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  • 特開-作業用手袋 図1
  • 特開-作業用手袋 図2
  • 特開-作業用手袋 図3
  • 特開-作業用手袋 図4
  • 特開-作業用手袋 図5
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064272
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】作業用手袋
(51)【国際特許分類】
   A41D 19/00 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
A41D19/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174450
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】500510836
【氏名又は名称】株式会社ダイコープロダクト
(74)【代理人】
【識別番号】110001597
【氏名又は名称】弁理士法人アローレインターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】川北 康伸
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA12
3B033AA31
3B033AA32
3B033AB04
3B033AB05
3B033AB06
3B033AC07
(57)【要約】
【課題】 作業の安全性を確保しつつ、快適性を向上させた作業用手袋を提供する。
【解決手段】 着用者の指、掌および甲をそれぞれ覆う指部10、掌部20および甲部30を備え、甲部30は、通気孔を有する通気部31と、通気部31の表面側を覆うカバー部32とを備えており、カバー部32は、手首側に開口33が形成されるように通気部31に対して袋状に取り付けられている作業用手袋1である。通気部31は、甲部30の幅方向全体にわたって帯状に形成されていることが好ましく、カバー部32は、幅方向両側が掌部20に縫合されていることが好ましい。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の指、掌および甲をそれぞれ覆う指部、掌部および甲部を備え、
前記甲部は、通気孔を有する通気部と、前記通気部の表面側を覆うカバー部とを備えており、
前記カバー部は、手首側に開口が形成されるように前記通気部に対して袋状に取り付けられている作業用手袋。
【請求項2】
前記通気部は、前記甲部の幅方向全体にわたって帯状に形成されており、
前記カバー部は、幅方向両側が前記掌部に縫合されている請求項1に記載の作業用手袋。
【請求項3】
前記開口は、幅方向中央で分断されている請求項2に記載の作業用手袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業用手袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の作業用手袋として、特許文献1には、溶接作業用として好適な手袋が開示されている。この手袋は、溶接作業の際に火の粉が表面に付着しても火傷等が生じないように、縫合手法の工夫が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3189733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示されているように、溶接作業に使用される作業用手袋は、耐熱性等を高めるために厚手の素材を使用することが一般的であるため、特に夏場においては、手袋内の蒸れによる不快感が増大するという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、作業の安全性を確保しつつ、快適性を向上させた作業用手袋の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の前記目的は、着用者の指、掌および甲をそれぞれ覆う指部、掌部および甲部を備え、前記甲部は、通気孔を有する通気部と、前記通気部の表面側を覆うカバー部とを備えており、前記カバー部は、手首側に開口が形成されるように前記通気部に対して袋状に取り付けられている作業用手袋により達成される。
【0007】
この作業用手袋において、前記通気部は、前記甲部の幅方向全体にわたって帯状に形成されていることが好ましく、前記カバー部は、幅方向両側が前記掌部に縫合されていることが好ましい。
【0008】
前記開口は、幅方向中央で分断されていることがより好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作業の安全性を確保しつつ、快適性を向上させた作業用手袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る作業用手袋の正面図である。
図2図1に示す作業用手袋の背面図である。
図3図1に示す作業用手袋の側面図である。
図4図1に示す作業用手袋を一部切り欠いて示す正面図である。
図5図1に示す作業用手袋の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る作業用手袋を甲側から見た正面図であり、図2は、図1に示す作業用手袋を掌側から見た背面図である。また、図3は、図1に示す作業用手袋を親指側から見た側面図である。図1から図3に示すように、作業用手袋1は、掌側部材100および甲側部材200の縁部同士が縫合部2,3で縫合されている。この作業用手袋1は右手用であり、着用者の指、掌および甲をそれぞれ覆う指部10、掌部20および甲部30を備えている。指部10は掌側部材100および甲側部材200によって、掌部20は掌側部材100によって、甲部30は甲側部材200によって、それぞれ構成される。
【0012】
掌側部材100および甲側部材200の手首側には筒状の裾部300が縫合されており、裾部300の開口端から手を挿入することができる。掌側部材100、甲側部材200および裾部300の材料は特に限定されないが、作業用手袋1を溶接用として使用する場合には、皮革や耐熱繊維等の耐熱性の素材で形成することが好ましい。裾部300の形状や長さは特に限定されるものではなく、あるいは裾部300を備えない構成にすることもできる。
【0013】
図3に示すように、甲部30は、一部が互いに重なり合うように配置された指側部30aと手首側部30bとを備えている。手首側部30bは、甲部30の幅方向全体にわたって帯状に形成された通気部31を指側に備えており、通気部31の指側縁部が、指側部30aの裏面側に縫合部35で縫合されている。指側部30aが通気部31の表面側を覆う部分は、カバー部32を構成する。
【0014】
図4は、図1に示す作業用手袋1のカバー部32を切り欠いて示す正面図である。図4に示すように、通気部31は、多数の通気孔を有するメッシュ部材からなり、通気孔を介して作業用手袋1の内外で空気を流通させることができる。通気部31の通気孔の大きさは、少なくとも肉眼で視認可能な程度であればよく、特に限定されるものではない。通気部31の配置も特に限定されないが、手の甲側における指の付け根の関節(MP関節)近傍に形成されることが好ましく、これによって作業用手袋1内のスムーズな換気を促すことができる。本実施形態の通気部31は、手首側部30bの他の部分と別材料により形成して縫合部36で縫合しているが、手首側部30bの全体を同一材料として、1または複数の貫通孔を形成することにより通気部31を形成してもよい。
【0015】
図5は、作業用手袋1を手首側から見た斜視図である。図3および図5に示すように、カバー部32は、通気部31の全体を被覆しており、幅方向両側が縫合部2,3において掌部20に縫合されると共に、指側が縫合部35において通気部31の縁部に縫合されている。これにより、カバー部32は、着用者の手首側に開口33が形成されるように、通気部31に対して袋状に取り付けられている。カバー部32の開口33側の縁部は、幅方向中央が固定部34において手首側部30bに縫合されており、開口33が固定部34において幅方向に分断されている。開口33の分断は、固定部34における縫着以外に接着等であってもよく、あるいは、面ファスナーやスナップボタン等で着脱可能に固定してもよい。開口33の分断箇所は、カバー部32の幅方向中央が好ましいが、他の箇所であってもよく、複数箇所で分断することもできる。但し、開口33の分断は必須ではなく、固定部34を備えない構成であってもよい。
【0016】
上記の構成を備える作業用手袋1は、カバー部32が通気部31に対して袋状に取り付けられており、カバー部32の指側および幅方向両側が閉塞されて、手首側に開口33が形成されているため、例えば溶接作業中に発生する火の粉などが、開口33を介して通気部31に到達するのを抑制することができる。したがって、作業の安全性を確保しつつ、通気部31での通気を行うことができる。また、開口33が手首側に形成されていることで、作業中に手を握るとカバー部32が指側に引っ張られて開口33が広がるため、通気部31を介した換気を確実に行うことができる。開口33は、本実施形態のように幅方向中央で分断されていることが好ましく、これによって開口33が必要以上に広がるのを確実に防止することができる。
【0017】
通気部31は、本実施形態のように甲部30の幅方向全体にわたって帯状に形成されていることが好ましく、これによって作業用手袋1の内部全体の換気を確実に行うことができる。また、カバー部32は、幅方向両側を掌部20に縫合することにより、従来の縫製手袋と同様の手順で作業用手袋1を効率良く製造することができる。但し、通気部31は、甲部30に対して幅方向の一部のみに形成してもよく、カバー部32は、甲部30とは別体として部分的に取り付けてもよい。
【0018】
本実施形態の作業用手袋1は、溶接作業において好適に使用することができるが、必ずしもこの用途に限定されるものではなく、例えば、作業対象から液流、気流、粉塵、衝撃等が発生する場合や、作業対象が鋭利物等の場合に、作業者の手を効果的に保護しつつ、良好な装用感を得ることができる。
【符号の説明】
【0019】
1 作業用手袋
10 指部
20 掌部
30 甲部
31 通気部
32 カバー部
33 開口
34 固定部
図1
図2
図3
図4
図5