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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064559
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】ブース家具
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20230501BHJP
   A47B 17/04 20060101ALI20230501BHJP
   E04B 1/86 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
A47B17/04
E04B1/86 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174903
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】松岡 純
(72)【発明者】
【氏名】千田 啓資
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DF04
2E001FA03
2E001FA14
(57)【要約】      (修正有)
【課題】オフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業に適した周囲への音漏れを抑制することを可能にした新たなブース家具を提供する。
【解決手段】本発明のブース家具1は、コ字型ブースの対向する側面パネル10、11の上方に互いに対向してハ字状に一対の上面パネル31を取り付けたときに、一対の上面パネル31間の空間の上方に吸音パネル80a、80b、80cが配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コ字型ブースの対向するパネル材の上方に互いに対向してハ字状に一対の上面パネルを取り付けたときに、前記一対の上面パネル間の空間の上方に吸音パネルが配置されるブース家具。
【請求項2】
コ字型ブースの中に配置されたテーブル天板の上方に吸音パネルが配置されるブース家具。
【請求項3】
コ字型ブースで囲まれた領域の上方に吸音パネルが配置されるブース家具。
【請求項4】
複数のコ字型ブースが接続または隣接配置され、それらの上方の範囲にまたがるように吸音パネルが配置される請求項3に記載のブース家具。
【請求項5】
前記コ字型ブースは、張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有するパネル材が複数コ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間を形成する、請求項1~4の何れかに記載のブース家具。
【請求項6】
前記吸音パネルは、上方から吊下げられることによりコ字型ブースで囲まれた領域の上方に配置される、請求項1~5の何れかに記載のブース家具。
【請求項7】
前記吸音パネルの下面は、張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有する、請求項1~6の何れかに記載のブース家具。
【請求項8】
前記吸音パネルは、水平位置を異ならせて複数配置される、請求項1~7の何れかに記載のブース家具。
【請求項9】
前記吸音パネルは、高さ位置を異ならせて複数配置される、請求項1~8の何れかに記載のブース家具。
【請求項10】
前記吸音パネルは、略平行に複数配置される、請求項1~9の何れかに記載のブース家具。
【請求項11】
前記吸音パネルは、その上面が塞がれた筒状部材である、請求項1~10の何れかに記載のブース家具。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業に適した使い方を可能とする、ブース家具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業を行うための空間を形成するものとして、左右側面板と、これらの側面板の一端部間を接続する背面板とを含んで構成されるブースが知られている(例えば特許文献1参照)。ブースの内部には、左右側面板及び背面板に沿って天板が配置され、天板に向かって着座した利用者が、周囲を気にせずに執務や作業に集中できるような空間が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4804939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ブース内においてパソコンを使用してオンラインミーティングが行われることが多い。その場合、ブース内に着座した利用者は、天板上においたパソコンの画面を見ながら種々の発言を行う。特許文献1のブースでは、左右側面板及び背面板が単なる板状部材で構成されているため、利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするという問題がある。なお、そのような問題は、比較的大きいブース内において複数の利用者が会議を行う場合にも発生する。
【0005】
本発明は、これらの課題に着目してなされたものであって、周囲への音漏れを抑制することを可能にした新たなブース家具を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明のブース家具は、コ字型ブースの対向するパネル材の上方に互いに対向してハ字状に一対の上面パネルを取り付けたときに、前記一対の上面パネル間の空間の上方に吸音パネルが配置される。
【0008】
このようにすると、吸音パネルがブース内空間の上方に配置されるため、ブース内空間で発生した音が吸音パネルに吸収されやすい。これにより、ブース内空間において例えば利用者が発言した内容などが、ブース内空間の上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0009】
本発明のブース家具は、コ字型ブースの中に配置されたテーブル天板の上方に吸音パネルが配置される。
【0010】
このようにすると、吸音パネルがブース内空間に配置されたテーブルの天板の上方に配置されるため、ブース内空間で発生した音が天板で反射しても吸音パネルに吸収されやすい。これにより、ブース内空間において例えば利用者が発言した内容などが、ブース内空間の上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0011】
本発明のブース家具は、コ字型ブースで囲まれた領域の上方に吸音パネルが配置される。
【0012】
このようにすると、吸音パネルがブース内空間の上方に配置されるため、ブース内空間で発生した音が吸音パネルに吸収されやすい。これにより、ブース内空間において例えば利用者が発言した内容などが、ブース内空間の上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0013】
本発明のブース家具において、複数のコ字型ブースが接続または隣接配置され、それらの上方の範囲にまたがるように吸音パネルが配置されることが好適である。
【0014】
このようにすると、複数のコ字型ブースの上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0015】
本発明のブース家具において、前記コ字型ブースは、張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有するパネル材が複数コ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間を形成することが好適である。
【0016】
このようにすると、溝を挟んで並んだ凸条の吸音材を有するブロック部が複数配置された構造を有するパネル材によりブース内部空間が囲まれており、ブース内部空間で発生した音がパネル材に吸収されやすい。これにより、ブース内部空間において例えば利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするのが抑制されるため、吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0017】
本発明のブース家具において、前記吸音パネルは、上方から吊下げられることによりコ字型ブースで囲まれた領域の上方に配置されることが好適である。
【0018】
このようにすると、吸音パネルをコ字型ブースの上方に容易に配置することができる。
【0019】
本発明のブース家具において、前記吸音パネルの下面は、張り材で覆われた吸音材の表面に、略平行に延びる2組の溝で囲われて凸条をなすブロック部を形成し縦横に複数配置した構造を有することが好適である。
【0020】
このようにすると、吸音パネルの下面が溝を挟んで並んだ凸条の吸音材を有するブロック部が複数配置された構造を有するため、ブース内空間で発生した音が吸音パネルに吸収されやすい。
【0021】
本発明のブース家具において、前記吸音パネルは、水平位置を異ならせて複数配置されることが好適である。
【0022】
このようにすると、複数の吸音パネルがブース内空間の上方の比較的大きい面積の部分に配置されるため、ブース内空間から上方に向かう音を遮ることができ、吸音効果が高まる。
【0023】
本発明のブース家具において、前記吸音パネルは、高さ位置を異ならせて複数配置されることが好適である。
【0024】
このようにすると、複数の吸音パネルが同一の高さに配置される場合と比べて、上方からの光を遮ることなく、ブース内空間から上方に向かう音を遮ることができ、吸音効果が高まる。
【0025】
本発明のブース家具において、前記吸音パネルは、略平行に複数配置されることが好適である。
【0026】
このようにすると、大きい面積の吸音パネルがブース内空間の上方に配置される場合と比べて、上方からの光を遮ることなく、ブース内空間から上方に向かう音を遮ることができる。
【0027】
本発明のブース家具において、前記吸音パネルは、その上面が塞がれた筒状部材であることが好適である。
【0028】
このようにすると、ブース内空間から上方に向かう音が、吸音パネル内の空間に進入するため、ブース内空間から上方に向かう音を遮ることができ、吸音効果が高まる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、吸音効果が高いブース家具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の第1実施形態のブース家具1の斜視図である。
図2図1のブース家具1の正面図である。
図3図1のブース家具1の平面図である。
図4図1のa1-a1線断面図である。
図5図1のブース家具1の分解斜視図である。
図6】側面パネル10と背面パネル12とを連結する方法を説明する図である。
図7】側面パネル10に対して上面パネル31を取り付ける方法を説明する図である。
図8図8(a)は、背面パネル12の斜視図であり、図8(b)は、図8(a)のa2-a2線断面図である。
図9図9(a)は、背面パネル12の正面図、図9(b)は、背面パネル12の上面図、図9(c)は、背面パネル12の側面図である。
図10】表層材63を芯材60上に設けられたMDF61を覆うように設ける手順を説明する図である。
図11図11(a)は、吸音パネル80の下方から見た斜視図であり、図11(b)は、吸音パネル80の下面図であり、図11(c)は、吸音パネル80の側面図である。
図12】本発明の第2実施形態のブース家具101の斜視図である。
図13図12のブース家具101の平面図である。
図14】本発明の第3実施形態のブース家具201の斜視図である。
図15】本発明の第4実施形態のブース家具301の斜視図である。
図16図16(a)は、吸音パネル380を下方から見た斜視図であり、図16(b)は、吸音パネル380を上方から見た斜視図であり、図16(c)は、吸音パネル380の側面図である。
図17】本発明の第5実施形態のブース家具401の斜視図である。
図18図18(a)は、吸音パネル480を上方から見た斜視図であり、図18(b)は、吸音パネル480を下方から見たときの斜視図である。
図19】本発明の第6実施形態のブース家具501の斜視図である。
図20図20(a)は、吸音パネル580を下方から見た斜視図であり、図20(b)は、吸音パネル580を下方から見たときの斜視図であり、図20(c)は、吸音パネル580の側面図である。
図21】本発明の第6実施形態のブース家具501の斜視図である。
図22図22(a)は、吸音パネル680を下方から見た斜視図であり、図22(b)は、吸音パネル580の下面図であり、図22(c)は、吸音パネル580の側面図である。
図23】本発明の第8実施形態のブースユニット701の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のブース家具1の斜視図であり、図2は、図1のブース家具1の正面図であり、図3は、第1のブースの平面図であり、図4は、図1のブース家具1の断面図である。なお、図4の断面図では、2つの椅子2の図示を省略している。図5は、ブース家具1の分解斜視図であるが、主要な部品のみを図示している。
【0033】
図1図4に示すブース家具1は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具1の内側には、2つの椅子2が配置される。2つの椅子2は、それぞれ、側面パネル10、11の内側面に沿って配置される。
【0034】
側面パネル10、11及び背面パネル12は、それぞれ、略同一形状のパネル材であり、比較的横幅の大きい横長矩形状をなす。側面パネル10、11の他端部(正面側端部)10b、11bには、正面パネル13a、13bが接続される。正面パネル13a、13bは、それぞれ、略同一形状のパネル材であり、比較的横幅の小さい縦長矩形状をなす。
【0035】
正面パネル13a、13bは、背面パネル12と対向するように配置され、それらの幅は、背面パネル12の幅よりも小さい。そのため、正面パネル13a、13b間は、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPとされる。側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bは、同一高さ寸法に設定される。
【0036】
側面パネル10、11と背面パネル12の水平方向両端の上端部には、図5及び図6に示すように、切り欠き部10c、11c、12cが形成される。同様に、正面パネル13a、13bの水平方向一端側(側面パネル10、11に接続される側)の上端部にも、切り欠き部13c、13cが形成される。
【0037】
側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の上端部間、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の上端部間、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の上端部間は、それぞれ、簡易連結手段として平面視L字状の連結具14をボルト14aで止着することによって連結される。
【0038】
例えば、側面パネル10と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の上端部間は、図6(a)に示すように、側面パネル10の切り欠き部10c及び背面パネル12の切り欠き部12c内に平面視L字状の連結具14が配置された状態でボルト14aで止着することによって連結される。その後、図6(b)に示すように、側面パネル10の切り欠き部10c及び背面パネル12の切り欠き部12c内に、蓋部15が配置されることにより塞がれる。
【0039】
なお、詳細な説明は省略するが、側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の下端部間、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の下端部間、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の下端部間も同様に、簡易連結手段として平面視L字状の連結具(図示省略)をボルトで止着することによって連結される。
【0040】
ブース家具1の側面において、側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分には、上下方向に延びるカバー16が取り付けられる。
【0041】
側面パネル10、11の下端部に等間隔にそれぞれ3箇所、背面パネルの中央部に4箇所、及び、正面パネル13a、13bの開口OP側の端部に1箇所には、接地部材として接地高さを調整するアジャスタ3が取り付けられている。
【0042】
ブース家具1において、ブース内空間S1の上方には、図1及び図4に示すように、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1の内側に向かって延びる上面パネル31が設けられる。上面パネル31は、側面パネル10、11の上端部近傍から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜している。上面パネル31の上端部は、側面パネル10、11の上端部と略同一の高さに配置される。また、上面パネル31の下端部は、側面パネル10、11の上端部よりも下方において側面パネル10、11の内側面に接触している。また、後で説明するように、背面パネル12の内側面には、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が形成されており、上面パネル31の根元部は、側面パネル10、11の内側面の水平方向に延びる溝50に対応するように位置する。
【0043】
また、上面パネル31は、ブース内空間S1の側面パネル10、11の内側面に沿って配置された2つの椅子2の上方に当たる側面パネル10、11の上部に取付けられている。側面パネル10上部の上面パネル31は、対向する側面パネル11下部に配置された椅子2と対向する位置関係になることで、対向する椅子の着座者の発声を効果的に吸収する。側面パネル11上部の上面パネル31と側面パネル10下部の椅子2も同じ関係で、これらによってブース内空間S1には対向配置された上面パネル31と椅子2の組が2セット収容されている。上記によってブース内で着座しながら会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0044】
上面パネル31を取り付けるために、図7(a)に示すように、側面パネル10の正面側端部及び背面側端部の上端部近傍には、ブラケット32が設けられる。ブラケット32は、それぞれ、側面パネル10の正面側端部及び背面側端部に形成された外周溝60aに対してボルト33で止着される。
【0045】
上面パネル31の両端部が、図7(b)に示すように、ブラケット32上にそれぞれ保持されることにより、上面パネル31が、側面パネル10の上端部近傍に保持される。なお、側面パネル11の上端部近傍に保持される上面パネル31についても同様にして取り付けられる。
【0046】
側面パネル10、11、背面パネル12、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の構造について説明する。なお、本実施形態では、図8に図示した背面パネル12の構造について詳細に説明するが、側面パネル10、11、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の構造も同様である。
【0047】
背面パネル12の内側面(ブース内空間S1と対向する面)は、図8(a)に示すように、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が溝50を介して縦横に複数配置されてなるパネル構造を有するパネル材である。ブロック部51は、矩形状を有しており、背面パネル12の内側面の全体に配置される。
【0048】
具体的には、図8(b)に示すように、背面パネル12は、ペーパーハニカム等の軽量の芯材60と、芯材60の一方の面に設けられたMDF61(Medium Density Fiberboard;中質繊維板)と、芯材60の他方の面に設けられたMDF62と、MDF61を覆うように設けられた表層材63と、MDF62を覆うように設けられた張り材(張地)64とを有している。
【0049】
芯材60は、背面パネル12の内部に配置される部材である。上述したように、背面パネル12の上面の両端部には、切り欠き部12cが形成されているが、その切り欠き部12cは、芯材60の上端面の両端部に形成される。なお、切り欠き部12cには、図9(a)及び図9(b)に示すように、連結具14をボルト14aで止着するためのボルト穴60cが形成されている。
【0050】
芯材60の上端面には、2つの切り欠き部12c間に配置された直線状の外周溝60aが形成される。外周溝60aは、図9(b)に示すように、芯材60の厚さ方向中央部に形成される。なお、芯材60の下端面にも同様に、その両端部に配置された2つの切り欠き部12cと、2つの切り欠き部12c間に配置された外周溝60aが形成される。また、芯材60の左端面及び右端面にも同様に、図9(c)に示すように、芯材60の厚さ方向中央部に形成された直線状の外周溝60aが形成される。
【0051】
表層材63は、図8(b)に示すように、MDF61上に配置された不織布52と、凸条をなす吸音材(ウレタン)53と、吸音材53の表面を覆う張り材54の3層から構成される。そのため、ブロック部51は、略平行に延びる2組の溝50で囲われた領域において、不織布52、吸音材53及び張り材54により構成される。
【0052】
このように、背面パネル12において、ブロック部51は、背面パネル12の片面のみに配置され、そのブロック部51が配置された面がブース内空間S1の内側面となる。なお、側面パネル10、11及び正面パネル13a、13bについても、ブロック部51は、片面のみに配置される。上面パネル31については、ブロック部51は、両面に配置される。
【0053】
よって、側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bでは、図1に示すように、ブース家具1のブース内空間S1と対向する部分に、凸条をなす吸音材53が設けられ、ブース内空間S1と対向しない部分に、凸条をなす吸音材53が設けられていない。なお、上面パネル31では、ブース家具1のブース内空間S1と対向する部分及びブース内空間S1と対向しない部分に、凸条をなす吸音材53が設けられる。
【0054】
上述した3層構造の表層材63を芯材60上に設けられたMDF61を覆うように設ける手順について、図10に基づいて説明する。
【0055】
表層材63は、不織布52、吸音材53及び張り材54の3層構造で、芯材60の長さよりも長尺に形成されている。そのため、表層材63は、例えば背面パネル12などの芯材60の長さに応じて切断されて使用される。
【0056】
まず、表層材63を芯材60上に設けられたMDF61に沿って近接させて、図10(a)に示すように、ブロック部51の端部にある溝50Aが芯材60の端部60Aに沿って配置されることを確認する。
【0057】
その後、図10(b)に示すように、ブロック部51の端部にある溝50Aに沿って不織布52及び吸音材53を切断する。そのとき、張り材54は、ブロック部51の端部にある溝50Aに沿って切断しない。そのため、ブロック部51の表面を覆う張り材54が芯材60の端部60Aよりも外側に延びる状態となる。なお、張り材54は、後述するように、その端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込み可能な長さに切断する。
【0058】
芯材60の長さに応じて不織布52及び吸音材53を切断した表層材63を、芯材60上に設けられたMDF61の表面に、ブロック部51の端部にある溝50Aが芯材60の端部60Aと一致するように配置する。その状態で、図10(c)に示すように、張り材54の端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込む。すると、表層材63が芯材60上に設けられたMDF61の表面に隙間なく取り付けられる。
【0059】
なお、芯材60の表層材63が設けられる面と反対の面において、張り材64を芯材60上に設けられたMDF62を覆うように設ける手順についても同様である。すなわち、張り材64を芯材60の長さに応じて切断して、その張り材64を芯材60上に設けられたMDF62の表面に配置して、その状態で、張り材64の端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込む。すると、張り材64が芯材60上に設けられたMDF62の表面に隙間なく取り付けられる。
【0060】
本実施形態のブース家具1では、図1図3に示すように、ブース内空間S1の上方に3つの吸音パネル80a~80cが配置される。吸音パネル80a~80cは、何れも同様の構成であり、平面視で略円形状を有する平板状部材である。なお、以下の説明では、吸音パネル80a~80cのそれぞれを、単に、吸音パネル80と称する場合がある。
【0061】
側面パネル10の上端部の中央部近傍と側面パネル11の上端部の中央部近傍との間には、2本の取り付け部材81a、81bが略平行に架け渡される。取り付け部材81aは、正面側に配置され、取り付け部材81bは、取り付け部材81aよりもブース家具1の背面側に配置される。
【0062】
吸音パネル80aは、吊り下げ部材82を介して取り付け部材81aに吊り下げられ、吸音パネル80b、80cは、吊り下げ部材82を介して取り付け部材81bにそれぞれ吊り下げられている。
【0063】
吸音パネル80a~80cは、ブース内空間S1の中央部近傍の上方に配置される。すなわち、吸音パネル80a~80cは、平面視で2つの上面パネル31の間に配置される。吸音パネル80a~80cは、平面視で水平位置を異ならせて配置される。すなわち、3つの吸音パネル80a~80cは、平面視で重ならないように配置される。また、3つの吸音パネル80a~80cは、高さ位置を異ならせて配置される。すなわち、吸音パネル80aが最も低い高さ位置に配置され、吸音パネル80b、80cの順に高い高さ位置に配置される。
【0064】
吸音パネル80の構成について、図11に基づいて説明する。
【0065】
吸音パネル80は、略円形状であり、平板形状に形成される。吸音パネル80は、上述した背面パネル12などと同様に構成される。すなわち、吸音パネル80の下面(ブース内空間S1と対向する面)は、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が溝50を介して縦横に複数配置されてなるパネル構造を有するパネル材である。ブロック部51は、矩形状を有しており、吸音パネル80の下面の全体に配置される。
【0066】
具体的には、吸音パネル80は、上述した背面パネル12などと同様に、ペーパーハニカム等の軽量の芯材60と、芯材60の一方の面に設けられたMDF61(Medium Density Fiberboard;中質繊維板)と、芯材60の他方の面に設けられたMDF62と、MDF61を覆うように設けられた表層材63と、MDF62を覆うように設けられた張り材(張地)64とを有している。
【0067】
表層材63は、MDF61上に配置された不織布52と、凸条をなす吸音材(ウレタン)53と、吸音材53の表面を覆う張り材54の3層から構成される。そのため、ブロック部51は、略平行に延びる2組の溝50で囲われた領域において、不織布52、吸音材53及び張り材54により構成される。
【0068】
以上説明したように、本実施形態のブース家具1は、コ字型ブースの対向する側面パネル10、11の上方に互いに対向してハ字状に一対の上面パネル31を取り付けたときに、一対の上面パネル31間の空間の上方に吸音パネル80が配置される。
【0069】
このようにすると、吸音パネル80がブース内空間S1の上方に配置されるため、ブース内空間S1で発生した音が吸音パネル80に吸収されやすい。これにより、ブース内空間S1において例えば利用者が発言した内容などが、ブース内空間S1の上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0070】
本実施形態のブース家具1において、コ字型ブースは、張り材54で覆われた吸音材53の表面に、略平行に延びる2組の溝50で囲われて凸条をなすブロック部51を形成し縦横に複数配置した構造を有する側面パネル10、11及び背面パネル12がコ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間S1を形成する。
【0071】
このようにすると、溝50を挟んで並んだ凸条の吸音材53を有するブロック部51が複数配置された構造を有するパネル材によりブース内空間S1が囲まれており、ブース内空間S1で発生した音がパネル材に吸収されやすい。これにより、ブース内空間S1において例えば利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするのが抑制されるため、吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0072】
本実施形態のブース家具1において、吸音パネル80a~80cは、上方から吊下げられることによりコ字型ブースの上方に配置される。
【0073】
このようにすると、吸音パネル80a~80cをコ字型ブースの上方に容易に配置することができる。
【0074】
本実施形態のブース家具1において、吸音パネル80a~80cの下面は、張り材54で覆われた吸音材53の表面に、略平行に延びる2組の溝50で囲われて凸条をなすブロック部51を形成し縦横に複数配置した構造を有する。
【0075】
このようにすると、吸音パネル80a~80cの下面が凸条の吸音材53を有するブロック部51が複数配置された構造を有するため、ブース内空間S1で発生した音が吸音パネル80a~80cに吸収されやすい。
【0076】
本実施形態のブース家具1において、吸音パネル80a~80cは、水平位置を異ならせて配置される。
【0077】
このようにすると、吸音パネル80a~80cがブース内空間s1の上方の比較的大きい面積の部分に配置されるため、ブース内空間S1から上方に向かう音を遮ることができ、吸音効果が高まる。
【0078】
本実施形態のブース家具1において、吸音パネル80a~80cは、高さ位置を異ならせて配置される。
【0079】
このようにすると、吸音パネル80a~80cが同一の高さに配置される場合と比べて、上方からの光を遮ることなく、ブース内空間S1から上方に向かう音を遮ることができる。
【0080】
(第2実施形態)
本実施形態のブース家具101が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、3つの吸音パネル80a~80cがブース内空間S1の上方に配置されるのに対して、本実施形態のブース家具101において、1つの吸音パネル180がブース内空間S101の上方に配置される点である。本実施形態のブース家具101の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0081】
図12及び図13に示すブース家具101は、対向して配置される一対の側面パネル110、111と、これらの側面パネル110、111の一端部(背面側端部)110a、111a間に接続される背面パネル112とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S101を形成する。ブース家具101の内側には、テーブル102が配置される。テーブル102の天板102aは、矩形状であり、側面パネル110、111の内側面及び背面パネル112の内側面に沿って配置される。
【0082】
側面パネル110、111及び背面パネル112の横幅は、第1実施形態の側面パネル10、11及び背面パネル12の横幅よりも小さい。なお、側面パネル110、111及び背面パネル112の構造は、第1実施形態の側面パネル10、11及び背面パネル12の構造と略同一である。
【0083】
ブース家具101において、ブース内空間S101の上方には、図12及び図13に示すように、背面パネル112の上端部近傍からブース内空間S101の内側に向かって延びる上面パネル131が設けられる。上面パネル131は、背面パネル112から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜している。上面パネル131の上端部は、背面パネル112の上端部と略同一の高さに配置される。また、上面パネル131の下端部は、背面パネル112の上端部よりも下方において背面パネル112の内側面に接触している。
【0084】
ブース家具101において、背面パネル112の上端部近傍には、図12に示すように、上面パネル131が配置される。上面パネル131を取り付けるために、背面パネル112の左側端部及び右側端部の上端部近傍には、第1実施形態と同様に、ブラケット(図示省略)が設けられる。上面パネル131の両端部が、ブラケット上にそれぞれ保持されることにより、上面パネル131が、背面パネル112の上端部近傍に保持される。
【0085】
上面パネル131は、ブース内空間S110の背面パネル112の内側面に沿って配置されたテーブル102の天板102aの上方に当たる背面パネル112の上部に取付けられている。背面パネル112上部の上面パネル131は、天板102aの上方位置に配置されることで、テーブル102の手前の椅子の着座者の発声が天板102aで上方に反射したものを効果的に吸収する。上記によってブース内で着座しながらWeb会議等で会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0086】
本実施形態のブース家具101では、ブース内空間S101の上方に1つの吸音パネル180が配置される。吸音パネル180は、第1実施形態の吸音パネル80と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0087】
側面パネル110の上端部の中央部近傍と側面パネル111の上端部の中央部近傍との間には、1本の取り付け部材181が架け渡される。吸音パネル180は、吊り下げ部材182を介して取り付け部材181に吊り下げられている。吸音パネル180cは、ブース家具101の中に配置されたテーブル150の天板151の上方に配置される。そのため、図13に示すように、吸音パネル180は、平面視で天板151と重なるように配置される。
【0088】
以上説明したように、本実施形態のブース家具101は、コ字型ブースの中に配置されたテーブル天板の上方に吸音パネルが配置される。
【0089】
このようにすると、吸音パネルがブース内空間に配置されたテーブルの天板の上方に配置されるため、ブース内空間で発生した音が天板で反射しても吸音パネルに吸収されやすい。これにより、ブース内空間において例えば利用者が発言した内容などが、ブース内空間の上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0090】
また、本実施形態のブース家具101では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0091】
(第3実施形態)
本実施形態のブース家具201が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、3つの吸音パネル80a~80cがブース内空間S1の上方に配置されるのに対して、本実施形態のブース家具101において、3つの吸音パネル80a~80cの2組がブース内空間S1の上方に配置される点である。本実施形態のブース家具201の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0092】
図14に示すブース家具201は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具201の内側には、天板202aを有するテーブル202が配置される。テーブル202は、ブース内空間S1の略中央部に配置される。
【0093】
本実施形態のブース家具201では、図14に示すように、ブース内空間S1の上方に2組の吸音パネル80Aが配置される。2組の吸音パネル80Aは、何れも略同一の構成である。1組の吸音パネル80Aは、3つの吸音パネル80a~80cをそれぞれ含んでいる。吸音パネル80a~80cは、吊り下げ部材82を介して天井からそれぞれ吊り下げられている。吸音パネル80a~80cは、第1実施形態の吸音パネル80と同様の構成であるため、詳細な説明は省略する。
【0094】
このように、本実施形態のブース家具201では、ブース内空間S1に設置されたテーブル202の天板202aの上方に、複数の吸音パネル80が配置される。そのため、ブース家具201内においてテーブル202を囲むように着座した着座者の発声が天板202aで上方に反射したものを吸音パネル80により効果的に吸収する。
【0095】
本発明のブース家具は、コ字型ブースで囲まれた領域の上方に吸音パネルが配置される。
【0096】
このようにすると、吸音パネルがブース内空間S1の上方に配置されるため、ブース内空間S1で発生した音が吸音パネルに吸収されやすい。これにより、ブース内空間S1において例えば利用者が発言した内容などが、ブース内空間S1の上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0097】
また、本実施形態のブース家具201では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0098】
(第4実施形態)
本実施形態のブース家具301が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、吸音パネル80が略円形状の平板状部材であるのに対して、本実施形態のブース家具101において、吸音パネル380a、380bが長尺の平板状部材である点である。本実施形態のブース家具301の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0099】
図15に示すブース家具301は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具301の内側には、天板302aを有するテーブル302が配置される。テーブル302は、ブース内空間S1の略中央部に配置される。
【0100】
側面パネル10の上端部の中央部近傍と側面パネル11の上端部の中央部近傍との間には、2本の取り付け部材81a、81bが略平行に架け渡される。取り付け部材81aは、正面側に配置され、取り付け部材81bは、取り付け部材81aよりもブース家具1の背面側に配置される。
【0101】
本実施形態のブース家具301では、ブース内空間S1の上方に4つの吸音パネル380aと4つの吸音パネル380bが配置される。4つの吸音パネル380a及び4つの吸音パネル380bは、何れも略同一の高さに配置される。吸音パネル380a、380bは、図16に示すように、それぞれ、正面側端部に形成される穴部380cと、背面側端部に形成される穴部380cとを有している。そのため、吸音パネル380a及び吸音パネル380bは、その正面側端部の穴部380cに取り付け部材81aが嵌挿されるとともに、背面側端部の穴部380cに取り付け部材81bが嵌挿されることにより支持される。
【0102】
吸音パネル380a、380bは、何れも所定長さを有する長尺の平板状部材である。側面パネル10から側面パネル11に近づく方向に向かって、吸音パネル380aと吸音パネル380bとが交互に略平行に配置される。ブース家具301を正面から見たときに、吸音パネル380aは、その右端部が左端部より高い位置に配置されるように傾斜し、吸音パネル380bは、その左端部が右端部より高い位置に配置されるように傾斜する。
【0103】
このように、本実施形態のブース家具301では、吸音パネル380a、380bが、対向する側面パネル10、11の上端部に跨るように架け渡した取り付け部材81a、81bに隙間を開けた状態で支持される。これにより、吸音パネル380a、380bが隙間を開けた状態で、ブース内空間S1に設置されたテーブル302の天板302aの上方に配置される。そのため、ブース家具301内においてテーブル302を囲むように着座した着座者の発声が天板302aで上方に反射したものを吸音パネル380a、380bにより効果的に吸収する。
【0104】
本実施形態のブース家具において、吸音パネルは、略平行に複数配置される。
【0105】
このようにすると、大きい面積の吸音パネルがブース内空間の上方に配置される場合と比べて、上方からの光を遮ることなく、ブース内空間から上方に向かう音を遮ることができる。
【0106】
また、本実施形態のブース家具301では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0107】
(第5実施形態)
本実施形態のブース家具401が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1では、吸音パネル80が略円形状の平板状部材であるのに対して、本実施形態のブース家具301において、吸音パネル480が略円柱形状の部材である点である。本実施形態のブース家具401の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0108】
本実施形態のブース家具401では、ブース内空間S1の上方に1つの吸音パネル480が配置される。吸音パネル480は、所定高さを有する略円筒形状の部材であり、その内部には、中空部480Aが形成される。吸音パネル480の上面480aは、円形状の板状部材により塞がれており、その下面480bは、円環状に形成される。吸音パネル480の上面480aの直径は、下面480bの直径よりも小さい。そのため、吸音パネル480内に形成される中空部480Aは、上方から下方に向かって水平断面積が大きくなる。ブース家具401の内側には、テーブル402が配置される。テーブル402の天板402aは、矩形状であり、ブース内空間S1の略中央部に配置される。そのため、吸音パネル480は、ブース家具401の中に配置されたテーブル402の天板402aの上方に配置される。
【0109】
以上説明したように、本実施形態のブース家具401において、吸音パネル480は、その上面が塞がれた筒状部材である。
【0110】
このようにすると、ブース内空間S1から上方に向かう音が、吸音パネル480内の空間に進入するため、ブース内空間S1から上方に向かう音を遮ることができ、吸音効果が高まる。
【0111】
また、本実施形態のブース家具401では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0112】
(第6実施形態)
本実施形態のブース家具501が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1では、吸音パネル80が略円形状の平板状部材であるのに対して、本実施形態のブース家具501において、吸音パネル580が略多角形状の平板状部材である点である。本実施形態のブース家具501の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0113】
本実施形態のブース家具501では、ブース内空間S1の上方に3つの吸音パネル580a~580cが配置される。吸音パネル580a~580c、略多角形状を有する平板状部材であるが、平面視したときの形状は互いに異なっている。なお、以下の説明では、吸音パネル580a~580cのそれぞれを、単に、吸音パネル580と称する場合がある。
【0114】
吸音パネル580aは、吊り下げ部材582を介して取り付け部材581aに吊り下げられ、吸音パネル580b、580cは、吊り下げ部材582を介して取り付け部材581bにそれぞれ吊り下げられている。吸音パネル580a~580cの配置は、第1実施形態の吸音パネル80a~80cと同様であるため、詳細な説明は省略する。ブース家具501の内側には、テーブル502が配置される。テーブル502の天板502aは、矩形状であり、ブース内空間S1の略中央部に配置される。そのため、吸音パネル580は、ブース家具501の中に配置されたテーブル502の天板502aの上方に配置される。
【0115】
以上説明したように、本実施形態のブース家具501では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0116】
(第7実施形態)
本実施形態のブース家具601が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1では、吸音パネル80が略円形状の平板状部材であるのに対して、本実施形態のブース家具601において、吸音パネル680a、680bが直方体状の部材である点である。本実施形態のブース家具601の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0117】
本実施形態のブース家具601では、ブース内空間S1の上方に4つの吸音パネル680aと4つの吸音パネル580bが配置される。4つの吸音パネル680a及び4つの吸音パネル680bは、何れも略同一の高さに配置される。吸音パネル680a、680bは、吊り下げ部材682を介して取り付け部材681に吊り下げられている。
【0118】
吸音パネル680a、680bは、何れも所定長さを有する長尺の直方体状の部材である。側面パネル10から側面パネル11に近づく方向に向かって、吸音パネル680aと吸音パネル680bとが交互に略平行に配置される。ブース家具601を正面から見たときに、吸音パネル680aの下面は、その左端部が右端部より高い位置に配置されるように傾斜し、吸音パネル680bの下面は、その右端部が左端部より高い位置に配置されるように傾斜する。吸音パネル680a、680bには、それぞれ、上下方向に貫通する複数の貫通穴680cが形成されている。ブース家具601の内側には、テーブル602が配置される。テーブル602の天板602aは、矩形状であり、ブース内空間S1の略中央部に配置される。そのため、吸音パネル680a、680bは、ブース家具601の中に配置されたテーブル602の天板602aの上方に配置される。
【0119】
以上説明したように、本実施形態のブース家具601では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0120】
(第8実施形態)
第1~第7実施形態のブース家具1、101、201、301、401、501、601は、単独使用できるほか、隣接配置して使用すること等も可能とされている。
【0121】
第8実施形態として、本発明に係るブース家具を有するブースユニットについて、図23に基づいて説明する。
【0122】
図23に示すブースユニット701は、第2実施形態のブース家具101を4つ連設して構成される。具体的には、ブース家具101aの側面パネル110の正面側端部とブース家具101bの側面パネル110の正面側端部と接続されるように配置される。ブース家具101cの側面パネル111は、ブース家具101bの側面パネル111の外側面に重なるように配置される。ブース家具101dの側面パネル110の正面側端部とブース家具101cの側面パネル110の正面側端部と接続されるように配置される。
【0123】
本実施形態のブースユニット701では、4つのブース家具101のブース内空間S101の上方に12個の吸音パネル780が配置される。12個の吸音パネル780は、何れも略同一の高さに配置される。吸音パネル780は、吊り下げ部材(図示省略)を介して天井からそれぞれ吊り下げられている。
【0124】
吸音パネル780は、所定長さを有する長尺の板状部材である。12個の吸音パネル780は、4つのブース家具101の配列方向に沿って配列され、4つのブース家具101のブース内空間S101の上方の範囲にまたがるように配置される。
【0125】
本実施形態のブースユニット701では、複数のコ字型ブースが接続または隣接配置され、それらの上方の範囲にまたがるように吸音パネル780が配置される。
【0126】
このようにすると、複数のコ字型ブースの上方から周囲へ音漏れするのが抑制されるため、上方の吸音効果が高いブース家具が得られる。
【0127】
以上説明したように、本実施形態のブースユニット701では、第2実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0128】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0129】
上記第1~第8実施形態では、ブース内空間の上方に配置される吸音パネルの例を示したが、それらに限られない。本発明において、吸音パネルの形状、数、配置は任意である。また、本発明において、吸音パネルをブース内空間の上方に配置する方法は任意である。
【0130】
上記第1実施形態では、吸音パネル80が、側面パネル10の上端部の中央部近傍と側面パネル11の上端部の中央部近傍との間に架け渡された取り付け部材81a、81bに吊り下げられる場合を説明したが、それに限られない。本発明において、吸音パネルをブース内空間の上方に吊り下げる方法は任意である。
【0131】
上記第1実施形態では、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1の内側に向かって延びており、且つ、側面パネル10、11と同じパネル構造の上面パネル31が設けられるが、それに限られない。例えば、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍及び背面パネル12の上端部近傍に設けられてもよい。また、上面パネル31が、正面パネル13a、13bの上端部近傍に設けられてもよい。すなわち、上面パネルが、ブース家具1が有する複数のパネル材の少なくとも1つの上端部近傍に設けられてよい。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0132】
上記第1実施形態では、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍から側面パネル10、11から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜するように設けられるが、それに限られない。例えば、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍から水平方向に沿って設けられてもよい。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0133】
上記第1実施形態では、背面パネル12と対向する正面パネル13a、13bが設けられるが、それに限られない。正面パネル13a、13bが設けられてなくてもよい。また、背面パネル12と対向する正面パネル13a、13bの何れか一方が設けられてもよい。本発明のブース家具1は、少なくとも、側面パネル10、11及び側面パネル10、11の背面側端部を連結する背面パネル12を含んでいればよい。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0134】
上記第1実施形態では、吸音材53が軟質で弾性変形可能な素材で構成されているが、それに限られない。例えば、吸音材53が硬質で弾性変形が不可能な素材で構成されてもよい。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0135】
上記第1実施形態では、吸音材53を含む表層材63が、張り材54の端部が芯材60の端面に形成された外周溝60a内に巻き込まれて芯材60に固定されているが、それに限られない。吸音材53を含む表層材63を芯材60に固定する方法は任意である。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0136】
上記第1実施形態では、芯材60が、ペーパーハニカムコアであるが、それに限られない。芯材60の材質、構造は任意である。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0137】
上記第1実施形態では、凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1に向かって配置されるが、それに限られない。凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1の外部に向かって配置されてもよい。また、凸条の吸音材53を有するブロック部51が、ブース内空間S1に向かって配置されるとともに、ブース内空間S1の外部に向かって配置されてもよい。すなわち、凸条の吸音材53が、ブース家具1が有する複数のパネル材の両面に設けられてもよい。なお、第2~第8実施形態についても同様である。
【0138】
上記第8実施形態において、図23に示すブースユニット701では、ブース家具101cの右側面パネル111は、ブース家具101bの右側面パネル111の外側面に重なるように配置されるが、それに限られない。第8実施形態のブースユニット701において、隣り合う2つのブース家具101において、それらの間に配置されるパネル材、すなわち、ブース家具101bの側面パネル111とブース家具1cの側面パネル111とが、1つのパネル材により共用されてもよい。このようにすれば、ブース家具101が複数連設して構成されたブースユニット701において、パネル材の部品点数を低減することができる。その場合、凸条の吸音材53が、共用されるパネル材の両面に設けられるのが好適である。すなわち、隣り合う2つのブース家具101a、101bにおいて、ブロック部51が両面に配置されるパネル材が、内部空間が隣り合う2つのブース家具101a、101bの間で共用されているのが好適である。
【0139】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0140】
1 ブース家具
10 側面パネル(パネル材)
11 側面パネル(パネル材)
12 背面パネル(パネル材)
31 上面パネル
13a、13b 正面パネル
50 溝
51 ブロック部
52 不織布
53 吸音材
54 張り材
60 芯材
60a 外周溝
80、80a~80c 吸音パネル
101 ブース家具
102 テーブル
102a 天板
110 側面パネル(パネル材)
111 側面パネル(パネル材)
112 背面パネル(パネル材)
131 上面パネル
180 吸音パネル
201 ブース家具
301 ブース家具
302 テーブル
302a 天板
380a~380c 吸音パネル
401 ブース家具
402 テーブル
402a 天板
480 吸音パネル
501 ブース家具
502 テーブル
502a 天板
580 吸音パネル
601 ブース家具
602 テーブル
602a 天板
680a、680b 吸音パネル
701 ブースユニット
S1、S101 ブース内空間(内部空間)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23