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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064509
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】建物の入退場管理システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
G08B25/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174840
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】504093467
【氏名又は名称】トヨタホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】秋吉 宏一
【テーマコード(参考)】
5C087
【Fターム(参考)】
5C087AA03
5C087AA44
5C087BB74
5C087DD05
5C087DD06
5C087DD20
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087FF25
5C087GG02
5C087GG08
5C087GG40
5C087GG70
5C087GG83
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利便性の確保と居住者の心理的負担の低減とを両立させることができる建物の入退場管理システムを提供する。
【解決手段】建物の入退場管理システム10は、ロック装置12に動向検出部を備える。動向検出部は、配業者の配達員Bが使用する携帯端末50の操作に基づくロック装置12によるドア22の施錠及び開錠を検出し、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時から所定時間内に当該操作に基づくドア22の施錠が行われなかった場合に、管理者Aへ警報を発する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の管理者の操作に基づいて電子鍵情報を生成して当該電子鍵情報を所定の携帯端末に送信可能な鍵情報生成部と、
前記建物の内側と外側とを連通可能な建具を施錠又は開錠可能なロック部を備えると共に前記電子鍵情報を受信した前記所定の携帯端末による操作に基づいて当該ロック部を駆動可能とされたロック装置と、
前記所定の携帯端末の操作に基づく前記ロック装置による前記建具の施錠及び開錠を検出可能とされると共に当該操作に基づく当該建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に前記管理者へ警報を発する動向検出部と、
を有する建物の入退場管理システム。
【請求項2】
前記建具の周辺を撮像可能な撮像装置をさらに備え、
前記撮像装置は、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に撮像を開始する、
請求項1に記載の建物の入退場管理システム。
【請求項3】
前記建具の周辺を撮像可能な撮像装置をさらに備え、
前記撮像装置は、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記建具の開錠時に撮像を開始する、
請求項1に記載の建物の入退場管理システム。
【請求項4】
前記管理者が使用可能な管理者端末をさらに備え、
前記動向検出部は、前記警報を前記管理者端末に送信可能とされ、
前記管理者端末は、前記撮像装置による撮像結果を視聴可能とされている、
請求項2又は請求項3に記載の建物の入退場管理システム。
【請求項5】
前記動向検出部は、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に前記建物内に向けて警告を発する、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の建物の入退場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の入退場管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、錠制御システムに関する発明が開示されている。この錠制御システムでは、建物の建具に錠開閉機器が設けられており、建物の居住者が携帯する携帯端末から開錠信号が錠開閉機器に入力されると、建具の開錠が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-153120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利便性の観点において、建物の居住者以外であっても建具の開錠が行えることが好ましい場合がある。例えば、建物の居住者が不在のときに、宅配業者の配達員が所有する携帯端末によって建具を開錠して建物内に荷物を運び入れることができるようにすることは、利便性の観点においては好ましい。
【0005】
一方で、建物の居住者以外が建物内を自由に移動できるような状況は、建物の居住者の心理的負担の観点においては好ましくない。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、利便性の確保と居住者の心理的負担の低減とを両立させることができる建物の入退場管理システムを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る建物の入退場管理システムは、建物の管理者の操作に基づいて電子鍵情報を生成して当該電子鍵情報を所定の携帯端末に送信可能な鍵情報生成部と、前記建物の内側と外側とを連通可能な建具を施錠又は開錠可能なロック部を備えると共に前記電子鍵情報を受信した前記所定の携帯端末による操作に基づいて当該ロック部を駆動可能とされたロック装置と、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記ロック装置による前記建具の施錠及び開錠を検出可能とされると共に当該操作に基づく当該建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に前記管理者へ警報を発する動向検出部と、を有している。
【0008】
第1の態様に係る建物の入退場管理システムでは、鍵情報生成部を備えており、当該鍵情報生成部は、建物の管理者の操作に基づいて電子鍵情報を生成して当該電子鍵情報を所定の携帯端末に送信する。
【0009】
また、本態様では、建物の内側と外側とを連通可能な建具を施錠又は開錠可能とされたロック部を駆動可能とされたロック装置を備えている。そして、ロック装置は、電子鍵情報を受信した所定の携帯端末による操作に基づいて当該ロック部を駆動させる。
【0010】
このため、本態様では、例えば、宅配業者の配達員が所定の携帯端末を携帯していれば、当該配達員は、当該所定の携帯端末を用いて建具の開錠又は施錠を行うことが可能となり、当該配達員は、建物内に荷物を運び入れることが可能となる。
【0011】
一方で、建物の居住者以外が建物内を自由に移動できるような状況は、建物の居住者の心理的負担の観点においては好ましくない。
【0012】
ここで、本態様では、動向検出部を備えており、当該動向検出部によって所定の携帯端末の操作に基づくロック装置による建具の施錠及び開錠を検出することができる。そして、動向検出部は、所定の携帯端末の操作に基づく建具の開錠時から所定時間内に当該操作に基づく当該建具の施錠が行われなかった場合に、建物の管理者へ警報を発することができる。このため、本態様では、建物に入った所定の携帯端末の使用者の動向を当該建物の管理者が把握することができる。
【0013】
第2の態様に係る建物の入退場管理システムは、第1の態様に係る建物の入退場管理システムにおいて、前記建具の周辺を撮像可能な撮像装置をさらに備え、前記撮像装置は、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に撮像を開始する。
【0014】
第2の態様に係る建物の入退場管理システムでは、所定の携帯端末の操作に基づく建物の建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に、撮像装置が建具の周辺の撮像を開始する。このため、本態様では、建物に入った所定の携帯端末の使用者の動向を記録することができる。
【0015】
第3の態様に係る建物の入退場管理システムは、第1の態様に係る建物の入退場管理システムにおいて、前記建具の周辺を撮像可能な撮像装置をさらに備え、前記撮像装置は、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記建具の開錠時に撮像を開始する。
【0016】
第3の態様に係る建物の入退場管理システムでは、所定の携帯端末の操作に基づく建物の建具の開錠時に撮像装置が建具の周辺の撮像を開始する。このため、本態様では、建物に入った所定の携帯端末の使用者の動向を当該使用者の建物への進入時から記録することができる。
【0017】
第4の態様に係る建物の入退場管理システムは、第2の態様又は第3の態様に係る建物の入退場管理システムにおいて、前記管理者が使用可能な管理者端末をさらに備え、前記動向検出部は、前記警報を前記管理者端末に送信可能とされ、前記管理者端末は、前記撮像装置による撮像結果を視聴可能とされている。
【0018】
第4の態様に係る建物の入退場管理システムでは、所定の携帯端末の操作に基づく建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に、建物の管理者が使用する管理者端末に、動向検出部から警報が送信される。また、建物の管理者は、管理者端末によって撮像装置による撮像結果を視聴することができる。このため、本態様では、建物の管理者が、建物に入った所定の携帯端末の使用者の動向をより詳細に把握することができる。
【0019】
第5の態様に係る建物の入退場管理システムは、第1の態様~第4の態様の何れか1態様に係る建物の入退場管理システムにおいて、前記動向検出部は、前記所定の携帯端末の操作に基づく前記建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に前記建物内に向けて警告を発する。
【0020】
第5の態様に係る建物の入退場管理システムでは、所定の携帯端末の操作に基づく建具の開錠時から所定時間内に当該建具の施錠が行われなかった場合に、動向検出部が、建物内に向けて警告を発する。このため、本態様では、建物内に所定時間以上滞在している所定の携帯端末の使用者に、建物からの退出を促すことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように、本発明に係る建物の入退場管理システムでは、利便性の確保と居住者の心理的負担の低減とを両立させることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係る建物の入退場管理システムの構成を模式的に示す概略図である。
図2】第1実施形態に係る建物の入退場管理システムの一部を構成するロック装置並びにその周辺の構成を示すブロック図である。
図3】第1実施形態に係る建物の入退場管理システムの一部を構成するサーバのハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】第1実施形態に係る建物の入退場管理システムの機能構成を示すブロック図である。
図5】第1実施形態に係る建物の入退場管理システムにおいて建具が建物の管理者以外によって開錠されたときの処理を示すフローチャートである。
図6】第2実施形態に係る建物の入退場管理システムの構成を模式的に示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
<第1実施形態>
以下、図1図5を用いて、本発明に係る建物の入退場管理システムの第1実施形態について説明する。図1に示されるように、本実施形態に係る「建物の入退場管理システム10(以下、入退場管理システム10と称する)」は、「ロック装置12」、サーバ14及び「建物16」の管理者としての居住者Aが所有する管理者端末としての「携帯端末18」を備えている。
【0024】
図2にも示されるように、ロック装置12は、「ロック部24」と、ロック部24の制御に用いられるロック制御部26と、ロック制御部26の操作に用いられる操作部28とを備えている。
【0025】
ロック部24は、建物16の玄関20に配置されると共に建物16の内側とを外側とを連通可能な建具としての「ドア22」に内蔵されている。このロック部24は、図示しないロック部材、図示しないモータ等の駆動源及び当該駆動源を制御するドライバを含んで構成されており、ロック制御部26からの各種指令信号に基づいて駆動されることで、ドア22の開錠及び施錠を行うことが可能とされている。
【0026】
一方、ロック制御部26は、建物16の居室30に配置されると共に、プロセッサの一例であるCPU(Central Processing Unit)26A、ROM(Read Only Memory)26B、RAM(Random Access Memory)26C、ストレージ26D、通信I/F(Inter Face)26E及び入出力I/F26Fを含んで構成されている。そして、CPU26A、ROM26B、RAM26C、ストレージ26D、通信I/F26E及び入出力I/F26Fは、バス26Gを介して相互に通信可能に接続されている。
【0027】
CPU26Aは、中央演算処理ユニットとされており、ロック部24並びにロック制御部26と接続された各種機器の制御に係る各種プログラムの実行が可能とされている。具体的には、CPU26Aは、ROM26Bからプログラムを読み出し、RAM26Cを作業領域として各種プログラムを実行可能とされている。そして、ROM26Bに記憶された実行プログラムが、CPU26Aで読み出されて実行されることで、ロック制御部26は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0028】
ストレージ26Dは、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)を含んで構成され、オペレーティングシステムやロック装置12の制御に係る各種プログラムが記憶されている。また、ストレージ26Dには、後述するように、電子鍵情報Kとの照合に用いられる認証コードC及びスピーカ32から流れる各種音データが記憶されている。さらに、ストレージ26Dは、後述するように、撮像装置としての「玄関カメラ34」で撮像された映像や画像、室内カメラ36で撮像された映像や画像及び人感センサ38の検出結果を記憶可能とされている。
【0029】
通信I/F26Eは、ネットワークNとの通信に用いられるインターフェースとされており、例えば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)及びBluetooth(登録商標)等の通信規格が用いられている。なお、通信I/F26Eは、例えば、ドア22の周辺に配置された無線装置を備えていてもよい。そして、通信I/F26Eは、サーバ14及び携帯端末18とネットワークNを介して相互に通信可能とされている。
【0030】
入出力I/F26Fは、ロック制御部26と各種機器とを通信可能に接続するためのインターフェースとされている。そして、ロック制御部26は、入出力I/F26Fを介して、上述したロック部24、操作部28、スピーカ32、玄関カメラ34、室内カメラ36及び人感センサ38と通信可能に接続されている。
【0031】
操作部28は、一例としてタッチパネルを含んで構成されており、居住者Aによる操作入力をロック制御部26に出力することが可能となっている。そして、本実施形態では、居住者Aによる操作入力によって、電子鍵情報Kの送信先及び電子鍵情報Kに対応する滞在許可時間Tが設定されると共に、電子鍵情報Kの送信先及び滞在許可時間Tがストレージ26Dに一時的に記憶されるようになっている。また、居住者Aは、操作部28によってロック部24の操作を行うことが可能となっている。
【0032】
スピーカ32は、玄関20に配置されており、ロック制御部26による制御によってストレージ26Dに記憶された種々の音や音声を発することが可能とされている。
【0033】
玄関カメラ34は、玄関20に玄関20内を撮像可能な位置に配置されており、撮像した映像の撮像データをロック制御部26に送信可能とされている。なお、玄関カメラ34は、後述するように、撮像信号をロック制御部26から受信することで、玄関20内の撮像を開始するようになっている。
【0034】
室内カメラ36は、居室30に居室30内を撮像可能な位置に配置されており、撮像した映像の撮像データをロック制御部26に送信可能とされている。なお、室内カメラ36は、後述するように、撮像信号をロック制御部26から受信することで、居室30内の撮像を開始するようになっている。
【0035】
人感センサ38は、建物16の外壁面におけるドア22の近傍に配置されており、建物16の屋外側においてドア22近傍の人の有無を検出可能とされている。そして、人感センサ38によって人の存在が検出された場合には、人感センサ38から人検出信号がロック制御部26に送信されるようになっている。
【0036】
次に、図4を用いてロック制御部26の機能構成について説明する。ロック制御部26は、CPU26AがROM26Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部40、鍵生成指示部42、鍵検証部44、ロックコントロール部46及び「動向検出部48」の集合体として機能する。
【0037】
通信部40は、ネットワークNを介してサーバ14、携帯端末18及び後述する「携帯端末50」と種々の情報を送受信することが可能となっている。
【0038】
鍵生成指示部42は、操作部28によって入力された電子鍵情報Kの送信先及び電子鍵情報Kに対応する滞在許可時間Tを、生成指示信号として通信部40を介してサーバ14に送信するようになっている。なお、本実施形態では、一例として、電子鍵情報Kの送信先が、宅配業者の配達員Bが使用する所定の携帯端末としての携帯端末50に設定されており、滞在許可時間Tが60[秒]に設定されている。
【0039】
鍵検証部44は、携帯端末50から受信した電子鍵情報Kと認証コードCとの照合を行うようになっている。そして、携帯端末50から受信した電子鍵情報Kに含まれる認証コードと、認証コードCとが一致した場合、解除信号をロックコントロール部46に送信するようになっている。
【0040】
ロックコントロール部46は、鍵検証部44から解除信号を受信すると、携帯端末50によるロック部24の操作を許容するようになっている。そして、ロックコントロール部46は、携帯端末50からの操作信号に基づいて第1指令信号をロック部24に送信することでロック部24を駆動させるようになっている。また、通常時において、ロックコントロール部46は、操作部28からの操作信号に基づいて第2指令信号をロック部24に送信することでロック部24を駆動させるようになっている。
【0041】
動向検出部48は、ロックコントロール部46から送信される第1指令信号に基づいて、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠及び施錠を検出することが可能とされている。
【0042】
そして、動向検出部48は、携帯端末50から通信部40を介して滞在許可時間Tを取得し、携帯端末50の操作によってドア22が開錠されている状態において、当該操作によるドア22の開錠からの時間が滞在許可時間Tに近づいて所定時間Sとなると、スピーカ32を制御して滞在許可時間Tまでの残りの時間を音声で流すようになっている。換言すれば、動向検出部48は、スピーカ32を制御することで滞在許可時間Tの終了を告知するカウントダウンを行うようになっている。
【0043】
また、動向検出部48は、携帯端末50の操作によってドア22が開錠されてから滞在許可時間Tが経過しても携帯端末50の操作によってドア22が施錠されなかった場合、スピーカ32を制御することで、建物16からの退去を促す警告を発するようになっている。
【0044】
このとき、動向検出部48は、撮像信号を玄関カメラ34及び室内カメラ36に送信して、これらによる撮像を開始すると共に、これらで撮像された映像や画像を、警報と共に通信部40を介して携帯端末18に送信するようになっている。なお、玄関カメラ34及び室内カメラ36で撮像された映像や画像は、サーバ14を介して携帯端末18に送信されてもよい。また、操作部28にスピーカを設けると共に、動向検出部48による制御によって、当該スピーカから上記警報を発するようにしてもよい。
【0045】
一方、サーバ14は、主に電子鍵情報Kの生成を行っており、図4に示されるように、プロセッサの一例であるCPU14A、ROM14B、RAM14C、ストレージ14D及び通信I/F14Eを含んで構成されている。そして、CPU14A、ROM14B、RAM14C、ストレージ14D及び通信I/F14Eは、バス14Fを介して相互に通信可能に接続されている。なお、CPU14A、ROM14B、RAM14C、ストレージ14D及び通信I/F14Eは、上述したロック制御部26を構成しているものと基本的に同様の機能を備えている。
【0046】
CPU14Aは、電子鍵情報Kの生成に係る各種プログラムの実行が可能とされている。そして、ROM14Bに記憶された実行プログラムが、CPU14Aで読み出されて実行されることで、サーバ14は、後述するように、種々の機能を発揮することが可能となっている。
【0047】
詳しくは、図4に示されるように、サーバ14は、CPU14AがROM14Bに記憶された実行プログラムを読み出し、これを実行することによって、通信部52及び「鍵情報生成部54」の集合体として機能する。
【0048】
通信部52は、ネットワークNを介してロック装置12及び携帯端末50と種々の情報を送受信することが可能となっている。
【0049】
鍵情報生成部54は、通信部52にロック装置12から生成指示信号が入力されると、認証コードCを含む電子鍵情報Kを生成するようになっている。そして、鍵情報生成部54は、生成指示信号に含まれる電子鍵情報Kの送信先(携帯端末50)に、電子鍵情報K及び電子鍵情報Kに対応する滞在許可時間Tを、通信部52を介して送信するようになっている。
【0050】
一方、携帯端末50は、ロック装置12及びサーバ14と通信可能な通信機器とされると共に、携帯端末50をロック装置12に対応する鍵として機能させることが可能なアプリケーションソフトウェア(以下、専用アプリと称する)がインストールされている。
【0051】
そして、電子鍵情報Kが記憶された状態の携帯端末50が、ロック装置12を中心とする所定の範囲内に移動すると、携帯端末50とロック装置12とが通信することで、電子鍵情報Kと認証コードCとの照合が行われ、電子鍵情報Kの認証コードと認証コードCとが一致すると、専用アプリが起動するようになっている。なお、専用アプリが起動した状態の携帯端末50の表示面50Aには、開錠マーク、施錠マーク及び滞在許可時間Tが表示されるようになっている。
【0052】
そして、配達員Bが表示面50A上の開錠マークに触れると、携帯端末50から開錠を示す操作信号(開錠信号)をロック装置12が受信することでロック装置12が作動して、ドア22が開錠されるようになっている。また、ロック装置12が人感センサ38から人検出信号を受信している状態において、配達員Bが表示面50A上の施錠マークに触れると、携帯端末50から施錠を示す操作信号(施錠信号)を受信することでロック装置12が作動して、ドア22が施錠されるようになっている。
【0053】
<本実施形態の作用及び効果>
次に、本実施形態の作用並びに効果を説明する。
【0054】
本実施形態に係る入退場管理システム10では、図4に示されるように、鍵情報生成部54を備えており、鍵情報生成部54は、建物16の居住者Aの操作に基づいて電子鍵情報Kを生成して電子鍵情報Kをが使用する携帯端末50に送信する。
【0055】
また、本実施形態では、図1にも示されるように、建物16の内側と外側とを連通可能なドア22を施錠又は開錠可能とされたロック部24を駆動可能とされたロック装置12を備えている。そして、ロック装置12は、電子鍵情報Kを受信した携帯端末50による操作に基づいてロック部24を駆動させる。
【0056】
このため、本態様では、例えば、宅配業者の配達員Bが携帯端末50を携帯していれば、配達員Bは、携帯端末50を用いてドア22の開錠又は施錠を行うことが可能となり、配達員Bは、建物16内に荷物を運び入れることが可能となる。
【0057】
一方で、建物16の居住者A以外が建物16内を自由に移動できるような状況は、居住者Aの心理的負担の観点においては好ましくない。
【0058】
ここで、本実施形態では、動向検出部48を備えており、動向検出部48によって携帯端末50の操作に基づくロック装置12によるドア22の施錠及び開錠を検出することができる。そして、動向検出部48は、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時から所定時間S内に当該操作に基づくドア22の施錠が行われなかった場合に、管理者Aへ警報を発することができる。このため、本実施形態では、建物16に入った配達員Bの動向を管理者Aが把握することができる。
【0059】
また、本実施形態では、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時から滞在許可時間T内にドア22の施錠が行われなかった場合に、玄関カメラ34がドア22の周辺の撮像を開始する。このため、本実施形態では、建物16に入った配達員Bの動向を記録することができる。
【0060】
また、本実施形態では、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時から滞在許可時間T内にドア22の施錠が行われなかった場合に、管理者Aが使用する携帯端末18に、動向検出部48から警報が送信される。また、管理者Aは、携帯端末18によって玄関カメラ34による撮像結果を視聴することができる。このため、本実施形態では、管理者Aが、建物16に入った配達員Bの動向をより詳細に把握することができる。
【0061】
加えて、本実施形態では、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時から所定時間内にドア22の施錠が行われなかった場合に、動向検出部48が、建物16内、より具体的には、ドア22の周辺に向けて警告を発する。このため、本実施形態では、建物16内に滞在許可時間T以上滞在している配達員Bに、建物16からの退出を促すことができる。
【0062】
次に、図5に示されるフローチャートを用いて、入退場管理システム10における入退場者の管理の制御フローについて説明することとする。なお、この制御フローは、ロック制御部26のCPU26Aが、携帯端末50からの開錠信号を受け付けることで開始される。
【0063】
この制御フローが開始されると、ステップS100では、CPU26Aは、動向検出部48として機能し、ドア22の開錠から滞在許可時間Tよりも短い所定時間S内にドア22が施錠されたか否かを判定する。そして、所定時間S内にドア22が施錠されなかった場合(ステップS100:NO)、ステップS101に進み、所定時間S内にドア22が施錠された場合(ステップS100:YES)、この制御フローを終了する。
【0064】
ステップS101では、CPU26Aは、動向検出部48として機能し、スピーカ32を制御することで滞在許可時間Tの終了を告知するカウントダウンを行って、ステップS102に進む。
【0065】
ステップS102では、CPU26Aは、動向検出部48として機能し、ドア22の開錠から滞在許可時間T内にドア22が施錠されたか否かを判定する。そして、滞在許可時間T内にドア22が施錠されなかった場合(ステップS102:NO)、ステップS103に進み、滞在許可時間T内にドア22が施錠された場合(ステップS102:YES)、この制御フローを終了する。
【0066】
ステップS103では、CPU26Aは、動向検出部48として機能し、ドア22の周辺に向けて警告を発すると共に、玄関カメラ34及び室内カメラ36による撮像を開始して、ステップS104に進む。
【0067】
ステップS104では、CPU26Aは、動向検出部48として機能し、玄関カメラ34及び室内カメラ36で撮像された映像や画像を、警報と共に携帯端末18に送信し、この制御フローを終了する。
【0068】
このように、本実施形態に係る入退場管理システム10では、利便性の確保と居住者の心理的負担の低減とを両立させることができる。
【0069】
<第2実施形態>
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る「建物の入退場管理システム60(以下、入退場管理システム60と称する)」の構成について説明する。なお、上述した第1実施形態と同一構成部分については、同一の番号を付してその説明を省略する。
【0070】
本実施形態に係る入退場管理システム60は、複数の警報装置62及び管理者としての警備会社が所有する管理者端末としての「パーソナルコンピュータ64(以下、PC64と称する)」を備えている点が上述した入退場管理システム10と異なっている。
【0071】
警報装置62は、少なくともドア22の周辺を含む建物16内の複数個所に配置されており、動体検出機能を備えた撮像装置としての「カメラ66」と、スピーカ68とが一体となって構成されている。
【0072】
この警報装置62は、ロック制御部26と通信可能とされており、カメラ66で撮像された映像や画像は、通信I/F26Eを介してサーバ14に送信されると共に、サーバ14のストレージ14Dに記憶されるようになっている。
【0073】
また、スピーカ68は、ロック制御部26による制御によってストレージ26Dに記憶された種々の音や音声を発することが可能とされている。
【0074】
詳しくは、本実施形態では、ロック装置12が携帯端末50から開錠信号を受信すると、動向検出部48が撮像信号を警報装置62に送信するようになっている。そして、警報装置62が動向検出部48から撮像信号を受信すると、カメラ66が撮像を開始するようになっている。すなわち、本実施形態では、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時において、カメラ66が撮像を開始するようになっている。
【0075】
また、本実施形態では、携帯端末50の操作によってドア22が開錠されてから滞在許可時間Tが経過しても携帯端末50の操作によってドア22が施錠されなかった場合、動向検出部48は、動体を検出したカメラ66と一体となっているスピーカ68を制御することで、建物16からの退去を促す警告を発するようになっている。
【0076】
すなわち、本実施形態において、スピーカ68は、ドア22が開錠されてから滞在許可時間Tが経過しても携帯端末50の操作によってドア22が施錠されなかった場合、動く物体(建物16への進入者)に対して警告を発するようになっている。
【0077】
さらに、本実施形態では、ドア22が開錠されてから滞在許可時間Tが経過しても携帯端末50の操作によってドア22が施錠されなかった場合、動向検出部48は、第1警報信号をサーバ14に送信するようになっている。
【0078】
また、本実施形態において、サーバ14は、ネットワークNを介してPC64と通信可能とされており、動向検出部48から第1警報信号を受信すると、PC64に第2警報信号を送信するようになっている。
【0079】
一方、PC64は、本体64Aと、モニタ64Bとを備えており、本体64Aは、サーバ14から第2警報信号を受信すると、モニタ64Bに第2警報信号の受信時刻等を含む警告メッセージを表示させるようになっている。
【0080】
また、サーバ14に記憶されているカメラ66で撮像された映像や画像は、警備会社の社員による操作によって本体64Aにダウンロード可能とされており、当該社員は、当該映像や当該画像を視聴することが可能となっている。なお、本体64Aは、カメラ66で撮像された映像や画像をサーバ14やロック制御部26から常時ダウンロード可能な構成とされていてもよい。
【0081】
このような構成によれば、基本的に上述した第1実施形態と同様の作用並びに効果を奏する。
【0082】
また、本実施形態では、携帯端末50の操作に基づくドア22の開錠時にカメラ66がドア22の周辺の撮像を開始する。このため、本実施形態では、建物16に入った携帯端末50の使用者の動向を当該使用者の建物16への進入時から記録することができる。
【0083】
<上記実施形態の補足説明>
(1) 上述した実施形態では、宅配業者の配達員Bが所有する携帯端末50に電子鍵情報Kを付与したが、建物16の来訪者が所有する携帯端末に電子鍵情報Kを付与してもよい。また、滞在許可時間Tも適宜変更可能である。
【0084】
(2) また、上述した実施形態では、携帯端末50とロック装置12とが通信を行うことでドア22の開錠及び施錠が行われていたが、これに限らない。例えば、携帯端末5-の表示面50Aに鍵となる所定のコード情報を表示させると共に、ロック装置12に当該コード情報を読み込ませることでロック装置12を作動させる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0085】
10 建物の入退場管理システム
12 ロック装置
16 建物
18 携帯端末(管理者端末)
22 ドア(建具)
24 ロック部
34 玄関カメラ(撮像装置)
48 動向検出部
50 携帯端末
54 鍵情報生成部
60 建物の入退場管理システム
64 パーソナルコンピュータ(管理者端末)
66 カメラ(撮像装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6