(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064557
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】ブース家具及びブースユニット
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20230501BHJP
E04B 1/86 20060101ALI20230501BHJP
G10K 11/16 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
E04H1/12 302C
E04B1/86 E
E04B1/86 M
E04B1/86 V
G10K11/16 140
E04H1/12 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174901
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】山西 学
(72)【発明者】
【氏名】松尾 泰久
(72)【発明者】
【氏名】横田 早紀
(72)【発明者】
【氏名】千田 啓資
【テーマコード(参考)】
2E001
5D061
【Fターム(参考)】
2E001DF04
2E001FA07
2E001FA26
2E001GA17
2E001GA42
2E001HC07
2E001HC13
2E001HD03
5D061AA06
5D061AA23
5D061AA26
5D061BB13
5D061BB21
5D061CC01
5D061CC17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】周囲への音漏れを抑制することを可能にした新たなブース家具を提供する。
【解決手段】本発明のブース家具1は、張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有するパネル材が複数コ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間を形成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有するパネル材が複数コ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間を形成するブース家具。
【請求項2】
前記複数のパネル材が、一対の側面パネル及び前記一対の側面パネルの背面側端部を連結する背面パネルとを含んでおり、
前記内部空間の上方には、前記パネル材の上端部近傍から前記内部空間に向かって延びており且つ前記ブロック部が下面に配置される上面パネルが設けられる、請求項1に記載のブース家具。
【請求項3】
前記上面パネルは、前記パネル材の上端部近傍から当該パネル材から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜するように設けられる、請求項2に記載のブース家具。
【請求項4】
前記複数のパネル材が、一対の側面パネル及び前記一対の側面パネルの背面側端部を連結する背面パネルとを含んでおり、
前記一対の側面パネルの正面側端部に接続または近接し、且つ、前記背面パネルと対向するように前記パネル材と同じパネル構造の正面パネルが設けられる、請求項1~3の何れかに記載のブース家具。
【請求項5】
前記吸音材は、軟質で弾性変形可能な素材で構成され、自分で形状を保つことが可能な芯材の表面に沿って配置されている、請求項1~4の何れかに記載のブース家具。
【請求項6】
前記ブロック部の端部が前記芯材の端部に沿って配置され、当該ブロック部の表面を覆う前記張り材が前記芯材の端部よりも外側に延びており、その張り材の端部が前記芯材の端面に形成された外周溝内に巻き込まれている、請求項5に記載のブース家具。
【請求項7】
前記芯材は、ペーパーハニカムコアである、請求項5または6に記載のブース家具。
【請求項8】
前記ブロック部は、前記パネル材の片面のみに配置され、そのブロック部が配置された面が前記ブース内空間の内側面となる、請求項1~7の何れかに記載のブース家具。
【請求項9】
請求項1~8の何れかに記載のブース家具を縦又は横に連設して構成されることを特徴とするブースユニット。
【請求項10】
隣り合う2つの前記ブース家具において、前記ブロック部が両面に配置される前記パネル材が、前記内部空間が隣り合う2つのブース家具の間で共用されている、請求項9に記載のブースユニット。
【請求項11】
隣り合う2つの前記ブース家具において、前記ブロック部が各々の内部空間に向いた片面に配置される側面パネルの正面側端部どうしを突合せて連結している、請求項9に記載のブースユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業に適した使い方を可能とする、ブース家具及びブースユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業を行うための空間を形成するものとして、左右側面板と、これらの側面板の一端部間を接続する背面板とを含んで構成されるブースが知られている(例えば特許文献1参照)。ブースの内部には、左右側面板及び背面板に沿って天板が配置され、天板に向かって着座した利用者が、周囲を気にせずに執務や作業に集中できるような空間が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ブース内においてパソコンを使用してオンラインミーティングが行われることが多い。その場合、ブース内に着座した利用者は、天板上においたパソコンの画面を見ながら種々の発言を行う。特許文献1のブースでは、左右側面板及び背面板が単なる板状部材で構成されているため、利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするという問題がある。なお、そのような問題は、比較的大きいブース内において複数の利用者が会議を行う場合にも発生する。
【0005】
本発明は、これらの課題に着目してなされたものであって、周囲への音漏れを抑制することを可能にした新たなブース家具及びブースユニットを実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明のブース家具は、張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有するパネル材が複数コ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間を形成する。
【0008】
このようにすると、溝を挟んで並んだ凸条の吸音材を有するブロック部が複数配置された構造を有するパネル材によりブース内部空間が囲まれており、ブース内部空間で発生した音がパネル材に吸収されやすい。これにより、ブース内部空間において例えば利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするのが抑制されるため、吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0009】
本発明のブース家具において、前記複数のパネル材が、一対の側面パネル及び前記一対の側面パネルの背面側端部を連結する背面パネルとを含んでおり、前記内部空間の上方には、前記パネル材の上端部近傍から前記内部空間に向かって延びており且つ前記ブロック部が下面に配置される上面パネルが設けられることが好適である。
【0010】
このようにすると、上面パネルがブース内空間の上方に設けられるため、ブース内空間の上方において解放される領域を小さくすることができる。そのため、音漏れする領域が小さくなり、ブース内空間から周囲へ音漏れするのが効果的に抑制される。
【0011】
例えば、対向する一対の側面パネルの内側面に沿って2つの椅子がブース内部空間に配置されたブース家具において、上面パネルが一対の側面パネルの上方にそれぞれ取付けられている場合、一方の側面パネル上部の上面パネルは、対向する他方の側面パネル下部に配置された椅子と対向する位置関係になることで、対向する椅子の着座者の発声を効果的に吸収する。他方の側面パネル上部の上面パネルと一方の側面パネル下部の椅子も同じ関係で、これらによってブース内空間には対向配置された上面パネルと椅子の組が2セット収容されている。これにより、ブース内で着座しながら会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0012】
また、背面パネルの内側面に沿ってテーブルの天板がブース内空間に配置されたブース家具において、上面パネルが背面パネルの上部に取付けられている場合、背面パネル上部の上面パネルは、天板の上方位置に配置されることで、テーブルの手前の椅子の着座者の発声が天板で上方に反射したものを効果的に吸収する。これにより、ブース内で着座しながらWeb会議等で会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0013】
本発明のブース家具において、前記上面パネルは、前記パネル材の上端部近傍から当該パネル材から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜するように設けられることが好適である。
【0014】
このようにすると、上面パネルがブース内空間の上方において傾斜するように設けられるため、例えばブース家具の上方からブース内空間に対して、照明の光を入りやすくすることができる。
【0015】
本発明のブース家具において、前記複数のパネル材が、一対の側面パネル及び前記一対の側面パネルの背面側端部を連結する背面パネルとを含んでおり、前記一対の側面パネルの正面側端部に接続または近接し、且つ、前記背面パネルと対向するように前記パネル材と同じパネル構造の正面パネルが設けられることが好適である。
【0016】
このようにすると、正面パネルがブース内空間の正面に設けられるため、ブース内空間の正面において解放される領域を小さくすることができる。そのため、音漏れする領域が小さくなり、ブース内空間から周囲へ音漏れするのが効果的に抑制される。
【0017】
本発明のブース家具において、前記吸音材は、軟質で弾性変形可能な素材で構成され、自分で形状を保つことが可能な芯材の表面に沿って配置されていることが好適である。
【0018】
このようにすると、吸音材が軟質で弾性変形可能な素材で構成されるため、吸音材に接触しても痛くない。
【0019】
本発明のブース家具において、前記ブロック部の端部が前記芯材の端部に沿って配置され、当該ブロック部の表面を覆う前記張り材が前記芯材の端部よりも外側に延びており、その張り材の端部が前記芯材の端面に形成された外周溝内に巻き込まれていることが好適である。
【0020】
このようにすると、溝を挟んで並んだ凸条の吸音材を有するブロック部の端部をパネル材の端部と略一致するように複数のブロック部を配置して、張り材の端部を芯材の端面に固定することができる。
【0021】
本発明のブース家具において、前記芯材は、ペーパーハニカムコアであることが好適である。
【0022】
このようにすると、芯材にも吸音効果があるため、より吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0023】
本発明のブース家具において、前記ブロック部は、前記パネル材の片面のみに配置され、そのブロック部が配置された面が前記ブース内空間の内側面となることが好適である。
【0024】
このようにすると、凸条の吸音材を有するブロック部がブース内空間に向かって配置されるため、ブース内空間で発生した音がパネル材に確実に吸収される。
【0025】
本発明のブースユニットは、上述した何れかのブース家具を縦又は横に連設して構成される。
【0026】
このようにすれば、吸音効果が高いブース家具が複数連設して構成されたブースユニットが得られる。
【0027】
本発明のブースユニットは、隣り合う2つの前記ブース家具において、前記ブロック部が両面に配置される前記パネル材が、前記内部空間が隣り合う2つのブース家具の間で共用されていることが好適である。
【0028】
このようにすれば、ブース家具が複数連設して構成されたブースユニットにおいて、パネル材の部品点数を低減することができる。
【0029】
本発明のブースユニットは、隣り合う2つの前記ブース家具において、前記ブロック部が各々の内部空間に向いた片面に配置される側面パネルの正面側端部どうしを突合せて連結していることが好適である。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、吸音効果が高いブース家具及びブース家具を連設して構成されるブースユニットが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】本発明の第1実施形態のブース家具1の斜視図である。
【
図6】側面パネル10と背面パネル12とを連結する方法を説明する図である。
【
図7】側面パネル10に対して上面パネル31を取り付ける方法を説明する図である。
【
図8】
図8(a)は、背面パネル12の斜視図であり、
図8(b)は、
図8(a)のa2-a2線断面図である。
【
図9】
図9(a)は、背面パネル12の正面図、
図9(b)は、背面パネル12の上面図、
図9(c)は、背面パネル12の側面図である。
【
図10】表層材63を芯材60上に設けられたMDF61を覆うように設ける手順を説明する図である。
【
図11】本発明の第2実施形態のブース家具101の斜視図である。
【
図13】本発明の第3実施形態のブース家具201の斜視図である。
【
図14】
図14(a)は、吸音パネル80の下方から見た斜視図であり、
図14(b)は、吸音パネル80の下面図であり、
図14(c)は、吸音パネル80の側面図である。
【
図15】本発明の第4実施形態のブースユニット301の斜視図である。
【
図16】
図16(a)は、複数の吸音パネル380を下方から見た斜視図であり、
図16(b)は、複数の吸音パネル380を下方から見たときの斜視図であり、
図16(c)は、複数の吸音パネル380の側面図である。
【
図17】本発明の第5実施形態のブースユニット401の斜視図である。
【
図18】本発明の第5実施形態のブースユニット402の斜視図である。
【
図19】本発明の第5実施形態のブースユニット403の斜視図である。
【
図20】本発明の第実施形態のブースユニット404の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0033】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のブース家具1の斜視図であり、
図2は、
図1のブース家具1の正面図であり、
図3は、第1のブースの平面図であり、
図4は、
図1のブース家具1の断面図である。なお、
図4の断面図では、2つの椅子2の図示を省略している。
図5は、ブース家具1の分解斜視図であるが、主要な部品のみを図示している。
【0034】
図1~
図4に示すブース家具1は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具1の内側には、2つの椅子2が配置される。2つの椅子2は、それぞれ、側面パネル10、11の内側面に沿って配置される。
【0035】
側面パネル10、11及び背面パネル12は、それぞれ、略同一形状のパネル材であり、比較的横幅の大きい横長矩形状をなす。側面パネル10、11の他端部(正面側端部)10b、11bには、正面パネル13a、13bが接続される。正面パネル13a、13bは、それぞれ、略同一形状のパネル材であり、比較的横幅の小さい縦長矩形状をなす。
【0036】
正面パネル13a、13bは、背面パネル12と対向するように配置され、それらの幅は、背面パネル12の幅よりも小さい。そのため、正面パネル13a、13b間は、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPとされる。側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bは、同一高さ寸法に設定される。
【0037】
側面パネル10、11と背面パネル12の水平方向両端の上端部には、
図5及び
図6に示すように、切り欠き部10c、11c、12cが形成される。同様に、正面パネル13a、13bの水平方向一端側(側面パネル10、11に接続される側)の上端部にも、切り欠き部13c、13cが形成される。
【0038】
側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の上端部間、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の上端部間、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の上端部間は、それぞれ、簡易連結手段として平面視L字状の連結具14をボルト14aで止着することによって連結される。
【0039】
例えば、側面パネル10と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の上端部間は、
図6(a)に示すように、側面パネル10の切り欠き部10c及び背面パネル12の切り欠き部12c内に平面視L字状の連結具14が配置された状態でボルト14aで止着することによって連結される。その後、
図6(b)に示すように、側面パネル10の切り欠き部10c及び背面パネル12の切り欠き部12c内に、蓋部15が配置されることにより塞がれる。
【0040】
なお、詳細な説明は省略するが、側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の下端部間、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の下端部間、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の下端部間も同様に、簡易連結手段として平面視L字状の連結具(図示省略)をボルトで止着することによって連結される。
【0041】
ブース家具1の側面において、側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分には、上下方向に延びるカバー16が取り付けられる。
【0042】
側面パネル10、11の下端部に等間隔にそれぞれ3箇所、背面パネルの中央部に4箇所、及び、正面パネル13a、13bの開口OP側の端部に1箇所には、接地部材として接地高さを調整するアジャスタ3が取り付けられている。
【0043】
ブース家具1において、ブース内空間S1の上方には、
図1及び
図4に示すように、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1の内側に向かって延びる上面パネル31が設けられる。上面パネル31は、側面パネル10、11の上端部近傍から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜している。上面パネル31の上端部は、側面パネル10、11の上端部と略同一の高さに配置される。また、上面パネル31の下端部は、側面パネル10、11の上端部よりも下方において側面パネル10、11の内側面に接触している。また、後で説明するように、背面パネル12の内側面には、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が形成されており、上面パネル31の根元部は、側面パネル10、11の内側面の水平方向に延びる溝50に対応するように位置する。
【0044】
また、上面パネル31は、ブース内空間S1の側面パネル10、11の内側面に沿って配置された2つの椅子2の上方に当たる側面パネル10、11の上部に取付けられている。側面パネル10上部の上面パネル31は、対向する側面パネル11下部に配置された椅子2と対向する位置関係になることで、対向する椅子の着座者の発声を効果的に吸収する。側面パネル11上部の上面パネル31と側面パネル10下部の椅子2も同じ関係で、これらによってブース内空間S1には対向配置された上面パネル31と椅子2の組が2セット収容されている。上記によってブース内で着座しながら会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0045】
上面パネル31を取り付けるために、
図7(a)に示すように、側面パネル10の正面側端部及び背面側端部の上端部近傍には、ブラケット32が設けられる。ブラケット32は、それぞれ、側面パネル10の正面側端部及び背面側端部に形成された外周溝60aに対してボルト33で止着される。
【0046】
上面パネル31の両端部が、
図7(b)に示すように、ブラケット32上にそれぞれ保持されることにより、上面パネル31が、側面パネル10の上端部近傍に保持される。なお、側面パネル11の上端部近傍に保持される上面パネル31についても同様にして取り付けられる。
【0047】
側面パネル10、11、背面パネル12、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の構造について説明する。なお、本実施形態では、
図8に図示した背面パネル12の構造について詳細に説明するが、側面パネル10、11、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の構造も同様である。
【0048】
背面パネル12の内側面(ブース内空間S1と対向する面)は、
図8(a)に示すように、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が溝50を介して縦横に複数配置されてなるパネル構造を有するパネル材である。ブロック部51は、矩形状を有しており、背面パネル12の内側面の全体に配置される。
【0049】
具体的には、
図8(b)に示すように、背面パネル12は、ペーパーハニカム等の軽量の芯材60と、芯材60の一方の面に設けられたMDF61(Medium Density Fiberboard;中質繊維板)と、芯材60の他方の面に設けられたMDF62と、MDF61を覆うように設けられた表層材63と、MDF62を覆うように設けられた張り材(張地)64とを有している。
【0050】
芯材60は、背面パネル12の内部に配置される部材である。上述したように、背面パネル12の上面の両端部には、切り欠き部12cが形成されているが、その切り欠き部12cは、芯材60の上端面の両端部に形成される。なお、切り欠き部12cには、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、連結具14をボルト14aで止着するためのボルト穴60cが形成されている。
【0051】
芯材60の上端面には、2つの切り欠き部12c間に配置された直線状の外周溝60aが形成される。外周溝60aは、
図9(b)に示すように、芯材60の厚さ方向中央部に形成される。なお、芯材60の下端面にも同様に、その両端部に配置された2つの切り欠き部12cと、2つの切り欠き部12c間に配置された外周溝60aが形成される。また、芯材60の左端面及び右端面にも同様に、
図9(c)に示すように、芯材60の厚さ方向中央部に形成された直線状の外周溝60aが形成される。
【0052】
表層材63は、
図8(b)に示すように、MDF61上に配置された不織布52と、凸条をなす吸音材(ウレタン)53と、吸音材53の表面を覆う張り材54の3層から構成される。そのため、ブロック部51は、略平行に延びる2組の溝50で囲われた領域において、不織布52、吸音材53及び張り材54により構成される。
【0053】
このように、背面パネル12において、ブロック部51は、背面パネル12の片面のみに配置され、そのブロック部51が配置された面がブース内空間S1の内側面となる。なお、側面パネル10、11及び正面パネル13a、13bについても、ブロック部51は、片面のみに配置される。上面パネル31については、ブロック部51は、両面に配置される。
【0054】
よって、側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bでは、
図1に示すように、ブース家具1のブース内空間S1と対向する部分に、凸条をなす吸音材53が設けられ、ブース内空間S1と対向しない部分に、凸条をなす吸音材53が設けられていない。なお、上面パネル31では、ブース家具1のブース内空間S1と対向する部分及びブース内空間S1と対向しない部分に、凸条をなす吸音材53が設けられる。
【0055】
上述した3層構造の表層材63を芯材60上に設けられたMDF61を覆うように設ける手順について、
図10に基づいて説明する。
【0056】
表層材63は、不織布52、吸音材53及び張り材54の3層構造で、芯材60の長さよりも長尺に形成されている。そのため、表層材63は、例えば背面パネル12などの芯材60の長さに応じて切断されて使用される。
【0057】
まず、表層材63を芯材60上に設けられたMDF61に沿って近接させて、
図10(a)に示すように、ブロック部51の端部にある溝50Aが芯材60の端部60Aに沿って配置されることを確認する。
【0058】
その後、
図10(b)に示すように、ブロック部51の端部にある溝50Aに沿って不織布52及び吸音材53を切断する。そのとき、張り材54は、ブロック部51の端部にある溝50Aに沿って切断しない。そのため、ブロック部51の表面を覆う張り材54が芯材60の端部60Aよりも外側に延びる状態となる。なお、張り材54は、後述するように、その端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込み可能な長さに切断する。
【0059】
芯材60の長さに応じて不織布52及び吸音材53を切断した表層材63を、芯材60上に設けられたMDF61の表面に、ブロック部51の端部にある溝50Aが芯材60の端部60Aと一致するように配置する。その状態で、
図10(c)に示すように、張り材54の端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込む。すると、表層材63が芯材60上に設けられたMDF61の表面に隙間なく取り付けられる。
【0060】
なお、芯材60の表層材63が設けられる面と反対の面において、張り材64を芯材60上に設けられたMDF62を覆うように設ける手順についても同様である。すなわち、張り材64を芯材60の長さに応じて切断して、その張り材64を芯材60上に設けられたMDF62の表面に配置して、その状態で、張り材64の端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込む。すると、張り材64が芯材60上に設けられたMDF62の表面に隙間なく取り付けられる。
【0061】
以上説明したように、本実施形態のブース家具1は、張り材54で覆われた吸音材53の表面に、略平行に延びる2組の溝50で囲われて凸条をなすブロック部51を形成し縦横に複数配置した構造を有する側面パネル10、11及び背面パネル12がコ字状に連結されて、1面側が解放された内部空間S1を形成する。
【0062】
このようにすると、溝50を挟んで並んだ凸条の吸音材53を有するブロック部51が複数配置されたパネル構造を有する側面パネル10、11及び背面パネル12によりブース内空間S1が囲まれており、ブース内空間S1で発生した音が側面パネル10、11及び背面パネル12に吸収されやすい。これにより、ブース内空間S1において例えば利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするのが抑制されるため、吸音効果が高いブース家具1が得られる。
【0063】
本実施形態のブース家具1において、コ字状に連結された側面パネル10、11及び側面パネル10、11の背面側端部を連結する背面パネル12とを含んでおり、ブース内空間S1の上方には、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1に向かって延びており、且つ、ブロック部51が下面に配置される上面パネル31が設けられる。
【0064】
このようにすると、上面パネル31がブース内空間S1の上方に設けられるため、ブース内空間S1の上方において解放される領域を小さくすることができる。そのため、音漏れする領域が小さくなり、ブース内空間Sから周囲へ音漏れするのが効果的に抑制される。
【0065】
本実施形態のブース家具1において、上面パネル31は、側面パネル10、11の上端部近傍から側面パネル10、11から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜するように設けられる。
【0066】
このようにすると、上面パネル31がブース内空間S1の上方において傾斜するように設けられるため、例えばブース家具1の上方からブース内空間S1に対して、照明の光を入りやすくすることができる。
【0067】
本実施形態のブース家具1において、コ字状に連結された側面パネル10、11及び側面パネル10、11の背面側端部を連結する背面パネル12とを含んでおり、側面パネル10、11の正面側端部10b、11bに接続し、且つ、背面パネル12と対向する側面パネル10、11と同じパネル構造の正面パネル13a、13bが設けられる。
【0068】
このようにすると、正面パネル13a、13bがブース内空間S1の正面に設けられるため、ブース内空間S1の正面において解放される領域を小さくすることができる。そのため、音漏れする領域が小さくなり、ブース内空間S1から周囲へ音漏れするのが効果的に抑制される。
【0069】
本実施形態のブース家具1において、吸音材53は、軟質で弾性変形可能な素材で構成され、自分で形状を保つことが可能な芯材60の表面に沿って配置されている。
【0070】
このようにすると、吸音材53が軟質で弾性変形可能な素材で構成されるため、吸音材53に接触しても痛くない。
【0071】
本実施形態のブース家具1において、ブロック部51の端部が芯材60の端部に沿って配置され、ブロック部51の表面を覆う張り材54が芯材60の端部よりも外側に延びており、その張り材54の端部が芯材60の端面に形成された外周溝60a内に巻き込まれている。
【0072】
このようにすると、溝50を挟んで並んだ凸条の吸音材53を有するブロック部51の端部を、例えば側面パネル10、11の端部と略一致するように複数のブロック部51を配置して、張り材54の端部を芯材60の端面に固定することができる。
【0073】
本実施形態のブース家具1において、芯材60は、ペーパーハニカムコアである。
【0074】
このようにすると、芯材60にも吸音効果があるため、より吸音効果が高いブース家具1が得られる。
【0075】
本実施形態のブース家具1において、ブロック部51は、側面パネル10、11、背面パネル12、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の片面のみに配置され、そのブロック部51が配置された面がブース内空間S1の内側面となる。
【0076】
このようにすると、凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1に向かって配置されるため、ブース内空間S1で発生した音が側面パネル10、11、背面パネル12、正面パネル13a、13b及び上面パネル31に確実に吸収される。
【0077】
(第2実施形態)
本実施形態のブース家具101が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、側面パネル10、11の上端部近傍に2つの上面パネル31が設けられるのに対して、本実施形態のブース家具101において、背面パネル12の上端部近傍に1つの上面パネル131が設けられる点である。本実施形態のブース家具101の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0078】
図11及び
図12に示すブース家具101は、対向して配置される一対の側面パネル110、111と、これらの側面パネル110、111の一端部(背面側端部)110a、111a間に接続される背面パネル112とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S101を形成する。ブース家具101の内側には、テーブル102が配置される。テーブル102の天板102aは、矩形状であり、側面パネル110、111の内側面及び背面パネル112の内側面に沿って配置される。
【0079】
側面パネル110、111及び背面パネル112の横幅は、第1実施形態の側面パネル10、11及び背面パネル12の横幅よりも小さい。なお、側面パネル110、111及び背面パネル112の構造は、第1実施形態の側面パネル10、11及び背面パネル12の構造と略同一である。
【0080】
ブース家具101において、ブース内空間S101の上方には、
図11及び
図12に示すように、背面パネル112の上端部近傍からブース内空間S101の内側に向かって延びる上面パネル131が設けられる。上面パネル131は、背面パネル112から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜している。上面パネル131の上端部は、背面パネル112の上端部と略同一の高さに配置される。また、上面パネル131の下端部は、背面パネル112の上端部よりも下方において背面パネル112の内側面に接触している。
【0081】
ブース家具101において、背面パネル112の上端部近傍には、
図11に示すように、上面パネル131が配置される。上面パネル131を取り付けるために、背面パネル112の左側端部及び右側端部の上端部近傍には、第1実施形態と同様に、ブラケット(図示省略)が設けられる。上面パネル131の両端部が、ブラケット上にそれぞれ保持されることにより、上面パネル131が、背面パネル112の上端部近傍に保持される。
【0082】
上面パネル131は、ブース内空間S110の背面パネル112の内側面に沿って配置されたテーブル102の天板102aの上方に当たる背面パネル112の上部に取付けられている。背面パネル112上部の上面パネル131は、天板102aの上方位置に配置されることで、テーブル102の手前の椅子の着座者の発声が天板102aで上方に反射したものを効果的に吸収する。上記によってブース内で着座しながらWeb会議等で会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0083】
以上説明したように、本実施形態のブース家具101では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0084】
(第3実施形態)
本実施形態のブース家具201が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、2つの上面パネル31が設けられるのに対して、本実施形態のブース家具201において、上面パネルが設けられていない点である。本実施形態のブース家具201の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0085】
図13に示すブース家具201は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具201の内側には、天板202aを有するテーブル202が配置される。テーブル202は、ブース内空間S1の略中央部に配置される。
【0086】
本実施形態のブース家具201では、
図13に示すように、ブース内空間S1の上方に2組の吸音パネル80Aが配置される。2組の吸音パネル80Aは、何れも略同一の構成である。1組の吸音パネル80Aは、3つの吸音パネル80a~80cをそれぞれ含んでいる。吸音パネル80a~80cは、吊り下げ部材82を介して天井からそれぞれ吊り下げられている。吸音パネル80a~80cは、何れも同様の構成であり、平面視で略円形状を有する平板状部材である。なお、以下の説明では、吸音パネル80a~80cのそれぞれを、単に、吸音パネル80と称する場合がある。
【0087】
吸音パネル80a~80cは、ブース内空間S1の上方に配置されるように、天井から吊り下げ部材81を介してそれぞれ吊り下げられている。吸音パネル80a~80cは、平面視で水平位置を異ならせて配置される。すなわち、3つの吸音パネル80a~80cは、平面視で重ならないように配置される。また、3つの吸音パネル80a~80cは、高さ位置を異ならせて配置される。すなわち、吸音パネル80aが最も低い高さ位置に配置され、吸音パネル80b、80cの順に高い高さ位置に配置される。
【0088】
吸音パネル80の構成について、
図14に基づいて説明する。
【0089】
吸音パネル80は、略円形状であり、平板形状に形成される。吸音パネル80は、上述した背面パネル12などと同様に構成される。すなわち、吸音パネル80の下面(ブース内空間S1と対向する面)は、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が溝50を介して縦横に複数配置されてなるパネル構造を有するパネル材である。ブロック部51は、矩形状を有しており、吸音パネル80の下面の全体に配置される。
【0090】
具体的には、吸音パネル80は、上述した背面パネル12などと同様に、ペーパーハニカム等の軽量の芯材60と、芯材60の一方の面に設けられたMDF61(Medium Density Fiberboard;中質繊維板)と、芯材60の他方の面に設けられたMDF62と、MDF61を覆うように設けられた表層材63と、MDF62を覆うように設けられた張り材(張地)64とを有している。
【0091】
表層材63は、MDF61上に配置された不織布52と、凸条をなす吸音材(ウレタン)53と、吸音材53の表面を覆う張り材54の3層から構成される。そのため、ブロック部51は、略平行に延びる2組の溝50で囲われた領域において、不織布52、吸音材53及び張り材54により構成される。
【0092】
このように、本実施形態のブース家具201では、ブース内空間S1に設置されたテーブル202の天板202aの上方に、複数の吸音パネル80が配置される。そのため、ブース家具201内においてテーブル202を囲むように着座した着座者の発声が天板202aで上方に反射したものを吸音パネル80により効果的に吸収する。
【0093】
以上説明したように、本実施形態のブース家具201では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0094】
(第4実施形態)
本実施形態のブース家具301が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、2つの上面パネル31及び正面パネル13a、13bが設けられるのに対して、本実施形態のブース家具301において、上面パネル及び正面パネルが設けられていない点である。本実施形態のブース家具301の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0095】
図15に示すブース家具301は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具301の内側には、天板302aを有するテーブル302が配置される。テーブル302は、ブース内空間S1の略中央部に配置される。
【0096】
側面パネル10の上端部の中央部近傍と側面パネル11の上端部の中央部近傍との間には、2本の取り付け部材81a、81bが略平行に架け渡される。取り付け部材81aは、正面側に配置され、取り付け部材81bは、取り付け部材81aよりもブース家具1の背面側に配置される。
【0097】
本実施形態のブース家具301では、ブース内空間S1の上方に4つの吸音パネル380aと4つの吸音パネル380bが配置される。4つの吸音パネル380a及び4つの吸音パネル380bは、何れも略同一の高さに配置される。吸音パネル380a、380bは、
図16に示すように、それぞれ、正面側端部に形成される穴部380cと、背面側端部に形成される穴部380cとを有している。そのため、吸音パネル380a及び吸音パネル380bは、その正面側端部の穴部380cに取り付け部材81aが嵌挿されるとともに、背面側端部の穴部380cに取り付け部材81bが嵌挿されることにより支持される。
【0098】
吸音パネル380a、380bは、何れも所定長さを有する長尺の平板状部材である。側面パネル10から側面パネル11に近づく方向に向かって、吸音パネル380aと吸音パネル380bとが交互に略平行に配置される。ブース家具301を正面から見たときに、吸音パネル380aは、その右端部が左端部より高い位置に配置されるように傾斜し、吸音パネル380bは、その左端部が右端部より高い位置に配置されるように傾斜する。
【0099】
このように、本実施形態のブース家具301では、吸音パネル380a、380bが、対向する側面パネル10、11の上端部に跨るように架け渡した取り付け部材81a、81bに隙間を開けた状態で支持される。これにより、吸音パネル380a、380bが隙間を開けた状態で、ブース内空間S1に設置されたテーブル302の天板302aの上方に配置される。そのため、ブース家具301内においてテーブル302を囲むように着座した着座者の発声が天板302aで上方に反射したものを吸音パネル380a、380bにより効果的に吸収する。
【0100】
以上説明したように、本実施形態のブース家具301では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0101】
(第5実施形態)
第1~第3実施形態のブース家具1、101、201、301は、単独使用できるほか、隣接配置して使用すること等も可能とされている。
【0102】
第5実施形態として、本発明に係るブース家具を有するブースユニットについて、
図17~
図20に基づいて説明する。
【0103】
図17に示すブースユニット401は、第1実施形態のブース家具1を横に2つ連設して構成される。具体的には、ブース家具1aの右側面パネル11とブース家具1bの左側面パネル10とが重なるように配置される。
【0104】
図18に示すブースユニット402は、第2実施形態のブース家具101を縦に2つ連設して構成される。具体的には、ブース家具101aの右側面パネル111の先端部とブース家具101bの右側面パネル111の先端部とが接続されるように配置される。このように、隣り合う2つのブース家具101において、ブロック部51が各々の内部空間に向いた片面に配置される側面パネル111の正面側端部どうしを突合せて連結している。
【0105】
図19に示すブースユニット403は、第2実施形態のブース家具101を横に2つ連設して構成される。具体的には、ブース家具101aの右側面パネル110とブース家具101bの背面パネル112とが重なるように配置される。
【0106】
図20に示すブースユニット404は、第2実施形態のブース家具101を縦に2つ連設するとともに、それらのブース家具101を横に2つ連設して構成される。具体的には、ブース家具101aの背面パネル112とブース家具101bの背面パネル112とが重なるように配置し、さらに、それら2つのブース家具101a及びブース家具101bを横に配置することにより、4つのブース家具101を連設して構成される。
【0107】
本実施形態のブースユニット401~404は、第1実施形態のブース家具1または第2実施形態のブース家具101を縦又は横に連設して構成される。
【0108】
このようにすれば、吸音効果が高いブース家具が複数連設して構成されたブースユニットが得られる。
【0109】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0110】
上記第1実施形態では、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1の内側に向かって延びており、且つ、側面パネル10、11と同じパネル構造の上面パネル31が設けられるが、それに限られない。例えば、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍及び背面パネル12の上端部近傍に設けられてもよい。また、上面パネル31が、正面パネル13a、13bの上端部近傍に設けられてもよい。すなわち、上面パネルが、ブース家具1が有する複数のパネル材の少なくとも1つの上端部近傍に設けられてよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0111】
上記第1実施形態では、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍から側面パネル10、11から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜するように設けられるが、それに限られない。例えば、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍から水平方向に沿って設けられてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0112】
上記第1実施形態では、背面パネル12と対向する正面パネル13a、13bが設けられるが、それに限られない。正面パネル13a、13bが設けられてなくてもよい。また、背面パネル12と対向する正面パネル13a、13bの何れか一方が設けられてもよい。本発明のブース家具1は、少なくとも、側面パネル10、11及び側面パネル10、11の背面側端部を連結する背面パネル12を含んでいればよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0113】
上記第1実施形態では、吸音材53が軟質で弾性変形可能な素材で構成されているが、それに限られない。例えば、吸音材53が硬質で弾性変形が不可能な素材で構成されてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0114】
上記第1実施形態では、吸音材53を含む表層材63が、張り材54の端部が芯材60の端面に形成された外周溝60a内に巻き込まれて芯材60に固定されているが、それに限られない。吸音材53を含む表層材63を芯材60に固定する方法は任意である。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0115】
上記第1実施形態では、芯材60が、ペーパーハニカムコアであるが、それに限られない。芯材60の材質、構造は任意である。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0116】
上記第1実施形態では、芯材60の一方の面にMDF61が設けられ、芯材60の他方の面にMDF62が設けられているが、それに限られない。芯材60の片面だけにMDFが設けられてもよい。また、芯材60の両面にMDFが設けられなくてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0117】
上記第1実施形態では、側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bにおいて、凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1に向かって配置されるが、それに限られない。凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1の外部に向かって配置されてもよい。また、凸条の吸音材53を有するブロック部51が、ブース内空間S1に向かって配置されるとともに、ブース内空間S1の外部に向かって配置されてもよい。すなわち、凸条の吸音材53が、ブース家具1が有する複数のパネル材の両面に設けられてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0118】
上記第1実施形態では、上面パネル31において、凸条の吸音材53を有するブロック部51がパネル材の両面に設けられているが、それに限られない。上面パネル31の少なくとも下面に、凸条の吸音材53を有するブロック部51が設けられていればよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0119】
上記第1実施形態では、正面パネル13a、13bが側面パネル10、11の正面側端部10b、11bにそれぞれ接続されているが、それに限られない。例えば、正面パネル13aの左側端部が側面パネル10の正面側端部10bに近接するように配置され、正面パネル13bの右側端部が側面パネル11の正面側端部110bに近接するように配置されてもよい。すなわち、正面パネル13aの左側端部と側面パネル10の正面側端部10bとの間に隙間が形成されてもよいし、正面パネル13bの右側端部と側面パネル11の正面側端部110bとの間に隙間が形成されてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0120】
上記第5実施形態において、
図17に示すブースユニット401では、ブース家具1aの右側面パネル11とブース家具1bの左側面パネル10とが重なるように配置されるが、それに限られない。第4実施形態のブースユニット301において、隣り合う2つのブース家具1において、それらの間に配置されるパネル材、すなわち、ブース家具1aの右側面パネル11とブース家具1bの左側面パネル10とが、1つのパネル材により共用されてもよい。このようにすれば、ブース家具1が複数連設して構成されたブースユニット401において、パネル材の部品点数を低減することができる。その場合、凸条の吸音材53が、共用されるパネル材の両面に設けられるのが好適である。すなわち、隣り合う2つのブース家具1a、1bにおいて、ブロック部51が両面に配置されるパネル材が、内部空間が隣り合う2つのブース家具1a、1bの間で共用されているのが好適である。なお、他のブースユニット402~404についても同様である。
【0121】
上記第5実施形態では、ブースユニットの例を示したが、それに限られない。ブースユニットに含まれるブース家具の数、配置、大きさなどは、任意である。
【0122】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0123】
1 ブース家具
10 側面パネル(パネル材)
11 側面パネル(パネル材)
12 背面パネル(パネル材)
31 上面パネル
13a、13b 正面パネル
50 溝
51 ブロック部
52 不織布
53 吸音材
54 張り材
60 芯材
60a 外周溝
101 ブース家具
110 側面パネル(パネル材)
111 側面パネル(パネル材)
112 背面パネル(パネル材)
131 上面パネル
201 ブース家具
301 ブース家具
401、402、403、404 ブースユニット
S1、S101 ブース内空間(内部空間)