(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064402
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】冷媒冷却装置
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6566 20140101AFI20230501BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20230501BHJP
H01M 10/6563 20140101ALI20230501BHJP
H01M 10/651 20140101ALI20230501BHJP
【FI】
H01M10/6566
H01M10/613
H01M10/6563
H01M10/651
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174665
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 光洋
(72)【発明者】
【氏名】金城 賢治
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃司
【テーマコード(参考)】
5H031
【Fターム(参考)】
5H031AA09
5H031KK08
(57)【要約】
【課題】設置面積が大きくなることを抑制しつつ、熱交換器内の冷媒を適切に冷却することができる冷媒冷却装置を提供すること。
【解決手段】冷媒冷却装置は、水平方向に一列に並ぶように配置された3個以上の熱交換器と、前記熱交換器が形成する列の両端側にそれぞれ配置された上側散水マットと、前記熱交換器及び前記上側散水マットよりも下側に配置された下側散水マットと、前記上側散水マット及び前記下側散水マットに水を供給する水供給部と、前記上側散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた上側の冷却空気を、前記上側散水マットにそれぞれ対向する外側の前記熱交換器に導く一方で、前記下側散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた下側の冷却空気を、前記上側散水マットに対向しない内側の前記熱交換器に導くように構成された空気導入部と、を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平方向に一列に並ぶように配置された3個以上の熱交換器と、
前記熱交換器が形成する列の両端側にそれぞれ配置された上側散水マットと、
前記熱交換器及び前記上側散水マットよりも下側に配置された下側散水マットと、
前記上側散水マット及び前記下側散水マットに水を供給する水供給部と、
前記上側散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた上側の冷却空気を、前記上側散水マットにそれぞれ対向する外側の前記熱交換器に導く一方で、前記下側散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた下側の冷却空気を、前記上側散水マットに対向しない内側の前記熱交換器に導くように構成された空気導入部と、を備える、
冷媒冷却装置。
【請求項2】
前記下側の冷却空気を、前記外側の熱交換器に導かないように構成された空気導入阻止部を更に備える、
請求項1に記載の冷媒冷却装置。
【請求項3】
前記水平方向に並ぶ2個の前記熱交換器を収納する箱状の本体、及び、前記本体内の空気を排気するファンを有し、前記水平方向に一列に並ぶように配置された2台以上の冷却ユニットを更に備え、
前記本体は、前記2個の熱交換器にそれぞれ対向する位置に形成された側方開口と、前記2個の熱交換器の下方に形成された下方開口と、を備え、
前記上側散水マットは、前記冷却ユニットが形成する列の両端側にそれぞれ配置され、
前記空気導入部は、前記上側の冷却空気を、前記上側散水マットに対向する外側の前記側方開口を介して、前記外側の熱交換器に導く一方で、前記下側の冷却空気を、前記下方開口を介して、前記内側の熱交換器に導くように構成された、
請求項2に記載の冷媒冷却装置。
【請求項4】
前記2個以上の冷却ユニットを下方から支持する支持体を更に備え、
前記下側散水マットは、前記支持体の側部に対向する位置に配置され、
前記支持体には、当該支持体の側部における前記下側散水マットに対向する部位と前記支持体の上面とを連通する連通部が形成され、
前記空気導入部は、前記下側の冷却空気を、前記連通部及び前記下方開口を介して、前記内側の熱交換器に導くように構成された、
請求項3に記載の冷媒冷却装置。
【請求項5】
隣り合う前記冷却ユニットは、互いに離れるように前記支持体により支持され、
前記冷媒冷却装置は、前記隣り合う冷却ユニット間の領域を覆う覆い部であって、前記連通部を介して前記冷却ユニットの間に導かれる空気が前記冷却ユニットの外側に漏れることを防止する覆い部を更に備え、
前記空気導入部は、前記下側の冷却空気を、前記連通部、前記隣り合う冷却ユニット間の領域及び前記上側散水マットに対向しない内側の前記側方開口を介して、前記内側の熱交換器に導くように構成された、
請求項4に記載の冷媒冷却装置。
【請求項6】
前記隣り合う冷却ユニットの間隔は、当該隣り合う冷却ユニット内における前記内側の熱交換器に対向する位置の空気の風速と、当該内側の熱交換器の間の領域の下端を通過する空気の風速と、の差が、10m/秒以下になるように設定された、
請求項5に記載の冷媒冷却装置。
【請求項7】
前記連通部は、前記下側散水マットを通過する空気の風速が3m/秒以下になるように構成された、
請求項4から6のいずれか一項に記載の冷媒冷却装置。
【請求項8】
前記支持体の側方における前記支持体の外周方向に並ぶ複数の箇所には、それぞれ前記下側散水マットが配置され、
前記連通部は、前記支持体における前記複数の部位と前記支持体の上面とを連通するように構成された、
請求項4から7のいずれか一項に記載の冷媒冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、冷媒冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍機の熱交換器の前に設置された散水マットへ水を滴下して、散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた空気を用いて、凝縮負荷を低減する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された構成を用いて、複数の熱交換器を冷却しようとする場合、同じ個数の熱交換器及び散水マットを、水平方向に交互に並べることが考えられる。しかしながら、このような構成では、装置の設置面積が大きくなってしまうおそれがある。
【0005】
本開示は、設置面積が大きくなることを抑制しつつ、熱交換器内の冷媒を適切に冷却することができる冷媒冷却装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の冷媒冷却装置は、水平方向に一列に並ぶように配置された3個以上の熱交換器と、前記熱交換器が形成する列の両端側にそれぞれ配置された上側散水マットと、前記熱交換器及び前記上側散水マットよりも下側に配置された下側散水マットと、前記上側散水マット及び前記下側散水マットに水を供給する水供給部と、前記上側散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた上側の冷却空気を、前記上側散水マットにそれぞれ対向する外側の前記熱交換器に導く一方で、前記下側散水マットからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた下側の冷却空気を、前記上側散水マットに対向しない内側の前記熱交換器に導くように構成された空気導入部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本開示の冷媒冷却装置によれば、設置面積が大きくなることを抑制しつつ、熱交換器内の冷媒を適切に冷却することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】第1実施形態に係る冷媒冷却装置における冷却ユニットよりも下側の部位の平面図
【
図5】第2実施形態に係る冷媒冷却装置における冷却ユニットよりも下側の部位の平面図
【
図8】第3実施形態に係る冷媒冷却装置における冷却ユニットよりも下側の部位の平面図
【
図10】第3実施形態に係る下側散水マットの前面風速と下側散水マットの飽和効率との関係を示すグラフ
【
図11】第3実施形態に係る下側散水マットの前面風速と下側散水マットを通過する空気の圧力損失との関係を示すグラフ
【
図12】実施例に係る支持体の第1の高さ設定方法の説明図
【
図13A】実施例に係る支持体の第2の高さ設定方法の説明図
【
図13B】実施例に係る支持体の第2の高さ設定方法の説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
本開示の実施形態について説明する。
【0010】
<第1実施形態>
まず、本開示の第1実施形態について説明する。
【0011】
(冷媒冷却装置の構成)
まず、第1実施形態に係る冷媒冷却装置の構成について説明する。
図1は、冷媒冷却装置の正面図である。
図2は、冷媒冷却装置における冷却ユニットよりも下側の部位の平面図である。
図3は、冷媒冷却装置の縦断面図である。
【0012】
図1及び
図2に示される冷媒冷却装置1は、図示されない冷凍装置の圧縮機で圧縮された冷媒を冷却する。冷媒冷却装置1は、3台の冷却ユニット2と、補助冷却装置3と、を備える。なお、冷媒冷却装置1を構成する冷却ユニット2の台数は、2台以上であれば良い。
【0013】
冷却ユニット2は、本体21と、2個の熱交換器22と、を備える。本体21は、四角箱形状に形成されている。本体21は、
図1及び
図2における左右方向(水平方向)に並ぶように配置された2個の熱交換器22を収納する。本体21の上壁には、ファン23が配置されている。ファン23の駆動により、本体21の内部の空気が上方へ排気される。
【0014】
熱交換器22は、いわゆる空冷式の熱交換器であり、圧縮機で圧縮された冷媒と、当該熱交換器22の周囲に存在する空気との熱交換を行い、熱交換後の冷やされた冷媒を、冷凍装置の膨張弁を介して蒸発器へ送る。蒸発器へ送られた冷媒と当該蒸発器の周囲に存在する空気との熱交換により、冷凍装置の冷却対象が冷やされる。2個の熱交換器22は、固定板24に固定されている。固定板24の前端は本体21の前壁に固定され、固定板24の後端は本体21の後壁に固定されている。このような構成により、固定板24の下方の空気が、当該固定板24により固定されている2個の熱交換器22の間に流入することが防止される。2個の熱交換器22は、本体21の前側(
図1における手前側)から見て、上端間の距離が下端間の距離よりも長くなるように傾いている。なお、2個の熱交換器22は、本体21の前側から見て、上端間の距離が下端間の距離と同じになるように、又は、上端間の距離が下端間の距離よりも短くなるように配置されても良い。
【0015】
補助冷却装置3は、熱交換器22を冷却する。補助冷却装置3は、支持体31と、2個の上側散水マット32と、3個の下側散水マット33と、水供給部34と、を備える。
【0016】
支持体31は、左右方向(水平方向)に一列に並ぶように配置された3台の冷却ユニット2を下方から支持する。支持体31は、載置部311と、脚部312と、を備える。載置部311は、例えば四角枠状に形成されている。載置部311上に、3台の冷却ユニット2が載置される。脚部312は、載置部311の四隅から下方に延びるように設けられている。
【0017】
4本の脚部312のうち、前側(
図2の下側)の2本の脚部312には、当該2本の脚部312の間の空間を塞ぐように、前側調整板313が配置されている。後側(
図2の上側)の2本の脚部312には、当該2本の脚部312の間の空間を塞ぐように、後側調整板314が配置されている。各調整板313,314は、それぞれの高さが脚部312の長さと略等しい板状に形成されている。前側調整板313の略中央には、流入調整孔313Aが形成されている。前側調整板313は、支持体31の前側から載置部311の下方へ流入する空気の量を、流入調整孔313Aの大きさに対応する量に調整する。一方、後側空気流入調整板313Bには、流入調整孔313Aが形成されていない。後側調整板314は、支持体31の後側から載置部311の下方へ空気が流入することを防止する。後側調整板314は、支持体31の後側から載置部311の下方へ流入する空気の量を調整すると言うこともできる。
【0018】
上側散水マット32及び下側散水マット33(以下、「散水マット32,33」と言う場合がある)は、通気性を有する素材により、板状に形成されている。散水マット32,33は、空気通過時の抵抗が少なく、水との熱交換を円滑に行うことができる素材で構成されても良い。空気を通し易い散水マット32,33としては、不織布状の繊維体を例示することができる。散水マット32,33は、吸水性及び高耐久性を有する素材で構成されても良い。散水マット32,33の厚さは、例えば、数センチメートル程度である。資源の有効利用の観点から、廃プラスチックをリサイクルして繊維状に再加工した散水マット32,33を使用することが好ましい。散水マット32,33の設置し易さの観点から、散水マット32,33は伸縮可能な素材で形成されていることが好ましい。散水マット32,33は、1個のマットで構成されても良いし、上下方向及び前後方向のうち少なくとも一方の方向に並べられた複数のマットで構成されても良い。
【0019】
3台の冷却ユニット2が形成する列の両端側には、それぞれ1個ずつの上側散水マット32が配置されている。見方を変えると、6個の熱交換器22が形成する列の両端側に、それぞれ1個ずつの上側散水マット32が配置されている。
【0020】
下側散水マット33は、支持体31の側部に対向する位置に配置されている。具体的に、各上側散水マット32の下方には、それぞれ1個ずつの下側散水マット33が配置されている。以下、上側散水マット32の下方に位置する下側散水マット33を、第1下側散水マット33Aと言う場合がある、各第1下側散水マット33Aは、本体21の前側から見て左側の2本の脚部312の間の空間、又は、右側の2本の脚部312の間の空間を、それぞれ塞ぐように配置されている。第1下側散水マット33Aの上端は、上側散水マット32の下端に接触しても良いし、接触しなくても良い。また、上側散水マット32及び第1下側散水マット33Aは、1個の散水マットで構成されても良い。前側調整板313には、流入調整孔313Aを塞ぐように、残りの1個の下側散水マット33が配置されている。流入調整孔313Aを塞ぐ下側散水マット33を、第2下側散水マット33Bと言う場合がある。
【0021】
支持体31には、当該支持体31の側部における下側散水マット33に対向する部位と支持体31の上面とを連通する連通部315が形成されている。連通部315は、左側の2本の脚部312の間の空間と、右側の2本の脚部312の間の空間と、流入調整孔313Aと、載置部311の下方の空間と、載置部311の開口と、により構成されている。
【0022】
水供給部34は、上側散水マット32及び下側散水マット33に水を供給する。水供給部34は、各上側散水マット32に上側から水を供給する上側水供給部341と、第2下側散水マット33Bに上側から水を供給する下側水供給部342と、を備える。第1下側散水マット33Aには、上側水供給部341から供給された水が、上側散水マット32を介して供給される。上側水供給部341及び下側水供給部342からそれぞれ供給される水の量を、個別に調整できるようにしても良い。なお、水供給部34は、第1下側散水マット33Aのみに水を供給する構成を更に備えても良い。
【0023】
次に、
図3を参照して、冷媒冷却装置1の更に詳細な構成について説明する。
図3に示されるように、冷却ユニット2の本体21は、右側の側壁(右側壁)及び左側の側壁(左側壁)にそれぞれ形成された側方開口211と、底面に形成された下方開口212と、を備える。側方開口211又は下方開口212を介して、本体21の外部の空気が本体21の内部に導入される。
【0024】
各側方開口211に対向する位置には、熱交換器22がそれぞれ配置されている。左端に位置する冷却ユニット2の左側壁の側方開口211に対向する位置と、右端に位置する冷却ユニット2の右側壁の側方開口211に対向する位置とに、それぞれ上側散水マット32が配置されている。以下、上側散水マット32に対向する側方開口211を、外側の側方開口211Aと言う場合がある。また、上側散水マット32に対向しない側方開口211、つまり外側の側方開口211A以外の側方開口211を、内側の側方開口211Bと言う場合がある。また、外側の側方開口211Aを介して上側散水マット32に対向する熱交換器22を、外側の熱交換器22Aと言う場合がある。また、上側散水マット32に対向しない熱交換器22、つまり内側の側方開口211Bに対向する熱交換器22を、内側の熱交換器22Bと言う場合がある。各上側散水マット32は、外側の側方開口211Aを塞ぐように配置されている。
【0025】
冷媒冷却装置1は、空気導入部4と、空気導入阻止部5と、図示されない制御部と、を更に備える。
【0026】
空気導入部4は、上側散水マット32からの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた空気(以下、「上側冷却空気」と言う場合がある)を、外側の熱交換器22Aに導く一方で、下側散水マット33からの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた空気(以下、「下側冷却空気」と言う場合がある)を、内側の熱交換器22Bに導くように構成されている。空気導入部4は、上側導入部41と、下側導入部42と、を備える。
【0027】
上側導入部41は、冷却ユニット2の外側の側方開口211Aにより構成されている。上側導入部41は、
図3に矢印A1で示されるように、上側冷却空気を外側の側方開口211Aを介して、外側の熱交換器22Aへ導く。
【0028】
下側導入部42は、連通部315と、冷却ユニット2の下方開口212と、により構成されている。下側導入部42は、
図2及び
図3に矢印A2で示されるように、下側冷却空気を連通部315及び下方開口212を介して、内側の熱交換器22Bへ導く。
【0029】
空気導入阻止部5は、下側冷却空気を外側の熱交換器22Aに導かないように構成されている。空気導入阻止部5は、一列に並ぶ冷却ユニット2のうち列の両端に位置する冷却ユニット2にそれぞれ配置された仕切り板51と、当該仕切り板51が配置された冷却ユニット2の固定板24と、により構成されている。左端の冷却ユニット2に配置された仕切り板51は、本体21の左側壁、前壁及び後壁と、固定板24の左側縁とで囲まれる空間を塞ぐように配置されている。右端の冷却ユニット2に配置された仕切り板51は、本体21の右側壁、前壁及び後壁と、固定板24の右側縁とで囲まれる空間を塞ぐように配置されている。なお、例えば本体21の左側壁、前壁及び後壁と、固定板24の左側縁とで囲まれる空間を塞ぐ仕切り板51に相当する構成は、当該空間を塞ぐ機能を有する限り、板状に形成されていなくても良いし、支持体31に配置されても良い。
【0030】
制御部は、冷媒冷却装置1全体の動作を制御する。
【0031】
(冷媒冷却装置の動作)
次に、冷媒冷却装置1の動作について説明する。
【0032】
熱交換器22を冷却するに際し、制御部は、水供給部34を制御して、散水マット32,33への水の供給を開始する。水の供給が開始されると、上側散水マット32、第1下側散水マット33A及び第2下側散水マット33Bが水で濡れる。また、制御部は、3台の冷却ユニット2のファン23を駆動する。
【0033】
3台の冷却ユニット2のうち両端の冷却ユニット2のファン23が駆動すると、
図3に矢印A1で示されるように、本体21の外側から、上側散水マット32、上側導入部41(外側の側方開口211A)、外側の熱交換器22Aを通過して、本体21の上方へ向かう気流が形成される。この気流により、上側散水マット32からの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた上側冷却空気が生成される。外側の熱交換器22Aは、上側冷却空気との熱交換により冷却される。外側の熱交換器22Aとの熱交換が行われた上側冷却空気は、本体21の上方から排気される。
【0034】
また、両端の冷却ユニット2のファン23及び当該両端の冷却ユニット2に挟まれた冷却ユニット2のファン23が駆動すると、
図2及び
図3に矢印A2で示されるように、支持体31の外側から、第1,第2下側散水マット33A、33B、下側導入部42(連通部315及び下方開口212)、内側の熱交換器22Bを通過して、本体21の上方へ向かう気流が形成される。この気流により、第1,第2下側散水マット33A、33Bからの水の蒸発に伴い気化熱が奪われた下側冷却空気が生成される。下側冷却空気は、空気導入阻止部5により外側の熱交換器22Aへ向かうことが防止されているため、内側の熱交換器22Bに向かって流れる。内側の熱交換器22Bは、下側冷却空気との熱交換により冷却される。内側の熱交換器22Bとの熱交換が行われた下側冷却空気は、本体21の上方から排気される。
【0035】
第1実施形態によれば、内側の熱交換器22Bを冷却するための下側冷却空気を生成する下側散水マット33は、外側の熱交換器22Aを冷却するための上側冷却空気を生成する上側散水マット32、及び、熱交換器22の下側に配置されている。したがって、内側の熱交換器22Bを冷却するための冷却空気を生成する散水マットを、当該内側の熱交換器22Bと同じ高さ位置に配置する場合と比べて、冷媒冷却装置1の設置面積が大きくなることを抑制することができる。また、内側の熱交換器22B内の冷媒を下側冷却空気により冷却する一方で、外側の熱交換器22A内の冷媒を上側冷却空気により冷却するため、冷媒冷却装置1を構成する全ての熱交換器22内の冷媒を適切に冷却することができる。
【0036】
冷媒冷却装置1は、下側冷却空気が外側の熱交換器22Aへ導かれることを防止する空気導入阻止部5を備える。このため、下側冷却空気を内側の熱交換器22Bの冷却のみに利用することができ、内側の熱交換器22Bの冷却効率を高くすることができる。
【0037】
<第2実施形態>
次に、本開示の第2実施形態について説明する。
【0038】
(冷媒冷却装置の構成)
まず、第2実施形態に係る冷媒冷却装置の構成について説明する。
図4は、冷媒冷却装置の正面図である。
図5は、冷媒冷却装置における冷却ユニットよりも下側の部位の平面図である。
図6は、冷媒冷却装置の縦断面図である。なお、第1実施形態の冷媒冷却装置1と同一の構成については、同一名称及び同一符号を付し、説明を簡略にする、又は、省略する。
【0039】
図4、
図5及び
図6に示される冷媒冷却装置1Aは、2台の冷却ユニット2と、補助冷却装置3Aと、空気導入部4Aと、空気導入阻止部5と、覆い部6Aと、図示されない制御部と、を備える。なお、冷媒冷却装置1Aを構成する冷却ユニット2の台数は、2台以上であれば良い。
【0040】
補助冷却装置3Aは、支持体31と、2個の上側散水マット32と、2個の第1下側散水マット33Aと、水供給部34Aと、を備える。
【0041】
支持体31は、左右方向(水平方向)に一列に並ぶように配置された2台の冷却ユニット2と、2台の冷却ユニット2の間に配置された覆い部6Aと、を下方から支持する。隣り合う冷却ユニット2の間隔Wunit(覆い部6Aの幅(冷却ユニット2が並ぶ方向の長さ))(以下、「ユニット間隔Wunit」と言う場合がある)は、以下の式(1),(2)を満たすように設定されていることが好ましい。ユニット間隔Wunitは、500mm以下であることがより好ましい。ユニット間隔Wunitが以下の式(1),(2)を満たすように設定されていることが好ましい理由については後述する。なお、冷媒冷却装置1Aが3台以上の冷却ユニット2を備える場合、支持体31が、左右方向に一列に並ぶように配置された3台以上の冷却ユニット2と、互いに隣り合う冷却ユニット2の間に配置された覆い部6Aと、を下方から支持するようにしても良い。
0<Wunit … (1)
Wunit≦Hhex/2 … (2)
Hhex:本体21の高さ
【0042】
前側調整板313及び後側調整板314には、流入調整孔が形成されていない。各調整板313,314は、支持体31の前側又は後側から載置部311の下方へ空気が流入することを防止する。各調整板313,314は、支持体31の前側又は後側から載置部311の下方へ流入する空気の量を調整すると言うこともできる。
【0043】
2台の冷却ユニット2が形成する列の両端側には、それぞれ1個ずつの上側散水マット32が配置されている。見方を変えると、4個の熱交換器22が形成する列の両端側に、それぞれ1個ずつの上側散水マット32が配置されている。各上側散水マット32の下方には、それぞれ1個ずつの第1下側散水マット33Aが配置されている。
【0044】
支持体31には、当該支持体31の側部における下側散水マット33に対向する部位と支持体31の上面とを連通する連通部315Aが形成されている。連通部315Aは、左側の2本の脚部312の間の空間と、右側の2本の脚部312の間の空間と、載置部311の下方の空間と、載置部311の開口と、により構成されている。
【0045】
水供給部34Aは、上側水供給部341を備える。水供給部34Aは、第1下側散水マット33Aのみに水を供給する構成を更に備えても良い。
【0046】
覆い部6Aは、隣り合う冷却ユニット2間の領域(以下、「ユニット間領域」と言う場合がある)を覆う。覆い部6Aは、連通部315Aを介してユニット間領域に導かれる空気が冷却ユニット2の外側に漏れることを防止する。覆い部6Aは、それぞれ板状に形成された前壁部61A、上壁部62A及び後壁部63Aを備える。前壁部61Aは、主面が鉛直方向と平行になるように、且つ、ユニット間領域の前側を塞ぐように構成されている。上壁部62Aは、前壁部61Aの上端から後方へ延びるように、且つ、ユニット間領域の上側を塞ぐように構成されている。後壁部63Aは、上壁部62Aの後端から下方へ延びるように、且つ、ユニット間領域の後側を塞ぐように構成されている。
【0047】
空気導入部4Aは、上側導入部41と、下側導入部42Aと、を備える。下側導入部42Aは、連通部315Aと、冷却ユニット2の下方開口212及び内側の側方開口211Bと、覆い部6Aと、により構成されている。下側導入部42Aは、
図2及び
図3に矢印A2で示されるように、下側冷却空気を、連通部315A及び下方開口212を介して、内側の熱交換器22Bへ導く。下側導入部42Aは、下側冷却空気を、連通部315A、ユニット間領域及び内側の側方開口211Bを介して、内側の熱交換器22Bへ導く。
【0048】
(冷媒冷却装置の動作)
次に、冷媒冷却装置1Aの動作について説明する。第1実施形態の冷媒冷却装置1と同じ動作については、説明を簡略にする、又は、省略する。
【0049】
熱交換器22を冷却するに際し、制御部は、水供給部34Aを制御して、散水マット32,33への水の供給を開始する。また、制御部は、2台の冷却ユニット2のファン23を駆動する。
【0050】
2台の冷却ユニット2のファン23が駆動すると、外側の熱交換器22Aは、第1実施形態で説明されたように、上側冷却空気により冷却される。外側の熱交換器22Aとの熱交換が行われた上側冷却空気は、本体21の上方から排気される。
【0051】
また、ファン23が駆動すると、
図5及び
図6に矢印A2で示されるように、支持体31Aの外側から、第1下側散水マット33A、下側導入部42A(連通部315A及び下方開口212又は内側の側方開口211B)、ユニット間領域、内側の熱交換器22Bを通過して、本体21の上方へ向かう気流が形成される。この気流により生成された下側冷却空気は、空気導入阻止部5が存在するため外側の熱交換器22Aへ向かわずに、内側の熱交換器22Bに向かって流れる。内側の熱交換器22Bは、下側冷却空気との熱交換により冷却される。内側の熱交換器22Bとの熱交換が行われた下側冷却空気は、本体21の上方から排気される。
【0052】
ここで、冷却ユニット2が離間していない場合、冷却ユニット2が離間している場合と比べて、互いに隣り合う冷却ユニット2の内側の熱交換器22B同士の間隔が小さくなるため、当該内側の熱交換器22B間の領域(以下、「熱交換器間領域」と言う場合がある)の下端位置における下側冷却空気の風速が速くなる。一方、隣り合う冷却ユニット2内の内側の熱交換器22Bに対向する位置(以下、「熱交換器対向位置」と言う場合がある)における下側冷却空気の風速は、冷却ユニット2が離間しているか否かに関係なく、ほぼ同じ速さである。したがって、冷却ユニット2が離間していない場合、冷却ユニット2が離間している場合と比べて、熱交換器間領域の下端位置における下側冷却空気の風速と、熱交換器対向位置における下側冷却空気の風速との差(以下、「風速差」と言う場合がある)が大きくなる。風速差が10m/秒を超えると、熱交換器間領域において乱流が発生するおそれがある。このような乱流が発生すると、内側の熱交換器22Bを通過する空気の量が少なくなり、当該内側の熱交換器22Bを十分に冷却することができないおそれがある。
【0053】
第2実施形態では、隣り合う冷却ユニット2を離間して配置すると共に、ユニット間領域を覆う覆い部6Aを配置しているため、隣り合う冷却ユニット2が離間していない場合と比べて、
図6に示される熱交換器間領域の下端位置P1における下側冷却空気の風速と、熱交換器対向位置P2における下側冷却空気の風速との風速差を小さくすることができる。したがって、第2実施形態の構成では、隣り合う冷却ユニット2が離間していない場合と比べて、熱交換器間領域において乱流が発生することを抑制することができ、内側の熱交換器22Bの冷却効率を高くすることができる。特に、第2実施形態では、ユニット間隔W
unitが、上記式(1)を満たすように設定されている。このため、第2実施形態の構成では、風速差を10m/秒以下にすることができ、熱交換器間領域において乱流が発生することを防止することができる。その結果、内側の熱交換器22Bを十分に冷却することができる。また、ユニット間隔W
unitが、上記式(2)を満たすように設定されているため、冷媒冷却装置1Aの大型化を抑制することができるとともに、支持体31の大型化に伴うコストアップを抑制することができる。
【0054】
<第3実施形態>
次に、本開示の第3実施形態について説明する。
図7は、冷媒冷却装置の正面図である。
図8は、冷媒冷却装置における冷却ユニットよりも下側の部位の平面図である。
図9は、冷媒冷却装置の縦断面図である。なお、第1実施形態の冷媒冷却装置1と同一の構成については、同一名称及び同一符号を付し、説明を簡略にする、又は、省略する。
【0055】
図7、
図8及び
図9に示される冷媒冷却装置1Bは、補助冷却装置3Bの構成が第1実施形態の冷媒冷却装置1と異なる。
【0056】
補助冷却装置3Bは、支持体31Bの高さHmountが300mm以上1500mm以下であることと、載置部311Bが支持する冷却ユニット2が2台であること以外は、第1実施形態の補助冷却装置3と同様の構成を有する。支持体31Bの高さHmountが1500mmを超える場合、冷媒冷却装置1Bが設置されている施設の天井とファン23との距離が短くなるため、ファン23の排気効率が低下するおそれがある。一方、支持体31Bの高さHmountが300mm未満の場合、下側散水マット33に流入する空気の風速が3m/秒を超えるおそれがある。第3実施形態では、支持体31Bの高さHmountを300mm以上1500mm以下に設定しているため、ファン23の排気効率低下を抑制できると共に、下側散水マット33に流入する空気の風速(以下、「前面風速」と言う場合がある)を3m/秒以下にすることができる。なお、前面風速を3m/秒以下にする理由については後述する。
【0057】
連通部315Bは、左側の2本の脚部312Bの間の空間と、右側の2本の脚部312Bの間の空間と、流入調整孔313Aと、載置部311Bの下方の空間と、載置部311Bの開口と、により構成されている。連通部315Bは、第1下側散水マット33A及び第2下側散水マット33Bのそれぞれの前面風速が3m/秒以下になるように、左側の2本の脚部312Bの間の空間、右側の2本の脚部312Bの間の空間、及び、流入調整孔313Aの大きさが設定されている。
【0058】
空気導入部4Bは、上側導入部41と、下側導入部42Bと、を備える。下側導入部42Bは、連通部315Bと、冷却ユニット2の下方開口212と、により構成されている。
【0059】
ここで、下側散水マット33の前面風速を3m/秒以下にする理由について説明する。
図10は、下側散水マットの前面風速と下側散水マットの飽和効率との関係を示すグラフである。
図11は、下側散水マットの前面風速と下側散水マットを通過する空気の圧力損失との関係を示すグラフである。なお、飽和効率とは、以下の式(3)により得られる値である。飽和効率が大きいほど、下側散水マット33の空気流出側が飽和状態の近くまで加湿されることを示す。
飽和効率(%)=(T1-T2)/(T1-T3)×100 … (3)
T1:水で濡れた下側散水マット33の空気流入側における空気の乾球温度
T2:水で濡れた下側散水マット33の空気流出側における空気の乾球温度
T3:水で濡れた下側散水マット33の空気流入側における空気と等エンタルピーの湿球温度
【0060】
図10に示される、水で濡れた下側散水マット33の前面風速と飽和効率との関係について考える。前面風速が1m/秒のときの飽和効率を基準にした場合における、前面風速が3m/秒のときの飽和効率の低下率(以下、「性能低下率」という場合がある)は、下側散水マット33の厚さが300mm、200mm、150mmの場合、約10%であり、厚さが100mm、75mmの場合、約15%である。
【0061】
また、
図11に示される、水で濡れた下側散水マット33の前面風速と当該下側散水マット33を通過する空気の圧力損失との関係について考える。100Paを圧力損失の最大許容値に設定した場合、厚さが300mm、200mm、150mmの下側散水マット33における圧力損失は、前面風速が3m/秒を超えると、最大許容値を超えてしまう。
【0062】
さらに、前面風速が3m/秒を超えると、下側散水マット33の厚さに関係なく当該下側散水マット33に含まれる水が空気の流れにより飛散してしまう(水撥ねが発生してしまう)。
【0063】
第3実施形態では、下側散水マット33の前面風速が3m/秒以下になるように、連通部315Bを構成している。このため、下側散水マット33の性能低下率が15%を超えることを抑制することができ、つまり飽和効率が高い状態を維持することができ、下側散水マット33の空気流出側(載置部311の下側)における湿度が等エンタルピー上の湿球温度により近づく。したがって、空気流出側の温度が低い状態を作ることができ、内側の熱交換器22Bを適切に冷却することができる。また、下側散水マット33における圧力損失を100Pa以下にすることができ、内側の熱交換器22Bへ導かれる下側冷却空気の量が減ることを抑制することができる。したがって、内側の熱交換器22Bを適切に冷却することができる。さらに、下側散水マット33に含まれる水の飛散を抑制することができ、当該飛散した水により、支持体31B又は内側の熱交換器22Bの冷却フィンが腐食することを抑制することができる。
【0064】
[実施形態の変形例]
本開示は、これまでに説明した実施形態に示されたものに限られないことはいうまでもなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で、種々の変形を加えることができる。また、上記実施形態及び以下に示される変形例は、正常に機能する限り、どのように組み合わせても良い。
【0065】
例えば、第1実施形態の構成において、1台の冷却ユニットを支持体31に支持させる。冷却ユニットの本体に、左右方向に一列に並ぶように3個以上の熱交換器22を収納すると共に、1個のファン23を配置する。また、本体における左右の側壁の側方開口に対向する位置に、上側散水マット32を配置する。そして、ファン23を駆動して、3個以上の熱交換器22のうち、外側の熱交換器を上側冷却空気で冷却する一方で、内側の熱交換器を下側冷却空気で冷却するようにしても良い。
【0066】
第1~第3実施形態において、空気導入阻止部5を設けなくても良い。
【0067】
第1,第3実施形態において、後側調整板314に流入調整孔313Aと同様の流入調整孔を設けると共に、当該流入調整孔を塞ぐ第2下側散水マットを配置しても良い。第1,第3実施形態において、前側調整板313に複数の流入調整孔313Aを設けても良くこの場合、複数の流入調整孔313Aを1個の第2下側散水マットで塞ぐようにしても良いし、複数の流入調整孔313Aをそれぞれ1個ずつの第2下側散水マットで塞ぐようにしても良い。第1,第3実施形態において、第1下側散水マット33Aの代わりに2本の脚部312,312B間の空間を塞ぐ調整板を配置して、下側冷却空気が支持体31,31Bの左右両側から支持体31,31B内に入らないようにしても良い。第1~第3実施形態において、箱状の支持体を適用し、当該支持体の側面に流入調整孔を形成すると共に、当該流入調整孔を塞ぐ第2下側散水マットを配置しても良い。第1~第3実施形態において、例えば、前側調整板313と脚部312,312Bとを別部材で構成したが、1個の部材で構成しても良い。
【0068】
[実施例]
次に、本開示の実施例について説明する。本実施例では、冷媒冷却装置の支持体の高さの設定方法について説明する。
図12は、支持体の第1の高さ設定方法の説明図である。
図13A及び
図13Bは、支持体の第2の高さ設定方法の説明図である。なお、第1実施形態の冷媒冷却装置1と同一の構成については、同一名称及び同一符号を付し、説明を簡略にする、又は、省略する。第1実施形態の冷媒冷却装置1と同一の構成のうち、一部の構成については、符号を省略する。
【0069】
<第1の高さ設定方法:支持体の載置部下方への空気の流入口が2箇所の場合>
まず、支持体の載置部下方への空気の流入口が2箇所の構成、具体的に、
図12に示されるように、当該流入口が左側の2本の脚部312Cの間の空間、及び、右側の2本の脚部312Cの間の空間の合計2箇所である構成における、支持体31Cの高さの設定方法について説明する。
図12に示されるように、冷媒冷却装置1Cの各パラメータを定義した場合、支持体31Cの高さH
mount(m)を以下の式(4),(5),(6),(7)に基づいて設定することができる。
V
2=V
max×(N-1) … (4)
V
hex=V
2/(2N-2) … (5)
u
hex=V
hex/(W
hex×H
hex) … (6)
H
mount=(N-1)×H
hex×cos・α×u
hex/β … (7)
V
2:支持体31Cの載置部311C下方へ流入する空気の総風量(m
3/秒)
V
max:冷却ユニット2のファン23の最大風量(m
3/秒)
N:冷媒冷却装置1Cを構成する冷却ユニット2の台数(台)
V
hex:1個の熱交換器22に流入する空気の風量(m
3/秒)
u
hex:1個の熱交換器22に流入する空気の風速(m/秒)
W
hex:熱交換器22の管板間の長さ(m)
H
hex:熱交換器22の高さ(m)
α:熱交換器22の鉛直面Eに対する傾斜角度(°)
β:1個の熱交換器22に流入する空気の限界風速(m/秒)
【0070】
例えば、第3実施形態のように、下側散水マット33の前面風速を3m/秒以下にする場合、βの値を3m/秒にすれば良い。
【0071】
<第2の高さ設定方法:支持体の高さを低くしたい場合>
上記式(4)~(7)に基づき算出された支持体の高さHmountが高すぎる場合、第3実施形態で説明されたように、ファン23の排気効率が低下するおそれがある。そこで、支持体の高さを低くしたい場合における冷媒冷却装置の構成及び支持体の高さの設定方法について説明する。
【0072】
例えば、上記式(4)~(7)に基づき算出された支持体の高さH
mountが以下の式(8)を満たす場合について考える。
H
mount≧H
hex×cos・α … (8)
この場合、支持体の載置部下方への空気の流入口を3箇所以上に増やすことにより、支持体の高さH
mountを低くすることができる。例えば、
図13A及び
図13Bに示されるように、支持体31Dの載置部311D下方への空気の流入口を3箇所にする場合、前側の2本の脚部312Dの間の空間を塞ぐ前側調整板313に流入調整孔313Aを形成すると共に、流入調整孔313Aを塞ぐ下側散水マット33を配置する。このような構成により、支持体31Dの載置部311D下方への空気の流入口が、左側の2本の脚部312Dの間の空間、右側の2本の脚部312Dの間の空間、及び、流入調整孔313Aの合計3箇所になる。
【0073】
図13及び
図13Bに示されるように、冷媒冷却装置1Dの各パラメータを以下のように定義した場合、下側散水マット33(第1下側散水マット33A、第2下側散水マット33B)の前面風速u
matを、以下の式(9),(10),(11)に基づいて設定することができる。
S=2×(H
mount×W
mount)+(H
hole×W
hole)×γ … (9)
V
2=V
hex×(2N-2) … (10)
u
mat=V
2/S … (11)
S:載置部311D下方への空気の流入口の面積(m
2)
W
mount:前側(後側)の2本の脚部312Dの間の空間の幅(m)
H
hole:流入調整孔313Aの高さ(m)
W
hole:流入調整孔313Aの幅(m)
γ:流入調整孔313Aの個数(個)
【0074】
例えば、第3実施形態のように、下側散水マット33の前面風速を3m/秒以下にする場合、式(9)~(11)に基づき算出された下側散水マット33の前面風速umatが、以下の式(12)を満たすように、支持体31Dの高さHmount、流入調整孔313Aの高さHhole及び幅Wholeの値を設定すれば良い。
umat≦3.0 … (12)
【産業上の利用可能性】
【0075】
本開示は、冷媒冷却装置に適用できる。
【符号の説明】
【0076】
1,1A,1B,1C,1D 冷媒冷却装置
2 冷却ユニット
3,3A,3B 補助冷却装置
4,4A,4B 空気導入部
5 空気導入阻止部
6A 覆い部
21 本体
22 熱交換器
22A 外側の熱交換器
22B 内側の熱交換器
23 ファン
24 固定板
31,31A,31B,31C,31D 支持体
32 上側散水マット
33 下側散水マット
33A 第1下側散水マット
33B 第2下側散水マット
34,34A 水供給部
41 上側導入部
42,42A,42B 下側導入部
51 仕切り板
61A 前壁部
62A 上壁部
63A 後壁部
211 側方開口
211A 外側の側方開口
211B 内側の側方開口
212 下方開口
311,311B,311C,311D 載置部
312,312B,312C,312D 脚部
313 前側調整板
313A 流入調整孔
314 後側調整板
315,315A,315B 連通部
341 上側水供給部
342 下側水供給部
E 鉛直面
P1 下端位置
P2 熱交換器対向位置