(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064357
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】介護用移動式人体吊り上げリフト
(51)【国際特許分類】
A61G 7/14 20060101AFI20230501BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
A61G7/14
A61H1/02 R
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174592
(22)【出願日】2021-10-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】301027568
【氏名又は名称】下山 強
(72)【発明者】
【氏名】下山 強
【テーマコード(参考)】
4C040
4C046
【Fターム(参考)】
4C040AA08
4C040HH02
4C040JJ02
4C040JJ08
4C046AA03
4C046AA26
4C046AA27
4C046AA43
4C046BB07
4C046BB15
4C046CC01
4C046CC04
4C046DD07
4C046DD13
4C046DD36
4C046DD41
(57)【要約】 (修正有)
【課題】介護施設において被介護人の足がつく程度に吊り上げ下の世話が容易にでき、歩行訓練リハビリや車椅子としても使用できる介護用移動式人体吊り上げリフトを提供する。
【解決手段】略コの字型の左右前方をハの字状に拡開し下面に複数個のキャスター2を設けた脚部台座本体1と、中空部材で立設した二本の主柱部4に軸支されたストッパー7付の可動可能な折りたたみ式椅子6と、主柱部4に可動可能に軸支された略コの字型の腕木14の受け台15と腕木の前後に把持部16・17を設け、門型の二本の脚部をスライド可能に嵌入した門柱部10の二本の脚部に高さ調整用の複数個の固定ピン孔11を貫穿して固定ピン12で係止し、門柱部の上部中央位置に2枚の挟持板に可動可能に軸支された吊り上げ部20を形成し、主柱部4と一体化した架設板3に固定したウィンチに卷着した、フック付ワイヤを吊り上げ部の前後に設けたガイドローラー22に懸架する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略コの字型の左右前方をハの字状に拡開し下面に複数個のキャスターを設けた脚部台座本体と、該脚部台座本体の後方2カ所の角部から中空部材で上方に二本立設させ背面下部にストッパー止めと背面上部の架設板とを固着一体化した主柱部と、該架設板に固着されたワイヤ装備のウィンチと、前記主柱部の二本の間隙に軸ピンで可動可能に内設された折りたたみ式椅子と、前記主柱部に略コの字型の適宜位置に軸ピンにより水平位置から上方に可動可能に圧接軸支された腕木と、前記主柱部の上部二つの開口部に門型に形成した二つの脚部をスライド可能に嵌入する門柱部と、該門柱部の上部中央位置に後部を突出させ直交固着した2枚の挟持板により、稼働可能に軸支された吊り上げ部とから構成され、前記折りたたみ式椅子背面部の左右に二段折りに軸支したストッパーを設け、該ストッパーの先端部を架設棒で固着一体化し後方の前記ストッパー止めに係止させ、前記主柱部の二本の前面に固着し外側にそれぞれ突出させた受け台に前記略コの字型の腕木を水平保持し、さらに前記略コの字型腕木の左右の前部を内側に屈曲させて前方把持部とし後部を前記主柱部の背後から突出するよう形成して後方把持部とし、前記門柱部の二つの脚部の前後にそれぞれ水平同レベルになるように貫穿した複数個の固定ピン孔を形成し、貫入する固定ピンの前後の周面に形成した嵌合部で嵌合係止させ、前記ウィンチに逆転防止機能と先端にフックのついたワイヤを卷着し、前記2枚の挟持板の前部に前記吊り上げ部を水平に保持する受け板と後部に傾斜角用の固定ピン孔を設け、貫入する固定ピンの周面に嵌合部を形成し、前記吊り上げ部の前後に設けられたガイドローラーに前記フックの付いたワイヤを懸架したことを特徴とする、介護用移動式人体吊り上げリフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護施設などにおいて被介護人の足が付く程度に浮かせて排泄や下の世話が容易にでき、さらに歩行訓練等のリハビリにも使用できる介護用移動式人体吊り上リフトに関する。
【背景技術】
【0002】
市販の介護用吊り上げリフトは各種開発されており、ベットの近傍に設置する固定式タイプやキャスター付きの移動式タイプのものなどがあるが、それらのほとんどは出願がされていない。
原因としては、ほとんどの構成部品が従来から存在するものであることと、また機能構成上から誰が考えても同じような形状になるためと思われる。
【0003】
さらに吊り上げリフトとセットで使用される被介護人の装着具については、従来品は介護よりも災害等のヘリ救助を目的に開発されたものが多く、安全面を優先し安定した状態で吊り上げるために、そのほとんどが座面式で座らせるタイプ(以下座面式と称す)のものであり、そのため介護施設等では座面式タイプでは使用目的が限定されてしまうという問題が生じていた。
【0004】
例えば、被介護人の下着の取り換えや排泄物の処理など下の世話には使えず、また高価なリフトをレンタルする際には、座面式タイプの装着具の買い取りが条件になるという経済的な問題もあり、知人が実際に座面式タイプ装着具を買い取ってリフトをレンタルしたものの、座面式タイプの装着具では本来の目的に使用できないという問題があった。
【0005】
知人が数年に亘る身内の老々介護の大変さから、既存のレンタル商品を探しても相応の商品が見当たらないため、自らの経験を活かして開発した商品である。(特許文献2参照)
本発明は、上記の事象に鑑み特許文献2の人体吊り上げ用補助具に対応したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2017-104281公報
【特許文献2】特許第6890913号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の介護用リフト装置は、座面式タイプのため姿勢制御用のジャイロセンサーや複数のセンサー類を始め、二段式アームとそれぞれにワイヤ駆動部の他、本体部・制御部・操作部など先端技術を駆使した重装備であり、結果的に非常に高額なリフト装置となっている。
【0008】
高齢化社会と言われてから久しいが、介護分野においては現場で本当に必要とされる商品開発は意外に遅れており、また介護職は体力的にもきつく若者の定着率が低いことが社会問題化しており、介護施設の現場では実情に即した廉価な商品の開発が望まれていた。
【0009】
特許文献2の発明者は年齢的な問題もあり、自らが経験した老々介護の大変さからも一刻も早い商品化を望んでいることから、上記の問題を解決して廉価なリフトとセットでの普及を目指し広く世の中に提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
略コの字型の左右前方をハの字状に拡開し下面に複数個のキャスターを設けた脚部台座本体と、脚部台座本体1の後方2カ所の角部から中空部材で上方に二本立設させ背面下部にストッパー止め9と背面上部の架設板3とを固着一体化した主柱部4と、架設板3に固着されたワイヤ装備のウィンチ18と、主柱部4の二本の間隙に軸ピン5で可動可能に内設された折りたたみ式椅子6と、主柱部4に略コの字型の適宜位置に軸ピン5aで水平位置から上方に可動可能に圧接軸支された腕木14と、主柱部4の上部二つの開口部に門型に形成した二つの脚部をスライド可能に嵌入する門柱部10と、門柱部10の上部中央位置に後部を突出させ直交固着した2枚の挟持板19により、稼働可能に軸支された吊り上げ部20とから構成されている。
折りたたみ式椅子6背面部の左右に二段折りに軸支したストッパー7を設け、ストッパー7の先端部を架設棒8で固着一体化し後方のストッパー止め9に係止させ、主柱部4の二本の前面に固着し外側にそれぞれ突出させた受け台15に略コの字型の腕木14を水平保持し、さらに略コの字型腕木14の左右の前部を内側に屈曲させて前方把持部16とし後部を主柱部4の背後から突出するように形成して後方把持部17とし、門柱部10の二つの脚部の前後にそれぞれ水平同レベルになるように貫穿した複数個の固定ピン孔11を形成し、貫入する固定ピン12の前後の周面に形成した嵌合部13で嵌合係止する。
ウィンチ18には逆転防止機能と先端にフックのついたワイヤを卷着し、2枚の挟持板19の前部に吊り上げ部20を水平に保持する受け板21と後部に傾斜角用の固定ピン孔11aを設け、貫入する固定ピン12aの周面に嵌合部13aを形成し、吊り上げ部20の前後に設けられたガイドローラー22にフックの付いたワイヤを懸架したことを特徴とする、介護用移動式人体吊り上げリフト。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、介護施設では現場の実態に即した介護用器具が少ないことから、知人が数年に亘る身内の老々介護の経験から開発した特許文献2に対応するものであり、従来の座面式タイプでは困難だった被介護人の下の世話も容易にできる。
さらに移動の際には車椅子としての代用や歩行訓練機としても使用でき、介護人の身体的負担を軽減するため使い易さを前提に開発した、廉価な介護用移動式人体吊り上げリフトである。
【0012】
本発明は、被介護人を宙吊りではなく、足が着く程度に身体を浮かせる状態で使用するため、高さ調整が可能であり被介護人の身長に合わせて高さ調整をし、さらに両サイドの腕木14を水平に倒してその上に両腕を乗せ前方の把持部16を握ることで、被介護人の下向きに掛かる自重を軽減することができる。
また脚部台座本体1の前方のキャスター2は自在型のため方向転換が最小範囲内で行える。
【0013】
被介護人を移動する際には折りたたみ式椅子6を前方に起こして座らせ、車椅子の代用とすることで移動毎に車椅子に乗せ換える手間が省け、介護人はリフトの後方把持部17を握ることで安全にリードができ、任意の位置で後方のストッパー付キャスター2でリフトの移動を停止して固定できる。
さらに高齢化に伴い足腰が弱った被介護人のリハビリ用歩行器としても使え、平坦な地面では屋外での歩行訓練も可能である。
【0014】
本発明は脚部台座本体1の先がハの字状に形成されているため安定性があり、また吊り上げ部20はフックによる1本吊りのため、被介護人の身体を回転させ方向転換が容易にできる。
例えば、ベット脇に本リフトを設置し脚部台座本体1のハの字部分に収容した車椅子に、被介護人を吊り上げ後に回転させて座らせることも一人で容易に行える。
従来は介護人が2人掛かりの作業であったトイレや入浴においても同様である。
【0015】
本発明は吊り上げ部20を使用状況に合わせて水平と傾斜角とが選べ、また吊り上げ部20の重心は基点の軸ピン5bより前方にあるため、吊り上げ部20の落下防止に受け板21が設けられ移動の際には水平にして高さを抑え、通常使用時には吊り上げ部20を傾斜させることができる。
さらに収納時には、吊り上げ部20を傾斜させることでハの字状の脚部台座本体1と相俟ってリフト前方を先広がりにすることができ、リフトを順に押し込めるので場所を取らない。
【0016】
本発明は、門柱部10の左右の高さ調整用の固定ピン孔11に貫入する固定ピン12の前後の周部に形成した嵌合部13で、主柱部4の二つの開口部と門柱部10の固定ピン孔11の断面肉厚を嵌合することで、吊り上げ荷重により固定ピン12の脱落防止をする安全仕様である。
なお、吊り上げ部20を固定する際の固定ピン12aにおいても同様である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図5】本発明の折りたたみ式椅子使用時の状態説明図
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は、介護施設などで使用する移動式の人体吊り上げリフトであって、略コの字型の左右前方をハの字状に拡開し下面に複数個のキャスターを設けた脚部台座本体と、脚部台座本体1の後方2カ所の角部から中空部材で上方に二本立設させ背面下部にストッパー止め9と背面上部の架設板3とを固着一体化した主柱部4と、架設板3に固着されたワイヤ装備のウィンチ18と、主柱部4の二本の間隙に軸ピン5で可動可能に内設された折りたたみ式椅子6と、主柱部4に略コの字型の適宜位置に軸ピン5aで水平位置から上方に可動可能に圧接軸支された腕木14と、主柱部4の上部二つの開口部に門型に形成した二つの脚部をスライド可能に嵌入する門柱部10と、門柱部10の上部中央位置に後部を突出させ直交固着した2枚の挟持板19により、稼働可能に軸支された吊り上げ部20とから構成されている。
折りたたみ式椅子6背面部の左右に二段折りに軸支したストッパー7を設け、ストッパー7の先端部を架設棒8で固着一体化し後方のストッパー止め9に係止させ、主柱部4の二本の前面に固着し外側にそれぞれ突出させた受け台15に略コの字型の腕木14を水平保持し、さらに略コの字型腕木14の左右の前部を内側に屈曲させて前方把持部16とし後部を主柱部4の背後から突出するように形成して後方把持部17とし、門柱部10の二つの脚部の前後にそれぞれ水平同レベルになるように貫穿した複数個の固定ピン孔11を形成し、貫入する固定ピン12の前後の周面に形成した嵌合部13で嵌合係止する。
ウィンチ18には逆転防止機能と先端にフックのついたワイヤを卷着し、2枚の挟持板19の前部に吊り上げ部20を水平に保持する受け板21と後部に傾斜角用の固定ピン孔11aを設け、貫入する固定ピン12aの周面に嵌合部13aを形成し、吊り上げ部20の前後に設けられたガイドローラー22にフックの付いたワイヤを懸架したことを特徴とする、介護用移動式人体吊り上げリフト。
【実施例0019】
従来の被介護人に装着する吊り上げ用の装着具はそのほとんどが座面式タイプのため、下着の取り換えや排泄物の処理など下の世話には使えず、介護現場では苦労していた。
本発明は、それらの問題を解決した特許文献2が開発されたことに鑑み、専用の廉価な吊り上げリフトを提供し、特許文献2の補助具とセットで広く社会に普及させるものである。
本発明は次のような構成をしており、以下に図面を基にして動作・作用等の説明をする。
なお、
図1~
図5の吊り上げ部は通常使用時の傾斜角に設定されている。(
図8で説明)
【0020】
図1は、本発明の全体斜視図である。
前方をハの字状に形成した略コの字型の脚部台座本体1の前部に自在型キャスター2と後部にストッパー付きキャスター2がそれぞれ設けられ、略コの字型の2カ所の角部から中空部材で上方に二本立設させ下部背面にストッパー止め9を設け上部背面の架設板3で固着一体化した主柱部4が形成され、主柱部4の二本の間隙に軸ピン5(不図示)で可動可能に軸支された折りたたみ式椅子6の二段折りに軸支されたストッパー7を伸ばし、架設棒8で固着一体化して補強された先端部を後方のストッパー止め9に密接係止されている。
また主柱部4の二本の外面に軸ピン5aにより可動可能に圧接軸支された略コの字型の腕木14が受け台15で水平保持され、さらに略コの字型腕木14の左右の前部を内側に屈曲して前方把持部16とし、後部に後方把持部17が形成されている。
また門型に形成された門柱部10の二つの脚部を、主柱部4の上部開口部にスライド可能に嵌入された二つの脚部の前後に高さ調整用の複数個の固定ピン孔11を貫穿し、固定ピン12を貫入して係止され、門柱部10の上部中央位置に後部を突出させ直交固着された2枚の挟持板19間に、軸ピン5bで可動可能に軸支された吊り上げ部20は通常使用時の傾斜角を以て係止され、さらに吊り上げ部20の前後に設けられたガイドローラー22にはフック付きのワイヤが懸架されている。
【0021】
図2は、本発明の側面図である。
脚部台座本体1の前部に自在型キャスター2と後部にストッパー付キャスター2が設けられ、脚部台座本体1の後部から立設された中空部材による主柱部4の二本の間隙に、軸ピン5で可動可能に軸支され下向きに内設された折りたたみ式椅子6を前方に起こし、折りたたみ椅子6の背面に収容された二段折りストッパー7を伸ばし、ストッパー7の先端に固着一体化して補強された架設棒8を背後のストッパー止め9に密接係止され、また主柱部4の左右の外面に軸ピン5aにより略コの字型の腕木14が可動可能に圧接軸支され、軸ピン5aを境に前方把持部16と後方把持部17が形成され、腕木14は受け台15で水平に保持されている。
さらに主柱部4の二本の上部開口部にスライド可能に嵌入された門柱部10の二つの脚部の前後に高さ調整用の複数個の固定ピン孔11がそれぞれ水平同レベルになるように貫穿され、それぞれ貫入する固定ピン12の周面に形成された嵌合部13(不図示)で係止されている。
主柱部4の上部背面に一体化された架設板3には手動式のウィンチ18が固着され、さらに門柱部10の上部中央位置に、後部を突出させ直交固着された2枚の挟持板19に軸支された吊り上げ部20が可動可能に形成されている。(詳細は
図7のA部拡大図で説明)
さらに吊り上げ部20の前後に設けられたガイドローラー22にはフック付きのワイヤが懸架されている。なお、図示の手動式ウィンチを電動式に替えても良い。
【0022】
図3は、本発明の背面図である。
脚部台座本体1のハの字状に拡開された前部に自在型キャスター2と、後部にストッパー付キャスター2がそれぞれ設けられ、脚部台座本体1から中空部材で二本立設した主柱部4は上部背面の架設板3と固着一体化に形成され背面下部にストッパー止め9が設けられ、門中部10の二つの脚部は適宜な高さ位置の固定ピン孔11に貫入した固定ピン12で係止されている。
主柱部4の二本の間隙に軸ピン5により折りたたみ式椅子6が下向きに内設され、折りたたみ式椅子6の背面に先端を架設棒8で固着一体化して補強された二段折りのストッパー7が収容され、また主柱部4の左右外面に軸ピン5aで可動可能に圧接軸支された略コの字型の腕木14は、主柱部4の二本の前面に固着され外側に突出した受け台15で水平保持され、腕木14を主柱部4後部に突出するように形成させて後方把持部17が設けられ、さらに主柱部4の上部背面に固着一体化された架設板3にはワイヤを卷着した手動式ウィンチ18が固着され、ワイヤは吊り上げ部20の前後に設けられたガイドローラー22に懸架されている。
他の構成部材については前述の説明と重複するために省略する。
【0023】
図4は、本発明の歩行使用時の状態説明図である。
人体吊り上げ用補助具を装着した被介護人の身長に合わせ、門柱部10の二つの脚部の適宜な位置の固定ピン孔11に固定ピン12をそれぞれ貫入係止したリフトでの歩行訓練時の状態を表したもので、被介護人は水平に保持された腕木14に両肘を乗せて前方把持部16を握ることでより安定性が保たれ、さらに下向きに掛かる自重を軽減することができる。
また介護人はリフト後方の腕木14の後方把持部17を握ることでリフトを安全にリードすることができ、必要に応じて脚部台座本体1後方のストッパー付きキャスター2で停止及び固定ができる。
なお他の構成部品については重複するため省略する。
【0024】
図5は本発明の折りたたみ式椅子使用時の状態説明図である。
吊り上げ部20は通常使用時の傾斜角で係止され、折りたたみ式椅子6の背面部に軸支され先端部を架設棒8で固着一体化して補強された二段折りストッパー7を伸ばし、架設棒8を後方のストッパー止め9に密接係止され、折りたたみ式椅子6は若干先上がり勾配に形成されている。
被介護人は水平に保持した腕木14に両肘を乗せ、前方把持部16を握ることで安定性を保ち、また足台を用いることでより安定性が増す。
介護人はリフト後方の腕木14の後方把持部17を握ることでリフトを安全にリードすることができ、必要に応じて脚部台座本体1後方のストッパー付きキャスター2で停止及び固定ができる。
なお他の構成部品については重複するため省略する。
【0025】
図6は本発明の門中部の高さ調整部分の拡大断面図である。
主柱部4の上部二つの開口部に二つの脚部をスライド可能に嵌入した門柱部10の二本の脚部の前後に、高さ調整用の複数個の固定ピン孔11がそれぞれ水平同レベルになるように貫穿し、所定の位置の固定ピン孔11に固定ピン12をそれぞれ貫入して係止するが、固定ピン12の前後の周部に形成された嵌合部13が主柱部4と固定ピン孔11の各断面の肉厚それぞれを嵌合し、門柱部10の下向きに掛かる荷重により固定ピン12の脱落を防止する。
【0026】
図7は本発明のA部の拡大詳細図である。
2枚の挟持板19により軸ピン5bで可動可能に軸支された吊り上げ部20は、2枚の挟持板19の間隙と門中部10上面に固着された受け板21により、吊り上げ部20がそれ以上落下しないように安全に設定され、病室やその他のドアから出入りする際には吊り上げ部20を水平位置に倒して高さを抑えることができる。
通常使用時での被介護人を吊り上げるときは、軸ピン5bを介して吊り上げ部20を先上がり勾配にして、2枚の挟持板19に貫穿した傾斜角用の固定ピン孔11aに固定ピン12aを貫入し、吊り上げ部20前方に掛かる荷重で吊り上げ部20の後部上面が固定ピン12aに密接係止される。
【0027】
図8は本発明の傾斜角用孔固定時の説明図である。
2枚の挟持板19に軸ピン5bにより可動可能に軸支された吊り上げ部20の重心は軸ピン5bを基点に前方にあり、2枚の挟持板19の後部に貫穿された傾斜角用の固定ピン孔11aに固定ピン12aを貫入して係止するが、固定ピン12aの中央部周面には嵌合部13aが形成されており、吊り上げ部20の前方に掛かる荷重で固定ピン孔11aと吊り上げ部20の後部上面とが嵌合部13aで嵌合係止され固定ピン12aの脱落防止になる。
高齢化社会を迎えて長寿を全うする人が増えるにつれ、介護施設への入居者も年々増加傾向にあるが、介護人の身体的苦痛がきついことから介護施設等では慢性的な人手不足である。
また、経済的理由などから自宅での老々介護も増加傾向にあり、廉価な介護用器具の開発が早急に求められており本発明は時代の要請に応えるものである。