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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064382
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】バッグ
(51)【国際特許分類】
   A45C 13/26 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
A45C13/26 Z
A45C13/26 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174635
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】398018526
【氏名又は名称】株式会社吉田
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安田 祐樹
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA05
3B045CE07
3B045GA02
3B045GB04
3B045GC03
3B045GD03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ストラップを折り返すための器具に依らずに、ストラップの長さを調節できるバッグを提供する。
【解決手段】バッグ100は、長手方向に延びているストラップ2とを備える。収容部1は、第1外側面1Aに取り付けられている第1係止部11と、第2外側面1Bに取り付けられておりストラップを挿通可能である第2係止部12とを含む。ストラップの長手方向の一端部2Aは、第1外側面に取り付けられている。ストラップの長手方向の他端部2Bは、第1係止部又は第2係止部に着脱可能である。ストラップが第2係止部に上方から挿通されて第2外側面、底面1C、及び第1外側面上に渡されており、かつストラップの長手方向の他端部2Bが第1係止部に取り付けられている第1状態と、他端部が第2係止部に取り付けられている第2状態とを切り替え可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部と、
長手方向に延びているストラップとを備え、
前記収容部は、
互いに反対方向を向いている第1外側面および第2外側面と、
前記第1外側面および前記第2外側面の各々の下端部を接続している底面と、
前記第1外側面に取り付けられている第1係止部と、
前記第2外側面に取り付けられており、前記ストラップを挿通可能である第2係止部とを含み、
前記ストラップの前記長手方向の一端部は、前記第1外側面に取り付けられており、
前記ストラップの前記長手方向の他端部は、前記第1係止部または前記第2係止部に着脱可能であり、
前記ストラップが前記第2係止部に挿通されて前記第2外側面、前記底面、および前記第1外側面上に渡されており、かつ前記ストラップの前記長手方向の他端部が前記第1係止部に掛け止められている第1状態と、
前記他端部が前記第2係止部に掛け止められている第2状態とを切り替え可能である、バッグ。
【請求項2】
前記第1状態において前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に挿通されている部分との間の前記長手方向の長さは、前記第2状態において前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に掛け止められている前記他端部との間の前記長手方向の長さよりも短い、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記他端部は、前記第1係止部または前記第2係止部と係合するフックを含む、請求項1または2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に挿通されている部分との間が把持されて前記収容部が吊り下げられている前記第1状態おいて前記フックが前記第1係止部から取り外されたとき、前記収容部が自重により前記ストラップに対して相対的に下方に移動して、前記フックが前記第2係止部と係合するように設けられている、請求項3に記載のバッグ。
【請求項5】
前記ストラップの前記一端部と前記他端部との間には、前記ストラップを折り返すための器具が取り付けられていない、請求項1~4のいずれか1項に記載のバッグ。
【請求項6】
前記第1状態と前記第2状態との間で前記ストラップの前記一端部と前記他端部との間の前記長手方向の長さは一定である、請求項1~5のいずれか1項に記載のバッグ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストラップを備えるバッグに関する。
【背景技術】
【0002】
長手方向の長さが調節可能なストラップが知られている。特開2015-077252号公報(特許文献1)に記載のストラップは、少なくとも一部が三重に折り重ねられており、折り重ねられた部分の長さが調節されることにより長手方向の全体の長さが調整可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-077252号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のストラップでは、ストラップの長さを調節するためにストラップを折り返す器具が必須となる。
【0005】
本発明の主たる目的は、ストラップを折り返すための器具に依らずに、ストラップの長さを調節できるバッグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係るバッグは、収容部と、長手方向に延びているストラップとを備える。収容部は、互いに反対方向を向いている第1外側面及び第2外側面と、第1外側面及び第2外側面の各々の下端部を接続している底面と、第1外側面に取り付けられている第1係止部と、第2外側面に取り付けられており、ストラップを挿通可能である第2係止部とを含む。ストラップの長手方向の一端部は、第1外側面に取り付けられている。ストラップの長手方向の他端部は、第1係止部又は第2係止部に着脱可能である。ストラップが第2係止部に挿通されて第2外側面、底面、及び第1外側面上に渡されており、かつストラップの長手方向の他端部が第1係止部に掛け止められている第1状態と、他端部が第2係止部に掛け止められている第2状態とを切り替え可能である。
【0007】
他の形態において、第1状態においてストラップの一端部と第2係止部に挿通されている部分との間の長手方向の長さは、第2状態においてストラップの一端部と第2係止部に掛け止められている他端部との間の長手方向の長さよりも短い。
【0008】
他の形態において、他端部は、第1係止部又は第2係止部と係合するフックを含んでいる。
【0009】
他の形態においては、ストラップの一端部と第2係止部に挿通されている部分との間が把持されて収容部が吊り下げられている第1状態おいてフックが第1係止部から取り外されたとき、収容部が自重によりストラップに対して相対的に下方に移動して、フックが第2係止部と係合するように設けられている。
【0010】
他の形態において、ストラップの一端部と他端部との間には、金具が取り付けられていない。
【0011】
他の形態において、第1状態と第2状態との間でストラップの一端部と他端部との間の長手方向の長さは一定である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ストラップを折り返すための器具に依らずに、ストラップの長さを調節できるバッグを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係るバッグの第1状態を説明するための正面図である。
図2図1中の矢印IIから視た側面図である。
図3図1中の矢印IIIから視た側面図である。
図4図1中の矢印IVから視た底面図である。
図5】実施の形態1に係るバッグの第2状態を説明するための正面図である。
図6】実施の形態1に係るバッグが第1状態にあるときの使用例を示す図である。
図7】実施の形態1に係るバッグが第2状態にあるときの使用例を示す図である。
図8図1に示される第1状態から図5に示される第2状態に切り替える方法において、ストラップの他端部が第1係止部から取り外された直後に実現される第1途中状態を示す正面図である。
図9図1に示される第1状態から図5に示される第2状態に切り替える方法において、図8に示される第1途中状態後に実現される、第2途中状態を示す正面図である。
図10】実施の形態2に係るバッグの第1状態を説明するための正面図である。
図11】実施の形態2に係るバッグの第3状態を説明するための正面図である。
図12】実施の形態2に係るバッグの第1状態の第1変形例を説明するための正面図である。
図13】実施の形態2に係るバッグの第1状態の第2変形例を説明するための正面図である。
図14】実施の形態3に係るバッグの第1状態を説明するための正面図である。
図15】実施の形態3に係るバッグの第4状態を説明するための正面図である。
図16】実施の形態3に係るバッグの第1状態の変形例を説明するための正面図である。
図17】実施の形態4に係るバッグの第1状態を説明するための正面図である。
図18図17中の矢印XVIIIから視た側面図である。
図19】実施の形態4に係るバッグの第2状態を説明するための正面図である。
図20図19中の矢印XXから視た側面図である。
図21】実施の形態5に係るバッグの側面図である。
図22図21中の矢印XXIIから視た底面図である。
図23】実施の形態5に係るバッグの変形例を示す底面図である。
図24】実施の形態1に係るバッグの変形例を説明するための正面図である。
図25】実施の形態1に係るバッグの変形例を説明するための正面図である。
図26】実施の形態1に係るバッグの変形例を説明するための正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、以下においては、同一又は相当する部分に同一の参照番号を付し、重複する説明は繰り返さない。以下では、図1図5図17,19,24~26における下側を実施の形態に係るバッグの下方とよぶ。図1図5図17,19,24~26の紙面の手前側をバッグの前方よぶ。また、前方を視たときの左側を単に左側とよび、前方を視たときの右側を単に右側とよぶ。
【0015】
(実施の形態1)
<バッグ100の構成>
図1図5に示されるように、実施の形態1に係るバッグ100は、収容部1と、ストラップ2とを備える。
【0016】
収容部1は、互いに反対方向を向いている第1外側面1A及び第2外側面1Bと、第1外側面1A及び第2外側面1Bの各々の下端部の間を接続している底面1Cと、第1外側面1Aに取り付けられている第1係止部11と、第2外側面1Bに取り付けられている第2係止部12とを含む。第2係止部12は、ストラップ2を挿通可能とされている。
【0017】
ストラップ2は、長手方向に延びている部材である。ストラップ2は、長手方向の一端部2Aと、一端部2Aとは反対側に位置する他端部2Bと、一端部2Aと他端部2Bとの間を接続している中央部2Cとを含む。ストラップ2の長手方向の一端部2Aは、第1外側面1Aに取り付けられている。ストラップ2の長手方向の他端部2Bは、第1係止部11又は第2係止部12に着脱可能である。
【0018】
これにより、バッグ100では、ストラップ2の中央部2Cが第2係止部12に挿通されて第2外側面1B、底面1C、及び第1外側面1A上に渡されており、かつ他端部2Bが第1係止部11に掛け止められている第1状態(図1図4参照)と、他端部2Bが第2係止部12に掛け止められている第2状態(図5参照)とが切り替え可能とされている。
【0019】
バッグ100の具体的な構成例は、以下の通りである。
【0020】
収容部1は、第1外側面1A、第2外側面1B、底面1C、上面1D、前面1E、後面1F(図2及び図3参照)、固定部10、第1係止部11、及び第2係止部12を含む。
【0021】
第1外側面1Aは、例えば収容部1の右側に配置されており、右側を向いている。第1外側面1Aの下方端部は、底面1Cの右側の端部に接続されている。第1外側面1Aの上方端部は、上面1Dの右側の端部に接続されている。第1外側面1Aの前方端部は、前面1Eの右側の端部に接続されている。第1外側面1Aの後方端部は、後面1Fの右側の端部に接続されている。第1外側面1Aは、収容部1の外側を向いている第1外側面1Aを有している。
【0022】
第2外側面1Bは、例えば収容部1の左側に配置されており、左側を向いている。第2外側面1Bは、第1外側面1Aとは反対側を向いている。第2外側面1Bの下方端部は、底面1Cの左側の端部に接続されている。第2外側面1Bの上方端部は、上面1Dの左側の端部に接続されている。第2外側面1Bの前方端部は、前面1Eの左側の端部に接続されている。第2外側面1Bの後方端部は、後面1Fの左側の端部に接続されている。
【0023】
第1外側面1A及び第2外側面1Bの各々の形状は、任意の形状であればよいが、例えば略長方形状である。第1外側面1Aの上方端部と下方端部との間の長さは、第1外側面1Aの前方端部と後方端部との間の長さよりも長い。
【0024】
底面1Cは、下方を向いている。底面1Cの前方端部は、前面1Eの下方端部に接続されている。底面1Cの後方端部は、後面1Fの下方端部に接続されている。底面1Cの形状は、任意の形状であればよいが、例えば略長方形状である。底面1Cの右側の端部と左側の端部との間の長さは、底面1Cの前方端部と後方端部との間の長さよりも長い。
【0025】
上面1Dは、上方を向いている。上面1Dの前方端部は、前面1Eの上方端部に接続されている。上面1Dの後方端部は、後面1Fの上方端部に接続されている。
【0026】
底面1C及び上面1Dの各々の形状は、任意の形状であればよいが、例えば略長方形状である。前面1Eおよび後面1Fの各々の形状は、任意の形状であればよいが、例えば略正方形状である。
【0027】
固定部10、第1係止部11、及び第2係止部12の各々は、ストラップ2を収容部1に取り付けるための部材である。
【0028】
固定部10は、ストラップ2の一端部2Aを収容部1の第1外側面1Aに取り付けるための部材である。固定部10は、例えば第1外側面1Aに縫い付けられた環状部材である。なお、ストラップ2の一端部2Aは、第1外側面1Aに直接縫い付けられていてもよい。言い換えると、収容部1は、固定部10を含んでいなくてもよい。
【0029】
第1係止部11は、ストラップ2の他端部2Bを収容部1の第1外側面1Aに掛け止めるための部材である。第1係止部11は、例えば第1外側面1Aに縫い付けられた環状部材である。第1係止部11は、例えば固定部10よりも下方であって第1外側面1Aの前後方向の中央部に取り付けられている。
【0030】
図2に示されるように、第1係止部11は、第1外側面1Aに縫い付けられている第1部分11Aと、開口部に対して第1部分11Aとは反対側に位置する第2部分11Bとを有している。第2部分11Bは、第1部分11Aの中心軸周りに回転可能である。
【0031】
第1係止部11の開口形状は、例えば長手方向と短手方向とを有している。第1係止部11の長手方向の開口幅は、ストラップ2の短手方向の幅よりも広い。第1係止部11の短手方向の開口幅は、ストラップ2の長手方向及び短手方向の各々に垂直な方向の幅(厚み)よりも広い。
【0032】
第2係止部12は、ストラップ2の他端部2Bを収容部1の第2外側面1Bに掛け止めるための部材である。第2係止部12は、例えば第2外側面1Bに縫い付けられた環状部材である。第2係止部12は、例えば第2外側面1Bの上下方向の中心よりも上方に取り付けられている。第2係止部12は、例えば第2外側面1Bの前後方向の中央部に取り付けられている。第1係止部11および第2係止部12の各々は、第1状態において第1係止部11と第2係止部12との間に渡されているストラップ2の一部2Dが撚れないように、設けられている。
【0033】
図3に示されるように、第2係止部12は、第2外側面1Bに縫い付けられている第3部分12Aと、開口部に対して第3部分12Aとは反対側に位置する第4部分12Bとを有している。第4部分12Bは、第3部分12Aの中心軸周りに回転可能である。
【0034】
第2係止部12は、ストラップ2を挿通可能とされている。第2係止部12の開口形状は、例えば長手方向と短手方向とを有している。第2係止部12の長手方向の開口幅は、ストラップ2の短手方向の幅よりも広い。第2係止部12の短手方向の開口幅は、ストラップ2の長手方向及び短手方向の各々に垂直な方向の幅(厚み)よりも広い。第2係止部12は、第1状態において、第2係止部12の開口部内に挿通されたストラップ2をガイドするように設けられている。第2係止部12は、例えば第1係止部11と同等の構造を有している。
【0035】
固定部10、第1係止部11及び第2係止部12の各々の具体的構造は特に制限されない。固定部10、第1係止部11及び第2係止部12の各々は、例えば互いに同等の構造を有している。固定部10、第1係止部11及び第2係止部12の各々の一例は、いわゆる角カン、丸カン、Cカン、Dカン、三角カン、又はコキカンなどのカン金具である。固定部10、第1係止部11及び第2係止部12の各々の他の一例は、面ファスナー又はマグネットである。
【0036】
収容部1には、第1外側面1A、第2外側面1B、底面1C、上面1D、前面1E、及び後面1Fに囲まれた内部空間と、該内部空間と収容部1の外部空間とを接続する少なくとも1つの開口部が形成されている。少なくとも1つの開口部は、収容部1の任意の場所に形成されていればよい。収容部1には、例えば上記開口部を開閉するための開閉部が形成されている。開閉部は、例えばファスナー、マグネット、又は留め具を含む。
【0037】
収容部1の構造は、上述した第1外側面1A、第2外側面1B、底面1C、第1係止部11、及び第2係止部12を備える限りにおいて、特に制限されない。第1外側面1A、第2外側面1B、底面1C、上面1D、前面1E、及び後面1Fの各々を構成する材料は、任意の材料であればよいが、例えば布又は皮革を含む。収容部1は、例えば複数の部材(例えば生地)が互いに縫い合わされることにより形成されている。この場合、第1外側面1A、第2外側面1B、及び底面1Cの各々は、例えば各部材の表面(平面もしくは曲面)が互いに接続されることにより構成された複合面である。なお、第1外側面1A、第2外側面1B、及び底面1Cの各々は、1つの平面又は曲面として構成されていてもよい。あるいは、第1外側面1A、第2外側面1B、及び底面1Cが、1つの曲面を構成するように設けられていてもよい(詳細は後述する)。
【0038】
ストラップ2は、例えば長手方向に垂直な断面形状が扁平である帯状部材である。なお、ストラップ2は、例えば長手方向に垂直な断面形状が円形又は楕円形である紐状部材であってもよい。ストラップ2は、長手方向の一端部2Aと、他端部2Bと、一端部2Aと他端部2Bとの間を接続している中央部2Cとを含む。
【0039】
一端部2Aは、固定部10によって第1外側面1Aに取り付けられている。一端部2Aは、例えば固定部10に着脱可能に取り付けられている。
【0040】
他端部2Bは、第1係止部11又は第2係止部12に着脱可能である。これにより、バッグ100では、他端部2Bが第1係止部11に掛け止められている第1状態と、他端部2Bが第2係止部12に掛け止められている第2状態とが切り替え可能とされている。
【0041】
他端部2Bは、例えば第1係止部11又は第2係止部12と係合するフックとして構成されている。他端部2Bは、根元部分2B1と、根元部分2B1に対して折り返されている先端部分2B2とを有している。根元部分2B1と先端部分2B2との間には、第1係止部11の第2部分11B又は第2係止部12の第4部分12Bを収容するための隙間2B3が形成されている。
【0042】
他端部2Bの根元部分2B1および先端部分2B2は、例えば、鉤形状を有するフレーム部材と、フレーム部材を覆うカバー部材とにより構成されている。フレーム部材は、例えばステンレス鋼などの金属により構成されている。カバー部材は、例えば布又は皮革を含む。フレーム部材は、例えば収容部1の重量が加えられたときに弾性変形するように設けられている。隙間2B3は、例えばフレーム部材の弾性変形に伴い拡大または縮小するように設けられている。
【0043】
中央部2Cには、金具が取り付けられていない。第1状態と第2状態との間で一端部2Aと他端部2Bとの間の長手方向の長さは一定である。言い換えると、ストラップ2は、中央部2Cの長手方向の長さを調整するための構造体を備えていない。
【0044】
バッグ100では、ストラップ2のうち固定部10と第2係止部12との間に渡されている部分のみが、バッグ100を使用者の肩に掛けるためのショルダーストラップとして機能する。
【0045】
次に、バッグ100の第1状態及び第2状態について説明する。
【0046】
図1図4に示されるように、第1状態では、ストラップ2が第2係止部12に上方から挿通されており、かつ他端部2Bは第1係止部11に掛け止められている。他端部2Bの上記隙間2B3は、下方を向いて開口している。中央部2Cのうち第2係止部12に挿通されている部分よりも他端部2B側に位置する一部2Dは、第2外側面1B、底面1C、及び第1外側面1A上に渡されている。中央部2Cのうち上記一部2D以外の残部2Eが、固定部10と第2係止部12との間に渡されている。残部2Eは、中央部2Cのうち、第2係止部12に挿通されている部分よりも一端部2A側に位置する部分である。第1状態では、ストラップ2の残部2Eのみが、ショルダーストラップとして機能する。
【0047】
第1状態において、残部2Eが使用者の肩に掛けられると、収容部1のうち少なくとも底面1Cがストラップ2の一部2Dに接触する。例えば、収容部1の第2外側面1B、底面1C、及び第1外側面1Aの各々が、ストラップ2の一部2Dに接触する。その結果、一部2Dに収容部1の荷重が加えられ、ストラップ2に張力が付与される。このように、第1状態では、ストラップ2が第2係止部12にガイドされており、かつストラップ2の上記一部2Dに収容部1の荷重が加えられるため、収容部1に対するストラップ2の位置ズレは発生しにくい。
【0048】
図5に示されるように、第2状態では、他端部2Bは第2係止部12に掛け止められている。他端部2Bの上記隙間2B3は、上方を向いて開口している。第2状態では、中央部2Cの全体が、固定部10と第2係止部12との間に渡されている。第2状態では、ストラップ2の中央部2Cの全体が、ショルダーストラップとして機能する。中央部2Cの長手方向の長さは、第1状態における残部2Eの長手方向の長さよりも長い。つまり、第1状態と第2状態との間でストラップ2の長手方向の長さは一定でありながら、第2状態においてショルダーストラップとして機能する中央部2C全体の長さは、第1状態においてショルダーストラップとして機能する残部2Eの長さよりも長くなる。
【0049】
図6に示されるように、バッグ100が第1状態にあるとき、ショルダーストラップとして機能雄する残部2Eの長さは肩掛けに適した長さとされている。図7に示されるように、バッグ100が第2状態にあるとき、ショルダーストラップとして機能する中央部2Cの長さは斜め掛けに適した長さとされている。
【0050】
次に、バッグ100の第1状態と第2状態とを切り替える方法について説明する。
【0051】
第1状態から第2状態への切り替えは、図8に示される第1手順を踏むことのみによって容易に実現され得る。
【0052】
図8に示されるように、第1手順では、使用者により、他端部2Bが第1係止部11から取り外される。第1手順は、残部2Eが使用者の肩に掛けられているかあるいは使用者によって把持されている状態において行われる。言い換えると、第1手順は、ストラップ2が収容部1の荷重を受けている状態において行われる。これにより、図9に示されるように、収容部1が自重によりストラップ2に対して下方に移動する。ストラップ2の他端部2Bは、収容部1の第1外側面1A、底面1C、及び第2外側面1B上を順に移動して、最終的に第2係止部12に係合する。このように、バッグ100の第1状態から第2状態への切り替えは、他端部2Bが第1係止部11から取り外されることのみによって、瞬間的かつ自動的に実現され得る。
【0053】
なお、上記第1手順は、残部2Eが使用者の肩に掛けられていないかあるいは使用者によって把持されておらず、ストラップ2が収容部1の荷重を受けていない状態において行われてもよい。この場合、第1状態から第2状態への切り替えは、第1手順後に、第2手順を踏むことにより、容易に実現され得る。
【0054】
第2手順では、使用者により、残部2Eが収容部1に対して上方に引き上げられる。第2手順により、ストラップ2の他端部2Bは、収容部1の第1外側面1A、底面1C、及び第2外側面1B上を順に移動して、最終的に第2係止部12に係合する。このように、バッグ100の第1状態から第2状態への切り替えは、他端部2Bが第1係止部11から取り外された後、残部2Eが引き上げられることのみによっても、瞬間的かつ自動的に実現され得る。
【0055】
第2状態から第1状態への切り替えは、以下の第3手順と第4手順とを順に踏むことによって容易に実現され得る。
【0056】
第3手順では、使用者により、他端部2Bが第2係止部12から取り外される。具体的には、他端部2Bが第2係止部12に対して下方に引き下ろされる。第3手順は、残部2Eが使用者の肩に掛けられていないかあるいは使用者によって把持されておらず、ストラップ2が収容部1の荷重を受けていない状態において行われる。
【0057】
次に、第4手順では、使用者により、他端部2Bが第2外側面1B、底面1C、及び第1外側面1A上に順に渡されて、最終的に第1係止部11に掛け止められる。このように、バッグ100の第2状態から第1状態への切り替えは、他端部2Bが第2係止部12から取り外された後、他端部2Bが第1係止部11に掛け止められることのみによって実現され得る。
【0058】
<バッグ100の効果>
バッグ100では、ストラップ2の他端部2Bが第1係止部11に掛け止められる第1状態と、他端部2Bが第2係止部12に掛け止められる第2状態とが切り替え可能とされている。第1状態において残部2Eの長手方向の長さは、第2状態において中央部2Cの長手方向の長さよりも短くなる。そのため、バッグ100では、ストラップ2を折り返すための器具に依らずに、第1状態と第2状態との切り替えのみによって、ストラップ2においてストラップとして機能する部分の長さを調節できる。
【0059】
さらに、バッグ100では、ストライプの長さを調節するためにストラップを折り返す器具を備える比較例のバッグとの対比において、以下のような効果が奏される。
【0060】
比較例のバッグでは、ストラップの先端を含む一部が器具によって折り返されてストラップとして作用しない余剰部分とされ、ストラップの残部のみがストラップとして機能する。このような余剰部分は、使用時において揺れやすく、使用者にとって煩わしい部分となる。
【0061】
また、比較例のバッグでは、上記器具が使用者の身体あるいは衣服に触れやすく、着用感が悪化し、また衣服を傷めるおそれがある。
【0062】
また、比較例のバッグでは、ストラップの長さを調節する頻度が低い場合に、上記器具がストラップの同じ場所に接触し続けることになり、ストラップに上記器具の痕あるいはくせが付きやすい。
【0063】
これに対し、バッグ100では、第1状態において、一部2Dがストラップとして作用しない余剰部分となるものの、一部2Dの両端部が第1係止部11及び第2係止部12の各々によって収容部1に位置決めされており、かつ一部2Dは少なくとも底面1Cと接触する。そのため、余剰部分としての一部2Dは、使用時において収容部1と一体とされており、使用者にとって煩わしい部分にならない。
【0064】
さらに、バッグ100では、ストラップ2の一端部2Aと他端部2Bとの間にストラップを折り返す器具が取り付けられていない。そのため、バッグ100の着用感は、比較例のバッグと比べて、改善されている。また、バッグ100のストラップ2には上記器具の痕及びくせが付かない。バッグ100では、第1状態においてストラップ2の一部2Dが収容部1の第2外側面1B、底面1C、及び第1外側面1A上に渡されて折り曲げられているが、一部2Dの曲率は上記器具によって折り返されたストラップの曲率よりも十分に小さい。そのため、一部2Dには第1状態において折り曲げられることに伴う痕及びくせが付きにくい。
【0065】
(実施の形態2)
図10に示されるように、実施の形態2に係るバッグ101は、実施の形態1に係るバッグ100と基本的に同様の構成を備えるが、収容部1が第3係止部13をさらに含む点で、バッグ100とは異なる。以下では、バッグ101がバッグ100とは異なる点を主に説明する。
【0066】
図10に示されるように、第3係止部13は、ストラップ2の他端部2Bを収容部1の第2外側面1Bに掛け止めるための部材である。第3係止部13は、例えば第2外側面1Bに縫い付けられた環状部材である。第3係止部13は、第2係止部12よりも下方に取り付けられている。第3係止部13は、例えば第2外側面1Bの前後方向の中央部に取り付けられている。
【0067】
第3係止部13は、ストラップ2を挿通可能とされている。第3係止部13の開口形状は、例えば長手方向と短手方向とを有している。第3係止部13の長手方向の開口幅は、ストラップ2の短手方向の幅よりも広い。第3係止部13の短手方向の開口幅は、ストラップ2の長手方向及び短手方向の各々に垂直な方向の幅(厚み)よりも広い。第3係止部13は、第1状態において、第3係止部13の開口部内に挿通されたストラップ2をガイドするように設けられている。第3係止部13は、例えば第2係止部12と同等の構造を有している。
【0068】
第2係止部12と第3係止部13との間の距離は、例えば他端部2Bの先端部分2B2の長さよりも長い。言い換えると、他端部2Bは第2係止部12及び第3係止部13のいずれか一方にのみが掛け止められる。他端部2Bの上記隙間2B3には、第2係止部12及び第3係止部13のいずれか一方のみが収容される。
【0069】
バッグ101では、第1状態(図10参照)、第2状態、および他端部2Bが第3係止部13に掛け止められている第3状態(図11参照)を切り替え可能とされている。
【0070】
図10に示されるように、第1状態では、ストラップ2の中央部2Cが第2外側面1B、底面1C、および第1外側面1A上に渡されており、かつ第2係止部12および第3係止部13の各々に上方から挿通されている。さらに、他端部2Bが第1係止部11に掛け止められている。つまり、バッグ101の第1状態は、ストラップ2が第3係止部13に挿通されている点でのみ、バッグ100の第1状態とは異なる。
【0071】
図11に示されるように、第3状態では、ストラップ2の中央部2Cが第2係止部12に上方から挿通されており、かつ他端部2Bが第3係止部13に掛け止められている。他端部2Bの上記隙間2B3は、上方を向いて開口している。第3状態では、ストラップ2の中央部2Cの一部2Fが固定部10と第2係止部12との間に渡されており、中央部2Cの残部が第2係止部12と第3係止部13との間に渡されている。
【0072】
第3状態では、ストラップ2の中央部2Cの一部2Fが、ショルダーストラップとして機能する。バッグ101が第3状態にあるとき、ショルダーストラップとして機能する中央部2Cの一部2Fの長さは斜め掛けに適した長さとされている。
【0073】
バッグ101では、第1状態、第2状態、および第3状態の間でストラップ2の長手方向の長さは一定でありながら、第3状態においてショルダーストラップとして機能する中央部2Cの一部2Fの長手方向の長さが、第1状態においてショルダーストラップとして機能する残部2Eの長手方向の長さよりも長く、第2状態においてショルダーストラップとして機能する中央部2Cの全体の長手方向の長さよりも短くなる。第1状態と第3状態との間で、ショルダストラップとして機能する部分の長手方向の長さの差分は、第2係止部12と第3係止部13との間の距離に応じて適宜設定され得る。
【0074】
これにより、バッグ101では、バッグ100と比べて、ストラップ2のうちショルダーストラップとして機能する部分の長さがより細かく調整され得る。
【0075】
バッグ101での第1状態から第3状態への切り替えは、バッグ100での第1状態から第2状態への切り替えと同様に、使用者により、他端部2Bが第1係止部11から取り外されることのみによって実現され得る。第3状態から第2状態への切り替えは、使用者により、他端部2Bが第3係止部13から取り外されることのみによって実現され得る。バッグ101での第1状態から第2状態への切り替えは、第1状態から第3状態に切り替え後に、第3状態から第2状態に切り替えることにより、実現され得る。
【0076】
なお、バッグ101では、第1状態において、ストラップ2が第2係止部12および第3係止部13の少なくともいずれかに挿通されていればよい。第2係止部12および第3係止部13のうちストラップ2が挿通される対象は、使用者によって任意に選択され得る。
【0077】
図10に示されるように、バッグ101では、第1状態において、ストラップ2が第2係止部12および第3係止部13のうち第2係止部12にのみ挿通されていてもよい。この場合、第1状態から第2状態への切り替えは、バッグ100と同様に第3状態を介さずに、瞬間的かつ自動的に実現され得る。この使用例は、第1状態または第2状態での使用頻度が高く、第3状態での使用頻度が低い使用者に、好適である。
【0078】
図13に示されるように、バッグ101では、ストラップ2が第2係止部12および第3係止部13のうち第3係止部13にのみ挿通されていてもよい。この使用例は、第1状態または第3状態での使用頻度が高く、第2状態での使用頻度が低い使用者に、好適である。
【0079】
バッグ101での第2状態から第3状態への切り替えは、他端部2Bが第2係止部12から取り外された後、他端部2Bが第3係止部13に掛け止められることのみによって実現され得る。第3状態から第1状態への切り替えは、バッグ100での第2状態から第1状態への切り替えと同様に実施され得る。
【0080】
(実施の形態3)
図14に示されるように、実施の形態3に係るバッグ102は、実施の形態1に係るバッグ100と基本的に同様の構成を備えるが、収容部1が第4係止部14をさらに含む点で、バッグ100とは異なる。以下では、バッグ102がバッグ100とは異なる点を主に説明する。
【0081】
図14に示されるように、第4係止部14は、ストラップ2の他端部2Bを収容部1の第1外側面1Aに掛け止めるための部材である。第4係止部14は、例えば第1外側面1Aに縫い付けられた環状部材である。第4係止部14は、第1係止部11よりも下方に取り付けられている。第4係止部14は、例えば第1外側面1Aの前後方向の中央部に取り付けられている。
【0082】
第4係止部14は、ストラップ2を挿通可能とされている。第4係止部14の開口形状は、例えば長手方向と短手方向とを有している。第4係止部14の長手方向の開口幅は、ストラップ2の短手方向の幅よりも広い。第4係止部14の短手方向の開口幅は、ストラップ2の長手方向及び短手方向の各々に垂直な方向の幅(厚み)よりも広い。第4係止部14は、第1状態において、第4係止部14の開口部内に挿通されたストラップ2をガイドするように設けられている。第4係止部14は、例えば第2係止部12と同等の構造を有している。
【0083】
第1係止部11と第4係止部14との間の距離は、例えば他端部2Bの先端部分2B2の長さよりも長い。言い換えると、他端部2Bの上記隙間2B3には、第1係止部11及び第4係止部14のいずれか一方のみが収容される。
【0084】
バッグ102では、第1状態(図14参照)、第2状態、および他端部2Bが第4係止部14に掛け止められている第4状態(図15参照)を切り替え可能とされている。
【0085】
図14に示されるように、第1状態では、ストラップ2の中央部2Cが、第2外側面1B、底面1C、および第1外側面1A上に渡されており、第2係止部12に上方から挿通され、かつ第4係止部14に下方から挿通されている。さらに、他端部2Bが、第1係止部11に掛け止められている。つまり、バッグ102の第1状態は、ストラップ2が第4係止部14に挿通されている点でのみ、バッグ100の第1状態とは異なる。
【0086】
図15に示されるように、第4状態では、ストラップ2の中央部2Cが第2係止部12に上方から挿通されており、かつ第2外側面1B、底面1C、および第1外側面1A上に渡されている。さらに、他端部2Bが第4係止部14に掛け止められている。他端部2Bの上記隙間2B3は、下方を向いて開口している。第4状態では、ストラップ2の中央部2Cの一部2Hが固定部10と第2係止部12との間に渡されており、中央部2Cの残部2Gが第2係止部12と第4係止部14との間に渡されている。
【0087】
第4状態では、ストラップ2の中央部2Cの一部2Hが、ショルダーストラップとして機能する。バッグ102が第4状態にあるとき、ショルダーストラップとして機能する中央部2Cの一部2Hの長さは肩掛けに適した長さとされている。
【0088】
バッグ102では、第1状態、第2状態、および第4状態の間でストラップ2の長手方向の長さは一定でありながら、第4状態においてショルダーストラップとして機能する中央部2Cの一部2Hの長手方向の長さが、第1状態においてショルダーストラップとして機能する残部2Eの長手方向の長さよりも長く、第2状態においてショルダーストラップとして機能する中央部2Cの全体の長手方向の長さよりも短くなる。
【0089】
これにより、バッグ102では、バッグ100と比べて、ストラップ2のうちショルダーストラップとして機能する部分の長さがより細かく調整され得る。
【0090】
バッグ102での第1状態から第4状態への切り替えは、バッグ100での第1状態から第2状態への切り替えと同様に、使用者により、他端部2Bが第1係止部11から取り外されることのみによって実現され得る。第4状態から第2状態への切り替えは、使用者により、他端部2Bが第4係止部14から取り外されることのみによって実現され得る。バッグ102での第1状態から第2状態への切り替えは、第1状態から第4状態に切り替え後に、第4状態から第2状態に切り替えることにより、実現され得る。
【0091】
なお、バッグ102では、第1状態において、ストラップ2が第2係止部12および第4係止部14の少なくともいずれかに挿通されていればよい。第2係止部12および第4係止部14のうちストラップ2が挿通される対象は、使用者によって任意に選択され得る。
【0092】
図16に示されるように、バッグ102では、第1状態において、ストラップ2が第2係止部12および第4係止部14のうち第2係止部12にのみ挿通されていてもよい。この場合、第1状態から第2状態への切り替えは、バッグ100と同様に第4状態を介さずに、瞬間的かつ自動的に実現され得る。この使用例は、第1状態または第2状態での使用頻度が高く、第4状態での使用頻度が低い使用者に、好適である。
【0093】
(実施の形態4)
図17図20に示されるように、実施の形態4に係るバッグ103は、実施の形態1に係るバッグ100と基本的に同様の構成を備えるが、ストラップ2の他端部2Bが、第1係止部11に掛け止められるための第5係止部2B4と、第2係止部12に掛け止められるための第6係止部2B5とを有している点で、バッグ100とは異なる。以下では、バッグ103がバッグ100とは異なる点を主に説明する。
【0094】
図17及び図18に示されるように、第1係止部11及び第5係止部2B4は、例えば差し込み錠として構成されている。第1係止部11は、例えば差し込み錠の受け部として構成されている。第5係止部2B4は、例えば差し込み錠の受け部に差し込まれる差込部として構成されている。第5係止部2B4は、例えばストラップ2の他端部2Bの先端に固定されている。
【0095】
第6係止部2B5は、例えばフックとして構成されている。第6係止部2B5は、根元部分2B1と、根元部分2B1に対して折り返されている先端部分2B2とを有している。根元部分2B1と先端部分2B2との間には、第2係止部12の第4部分12Bを収容するための隙間2B3が形成されている。第6係止部2B5は、ストラップ2の外周面(第1状態及び第2状態において外側を向いて配置される面)に固定されている。第6係止部2B5は、第5係止部2B4よりもストラップ2の延在方向の内側に配置されている。
【0096】
バッグ103では、第5係止部2B4が第1係止部11に掛け止められることにより、図17及び図18に示される第1状態が実現される。第1状態において、第5係止部2B4は、第1係止部11に対して下方から差し込まれている。第1状態において、第6係止部2B5は、第1係止部11に掛け止められておらず、第1係止部11及び第5係止部2B4よりも下方に配置されている。第1状態において、上記隙間2B3は、下方を向いて開口している。
【0097】
バッグ103では、第6係止部2B5が第2係止部12に掛け止められることにより、図19及び図20に示される第2状態が実現される。第2状態において、第5係止部2B4は、第2係止部12に掛け止められておらず、第2係止部12及び第6係止部2B5よりも下方に配置されている。第2状態において、上記隙間2B3は、上方を向いて開口している。
【0098】
バッグ103においても、ストラップ2を折り返すための器具に依らずに、第1状態と第2状態との切り替えのみによって、ストラップ2においてストラップとして機能する部分の長さを調節できる。
【0099】
第1係止部11及び第5係止部2B4は、差し込み錠に限られるものではない。一例として、第1係止部11及び第5係止部2B4は、バックル又は錠前として構成されていてもよい。
【0100】
バッグ103は、ストラップ2の他端部2Bが第5係止部2B4と第6係止部2B5とを有している点を除き、実施の形態2に係るバッグ101又は実施の形態3に係るバッグ102と同様の構成を備えていてもよい。
【0101】
(実施の形態5)
図21及び図22に示されるように、実施の形態5に係るバッグ104は、実施の形態1に係るバッグ100と基本的に同様の構成を備えるが、収容部1が複数のガイド部15をさらに有している点で、バッグ100とは異なる。以下では、バッグ103がバッグ100とは異なる点を主に説明する。
【0102】
複数のガイド部15の各々は、底面1C上を渡されているストラップ2の一部2Dをガイドし、ストラップ2の一部2Dが底面1C上から前面1E又は後面1F上に移動することを制限するように設けられている。複数のガイド部15は、例えばストラップ2の一部2Dを挟むように配置されている。複数のガイド部15の各々は、例えば底面1Cの長手方向に沿って互いに並走している。底面1Cの短手方向における複数のガイド部15の間隔は、ストラップ2の短手方向の幅よりも広い。底面1Cに垂直な方向におけるガイド部15の幅(厚み)は、ストラップ2の長手方向及び短手方向の各々に垂直な方向の幅(厚み)よりも広い。
【0103】
ガイド部15を構成する材料は、任意の材料であればよいが、例え布、皮革、樹脂、又は金属を含む。
【0104】
図23に示されるように、複数のガイド部15は、底面1Cの長手方向において互いに間隔を空けて配置されていてもよい。複数のガイド部15の各々は、例えば底鋲として構成されていてもよい。
【0105】
バッグ104は、収容部1が複数のガイド部15をさらに有している点を除き、実施の形態2に係るバッグ101、実施の形態3に係るバッグ102、又は実施の形態4に係るバッグ103と同様の構成を備えていてもよい。
【0106】
(変形例)
実施の形態1~5に係るバッグ100~104の各々において、収容部1の形状及び寸法は任意に選択され得る。図24に示されるように、収容部1の正面形状は略長方形状であってもよい。バッグ100~104は、いわゆるビジネスバッグとして構成されていてもよい。図25に示されるように、収容部1の正面形状は略楕円形状であってもよい。バッグ100~104は、いわゆるスポーツバッグとして構成されていてもよい。
【0107】
図26に示されるように、バッグ100~104の各々において、第1外側面1A、第2外側面1B、及び底面1Cは、1つの曲面を構成するように設けられていてもよい。この場合、当該1つの曲面のうち互いに反対方向を向いた2つの面要素がそれぞれ第1外側面1A及び第2外側面1Bとなり、当該1つの曲面のうちの上記2つの面要素間に位置する面要素が底面1Cとなる。
【0108】
以上、各実施の形態において本開示のストラップについて説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0109】
1 収容部、1A 第1外側面、1B 第2外側面、1C 底面、1D 上面、1E 前面、1F 後面、2 ストラップ、2A 一端部、2B 他端部、2B1 第1部分、2B2 第2部分、2B3 隙間、2B4 第5係止部、2B5 第6係止部、2C 中央部、2D,2F,2H 一部、2E,2G 残部、10 固定部、11 第1係止部、12 第2係止部、13 第3係止部、14 第4係止部、15 ガイド部、100,101,102 バッグ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容部と、
長手方向に延びているストラップとを備え、
前記収容部は、
互いに反対方向を向いている第1外側面および第2外側面と、
前記第1外側面および前記第2外側面の各々の下端部を接続している底面と、
前記第1外側面に取り付けられている固定部及び第1係止部と、
前記第2外側面に取り付けられており、前記ストラップを挿通可能である第2係止部と
前記第1係止部よりも下方の前記第1外側面又は前記第2係止部よりも下方の前記第2外側面に取り付けられており、前記ストラップを挿通可能である第3係止部とを含み、
前記ストラップの前記長手方向の一端部は、前記固定部に取り付けられており、
前記ストラップの前記長手方向の他端部は、前記第1係止部前記第2係止部、又は前記第3係止部に着脱可能でありかつ前記第1係止部、前記第2係止部、又は前記第3係止部と係合するフックを含み
前記ストラップが前記第2係止部及び前記第3係止部に挿通されて前記第2外側面、前記底面、および前記第1外側面上に渡されており、かつ前記フックが前記第1係止部に掛け止められている第1状態と、
前記フックが前記第2係止部に掛け止められている第2状態と
前記フックが前記第2係止部に挿通されて前記第3係止部に掛け止められている第3状態とを切り替え可能である、バッグ。
【請求項2】
前記第1状態において前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に挿通されている部分との間の前記長手方向の長さは、前記第2状態において前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に掛け止められている前記他端部との間の前記長手方向の長さよりも短い、請求項1に記載のバッグ。
【請求項3】
前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に挿通されている部分との間が把持されて前記収容部が吊り下げられている前記第1状態おいて前記フックが前記第1係止部から取り外されたとき、前記収容部が自重により前記ストラップに対して相対的に下方に移動して、前記フックが前記第3係止部と係合するように設けられている、請求項1又は2に記載のバッグ。
【請求項4】
前記ストラップの前記一端部と前記第2係止部に挿通されている部分との間が把持されて前記収容部が吊り下げられている前記第3状態おいて前記フックが前記第3係止部から取り外されたとき、前記収容部が自重により前記ストラップに対して相対的に下方に移動して、前記フックが前記第2係止部と係合するように設けられている、請求項3に記載のバッグ。
【請求項5】
前記ストラップの前記一端部と前記他端部との間には、前記ストラップを折り返すための器具が取り付けられていない、請求項1~4のいずれか1項に記載のバッグ。
【請求項6】
前記第1状態と前記第2状態との間で前記ストラップの前記一端部と前記他端部との間の前記長手方向の長さは一定である、請求項1~5のいずれか1項に記載のバッグ。