(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064561
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】パネル体
(51)【国際特許分類】
E04H 1/12 20060101AFI20230501BHJP
A47B 96/20 20060101ALI20230501BHJP
E04B 1/86 20060101ALI20230501BHJP
【FI】
E04H1/12 302Z
A47B96/20 A
A47B96/20 C
E04B1/86 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174905
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】岡 真奈美
(72)【発明者】
【氏名】大川 航平
(72)【発明者】
【氏名】松岡 純
【テーマコード(参考)】
2E001
【Fターム(参考)】
2E001DF04
2E001FA03
2E001FA14
2E001GA12
2E001HB02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ブースの開口からの覗き見や音漏れを抑制することを可能にするパネル体を提供する。
【解決手段】本発明のパネル体65は、芯材を有しない可撓性パネル体66の左右端部を除く中間部66nに剛性材料で構成した脚体67を追加することで自立可能に形成される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材を有しない可撓性パネル体の左右端部を除く中間部に剛性材料で構成した脚体を追加することで自立可能に形成されることを特徴とするパネル体。
【請求項2】
前記脚体は、向い合う2枚の鋼鈑を有し、この間に前記可撓性パネル体を挟み込むことを特徴とする請求項1記載のパネル体。
【請求項3】
前記可撓性パネル体は、前記2枚の鋼鈑間に挟み込まれる嵌合部を有していることを特徴とする請求項2記載のパネル体。
【請求項4】
前記脚体の向い合う2枚の鋼鈑の下端部には、床面上に設置されるプレートが接続され、前記鋼鈑の上部は、互いに連結可能であることを特徴とする請求項2または3記載のパネル体。
【請求項5】
前記可撓性パネル体は、スリットを有し、
前記スリットに、前記脚体において互いに連結された2枚の鋼鈑の上部を嵌めることを特徴とする請求項3または4記載のパネル体。
【請求項6】
前記可撓性パネル体は、複数の可撓性素材を面接合して構成されることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載のパネル体。
【請求項7】
コ字型ブースの開口近傍に配置され、覗き見や音漏れを防止する効果を奏することを特徴とする請求項1~6の何れかに記載のパネル体。
【請求項8】
コ字型ブースの開口近傍に配置され、前記開口を遮蔽するように配置されることを特徴とする請求項7に記載のパネル体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業に適した使い方を可能とするブース家具とともに使用されるパネル体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや公共施設等において、個人用の執務や作業を行うための空間を形成するものとして、左右側面板と、これらの側面板の一端部間を接続する背面板とを含んで構成されるブースが知られている(例えば特許文献1参照)。ブースの内部には、左右側面板及び背面板に沿って天板が配置され、天板に向かって着座した利用者が、周囲を気にせずに執務や作業に集中できるような空間が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、ブース内においてパソコンを使用してオンラインミーティングが行われることが多い。ブースは、ブース内空間の出入り口となる開口を有しており、この開口が完全に開放されているため、背後からの視線が気になり、ブース内の様子が外部から簡単に視認されてしまう。また、ブース内に着座した利用者は、天板上においたパソコンの画面を見ながら種々の発言を行うが、左右側面板及び背面板が単なる板状部材で構成されている場合、利用者が発言した内容などが周囲へ音漏れするという問題がある。なお、そのような問題は、比較的大きいブース内において複数の利用者が会議を行う場合にも発生する。特に、複数のパネル材がコ字状に連結されて、ブース内空間に利用者が出入りするための開口が形成されるブースの場合、その開口から周囲へ音漏れしやすい。
【0005】
本発明は、これらの課題に着目してなされたものであって、例えばブースの開口からの覗き見や音漏れを抑制することを可能にするパネル体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明のパネル体は、芯材を有しない可撓性パネル体の左右端部を除く中間部に剛性材料で構成した脚体を追加することで自立可能に形成されることを特徴とする。
【0008】
このようにすると、例えば複数のパネル材がコ字状に連結されたブース家具において利用者が出入りするための開口近傍にパネル体を設置することで、ブース家具の開口からブース内の様子が外部から簡単に視認されるの抑制できるとともに、ブース家具の開口から周囲へ音漏れするのを抑制できる。また、パネル体が、可撓性パネル体を有しており、可撓性パネル体の周囲が柔らかいため、ブース家具の利用者が出入りする際に当たっても痛くない。
【0009】
本発明のパネル体において、前記脚体は、向い合う2枚の鋼鈑を有し、この間に前記可撓性パネル体を挟み込むことが好適である。
【0010】
このようにすると、脚体の向い合う2枚の鋼鈑に可撓性パネル体を挟み込むことでパネル体が構成されるため、可撓性パネル体を2枚の鋼鈑に挟み込む際に、可撓性パネル体を縦または横に挟み込むことで、パネル体として好みの組み立て方をできる。
【0011】
本発明のパネル体において、前記可撓性パネル体は、前記2枚の鋼鈑間に挟み込まれる嵌合部を有していることが好適である。
【0012】
このようにすると、脚体に対して可撓性パネル体を容易に位置決めできる。
【0013】
本発明のパネル体において、前記脚体の向い合う2枚の鋼鈑の下端部には、床面上に設置されるプレートが接続され、前記鋼鈑の上部は、互いに連結可能であることが好適である。
【0014】
このようにすると、脚体の向い合う2枚の鋼鈑の上部を連結することで、脚体を安定してプレートに立設させることができる。
【0015】
本発明のパネル体において、前記可撓性パネル体は、スリットを有し、前記スリットに、前記脚体において互いに連結された2枚の鋼鈑の上部を嵌めることが好適である。
【0016】
このようにすると、パネル体を2枚の鋼鈑の上部を容易に嵌めることができる。
【0017】
本発明のパネル体において、前記可撓性パネル体は、複数の可撓性素材を面接合して構成されることが好適である。
【0018】
このようにすると、複数の可撓性素材を面接合することで、可撓性パネル体の厚さを比較的大きくすることができる。
【0019】
本発明のパネル体において、コ字型ブースの開口近傍に配置され、覗き見や音漏れを防止する効果を奏することが好適である。
【0020】
このようにすると、コ字型ブースの開口からブース内の様子が外部から簡単に視認されるのを抑制するとともに、ブース家具の開口から周囲へ音漏れするのを抑制できる。
【0021】
本発明のパネル体において、コ字型ブースの開口近傍に配置され、前記開口を遮蔽するように配置されることが好適である。
【0022】
このようにすると、コ字型ブースの開口が完全に遮蔽されるため、覗き見や音漏れを効果的に防止できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、例えばブース家具の開口から周囲へ音漏れするのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態のブース家具1の斜視図である。
【
図6】側面パネル10と背面パネル12とを連結する方法を説明する図である。
【
図7】側面パネル10に対して上面パネル31を取り付ける方法を説明する図である。
【
図8】
図8(a)は、背面パネル12の斜視図であり、
図8(b)は、
図8(a)のa2-a2線断面図である。
【
図9】
図9(a)は、背面パネル12の正面図、
図9(b)は、背面パネル12の上面図、
図9(c)は、背面パネル12の側面図である。
【
図10】表層材63を芯材60上に設けられたMDF61を覆うように設ける手順を説明する図である。
【
図11】
図11(a)は、パネル体65の構成を示す斜視図であり、
図11(b)は、
図11(a)のa3-a3線断面図である。
【
図13】
図13(a)は、可撓性パネル体66の正面図であり、
図13(b)は、可撓性パネル体66の側面図である。
【
図14】
図14(a)は、脚体67の正面図であり、
図14(b)は、脚体67の側面図である。
【
図15】
図15(a)は、可撓性パネル体66の断面図であり、
図15(b)は、可撓性パネル体66の成型方法を説明する図である。
【
図16】本発明の第2実施形態のブース家具101の斜視図である。
【
図18】本発明の第3実施形態のブース家具201の斜視図である。
【
図19】
図19(a)は、吸音パネル80の下方から見た斜視図であり、
図19(b)は、吸音パネル80の下面図であり、
図19(c)は、吸音パネル80の側面図である。
【
図20】本発明の第4実施形態のブースユニット301の斜視図である。
【
図21】
図21(a)は、複数の吸音パネル380を下方から見た斜視図であり、
図21(b)は、複数の吸音パネル380を下方から見たときの斜視図であり、
図21(c)は、複数の吸音パネル380の側面図である。
【
図22】本発明の変形例に係るパネル体365の構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0026】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態のブース家具1の斜視図であり、
図2は、
図1のブース家具1の正面図であり、
図3は、第1のブースの平面図であり、
図4は、
図1のブース家具1の断面図である。なお、
図4の断面図では、2つの椅子2の図示を省略している。
図5は、ブース家具1の分解斜視図であるが、主要な部品のみを図示している。
【0027】
図1~
図4に示すブース家具1は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具1の内側には、2つの椅子2が配置される。2つの椅子2は、それぞれ、側面パネル10、11の内側面に沿って配置される。
【0028】
側面パネル10、11及び背面パネル12は、それぞれ、略同一形状のパネル材であり、比較的横幅の大きい横長矩形状をなす。側面パネル10、11の他端部(正面側端部)10b、11bには、正面パネル13a、13bが接続される。正面パネル13a、13bは、それぞれ、略同一形状のパネル材であり、比較的横幅の小さい縦長矩形状をなす。
【0029】
正面パネル13a、13bは、背面パネル12と対向するように配置され、それらの幅は、背面パネル12の幅よりも小さい。そのため、正面パネル13a、13b間は、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPとされる。側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bは、同一高さ寸法に設定される。
【0030】
側面パネル10、11と背面パネル12の水平方向両端の上端部には、
図5及び
図6に示すように、切り欠き部10c、11c、12cが形成される。同様に、正面パネル13a、13bの水平方向一端側(側面パネル10、11に接続される側)の上端部にも、切り欠き部13c、13cが形成される。
【0031】
側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の上端部間、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の上端部間、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の上端部間は、それぞれ、簡易連結手段として平面視L字状の連結具14をボルト14aで止着することによって連結される。
【0032】
例えば、側面パネル10と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の上端部間は、
図6(a)に示すように、側面パネル10の切り欠き部10c及び背面パネル12の切り欠き部12c内に平面視L字状の連結具14が配置された状態でボルト14aで止着することによって連結される。その後、
図6(b)に示すように、側面パネル10の切り欠き部10c及び背面パネル12の切り欠き部12c内に、蓋部15が配置されることにより塞がれる。
【0033】
なお、詳細な説明は省略するが、側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分の下端部間、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の下端部間、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分の下端部間も同様に、簡易連結手段として平面視L字状の連結具(図示省略)をボルトで止着することによって連結される。
【0034】
ブース家具1の側面において、側面パネル10、11と背面パネル12の突き合わせコーナー部分、正面パネル13aと側面パネル11の突き合わせコーナー部分、及び、正面パネル13bと側面パネル11の突き合わせコーナー部分には、上下方向に延びるカバー16が取り付けられる。
【0035】
側面パネル10、11の下端部に等間隔にそれぞれ3箇所、背面パネルの中央部に4箇所、及び、正面パネル13a、13bの開口OP側の端部に1箇所には、接地部材として接地高さを調整するアジャスタ3が取り付けられている。
【0036】
ブース家具1において、ブース内空間S1の上方には、
図1及び
図4に示すように、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1の内側に向かって延びる上面パネル31が設けられる。上面パネル31は、側面パネル10、11の上端部近傍から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜している。上面パネル31の上端部は、側面パネル10、11の上端部と略同一の高さに配置される。また、上面パネル31の下端部は、側面パネル10、11の上端部よりも下方において側面パネル10、11の内側面に接触している。また、後で説明するように、背面パネル12の内側面には、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が形成されており、上面パネル31の根元部は、側面パネル10、11の内側面の水平方向に延びる溝50に対応するように位置する。
【0037】
また、上面パネル31は、ブース内空間S1の側面パネル10、11の内側面に沿って配置された2つの椅子2の上方に当たる側面パネル10、11の上部に取付けられている。側面パネル10上部の上面パネル31は、対向する側面パネル11下部に配置された椅子2と対向する位置関係になることで、対向する椅子の着座者の発声を効果的に吸収する。側面パネル11上部の上面パネル31と側面パネル10下部の椅子2も同じ関係で、これらによってブース内空間S1には対向配置された上面パネル31と椅子2の組が2セット収容されている。上記によってブース内で着座しながら会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0038】
上面パネル31を取り付けるために、
図7(a)に示すように、側面パネル10の正面側端部及び背面側端部の上端部近傍には、ブラケット32が設けられる。ブラケット32は、それぞれ、側面パネル10の正面側端部及び背面側端部に形成された外周溝60aに対してボルト33で止着される。
【0039】
上面パネル31の両端部が、
図7(b)に示すように、ブラケット32上にそれぞれ保持されることにより、上面パネル31が、側面パネル10の上端部近傍に保持される。なお、側面パネル11の上端部近傍に保持される上面パネル31についても同様にして取り付けられる。
【0040】
側面パネル10、11、背面パネル12、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の構造について説明する。なお、本実施形態では、
図8に図示した背面パネル12の構造について詳細に説明するが、側面パネル10、11、正面パネル13a、13b及び上面パネル31の構造も同様である。
【0041】
背面パネル12の内側面(ブース内空間S1と対向する面)は、
図8(a)に示すように、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が溝50を介して縦横に複数配置されてなるパネル構造を有するパネル材である。ブロック部51は、矩形状を有しており、背面パネル12の内側面の全体に配置される。
【0042】
具体的には、
図8(b)に示すように、背面パネル12は、ペーパーハニカム等の軽量の芯材60と、芯材60の一方の面に設けられたMDF61(Medium Density Fiberboard;中質繊維板)と、芯材60の他方の面に設けられたMDF62と、MDF61を覆うように設けられた表層材63と、MDF62を覆うように設けられた張り材(張地)64とを有している。
【0043】
芯材60は、背面パネル12の内部に配置される部材である。上述したように、背面パネル12の上面の両端部には、切り欠き部12cが形成されているが、その切り欠き部12cは、芯材60の上端面の両端部に形成される。なお、切り欠き部12cには、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、連結具14をボルト14aで止着するためのボルト穴60cが形成されている。
【0044】
芯材60の上端面には、2つの切り欠き部12c間に配置された直線状の外周溝60aが形成される。外周溝60aは、
図9(b)に示すように、芯材60の厚さ方向中央部に形成される。なお、芯材60の下端面にも同様に、その両端部に配置された2つの切り欠き部12cと、2つの切り欠き部12c間に配置された外周溝60aが形成される。また、芯材60の左端面及び右端面にも同様に、
図9(c)に示すように、芯材60の厚さ方向中央部に形成された直線状の外周溝60aが形成される。
【0045】
表層材63は、
図8(b)に示すように、MDF61上に配置された不織布52と、凸条をなす吸音材(ウレタン)53と、吸音材53の表面を覆う張り材54の3層から構成される。そのため、ブロック部51は、略平行に延びる2組の溝50で囲われた領域において、不織布52、吸音材53及び張り材54により構成される。
【0046】
このように、背面パネル12において、ブロック部51は、背面パネル12の片面のみに配置され、そのブロック部51が配置された面がブース内空間S1の内側面となる。なお、側面パネル10、11及び正面パネル13a、13bについても、ブロック部51は、片面のみに配置される。上面パネル31については、ブロック部51は、両面に配置される。
【0047】
よって、側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bでは、
図1に示すように、ブース家具1のブース内空間S1と対向する部分に、凸条をなす吸音材53が設けられ、ブース内空間S1と対向しない部分に、凸条をなす吸音材53が設けられていない。なお、上面パネル31では、ブース家具1のブース内空間S1と対向する部分及びブース内空間S1と対向しない部分に、凸条をなす吸音材53が設けられる。
【0048】
上述した3層構造の表層材63を芯材60上に設けられたMDF61を覆うように設ける手順について、
図10に基づいて説明する。
【0049】
表層材63は、不織布52、吸音材53及び張り材54の3層構造で、芯材60の長さよりも長尺に形成されている。そのため、表層材63は、例えば背面パネル12などの芯材60の長さに応じて切断されて使用される。
【0050】
まず、表層材63を芯材60上に設けられたMDF61に沿って近接させて、
図10(a)に示すように、ブロック部51の端部にある溝50Aが芯材60の端部60Aに沿って配置されることを確認する。
【0051】
その後、
図10(b)に示すように、ブロック部51の端部にある溝50Aに沿って不織布52及び吸音材53を切断する。そのとき、張り材54は、ブロック部51の端部にある溝50Aに沿って切断しない。そのため、ブロック部51の表面を覆う張り材54が芯材60の端部60Aよりも外側に延びる状態となる。なお、張り材54は、後述するように、その端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込み可能な長さに切断する。
【0052】
芯材60の長さに応じて不織布52及び吸音材53を切断した表層材63を、芯材60上に設けられたMDF61の表面に、ブロック部51の端部にある溝50Aが芯材60の端部60Aと一致するように配置する。その状態で、
図10(c)に示すように、張り材54の端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込む。すると、表層材63が芯材60上に設けられたMDF61の表面に隙間なく取り付けられる。
【0053】
なお、芯材60の表層材63が設けられる面と反対の面において、張り材64を芯材60上に設けられたMDF62を覆うように設ける手順についても同様である。すなわち、張り材64を芯材60の長さに応じて切断して、その張り材64を芯材60上に設けられたMDF62の表面に配置して、その状態で、張り材64の端部を芯材60の端面に形成された外周溝60a内に押し込む。すると、張り材64が芯材60上に設けられたMDF62の表面に隙間なく取り付けられる。
【0054】
本実施形態のブース家具1では、
図1~
図3に示すように、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPの正面側に、パネル体65が設置される。パネル体65は、開口OPから所定距離離れた位置に設置されており、利用者は、パネル体65と、正面パネル13aの正面側端部または正面パネル13bの正面側端部との間に形成される隙間を通過して、ブース内空間S1に出入りすることができる。
【0055】
パネル体65は、
図11に示すように、可撓性パネル体66と、脚体67とを有している。パネル体65は、パネル体66の左右端部を除く中間部66nに剛性材料で構成した脚体67を追加することで自立可能に形成される。可撓性パネル体66は、例えば繊維等、手で撓む程度の素材で形成される。脚体67は、手では撓まない硬い素材で形成される。
【0056】
可撓性パネル体66は、
図12及び
図13に示すように、平板状の部材であり、縦長の略楕円形状を有している。可撓性パネル体66は、その下端部から上方に向かって延びる直線状の嵌合部66Aを有している。嵌合部66Aは、脚体67に挟み込まれる部分であり、厚さが周囲の部分と比べて薄く形成されている。
【0057】
嵌合部66Aの中央部には、直線状のスリット66Tが形成されている。スリット66Tは、嵌合部66Aを切断するように上下方向に延びている。すなわち、嵌合部66Aは、スリット66Tの周縁部である。
【0058】
脚体67は、
図12及び
図14に示すように、向い合う2枚の鋼鈑68と、2枚の鋼鈑68の下端部に接続されるプレート67Aとを有している。プレート67Aは、床面上に設置される部分である。
【0059】
2枚の鋼鈑68は、プレート67Aから上下方向に延びる長尺の板状部材である。2枚の鋼鈑68は、それらの内側面が所定距離離れた状態で互いに平行に配置される。2枚の鋼鈑68間に形成される隙間は、パネル体66の嵌合部66Aの厚さと略同一である。2枚の鋼鈑68の高さ方向中間部及び上部近傍は、ピン68aにより連結されている。
【0060】
パネル体65において、可撓性パネル体66は、その嵌合部66Aが2枚の鋼鈑68間に挟み込まれることで、2枚の鋼鈑68により保持される。そのとき、2枚の鋼鈑68の高さ方向中間部及び上部近傍を連結するピン68aが、スリット66T内に配置されるように、パネル体66が2枚の鋼鈑68の上部を嵌められる。
【0061】
可撓性パネル体66の詳細な構成について、
図15(a)に基づいて説明する。
【0062】
可撓性パネル体66は、
図15(a)に示すように、その厚さ方向中央部に繊維クッション66aが配置される。その繊維クッション66aの表面に対して表皮66bが設けられるとともに、繊維クッション66aの裏面に対して表皮66bが設けられる。
【0063】
可撓性パネル体66の成型方法について、
図15(b)に基づいて説明する。
【0064】
まず、2枚の繊維クッション66a1、66a2をプレス加工して熱結合することで、繊維クッション66aを成型する。繊維クッション66aの表面と表皮66bとの間にホットメルトをセットするとともに、繊維クッション66aの裏面と表皮66bとの間にホットメルトをセットし、コールドプレスして、繊維クッション66aの表面及び裏面に表皮66bを成型する。このように、可撓性パネル体66は、複数の可撓性素材である繊維クッション66a1、66a2を面接合して構成しているものである。
【0065】
本実施形態のパネル体65において、可撓性パネル体66の厚さ方向中央部に配置される繊維クッション66aは、芯材を有しない素材である。なお、可撓性パネル体66を形成する素材としては、例えば発泡材、繊維材、織物編物等を使用することができる。本実施形態において、可撓性パネル体66を形成する素材は、吸音材であることが好適である。
【0066】
脚体67を構成する鋼鈑68を形成する材料としては、例えば鋼材、木質材、硬質樹脂等を使用することができる。
【0067】
以上説明したように、本実施形態のパネル体65は、芯材を有しない可撓性パネル体66の左右端部を除く中間部66nに剛性材料で構成した脚体67を追加することで自立可能に形成される。
【0068】
このようにすると、例えば複数のパネル材がコ字状に連結されたブース家具1において利用者が出入りするための開口OP近傍にパネル体65を設置することで、ブース家具1の開口OPからブース内の様子が外部から簡単に視認されるの抑制できるとともに、ブース家具1の開口から周囲へ音漏れするのを抑制できる。また、パネル体65が、可撓性を有する可撓性パネル体66を有しており、可撓性パネル体66の周囲が柔らかいため、ブース家具1の利用者が出入りする際に当たっても痛くない。
【0069】
本実施形態のパネル体65において、可撓性パネル体66は、2枚の鋼鈑68間に挟み込まれる嵌合部66Aを有している。
【0070】
このようにすると、脚体67に対して可撓性パネル体66を容易に位置決めできる。
【0071】
本実施形態のパネル体65において、脚体67の向い合う2枚の鋼鈑68の下端部には、床面上に設置されるプレート67Aが接続され、鋼鈑68の上部は、互いに連結可能である。
【0072】
このようにすると、脚体67の向い合う2枚の鋼鈑68の上部を連結することで、脚体67を安定してプレート67Aに立設させることができる。
【0073】
本実施形態のパネル体65において、可撓性パネル体66は、スリット66Tを有し、スリット66Tに、脚体67において互いに連結された2枚の鋼鈑68の上部を嵌める。
【0074】
このようにすると、可撓性パネル体66を2枚の鋼鈑68の上部を容易に嵌めることができる。
【0075】
本実施形態のパネル体65において、可撓性パネル体66は、複数の可撓性素材を面接合して構成される。
【0076】
このようにすると、複数の可撓性素材を面接合することで、可撓性パネル体66の厚さを比較的大きくすることができる。
【0077】
本実施形態のパネル体65において、ブース家具1の開口OP近傍に配置され、覗き見や音漏れを防止する効果を奏する。
【0078】
このようにすると、ブース家具1の開口OPからブース内の様子が外部から簡単に視認されるのを抑制するとともに、ブース家具1の開口OPから周囲へ音漏れするのを抑制できる。
【0079】
(第2実施形態)
本実施形態のブース家具101が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、側面パネル10、11の上端部近傍に2つの上面パネル31が設けられるのに対して、本実施形態のブース家具101において、背面パネル12の上端部近傍に1つの上面パネル131が設けられる点である。本実施形態のブース家具101の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0080】
図16及び
図17に示すブース家具101は、対向して配置される一対の側面パネル110、111と、これらの側面パネル110、111の一端部(背面側端部)110a、111a間に接続される背面パネル112とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S101を形成する。ブース家具101の内側には、テーブル102が配置される。テーブル102の天板102aは、矩形状であり、側面パネル110、111の内側面及び背面パネル112の内側面に沿って配置される。
【0081】
側面パネル110、111及び背面パネル112の横幅は、第1実施形態の側面パネル10、11及び背面パネル12の横幅よりも小さい。なお、側面パネル110、111及び背面パネル112の構造は、第1実施形態の側面パネル10、11及び背面パネル12の構造と略同一である。
【0082】
ブース家具101において、ブース内空間S101の上方には、
図16及び
図17に示すように、背面パネル112の上端部近傍からブース内空間S101の内側に向かって延びる上面パネル131が設けられる。上面パネル131は、背面パネル112から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜している。上面パネル131の上端部は、背面パネル112の上端部と略同一の高さに配置される。また、上面パネル131の下端部は、背面パネル112の上端部よりも下方において背面パネル112の内側面に接触している。
【0083】
ブース家具101において、背面パネル112の上端部近傍には、
図16に示すように、上面パネル131が配置される。上面パネル131を取り付けるために、背面パネル112の左側端部及び右側端部の上端部近傍には、第1実施形態と同様に、ブラケット(図示省略)が設けられる。上面パネル131の両端部が、ブラケット上にそれぞれ保持されることにより、上面パネル131が、背面パネル112の上端部近傍に保持される。
【0084】
上面パネル131は、ブース内空間S110の背面パネル112の内側面に沿って配置されたテーブル102の天板102aの上方に当たる背面パネル112の上部に取付けられている。背面パネル112上部の上面パネル131は、天板102aの上方位置に配置されることで、テーブル102の手前の椅子の着座者の発声が天板102aで上方に反射したものを効果的に吸収する。上記によってブース内で着座しながらWeb会議等で会話する人の声が上方に漏れるのを効果的に低減する吸音効果が得られる。
【0085】
本実施形態のブース家具101では、
図16及び
図17に示すように、ブース内空間S101に利用者が出入りするための開口OPの正面側に、パネル体65が設置される。
【0086】
以上説明したように、本実施形態のブース家具101では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0087】
(第3実施形態)
本実施形態のブース家具201が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、2つの上面パネル31及び正面パネル13a、13bが設けられるのに対して、本実施形態のブース家具201において、上面パネル及び正面パネルが設けられていない点である。本実施形態のブース家具201の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0088】
図18に示すブース家具201は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具201の内側には、天板202aを有するテーブル202が配置される。テーブル202は、ブース内空間S1の略中央部に配置される。
【0089】
本実施形態のブース家具201では、
図18に示すように、ブース内空間S1の上方に2組の吸音パネル80Aが配置される。2組の吸音パネル80Aは、何れも略同一の構成である。1組の吸音パネル80Aは、3つの吸音パネル80a~80cをそれぞれ含んでいる。吸音パネル80a~80cは、何れも同様の構成であり、平面視で略円形状を有する平板状部材である。なお、以下の説明では、吸音パネル80a~80cのそれぞれを、単に、吸音パネル80と称する場合がある。
【0090】
吸音パネル80a~80cは、ブース内空間S1の上方に配置されるように、天井から吊り下げ部材81を介してそれぞれ吊り下げられている。吸音パネル80a~80cは、平面視で水平位置を異ならせて配置される。すなわち、3つの吸音パネル80a~80cは、平面視で重ならないように配置される。また、3つの吸音パネル80a~80cは、高さ位置を異ならせて配置される。すなわち、吸音パネル80aが最も低い高さ位置に配置され、吸音パネル80b、80cの順に高い高さ位置に配置される。
【0091】
吸音パネル80の構成について、
図19に基づいて説明する。
【0092】
吸音パネル80は、略円形状であり、平板形状に形成される。吸音パネル80は、上述した背面パネル12などと同様に構成される。すなわち、吸音パネル80の下面(ブース内空間S1と対向する面)は、略平行に延びる2組の溝50で囲われたブロック部51が溝50を介して縦横に複数配置されてなるパネル構造を有するパネル材である。ブロック部51は、矩形状を有しており、吸音パネル80の下面の全体に配置される。
【0093】
具体的には、吸音パネル80は、上述した背面パネル12などと同様に、ペーパーハニカム等の軽量の芯材60と、芯材60の一方の面に設けられたMDF61(Medium Density Fiberboard;中質繊維板)と、芯材60の他方の面に設けられたMDF62と、MDF61を覆うように設けられた表層材63と、MDF62を覆うように設けられた張り材(張地)64とを有している。
【0094】
表層材63は、MDF61上に配置された不織布52と、凸条をなす吸音材(ウレタン)53と、吸音材53の表面を覆う張り材54の3層から構成される。そのため、ブロック部51は、略平行に延びる2組の溝50で囲われた領域において、不織布52、吸音材53及び張り材54により構成される。
【0095】
このように、本実施形態のブース家具201では、ブース内空間S1に設置されたテーブル202の天板202aの上方に、複数の吸音パネル80が配置される。そのため、ブース家具201内においてテーブル202を囲むように着座した着座者の発声が天板202aで上方に反射したものを吸音パネル80により効果的に吸収する。
【0096】
本実施形態のブース家具201では、
図18に示すように、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPの正面側に、屏風状のパネル体165が設置される。
【0097】
パネル体165は、4つの可撓性パネル体166を有している。可撓性パネル体166は、縦長の板状部材であり、略矩形形状を有している。4つの可撓性パネル体166はその端部で連結されており、その連結部において折れ曲がり可能に構成される。そのため、パネル体165は、4つの可撓性パネル体166の下端部を直線上に配置しないように折り曲げることにより自立可能に形成される。
【0098】
以上説明したように、本実施形態のブース家具201では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0099】
(第4実施形態)
本実施形態のブース家具301が、第1実施形態のブース家具1と主に異なる点は、第1実施形態のブース家具1において、2つの上面パネル31及び正面パネル13a、13bが設けられるのに対して、本実施形態のブース家具301において、上面パネル及び正面パネルが設けられていない点である。本実施形態のブース家具301の構成において、第1実施形態のブース家具1の構成と同様である部分については、詳細な説明を省略する。
【0100】
図20に示すブース家具301は、対向して配置される一対の側面パネル10、11と、これらの側面パネル10、11の一端部(背面側端部)10a、11a間に接続される背面パネル12とを含んでおり、全体が平面視コ字型をなすことによって自立可能とされ、内部に居住空間となるブース内空間S1を形成する。ブース家具301の内側には、天板302aを有するテーブル302が配置される。テーブル302は、ブース内空間S1の略中央部に配置される。
【0101】
側面パネル10の上端部の中央部近傍と側面パネル11の上端部の中央部近傍との間には、2本の取り付け部材81a、81bが略平行に架け渡される。取り付け部材81aは、正面側に配置され、取り付け部材81bは、取り付け部材81aよりもブース家具1の背面側に配置される。
【0102】
本実施形態のブース家具301では、ブース内空間S1の上方に4つの吸音パネル380aと4つの吸音パネル380bが配置される。4つの吸音パネル380a及び4つの吸音パネル380bは、何れも略同一の高さに配置される。吸音パネル380a、380bは、
図16に示すように、それぞれ、正面側端部に形成される穴部380cと、背面側端部に形成される穴部380cとを有している。そのため、吸音パネル380a及び吸音パネル380bは、その正面側端部の穴部380cに取り付け部材81aが嵌挿されるとともに、背面側端部の穴部380cに取り付け部材81bが嵌挿されることにより支持される。
【0103】
吸音パネル380a、380bは、何れも所定長さを有する長尺の平板状部材である。側面パネル10から側面パネル11に近づく方向に向かって、吸音パネル380aと吸音パネル380bとが交互に略平行に配置される。ブース家具301を正面から見たときに、吸音パネル380aは、その右端部が左端部より高い位置に配置されるように傾斜し、吸音パネル380bは、その左端部が右端部より高い位置に配置されるように傾斜する。
【0104】
このように、本実施形態のブース家具301では、吸音パネル380a、380bが、対向する側面パネル10、11の上端部に跨るように架け渡した取り付け部材81a、81bに隙間を開けた状態で支持される。これにより、吸音パネル380a、380bが隙間を開けた状態で、ブース内空間S1に設置されたテーブル302の天板302aの上方に配置される。そのため、ブース家具301内においてテーブル302を囲むように着座した着座者の発声が天板302aで上方に反射したものを吸音パネル380a、380bにより効果的に吸収する。
【0105】
本実施形態のブース家具301では、
図20に示すように、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPの正面側に、屏風状のパネル体165が設置される。パネル体165の構成は、第3実施形態と同様である。
【0106】
以上説明したように、本実施形態のブース家具301では、第1実施形態のブース家具1と同様の効果が得られる。
【0107】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0108】
上記第1実施形態では、パネル体66が縦長の略楕円形状を有しているが、それに限られない。パネル体66の形状、大きさは任意である。なお、第2実施形態についても同様である。
【0109】
上記第1実施形態では、パネル体65が、繊維クッション66aを有しているが、それに限られない。パネル体65の素材としては、例えば発泡材、繊維材、織物編物等を使用することができて、その素材は任意である。また、上記第1実施形態では、2枚の繊維クッション66a1、66a2をプレス加工して熱結合しているが、それに限られない。可撓性パネル体66を構成する部材を接合する方法は、任意である。可撓性パネル体66は、例えば、有機溶剤系の接着剤で接合するもの、融着で接合するもの、接着で接合するものでもよい。
【0110】
上記第1実施形態では、剛性材料である脚体67が、鋼鈑68を有しているが、それに限られない。脚体67を構成する剛性材料としては、例えば鋼材、木質材、硬質樹脂等を使用することができて、その材料は任意である。
【0111】
上記第1実施形態では、パネル体65が、ブース内空間S1に利用者が出入りするための開口OPの正面側に設置されるが、それに限られない。パネル体65の設置箇所は任意である。なお、第2実施形態についても同様である。
【0112】
上記第1実施形態では、可撓性パネル体66が、2枚の鋼鈑68間に挟み込まれる嵌合部66Aを有しているが、それに限られない。例えば、可撓性パネル体66が、2枚の鋼鈑68間に挟み込まれる嵌合部66Aを有しておらず、可撓性パネル体66の任意の部分が2枚の鋼鈑68間に挟み込まれることで、可撓性パネル体66が脚体67に保持されてもよい。なお、第2実施形態についても同様である。
【0113】
本変形例のパネル体365は、
図22に示すように、パネル体366と、脚体367とを有している。パネル体365は、パネル体366の左右端部を除く中間部366nに剛性材料で構成した脚体367を追加することで自立可能に形成される。
【0114】
パネル体366は、第1実施形態の可撓性パネル体66と同様の構成であり、その厚さ方向中央部に繊維クッションが配置される。そのため、可撓性パネル体366の厚さを部分的に薄くなるように変形させて、その部分を2枚の鋼鈑368間に挟み込ませることができる。
【0115】
パネル体365において、可撓性パネル体366は、その中間部366nが2枚の鋼鈑368間に挟み込まれることで、2枚の鋼鈑368により保持される。本変形例のパネル体365では、
図22(b)に示すように、可撓性パネル体366を縦長の状態で脚体367に保持することが可能であるとともに、
図22(c)に示すように、可撓性パネル体366を横長の状態で脚体367に保持することが可能である。
【0116】
本変形例のパネル体365において、脚体367は、向い合う2枚の鋼鈑368を有し、この間にパネル体366を挟み込む。
【0117】
このようにすると、脚体367の向い合う2枚の鋼鈑368に可撓性パネル体366を挟み込むことでパネル体365が構成されるため、パネル体366を2枚の鋼鈑368に挟み込む際に、パネル体366を縦または横に挟み込むことで、パネル体365として好みの組み立て方をできる。
【0118】
上記第1実施形態では、パネル体65が、ブース家具1の開口OPの正面側に離れて配置されるが、それに限られない。パネル体65は、ブース家具1の開口OP近傍に配置され、開口OPを遮蔽するように配置されてもよい。この場合、ブース家具1の開口OPが完全に遮蔽されるため、覗き見や音漏れを効果的に防止できる。なお、第2実施形態についても同様である。
【0119】
上記第1実施形態では、側面パネル10、11の上端部近傍からブース内空間S1の内側に向かって延びており、且つ、側面パネル10、11と同じパネル構造の上面パネル31が設けられるが、それに限られない。例えば、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍及び背面パネル12の上端部近傍に設けられてもよい。また、上面パネル31が、正面パネル13a、13bの上端部近傍に設けられてもよい。すなわち、上面パネルが、ブース家具1が有する複数のパネル材の少なくとも1つの上端部近傍に設けられてよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0120】
上記第1実施形態では、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍から側面パネル10、11から離れるにつれて上方に配置されるように傾斜するように設けられるが、それに限られない。例えば、上面パネル31が、側面パネル10、11の上端部近傍から水平方向に沿って設けられてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0121】
上記第1実施形態では、背面パネル12と対向する正面パネル13a、13bが設けられるが、それに限られない。正面パネル13a、13bが設けられてなくてもよい。また、背面パネル12と対向する正面パネル13a、13bの何れか一方が設けられてもよい。本発明のブース家具1は、少なくとも、側面パネル10、11及び側面パネル10、11の背面側端部を連結する背面パネル12を含んでいればよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0122】
上記第1実施形態では、吸音材53が弾性変形可能な素材で構成されているが、それに限られない。例えば、吸音材53が弾性変形が不可能な素材で構成されてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0123】
上記第1実施形態では、吸音材53を含む表層材63が、張り材54の端部が芯材60の端面に形成された外周溝60a内に巻き込まれて芯材60に固定されているが、それに限られない。吸音材53を含む表層材63を芯材60に固定する方法は任意である。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0124】
上記第1実施形態では、芯材60が、ペーパーハニカムコアであるが、それに限られない。芯材60の材質、構造は任意である。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0125】
上記第1実施形態では、芯材60の一方の面にMDF61が設けられ、芯材60の他方の面にMDF62が設けられているが、それに限られない。芯材60の片面だけにMDFが設けられてもよい。また、芯材60の両面にMDFが設けられなくてもよい。
【0126】
上記第1実施形態では、側面パネル10、11、背面パネル12及び正面パネル13a、13bにおいて、凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1に向かって配置されるが、それに限られない。凸条の吸音材53を有するブロック部51がブース内空間S1の外部に向かって配置されてもよい。また、凸条の吸音材53を有するブロック部51が、ブース内空間S1に向かって配置されるとともに、ブース内空間S1の外部に向かって配置されてもよい。すなわち、凸条の吸音材53が、ブース家具1が有する複数のパネル材の両面に設けられてもよい。なお、第2~第4実施形態についても同様である。
【0127】
上記第1実施形態では、上面パネル31において、凸条の吸音材53を有するブロック部51がパネル材の両面に設けられているが、それに限られない。上面パネル31の少なくとも下面に、凸条の吸音材53を有するブロック部51が設けられていればよい。
【0128】
上記第1実施形態では、正面パネル13a、13bが側面パネル10、11の正面側端部10b、11bにそれぞれ接続されているが、それに限られない。例えば、正面パネル13aの左側端部が側面パネル10の正面側端部10bに近接するように配置され、正面パネル13bの右側端部が側面パネル11の正面側端部110bに近接するように配置されてもよい。すなわち、正面パネル13aの左側端部と側面パネル10の正面側端部10bとの間に隙間が形成されてもよいし、正面パネル13bの右側端部と側面パネル11の正面側端部110bとの間に隙間が形成されてもよい。
【0129】
上記第1実施形態では、側面パネル10、11及び背面パネル12がコ字状に連結されて、1面側が解放された内部空間S1を形成するが、それに限られない。本発明のブース家具において、複数のパネル材がコ字状に連結されて、少なくとも1面側が解放された内部空間を形成するものであればよい。例えば、側面パネル10、11及び背面パネル12がコ字状に連結されて、1面側が解放されるとともに、側面パネル10、11及び背面パネル12の少なくとも一部が解放されたものでもよい。
【0130】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0131】
1 ブース家具
10 側面パネル(パネル材)
11 側面パネル(パネル材)
12 背面パネル(パネル材)
31 上面パネル
13a、13b 正面パネル
50 溝
51 ブロック部
52 不織布
53 吸音材
54 張り材
60 芯材
60a 外周溝
65 パネル体
66 可撓性パネル体
66a 繊維クッション
66n 中間部
66A 嵌合部
66T スリット
67 脚体
67A プレート
68 鋼鈑
101 ブース家具
110 側面パネル(パネル材)
111 側面パネル(パネル材)
112 背面パネル(パネル材)
131 上面パネル
201 ブース家具
301 ブース家具
365 パネル体
366 可撓性パネル体
366n 中間部
367 脚体
367A プレート
368 鋼鈑
S1、S101 ブース内空間(内部空間)