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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064393
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】レーザ切断装置およびレーザ切断方法
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/08 20140101AFI20230501BHJP
   B23K 26/082 20140101ALI20230501BHJP
   B23K 26/38 20140101ALI20230501BHJP
   H01M 4/139 20100101ALI20230501BHJP
【FI】
B23K26/10
B23K26/08 F
B23K26/38 A
H01M4/139
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174653
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000110859
【氏名又は名称】キヤノンマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100148987
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 礼子
(72)【発明者】
【氏名】黒川 睦生
【テーマコード(参考)】
4E168
5H050
【Fターム(参考)】
4E168AD07
4E168CB03
4E168CB04
4E168DA45
4E168DA46
4E168DA47
4E168EA15
4E168HA01
5H050AA19
5H050BA17
5H050GA04
(57)【要約】
【課題】全体構成および制御の簡素化を図って安定して帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくことができるレーザ切断装置およびレーザ切断方法を提供する。
【解決手段】帯状体供給源から繰り出された帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくレーザ切断装置である。レーザ加工機と、外径面が複数の平坦面からなる多角形柱体の回転ドラムと、この回転ドラムを軸心線廻りに回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する回転ドラム用制御手段と、レーザ加工機のレーザ加工を制御するレーザ加工機用制御手段とを備える。回転ドラムの外径面の一の平坦面が、所定位置に来たときのその回転を停止しているときに帯状体を前記レーザ加工機にてレーザ加工制御を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状体供給源から繰り出された帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくレーザ切断装置であって、
レーザ加工機と、外径面が複数の平坦面からなる多角形柱体の回転ドラムと、この回転ドラムを軸心線廻りに回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する回転ドラム用制御手段と、レーザ加工機のレーザ加工を制御するレーザ加工機用制御手段とを備え、前記回転ドラム制御手段は、回転ドラムの外径面の一の平坦面が、所定位置に来たときにその回転を停止した後、再度、前記回転ドラムを回転させて次の平坦面が所定位置に来たときにその回転を停止する間欠送りの制御を行い、前記レーザ加工機用制御手段は、各平坦面が所定位置に来て停止しているときに前記帯状体を前記レーザ加工機にてレーザ加工制御を行うものであり、前記回転ドラムは、この回転ドラムに供給された帯状体を吸着して、回転ドラムの外径面の各平坦面に密着させる吸着手段を備えることを特徴とするレーザ切断装置。
【請求項2】
前記回転ドラムと前記帯状体供給源との間に、回転ドラムへの帯状体の供給量を調整する供給量調整手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ切断装置。
【請求項3】
製品排出位置まで前記吸着手段にて、レーザ加工されてなる矩形状乃至正方形状の切断片を前記回転ドラムの平坦面に密着させ、前記製品排出位置で前記吸着手段により吸着が解除されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のレーザ切断装置。
【請求項4】
前記切断片を切り抜いた後の抜きカスがカス排出位置で前記回転ドラムから排出されて溜まる抜きカス溜めを設けたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のレーザ切断装置。
【請求項5】
前記帯状体の不良箇所を検出する不良箇所検出手段を備え、前記不良箇所検出手段にて検出された不良箇所を含む切断片対応部においては、レーザ加工機にて切断されない未切断片部となることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のレーザ切断装置。
【請求項6】
前記抜きカスには、前記未切断片部が含まれることを特徴とする前記請求項5に記載のレーザ切断装置。
【請求項7】
前記切断片が、二次電池の正電極板又は負電極板であることを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載のレーザ切断装置。
【請求項8】
前記回転ドラムに供給された前記帯状体を前記回転ドラムに吸着した状態での回転ドラムの回転で、帯状体の送りを可能とすることで、他の帯状体送り機構を有しない構成としたことを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のレーザ切断装置。
【請求項9】
帯状体供給源から繰り出された帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくレーザ切断方法であって、
多角形柱体からなる回転ドラムの外径面の一の平坦面が、所定位置に来たときにその回転を停止し、その停止状態で、前記帯状体の前記平坦面に密着している被加工部位に対してレーザ加工機にてレーザ加工を行って前記切断片に切断していくことを特徴とするレーザ切断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ切断装置およびレーザ切断方法に関し、特に、帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片(例えば、正電極板又は負電極板)に切断していくレーザ切断装置およびレーザ切断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池の一種として、正電極板と負電極板とを絶縁体であるセパレータを挟んで相対向させることにより積層してなる電極積層体を構成したものがある(特許文献1及び特許文献2)。
【0003】
すなわち、電極積層体は、図17に示すように、帯状のセパレータ1をつづら折り(ジグザグ折り)しつつ、相反する方向に開口する負極収容部2と正極収容部3が順次形成され、負極収容部2に負電極板4が嵌入され、正極収容部3に正電極板5が嵌入されていくことになる。なお、負電極板4及び正電極板5にはタブ4a、5aが付設されている。
【0004】
そして、負電極板4及び正電極板5は、例えば、特許文献1に記載の製造方法及びその装置により製造される。特許文献1に記載された製造方法は、長尺状の原反に対して、耳部切り離し位置で、第1のレーザビームにより耳部を切り離し、耳部切り離し位置よりも下流側の切断領域で、第2のレーザビームで、電極部分を所定間隔で切断してタブ付きの電極シート(負電極板4又は正電極板5)を連続的に形成するものでありタブ付き電極シートと切り離した耳部とを回収するものである。
【0005】
また、第2のレーザビームで、原反を切断する場合、原反8を引取部10で吸着した状態で行うことになる。引取部10としては、図18に示す構造のものが提案されている。この引取部10は、円柱状の固定ドラム11と、固定ドラム11の周囲を回転する回転筒体12とを備えるものである。また、回転筒体12には、複数の通気孔13が設けられ、固定ドラム11の外周面と回転筒体12の内径面との間には、負圧空間14及び正圧空間15が形成されている。この場合、固定ドラム11の外径面の負圧空間用の凹部11aと正圧空間用の凹部11bが形成されることにより、負圧空間14及び正圧空間15が形成される。そして、回転筒体12には通気孔13が連通されている。また、回転筒体12の外径面には、レーザ走行凹溝16が形成されている。
【0006】
また、この引取部10の上流側には原反送出用ローラ17a、17bが配置され、引取部10の下流側には引取側ローラ18a、18bが配置されている。また、図18におけるL1、L1´は、第1のレーザビームを示し、L2は第2のレーザビームを示している。
【0007】
原反送出用ローラ17a、17bから送出された原反8は、負圧空間対応部では、通気孔13を介して吸引され、回転筒体12の外径面に吸着する。そして、原反8が、第1のレーザビームL1、L2にて耳部8b、8bが切り離され、引取側ローラ18a、18bにて下流側へ搬送される。また、引取部10上では、第2のレーザビームL2でタブ付き電極シート19が切り出され、この電極シート19が回転筒体12に吸着された状態で、その回転筒体12の回転(矢印A方向の回転)に伴って、矢印A方向に搬送され、正圧空間対応部に達すれば、この電極シート19は吸着が解除され、回転筒体12から離間して、矢印B方向に排出され、電極シート回収部20に供給される。
【0008】
このため、この特許文献1に記載のダブ付き電極シートの製造方法とその装置では、電極シート回収部20に順次、製品としての電極シート19が電極シート回収部20に回収されていく。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】WO2017/119011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、図18に示すような引取部10を用いる場合、回転筒体12の回転中に第2のレーザビームで切断する構成となっている。このため、原反8をその走行方向(原反長手方向)と直交する方向に切断する場合、この走行に伴って、第2のレーザビームL2の照射をずらせていく制御を行う必要がある。すなわち、レーザビームL2の照射を原反長手方向と直交する方向に沿って原反長手方向にずらせていく必要がある。このため、回転筒体12に設けたレーザ走行凹溝16もそのレーザビームL2の照射の変動に対して対応するもの、例えば、回転筒体12の軸方向に対してレーザ走行凹溝16を傾斜させたり、レーザ走行凹溝16の幅寸法を大きくしたりする必要がある。
【0011】
このように、図18に示すような従来の切断方法では、第2のレーザビームL2の照射の制御が複雑化し、また、レーザ走行凹溝16の形成位置及び大きさの設定も複雑化していた。
【0012】
そこで、本発明では、上記課題に鑑みて、全体構成および制御の簡素化を図って安定して帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくことができるレーザ切断装置およびレーザ切断方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明のレーザ切断装置は、帯状体供給源から繰り出された帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくレーザ切断装置であって、レーザ加工機と、外径面が複数の平坦面からなる多角形柱体の回転ドラムと、この回転ドラムを軸心線廻りの回転させる駆動手段と、この駆動手段を制御する回転ドラム用制御手段と、レーザ加工機のレーザ加工を制御するレーザ加工機用制御手段とを備え、前記回転ドラム制御手段は、回転ドラムの外径面の一の平坦面が、所定位置に来たときにその回転を停止した後、再度、前記回転ドラムを回転させて次の平坦面が所定位置に来たときにその回転を停止する間欠送りの制御を行い、前記レーザ加工機用制御手段は、各平坦面が所定位置に来て停止しているときに前記帯状体を前記レーザ加工機にてレーザ加工制御を行うものであり、前記回転ドラムは、この回転ドラムに供給された帯状体を吸着して、回転ドラムの外径面の各平坦面に密着させる吸着手段を備えるものである。
【0014】
本発明のレーザ切断装置によれば、レーザ加工機による帯状体への切断作業が、回転ドラムを停止した状態で行うことができ、レーザ加工機の制御の容易化を図ることができる。また、レーザ加工機による切断作業は、帯状体が、回転ドラムの平坦面に吸着された状態で行えるので、帯状体の製造過程で形成される初期くせ(例えば、電極の初期くせ)の弛み、反り、及び/又はうねり等の影響を受けることなく、帯状体を安定して切断することができる。
【0015】
前記回転ドラムと前記帯状体供給源との間に、回転ドラムへの帯状体の供給量を調整する供給量調整手段を設けるのが好ましい。このように、供給量調整手段を設けることによって、回転したり停止したりする回転ドラムへの帯状体の供給を、安定して行うことができる。すなわち、回転ドラムへの帯状体の供給の際に、帯状体を余らせたり、帯状体に不要な張力を付加させたりすることがなくなる。また、この供給量調整手段にて回転ドラムへの帯状体の供給量を調整できるので、帯状体供給源から繰り出された帯状体の繰り出し量を変動させることなく、一定量で繰り出すことが可能で、その制御の容易化を図ることができる。
【0016】
製品排出位置まで前記吸着手段にて、レーザ加工されてなる矩形状乃至正方形状の切断片を前記回転ドラムの平坦面に密着させ、前記製品排出位置で前記吸着手段により吸着が解除されるようにするのが好ましい。このように構成することによって、製品排出位置で、切断片が回転ドラムからはがれ、外部へ排出することができる。
【0017】
前記切断片を切り抜いた後の抜きカスがカス排出位置で前記回転ドラムから排出されて溜まる抜きカス溜めを設けるのが好ましい。このように構成することにより、製品から分離された抜きカスを抜きカス溜めに溜めていくことがきで、後処理が容易となる。
【0018】
前記帯状体の不良箇所を検出する不良箇所検出手段を備え、前記不良箇所検出手段にて検出された不良箇所を含む切断片対応部においては、レーザ加工機にて切断されない未切断片部となるように構成してもよい。このように構成することにより、不良箇所を含む切断片を形成することがなくなり、不良箇所を含まない良品と、不良箇所を含む不良品との選別作業等を必要とせず、生産性に優れる装置となる。
【0019】
前記抜きカスには、前記未切断片部が含まれるのが好ましい。このように構成することにより、未切断片部を別途回収する必要がなく、作業性の向上を図ることができる。
【0020】
前記切断片を、二次電池の正電極板又は負電極板とすることができる。また、前記回転ドラムに供給された前記帯状体を前記回転ドラムに吸着した状態での回転ドラムの回転で、帯状体の送りを可能とすることで、他の帯状体送り機構を有しない構成とすることができる。このように構成することにより、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0021】
本発明のレーザ切断方法は、帯状体供給源から繰り出された帯状体をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片に切断していくレーザ切断方法であって、多角形柱体からなる回転ドラムの外径面の一の平坦面が、所定位置に来たときにその回転を停止し、その停止した状態で、前記帯状体の前記平坦面に吸着している被加工部位に対してレーザ加工機にてレーザ加工を行って前記切断片に切断していくものである。
【0022】
本発明のレーザ切断方法によれば、レーザ加工による帯状体への切断作業が、回転ドラムを停止した状態で行うことができ、レーザの照射位置の制御の容易化を図ることができる。また、レーザ加工による切断作業は、帯状体が、回転ドラムの平坦面に吸着された状態で行えるので、帯状体の製造過程で形成される初期くせ(例えば、電極の初期くせ)の弛み、反り、及び/又はうねり等の影響を受けることなく、帯状体を切断することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、帯状体の初期くせ(製造時に形成されるくせ)である弛み、反り、及び/又はうねり等の影響を受けにくく、高精度の切断作業が可能となる。また、機構及び制御の簡素化を図ることができ、作業上のトラブルのリスクを減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明のレーザ切断装置の構成を示す簡略ブロック図である。
図2】本発明のレーザ切断装置の要部簡略図である。
図3】回転ドラムの要部拡大図である。
図4】レーザ加工機からのレーザビームにて切断される切断片を示す簡略図である。
図5】切断片が切り抜かれた抜きカスを示す簡略図である。
図6】切断片が切り抜かれた抜きカスを示し、(a)は未切断片部の範囲を示す簡略図であり、(b)は未切断片部を有する簡略図である。
図7】平坦面の幅寸法が70mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が235mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が290mmの場合の簡略図である。
図8】平坦面の幅寸法が72mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が235mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が290mmの場合の簡略図である。
図9】平坦面の幅寸法が75mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が250mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が310mmの場合の簡略図である。
図10】平坦面の幅寸法が77mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が250mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が310mmの場合の簡略図である。
図11】平坦面の幅寸法が80mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が260mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が320mmの場合の簡略図である。
図12】平坦面の幅寸法が90mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が300mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が360mmの場合の簡略図である。
図13】平坦面の幅寸法が100mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が320mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が400mmの場合の簡略図である。
図14】電極積層体の断面図である。
図15】電極積層体の製造方法を示す簡略斜視図である。
図16】電極積層体の製造方法を示す簡略正面図である。
図17】電極積層体の製造方法を示す簡略斜視図である。
図18】従来のこの種のレーザ加工装置の簡略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明の実施の形態を図1図16に基づいて説明する。図1は本発明に係るレーザ切断装置の構成を示す簡略ブロック図を示す。レーザ切断装置は、レーザ加工機31と、外径面が複数の平坦面32からなる多角形柱体の回転ドラム33と、この回転ドラム33を軸心線廻りに回転させる駆動手段34と、この駆動手段34を制御する回転ドラム用制御手段35と、レーザ加工機31のレーザ加工を制御するレーザ加工機用制御手段36等を備える。このレーザ切断装置は、帯状体供給源37から繰り出された帯状体W(図2参照)をレーザ加工にて矩形状乃至正方形状の切断片S(図2及び図4参照)に切断していくものである。なお、帯状体供給源37は、図示省略するが、回転軸と、帯状体Wを巻設状態で固定する手段を備えたものであり、図示省略の駆動用モータを有する駆動手段にて、回転軸が回転して、この回転軸に巻設された帯状体Wが送出される。また、この駆動用モータとして、サーボモータ等のパルス信号、アナログ信号またはネットワーク通信信号のいずれかの信号で駆動制御されるモータを用いる。
【0026】
ここで、帯状体Wは、例えば、集電体の母材となる集電体シートであり、集電体は例えば、二次電池の正電極板又は負電極板を構成する。ところで、リチウムイオン二次電池の一種として、図14に示すような電極積層体24を構成することができる。本レーザ切断装置は、正電極板又は負電極板を構成する、切断片S、つまり図17に示すような切断片4や切断片5を切り抜くものである。
【0027】
図14に示す電極積層体24は、つづら折りされた帯状のセパレータ25を介在させた状態で負電極板26と正電極板27とが交互に積層されてなる。すなわち、セパレータ(絶縁体)を、図15図16に示すように、相反する方向に負極収容部28と正極収容部29が形成されるようにつづら折りし、各負極収容部28に負電極板26を収容するとともに、各正極収容部29に正電極板27を収容するように折り畳んでいく。
【0028】
回転ドラム33は、図3に示すように、ドラム本体40と、図2に示すように、このドラム本体40の外径面に周方向に沿って配設される複数の平板体41を備える。この平板体41の外面が、回転ドラム33の外径面に形成される複数の平坦面32となる。この場合、平坦面32が12面を有する12面体とされ、平坦面32として幅寸法が75mmとされている。そして、径寸法が310mmとされる(図9b)。
【0029】
また、平板体41には、図示省略の多数の吸引孔が設けられ、ドラム本体40内に吸着手段30(図1参照)の一部を構成する内部配管42が設けられている。内部配管42が、負圧となる負圧配管42aと、正圧となる正圧配管42bとがあり、ドラム本体40の両端開口部は側壁にて施蓋され、図示省略の継手を介して、内部配管42と外部配管(図示省略)とが連通される。また、負圧配管42aに接続される外部配管には真空発生器が接続されている。真空発生器としては、真空ポンプを用いるものであっても、高圧空気を開閉制御してノズルよりディフューザに放出して拡散室に負圧を発生させるエジャクタ方式のものであってもよい。また、正圧配管42bに接続される外部配管には、正圧供給のための正圧ポンプ等接続される。ところで、回転ドラム33は駆動手段34を介してその軸心廻りに回転駆動するが、この回転にともなって、内部配管42及び外部配管は回転せず、固定されている。駆動手段34は、帯状体供給源37と同様、サーボモータ等のパルス信号、アナログ信号またはネットワーク通信信号のいずれかの信号で駆動制御されるモータ(駆動用モータ)を用いることができる。
【0030】
このため、図2に示すように、図面上の水平軸をX軸とし、回転ドラムの軸心を通りX軸と直交する軸をY軸としたとき、この座標の第二象限II、第一象限I、第四象限IVに対応する部位の平板体41の吸引孔に負圧が供給され、第一象現Iと第四象限IVとの境目、及び第四象限IVと第三象限IIIとの境目に対応する部位の平板体41の吸引孔に正圧が供給される。
【0031】
第一象現Iと第四象現IVとの間の正圧配管42bに対応する平板体41への正圧供給で、後述する帯状体Wの抜きカスW1が、回転ドラム33からその吸着状態が解除される。この位置がカス排出位置となる。そして、このカス排出位置で吸着状態が解除された抜きカスW1はガイド板45に、回転ドラム33の斜め下方にガイドされて、折り畳み機構46を介して、つづら状に折り畳まれて抜きカス溜め47に溜まっていく。
【0032】
折り畳み機構46は、抜きカスW1を挟持するローラ対48を備え、このローラ対48が図示省略の駆動機構を介して矢印A、B方向に往復する。このローラ対48の往復動により、抜きカスW1はつづら状に折り畳まれて抜きカス溜め47に溜まっていく。
【0033】
また、第三象限IIIと第四象限IVとの間の正圧配管42bに対応する平板体41への正圧供給で、後述する帯状体Wの切断片Sが、回転ドラム33からその吸着状態が解除される。このため、回転ドラム33の下方に配置された製品溜まり50に順次溜まっていく。
【0034】
ところで、帯状体供給源37と回転ドラム33との間(図例では、回転ドラム33の直前)に回転ドラム33への帯状体Wの供給量を調整する供給量調整手段51が配置されている。この供給量調整手段51は、複数のローラ52a~52gからなるローラ群55を有するダンサー手段にて構成される。すなわち、ローラ群55に帯状体Wが掛け回され、ローラ52b及びローラ52dが52b´及び52d´まで移動し、また52b及び52d位置に戻る動作を回転ドラム33の回転と連動しおこなうことにより回転ドラム33への帯状体Wの供給量を調整することができる。このため、供給量調整手段51は、ローラ52b、52dをそれぞれ上下動させる往復動機構を備える。ローラ群55の数と移動距離は、回転ドラム33の径と回転速度と停止時間により決まるものであり図2に示す配列は参考であり限定するものではない。
【0035】
次に、レーザ加工機31は、図示省略のレーザ発振器と、この発振器で生成されたレーザ光がミラーに反射されて運ばれるヘッド部を備えるものであり、このヘッド部のレンズでレーザ光を集光して、対象物(この場合、帯状体W)(材料)に照射される。この場合、レーザ光を照射するヘッド部が固定されて、ヘッド部内のミラーがレーザ光の光路を走査するガルバノレーザを用いている。なお、一般にレーザ加工機には、ヘッド部が加工エリア内を2軸方向に移動可能とされ、ヘッド部自体がこの2軸方向に移動して材料にレーザ光を照射するフラットベッドレーザがあり、本発明のレーザ加工機31にフラットベッドレーザを用いるものであってもよい。また、使用するレーザとしては、ピコ秒レーザやフェムト秒レーザ等の短パルスレーザが好ましい。
【0036】
ところで、この装置は、例えば、帯状体供給源37と供給量調整手段51との間に、図1に示すような不良箇所検出手段52が設けられている。この不良箇所検出手段52は、帯状体Wのコーティング層(正極活物質層または負極活物質層)の有無を検出したり、帯状体接続部(つなぎテープ)を検出したり、帯状体の蛇行補正部を検出したりするものがあり、コーティング層を有しない箇所やつなぎテープを有する箇所や蛇行補正検出不能箇所が不良箇所となる。これらの検出には、各検出に最適な種々のタイプの検出センサが用いられる。
【0037】
回転ドラム用制御手段35及びレーザ加工機用制御手段36は、図示省略の制御手段(コンピュータ制御)にて行われる。ここで、コンピュータは、基本的には、入力機能を備えた入力手段と、出力機能を備えた出力手段と、記憶機能を備えた記憶手段と、演算機能を備えた演算手段と、制御機能を備えた制御手段にて構成される。入力機能は、外部からの情報を、コンピュータに読み取るためのものであって、読み込まれたデータやプログラムは、コンピュータシステムに適した形式の信号に変換される。出力機能は、演算結果や保存されているデータなどを外部に表示するものである。記憶手段は、プログラムやデータ、処理結果などを記憶して保存するものである。演算機能は、データをプログラムの命令に随って、計算や比較して処理するものである。制御機能は、プログラムの命令を解読し、各手段に指示を出すものであり、この制御機能はコンピュータの全手段の統括をする。入力手段には、キーボード、マウス、タブレット、マイク、ジョイスティック、スキャナ、キャプチャーボード等がある。また、出力手段には、モニタ、スピーカー、プリンタ等がある。記憶手段には、メモリ、ハードディスク、CD・CD-R,PD・MO等がある。演算手段には、CPU等があり、制御手段には、CPUやマザーボード等がある。
【0038】
次に前記のように構成されたレーザ切断装置にて、帯状体Wから矩形状乃至正方形状の切断片Sを切断していく方法を説明する。まず、帯状体Wを帯状体供給源37から一定の送出量で送り出す。そして、供給量調整手段51を介して回転ドラム33に帯状体Wを供給する。
【0039】
回転ドラム33に供給された帯状体Wは、第二象限II対応部で、この回転ドラム33に吸着する。この吸着によって、回転ドラム33の回転に伴って、帯状体Wは回転ドラム33の回転方向(時計回り方向)に搬送される。そして、回転ドラム33の一の平坦面32(切断片Sを切り出そうとする帯状体の部位が吸着している平坦面)が、最上位に来たとき(上方を向いたとき)に、回転ドラム33の回転を停止する。
【0040】
この回転ドラム33の回転が停止しているときに、上方に向いている平坦面32に吸着している帯状体Wにおける被加工部位Pに対して、レーザ加工機31からレーザ光(切断用のレーザ光)を照射する。この際、例えば、図4の矢印のようにレーザ光を走査する。これによって、帯状体Wから切断片Sを切り抜くことができる。
【0041】
その後、再度回転ドラム33を回転駆動させて、次の平坦面が最上位置に来たときに、回転ドラム33の回転を停止する。そして、この停止状態で、レーザ加工機からレーザ光(切断用のレーザ光)を照射する。図4の矢印のようにレーザ光を走査する。これによって、帯状体Wから切断片Sを切り抜く。
【0042】
以下、順次、回転ドラム33の回転と停止を行って、停止しているときに、レーザ光を走査することによって、帯状体Wから切断片Sを切り抜いていくことができる。また、切断片Sを切り抜いていけば、図5に示すように、切断片抜け部54を有する抜きカスW1が形成される。このため、抜きカスW1は、いわゆるはしご形状であって、一対の側片部56,56と、側片部56,56を連結する連結片部57で構成される。
【0043】
そして、順次形成された切断片Sは、回転ドラム33に吸着されたまま第四象限IVと第三象限IIIとの間の正圧配管42b対応部まで搬送され、ここで、この正圧配管42bからの正圧供給で、回転ドラム33の吸着が解放されて、製品溜まり部50に溜めることができる。
【0044】
また、抜きカスW1は、回転ドラム33に吸着されたまま第一象限Iと第四象限IVとの間の正圧配管42b対応部まで搬送され、ここで、この正圧配管42bからの正圧供給で、回転ドラム33の吸着が解放されて、ガイド板45及び折り畳み機構46を介して抜けカス溜まり47に溜めることができる。
【0045】
ところで、本レーザ切断装置では、不良箇所検出手段52を設けているので、帯状体Wの不良箇所がレーザ加工部位(最上位の平坦面)に達しても、レーザ加工を行わない。すなわち、図6(a)の仮想線で示す範囲に、不良箇所があれば、この範囲の切断片Sを形成しない。このため、図6(b)に示すように、抜けカスW1には、一対の側片部55,56を連結する幅広の連結片部57a(不良箇所を含む切断片対応部58)が形成される。
【0046】
従って、抜きカスW1には、不良箇所を含む切断片対応部58(未切断片部59)が含まれ、この抜きカスも抜きカス溜め47に溜めることができる。
【0047】
図7図13は、回転ドラム33のサイズ違いを示している。平坦面32の幅寸法の変化図に対し、平坦面32の面数を変えることで回転ドラム33の直径を一定範囲内に収めることができることを示している。回転ドラムの直径の変化を図7は、平坦面32の幅寸法が70mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が235mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が290mmの場合の簡略図である。図8は、平坦面32の幅寸法が72mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が235mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が290mmの場合の簡略図であり、図9は、平坦面32の幅寸法が75mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が250mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が310mmの場合の簡略図である。図10は、平坦面32の幅寸法が77mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が250mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が310mmの場合の簡略図である。図11は、平坦面32の幅寸法が80mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が260mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が320mmの場合の簡略図である。図12は、平坦面32の幅寸法が90mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が300mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が360mmの場合の簡略図である。図13は、平坦面32の幅寸法が100mmの回転ドラムを示し、(a)は回転ドラムの径寸法が320mmの場合の簡略図であり、(b)は回転ドラムの径寸法が400mmの場合の簡略図である。平坦面32の幅寸法が70mmから80mmでは12面体とし、80mmから100mmでは10面体とすることにより、回転ドラムの径寸法は290mmから320mmの範囲内で製作可能なことを示している(図7(b)、図8(b)、図9(b)、図10(b)、図11(b)、図12(a)、及び図13(a)参照)。図示しない平坦面32の幅寸法においても回転ドラムの面数をさらに少なくしたり、多くしたりすれば、回転ドラムの径寸法を大きく変えずに対応可能となる。つまり品種対応における回転ドラムの交換が容易にできる。
【0048】
本発明のレーザ切断装置によれば、レーザ加工機31による帯状体Wへの切断作業が、回転ドラム33を停止した状態で行うことができ、レーザ加工機31の制御の容易化を図ることができる。また、レーザ加工機31による切断作業は、帯状体Wが、回転ドラム33の平坦面32に吸着された状態で行えるので、帯状体Wの製造過程で形成される初期くせ(例えば、電極の初期くせ)の弛み、反り、及び/又はうねり等の影響を受けることなく、帯状体Wを切断することができる。
【0049】
このため、本発明では、帯状体Wの初期くせ(製造時に形成されるくせ)である弛み、反り、及び/又はうねり等の影響を受けにくく、高精度の切断作業が可能となる。また、機構及び制御の簡素化を図ることができ、作業上のトラブルのリスクを減らすことができる。また、レーザ切断であるため、10μm以下の電極シートの切断が可能となり、金型や切断刃を用いないので、これらのメンテナンスが不要となり、消耗品のランニングコストの低減を図ることができる。なお、レーザの種類により切断面の品質に影響はあるが、実施形態のように、短パルスレーザ(ピコ秒レーザやフェムト秒レーザ)で切断するので、その切断面の品質の向上を図れ、しかも、比較的高速(例えば、2m/秒)での加工(切断)が可能となる。
【0050】
回転ドラム33と帯状体供給源37との間に、回転ドラム33への帯状体Wの供給量を調整する供給量調整手段51を設けるのが好ましい。このように、供給量調整手段51を設けることによって、回転したり停止したりする回転ドラム33への帯状体Wの供給を、安定して行うことができる。すなわち、回転ドラム33への帯状体Wの供給の際に、帯状体Wを余らせたり、帯状体Wに不要な張力を付加させたりすることがなくなる。また、この供給量調整手段51にて回転ドラム33への帯状体Wの供給量を調整できるので、帯状体供給源37から繰り出された帯状体Wの繰り出し量を変動させることなく、一定量で繰り出すことが可能で、その制御の容易化を図ることができる。
【0051】
製品排出位置まで吸着手段30にて、レーザ加工されてなる矩形状乃至正方形状の切断片Sを各平坦面32に密着させ、製品排出位置で吸着手段30により吸着が解除されるのが好ましい。このように構成することによって、製品排出位置で、切断片Sが回転ドラム33から剥がれ、外部へ排出することができる。
【0052】
切断片Sを切り抜いた後の抜きカスW1が回転ドラム33から排出されて溜まる抜きカス溜め47を設けるのが好ましい。このように構成することにより、製品から分離された抜きカスW1を抜きカス溜め47に溜めていくことがきで、後処理が容易となる。
【0053】
帯状体Wの不良箇所を検出する不良箇所検出手段52を備え、不良箇所検出手段52にて検出された不良箇所を含む切断片対応部58においては、レーザ加工機31にて切断されない未切断片部59となるように構成してもよい。このように構成することにより、不良箇所を含む切断片Sを形成することがなくなり、不良箇所を含まない良品と、不良箇所を含む不良品との選別作業等を必要とせず、生産性に優れる装置となる。
【0054】
抜きカスW1には、未切断片部59が含まれるのが好ましい。このように構成することにより、未切断片部59を別途回収する必要がなく、作業性の向上を図ることができる。また、本レーザ切断装置では、回転ドラム33に供給された帯状体Wを回転ドラム33に吸着した状態での回転ドラム33の回転で、帯状体Wの送りを可能とすることで、他の帯状体送り機構を有しない構成とすることができる。このように構成することにより、装置構成の簡略化を図ることができる。
【0055】
本発明のレーザ切断方法によれば、レーザ加工による帯状体Wへの切断作業が、回転ドラムを停止した状態で行うことができ、レーザの照射位置の制御の容易を図ることができる。また、レーザ加工による切断作業は、帯状体Wが、回転ドラム33の平坦面32に吸着された状態で行えるので、帯状体Wの製造過程で形成される初期くせ(例えば、電極の初期くせ)の弛み、反り、及び/又はうねり等の影響を受けることなく、帯状体Wを切断することができる。
【0056】
本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、実施形態では、帯状体Wとして、集電体の母材となる集電体シートであったが、これに限るものではなく、レーザ加工で、矩形状乃至正方形状の切断片Sを形成するものであればよい。また、回転ドラム33の一の平坦面32で、切断加工される切断片Sとして、1枚であっても、複数枚であってもよい。このため、一の平坦面32で1枚の切断片Sを切り抜く場合、平坦面32の幅寸法が、切断片Sの幅寸法に対応する。なお、前記実施形態では、長手方向に隣り合う切断片切り抜き部間には、小寸の幅寸法の連結片部57が形成されているが、レーザ加工でこのような連結片部を有さないようにしてもよい。また、平坦面32にレーザ走行凹溝を形成するのが好ましいが、このようなレーザ走行凹溝を形成しない場合であってもよい。
【0057】
ところで、帯状体Wとして、切断片Sが正電極板であれば、正極活物質層を有する集電体シートであり、切断片Sが負電極板であれば、負極活物質層を有する集電体シートである。また、回転ドラム33としては、外径面が複数の平坦面32からなる多角形柱体であるが、この場合、中空体であっても中実体であってもよい。さらには、平坦面32の幅寸法として、図例のものに限らず、切り抜かれる切断片Sの大きさ(幅寸法)に応じて、種々の寸法のものを採用できる。なお、平坦面32の幅寸法にて、回転ドラム33の径寸法が変更される。また、平坦面32の幅寸法及び回転ドラム軸方向寸法は、少なくとも、1枚の切断片Sを切り出すことができる寸法を必要とする。
【0058】
レーザ加工機31で帯状体Wをレーザ加工する場合、実施形態のように、上方を向いた平坦面32上の帯状体Wの被加工部位Pに対して行うものに限るものではなく、鉛直方向に対して所定角度で傾斜している平坦面32上の帯状体Wの被加工部位Pに対して行うようにしてもよい。また、レーザ加工機31の使用するレーザとしては、ピコ秒レーザやフェムト秒レーザ等に限るものではなく、マイクロ秒レーザやナノ秒レーザ等であってもよい。すなわち、帯状体Wの材質や厚さ寸法に応じて、他の種々のレーザを使用することができる。
【0059】
また、レーザ加工を行う際の回転ドラム33の回転停止時間としては、レーザ加工機31にて、切断片Sを切り抜ける時間であり、レーザ加工機31のレーザ光の走査時間および切断片Sの大きさに応じて種々変更できる。また、回転ドラム33の回転速度としては、レーザ加工機31による切断作業外であるので、任意に設定できる。
【符号の説明】
【0060】
26 負電極板
27 正電極板
30 吸着手段
31 レーザ加工機
32 平坦面
33 回転ドラム
34 駆動手段
35 回転ドラム用制御手段
36 レーザ加工機用制御手段
37 帯状体供給源
47 抜きカス溜め
51 供給量調整手段
52 不良箇所検出手段
59 未切断片部
S 切断片
W 帯状体
W1 抜きカス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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