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特開2023-64498情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064498
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/08 20120101AFI20230501BHJP
【FI】
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174823
(22)【出願日】2021-10-26
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.THUNDERBOLT
(71)【出願人】
【識別番号】521469656
【氏名又は名称】アイディールコミュニティーケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】徳益 広明
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB73
(57)【要約】      (修正有)
【課題】商取引のいっそうの円滑化を実現可能な情報処理システム、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】複数のユーザ端末と、サーバと、事業者端末とが、ネットワークを通じて接続されている情報処理システムにおいて、サーバの制御部は、ユーザ端末から受付けたユーザの位置情報と、ユーザの欲する商品又は役務の情報とに基づいて、所定時間以内に商品または役務を提供可能な事業者の事業者端末に、入札可能な画面を表示させる表示制御部330、事業者端末から、表示された商品または役務についての入札を、画面を介して受付ける入札受付部332、及び入札の約定後に、ユーザ端末または事業者端末がコードまたはタグを読み出すことを契機に、ユーザと事業者との取引に関する情報を登録する取引登録部334を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、次の各ステップを実行するように構成され、
表示制御ステップでは、ユーザ端末から受付けたユーザの位置情報と、前記ユーザの欲する商品または役務の情報とに基づいて、所定時間以内に前記商品または前記役務を提供可能な事業者の事業者端末に、入札可能な画面を表示させ、
入札受付ステップでは、前記事業者端末から、表示された前記商品または前記役務についての入札を、前記画面を介して受付け、
取引登録ステップでは、前記入札の約定後に、前記ユーザ端末または前記事業者端末がコードまたはタグを読み出すことを契機に、前記ユーザと前記事業者との取引に関する情報を登録する、もの。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記取引登録ステップでは、前記事業者の店舗に設置されたコードを前記ユーザが読み出すことを契機に、前記取引が行われたことを登録する、もの。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、約定登録ステップをさらに実行するように構成され、
前記約定登録ステップでは、前記入札の約定と、前記ユーザが前記商品または前記役務についての決済を行ったこととを登録する、もの。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記ユーザの位置情報は、前記ユーザ端末の発信する緯度経度情報に基づく、もの。
【請求項5】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記ユーザの位置情報は、前記表示制御ステップ実行後の前記ユーザの位置情報である、もの。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、商品等入力受付ステップをさらに実行するように構成され、
前記商品等入力受付ステップでは、表示された複数の商品または役務のうちの少なくとも一部に対する選択を、前記ユーザの欲する前記商品または前記役務の前記情報として、前記ユーザから受付ける、もの。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、通知ステップをさらに実行するように構成され、
前記通知ステップでは、前記所定時間が経過しても前記取引登録ステップが実行されなかった場合に、前記ユーザ端末及び前記事業者端末の少なくとも一方に、前記取引登録ステップが実行されなかったことを通知する、もの。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の情報処理システムにおいて、
前記事業者が提供するものが前記役務である、もの。
【請求項9】
情報処理方法であって、
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを備える、方法。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータに請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザと事業者との商取引を円滑化する技術が開発されてきた。
たとえば、特許文献1には希望条件に合った予約対象物を簡単に予約することができる予約管理システムが開示されている。この予約管理システムにおいては、消費者端末が逆オークション情報を送信することを発端として簡易な予約が行えるものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-252100号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された技術は、あくまで役務などの予約を管理するに留まり、実際にユーザが役務などを提供されたか等を管理できないといった面で改良の余地を残している。
【0005】
本発明では上記事情に鑑み、商取引のいっそうの円滑化を実現可能な情報処理システム等を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理システムが提供される。この情報処理システムは、制御部を備える。制御部は、次の各ステップを実行するように構成される。表示制御ステップでは、ユーザ端末から受付けたユーザの位置情報と、ユーザの欲する商品または役務の情報とに基づいて、所定時間以内に商品または役務を提供可能な事業者の事業者端末に、入札可能な画面を表示させる。入札受付ステップでは、事業者端末から、表示された商品または役務についての入札を、画面を介して受付ける。取引登録ステップでは、入札の約定後に、ユーザ端末または事業者端末がコードまたはタグを読み出すことを契機に、ユーザと事業者との取引に関する情報を登録する。
【0007】
上記態様によれば、商取引のいっそうの円滑化を実現可能な情報処理システム等が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。
図2】ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】事業者端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。
図6】約定登録に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7】ユーザ端末2に表示される検索画面の一例である。
図8】事業者端末4に表示される入札画面の一例である。
図9】ユーザ端末2に表示される応答画面の一例である。
図10】取引情報の登録に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0014】
1.1 情報処理システム1
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1を表す構成図である。情報処理システム1はユーザ端末2と、サーバ3と、事業者端末4を備え、これらがネットワーク11を通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。なお、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、サーバ3単体であってもシステムの一例となる。
【0015】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、ユーザが所持する端末である。例えば、ユーザ端末2は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。なお、図1においてユーザ端末2はスマートフォン単体(2-1,2-2,・・・2-n)の集合体として記載しているが、本明細書においては端末単体をユーザ端末2と表記することもある。
【0016】
図2は、ユーザ端末2のハードウェア構成を示すブロック図である。
ユーザ端末2は、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、表示部24と、入力部25とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バス20を介して電気的に接続されている。通信部21、記憶部22及び制御部23の説明は、後述の、サーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。
【0017】
表示部24は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部24は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。ここでは、表示部24は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0018】
入力部25は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部25は、表示部24と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部25がユーザによってなされた操作入力を受付ける。当該入力が命令信号として、通信バス20を介して制御部23に転送され、制御部23が必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
【0019】
なお、本実施形態においてはユーザ端末2が緯度経度情報を発信機能が備えられていてもよい。
具体的には、ユーザ端末2には、GPS(Global Positioning System)等の信号を発信することができる機能が備えられる。
また、ユーザ端末2は、たとえばコードなどを読み出すカメラ機能や、NFC(Near Field Communication)タグ等の各種タグを読み出し可能なリーダーなどを有していてもよい。
【0020】
1.3 サーバ3
図3は、サーバ3のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有し、これらの構成要素がサーバ3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0021】
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、3G/LTE/5G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、サーバ3は、通信部31を介して、ユーザ端末2や事業者端末4とネットワーク11を介して種々の情報を通信する。
【0022】
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。特に、記憶部32は、制御部33によって実行されるサーバ3に係る種々のプログラム等を記憶している。
【0023】
制御部33は、サーバ3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、サーバ3に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
1.4 事業者端末
事業者端末4は、事業者が所持する端末である。例えば、事業者端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ等が想定されるが、その詳細は限定されるものではない。
また、図1には単数の事業者端末4が示されているが、これには限定されず、複数の事業者端末4が存在してもよい。
【0025】
図4は、事業者端末4のハードウェア構成を示すブロック図である。
事業者端末4は、通信部41と、記憶部42と、制御部43と、表示部44と、入力部45とを有し、これらの構成要素が事業者端末4の内部において通信バス40を介して電気的に接続されている。通信部41、記憶部42及び制御部43の説明は、前述のサーバ3における通信部31、記憶部32及び制御部33と略同様のため省略する。表示部44及び入力部45の説明は、前述のユーザ端末2における表示部24及び入力部25と略同様のため省略する。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部32に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部33によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
図5は、サーバ3における制御部33等によって実現される機能を示すブロック図である。この図5に示されるように、情報処理システム1におけるサーバ3の制御部33は、表示制御部330と、商品等入力受付部331と、入札受付部332と、約定登録部333と、取引登録部334と、通知部335とを備えるものである。
【0028】
表示制御部330は、種々の表示情報を生成して、ユーザや事業者が視認可能な表示内容を制御するように構成される。表示情報とは、画面、画像、アイコン、テキスト等といった、ユーザや事業者が視認可能な態様で生成された情報そのものでもよいし、例えばユーザ端末2や事業者端末4に画面、画像、アイコン、テキスト等を表示させるためのレンダリング情報であってもよい。
【0029】
本情報処理システム1において、表示制御部330は、ユーザ端末2から受付けたユーザの位置情報と、ユーザの欲する商品または役務の情報とに基づいて、所定時間以内に商品または役務を提供可能な事業者の事業者端末4に、入札可能な画面を表示させる。この詳細については、追って説明する。
【0030】
商品等入力受付部331は、ユーザがユーザ端末2に入力した種々の情報を受付ける。
たとえば商品等入力受付部331は、ユーザの所望する商品や役務について、その具体的内容や予算などの情報を受付ける。ユーザが所望する対象が商品である場合は、その商品の引き渡し場所や引き渡しの時間なども合わせて受付ける。また、ユーザが所望する対象が役務である場合は、役務を受けたい場所や時間なども合わせて受付ける。詳細については追って説明する。
【0031】
入札受付部332は、事業者端末4から、表示された商品または役務についての入札を、画面を介して受付ける。この受付のタイミングや具体的な内容の詳細については追って説明する。
【0032】
約定登録部333は、入札の約定と、ユーザが商品または役務についての決済を行ったこととを登録する。なお、この登録の内容についてはサーバ3中の記憶部32に記憶するよう、制御部33が制御することができる。
【0033】
取引登録部334は、入札の約定後に、ユーザ端末2または事業者端末4がコードまたはタグを読み出すことを契機に、ユーザと事業者との取引に関する情報を登録する。なお、この登録の内容についてはサーバ3中の記憶部32に記憶するよう、制御部33が制御することができる。また、「取引に関する情報」の詳細については追って説明する。
【0034】
通知部335は、所定の情報をユーザ端末2または事業者端末4に通知する。この通知の手法は音声の発信や、端末を振動させるなどの運動に基づくものであってもよく、また、前述の表示制御部330の機能とともにメッセージを端末に表示させるものであってもよい。
典型的には、通知部335は、所定時間が経過しても取引登録が実行されなかった場合に、ユーザ端末2及び事業者端末4の少なくとも一方に、取引登録が実行されなかったことを通知する。
【0035】
3.情報処理方法
本節では、前述した情報処理システム1の実行する情報処理方法の各ステップについて説明する。
【0036】
3.1 約定登録
まず、ある商取引について約定を登録するまでの段階を説明する。図6は、約定登録に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。なお、以下は事業者が理美容サービスを提供する場合を一例として示しているが、本実施形態の情報処理システム1の適用領域は、このような理美容サービス提供のように事業者が提供するものが役務である場合のほか、事業者が提供するものが商品である場合も包含される。
【0037】
まず、ユーザはユーザ端末2を介してユーザの所望する商品等(商品または役務)についての情報を入力し、この情報をサーバ3の商品等入力受付部331が受付ける(アクティビティA101~A102)。すなわち、ユーザは、ユーザ端末2にて所定のサイトにアクセスし、自身が望む商品または役務について検索等を行うこととなる。
図7は、ユーザ端末2に表示される検索画面の一例である。
この図7における表示画面Dは、サーバ3の表示制御部330によってユーザ端末2の表示部24に表示されるものであるが、必ずしも情報の入力方法はこの表示画面Dに対する入力に拠らない。図7においては入力フォーム51、入力フォーム52、入力フォーム53、入力フォーム54及び入力フォーム55のそれぞれに、ユーザの望む役務(サービス)について、施行される時間、場所、その分類、詳細等を入力する画面が表示されており、ユーザは各々の入力フォーム(入力フォーム51~55)に所定の情報を入力し、「実行」と付されたボタン56をクリック操作等で押下する。なお、図7においては、ユーザの所望する理美容サービスの詳細が記されている。
【0038】
なお、商品等入力受付部331は、表示された複数の商品または役務のうちの少なくとも一部に対する選択を、ユーザの欲する商品または役務の情報として、ユーザから受付けることもできる。
たとえば、図7においてはサービス詳細として「カット」と記載しているが、このサービス詳細について「カット」/「パーマ」/「シャンプー」・・・といった複数の役務の詳細を各選択肢として、表示制御部330が表示画面Dに表示させ、ユーザがこの中から、自身の欲する役務を選択する態様としてもよい。
【0039】
また、図7においては、ユーザが役務提供を受けたい時間が示されているが、この時間は前記の「実行」と付されたボタン56を押下するタイミングから適宜設定することができる。この設定することのできる時間は、提供を受けようとする商品や役務にもよるが、たとえば1ヶ月以内とすることができ、2週間以内とすることができ、1週間以内とすることができ、3日以内とすることができる。
とくに緊急性の高いユーザの要望であれば、この時間は具体的にはたとえば、240,230,220,210,200,190,180,170,160,150,140,130,120,110,100,90,80,70,60,50,40,30,20,10分以内であり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
また、この時間の下限はとくに制限されるものではなく、前述の数値も採用できるが、それ以外にもたとえば0分以上とすることができ、1分以上とすることができ、3分以上とすることもできる。
【0040】
また、図7においては、入力フォーム55の備考欄にユーザの予算を記入する態様となっているが、別途、この検索画面にはユーザの所望するサービスについて、価格の上限などを選択肢として設定可能な入力フォームが設けられていてもよい。
【0041】
続いて、上記でサーバ3の商品等入力受付部331が受付けた情報を事業者端末4の表示部44に表示されるように、表示制御する(アクティビティA103~A104)。ここで、表示制御するにあたっては、適宜サーバ3が入力する情報を参照の上、表示制御が実行される事業者を選別してもよい。
【0042】
たとえば、図7においてはサービス分類として「理美容」とし、場所を「長崎市内」としたが、サーバ3の表示制御部330は、かかる情報に基づき、「長崎市内にある理美容業者」の有する事業者端末4のみに表示制御を実行してもよい。
また、この表示制御は、前記したユーザが役務提供を受けたい時間に対応可能な事業者を選別して行われてもよい。
【0043】
また、図7には、将来役務を受けるユーザの位置情報として、かかる表示制御(アクティビティA103)の実行後のユーザの位置情報を入力する態様を示したが、この位置情報は、ユーザ端末2の発信する緯度経度情報に基づくものであってもよい。
すなわち、図7には示していないが、ユーザ端末2の備えるGPS等を利用し、商品等入力受付部331に自身の所有するユーザ端末2の位置情報を受付けさせることも可能である。かかる構成を採用することによれば、より迅速な商取引に繋げやすくなる。
また、このようにGPS等を利用し、商品等入力受付部331に自身の所有するユーザ端末2の位置情報を受付けさせるに際して、検索画面では商品や役務を提供する事業者との距離について上限値を設定可能に構成されていてもよい。
【0044】
図8は、事業者端末4に表示される入札画面の一例である。
図示はしないが、事業者は、アクティビティA101で入力されたユーザの所望する商品または役務の詳細な情報を受けることができ、この情報に対して、図8で示される入札画面にて応答することができる。
【0045】
図8における表示画面Dは、入力フォーム61及び入力フォーム62のそれぞれに役務の提供が可能な時間と価格とを入力することができる態様となっている。なお、場所については、事業者の存在する居所などが事前に入力されている。すなわち、事業者は当該情報処理システム1に参画する段階でかかる情報を予め登録しておき、それを入札画面に反映してもよい。
事業者は上記のような所定の情報を入力し、「実行」と付されたボタン63をクリック操作等で押下し、これによって応答(入札)が行われる(アクティビティA105)。
【0046】
なお、この応答(入札)については、時間の制限が設けられていてもよい。この時間の制限は前述の検索画面の設定によりユーザが自発的に設定するものであってもよいし、サーバ3の制御部33が、ユーザの検索内容に応じ、自動設定するように構成されていてもよい。
なお、この制御部33が時間の制限を自動設定するにあたっては、制御部33はユーザが所望する商品や役務の詳細や、引き渡し時間や、役務提供時間などを参照してもよい。
また、事業者側で所定時間内に応答(入札)をしない場合には、入札画面を表示できないように設定することも可能である。
【0047】
また、この応答(入札)に際して、事業者側から早期に決済や来店が可能なユーザに対してディスカウントを実行するようにオファーすることも可能であり、クーポンなどの特典を付与するようにオファーすることも可能である。また、決済や来店の時間帯に応じて、提供価格等の重み付けを行うことも可能である。
【0048】
また、この応答(入札)に際して、事業者の有する事業者端末4には、当該事業者以外の事業者の入札状況が表示されていてもよい。この入札状況は、具体的な事業者を特定するものであってもよく、事業者名は伏せた上で、入札件数のみを表示するものであってもよい。
また、ここでの入札状況は、他の事業者が商品や役務を提供しようとする価格であってもよく、他の事業者の提示する価格の最安値や、平均値等が事業者端末4に表示されてもよい。
その他、過去に約定があった類似する商品や役務についての約定内容に基づき、参考価格等が事業者端末4に表示されてもよい。
【0049】
アクティビティA105で行われた入札に関する情報は、サーバ3の入札受付部332が受付け、必要に応じて情報を処理した上でユーザ端末2に表示されるように、表示制御部330が制御する(アクティビティA106~A108)。
【0050】
図9は、ユーザ端末2に表示される応答画面の一例である。
図9の表示画面Dにはリスト71として、役務(サービス)を提供可能な事業者が複数リストアップされている。このリストアップの際に表示される事業者は、前述の図8で示した入札画面に応答した事業者であり、この事業者が複数ある場合は、これらについて一覧性を有するようなリスト71にて表示画面Dに表示される。
【0051】
かかる表示画面Dを見たユーザは、自身の要望に合致し、実際に役務を受けたいと考える事業者を選択して、「応答」と付されたボタン(ボタン72A、ボタン72B、ボタン72C)のいずれかをクリック操作等で押下し、応答(約定)を行う(アクティビティA109)。
また、このようにして約定が行われた場合、サーバ3の約定登録部333がかかる情報の登録を行うこととなる(アクティビティA110)。
【0052】
この約定にあたっては、ユーザが入札の約定とともに、商品または役務についての決済を行い、これらをともに約定登録部333が登録してもよい。この登録された情報は典型的には、サーバ3の記憶部32に記憶される。
なお、この決済は典型的にはクレジットカードでの決済や銀行口座等への振込により行われるが、これには制限されず公知の商取引のいずれかの態様を採用することができる。
また、この決済によって支払われる金銭は、直接事業者の口座などに振込まれてもよいし、当該情報処理システム1を運営する運営主体の口座などに振込まれてもよい。なお、システムの運営主体に金銭が振込まれる場合は、後述の取引に関する情報の登録があったことを条件として、事業者にかかる金銭を移送する態様としてもよい。
【0053】
3.2 取引に関する情報の登録
続いて、取引に関する情報の登録の段階を説明する。図10は、取引に関する情報の登録に関する情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
【0054】
前述の3.1節に従って約定の登録を行った後、ユーザは役務の提供を受けるために、事業者の店舗に向かう。ここで、ユーザは事業者の店舗に設置されたコードをユーザが読み出し、これを契機に取引登録部334は、ユーザと事業者との間の取引が行われたことを登録する(アクティビティA201~A202)。ここでのコードはたとえばQRコード(登録商標)であるが、ユーザがコードを読み込む場合は、少なくとも事業者が特定できればよく、QRコード(登録商標)以外の各種コードを採用することもできる。なお、ユーザがコードを読み込むに際しては、たとえばユーザ端末2に備えられるカメラ機能などを用いればよい。
なお、コードが表示される箇所はとくに制限されず、店舗内、店舗外いずれも採用可能である。店舗内としてはたとえば受付やカウンター、店舗外としては入り口などにコードを表示すれば良い。また、上記の約定を登録した際の画面にコードが付されており、これを事業者が事業者端末4に表示させ、これをユーザに提示する態様も採用することができる。また、これ以外の手法で事業者を特定できるコードを、事業者が事業者端末4に表示させ、これをユーザのユーザ端末2によって読み出させることも可能である。
【0055】
また、「取引に関する情報」は上記したような「取引が行われたこと」に限られず、「これから取引が行われること」等も包含する。具体的にはユーザが事業者の店舗にて料金を前払いし、この支払い後に役務の提供を受けるような態様も含む。
【0056】
このように取引に関する情報の登録が行われると、サーバ3の制御部33は、ユーザ端末2、サーバ3、事業者端末4のそれぞれに対して、各種制御を行う(アクティビティA203)。
具体的には、ユーザ端末2と事業者端末4の双方には、取引が完了したことを表す画面が表示されるように、表示制御部330が表示制御する(アクティビティA204、A206)。一方、サーバ3に対しては、上記の登録が行われたことを記憶部32にデータとして格納する(アクティビティA205)。
以上のようにして、取引に関する情報の登録ができ、商取引のいっそうの円滑化が実現可能となる。
【0057】
なお、前述したように、所定時間が経過しても取引登録が実行されなかった場合に、通知部335が、ユーザ端末2及び事業者端末4の少なくとも一方に、取引登録が実行されなかったことを通知する態様とすることもできる。
すなわち、約定の登録の段階においては、図9に示すように役務の提供可能な時間が事業者側から提示され、ユーザがこれに応答しているが、サーバ3の記憶部32にはこの情報が記憶されており、サーバ3の通知部335は、この提供可能な時間から所定時間経過しても上記の取引に関する情報の登録がない場合に、ユーザ端末2及び事業者端末4の少なくとも一方に通知を行い、情報の登録を促すことができる。
【0058】
また、上記の通知があるにもかかわらず、依然として取引に関する情報の登録がない場合については、事業者の提供する商品や役務についてキャンセルが発生したものとして、登録を行うこともできる。3.1節で前述したように、約定の際にシステムの運営主体に金銭が振込まれた場合は、当該運営主体は、ユーザ及び事業者に対して、商品などの提供についてのキャンセルがあった場合に見合った額を振り込むように構成することもできる。
【0059】
4.その他
本実施形態に係る情報処理システム1に関して、以下のような態様を採用してもよい。
【0060】
以上の実施形態では、情報処理システム1の構成として説明したが、コンピュータに情報処理システム1の各ステップを実行させるプログラムが提供されてもよい。
【0061】
以上の実施形態では、サーバ3が種々の記憶・制御を行ったが、サーバ3に代えて、複数の外部装置が用いられてもよい。すなわち、ブロックチェーン技術等を用いて、取得した登録情報等を分散して複数の外部装置に記憶させてもよい。
【0062】
以上の実施形態では、店舗の用意したQRコード(登録商標)をユーザが読み出す態様を示してきたが、このQRコード(登録商標)に代えて、NFC(Near Field Communication)タグを採用することができる。すなわち、事業者側は所定位置にこのNFCタグを設け、ユーザはユーザ端末2に備えられるNFCリーダーにて、このタグを読み出す態様も可能である。
【0063】
以上の実施形態では、店舗の用意したQRコード(登録商標)をユーザが読み出す態様を示してきたが、ユーザが所有するユーザ端末2の表示部24にQRコード(登録商標)を表示させ、事業者の有する事業者端末4がこれを読み出す態様も採用することができる。
【0064】
以上の実施形態では、事業者が理美容業に関しての事業者であったが、事業者がユーザに提供するものはこれに限られない。たとえば、事業者の提供可能な商品としては、食料品、日用雑貨、書籍、衣服などが挙げられ、事業者の提供可能な役務としては理美容サービスのほか、エステ、飲食サービス、映画、旅行代理、法律相談、機械修理、不動産賃貸などを含む。
【0065】
以上の実施形態では、ユーザ端末2に表示される応答画面として、事業者A、B、Cが列記される態様を示したが、これらは様々な項目の順序となるように表示制御可能であってもよい。たとえば、ユーザによるユーザ端末2の操作に従い、値段や、ユーザの位置からの距離、評価等の昇順または降順となるように並び替えが可能に構成されていてもよい。
なお、この評価は本情報処理システム1の使用実績等に基づくものであってもよいし、他の口コミサイト等に開示された情報等に基づくものであってもよい。
また、上述の値段、距離、評価等を総合的に評価し、サーバ3の制御部33が、ユーザに有益な選択となるように、特定の事業者を推奨するように表示することも可能である。この推奨は、事業者の情報処理システム1の利用実績や、情報処理システム1の運営者に対する広告料の支払いなどで重み付けが可能となるように構成されていてもよい。
【0066】
以上の実施形態では、事業者が商品や役務を提供可能な時間を入札段階で提示する態様を示したが、この提供の迅速さをサーバ3の記憶部32が記憶してもよい。また、この提供の迅速さに基づいて、他のユーザが商品や役務の提供事業者を検索する際に、サーバ3の制御部33が特定の事業者を推奨するように構成されていてもよい。
【0067】
以上の実施形態では、事業者の提供する商品や役務についてキャンセルが発生場合を登録する態様を示したが、サーバ3の制御部33は、このキャンセルが発生した場合のユーザまたは事業者の情報をユーザ端末2に表示される検索画面や、事業者端末4に表示される入札画面に表示してもよい。
【0068】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
前記情報処理システムにおいて、前記取引登録ステップでは、前記事業者の店舗に設置されたコードを前記ユーザが読み出すことを契機に、前記取引が行われたことを登録する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、約定登録ステップをさらに実行するように構成され、前記約定登録ステップでは、前記入札の約定と、前記ユーザが前記商品または前記役務についての決済を行ったこととを登録する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記ユーザの位置情報は、前記ユーザ端末の発信する緯度経度情報に基づく、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記ユーザの位置情報は、前記表示制御ステップ実行後の前記ユーザの位置情報である、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、商品等入力受付ステップをさらに実行するように構成され、前記商品等入力受付ステップでは、表示された複数の商品または役務のうちの少なくとも一部に対する選択を、前記ユーザの欲する前記商品または前記役務の前記情報として、前記ユーザから受付ける、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記制御部は、通知ステップをさらに実行するように構成され、前記通知ステップでは、前記所定時間が経過しても前記取引登録ステップが実行されなかった場合に、前記ユーザ端末及び前記事業者端末の少なくとも一方に、前記取引登録ステップが実行されなかったことを通知する、もの。
前記情報処理システムにおいて、前記事業者が提供するものが前記役務である、もの。
情報処理方法であって、前記情報処理システムの各ステップを備える、方法。
プログラムであって、コンピュータに前記情報処理システムの各ステップを実行させる、もの。
もちろん、この限りではない。
【0069】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0070】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
3 :サーバ
4 :事業者端末
11 :ネットワーク
20 :通信バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
24 :表示部
25 :入力部
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :表示部
35 :入力部
40 :通信バス
41 :通信部
42 :記憶部
43 :制御部
44 :表示部
45 :入力部
51、52、53、54、55 :入力フォーム
56 :ボタン
61、62 :入力フォーム
63 :ボタン
71 :リスト
72A、72B、72C :ボタン
330 :表示制御部
331 :商品等入力受付部
332 :入札受付部
333 :定登録部
334 :取引登録部
335 :通知部
D :表示画面
図1
図2
図3
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図5
図6
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図8
図9
図10