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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064606
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】配達システム及び配達方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/083 20230101AFI20230501BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174969
(22)【出願日】2021-10-26
(71)【出願人】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 憲昭
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】特定の配達業者に対してシャッター付き車庫やシャッター付き物置を指定場所として置き配可能とする。
【解決手段】シャッター10を備えた車庫は、操作スイッチ18の操作に対応して制御装置17がシャッターの開閉動作を電動で実行するように構成されている。居住者所有携帯通信端末701,702は、画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備え、アプリケーションソフトの起動によって操作スイッチとして機能し、無線通信機能によって宅内又は宅外のネットワークを介して制御装置に接続され、離間した場所から制御装置に制御信号を送信してシャッターの開閉動作を操作できる。また、配達業者所有携帯通信端末703,704は、荷物の配達又は集荷の際に居住者所有携帯通信端末に対して配達又は集荷する旨の通知を、宅外ネットワークを経由して送信する。これによって、車庫内において荷物を配達又は集荷できるようにする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉部材を移動させることによって建築物の開口部を開閉する開閉体手段と、
前記開口部の周縁部に設けられた操作スイッチ手段と、
前記操作スイッチ手段からの制御信号に応じて前記開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段と、
画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備え、アプリケーションソフトの起動によって前記操作スイッチ手段として機能し、前記無線通信機能によって宅内ネットワーク又は宅外ネットワークを介して前記制御手段に接続され、前記操作スイッチ手段を操作することができない離間した場所から前記制御手段に制御信号を送信して前記開閉体手段の開閉動作を操作できるように構成された居住者所有の携帯通信端末手段と、
配達業者による荷物の配達又は集荷の際に前記配達業者から配達先の居住者の所有する前記居住者携帯通信端末手段に対して配達又は集荷する旨の通知を、前記宅外ネットワークを経由して送信する配達業者所有の携帯通信端末手段と
を備えたことを特徴とする配達システム。
【請求項2】
請求項1に記載の配達システムにおいて、
前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者所有の携帯通信端末手段は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記配達業者所有の携帯通信端末手段のカメラ機能で撮影された前記開口部内外の映像を受信し、前記映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることを特徴とする配達システム。
【請求項3】
請求項1に記載の配達システムにおいて、
前記開口部付近に設けられたカメラ手段の撮影した前記開口部内外の映像を、前記宅内ネットワーク又は前記宅外ネットワークを経由して前記居住者携帯通信端末手段に表示させるネットワークカメラ手段を備え、
前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記開口部内外の映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることを特徴とする配達システム。
【請求項4】
請求項1に記載の配達システムにおいて、
前記開口部の周縁部に配置されたコード情報を読み取る読取手段と、
前記コード情報の発行申請を前記宅外ネットワーク経由で受信し、受信した前記発行申請が事前に登録されている認証用データと一致する場合に、前記登録コード情報に一致するコード情報を前記宅外ネットワーク経由で前記配達業者所有の携帯通信端末手段に送信するサーバ手段とを備え、
前記配達業者所有の携帯通信端末手段は、前記開閉体手段の開閉に関するコード情報の発行申請を、前記宅外ネットワークを経由して前記サーバ手段に送信し、前記サーバ手段から受信した前記コード情報を画面上に表示し、
前記読取手段は、前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報を読み取り、
前記制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報に基づいて前記開閉体手段の開閉動作を実行することを特徴とする配達システム。
【請求項5】
開閉部材を移動させることによって建築物の開口部を開閉する開閉体手段と、前記開口部の周縁部に設けられた操作スイッチ手段と、前記操作スイッチ手段からの制御信号に応じて前記開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段とを備えた前記建築物内において荷物を配達又は集荷する配達方法であって、
画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備え、アプリケーションソフトの起動によって前記操作スイッチ手段として機能し、前記無線通信機能によって宅内ネットワーク又は宅外ネットワークを介して前記制御手段に接続され、前記操作スイッチ手段を操作することができない離間した場所から前記制御手段に制御信号を送信して前記開閉体手段の開閉動作を操作できるように構成された居住者所有の携帯通信端末手段と、
配達業者による荷物の配達又は集荷の際に前記配達業者から配達先の居住者の所有する前記居住者携帯通信端末手段に対して配達又は集荷する旨の通知を、前記宅外ネットワークを経由して送信する配達業者所有の携帯通信端末手段とを用いて前記建築物内において荷物を配達又は集荷することを特徴とする配達方法。
【請求項6】
請求項5に記載の配達方法において、
前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者所有の携帯通信端末手段は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記配達業者所有の携帯通信端末手段のカメラ機能で撮影された前記開口部内外の映像を受信し、前記映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることを特徴とする配達方法。
【請求項7】
請求項5に記載の配達方法において、
前記開口部付近に設けられたカメラ手段の撮影した前記開口部内外の映像を、前記宅内ネットワーク又は前記宅外ネットワークを経由して前記居住者携帯通信端末手段に表示させるネットワークカメラ手段を備え、
前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記開口部内外の映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることを特徴とする配達方法。
【請求項8】
請求項5に記載の配達方法において、
前記開口部の周縁部に配置されたコード情報を読み取る読取手段と、
前記コード情報の発行申請を前記宅外ネットワーク経由で受信し、受信した前記発行申請が事前に登録されている認証用データと一致する場合に、前記登録コード情報に一致するコード情報を前記宅外ネットワーク経由で前記配達業者所有の携帯通信端末手段に送信するサーバ手段とを備え、
前記配達業者所有の携帯通信端末手段は、前記開閉体手段の開閉に関するコード情報の発行申請を、前記宅外ネットワークを経由して前記サーバ手段に送信し、前記サーバ手段から受信した前記コード情報を画面上に表示し、
前記読取手段は、前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報を読み取り、
前記制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報に基づいて前記開閉体手段の開閉動作を実行することを特徴とする配達方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を配達する配達システム及び配達方法に係り、特に遠隔操作可能な開閉体装置を備えた建築物内に荷物を置くことによって配達を完了する配達システム及び配達方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、荷物を配達する際に、荷物を対面して渡すのではなく、指定された場所に置くことで配達を完了とする置き配が主流となりつつある。一般的に置き配では、指定場所として、玄関ドア前、置き配バッグ、宅配ボックス、車庫、物置、自転車籠、建物内受付(管理人対面配達)などを指定することができるようになっている。このような置き配に関する配達システムについては、特許文献1,2が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6846099号
【特許文献2】特許第6880274号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の配達システムは、置き配における受取証に替わるシステムを提供し、受取人及び配達人の負担を軽減することを目的とし、家31の玄関ドア32の前に荷物50を置き、配達人の携帯端末21aで、荷物50に貼り付けられたバーゴード52と、玄関ドア32に掛けられた意思表示標識のバーコード34とを連続して読み取る。読み取った情報をサーバに送り、バーコード34に登録されている識別情報と、バーコード52に登録されている配達先情報を照合し、合致している場合には、配達完了として、携帯端末21aから配達伝票を出力してポスト口33に投函するとともに、受取人端末には、配達完了メールを通知するものである。
【0005】
特許文献2に記載の配達システムは、置き配の実効性を高めることを目的とし、受取人不在でも配達先における所定場所に配達物を配達する置き配の指定を行うユーザー端末と、配達業者が置き配の終了を入力する業者端末と、置き配の進捗状況を管理する管理サーバとを有する配達システムであって、ユーザー端末は、置き配の指定を行う置き配指定画面を表示するユーザー表示部と、ユーザー端末を制御するユーザー制御部とを備え、業者端末は、置き配の終了を入力する置き配終了入力画面を表示する業者表示部と、業者端末を制御する業者制御部とを備え、管理サーバは、置き配の情報を記憶する置き配データベースと、管理サーバを制御するサーバ制御部とを備えるものである。
【0006】
特許文献1,2に記載の配達システムは、荷物を玄関前などの外から他人の目に触れる場所等へ配達することによって配達完了としているため、防犯上好ましくない場合がある。置き配の指定場所として、置き配バッグ、宅配ボックス、車庫、物置などのように外から見えない場所を指定することもできるが、いずれの指定場所も配達業者及びその従業員を信用していないとできないシステムである。ところが、配達業者の従業員には正社員、契約社員、パート、アルバイトなどのさまざまな人々が従事しているため、必ずしも防犯上安全という保証があるわけではないのが現状である。従って、配達システムの利用者にとってはシャッター付き車庫やシャッター付き物置などの外から見えない建築物内を指定することへの躊躇があることは否めない。
【0007】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、特定の配達業者に対して建築物内を指定場所として配達又は集荷することのできる配達システム及び配達方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る配達システムの第1の特徴は、開閉部材を移動させることによって建築物の開口部を開閉する開閉体手段と、前記開口部の周縁部に設けられた操作スイッチ手段と、前記操作スイッチ手段からの制御信号に応じて前記開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段と、画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備え、アプリケーションソフトの起動によって前記操作スイッチ手段として機能し、前記無線通信機能によって宅内ネットワーク又は宅外ネットワークを介して前記制御手段に接続され、前記操作スイッチ手段を操作することができない離間した場所から前記制御手段に制御信号を送信して前記開閉体手段の開閉動作を操作できるように構成された居住者所有の携帯通信端末手段と、配達業者による荷物の配達又は集荷の際に前記配達業者から配達先の居住者の所有する前記居住者携帯通信端末手段に対して配達又は集荷する旨の通知を、前記宅外ネットワークを経由して送信する配達業者所有の携帯通信端末手段とを備えたことにある。
建築物は、家屋、ビル、工場、倉庫、物置、車庫など含むものである。開閉体手段は、ガレージシャッター装置、シャッター装置、ロールスクリーン装置、引戸装置、開き扉装置、移動間仕切装置、門扉装置などである。これらの開閉体手段が建築物の一箇所又は複数個所に設けられている。
この発明では、画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備え、アプリケーションソフトの起動によって操作スイッチ手段として機能し、無線通信機能によって宅内ネットワーク又は宅外ネットワークを介して制御手段に接続され、操作スイッチ手段を操作することができない離間した場所から制御手段に制御信号を送信して開閉体手段の開閉動作を操作できるように構成された居住者所有の携帯通信端末手段と、配達業者による荷物の配達又は集荷の際に配達業者から配達先の居住者の所有する居住者携帯通信端末手段に対して配達又は集荷する旨の通知を、宅外ネットワークを経由して送信する配達業者所有の携帯通信端末手段とを用いて開閉制御システムを制御して、建築物内において荷物を配達又は集荷できるようにした。これによって、特定の配達業者に対して建築物内を指定場所として配達又は集荷することができるという効果を奏する。なお、通知には、電話、LINE、ショートメール等による送受信連絡手段によって、直接の通話を含む音声で通知するものや文字などで通知するものなどの各種通知手段を含む。
【0009】
本発明に係る配達システムの第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の配達システムにおいて、前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者所有の携帯通信端末手段は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記配達業者所有の携帯通信端末手段のカメラ機能で撮影された前記開口部内外の映像を受信し、前記映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることにある。
これは、居住者所有の携帯通信端末手段と配達業者所有の携帯通信端末手段との間で宅外ネットワークの通信回線を介して送受信し、配達業者所有の携帯通信端末手段のカメラ機能で撮影された開口部内外の映像を受信し、受信した映像を確認しながら開閉体手段の開閉動作を制御して配達又は集荷を完了させるようにしたものである。
【0010】
本発明に係る配達システムの第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の配達システムにおいて、前記開口部付近に設けられたカメラ手段の撮影した前記開口部内外の映像を、前記宅内ネットワーク又は前記宅外ネットワークを経由して前記居住者携帯通信端末手段に表示させるネットワークカメラ手段を備え、前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記開口部内外の映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることにある。
これは、居住者所有の携帯通信端末手段と配達業者所有の携帯通信端末手段との間で宅外ネットワークの通信回線を介して送受信し、居住者はネットワークカメラ手段で撮影された開口部内外の映像を確認しながら開閉体手段の開閉動作を制御して配達又は集荷を完了させるようにしたものである。
【0011】
本発明に係る配達システムの第4の特徴は、前記第1の特徴に記載の配達システムにおいて、前記開口部の周縁部に配置されたコード情報を読み取る読取手段と、前記コード情報の発行申請を前記宅外ネットワーク経由で受信し、受信した前記発行申請が事前に登録されている認証用データと一致する場合に、前記登録コード情報に一致するコード情報を前記宅外ネットワーク経由で前記配達業者所有の携帯通信端末手段に送信するサーバ手段とを備え、前記配達業者所有の携帯通信端末手段は、前記開閉体手段の開閉に関するコード情報の発行申請を、前記宅外ネットワークを経由して前記サーバ手段に送信し、前記サーバ手段から受信した前記コード情報を画面上に表示し、前記読取手段は、前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報を読み取り、前記制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報に基づいて前記開閉体手段の開閉動作を実行することにある。
これは、読取手段によって読み取られたコード情報が事前に登録されている認証用データと一致する場合に、登録コード情報に一致するコード情報を前記宅外ネットワーク経由で配達業者所有の携帯通信端末手段に送信するサーバ手段を備えている。配達業者所有の携帯通信端末手段から開閉体手段の開閉に関するコード情報の発行申請をサーバ手段に送信することによって、サーバ手段から受信したコード情報が配達業者所有の携帯通信端末手段の画面上に表示されるようになるので、そのコード情報を読取手段に読み取らせることによって開閉体手段の開閉動作を制御して配達又は集荷を完了させるようにしたものである。
【0012】
本発明に係る配達方法の第1の特徴は、開閉部材を移動させることによって建築物の開口部を開閉する開閉体手段と、前記開口部の周縁部に設けられた操作スイッチ手段と、前記操作スイッチ手段からの制御信号に応じて前記開閉体手段の開閉動作を電動にて制御する制御手段とを備えた前記建築物内において荷物を配達又は集荷する配達方法であって、画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備え、アプリケーションソフトの起動によって前記操作スイッチ手段として機能し、前記無線通信機能によって宅内ネットワーク又は宅外ネットワークを介して前記制御手段に接続され、前記操作スイッチ手段を操作することができない離間した場所から前記制御手段に制御信号を送信して前記開閉体手段の開閉動作を操作できるように構成された居住者所有の携帯通信端末手段と、配達業者による荷物の配達又は集荷の際に前記配達業者から配達先の居住者の所有する前記居住者携帯通信端末手段に対して配達又は集荷する旨の通知を、前記宅外ネットワークを経由して送信する配達業者所有の携帯通信端末手段とを用いて前記建築物内において荷物を配達又は集荷することにある。
これは、前記配達システムの第1の特徴に対応した配達方法の発明である。
【0013】
本発明に係る配達方法の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の配達方法において、前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者所有の携帯通信端末手段は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記配達業者所有の携帯通信端末手段のカメラ機能で撮影された前記開口部内外の映像を受信し、前記映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることにある。
を特徴とする配達方法。
これは、前記配達システムの第2の特徴に対応した配達方法の発明である。
【0014】
本発明に係る配達方法の第3の特徴は、前記第1の特徴に記載の配達方法において、前記開口部付近に設けられたカメラ手段の撮影した前記開口部内外の映像を、前記宅内ネットワーク又は前記宅外ネットワークを経由して前記居住者携帯通信端末手段に表示させるネットワークカメラ手段を備え、
前記配達業者から前記配達又は集荷する旨の通知を受信した居住者は、前記宅外ネットワークを介して前記配達業者所有の携帯通信端末手段に指示を送信すると共に前記開口部内外の映像を確認しながら前記開閉体手段の開閉動作を制御して前記配達又は集荷を完了させることにある。
これは、前記配達システムの第3の特徴に対応した配達方法の発明である。
【0015】
本発明に係る配達方法の第4の特徴は、前記第1の特徴に記載の配達方法において、前記開口部の周縁部に配置されたコード情報を読み取る読取手段と、前記コード情報の発行申請を前記宅外ネットワーク経由で受信し、受信した前記発行申請が事前に登録されている認証用データと一致する場合に、前記登録コード情報に一致するコード情報を前記宅外ネットワーク経由で前記配達業者所有の携帯通信端末手段に送信するサーバ手段とを備え、前記配達業者所有の携帯通信端末手段は、前記開閉体手段の開閉に関するコード情報の発行申請を、前記宅外ネットワークを経由して前記サーバ手段に送信し、前記サーバ手段から受信した前記コード情報を画面上に表示し、前記読取手段は、前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報を読み取り、前記制御手段は、前記読取手段によって読み取られた前記配達業者所有の携帯通信端末手段に表示されている前記コード情報に基づいて前記開閉体手段の開閉動作を実行することにある。
これは、前記配達システムの第4の特徴に対応した配達方法の発明である。
【発明の効果】
【0016】
本発明の配達システム及び配達方法によれば、特定の配達業者に対して建築物内を指定場所として配達又は集荷することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明に係る配達システムの概略構成を示す図である。
図2】この実施の形態に係る配達システムが実行する処理を示すフローチャート図である。
図3】置き配の指定場所が自由に出入りすることのできないシャッター付き車庫・シャッター付き物置内の場合における配達システムの一例を示す図である。
図4】依頼者が常時確認していない場合でもシャッター付き車庫又はシャッター付き物置内への置き配を可能とした配達システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下添付図面に従って本発明に係る配達システムの好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では置き配の指定場所としてシャッター付き車庫(ガレージ)を指定する場合について説明する。図1は、本発明に係る配達システムの概略構成を示す図である。この配達システムは、指定場所である車庫の出入口に設けられるガレージシャッター10と、このガレージシャッター10の開閉動作を制御する開閉制御システムとから構成される。
【0019】
ガレージシャッター10は、シャッターケース11、シャッターカーテン12、ガイドレール13,14、モータ15、シャッター駆動回路16、開閉体制御装置17、操作スイッチ18などから構成される。これ以外の巻取シャフトやチェーンなどについては図示を省略してある。
【0020】
開閉制御システムは、サーバ100、アクセスポイント(Wireless LAN access point)60、ISP(Internet Service Provider)90~93、インターネット94及び移動体通信網(無線網)95,96を含むネットワークから基本的に構成され、このネットワークを介してそれぞれ接続される携帯通信端末701~704を含んで構成される。
【0021】
携帯通信端末701は宅内で操作される場合を示し、携帯通信端末702,703はシャッター装置から離間した位置で操作される場合を示し、携帯通信端末704はガレージシャッター10の近傍で操作される場合を示す。図では、携帯通信端末701,702は、車庫の所有者すなわち配達を依頼した依頼者が所持し、携帯通信端末703,704は、配達業者の配達員等が所持する場合を示す。
【0022】
車庫の出入口に設けられるガレージシャッター10の構成について説明する。ガイドレール13,14は、シャッターカーテン12の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン12は、このガイドレール13,14の各案内溝に沿って上昇下降し、出入口となる開口部の開閉動作を行う。
【0023】
図示していない巻取りシャフトは、シャッターケース11の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン12を巻き取ったり巻き戻したりする。図示していないチェーンは、モータ15の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取りシャフトの回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ15の回転駆動力はチェーンを介して巻取りシャフト側に伝達され、モータ15が回転すると、チェーンを介して巻取りシャフトが回転し、シャッターカーテン12の開閉動作が制御されるようになっている。
【0024】
シャッター駆動回路16は、マイクロコンピュータ構成になっており、図示していない電源ラインを介して電力が供給されている。シャッター駆動回路16は、開閉体制御装置17からの制御信号に基づいて、モータ15の回転を制御する。開閉体制御装置17と操作スイッチ18とは、特定小電力無線(例えば、周波数429[MHz])によって無線接続されている。開閉体制御装置17は、操作スイッチ18からの信号を受信するアンテナを備えている。
【0025】
アクセスポイント60は、操作スイッチ18にWiFi又は特定小電力無線を介して接続される。アクセスポイント60は、開閉体制御装置17に対してもWiFi経由にて接続されるか、または特定小電力無線によって無線接続される。アクセスポイント60は、操作スイッチ18及び/又は開閉体制御装置17をISP90経由にてインターネット94に接続する。サーバ100は、ISP91経由にてインターネット94に接続される。従って、操作スイッチ18及び/又は開閉体制御装置17は、WiFiを経由してアクセスポイント60に接続され、アクセスポイント60を経由し、さらにISP90、インターネット94及びISP91を経由してサーバ100に接続される。アクセスポイント60と操作スイッチ18及び/又は開閉体制御装置17とをWiFiで直接接続するのではなく、親機を設けて複数のモーションセンサ及び/又は開閉体制御装置を制御するようにしてもよい。
【0026】
ISP90~93及びインターネット94は、有線通信網(有線網)から構成される。移動体通信網(無線網)95,96は、携帯電話やPHSなどの携帯電話サービス会社などによって提供される通信サービス網である。有線通信網(有線網)は、固定電話などの公衆電話サービス会社などによって提供される通信サービス網である。移動体通信網(無線網)95,96はISP92,93を介して有線通信網(有線網)にそれぞれ接続される。
【0027】
操作スイッチ18は、従来の鍵付ボックス内の押しボタンスイッチに代えて、開閉体のガイドレール14の前面側の平坦部、すなわち開口部の周縁部に配置される。なお、操作スイッチ18は、シャッター近傍の壁に設置してもよい。操作スイッチ18は、その前面側に従来の鍵として機能するコード読取部18aと、従来の押しボタンスイッチとして機能する人感センサ部18bとを備えている。人感センサ部18b及び/又はコード読取18aが従来の鍵及び/又は押しボタンスイッチとして機能する場合もある。
【0028】
操作スイッチ18は、画像センサからなるコード読取部18a及び人感センサ部18bを内蔵したマイクロコンピュータ構成になっている。操作スイッチ18は、コード読取18aによって読み取ったコードを処理するプログラムや人感センサ部18bによって検知された情報に応じてシャッターカーテン12の開閉動作を制御するためのプログラムや各種パラメータを記憶したメモリ等を内蔵しており、電池又はACアダプタからの電源によって動作する。なお、この実施の形態では、操作スイッチ18のコード読取部18a及び人感センサ18bは、同一の筐体に一体構成となるように設けられている。なお、操作スイッチ18のコード読取部18a及び人感センサ18bは別々の筐体に設けられていても良い。
【0029】
コード読取部18aを構成する画像センサは動作電流が数百mA程度と大きく、常時動作させると電力消費が大きくなるため、バッテリーの寿命が短くなるという問題を有する。すなわち、操作スイッチ18を電池で駆動する場合には、コード読取部18aを常時読取状態に設定しておくことは電力の無駄使いとなるので、人感センサ部18bのみを動作させておき、人感センサ部18bによって操作スイッチ18の前面に操作者を検知した場合にのみ、コード読取18aの読取処理を実行させることが望ましい。
【0030】
人感センサ部18bは、電気や磁気、光(赤外線、可視光)、超音波などを用いて操作者(対象者)などの人の存在(所在)を感知するセンサで構成される。この人感センサ部18bは、人の存在(所在)を感知するだけのセンサの他に人の動きを感知するモーションセンサを含むものである。モーションセンサは、電気や磁気、光、超音波などを使って操作者(対象者)の動きを感知するセンサであり、モーションキャプチャーなども含むものである。このようなモーションセンサには、対象物や対象者に赤外線などを当てて反射させたり、対象物や対象者に光源などを取り付けることで、その動作を検出するものが応用可能である。また、自動ドアや自動改札機、ATM(現金自動預金支払機)、ゲーム機、自動蛇口など、幅広く使われている画像センサを用いたモーションセンサなども人感センサ部18bに含むものとする。
【0031】
コード読取部18aは、携帯通信端末704の表示画面に表示された二次元コードを読み取る。コード読取部18aは、読み取ったコードを処理し、外部のサーバ100との間で認証処理を実行し、その認証結果に応じて、人感センサ部18bの検知処理を有効化させる。コード読取部18aは、一次元コード(バーコード)又はマトリックス式の二次元コード(QRコード(登録商標))などのコード情報を読み取り、読み取ったコード情報をアクセスポイント60、ISP90、インターネット94及びISP91を経由させてサーバ100に送信する。また、コード読取部18aは、携帯通信端末704の表示画面に表示されたワンタイムキーや確認コードなどの英数字情報を読み取ることもできる。
【0032】
ガレージシャッター10には、アクセスポイント60及びISP90を経由してインターネット94に接続されるネットワークカメラシステムを構成する監視カメラ19が設置されている。ガレージシャッター10の監視カメラ19は、ガレージ開口部の前側であって、ガレージ外に設置され、ガレージ付近及びガレージ内に人が存在するか否かを宅内及び宅外から監視するものである。ガレージ内に人が存在する場合に、ガレージシャッター10が閉鎖すると、ガレージ内に人が閉じ込められる可能性があるので、それを防止するためである。監視カメラ19を設けると共にガレージ内に人感センサを設け、ガレージシャッター10の閉鎖時にはその人感センサによって人の存在を感知してもよい。監視カメラは、ガレージシャッター10以外の物置、玄関、窓など、建物の外側に設けられ、人が存在するか否かを監視する。
【0033】
サーバ100は、アクセスポイント60、ISP90、インターネット94及びISP91を経由して受信したアクセス要求があらかじめ設定登録されたID及びパスワードなどに一致するか照合すると共に受信したコードをあらかじめ設定登録されたコードに一致するか認証し、その認証結果をISP91、インターネット94、ISP90及びアクセスポイント60を経由させて操作スイッチ18に送信する。操作スイッチ18は、開閉体制御装置17に無線接続されており、認証結果情報を受信することによって、人感センサ部18bによるモーション検知処理を実行し、依頼者自身である操作者又は携帯通信端末704を所持する配達業者のモーションを検出し、その検出状態に応じてシャッターカーテン12の開閉動作を制御する。これによって、操作スイッチ18は、一種の開閉体装置専用の非接触型無線方式の操作子として機能するようになる。
【0034】
携帯通信端末701~704は、一次元コード(バーコード)又はマトリックス式の二次元コードなどのコード情報を表示することのできるデバイスで構成されていればよく、例えば、携帯電話、PHS、スマートフォン(多機能型携帯電話)、PDA等の携帯型の通信端末が該当する。この実施の形態では、携帯通信端末701~704は、スマートフォンで構成され、通常の通話機能だけでなく、画像配受信可能なカメラモニター機能及び無線通信機能を備えており、アプリケーションソフトの起動によって操作スイッチ手段として機能し、、タッチパネル式の表示画面を備え、各種アプリケーションの起動に応じて、所定の一次元コード(バーコード)又はマトリックス式の二次元コードを表示する。なお、一次元コード(バーコード)又はマトリックス式の二次元コードなどのコード情報を印刷した紙などで代用することも可能である。
【0035】
携帯通信端末701~704のタッチパネル式の表示画面には、通話を含む複数のアプリケーションを起動するための各種アイコンが表示されており、所望のアイコンをタッチ操作することによって所望のアプリケーションを起動することができるように構成されている。図1の携帯通信端末704には、マトリックス式の二次元コードを表示するためのアプリケーションが起動され、その二次元コードが表示された状態が示されている。依頼者所有の携帯通信端末701,702は、Wi-Fi、赤外線通信、ブルートゥース(登録商標)などの近距離無線通信機能を備えているので、Wi-Fi通信モジュールや赤外線通信モジュール、又はブルートゥース(登録商標)モジュールなどを介して操作スイッチ18に直接接続されるようにしてもよい。携帯通信端末703,704は、配達業者所有のものなので、操作スイッチ18には接続不可となっている。なお、図1に示す配達システムは、ガレージシャッター10専用の鍵付ボックス内の押しボタンスイッチに代えて操作スイッチ18を用いているので、特定の配達業者のみがシャッターカーテン12の開閉動作を非接触にて適宜制御することができるように構成されている。
【0036】
図2は、この実施の形態に係る配達システムが実行する処理を示すフローチャート図である。この実施例では、依頼者所有の携帯通信端末701又は702と、配達業者所有の携帯通信端末703又は704との間で実行される処理について説明する。以下、図2のフローチャートを用いて配達システムが実行する処理の一例を説明する。
【0037】
ステップS201では、配達業者所有の携帯通信端末703で次の配達先の配達方法を検索し、配達方法として置き配を指定しているか否かの判定を行い、置き配指定(yes)の場合はステップS208に進み、置き配指定でない、通常配達指定(no)の場合は次のステップS202に進む。
ステップS202では、前のステップS201で通常配達と判定されたので、配達業者所有の携帯通信端末703から依頼者所有の携帯通信端末701又は702に配達に来たことを知らせる配達通知を通信回線70経由にて送信する。
【0038】
ステップS203では、配達業者所有の携帯通信端末703から配達に来たことを示す配達通知を受信した依頼者所有の携帯通信端末701又は702は、この配達通知を携帯通信端末701又は702にプッシュ通知する。ここでプッシュ通知とは、携帯通信端末に配達通知を受信したことを自動的に表示画面や発音にて所有者に認識させる通知機能のことである。
ステップS204では、配達のプッシャ通知に従って、依頼者は携帯通信端末701又は702から対面受取、置き配又は再配達の指示を配達業者所有の携帯通信端末703に通信回線70b経由にて送信する。
【0039】
ステップS205では、依頼者所有の携帯通信端末701又は702から配達業者所有の携帯通信端末703に対して配達指示があったか否かを判定し、対面受取、置き配又は再配達の指示があった(yes)場合はステップS207に進み、配達指示がない(no)場合はステップS206に進む。
【0040】
ステップS206では、ステップS202の配達通知を送信してから所定時間(例えば3~5分)が経過したか否かを判定し、所定時間が経過した(yes)場合はステップS212に進み、所定時間が経過していない(no)場合はステップS205にリターンする。
ステップS207では、依頼者所有の携帯通信端末701又は702からの指示が再配達指示か否かを判定し、再配達指示(yes)の場合はリターンし、対面受取又は置き配の指示の場合は次のステップS208に進む。
【0041】
ステップS208では、配達業者は、依頼者所有の携帯通信端末701又は702からの対面受取又は置き配の指示に従い配達を実行する。
ステップS209では、依頼者は、携帯通信端末701又は702を用いて対面受取又は置き配の指示に応じた処理を実行する。
ステップS208及びステップS209の処理の詳細については後述する。
【0042】
ステップS210では、配達終了に伴って、配達業者所有の携帯通信端末704又は703から依頼者所有の携帯通信端末701又は702に配達が終了したことを知らせる配達終了通知を通信回線70d経由にて送信する。
ステップS211では、配達業者所有の携帯通信端末703,704からの配達終了通知を受信した依頼者所有の携帯通信端末701又は702は、配達終了を携帯通信端末701又は702にプッシュ通知する。
ステップS212では、ステップS202の配達通知を送信してから所定時間(例えば3~5分)が経過したので、不在連絡票を郵便受け等に投函して配達処理を終了する。
【0043】
ステップS204で依頼者所有の携帯通信端末704から対面受取の指示を配達業者所有の携帯通信端末703が通信回線70c経由にて受信した場合のステップS208及びステップS209の処理について説明する。ステップS208では対面受取の指示に従って配達業者が玄関にてインターホン・テレビドアホンを操作して配達に来たことを依頼者に伝達する。ステップS209では、依頼者はドアを開錠し配達業者から荷物を受取り、サイン・捺印等を行う。この一連の操作によって配達は終了する。この対面受取りの場合はステップS210の配達終了通知及びステップS211の配達終了通知は省略してもよい。
【0044】
ステップS204で依頼者所有の携帯通信端末701,702から置き配の指示を配達業者所有の携帯通信端末703が通信回線70b経由にて受信した場合のステップS208及びステップS209の処理について説明する。ステップS208では、指定された置き配の指定場所が玄関ドア前、置き配バッグ、宅配ボックス、自由に出入り可能な車庫、自由に出入り可能な物置、自転車籠、建物内受付(管理人対面配達)の場合には、そのまま指定場所に置き配を行う。この場合は、ステップS209の処理は省略できる。
【0045】
なお、指定された置き配の指定場所が、自由に出入りすることのできないシャッター付き車庫やシャッター付き物置の場合は、図3の処理を実行する。図3は、置き配の指定場所が自由に出入りすることのできないシャッター付き車庫・シャッター付き物置内の場合における配達システムの一例を示す図である。図3は、図2のステップS208及びステップS209の処理の詳細を示す。
【0046】
ステップS301では、指定されたシャッター付き車庫又はシャッター付き物置に到着した場合は、配達業者所有の携帯通信端末704から依頼者所有の携帯通信端末701,702へ指定場所への到着信号を通信回線70f経由にて送信する。このとき、配達業者が指定場所を知らない場合は、依頼者所有の携帯通信端末701,702から配達業者所有の携帯通信端末704に対して指定場所まで配達業者を誘導する処理が実行される。
【0047】
ステップS302では、シャッター付き車庫又はシャッター付き物置前に業者が到着したか否かを監視カメラ19からの映像で確認し、確認した(yes)場合は次のステップS303に進み、確認していない場合はこのステップの処理を繰り返す。到着を確認する方法として、シャッター付き車庫又はシャッター付き物置に設置してある監視カメラ19を視認してその到着を確認する。監視カメラ等が設置してない場合は、ステップS301の処理のときに配達業者が指定場所に到着したことを示す画像等を撮影し、依頼者へ送信することによって視認確認できるようにする。依頼者は配達業者が送信した画像を視認してその到着を確認する。
【0048】
ステップS303では、配達業者が指定場所に到着しているので、シャッター付き車庫又はシャッター付き物置のシャッターを遠隔にて開操作する。すなわち、依頼者所有の携帯通信端末701,702には、開閉停の3点式スイッチの操作ボタンに対応した操作画面が表示されるので、それを用いて開操作を実行する。
ステップS304では、指定されたシャッター付き車庫又はシャッター付き物置のシャッターの開動作によって出入りが可能となるので、指定の場所に荷物を置き配し配達業者所有の携帯通信端末703から依頼者所有の携帯通信端末701,702へ指定場所への置き配が完了する。シャッター付き車庫又はシャッター付き物置を退室した配達業者は、ステップS210の処理にて配達が完了したことを示す配達終了信号を通信回線70d経由にて送信する。
【0049】
ステップS305では、配達業者所有の携帯通信端末703から置き配を完了し退室したことを示す信号を受信したか否かの判定を行い、受信した(yes)場合は次のステップS306に進み、受信していない場合はこのステップの処理を繰り返す。
ステップS306では、依頼者所有の携帯通信端末701,702が置き配完了退室の信号を受信したので、依頼者は、3点式スイッチの閉ボタンを操作して、シャッターの閉操作を実行する。以上の一連の操作によって、置き配が完了する。依頼者は常時配達業者の行動を確認しながらシャッターの開閉操作を行うことができるので、防犯性を高めることができる。
【0050】
図3の実施例では、依頼者が常時配達業者の行動を常時確認しなければならないので、依頼者が確認を行うことができない場合にはシャッター付き車庫又はシャッター付き物置への置き配は実行することができない。図4は、依頼者が常時確認していない場合でもシャッター付き車庫又はシャッター付き物置内への置き配を可能とした配達システムの一例を示す図である。
【0051】
図4の配達システムは、ステップS204で依頼者が携帯通信端末701,702の表示画面上に表示される自動モード(シャッター付き車庫又はシャッター付き物置への置き配を自動で行うモード)のボタンを操作した場合又は予めシャッター付き車庫若しくはシャッター付き物置への置き配を自動で行う指定を行っている場合に実行される。なお、図3のように依頼者自身が常時確認しながら行う配達システムは依頼者が携帯通信端末701,702の表示画面上に表示される手動モードのボタンを操作した場合に実行されるものとする。
【0052】
依頼者に対して配達業者から配達日の前日に荷物配達のお知らせがSMSを通じて送信されて来た場合又は図2のステップS203で配達通知を受けた場合、依頼者は携帯通信端末701,702を使用して、シャッター付き車庫又はシャッター付き物置への置き配を指示する。この指示と同時にシャッター装置の固有IDと共に配達業者使用のSMS認証コードが通信回線70hを経由してサーバ100に送信される。サーバ100はシャッター装置の固有IDと配達業者使用のSMS認証コードを登録し、これ以後の認証処理に利用する。
【0053】
ステップS401では、配達業者所有の携帯通信端末703,704を操作し、開閉動作承認用アプリケーションを起動することによって、携帯通信端末703,704は、サーバ100に対して操作したいシャッター装置の固有IDを通信回線70k経由にてSMSで送信し、認証コードの発行を申請する。
ステップS402では、サーバ100は、認証コードの発行申請を受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合は次のステップS403に進み、受信していない(no)場合はリターンする。
【0054】
ステップS403では、SMSで発行申請を受信したサーバ100は、携帯通信端末703,704からの発行申請がシャッター装置の固有IDの正式なユーザー(シャッター装置の操作を許可された配達業者のSMS認証コード)であるか否かを判定し、正式なユーザー(yes)の場合は次のステップS404に進み、正式なユーザーでない(no)場合はリターンする。すなわちシャッター装置の固有IDの正式なユーザーでない場合には、そのシャッター装置の操作を行うことができない。
【0055】
ステップS404では、発行申請がシャッター装置の固有IDの正式なユーザーであることが認証されたので、サーバ100は、携帯通信端末703に開認証コード及び閉認証コードを通信回線70m経由にて送信する。ここで開認証コード及び閉認証コードはバーコードなどの一次元コード又はマトリックス式のニ次元コード(QRコード(登録商標))などで構成される。なお、開認証コード及び閉認証コードはワンタイムキーや確認コードなどの英数字情報でもよい。
【0056】
ステップS405では、サーバ100は、発行申請を行ったユーザーに関する情報(配達業者情報)をシャッター装置の所有者である依頼者所有の携帯通信端末701,702に通信回線70h経由にて送信する。
ステップS406では、依頼者所有の携帯通信端末701,702にシャッター装置の固有IDと共に配達業者情報が表示される。シャッター装置の所有者である依頼者に開閉動作の実行が即座に表示されることによって、依頼者は配達業者がシャッター装置の開閉動作を行ったことを認識することができるようになり、防犯性が格段に向上する。
【0057】
ステップS407では、携帯通信端末703,704は、開認証コード及び閉認証コードを受信したか否かを判定し、受信した(yes)場合は次のステップS408に進み、受信していない(no)場合は受信するまでこのステップの処理を所定時間(例えば2~5分)繰り返し、受信しなかった場合はリターンする。
ステップS408では、携帯通信端末703,704は、サーバ100から受信した開認証コード及び閉認証コードを画面に表示する。
【0058】
配達業者は、携帯通信端末703,704の画面に表示された開認証コード又は閉認証コードをコード読取部18aに読み取らせることによって、シャッター装置のシャッターカーテン12の開動作又は閉動作を実行し、置き配を完了させることができる。シャッター付き車庫又はシャッター付き物置を退室した配達業者は、ステップS210の処理にて配達が完了したことを示す配達終了信号を通信回線70d経由にて送信する。
【0059】
上述の実施の形態では、上下昇降方式で繰り出されるシャッター装置を例に説明したが、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。
上述の実施の形態では、シャッター付き車庫又はシャッター付き物置の内部において配達する場合について説明したが、荷物の配達を荷物の集荷と読み替えることで荷物の集荷にも対応可能である。
上述の実施の形態では、シャッター付き車庫又はシャッター付き物置の内部において配達する場合について説明したが、玄関ドアを開閉部材として開閉制御システムで開閉制御可能な場合は、玄関ドアの内側、宅内における配達又は集荷が可能である。
携帯通信端末用のアプリケーションソフトは、所定のURLから任意に入手可能とする。また、このアプリケーションソフトを適宜変更することによって、デザインや操作方法を容易に変更可能とする。
【符号の説明】
【0060】
11…シャッターケース
12…シャッターカーテン
13,14…ガイドレール
15…モータ
16…シャッター駆動回路
17…開閉体制御装置
18…操作スイッチ
18a…コード読取部
18b…人感センサ部
60…アクセスポイント
701,702…居住者所有の携帯通信端末
703,704…配達業者所有の携帯通信端末
90~93…ISP(Internet Services Provier)
94…インターネット
95,96…移動体通信網
100…サーバ
図1
図2
図3
図4