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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064595
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】電子装置及びヘッドライト
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20230501BHJP
   H01L 23/467 20060101ALI20230501BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20230501BHJP
   F21S 45/46 20180101ALI20230501BHJP
   F21S 45/60 20180101ALI20230501BHJP
   F21S 45/435 20180101ALI20230501BHJP
   F21S 41/143 20180101ALI20230501BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20230501BHJP
   F21V 29/508 20150101ALI20230501BHJP
   F21V 29/56 20150101ALI20230501BHJP
   F21V 29/65 20150101ALI20230501BHJP
   F21W 102/10 20180101ALN20230501BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20230501BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230501BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H01L23/46 C
H05K7/20 H
H05K7/20 M
F21S45/46
F21S45/60
F21S45/435
F21S41/143
F21V29/503
F21V29/508
F21V29/56
F21V29/65
F21W102:10
F21Y115:10
F21Y101:00 300
F21Y101:00 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174951
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】500308314
【氏名又は名称】佐々木 ベジ
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】230117802
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 浩之
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 ベジ
【テーマコード(参考)】
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
5E322AA01
5E322AA02
5E322AA10
5E322AB08
5E322BA01
5E322BA05
5E322BB07
5E322DA01
5E322DA04
5E322EA10
5E322FA01
5E322FA02
5E322FA04
5F136CA15
5F136CB06
5F136CB11
5F136CB27
5F136DA33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】高い冷却効果を期待できる電子装置及びヘッドライトを提供する。
【解決手段】電子装置は、電子部品100と、前記電子部品100と直接又は間接的に接触する接触部15と、前記接触部15内の流路20に前記流体を流入させるための流入部210と、前記接触部15内の流路20から流出される前記流体が流れる流出部220と、前記流出部220と前記流入部210との間に設けられた連結部400と、前記電子部品100、前記接触部15、前記流入部210及び前記流出部220を収容する収容部500と、を有する。前記連結部400の少なくとも一部は外部との境界領域で延在する。
【選択図】図13
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、
前記電子部品と直接又は間接的に接触する接触部と、
前記接触部内の流路に流体を流入させるための流入部と、
前記接触部内の流路から前記流体を流出させるための流出部と、
前記流出部と前記流入部との間に設けられた連結部と、
前記電子部品、前記接触部、前記流入部及び前記流出部を収容する収容部と、
を備え、
前記連結部の少なくとも一部は外部との境界領域で延在する電子装置。
【請求項2】
前記接触部は、前記電子部品が直接又は間接的に載置される冷却構造体であって、流体が流れる流路を有する冷却構造体である請求項1に記載の電子装置。
【請求項3】
前記連結部は、境界領域において、一方から他方に流体を流す第一連結部と、他方から一方に流体を流す第二連結部とを有する請求項1又は2のいずれかに記載の電子装置。
【請求項4】
境界領域において、前記第一連結部と前記第二連結部の断面積は略同一である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項5】
前記第一連結部における流体の流入口は境界領域における上方領域の上方位置に設けられ、前記第二連結部における流体の流入口は境界領域における下方領域の下方位置に設けられる請求項3又は4に記載の電子装置。
【請求項6】
境界領域における連結部の横断面の面積は、境界領域以外の領域における連結部の横断面の面積よりも大きい請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項7】
前記連結部は境界領域において蛇行して設けられる請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項8】
前記連結部は、境界領域において、一方から他方に流体を流す第一連結部と、他方から一方に流体を流す第二連結部とを有し、
前記第一連結部及び前記第二連結部の各々は境界領域において蛇行して設けられ、
前記第一連結部における流体の流入口は境界領域における上方領域の上方位置に設けられ、前記第二連結部における流体の流入口は境界領域における下方領域の下方位置に設けられる請求項1乃至7のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項9】
前記連結部の内面側に断熱構造部が設けられる請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子装置。
【請求項10】
発光体を有するヘッドライトにおいて、
前記発光体が直接又は間接的に接触する接触部と、
前記接触部内の流路に前記流体を流入させるための流入部と、
前記接触部内の流路から前記流体を流出させるための流出部と、
前記流出部と前記流入部との間に設けられた連結部と、
を備え、
前記連結部の少なくとも一部はヘッドライトのレンズ部に設けられるヘッドライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子装置及びヘッドライトに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器における集積回路装置等の電子部品は、大規模化、高機能化、高密度実装化等が進展しており、これに伴って動作時(使用時)の発熱量が増大する傾向にある。加えて、近年では、電気自動車、ロボット、再生可能エネルギの発電機等といった高圧大電流を必要とする技術開発が盛んになっている。そのため、電子部品の冷却を行う冷却構造については、冷却効果のより一層の向上が要求されている。
【0003】
このような背景の下に、電子部品の冷却構造としては、例えば、配線基板に搭載された集積回路装置で発生した熱を、その配線基板に形成された放熱ヴィア(貫通孔)を通じて、集積回路装置の搭載面と反対の面に設けられたヒートシンクに伝え、そのヒートシンクで放熱するように構成されたものがある。
【0004】
さらに進んで、より効果的な冷却構造体が特許文献1では提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018―160659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、さらに高い冷却効果を期待できる電子装置及びヘッドライトを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明による電子装置は、
電子部品と、
電子部品と直接又は間接的に接触する接触部と、
前記接触部内の流路に流体を流入させるための流入部と、
前記接触部内の流路から前記流体を流出させるための流出部と、
前記流出部と前記流入部との間に設けられた連結部と、
前記電子部品、前記接触部、前記流入部及び前記流出部を収容する収容部と、
を備え、
前記連結部の少なくとも一部は外部との境界領域で延在してもよい。
【0008】
本発明によるヘッドライトは、発光体を有し、
前記発光体が直接又は間接的に接触する接触部と、
前記接触部内の流路に前記流体を流入させるための流入部と、
前記接触部内の流路から前記流体を流出させるための流出部と、
前記流出部と前記流入部との間に設けられた連結部と、
を備え、
前記連結部の少なくとも一部はヘッドライトのレンズ部に設けられてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、さらに高い冷却効果を期待できる電子装置及びヘッドライトを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は本発明の実施の形態による電子装置の一例であるヘッドライトの平面図である。
図2図2は本発明の実施の形態によるヘッドライトのレンズ部における流体の流れの一例を示した側方図である。
図3図2は本発明の実施の形態によるヘッドライトのレンズ部近傍の第一連結部及び第二連結部の一例を示した側方図である。
図4図4(a)は本発明の実施の形態によるヘッドライトを上方から見た平面図であり、図4(b)は本発明の実施の形態によるヘッドライトを下方から見た底面図である。
図5図5(a)は本発明の実施の形態で用いられうる境界領域に設けられる連結部の横断面図であり、図5(b)は本発明の実施の形態で用いられうる境界領域以外の領域に設けられる連結部の横断面図である。
図6図6は本発明の実施の形態で用いられうる境界領域に設けられる連結部の別の例を示した横断面図である。
図7図7は本発明の実施の形態によるヘッドライトのレンズ部内における第一連結部及び第二連結部の一例を示した概略図である。
図8図8は本発明の実施の形態によるヘッドライトのレンズ部内における第一連結部及び第二連結部の別の例を示した概略図である。
図9図9は本発明の実施の形態による冷却構造体、絶縁基板、熱伝導板等の一例を示した断面図である。
図10図10は本発明の実施の形態による冷却構造体、絶縁基板、熱伝導板等の別の例を示した断面図である。
図11図11は本発明の実施の形態の別の態様による冷却構造体、絶縁基板、熱伝導板等の別の例を示した断面図である。
図12図12は本発明の実施の形態で用いられうる第一連結部及び第二連結部の一例を説明するための図である。
図13図13は本発明の実施の形態において、冷却構造体ではない接続部が採用された態様を示したヘッドライトの平面図である。
図14図14は本発明の実施の形態において、連結部にフィン等の冷却体が設けられた態様を示したヘッドライトの平面図である。
図15図15は本発明の実施の形態において、連結部内の流路がサイドミラーを通過し、サイドミラーによって冷やされた流体が境界領域に流れ込む態様を示したヘッドライトの平面図である。
図16図16は本発明の実施の形態において、連結部にフィン等の冷却体が設けられ、かつ連結部内の流路がサイドミラーを通過し、サイドミラーによって冷やされた流体が境界領域に流れ込む態様を示したヘッドライトの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1に示すように、本実施の形態の電子装置は、電子部品100と、電子部品100が直接又は間接的に載置される接触部15の一例である冷却構造体10であって、流体が流れる流路20を有する冷却構造体10と、冷却構造体10の流路20に流体を流入させるための流入管等からなる流入部210と、冷却構造体10の流路20から流出させるための流出管等からなる流出部220と、流出部220と流入部210との間に設けられた連結部400と、電子部品100、冷却構造体10、流入部210及び流出部220を収容する収容部500と、を有してもよい。連結部400の少なくとも一部は外部との境界領域で延在してもよい。流入部210及び流出部220と連結部400とは同じ部材からなり、一体になってもよい。なお、流入部210及び流出部220と連結部400とが同じ部材からなり、一体になっている場合には、流路20の流入口から10cmまでの距離を流入部210と呼び、流路20の流出口から10cmまでの距離を流出部220と呼ぶ。また、図11に示すように連結部400の内面に断熱構造部480が設けられてもよい。断熱構造部480は空気、真空、発泡ウレタン等の断熱材によって実現されてもよい。断熱構造部480は光を遮断しないよう、透明な部材から構成されてもよい。断熱構造部480が透明でない場合には、連結部400の内面において部分的に断熱構造部480が設けられてもよい。本実施の形態の連結部400は透明な部材から構成されている。
【0012】
なお、本実施の形態では、主として接触部15として冷却構造体10を用いて説明するが、冷却構造体10は必ずしも用いられる必要はない(図13参照)。接触部15はプラスチック素材からなってもよく、プラスチックからなる導管であってもよい。そして、この導管内に流入部210から流体が流入し、流出部220へと流体が流出してもよい。また、接触部15は銅等の金属からなる導管によって構成されてもよく、この場合には電子部品100からの熱によって流体を加熱しやすくなり、その結果として、ヘッドライト等に付着した雪等を溶かすことも容易になる。
【0013】
図14及び図16に示すように、連結部400にフィン等の冷却体700が設けられてもよい。また、図15及び図16に示すように、連結部400内の流路がサイドミラー800を通過し、サイドミラー800によって冷やされた流体が境界領域に流れ込むようにしてもよい。サイドミラー800には走行風を取り込む開口が設けられており、開口を介して走行風が取り込まれて、境界領域に流れ込むようにしてもよい。この場合には、流体は空気からなってもよい。
【0014】
流体は空気等の気体であってもよいし、水、油等の液体であってもよい。なお、流体として空気を用いた場合には、管理が簡便である点で有益であるし、万が一漏れた場合にも電子部品100が汚れたり破損したりする可能性を低減できる点で有益である。
【0015】
境界領域とは、外気等に晒される外部に隣接した領域であり、例えば、収容部500内の領域であって、収容部500のうち外部に隣接した領域である。また、連結部400が収容部500の外方で延在する場合には、収容部500の外方に位置する連結部400は境界領域に位置付けられることになる。
【0016】
図3に示すように、連結部400は、境界領域において、一方から他方に流体を流す第一連結部410と、他方から一方に流体を流す第二連結部420とを有してもよい。なお、連結部400は、3つ以上に枝分かれしており、連結部400が第n連結部(「n」は3以上の整数である。)を有してもよい。この場合には、例えば第p連結部(「p」は1、3、5等の奇数である。)では一方から他方に流体が流れ、第q連結部(「q」は2、4、5等の偶数である。)では他方から一方に流体が流れるようにしてもよい。
【0017】
境界領域において、第一連結部410において空気等の流体が前方側から見て右側から左側に流れるように構成され、第二連結部420において空気等の流体が前方側から見て左側から右側に流れるように構成されてもよい(図3参照)。ただし、これに限られることはなく、境界領域において、第一連結部410において空気等の流体が上方か下方に流れるように構成され、第二連結部420において空気等の流体が下方から上方に流れるように構成されてもよい。このように第一連結部410と第二連結部420で境界領域における流体の流れの方向を異ならせることで、より効果的に流体を冷却することができる。このように分岐することなく一方から他方へ流体が流れるだけであった場合には、一方側でのみ高い温度の流体が流れ込むことになり冷却効果が下がってしまう。この点、第一連結部410と第二連結部420で流体の流れを異ならせることで、一方側と他方側の両側において流体を効果的に冷却することができる。
【0018】
境界領域において、第一連結部410と第二連結部420の断面積は略同一であってもよい。本実施の形態において「略同一」とは大きな値の±5%以内の範囲にあることを意味し、境界領域における第一連結部410の断面積A1が境界領域における第二連結部420の断面積A2以上である場合には0.95×A1≦A2≦1.05×A1となり、境界領域における第一連結部410の断面積A1が境界領域における第二連結部420の断面積A2よりも小さい場合には、0.95×A2≦A1≦1.05×A2となることを意味している。境界領域における第一連結部410と第二連結部420の断面積を略同一とすることで、境界領域において第一連結部410内を流れる流体と境界領域において第二連結部420内を流れる流体の量を略同一とすることができ、効果的に冷却をすることができる。
【0019】
連結部400には、流体を加速させたり流れる力を上昇させたりするポンプやコンプレッサといった駆動部600が設けられ、当該駆動部600の駆動力によって流体が、連結部400、流入部210、流路20、流出部220、連結部400と順に流れるようになってもよい。このような駆動部600を設けることで、流体の流れをスムーズにすることができ、より効果的に流体を冷却することができる。なお、連結部400と流出部220及び/又は流入部210とが連結されず、駆動部600によって空気等の気体を循環させることで、ヘッド部510に設けられた連結部400内に空気等の気体を循環させるようにしてもよい(図2参照)。
【0020】
連結部400は連結管からなってもよい。連結部400の横断面は境界領域において、その他の領域と比較して大きくなってもよい。このように境界領域における連結部400の横断面を大きくすることで、冷却効果を高めることができる。境界領域における連結部400の横断面は長円形状といった扁平形状となってもよい。このような形状を採用することで、表面積を大きくすることができ、冷却効果を高めることができる。なお、図5(a)は境界領域における連結部400の横断面の一例であり、図5(b)は境界領域以外の領域における連結部400の横断面の一例である。境界領域における連結部400の横断面の面積は、境界領域以外の領域における連結部400の横断面の面積の1.5倍以上となってもよく、3倍以上となってもよい。上限として、境界領域における連結部400の横断面の面積は、境界領域以外の領域における連結部400の横断面の面積の10倍以下となってもよい。横断面の面積が変化する場合には、境界領域における連結部400の横断面の最大の面積と、境界領域以外の領域における連結部400の横断面の最大の面積との関係が上記関係となり、例えば1.5倍以上10倍以下となってもよい。
【0021】
また、図6に示すように、境界領域における連結部400の内周面は横断面において凹凸形状を有してもよい。このような形状を採用することで、やはり表面積を大きくすることができ、冷却効果を高めることができる。また、境界領域における連結部400の外周面においても凹凸形状が設けられてもよい。
【0022】
本実施の形態の電子装置はヘッドライトであってもよく、車に設置されるヘッドライトであってもよい。この場合、電子部品100はLED、蛍光灯、白熱灯等の発光体100aを有している(図1参照)。
【0023】
連結部400の少なくとも一部はヘッドライトの前方領域に設けられてもよい。前方領域とは、ヘッドライトの前後方向の中心よりも前方側のことを意味している。連結部400の少なくとも一部がヘッドライトの投影レンズといったレンズ部510に設けられてもよい。この態様では、レンズ部510が境界領域を構成している。なお、寒さの低い地域ではヘッドライトのレンズ部510が凍結してしまう可能性があるが、本態様によれば、温められた流体によってヘッドライトのレンズ部510を温めることができる。このため、レンズ部510に氷が付着することを防止し、発光体100aからの光が氷等で遮られることを防止できる。
【0024】
レンズ部510内に連通孔が設けられ、当該連通孔が連結部400を構成してもよい。ただし、これに限られることはなく、連結部400はレンズ部510の外方に設けられ、連結部400がレンズ部510の外方で外気に晒されるようにしてもよい。
【0025】
連通孔は、一方から他方に流体を流す第一連結部410である第一連通孔(平面図である図4(a)参照)と、他方から一方に流体を流す第二連結部420である第二連通孔(底面図である図4(b)参照)とを有してもよい。境界領域に位置する第一連通孔の断面積と第二連通孔の断面積とは略同一となってもよい。
【0026】
レンズ部510内で連結部400は直線状に延在してもよいが、図7で示すように、蛇行して設けられてもよい。このように連結部400が蛇行することで、流体を効率よく冷却することができる。なお図7では、上側に位置する第一連結部410では上下方向で移動しつつ図7の紙面正面側から見て左側から右側へと流体が流れており、下側に位置する第二連結部420では上下方向で移動しつつ図7の紙面正面側から見て右側から左側へと流体が流れている。図7に示すように、第一連結部410の流入口がレンズ部510の上方領域の上方位置(好ましくは第一連結部410の上端位置)に位置付けられ、第二連結部420の流出口がレンズ部510の下方領域の上方位置に位置付けられ、かつ第一連結部410の流出口がレンズ部510の上方領域の下方位置に位置付けられ、第二連結部420の流入口がレンズ部510の下方領域の下方位置(好ましくは第二連結部420の下端位置)に位置付けられることで、温度の高い流体が流入する第一連結部410の流入口と第二連結部420の流入口を互いに大きく離間させることができる。このため高い冷却効果を期待できる。なお、レンズ部510の上方領域とはレンズ部510の上下方向の中心位置よりも上方側の領域を意味し、レンズ部510の下方領域とはレンズ部510の上下方向の中心位置よりも下方側の領域を意味している。また上方領域の上方位置とは、上方領域の上下方向の中心位置よりも上方側の領域を意味し、下方領域の下方位置とは、下方領域の上下方向の中心位置よりも下方側の領域を意味している。
【0027】
温度の高い流体を互いに離間させる態様としては、図8に示すように、温度の高い流体が流入する第一連結部410の流入口を上方領域の上方位置(好ましくは第一連結部410の上端位置)に位置付け、第二連結部420の流入口を下方領域の下方位置(好ましくは第二連結部420の下端位置)に位置付けて互いに大きく離間させつつ、第一連結部410及び第二連結部420が左右方向に延在するようにしてもよい。
【0028】
なお、第一連結部410及び第二連結部420が直線状に延在する態様でも、温度の高い流入口は離間させた方がよいことから、第一連結部410の流入口を上方領域の上方位置(好ましくは第一連結部410の上端位置)に位置付け、第二連結部420の流入口を下方領域の下方位置(好ましくは第二連結部420の下端位置)に位置付けるようにしてもよい。
【0029】
第一連結部410及び第二連結部420は折れ曲がった形状であってもよいし、渦を巻いてもよいし、ジグザグな形状となってもよい(図12の符号410a及び410b参照)。また、第一連結部410及び第二連結部420は外部から伝わった冷えが孔の中の流体の熱をより多く吸収できる構造があってもよい。
【0030】
図9に示すように、冷却構造体10の冷却構造本体5内に流路20が設けられてもよい。流路20は、冷却構造本体5内で直線状に延在してもよいし、面内方向で蛇行するようにして設けられてもよい。なお、面内方向とは図9における左右方向と紙面の表裏方向とを含む面内の方向を意味している。冷却構造体10内の流路20は冷却構造体10の隅々まで蛇行しながら廻って設けられてもよく、様々な形状を採用することができる。
【0031】
冷却構造体10は、例えばヒートシンクであり、放熱フィン6を有してもよい。放熱フィン6内に流路20が設けられてもよく、冷却構造本体5内及び放熱フィン6内の両方に流路20が設けられてもよい(図10参照)。
【0032】
本実施の形態において「直接」「載置される」というのは何も介さずに載置される態様を意味し、「間接的に載置される」というのは何らしかの部材を介して載置される態様を意味する。そして、電子部品100は絶縁基板70、放熱絶縁シート等を介して間接的に載置面に載置されてもよいし、載置面に直接載置されてもよい。冷却構造体10と絶縁基板70との間には熱伝導板60が設けられてもよい。冷却構造体10は放熱フィン6を有しておらず、例えば放熱ブロックのようなものであってもよい(図7及び図8参照)。
【0033】
熱伝導板60としては、排熱性の高い排熱板を用いてもよいし冷却機能を有する冷却板を用いてもよい。熱伝導板60と冷却構造体10とは異なる材料から構成されてもよいし、同じ材料から構成されてもよい。一例として、熱伝導板60の材料として第一金属を用い、冷却構造体10の材料として第二金属を用いてもよく、例えば、熱伝導板60の材料として銅を含有する材料を用い、冷却構造体10の材料としてアルミニウムを含有する材料を用いてもよい。また、熱伝導板60の材料として金属を用い、冷却構造体10の材料として非金属を用いてもよく、例えば、熱伝導板60の材料として銅又はアルミニウムを含有する材料を用い、冷却構造体10の材料としてセラミックを含有する材料を用いてもよい。冷却構造体10の形状は特に限定されず、大きな金属の塊によって構成されてもよい。
【0034】
絶縁基板70は、電子部品100が搭載される例えば板状のものである。絶縁基板70の表面には、電気回路を形成する銅等の金属からなる回路パターン50が形成されており、その回路パターン50に電子部品100がはんだ等の導電性接着剤を介して取り付けられるようになってもよい。
【0035】
絶縁基板70に搭載される電子部品100としては、様々な種類のものが適用され得るが、電子部品100であればその種類を特に限定されるものではなく、例えば発光ダイオードやパワーデバイス等の半導体チップ、MPU(CPU)等の集積回路装置、トランジスタやコンデンサ等の電源部品等であってもよい。
【0036】
なお、熱伝導板60は、必ずしも単一の板状部材である必要はなく、例えば複数層が積層されてなる多層構造のものであってもよい。具体的には、熱伝導板60は、側面視で中間層を形成する板材と、その板材の上表面と下表面とを覆うように設けられる金属層と、を備えたものであってもよい。
【0037】
上述した各実施の形態の記載、変形例及び図面の開示は、特許請求の範囲に記載された発明を説明するための一例に過ぎず、上述した実施の形態の記載又は図面の開示によって特許請求の範囲に記載された発明が限定されることはない。
【0038】
10 冷却構造体
20 流路
100 電子部品
210 流入部
220 流出部
400 連結部
410 第一連結部
420 第二連結部
500 収容部
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