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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064583
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】配管清掃用治具
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/027 20060101AFI20230501BHJP
【FI】
B08B9/027
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174934
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000157603
【氏名又は名称】丸善石油化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】池田 浩
(72)【発明者】
【氏名】鳥谷 廣昭
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA12
3B116AB52
3B116BA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】配管の内周面に付着した異物を容易に除去することができる配管清掃用治具を提供する。
【解決手段】本発明の配管清掃用治具は、第1端部21から第2端部にわたって延びる円筒体20と、第1端部21に設けられた、第1方向に移動した場合に異物を削り取る第1異物除去部30と、第1端部21と第2端部との間に設けられた切欠部40と、切欠部40に設けられた、第2方向に移動した場合に異物を削り取る第2異物除去部50を備える。第1異物除去部30は、円筒体20の内周面から第1方向に向かって拡径する拡径面を含み、第1異物除去部30で削り取られた異物を回収する第1開口23を含む。第2異物除去部50は、切欠部40の第1端部21の側で円筒体20に形成された異物除去端面を含む。切欠部40は、異物除去端面によって画定された切欠開口であって、第2異物除去部50で削り取られた異物を回収する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配管の内周面に付着した異物を除去するための配管清掃用治具であって、
第1端部から第2端部にわたって中心軸線に沿って円筒状に延びる円筒体と、
前記第1端部に設けられ、前記第2端部から前記第1端部に向かう第1方向に前記円筒体を移動させた場合に前記異物を削り取る第1異物除去部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に設けられ、前記円筒体を切り欠いた切欠部と、
前記切欠部に設けられ、前記第1方向とは反対の第2方向に前記円筒体を移動させた場合に前記異物を削り取る第2異物除去部と、を備え、
前記第1異物除去部は、前記円筒体の内周面から前記第1方向に向かって拡径する拡径面を含み、
前記円筒体は、前記拡径面によって画定された第1開口であって、前記第1異物除去部で削り取られた前記異物を回収する第1開口を含み、
前記第2異物除去部は、前記切欠部の前記第1端部の側で前記円筒体に形成された異物除去端面を含み、
前記切欠部は、前記異物除去端面によって画定された切欠開口であって、前記第2異物除去部で削り取られた前記異物を回収する切欠開口を含む、配管清掃用治具。
【請求項2】
前記異物除去端面は、前記中心軸線に垂直に形成されている、請求項1に記載の配管清掃用治具。
【請求項3】
前記円筒体の内側に設けられ、回収した前記異物を支持する異物支持部を更に備え、
前記異物支持部は、前記第1開口および前記切欠開口に連通している、請求項1または2に記載の配管清掃用治具。
【請求項4】
前記円筒体は、金属材料で形成されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の配管清掃用治具。
【請求項5】
前記円筒体は、前記第2端部に設けられた第2開口を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の配管清掃用治具。
【請求項6】
前記円筒体の前記第2端部に揺動可能に設けられたリングを更に備えた、請求項1~4のいずれか一項に記載の配管清掃用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、配管清掃用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
配管の内周面に付着した異物を除去するための配管清掃用治具が知られている(例えば、特許文献1~3参照)。
【0003】
配管の内周面には、比較的柔らかい異物が付着する場合もあるが、比較的硬い異物が付着する場合もある。比較的硬い異物を除去するには、多大な労力を要する場合があり、配管清掃の作業性が問題になっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開昭60-186088号公報
【特許文献2】実開昭62-48486号公報
【特許文献3】実開昭63-54986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、配管の内周面に付着した異物を容易に除去することができる配管清掃用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
配管の内周面に付着した異物を除去するための配管清掃用治具であって、
第1端部から第2端部にわたって中心軸線に沿って円筒状に延びる円筒体と、
前記第1端部に設けられ、前記第2端部から前記第1端部に向かう第1方向に前記円筒体を移動させた場合に前記異物を削り取る第1異物除去部と、
前記第1端部と前記第2端部との間に設けられ、前記円筒体を切り欠いた切欠部と、
前記切欠部に設けられ、前記第1方向とは反対の第2方向に前記円筒体を移動させた場合に前記異物を削り取る第2異物除去部と、を備え、
前記第1異物除去部は、前記円筒体の内周面から前記第1方向に向かって拡径する拡径面を含み、
前記円筒体は、前記拡径面によって画定された第1開口であって、前記第1異物除去部で削り取られた前記異物を回収する第1開口を含み、
前記第2異物除去部は、前記切欠部の前記第1端部の側で前記円筒体に形成された異物除去端面を含み、
前記切欠部は、前記異物除去端面によって画定された切欠開口であって、前記第2異物除去部で削り取られた前記異物を回収する切欠開口を含む、配管清掃用治具、
を提供する。
【0007】
上述した本発明による配管清掃用治具において、
前記異物除去端面は、前記中心軸線に垂直に形成されている、
ようにしてもよい。
【0008】
上述した本発明による配管清掃用治具において、
前記円筒体の内側に設けられ、回収した前記異物を支持する異物支持部を更に備え、
前記異物支持部は、前記第1開口および前記切欠開口に連通している、
ようにしてもよい。
【0009】
上述した本発明による配管清掃用治具において、
前記円筒体は、金属材料で形成されている、
ようにしてもよい。
【0010】
上述した本発明による配管清掃用治具において、
前記円筒体は、前記第2端部に設けられた第2開口を含む、
ようにしてもよい。
【0011】
上述した本発明による配管清掃用治具において、
前記円筒体の前記第2端部に揺動可能に設けられたリングを更に備える、
ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、配管の内周面に付着した異物を容易に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施の形態による配管清掃用治具を示す側面図である。
図2図2は、図1の配管清掃用治具を示す上面図である。
図3図3は、図2のA-A線断面図である。
図4図4は、図2のB-B線断面図である。
図5図5は、図1の配管清掃用治具を前進させながら異物を除去する様子を示す断面図である。
図6図6は、図5の配管清掃用治具を更に前進させながら異物を除去する様子を示す断面図である。
図7図7は、図6の配管清掃用治具を更に前進させながら異物を除去する様子を示す断面図である。
図8図8は、図1の配管清掃用治具を後退させながら異物を除去する様子を示す断面図である。
図9図9は、図8の配管清掃用治具を更に後退させながら異物を除去する様子を示す断面図である。
図10図10は、配管の第2開口から見た異物を除去する方法を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態における配管清掃用治具について説明する。なお、図面においては、理解のし易さの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
【0015】
図1図4を用いて、本実施の形態による配管清掃用治具10について説明する。本実施の形態による配管清掃用治具10は、配管1(図5参照)の内周面2に付着した異物4を除去するための治具である。
【0016】
図1図3に示すように、配管清掃用治具10は、円筒体20と、第1異物除去部30と、切欠部40と、第2異物除去部50と、異物支持部60と、リング70と、を備えている。
【0017】
図1に示すように、円筒体20は、第1端部21と、第1端部21とは反対側に位置する第2端部22と、を含んでいる。円筒体20は、第1端部21から第2端部22にわたって中心軸線Cに沿って円筒状に延びている。円筒体20は、第1開口23と、第2開口24と、を含んでいる。第1開口23は、第1端部21に位置し、第2開口24は、第2端部22に位置している。
【0018】
円筒体20は、金属材料または硬質プラスチックで形成されていてもよい。例えば、円筒体20は、鉄鋼材料で形成されていてもよい。
【0019】
円筒体20の外径Dは、清掃対象の配管1の内径d(図5参照)よりも小さければ任意である。円筒体20の長さL1は、清掃対象の配管1の内周面2の清掃を行うことができれば任意である。例えば、長さL1は、配管1の配管開口端3(図5参照)から配管清掃用治具10を挿入した場合に、所望の位置まで清掃が可能な寸法として設定されてもよい。
【0020】
第1異物除去部30は、円筒体20の第1端部21に設けられている。第1異物除去部30は、第1方向D1に円筒体20を移動させた場合に異物4を削り取るように構成されている。第1方向D1は、円筒体20の第2端部22から第1端部21に向かう方向であり、配管清掃用治具10の前進方向に相当する。第1方向D1は、図1および図2における左方向に相当する。
【0021】
図3に示すように、第1異物除去部30は、拡径面31を含んでいる。拡径面31は、円筒体20の内周面20aから第1方向D1に向かって拡径する面である。拡径面31は第1開口23を画定している。拡径面31は、第1方向D1に向かって、徐々に拡径していてもよい。拡径面31は、中心軸線Cを含む断面で見たときに、直線上に延び、中心軸線Cに対して傾斜していてもよい。
【0022】
第1開口23は、第1異物除去部30で削り取られた異物4を回収する。すなわち、第1異物除去部30で削り取られた異物4は、第1開口23を通過することにより回収される。
【0023】
図1および図2に示すように、切欠部40は、円筒体20の第1端部21と第2端部22との間に設けられている。切欠部40は、円筒体20を切り欠いた部分である。切欠部40は、円筒体20を切り欠くことにより円筒体20に形成された切欠開口41を含んでいる。
【0024】
図3に示すように、第2異物除去部50は、上述した切欠部40に設けられている。第2異物除去部50は、第2方向D2に円筒体20を移動させた場合に異物4を削り取るように構成されている。第2方向D2は、第1方向D1とは反対の方向であり、配管清掃用治具10の後退方向に相当する。第2方向D2は、第1端部21から第2端部22に向かう方向であり、図1および図2における右方向に相当する。
【0025】
図3および図4に示すように、第2異物除去部50は、異物除去端面51を含んでいる。異物除去端面51は、上述した切欠部40の第1端部21の側で円筒体20に形成されている。本実施の形態による異物除去端面51は、円筒体20を切り欠くことによって形成された円筒体20の面である。
【0026】
異物除去端面51は、中心軸線Cに垂直に形成されていてもよい。異物除去端面51は、上述した切欠開口41を部分的に画定している。異物除去端面51は、半円リング状に形成されていてもよい。中心軸線Cに沿って見たときに異物除去端面51の内側に、上述した切欠開口41が延びている。
【0027】
切欠部40の第2端部22の側に、傾斜端面42が形成されていてもよい。傾斜端面42は、中心軸線Cに傾斜する方向に延びている。本実施の形態による傾斜端面42は、円筒体20を切り欠くことによって形成された円筒体20の端面である。傾斜端面42は、上述した切欠開口41を部分的に画定している。傾斜端面42は、半楕円リング状に形成されていてもよい。傾斜端面42の内側に、切欠開口41が延びている。
【0028】
切欠開口41は、異物除去端面51によって画定された開口であり、第2異物除去部50で削り取られた異物4を回収する。すなわち、第2異物除去部50で削り取られた異物4は、切欠開口41を通過することにより回収される。
【0029】
図3および図4に示すように、切欠部40の深さHは、第2異物除去部50で削り取られた異物4が切欠開口41を通過可能な寸法であればよい。例えば、切欠部40の深さHは、円筒体20の外径Dの半分の寸法であってもよい。中心軸線Cに沿った切欠部40の長さL2は、第2異物除去部50で削り取られた異物4が切欠開口41を通過可能な寸法であればよい。また、切欠部40の長さL2は、配管1の内周面2に付着している除去対象の異物4を収容することができる長さであってもよい。このことにより、円筒体20の外周面20bを、配管1の内周面2に容易に当接できる。
【0030】
図3に示すように、異物支持部60は、円筒体20の内側に形成されている。異物支持部60は、回収した異物4を支持するように構成されており、円筒体20の内周面20aのうちの下側部分に相当する。異物支持部60は、上述した第1開口23および切欠開口41に連通しているとともに、第2開口24に連通している。
【0031】
図1および図2に示すように、リング70は、第2端部22に位置している。リング70は、円筒体20に揺動可能に取り付けられている。より具体的には、円筒体20の第2端部22に、2つの貫通孔25が形成されている。2つの貫通孔25は、一直線状に位置づけられていてもよい。リング70は、各々の貫通孔25に挿入されており、これにより、円筒体20に対して揺動するように構成されている。リング70は、配管清掃用治具10を保管する際に用いられる部材であってもよい。例えば、図示しない壁に取り付けられたフックにリング70を掛けることにより、配管清掃用治具10をフックから吊り下げるようにして壁に保管してもよい。リング70の平面形状は、このようなフックに掛けることができれば、任意である。
【0032】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について図5図10を用いて説明する。ここでは、上述した配管清掃用治具10を用いた配管1の清掃作業について説明する。ここでは、配管1の内周面2に付着した、比較的硬い異物4(例えば、ポリエチレンやワックス成分などの樹脂)を除去する場合について説明する。
【0033】
図5に示すように、配管1の配管開口端3から、本実施の形態による配管清掃用治具10を配管1内に挿入する。円筒体20の外周面20bを、配管1の内周面2に当接させながら、第1方向D1または第2方向D2に移動させることにより、配管1の内周面2から異物4が除去される。
【0034】
配管清掃用治具10を第1方向D1(図5の左方向)に前進させて異物4を削り取る場合について説明する。この場合、配管清掃用治具10の円筒体20の外周面20bを配管1の内周面2に当接させながら、配管清掃用治具10を前進させる。図6に示すように、第1異物除去部30の拡径面31が、異物4を削り取る。削り取られた異物4は、第1開口23を通過して円筒体20の内側に入り込み、回収される。回収された異物4は、円筒体20の内側に形成された異物支持部60に支持される。
【0035】
このような作業を繰り返すことにより、図6に示すように、異物支持部60が蓄積される。
【0036】
異物支持部60が蓄積された状態で配管清掃用治具10を前進させると、図6に示すように、次の異物4に、第1異物除去部30の拡径面31が入り込む。配管清掃用治具10を更に前進させると、図7に示すように、配管1の内周面2から異物4が続けて削り取られて回収される。回収された異物4は、異物支持部60に支持されていた異物4を後方に押しのける。
【0037】
このようにして、配管清掃用治具10を前進させることにより、配管1の内周面2から異物4が削り取られ、異物支持部60に支持される。先に支持されていた異物4は後方に押し込められ、削り取られた異物4が順次回収される。後方に移動した異物4は、円筒体20の第2端部22(図1参照)に達し、第2開口24を通過して配管清掃用治具10から排出される。このようにして、配管清掃用治具10を前進させることにより、異物4が削り取られて回収されるとともに、回収された異物4の一部は、配管清掃用治具10から排出される。
【0038】
配管清掃用治具10を第2方向D2(図5の右方向)に後退させて異物4を削り取る場合について説明する。この場合、まず、図8に示すように、削り取ろうとする異物4が切欠部40に収容されるように、配管清掃用治具10の円筒体20の外周面20bを配管1の内周面2に当接させる。そして、外周面20bを内周面2に当接させながら、配管清掃用治具10を後退させる。図9に示すように、第2異物除去部50の異物除去端面51が、異物4を削り取る。削り取られた異物4は、切欠開口41を通過して円筒体20の内側に入り込み、回収される。回収された異物4は、円筒体20の内側に形成された異物支持部60に支持される。
【0039】
このようにして、配管1内に挿入した配管清掃用治具10を第1方向D1または第2方向D2に移動させることにより、配管1の内周面2に付着した異物4を削り取ることができる。このような削り取り作業は、図10に示すように、中心軸線Cに沿って見たときの周方向において異なる位置で順次行ってもよく、全周にわたって行われてもよい。なお、上述した清掃作業中、異物支持部60に支持されている異物4は、適切なタイミングで、円筒体20を配管1から抜き出して、円筒体20から排出させてもよい。
【0040】
このように本実施の形態によれば、円筒体20の第1端部21に設けられた第1異物除去部30が、円筒体20の内周面20aから第1方向D1に向かって拡径する拡径面31を含んでいる。円筒体20が、拡径面31によって画定された、第1異物除去部30で削り取られた異物4を回収する第1開口23を含んでいる。このことにより、円筒体20の外周面20bを配管1の内周面2に当接させながら、配管清掃用治具10を第1方向D1に移動させた場合、配管1の内周面2に付着していた異物4を容易に削り取ることができる。削り取られた異物4は、第1開口23を通過させることにより回収することができる。このため、配管1の内周面2に付着した異物4を容易に除去することができ、清掃作業性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、円筒体20の第1端部21と第2端部22との間に位置する切欠部40に設けられた第2異物除去部50が、切欠部40の第1端部21の側で円筒体20に形成された異物除去端面51を含んでいる。切欠部40が、第2異物除去部50で削り取られた異物4を回収する切欠開口41を含んでいる。このことにより、円筒体20の外周面20bを配管1の内周面2に当接させながら、配管清掃用治具10を第2方向D2に移動させた場合、配管1の内周面2に付着していた異物4を容易に削り取ることができる。削り取られた異物4は、切欠開口41を通過させることにより回収することができる。このため、配管1の内周面2に付着した異物4を容易に除去することができ、清掃作業性を向上させることができる。
【0042】
また、本実施の形態によれば、異物除去端面51は、円筒体20の中心軸線Cに垂直に形成されている。このことにより、第2異物除去部50は、配管1の内周面2に付着していた異物4をより一層容易に削り取ることができる。このため、清掃作業性をより一層向上させることができる。また、異物除去端面51を容易に形成することができる。
【0043】
また、本実施の形態によれば、円筒体20の内側に、回収した異物4を支持する異物支持部60が形成されている。異物支持部60は、第1開口23および切欠開口41に連通している。このことにより、第1開口23によって回収された異物4を支持することができるとともに、切欠開口41によって回収された異物4を支持することができる。このため、回収した異物4が、円筒体20の第1開口23から配管1内にこぼれ出ることを抑制できる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、円筒体20が、金属材料で形成されている。このことにより、円筒体20の剛性を高めることができ、異物4をより一層容易に削り取ることができる。
【0045】
また、本実施の形態によれば、円筒体20は、第2端部22に設けられた第2開口24を含んでいる。このことにより、第1異物除去部30および第2異物除去部50によって回収された異物4を、第2開口24を介して円筒体20の外部に排出することができる。このため、回収した異物4が、円筒体20の第1開口23から配管1内にこぼれ出ることを抑制できる。
【0046】
また、本実施の形態によれば、円筒体20の第2端部22に、円筒体20に揺動可能なリング70が設けられている。このことにより、保管場所にある壁のフックなどにリング70を掛けることができ、配管清掃用治具10を容易に保管することができる。
【0047】
なお、上述した本実施の形態においては、円筒体20に1つの切欠部40が形成されて、切欠部40の第1端部21の側に、第2異物除去部50を構成する異物除去端面51が形成されている例について説明した。しかしながら、このことに限られることはない。例えば、円筒体20に複数の切欠部40が形成されていてもよい。この場合、各々の切欠部40の第1端部21の側に、第2異物除去部50を構成する異物除去端面51が形成されていてもよい。この場合においても、各々の第2異物除去部50で削り取られた異物4を、対応する切欠開口41を通過させることにより回収することができ、清掃作業性を向上させることができる。
【0048】
本発明は上述した本実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 配管
2 内周面
4 異物
10 配管清掃用治具
20 円筒体
20a 内周面
21 第1端部
22 第2端部
23 第1開口
24 第2開口
30 第1異物除去部
31 拡径面
40 切欠部
41 切欠開口
50 第2異物除去部
51 異物除去端面
60 異物支持部
70 リング
C 中心軸線
D1 第1方向
D2 第2方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10