレーザーマーカ24と、を備え、ラベルは、UVレーザー光を受けることによって発色する感熱シートである。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体容器に貼付されるラベルと、
検体を前記検体容器に分注する分注装置から所定の搬送先へ搬送される搬送ライン上の前記検体容器の前記ラベルに対して、前記検体容器に収容された検体の検体情報を、UVレーザー光を照射して印字するレーザーマーカと、を備え、
前記ラベルは、UVレーザー光を受けることによって発色する感熱シートである、ラベル印刷システム。
【請求項2】
前記検体情報が記録されるRFタグを有し、前記検体容器を支持するラックと、
前記ラックの前記RFタグの前記検体情報を読み込み可能な読込部と、を備え、
前記検体容器は、前記ラックに支持された状態で前記搬送ライン上を前記分注装置から前記所定の搬送先へ向かって搬送され、
前記レーザーマーカは、前記読込部によって読み込まれた前記ラックの前記RFタグの前記検体情報を、前記ラックが支持する前記検体容器の前記ラベルに対して印字する、請求項1に記載のラベル印刷システム。
【請求項3】
前記ラック及び前記検体容器の少なくとも一方を保持して前記ラックに支持された状態の前記検体容器を前記搬送ライン上の所定の位置に停止させる保持手段を、備え、
前記レーザーマーカは、前記保持手段によって保持された前記搬送ライン上の前記所定の位置の前記検体容器の前記ラベルに対して印字する、請求項2に記載のラベル印刷システム。
【請求項4】
前記保持手段によって前記搬送ライン上の前記所定の位置に保持された前記ラック及び前記検体容器を回転させる回転手段と、
前記回転手段によって前記所定の位置で回転している前記検体容器の前記ラベルの位置を検知するラベル検知手段と、を備え、
前記レーザーマーカは、前記ラベル検知手段による前記ラベルの検知に応じて前記ラベルに対して印字する、請求項3に記載のラベル印刷システム。
【請求項5】
前記読込部は、前記搬送ライン上の前記所定の位置又は前記所定の位置の直前の位置の前記ラックの前記RFタグの前記検体情報を読み込む、請求項3又は請求項4に記載のラベル印刷システム。
【請求項6】
ラベルを貼付した検体容器に対して検体を分注する第1工程と、
前記第1工程の後に、検体が分注された前記検体容器を所定の搬送先へ向かって搬送する第2工程と、
前記所定の搬送先へ向かって搬送される搬送ライン上の前記検体容器の前記ラベルに対して所定の情報をレーザーマーカによって印字する第3工程と、を含み、
前記ラベルは、UVレーザー光を受けることによって発色する感熱シートであり、
前記レーザーマーカは、前記ラベルに対してUVレーザー光を照射して印字する、ラベル印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ラベル印刷システム及びラベル印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、検体処理システムが記載されている。検体処理システムは、患者から採取した生体試料(血液)を前処理する前処理システムと、前処理の行われた生体試料の分析を行う自動分析装置とから構成される。前処理システムは、バーコードなどのラベラモジュールと分注モジュールとを含む。ラベラモジュールは、ラベルにバーコードをプリントし、さらに、プリントされたラベルを子検体容器に貼り付ける。分注モジュールには、ラベラモジュールから搬出された、親検体を搭載したホルダ、子検体を保持したホルダがそれぞれ搬入される。分注モジュールでは、分注処理動作が行われる。自動分析装置は、前処理システムで前処理された生体試料の成分を分析する。
【0003】
特許文献2には、血液容器等の分配装置が記載されている。血液容器等の分配装置は、採血管に貼付されたバーコードラベルの情報を読み取るバーコードリーダと、該バーコードリーダで読み取られた情報に基づく仕分け指示情報を採血管に貼付されたバーコードラベルの空白部分に印字するインクジェッター式プリンタとを備える。採血管の表面には、検体主に関する患者情報や検査依頼項目及び受付番号やシーケンシャル番号等がバーコード化されたバーコードラベルが貼着されている。バーコードリーダは、採血管に貼付されたバーコードラベルの患者情報等を読み取った後、該情報を分配装置に配設されたマイクロプロセッサまたは外部ホストコンピュータへと入力し、マイクロプロセッサまたはホストコンピュータは、この読み取られた患者情報に対応する検査項目毎の仕分け指示情報をプリンタを介して採血管に貼付されたバーコードラベル或は情報書き込みラベルの空白部分に印字する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5695071号公報
【特許文献2】実開平6-59937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の検体処理システムでは、分注後の子検体の検体容器には、ラベラモジュールによってバーコードラベルが貼り付けられている。しかし、分注後の子検体の検体容器のラベルには、患者情報や検査項目等の検体情報が印字されているわけではないので、目視によって子検体の検体情報を確認することができない。目視によって子検体の検体情報を確認可能とするために、特許文献2に記載の分配装置のように、採血管(検体容器)に貼付されたラベルに対して、インクジェッター式プリンタによって検体情報を印字することが考えられる。しかし、特許文献2に記載の分配装置では、対象検体数が比較的少ない施設(例えば、病院等)の場合には、所定の時間内に所望の検体数を処理できる可能性はあるが、対象検体数が大量(例えば、1日当たり約20万以上)の施設(例えば、登録衛生検査所などの検査機関)の場合には、単位時間当たりの処理能力が低く、所定の時間内に所望の検体数を処理できないおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、対象検体数が大量である場合でも分注後の検体の検体容器のラベルに対して検体情報を印刷することが可能なラベル印刷システム及びラベル印刷方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ラベル印刷システムであって、検体容器に貼付されるラベルと、検体を前記検体容器に分注する分注装置から所定の搬送先へ搬送される搬送ライン上の前記検体容器の前記ラベルに対して、前記検体容器に収容された検体の検体情報を、UVレーザー光を照射して印字するレーザーマーカと、を備え、前記ラベルは、UVレーザー光を受けることによって発色する感熱シートである。
【0008】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様のラベル印刷システムであって、前記検体情報が記録されるRFタグを有し、前記検体容器を支持するラックと、前記ラックの前記RFタグの前記検体情報を読み込み可能な読込部と、を備え、前記検体容器は、前記ラックに支持された状態で前記搬送ライン上を前記分注装置から前記所定の搬送先へ向かって搬送され、前記レーザーマーカは、前記読込部によって読み込まれた前記ラックの前記RFタグの前記検体情報を、前記ラックが支持する前記検体容器の前記ラベルに対して印字する。
【0009】
本発明の第3の態様は、上記第2の態様のラベル印刷システムであって、前記ラック及び前記検体容器の少なくとも一方を保持して前記ラックに支持された状態の前記検体容器を前記搬送ライン上の所定の位置に停止させる保持手段を、備え、前記レーザーマーカは、前記保持手段によって保持された前記搬送ライン上の前記所定の位置の前記検体容器の前記ラベルに対して印字する。
【0010】
本発明の第4の態様は、上記第3の態様のラベル印刷システムであって、前記保持手段によって前記搬送ライン上の前記所定の位置に保持された前記ラック及び前記検体容器を回転させる回転手段と、前記回転手段によって前記所定の位置で回転している前記検体容器の前記ラベルの位置を検知するラベル検知手段と、を備え、前記レーザーマーカは、前記ラベル検知手段による前記ラベルの検知に応じて前記ラベルに対して印字する。
【0011】
本発明の第5の態様は、上記第3の態様又は上記第4の態様のラベル印刷システムであって、前記読込部は、前記搬送ライン上の前記所定の位置又は前記所定の位置の直前の位置の前記ラックの前記RFタグの前記検体情報を読み込む。
【0012】
本発明の第6の態様は、ラベル印刷方法であって、ラベルを貼付した検体容器に対して検体を分注する第1工程と、前記第1工程の後に、検体が分注された前記検体容器を所定の搬送先へ向かって搬送する第2工程と、前記所定の搬送先へ向かって搬送される搬送ライン上の前記検体容器の前記ラベルに対して所定の情報をレーザーマーカによって印字する第3工程と、を含み、前記ラベルは、UVレーザー光を受けることによって発色する感熱シートであり、前記レーザーマーカは、前記ラベルに対してUVレーザー光を照射して印字する。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、対象検体数が大量である場合でも分注後の検体の検体容器のラベルに対して検体情報を印刷することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の一実施形態に係るラベル印刷システムを有する検体仕分けシステムの概略図である。
図2】ラック及びラックに支持された検体容器の側面図である。
図3図2のIII-III矢視断面図である。
図4】ラベルの静的感度特性を示す説明図である。
図5】ラベルの動的感度特性を示す説明図である。
図6】ラベル印刷システムの概略図である。
図7】レーザーマーカの説明図であって、(a)は印字前の状態を、(b)はラベル検知信号を受信するときの状態を、(c)は印字開始の状態を、(d)は印字終了の状態をそれぞれ示す。
図8】本実施形態に係るラベル印刷方法を説明するフローチャートである。
図9】ラベル印刷システム1の処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施形態に係るラベル印刷システム1を有する検体仕分けシステム100の概略図である。図2は、ラック11及びラック11に支持された検体容器10の側面図である。図3は、図2のIII-III矢視断面図である。
【0017】
図1に示すように、本実施形態に係るラベル印刷システム1は、大量(例えば、1日当たり約20万以上の検体数)の検体(例えば、血液検体)を処理する施設(例えば、登録衛生検査所などの検査機関)の検体仕分けシステム100において使用される。
【0018】
検体仕分けシステム100は、親検体投入部2と、情報管理装置3と、分注装置4と、複数のラック移載装置5と、コンベア等の搬送装置6と、ラベル印刷システム1とを備える。親検体投入部2から投入された親検体は、分注装置4によって親検体から子検体に分注された後、各子検体の検査項目に対応する所定のラック移載装置(搬送先)5へ向かって搬送装置6によって搬送される。本実施形態に係るラベル印刷システム1は、分注装置4からラック移載装置5への搬送ライン7の途中に設けられる。搬送ライン7とは、コンベア等の搬送装置6によって分注装置4から搬送される検体容器10の搬送ルートを示す。なお、以下の説明において、上流側とは、搬送装置6による搬送方向の上流側を意味し、下流側とは、搬送装置6による搬送方向の下流側を意味する。
【0019】
親検体投入部2は、検体仕分けシステム100への親検体の投入部であって、ラック(図示省略)に載置された親検体が投入される。親検体のラックには、バーコード又はRFタグ等の記録部が付されており、この記録部には、ラック固有の識別子としてのIDが記録されている。親検体投入部2では、投入された親検体のラックのIDが読み取られ、情報管理装置3へ送信される。
【0020】
情報管理装置3は、ラックのIDと係るラックに支持されている検体の情報(以下、「検体情報」という。)とを対応付けて管理している。検体情報には、各親検体から検査項目に応じて1つ又は複数の子検体へ分注するために必要な情報(以下、「分注情報」という。)が含まれる。検体情報には、分注情報の他にも、例えば、被検体者に関する情報(氏名、年齢等)、親検体のID、検査項目、日付(処理日)、仕分先名などが含まれる。
【0021】
分注装置4は、親検体投入部2で読み取った親検体のラックのIDと、情報管理装置3に記憶される分注情報とに基づいて、親検体から子検体(検体)を検体容器10へ分注する。子検体を分注する際の検体容器10には、ラベル12が予め貼付されている。分注装置4は、ラック11に支持された状態(図2に示す状態)の検体容器10に対して子検体を分注する。分注後の検体容器10は、ラック11に支持された状態で、検査項目に対応するラック移載装置5へ向かって搬送装置6によって搬送される。
【0022】
図2及び図3に示すように、検体容器10は、検体を収容可能な容器であって、透光性(透明)の材料によって、有底円筒状に形成される。
【0023】
検体容器10に貼付されるラベル12は、UV(ULTRAVIOLET(紫外線))レーザー光を受けることによって発色可能な感熱シート(本実施形態では感熱紙)であって、検体容器10の表面に貼付される。ラベル12の貼付角度θ(検体容器10の周方向のラベル12の一端と他端との間の検体容器10の中心角度θ)は、180度よりも小さく設定される。本実施形態では、ラベル12の貼付角度θは、140度に設定される。ラベル12には、検体容器10の固有の識別子としてのIDが記録されたバーコード16が付されている。なお、ラベルとは、情報を表示するために検体容器10に貼付するものをいう。また、感熱シートとは、UVレーザー光からの熱エネルギを受けることによって発色可能なシートをいう。また、ラベル12の貼付角度θは、140度に限定されるものではない。
【0024】
図4は、ラベルの静的感度特性を示す説明図である。図5は、ラベルの動的感度特性を示す説明図である。
【0025】
図4及び図5に示すように、ラベル12は、静的感度が低く、動的感度が高い感熱紙P1が好ましい。静的感度特性は、感熱紙の環境温度に対する発色特性を示すものであって、温度と発色濃度との関係で表される。複数の感熱紙を比較した際に、所定の環境温度のときに発色濃度が低い方を静的感度が低いという。図4では、感熱紙P1の方が感熱紙P2よりも静的感度が低い。動的感度特性は、実際に使用した際の発色特性を示すものであって、印字エネルギーと発色濃度との関係で表される。複数の感熱紙を比較した際に、所定の印字エネルギーのときに発色濃度が高い方を動的感度が高いという。すなわち、同じ発色濃度で比較した際に低い印字エネルギーで印字可能な方を動的感度が高いという。図5では、感熱紙P1の方が感熱紙P2よりも動的感度が高い。本実施形態に係るラベル12は、感熱紙P1である。
【0026】
図2に示すように、ラック11は、1つの検体容器10を起立した状態に支持する部材であって、有底の円筒状に形成される。ラック11の内周面は、上方へ開放される容器挿入空間14を区画する。容器挿入空間14は、検体容器10を上方から挿入可能な大きさに設定される。ラック11の下部には、ラック11の外周面から径方向内側へ凹んだ状態で周方向に延びる係止溝15が形成される。係止溝15は、ラック11の全周域に亘って延びる。ラック11の係止溝15よりも下方には、RF(RADIO FREQUENCY)タグ13が設けられる。例えば、RFタグ13は、ラック11の係止溝15よりも下方の領域に埋め込まれている。
【0027】
ラック11のRFタグ13には、当該ラック11が支持している検体容器10(以下、単に「検体容器10」という。)を分注装置4から所定のラック移載装置(搬送先)5へ搬送するために使用される仕分情報、検体容器10内の子検体のIDを含む子検体情報、親検体のIDを含む親検体情報、検体容器10のラベル12に印字するための印字情報などが記録される。これらの情報は、分注装置4によって親検体から子検体を分注する分注工程において、情報管理装置3に記憶される検体情報から抽出されてRFタグ13に記録される。印字情報は、例えば、情報管理装置3に記憶される検体情報のうち、親検体のID、検査項目、日付(処理日)、仕分先名などである。すなわち、RFタグ13に記録される印字情報は、その検体容器10内の子検体に関する検体情報(所定の情報)である。RFタグ13は、後述するリーダ・ライタ22のアンテナ22aとの間で非接触状態でデータを送受信可能となっている。
【0028】
ラック移載装置5は、ラック11に保持される検体容器10を、当該ラック11から図示しない他のラック(例えば、複数本の検体容器10を支持可能なラック。)に移載するための装置であって、分注装置4側からの搬送ライン7の下流側に複数設けられる。搬送装置6は、分注装置4側から複数のラック移載装置5へ枝分かれするツリー状に設けられる。すなわち、搬送ライン7には複数の分岐部8(図1参照)が設けられる。各ラック移載装置5は、検体の検査項目に対応している。
【0029】
図6は、ラベル印刷システム1の概略図である。
【0030】
本実施形態に係るラベル印刷システム1は、分注装置4からラック移載装置5への搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して、検体容器10内の検体の情報(検体情報)を印字するシステムである。すなわち、ラベル印刷システム1は、検体を検査する前の検査前処理において使用される。検査前処理には、検体を検体容器10に分注する分注工程(第1工程)、分注された検体をその検査項目に応じたラック移載装置5へ仕分けながら搬送する搬送工程(第2工程)、検体容器10のラベル12に印字する印字工程(第3工程)が含まれる。
【0031】
ラベル印刷システム1は、検体を収容する検体容器10に貼付されるラベル12(図2参照)と、検体容器10を支持するラック11と、搬送ライン7に設けられるホイール(保持手段)20と、搬送ライン7に設けられるターンテーブル(回転手段)21と、ラック11のRFタグ13の印字情報を読み込み可能なリーダ・ライタ(読込部)22と、検体容器10のラベル12を検出するラベル検知センサ(ラベル検知手段)23と、検体容器10のラベル12に印字可能なレーザーマーカ24とを備える。
【0032】
ホイール20は、搬送中の検体容器10及びラック11を保持して、検体容器10及びラック11を搬送ライン7上の所定の位置(図6中にターンテーブル21が設けられている位置)に停止させることが可能な部材であって、上下方向と交叉する略円板状に形成される。ホイール20は、上下方向に延びる回転軸CL1(軸心)を中心として回転可能となっている。ホイール20の回転軸CL1は、ホイール20の中心に位置する。ホイール20の外周縁部には、径方向内側へ切り欠かれた複数(本実施形態では、16箇所)の凹部20aが形成される。複数の凹部20aは、ホイール20の周方向に等角度間隔に形成される。上記所定の位置は、ホイール20の凹部20aの移動軌跡上に配置される。ホイール20は、各凹部20aが上記所定の位置に所定時間(例えば、1秒~1.5秒間)停止するように、凹部20aの間隔と同じ角度を間歇的に回転する。複数の凹部20aは、半円状に形成される。ホイール20の板厚は、ラック11の係止溝15(図2参照)よりも薄く、ホイール20は、搬送ライン7上のラック11の係止溝15内に進入可能な高さ位置に配置される。ホイール20の複数の凹部20a間の凸部20bは、搬送ライン7の上流側から搬送される複数の検体容器10のラック11間に入り込み、一方の検体容器10及びラック11と他方の検体容器10及びラック11とを仕切る。ホイール20の径方向外側に離間した位置には、ホイール20の凹部20aに入り込んだ検体容器10及びラック11が径方向外側へ移動しないように、ホイール20の周方向に延びる壁部25が設けられる。壁部25は、ホイール20よりも上流側の搬送ライン7a及びホイール20よりも下流側の搬送ライン7bを除く領域に設けられる。ホイール20の回転方向は、検体容器10及びラック11を上流側の搬送ライン7aから上記所定の位置を経由して下流側の搬送ライン7bへ案内するように(本実施形態では、上面視において反時計回りに)設定される。すなわち、検体容器10及びラック11の搬送ライン7は、ホイール20よりも上流側の搬送ライン7aから上記所定の位置を経由してホイール20よりも下流側の搬送ライン7bへ連続する。
【0033】
ターンテーブル21は、ホイール20によって上記所定の位置に停止した検体容器10及びラック11を、上下方向に延びる回転軸CL2(軸心)を中心として回転させる部材であって、搬送ライン7の上記所定の位置に設けられる。ターンテーブル21は、上下方向と交叉する円板状に形成され、上下方向に延びる回転軸CL2を中心として所定の回転速度(例えば、105rpm)で回転する。ターンテーブル21は、上記所定の位置のラック11の下方に位置し、ラック11を下方から支持する。本実施形態では、ターンテーブル21は、ラベル印刷システム1が作動している間は常時回転している。検体容器10及びラック11は、上流側の搬送ライン7aからホイール20によって案内されて上記所定の位置のターンテーブル21上に到達すると、ターンテーブル21の回転に伴って回転する。本実施形態では、ターンテーブル21は、ホイール20が上記所定の位置に停止している間に、検体容器10及びラック11を複数回回転させる。なお、ホイール20が停止している間にターンテーブル21を回転させて、ホイール20が回転している間はターンテーブル21を停止させるように、ターンテーブル21を間欠的に回転させてもよい。この場合、ターンテーブル21を回転・停止するタイミングを、ホイール20が停止・回転するタイミングに一致させてもよい。
【0034】
リーダ・ライタ22は、RFタグ13に対して情報を書き込み可能、かつRFタグ13に記録された情報を読み込み可能な装置であって、ラック11のRFタグ13の印字情報を読み込み可能なアンテナ22aを有する。リーダ・ライタ22のアンテナ22aは、上記所定の位置の直前の位置に配置される。上記所定の位置の直前の位置は、上記所定の位置に停止している所定の凹部20aの1つ手前の凹部20a(次に上記所定の位置に移動する凹部20a)に支持されるラック11のRFタグ13を読み込み可能な位置である。本実施形態では、リーダ・ライタ22のアンテナ22aの配置位置は、上記所定の凹部20aの1つ手前の凹部20aに支持されるラック11の下方の位置である。リーダ・ライタ22は、アンテナ22aによって、上記所定の位置の直前の位置のラック11のRFタグ13から印字情報を読み込む。
【0035】
ラベル検知センサ23は、検体容器10のラベル12を検知するセンサであって、上記所定の位置の検体容器10のラベル12を検知対象とする。例えば、ラベル検知センサ23は、ターンテーブル21の回転に伴って回転する検体容器10のラベル12の回転方向の前側の端縁12a(図7参照)を検知することによって、ラベル12を検知する。ラベル検知センサ23は、ラベル12を検知すると、ラベル検知信号をレーザーマーカ24へ送信する。ラベル検知センサ23は、例えば、光を対象物側へ発射して、対象物から反射する光を受光することによって、対象物を検出する光電センサである。ラベル検知センサ23は、光がラベル12に遮られていない状態(透明の検体容器10を抜けている状態)から、光がラベル12によって遮られると、反射する光を受光して、ラベル12の前側の端縁12aを検知する。
【0036】
レーザーマーカ24は、検体容器10のラベル12に対してUVレーザー光を照射することによって非接触で印字可能な装置であって、上記所定の位置の検体容器10のラベル12に向かってUVレーザー光を照射する。なお、本実施形態に係るレーザーマーカ24は、例えば、キーエンス社のMD-U1000Cであって、その出力は、2.5W(パルス周波数40kHz時)である。本実施形態では、レーザーマーカ24のスキャン速度を2500mm/sに、パルス周波数を40kHzに、出力を80%に設定して、印字を行う。
【0037】
図7は、レーザーマーカの説明図であって、(a)は印字前の状態を、(b)はラベル検知信号を受信するときの状態を、(c)は印字開始の状態を、(d)は印字終了の状態をそれぞれ示す。
【0038】
レーザーマーカ24は、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号を受信する前は、UVレーザー光を照射しない(図7(a)参照)。なお、レーザーマーカ24は、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号の正確性を確保するために、検体容器10及びラック11が上記所定の位置のターンテーブル21の上方に到達してから一定時間の間、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号を受けない。レーザーマーカ24は、検体容器10及びラック11が上記所定の位置のターンテーブル21の上方に到達してから一定時間経過後に、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号を受信すると、リーダ・ライタ22によって直前に読み込まれた印字情報を検体容器10のラベル12に対して印字する。本実施形態では、レーザーマーカ24は、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号を受信すると(図7(b)参照)、係るラベル検知信号をトリガとして、予め設定される所定のタイミングでUVレーザー光を照射する。上記所定のタイミングは、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号を受信してからUVレーザー光の照射を開始するまでの時間、及びUVレーザー光の照射を停止するまでの時間である。すなわち、レーザーマーカ24は、ラベル検知信号を受信した後、検体容器10のラベル12がレーザーマーカ24の正面に到達してからUVレーザー光の照射を開始し(図7(c)参照)、検体容器10のラベル12の回転方向の後側の端縁12bが到達する前に(図7(d)参照)、印字を終了する。このように、レーザーマーカ24は、1つの検体容器10が上記所定の位置に停止している間に、検体容器10のラベル12に対する印字情報の印字を終了させる。レーザーマーカ24は、印字終了後、次の検体容器10及びラック11が上記所定の位置に到達するまでの間のラベル検知信号を受けない。停止していたホイール20が回転する際には、ラベル12に対する印字は終了しており、検体容器10は、そのラベル12に印字情報(検体容器10内の検体情報)が印字された状態で、上記所定の位置から下流側へホイール20に案内される。なお、ラベル検知センサ23からのラベル検知信号を受信した後、レーザーマーカ24からUVレーザー光を照射させる上記所定のタイミングは、検体情報をラベル12の好適な位置に印字可能なタイミングであって、実験やシミュレーション等によって導き出されたタイミングが予め設定される。
【0039】
図8は、本実施形態に係るラベル印刷方法を説明するフローチャートである。
【0040】
検体の検査前処理には、分注工程(第1工程)、搬送工程(第2工程)、及び印字工程(第3工程)が含まれる。なお、検査前処理は、上記各工程に加えて、上記各工程以外の処理を行う他の工程を含んでもよい。
【0041】
分注工程(ステップS1)は、親検体から子検体を空の検体容器10に分注する工程である。分注工程では、分注装置4によって、親検体から子検体を空の検体容器10に分注する。分注装置4によって親検体から子検体を分注する分注工程では、情報管理装置3に記憶される検体情報から、仕分情報、子検体情報、親検体情報、印字情報等を、ラック11のRFタグ13に記録する。
【0042】
搬送工程(ステップS2)は、分注工程の後、分注された検体(子検体)をその検査項目に応じたラック移載装置5へ向かって仕分けながら搬送する工程である。搬送工程では、分注工程において分注された検体を収容する検体容器10を、ラック11に挿入した状態で、搬送先であるラック移載装置5へ向かってコンベア等の搬送装置6によって搬送する。
【0043】
印字工程(ステップS3)は、搬送装置6によってラック移載装置5へ向かって搬送される搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して、UVレーザー光を照射して、印字情報(検体容器10内の検体情報)を印字する工程である。印字工程では、搬送ライン7上の上記所定の位置の検体容器10のラック11のRFタグ13に記録されている印字情報を、当該検体容器10のラベル12に対してラベル印刷システム1によって印字する。
【0044】
図9は、ラベル印刷システム1の処理(印字工程における処理)を説明するフローチャートである。本処理は、分注装置4側から搬送される複数の検体容器10のうち、ホイール20の間歇的な回転によって上記所定の位置に到達する各検体容器10毎に行われる。なお、このフローチャートにおいては、各ステップの入力と出力の関係を損なわない限り、各ステップの処理順序を入れ替えてもよい。
【0045】
本処理では、先ず、ラック11に支持された状態の検体容器10が搬送ライン7上の上記所定の位置の直前の位置に到着すると、リーダ・ライタ22がラック11のRFタグ13の検体情報を読み込む(ステップS31)。
【0046】
次に、検体容器10が搬送ライン7上の上記所定の位置に到達すると、ラック11に支持された状態の検体容器10をターンテーブル21によって回転させる(ステップS32)。
【0047】
次に、ラベル検知センサ23が、搬送ライン7上の上記所定の位置で回転する検体容器10のラベル12を検知して、ラベル検知信号をレーザーマーカ24へ送信する(ステップS33)。
【0048】
レーザーマーカ24は、ラベル検知信号を受信した後、上記所定のタイミングでUVレーザー光を照射して、上記所定の位置の検体容器10のラベル12に対して印字情報(検体容器10内の検体情報)を印字(ステップS34)する。レーザーマーカ24は、検体容器10が上記所定の位置に停止している間に、検体容器10のラベル12に対する印字情報の印字を終了する。
【0049】
このように、本実施形態に係るラベル印刷方法は、ラベル12を貼付した検体容器10に対して分注装置4で検体を分注した後、分注装置4から所定のラック移載装置5へ向かって搬送される搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して、検体容器10内の検体情報をレーザーマーカ24によって印字する。ラベル12は、感熱紙であり、レーザーマーカ24は、ラベル12に対してUVレーザー光を照射して印字する。
【0050】
上記のように構成されたラベル印刷システム1では、分注装置4から所定の搬送先であるラック移載装置5へ搬送される搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して、レーザーマーカ24によって印字する。このため、検体容器10に対して貼付する前のラベル12に対してプリンタ等によって印字し、その後、印字済みのラベル12を分注後の検体容器10に対して貼付する場合とは異なり、搬送ライン7上でラベル12を貼付しなくてもいいので、時間を短縮することができ、大量の検体を処理することができる。
【0051】
また、分注装置4から所定の搬送先であるラック移載装置5へ搬送される搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して、UVレーザー光を照射するレーザーマーカ24によって印字する。このため、搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して高速に印字することができるので、大量の検体を処理することができる。
【0052】
また、ラベル12に対して、UVレーザー光を照射するレーザーマーカ24によって印字するので、低エネルギーで印字することができる。このため、例えば、CO(炭酸ガス)レーザー等によって高エネルギーで印字する場合とは異なり、ラベル12が焦げて煤が発生することを防止することができる。
【0053】
また、ラベル12は、感熱紙であるので、通常の紙ラベル(感熱紙以外の紙ラベル)である場合に比べて、高速に印字することができ、印字時間を抑えることができる。
【0054】
また、ラベル12は、UVレーザー光を受けることによって発色可能な感熱シートであるので、UVレーザー光を照射するレーザーマーカ24によって、ラベル12に対して低エネルギーで良好に印字することができる。
【0055】
また、ラベル12は、静的感度が低く、動的感度が高い感熱紙P1であるので、レーザーマーカ24によってラベル12に対して低エネルギーで良好に印字することができる。
【0056】
また、リーダ・ライタ22が、検体容器10を支持するラック11のRFタグ13の印字情報を読み込み、読み込んだ印字情報をレーザーマーカ24がラベル12に印字する。このため、例えば、リーダ・ライタ22が検体容器10又はラック11から検体のIDを読み込み、読み込んだIDに対応する印字情報を情報管理装置3等から読み込み、読み込んだ印字情報をレーザーマーカ24によってラベル12に印字する場合とは異なり、搬送ライン7上の検体容器10のラベル12に対して少ない工程で高速に印字することができる。
【0057】
また、レーザーマーカ24は、ホイール20によって搬送ライン7上の上記所定の位置に保持された検体容器10のラベル12に対して印字する。このため、搬送ライン7上を搬送方向に移動している状態の検体容器10のラベル12に対して印字する場合とは異なり、ラベル12に対して正確に印字することができる。
【0058】
また、レーザーマーカ24は、ホイール20によって搬送ライン7上の上記所定の位置で回転する検体容器10のラベル12に対して印字する。このように、UVレーザー光を照射する位置に対して印字対象であるラベル12側を移動させるので、高速に印字することができる。
【0059】
また、ラベル検知センサ23が、搬送ライン7上の上記所定の位置で回転する検体容器10のラベル12を検知するので、レーザーマーカ24によって確実にラベル12に対して印字することができる。
【0060】
また、リーダ・ライタ22は、搬送ライン7上の上記所定の位置の直前の位置のラック11のRFタグ13の印字情報を読み込む。このように、搬送ライン7上の上記所定の位置に到達する直前のラック11のRFタグ13の印字情報を読み込むので、印字情報の読み込みを待つ必要がなく、読み込んだ印字情報をすぐにレーザーマーカ24によって印字することができる。また、搬送ライン7上の上記所定の位置に到達する直前のラック11のRFタグ13の印字情報を読み込むので、印字される前の印字情報を大量に記憶する必要がない。
【0061】
従って、本実施形態によれば、対象検体数が大量である場合でも、目視によって子検体の検体情報を確認可能とするために、分注後の検体の検体容器10のラベル12に対して検体情報を印刷することができる。
【0062】
なお、本実施形態では、搬送ライン7上の上記所定の位置の直前の位置で、リーダ・ライタ22によってラック11のRFタグ13の印字情報を読み込んだが、これに限定されるものではなく、例えば、搬送ライン7上の上記所定の位置の直前の位置よりも更に上流側でラック11のRFタグ13の印字情報を読み込んでもよい。あるいは、リーダ・ライタ22は、搬送ライン7上の上記所定の位置のラック11のRFタグ13の印字情報を読み込んでもよい。
【0063】
また、本実施形態では、ラベル検知センサ(ラベル検知手段)23を光電センサとしたが、これに限定されるものではなく、搬送ライン7上の上記所定の位置で回転する検体容器10のラベル12を検知可能であれば、他の様々なラベル検知手段を適用することができる。
【0064】
また、本実施形態では、検体容器10を搬送ライン7上の上記所定の位置で回転させたが、レーザーマーカ24によって印字可能であれば、検体容器10を回転させなくてもよい。
【0065】
また、本実施形態では、検体容器10を搬送ライン7上でホイール20によって保持し、搬送ライン7上の上記所定の位置に停止させたが、これに限定されるものではなく、レーザーマーカ24によって印字可能であれば、検体容器10を搬送ライン7上の上記所定の位置に停止させなくてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、検体容器10を支持しているラック11のRFタグ13の印字情報をリーダ・ライタ22によって読み込んで、読み込んだ印字情報をレーザーマーカ24によって印字したが、これに限定されるものではない。例えば、リーダ・ライタ22が検体容器10又はラック11から検体のIDを読み込み、読み込んだIDに対応する印字情報を情報管理装置3等から読み込み、読み込んだ印字情報をレーザーマーカ24によってラベル12に印字してもよい。
【0067】
また、本実施形態では、搬送中の検体容器10及びラック11を保持して、検体容器10及びラック11を搬送ライン7上の上記所定の位置に停止させる略円板状のホイール20を設け、係るホイール20を保持手段として機能させたが、保持手段はこれに限定されるものではない。保持手段は、搬送ライン7上の検体容器10及びラック11を保持して上記所定の位置に停止させることが可能であればよい。
【0068】
また、本実施形態では、検体容器10を搬送ライン7上の上記所定の位置で回転させるターンテーブル21を設け、係るターンテーブル21を回転手段として機能させたが、回転手段はこれに限定されるものではない。例えば、回転手段は、搬送ライン7上の上記所定の位置の検体容器10又はラック11の少なくとも一方の側面に接した状態で回転するローラ又はベルトであってもよい。
【0069】
また、本実施形態では、リーダ・ライタ22のアンテナ22aの配置位置を、上記所定の凹部20aの1つ手前の凹部20aに支持されるラック11の下方の位置としたが、これに限定されるものではなく、ラック11のRFタグ13の印字情報を読み込み可能な位置であれば、他の位置であってもよい。
【0070】
また、本実施形態では、ラベル12を、感熱紙としたが、これに限定されるものではなく、UVレーザー光の照射を受けることによって発色可能な感熱シートであればよい。例えば、ラベル12は、UVレーザー光の照射を受けることによって発色可能な樹脂フィルム製の感熱シートであってもよい。
【0071】
以上、本発明について、上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、当然に本発明を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0072】
1:ラベル印刷システム
4:分注装置
5:ラック移載装置(搬送先)
7:搬送ライン
10:検体容器
11:ラック
12:ラベル
13:RFタグ
20:ホイール(保持手段)
21:ターンテーブル(回転手段)
22:リーダ・ライタ(読込部)
23:ラベル検知センサ(ラベル検知手段)
24:レーザーマーカ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9