(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023064610
(43)【公開日】2023-05-11
(54)【発明の名称】コンクリート締固めシステム
(51)【国際特許分類】
E04G 21/06 20060101AFI20230501BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20230501BHJP
【FI】
E04G21/06 ESW
G06T19/00 600
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021174975
(22)【出願日】2021-10-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-31
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月27日に株式会社イクシスのウェブサイトで公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年9月2日に発行された株式会社イクシスのパンフレットで公開
(71)【出願人】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】505466295
【氏名又は名称】株式会社イクシス
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(74)【代理人】
【識別番号】100198214
【弁理士】
【氏名又は名称】眞榮城 繁樹
(72)【発明者】
【氏名】正司 明夫
(72)【発明者】
【氏名】渡瀬 博
(72)【発明者】
【氏名】東 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】本庄 慧
(72)【発明者】
【氏名】山崎 文敬
(72)【発明者】
【氏名】狩野 高志
【テーマコード(参考)】
2E172
5B050
【Fターム(参考)】
2E172AA05
2E172FA27
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA13
5B050DA04
5B050EA09
5B050EA13
5B050EA19
5B050EA27
5B050FA02
(57)【要約】
【課題】バイブレータ本体の先端部の位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができるコンクリート締固めシステムを提供する。
【解決手段】バイブレータ本体と、前記バイブレータ本体に接続される接続ホースと、を有するバイブレータと、前記接続ホースに取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信可能な管理装置と、を備え、前記端末装置又は前記管理装置は、前記撮像画像と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、バイブレータ基本情報を取得する取得部と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ基本情報と、に基づいて前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値を演算する演算部と、前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値に基づいて前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成し、前記バイブレータ本体の拡張現実画像を、前記撮像画像に重畳した重畳画像を生成する画像生成部と、を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートの締め固めに用いられるコンクリート締固めシステムであって、
バイブレータ本体と、前記バイブレータ本体に接続される接続ホースと、を有するバイブレータと、
前記接続ホースに取り付けられる端末装置と、
前記端末装置と通信可能な管理装置と、を備え、
前記端末装置は、少なくともカメラ部、端末情報取得部及び表示部と有し、
前記カメラ部は、施工箇所を撮影した撮像画像を取得し、
前記端末情報取得部は、前記端末装置の3次元座標値と、前記端末装置の姿勢情報を取得し、
前記端末装置又は前記管理装置は、
前記撮像画像と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ本体の形状情報を含むバイブレータ基本情報を取得する取得部と、
前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ基本情報と、に基づいて前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値を演算する演算部と、
前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値に基づいて前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成し、前記バイブレータ本体の拡張現実画像を、前記撮像画像に重畳した重畳画像を生成する画像生成部と、を有し、
前記表示部は、前記重畳画像を表示すること
を特徴とするコンクリート締固めシステム。
【請求項2】
前記カメラ部は、第1座標系の3次元座標値を有するARマーカを認識し、
前記演算部は、
少なくとも1箇所の前記ARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて、第2座標系を構築し、
前記端末装置の第1座標系の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ基本情報と、に基づいて、前記バイブレータ本体の先端部の第2座標系の3次元座標値を演算し、
前記画像生成部は、前記バイブレータ本体の先端部の第2座標系の3次元座標値に基づいて前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成すること
を特徴とする請求項1記載のコンクリート締固めシステム。
【請求項3】
前記演算部は、少なくとも3箇所の前記ARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて第2座標系を構築すること
を特徴とする請求項2記載のコンクリート締固めシステム。
【請求項4】
前記ARマーカは、コンクリートが打設される型枠に設置されること
を特徴とする請求項2又は3記載のコンクリート締固めシステム。
【請求項5】
前記取得部は、前記重畳画像に表示された実物の前記バイブレータ本体の先端部と拡張現実画像の前記バイブレータ本体の先端部と、のずれに関するずれ情報を取得し、
前記画像生成部は、前記ずれ情報に基づいて、新たな前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成すること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項記載のコンクリート締固めシステム。
【請求項6】
前記端末装置又は前記管理装置は、
施工領域を複数の小領域に区画する区画設定部を有し、
前記画像生成部は、前記区画設定部により設定された複数の小領域の画像を生成し、前記小領域の画像を前記撮像画像に重畳した前記重畳画像を生成すること
を特徴とする請求項1~5の何れか1項記載のコンクリート締固めシステム。
【請求項7】
前記端末装置又は前記管理装置は、
施工領域を複数の小領域に区画する区画設定部と、
前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値に基づいて、前記小領域における前記バイブレータ本体による締固め情報を生成する締固め情報生成部と、を更に備え、
前記画像生成部は、前記締固め情報に基づいて締固め範囲画像を生成し、前記締固め範囲画像を前記撮像画像に重畳した前記重畳画像を生成すること
を特徴とする請求項1~6の何れか1項記載のコンクリート締固めシステム。
【請求項8】
前記端末装置を前記接続ホースに取り付ける取付治具を備え、
前記取付治具は、前記端末装置の振動を抑制する防振材を有すること
を特徴とする請求項1~7の何れか1項記載のコンクリート締固めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリートの締固めに用いられるコンクリート締固めシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
画像を用いてコンクリートの締固めを行う技術として、特許文献1、2が開示されている。
【0003】
特許文献1の開示技術は、コンクリート締固め作業用視覚補助装置は、バイブレータ本体の座標値及びヘッドマウントディスプレイの座標値に基づいてバイブレータ本体の拡張現実画像を生成し、ヘッドマウントディスプレイに投影する画像処理手段とを備え、ヘッドマウントディスプレイを通して視認した実際のバイブレータ本体やコンクリート等の光景にバイブレータ本体の拡張現実画像が合成されるものである。
【0004】
特許文献2の開示技術は、バイブレータには認識体が装着され、座標取得部は、撮像データの画像の中から認識体を検出する物体検出部と、検出された前記認識体の2次元座標値から3次元座標値を計測する画像解析部とを備え、画像解析部は、認識体の2次元座標値からカメラ部の座標系の3次元座標値をした座標系の座標値に座標変換する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2019-35265号公報
【特許文献2】特許6781439号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1の開示技術は、バイブレータ本体内に内蔵されたGPSユニットによってバイブレータ本体位置を取得するものである。このため、特許文献1の開示技術では、バイブレータ本体をコンクリートに挿入したとき、GPSがコンクリートに埋没してしまい、バイブレータ本体の位置を認識できないおそれがある。その結果、バイブレータ本体の画像が生成できず、作業者はヘッドマウントディスプレイを通じてバイブレータ本体の先端の位置を認識しながら締固めを行うことができない、という問題点がある。
【0007】
また、特許文献2の開示技術は、バイブレータ本体に装着された認識体をカメラ部で検出するものであるが、バイブレータ本体の拡張現実画像を生成するものではない。このため、作業者はバイブレータ本体の先端の位置を認識しながら締固めを行うことができない、という問題点がある。また、特許文献2の開示技術では、バイブレータ本体をコンクリートに挿入したとき、認識体もコンクリートに埋没してしまうため、バイブレータ本体の位置を認識できないおそれがある。
【0008】
そこで、本発明は、前述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、バイブレータ本体の先端部の位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができるコンクリート締固めシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1発明に係るコンクリート締固めシステムは、コンクリートの締め固めに用いられるコンクリート締固めシステムであって、バイブレータ本体と、前記バイブレータ本体に接続される接続ホースと、を有するバイブレータと、前記接続ホースに取り付けられる端末装置と、前記端末装置と通信可能な管理装置と、を備え、前記端末装置は、少なくともカメラ部、端末情報取得部及び表示部と有し、前記カメラ部は、施工箇所を撮影した撮像画像Jを取得し、前記端末情報取得部は、前記端末装置の3次元座標値と、前記端末装置の姿勢情報を取得し、前記端末装置又は前記管理装置は、前記撮像画像と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ本体の形状情報を含むバイブレータ基本情報を取得する取得部と、前記端末装置の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ基本情報と、に基づいて前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値を演算する演算部と、前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値に基づいて前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成し、前記バイブレータ本体の拡張現実画像を、前記撮像画像に重畳した重畳画像を生成する画像生成部と、を有し、前記表示部は、前記重畳画像を表示することを特徴とする。
【0010】
第2発明に係るコンクリート締固めシステムは、第1発明において、前記カメラ部は、第1座標系の3次元座標値を有するARマーカを認識し、前記演算部は、少なくとも1箇所の前記ARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて、第2座標系を構築し、前記端末装置の第1座標系の3次元座標値と、前記姿勢情報と、前記バイブレータ基本情報と、に基づいて、前記バイブレータ本体の先端部の第2座標系の3次元座標値を演算し、前記画像生成部は、前記バイブレータ本体の先端部の第2座標系の3次元座標値に基づいて前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成することを特徴とする。
【0011】
第3発明に係るコンクリート締固めシステムは、第2発明において、前記演算部は、少なくとも3箇所の前記ARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて第2座標系を構築することを特徴とする。
【0012】
第4発明に係るコンクリート締固めシステムは、第2発明又は第3発明において、前記ARマーカは、コンクリートが打設される型枠に設置されることを特徴とする。
【0013】
第5発明に係るコンクリート締固めシステムは、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記取得部は、前記重畳画像に表示された実物の前記バイブレータ本体の先端部と拡張現実画像の前記バイブレータ本体の先端部と、のずれに関するずれ情報を取得し、前記画像生成部は、前記ずれ情報に基づいて、新たな前記バイブレータ本体の拡張現実画像を生成することを特徴とする。
【0014】
第6発明に係るコンクリート締固めシステムは、第1発明~第5発明の何れかにおいて、前記端末装置又は前記管理装置は、施工領域を複数の小領域に区画する区画設定部を有し、前記画像生成部は、前記区画設定部により設定された複数の小領域の画像を生成し、前記小領域の画像を前記撮像画像に重畳した前記重畳画像を生成することを特徴とする。
【0015】
第7発明に係るコンクリート締固めシステムは、第1発明~第6発明の何れかにおいて、前記端末装置又は前記管理装置は、施工領域を複数の小領域に区画する区画設定部と、前記バイブレータ本体の先端部の3次元座標値に基づいて、前記小領域における前記バイブレータ本体による締固め情報を生成する締固め情報生成部と、を更に備え、前記画像生成部は、前記締固め情報に基づいて締固め範囲画像を生成し、前記締固め範囲画像を前記撮像画像に重畳した前記重畳画像を生成することを特徴とする。
【0016】
第8発明に係るコンクリート締固めシステムは、第1発明~第7発明の何れかにおいて、前記端末装置を前記接続ホースに取り付ける取付治具を備え、前記取付治具は、前記端末装置の振動を抑制する防振材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1発明~第8発明によれば、バイブレータ本体をコンクリートに挿入したとき、端末装置は、コンクリートに埋没されない。このため、バイブレータ本体をコンクリートに挿入したときであっても、端末装置の3次元座標値から、バイブレータ本体の先端部の3次元座標値を演算でき、バイブレータ本体の拡張現実画像が生成される。したがって、作業者は表示部に表示された重畳画像Kを視認することで、バイブレータ本体の先端部の位置を把握することができる。その結果、バイブレータ本体の先端部の位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステムの構成の一例を示す模式図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る端末装置の構成の一例を示す模式図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る端末装置の機能の一例を示す模式図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る管理装置の構成の一例を示す模式図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る管理装置の機能の一例を示す模式図である。
【
図6】
図6(a)は、第1実施形態に係る端末装置に取り付けられた取付冶具の一例を示す模式正面図であり、
図6(b)は、
図6(a)の模式側面図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8(a)は、端末装置の姿勢情報α1のときのバイブレータ本体の先端部の座標値を示す模式図であり、
図8(b)は、端末装置の姿勢情報α2のときのバイブレータ本体の先端部の座標値を示す模式図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいてバイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図である。
【
図10】
図10は、第2実施形態に係るコンクリート締固めシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12(a)は、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいて、バイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図であり、
図12(b)は、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいて、新たなバイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図である。
【
図13】
図13は、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、第4実施形態に係るバイブレータの一例を示す模式図である。
【
図15】
図15は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステムの制御部の一例を示す模式図である。
【
図16】
図16(a)は、小領域が2次元の場合の小領域の特定方法を説明する模式図であり、
図16(b)は、小領域が3次元の場合の小領域の特定方法を説明する模式図である。
【
図17】
図17は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステムの動作の一例を示すフローチャートである。
【
図18】
図18は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいてバイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図である。
【
図19】
図19は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいてバイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図である。
【
図20】
図20は、管理装置の表示部に表示される施工領域を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態に係るコンクリート締固めシステムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0020】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の構成の一例を示す模式図である。コンクリート締固めシステム100は、型枠81内に打設されるコンクリート80の締固めに用いられる。コンクリート締固めシステム100は、バイブレータ1と、端末装置2と、管理装置3と、取付冶具6と、を備える。
【0021】
バイブレータ1は、振動体を有する棒状のバイブレータ本体11と、バイブレータ本体11の上端に接続された可撓性を有する接続ホース12と、接続ホース12を通じてバイブレータ本体11に動力を供給する動力源13と、を備える。バイブレータ1は、型枠内に打設されたフレッシュコンクリートに挿入され、バイブレータ本体11の振動によってコンクリートを締め固めることができる。
【0022】
図2は、第1実施形態に係る端末装置2の構成の一例を示す模式図である。端末装置2は、取付冶具6を介して接続ホース12に取り付けられる。端末装置2は、スマートフォン、タブレット端末等の携帯可能な電子機器が用いられる。端末装置2は、
図2に示すように、例えば筐体20と、CPU(Central Processing Unit)201と、ROM(Read Only Memory)202と、RAM(Random Access Memory)203と、保存部304と、I/F205~209と、カメラ部211と、端末情報取得部212と、入力部215と、表示部216と、備える。各構成201~209は、内部バス210により接続される。
【0023】
CPU201は、端末装置2全体を制御する。ROM202は、CPU201の動作コードを格納する。RAM203は、CPU201の動作時に使用される作業領域である。保存部204は、文字列データベース等の各種情報が保存される。保存部204として、例えばSDメモリーカードのほか、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等のような公知のデータ保存媒体が用いられる。
【0024】
I/F205は、カメラ部211との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。カメラ部211は、動画、静止画等の撮像画像Jを生成する。カメラ部211は、3次元座標値を有するARマーカを認識する。ARマーカは、型枠81の天端に設置される。ARマーカは、型枠81の側面に設置されてもよい。
【0025】
I/F206は、端末情報取得部212との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。端末情報取得部212は、位置情報取得装置213と、慣性計測ユニット214と、を有する。位置情報取得装置213は、端末装置2の1次座標系の3次元座標値を取得する。慣性計測ユニット214は、端末装置2の姿勢情報を取得する。慣性計測ユニット214は、加速度センサ、回転角加速度センサ、ジャイロセンサ、磁界センサ、気圧センサ、温度センサ、等の各種センサが搭載されている。これにより、慣性計測ユニット214は、端末装置2の傾き等の姿勢情報を取得できる。なお、位置情報取得装置213は、端末装置2の位置情報を取得する公知の装置である。例えば位置情報取得装置213は、カメラ部211により取得される画像特徴点と、慣性計測ユニット214により取得される端末装置2の傾き等の姿勢情報と、に基づいて、特徴点までの距離を演算することで、端末装置2の3次元座標値を取得する。例えば位置情報取得装置213は、GPS装置が用いられてもよく、GPS装置により端末装置2の3次元座標値を取得してもよい。
【0026】
I/F207は、入力部215との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。入力部215は、各種情報や、端末装置2や管理装置3の制御コマンド等を入力又は選択する。入力部215として、例えばタッチパネル式のディスプレイが用いられる。
【0027】
I/F208は、表示部216との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。表示部216は、保存部204に保存された各種情報や、端末装置2や管理装置3の処理状況等を出力する。表示部216として、例えば入力部215の機能を有するタッチパネル式のディスプレイが用いられる。
【0028】
I/F209は、インターネット等の公衆通信網4を介して管理装置3等の外部機器との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。
【0029】
なお、I/F205~I/F209として、例えば同一のものが用いられてもよく、各I/F205~I/F209として、例えばそれぞれ複数のものが用いられてもよい。
【0030】
図3は、端末装置2の機能の一例を示す模式図である。端末装置2は、取得部21と、制御部22と、記憶部23と、出力部24と、を備える。なお、
図3に示した各機能は、CPU201が、RAM203を作業領域として、保存部204等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0031】
<取得部21>
取得部21は、各種情報を取得する。取得部21は、カメラ部211により施工箇所を撮影した撮像画像Jを取得する。取得部21は、カメラ部211によるARマーカの認識結果として、ARマーカの3次元座標値を取得する。取得部21は、端末情報取得部212の位置情報取得装置213により端末装置2の3次元座標値を取得する。取得部21は、端末情報取得部212の慣性計測ユニット214により端末装置2の姿勢情報を取得する。
【0032】
取得部21は、入力部215によりバイブレータ基本情報を取得する。バイブレータ基本情報は、バイブレータ本体11の形状情報、端末装置2の接続ホース12への取り付け位置に関する情報等を含む。バイブレータ本体11の形状情報は、端末装置2からバイブレータ本体11の先端部11aまでの長さ情報、バイブレータ本体11の長さに関する情報やバイブレータ本体11の直径に関する情報を含む。
【0033】
<制御部22>
制御部22は、端末装置2全体の制御を行う。制御部22は、後述する制御部32を有していてもよい。
【0034】
<記憶部23>
記憶部23は、各種情報を保存部204に記憶させ、又は各種情報を保存部204から取出す。
【0035】
<出力部24>
出力部24は、各種情報を表示部216に表示する。
【0036】
<管理装置3>
図4は、第1実施形態に係る管理装置3の構成の一例を示す模式図である。管理装置3は、パーソナルコンピューター、スマートフォン、タブレット端末等の電子機器が用いられる。管理装置3は、例えば筐体30と、CPU301と、ROM302と、RAM303と、保存部304と、I/F307~309とを備える。各構成301~304、307~309は、内部バス310により接続される。
【0037】
CPU301は、管理装置3全体を制御する。ROM302は、CPU301の動作コードを格納する。RAM303は、CPU301の動作時に使用される作業領域である。保存部304は、文字列データベース等の各種情報が保存される。保存部304として、例えばSDメモリーカードのほか、例えばHDD、SSD等のような公知のデータ保存媒体が用いられる。
【0038】
I/F307は、入力部315との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。入力部315は、各種情報や、端末装置2や管理装置3の制御コマンド等を入力又は選択する。入力部315として、例えばキーボード、タッチパネル式のディスプレイ等が用いられる。
【0039】
I/F308は、表示部316との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。表示部316は、保存部304に保存された各種情報や、端末装置2や管理装置3の処理状況等を出力する。表示部316として、例えばディスプレイが用いられるほか、タッチパネル式のディスプレイが用いられてもよい。
【0040】
I/F309は、インターネット等の公衆通信網4を介して管理装置3等の外部機器との各種情報の送受信を行うための公知のインターフェースである。
【0041】
なお、I/F307~I/F309として、例えば同一のものが用いられてもよく、各I/F307~I/F309として、例えばそれぞれ複数のものが用いられてもよい。
【0042】
図5は、管理装置3の機能の一例を示す模式図である。管理装置3は、取得部31と、制御部32と、記憶部33と、出力部34とを備える。なお、
図5に示した各機能は、CPU301が、RAM303を作業領域として、保存部304等に記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
【0043】
<取得部31>
取得部31は、各種情報を取得する。取得部31は、カメラ部211により施工箇所を撮影した撮像画像Jを取得する。取得部31は、公衆通信網4を介してカメラ部211によりARマーカの3次元座標値を取得する。取得部31は、公衆通信網4を介して端末情報取得部212により端末装置2の3次元座標値を取得する。取得部31は、公衆通信網4を介して端末情報取得部212により端末装置2の姿勢情報を取得する。取得部31は、公衆通信網4を介して入力部315によりバイブレータ本体の形状情報を取得する。
【0044】
<制御部32>
制御部32は、管理装置3全体の制御を行う。制御部32は、演算部321と、画像生成部322と、を有する。
【0045】
<演算部321>
演算部321は、端末装置2の3次元座標値と、端末装置2の姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、に基づいてバイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値を演算する。
【0046】
<画像生成部322>
画像生成部322は、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成し、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。
【0047】
<記憶部32>
記憶部32は、各種情報を保存部304に記憶させ、又は各種情報を保存部304から取出す。
【0048】
<出力部34>
出力部34は、各種情報を表示部316に表示する。
【0049】
<取付冶具6>
取付冶具6は、
図6に示すように、端末装置2を接続ホース12に取り付けるものである。取付治具6は、接続ホース12に取り付けるための取付部61と、端末装置2を保持する保持部62と、取付部61と保持部62との取付角度を調整可能な調整機構63と、を有する。取付部61は、接続ホース12を挟んで取り付ける。保持部62は、端末装置2を挟んで保持する。調整機構63は、バイブレータ本体11の先端部11aが端末装置2のカメラ部211により撮像されるように、取付部61と保持部62との取付角度を所定の角度に固定することができる。
【0050】
取付治具6は、端末装置2の振動を抑制する防振材64を有する。防振材64は、ニトリル系ゴムスポンジが用いられる。防振材64は、取付部61に取り付けられるとともに接続ホース12の周囲を覆う第1防振材64aと、保持部62に取り付けられる第2防振材64bと、を有する。第1防振材64aは、例えば厚さ1cm程度で構成される。第2防振材64bは、例えば厚さ2cm程度で構成される。第2防振材64bは、例えば端末装置2を挟んで両側に設けられる。取付治具6は、端末装置2の振動を抑制する防振材64を有することにより、防振材64の有する緩衝機能が発揮され、端末2の位置情報をより正確に取得することができる。
【0051】
<第1実施形態:コンクリート締固めシステム100の動作の一例>
次に、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例について説明する。
図7は、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0052】
<取得ステップS11>
カメラ部211は、施工箇所を撮影した撮像画像Jを取得する。端末情報取得部212は、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、端末装置2の姿勢情報を取得する。入力部215は、バイブレータ基本情報を取得する。そして、撮像画像Jと、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、端末装置2の姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、を端末装置2から管理装置3に送信する。そして、取得部31は、撮像画像Jと、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、端末装置2の姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、を取得する(取得ステップS11)。
【0053】
<演算ステップS12>
次に、演算部321は、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、端末装置2の姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、に基づいてバイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)を演算する(演算ステップS12)。ここで、端末装置2は、取付冶具6を介して接続ホース12に取り付けられている。このため、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)は、端末装置2の姿勢、バイブレータ本体11の形状、端末装置2の接続ホース12への取り付け位置等の影響を受ける。したがって、演算部321は、姿勢情報とバイブレータ基本情報を取得することにより、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)から、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)を演算することができる。
【0054】
図8(a)は、端末装置2の姿勢情報α1のときのバイブレータ本体の先端部の座標値を示す模式図であり、
図8(b)は、端末装置2の姿勢情報α2のときのバイブレータ本体の先端部の座標値を示す模式図である。例えば
図8(a)に示すように、演算部321は、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)、端末装置2の姿勢情報α1と、端末装置2からバイブレータ本体の先端部11aまでの長さLとしたとき、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1-1、Y1-1、Z1-1)と演算する。例えば
図8(b)に示すように、演算部321は、端末装置2が姿勢情報α1から姿勢情報α2になったとき、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)、端末装置2の姿勢情報α2と、端末装置2からバイブレータ本体の先端部11aまでの長さLとしたとき、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1-2、Y1-2、Z1-2)と演算する。
【0055】
<画像生成ステップS13>
次に、画像生成部322は、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成する(画像生成ステップS13)。そして、画像生成部322は、生成したバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。生成したバイブレータ本体11の拡張現実画像Gは、カメラ部211により撮像される撮像画像J上のバイブレータ本体11に重畳される。管理装置3は、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを、端末装置2に送信する。
【0056】
<表示ステップS14>
図9は、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいてバイブレータ本体の拡張現実画像Gを撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを表示した表示部216を示す模式図である。次に、表示部216は、送信された重畳画像Kを表示する。以上により、第1実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作が完了する。
【0057】
本実施形態によれば、端末装置2は、接続ホース12に取り付けられ、端末装置2又は管理装置3は、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、姿勢情報と、形状情報と、に基づいてバイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)を演算する演算部311と、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成し、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する画像生成部322と、を有し、表示部216は、重畳画像Kを表示する。
【0058】
これにより、バイブレータ本体11をコンクリートに挿入したとき、端末装置2は、コンクリートに埋没されない。このため、バイブレータ本体11をコンクリートに挿入したときであっても、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)から、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)を演算でき、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gが生成される。したがって、作業者は表示部216に表示された重畳画像Kを視認することで、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を把握することができる。その結果、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができる。
【0059】
本実施形態によれば、管理装置3は、端末装置2の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、に基づいてバイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(X1、Y1、Z1)を演算する演算部311と、バイブレータ本体11の先端部の3次元座標値(X1、Y1、Z1)に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成し、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する画像生成部322と、を有する。これにより、演算部321と、画像生成部322の処理動作を、端末装置2で行う必要がない。このため、端末装置2を小型化することができる。
【0060】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るコンクリート締固めシステム100について説明する。以下、上述した実施形態と同一の構成については、詳細な説明を省略する。
【0061】
第2実施形態に係るコンクリート締固めシステム100では、第1座標系の3次元座標値を有するARマーカを用いて第2座標系を構築し、バイブレータ本体11の先端部11aの第2座標系の座標値を演算する。これにより、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を精度よく演算することができる。
【0062】
<演算部321>
演算部321は、少なくとも3箇所のARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて、第2座標系を構築する。演算部321は、第2座標系を参照し、端末装置2の第1座標系の3次元座標値と、姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、に基づいて、バイブレータ本体11の先端部11aの第2座標系の3次元座標値を演算する。演算部321は、少なくとも1箇所のARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて、第2座標系を構築してもよい。
【0063】
<画像生成部322>
画像生成部322は、バイブレータ本体11の第2座標系の3次元座標値に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成し、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。
【0064】
<第2実施形態:コンクリート締固めシステム100の動作の一例>
次に、第2実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例について説明する。
図10は、第2実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0065】
<取得ステップS21>
取得部31は、撮像画像Jと、端末装置2の第1座標系の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、端末装置2の姿勢情報と、バイブレータ本体11の形状情報と、を取得する(取得ステップS21)。
【0066】
図11は、第2実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおける施工領域Wを示す平面図である。取得ステップS21では、カメラ部211がARマーカを認識する。ARマーカは、施工領域Wの近傍又は型枠81に設置され、設置場所の第1座標系の3次元座標値を有する。カメラ部211は、少なくとも1箇所、好ましくは3箇所以上のARマーカを認識する。端末装置2は、カメラ部211が認識した認識結果を、管理装置3に送信する。取得部31は、第1座標系の3次元座標値を有するARマーカの認識結果を取得する。ARマーカは、コンクリートが打設される型枠に設置されてもよい。これにより、型枠に沿った座標系を構築できる。
【0067】
例えば、型枠81の天端の3箇所にARマーカM1、M2、M3が設置されている。第1座標系において、ARマーカM1は、3次元座標値(X3、Y3、Z3)であり、ARマーカM2は、3次元座標値(X4、Y4、Z4)であり、ARマーカM3は、3次元座標値(X5、Y5、Z5)であるとする。カメラ部211は、各ARマーカM1、M2、M3を認識し、端末装置2は、これらの認識結果を管理装置3に送信し、取得部31に取得させる。
【0068】
<演算ステップS22>
演算部321は、3箇所のARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて第2座標系を構築する(演算ステップS22)。
【0069】
例えば、演算部321は、ARマーカM1の第1座標系の3次元座標値(X3、Y3、Z3)を第2座標系の3次元座標値(0、0、0)とし、ARマーカM2の第1座標系の3次元座標値(X4、Y4、Z4)を第2座標系の3次元座標値(P4、Q4、R4)とし、ARマーカM3の第1座標系の3次元座標値(X5、Y5、Z5)を第2座標系の3次元座標値(P5、Q5、R5)とする、第2座標系を構築する。
【0070】
なお、第2座標系は、1箇所のARマーカのみでも構築できるが、少なくとも3箇所のARマーカを認識することで、第2座標系の座標値の誤差を低減することができる。
【0071】
そして、演算部321は、構築した第2座標系を参照し、端末装置2の第1座標系の3次元座標値(X0、Y0、Z0)と、姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、基づいて、バイブレータ本体11の先端部11aの第2座標系の3次元座標値(P1、Q1、R1)を生成する。
【0072】
<画像生成ステップS23>
次に、画像生成部322は、バイブレータ本体11の先端部11aの第2座標系の3次元座標値(P1、Q1、R1)に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成する(画像生成ステップS13)。そして、画像生成部322は、生成したバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを、管理装置3から端末装置2に送信する。
【0073】
<表示ステップS24>
次に、表示部216は、画像生成ステップS23で生成した重畳画像Kを表示する。以上により、第2実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作が完了する。
【0074】
本実施形態によれば、カメラ部211は、第1座標系の3次元座標値を有するARマーカを認識し、演算部321は、少なくとも1箇所のARマーカの第1座標系の3次元座標値に基づいて第2座標系を構築し、バイブレータ本体11の先端部11aの第2座標系の3次元座標値(P1、Q1、R1)を生成し、画像生成部322は、バイブレータ本体11の第2座標系の3次元座標値(P1、Q1、R1)に基づいてバイブレータ本体11の拡張現実画像Gを生成し、バイブレータ本体11の拡張現実画像Gを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。
【0075】
これにより、バイブレータ本体11の先端部11aの第1座標系の3次元座標値(X1、Y1、Z1)を用いる場合よりも、第2座標系の3次元座標値(P1、Q1、R1)を用いる方が、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を精度よく演算することができる。このため、作業者は表示部216に表示された重畳画像Kを視認することで、バイブレータ本体11の先端部11aの位置をより正確に把握することができる。その結果、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができる。
【0076】
ARマーカは、施工領域Wの近傍又はコンクリートが打設される型枠81に設置されるものである。しかしながら、ARマーカの有する3次元座標値と、ARマーカを実際に設置した場所の3次元座標値と、にずれが生じるおそれがある。このため、1箇所のARマーカを認識して第2座標系を構築した場合、ARマーカから離れるにつれて誤差が累積してしまい、第2座標系の座標値の誤差が大きくなるおそれがある。この点、本実施形態によれば、カメラ部211は、第1座標系の3次元座標値を有するARマーカを認識し、演算部321は、少なくとも3箇所のARマーカの3次元座標値に基づいて拡張現実3次元座標を構築する。これにより、ARマーカ同士の位置関係を考慮した第2座標系を構築できるため、第2座標系の座標値の誤差を低減することができる。このため、作業者は表示部216に表示された重畳画像Kを視認することで、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を更に正確に把握することができる。その結果、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができる。
【0077】
また、バイブレータ本体の先端部の3次元座標値を演算する際に、第1座標系よりも第2座標系において演算する方が演算処理の負荷を低減させることができる。
【0078】
また本実施形態では、ARマーカは、コンクリートが打設される型枠に設置される。ここで、例えば事前にモデルを構築しておいて現地座標に整合させようとすると、所定の測量手段により測量して方向性を定める等の手間が発生する。この点、本実施形態では、型枠に設置されたARマーカで第2座標系を構築することができる。このため、現地情報とすり合わせることが同時に可能になる。
【0079】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100について説明する。
【0080】
図12(a)は、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100において、バイブレータ本体の拡張現実画像G1を撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを表示した表示部216を示す模式図である。バイブレータ本体11は、可撓性を有する接続ホース12に接続され、接続ホース12に取付冶具6により端末装置2が取り付けられる。このため、接続ホース12の曲がりの程度、端末装置2の接続ホース12への取付位置、取付冶具6の取付角度等によって、表示部216に重畳画像Kを表示したとき、撮像画像Jのバイブレータ本体11の先端部11aと、拡張現実画像Gのバイブレータ本体11の先端部11aと、にずれが生じる場合がある。第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100では、このずれを補正することができる。
【0081】
<取得部31>
取得部31は、撮像画像Jに表示されたバイブレータ本体11の先端部11aと拡張現実画像のバイブレータ本体11の先端部11aと、のずれ情報を取得する。
【0082】
<演算部321>
演算部321は、ずれ情報に基づいて、新たなバイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値を演算する。
【0083】
<画像生成部322>
画像生成部322は、端末装置2の3次元座標値と、端末装置2の姿勢情報と、バイブレータ基本情報と、ずれ情報と、に基づいて、新たなバイブレータ本体11の拡張現実画像G2を生成し、拡張現実画像G2を撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。画像生成部322は、ずれ情報に基づいて演算された新たなバイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値に基づいて、新たなバイブレータ本体11の拡張現実画像G2を生成してもよい。
【0084】
<記憶部32>
記憶部33は、拡張現実画像G1の生成に用いられたバイブレータ基本情報を、ずれ情報を考慮した新たなバイブレータ基本情報に更新して記憶する。
【0085】
<第3実施形態:コンクリート締固めシステム100の動作の一例>
次に、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例について説明する。
図13は、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0086】
第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例では、例えば上述した取得ステップS21と、演算ステップS22と、画像生成ステップS23と、表示ステップS24と、を行う。
【0087】
<取得ステップS35>
表示ステップS24の後、取得部31は、撮像画像Jのバイブレータ本体11の先端部11aと拡張現実画像G1のバイブレータ本体の先端部と、のずれ情報を取得する(取得ステップS35)。
【0088】
図12(a)に示すように、例えば、作業者は、入力部215を備えたタッチパネル式の表示部216において、拡張現実画像G1のバイブレータ本体を作業者の指でスライドする。これにより、取得部21は、重畳画像Kに表示された実物のバイブレータ本体11の先端部11aと拡張現実画像G1のバイブレータ本体11の先端部11aと、のずれ情報を取得する。端末装置2が取得したずれ情報を管理装置3に送信し、取得部31にずれ情報を取得させる。このとき、記憶部23及び記憶部33の少なくともいずれかは、拡張現実画像G1の生成に用いられたバイブレータ基本情報を、ずれ情報を考慮した新たなバイブレータ基本情報に更新して記憶する。
【0089】
<画像生成ステップS36>
画像生成部322は、ずれ情報に基づいて、新たなバイブレータ本体11の拡張現実画像G2を生成し、拡張現実画像G2を撮像画像Jに重畳させた重畳画像Kを生成する。
【0090】
<表示ステップS37>
図12(b)は、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100において、バイブレータ本体の拡張現実画像G2を撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを表示した表示部216を示す模式図である。次に、表示部216は、画像生成ステップS36で生成した重畳画像Kを表示する。
【0091】
例えば、入力部215を備えたタッチパネル式の表示部216において、拡張現実画像G1のバイブレータ本体を作業者の指でスライドすることによって、重畳画像Kに表示された実物のバイブレータ本体11に重畳されるように補正されたバイブレータ本体の拡張現実画像G2が生成され、拡張現実画像G2を撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。以上により、第3実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作が完了する。
【0092】
本実施形態によれば、取得部31は、撮像画像Jのバイブレータ本体11の先端部11aと拡張現実画像G1のバイブレータ本体11の先端部11aと、のずれ情報を取得し、画像生成部322は、ずれ情報に基づいて、新たな前記バイブレータ本体の拡張現実画像G2を生成する。これにより、撮像画像Jのバイブレータ本体11の先端部11aと、拡張現実画像G1のバイブレータ本体11の先端部11aとにずれが生じる場合であっても、このずれを補正することができる。このため、作業者は表示部216に表示された重畳画像Kを視認することで、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を一層正確に把握することができる。その結果、バイブレータ本体11の先端部11aの位置を認識しながらコンクリートの締固めを行うことができる。
【0093】
本実施形態によれば、記憶部23及び記憶部33の少なくとも何れかは、拡張現実画像G1の生成に用いられたバイブレータ基本情報を、ずれ情報を考慮した新たなバイブレータ基本情報に更新して記憶する。これにより、重畳画像Kに表示された実物のバイブレータ本体11の先端部11aと拡張現実画像G1のバイブレータ本体の先端部と、のずれを改めて補正する必要がない。このため、作業者は、コンクリート締固め作業を容易に行うことができる。
【0094】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステム100について説明する。第4実施形態に係るコンクリート締固めシステム100では、施工領域を小領域に区画し、小領域毎に生成された締固め情報に基づいて、締固め範囲画像Iを生成し、締固め範囲画像Iを撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。これにより、作業者は、対象となる小領域について、コンクリートの締固めが十分か否かを、重畳画像Kを通じて把握できる。
【0095】
図14は、第4実施形態に係るバイブレータ1を示す模式図である。
図15は、第4実施形態に係る制御部32を示す模式図である。第4実施形態に係るコンクリート締固めシステム100では、バイブレータ1は、抜差検出部14と、制御部15と、を更に有する。管理装置3の制御部32は、区画設定部324と、締固め情報生成部325と、を更に備える。なお、端末装置2の制御部22は、区画設定部324と、締固め情報生成部325と、を更に備えていてもよい。
【0096】
抜差検出部14は、バイブレータ本体11がコンクリートに挿入されたことを検知し、バイブレータ本体11がコンクリートから引き抜かれたことを検知する。抜差検出部14は、例えば、2つの電極を有するセンサを有する。センサの2つの電極のうち一の電極はコンクリートに挿脱されるバイブレータ本体11の先端側表面に、他の電極はバイブレータ本体11の表面にではなく制御部15に一の電極とは十分な距離を置いてそれぞれ配設される。
【0097】
制御部15は、動力源13からバイブレータ本体11への電力供給を制御する。センサは、例えば抜差検出部14における2つの電極間に流れる電流を検出する電流検出部と、電流検出部からの電流検出信号を受けたときに動力源13への電力供給を行う供給制御部と、を有する。動力源13への電力供給は、コンクリートに対するバイブレータ本体11の挿入され、かつバイブレータ本体11の先端部11aが予め設定された所定の座標値よりも高さ方向で下方の座標値に到達したときに開始される。動力源13への電力供給は、引き抜き完了時点で自動的に停止される。
【0098】
<区画設定部324>
区画設定部324は、第1座標系又は第2座標系において、施工領域を複数の小領域に区画する。小領域は、施工領域を矩形状等の2次元形状に区画してもよいし、立方体形状、直方体形状等の3次元形状に区画してもよい。
【0099】
<締固め情報生成部325>
締固め情報生成部325は、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値に基づいて締固めの対象となる小領域を特定し、特定した小領域についてバイブレータ本体11による締固め情報を生成する。
【0100】
図16(a)は、小領域が2次元の場合の小領域の特定方法を説明する模式図であり、
図16(b)は、小領域が3次元の場合の小領域の特定方法を説明する模式図である。小領域が2次元の場合には、締固め情報生成部325は、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(P1、Q1、R1)のうち(P1、Q1)を含む小領域について、締固め情報を生成する。小領域が3次元の場合には、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値(P1、Q1、R1)よりも高さ方向の座標値R1から所定の距離Dだけ上方の座標値R1’としたとき、締固め情報生成部325は、3次元座標値(P1、Q1、R1’)を含む小領域についての締固め情報を生成する。距離Dは、例えばバイブレータ本体11の形状等に応じて適宜設定され、例えばバイブレータ本体11の先端部11aからバイブレータ本体11の長さ方向の中央までの距離であってもよい。
【0101】
締固め情報生成部325は、小領域毎にバイブレータ本体11によるコンクリートの締固めが十分か否かを判定し、その判定結果を含む締固め情報を生成してもよい。
【0102】
締固め情報生成部325は、計時部326を有していてもよい。計時部326は、小領域についてバイブレータ本体11による振動付与開始からの経過時間をカウントする。計時部326は、抜差検出部14によりバイブレータ本体11がコンクリートに挿入され、かつバイブレータ本体の先端部11aが予め設定した座標値よりも高さ方向で下方の座標値に到達したことを検知したときに経過時間をカウントする。計時部326は、抜差検出部14によりバイブレータ本体11がコンクリートから引き抜かれたことを検知したときに経過のカウントを停止する。
【0103】
締固め情報生成部325は、例えば予め設定されたコンクリートの締固めに必要な締固め時間と、計時部326によりカウントした経過時間とに基づいて、判定する。判定結果は、経過時間が締固め時間以上の場合には、締固めが完了と判定し、経過時間が締固め時間未満の場合には、締固めが完了していないと判定する。判定結果は、締固め時間に対する経過時間をコンクリートの締固め度合いとして、例えば百分率として表してもよい。締固めが完了しなった場合、その締固めが完了しなかった領域については、経過時間を0秒から再カウントする。なお、締固めが完了しなった場合、その締固めが完了しなかった領域については、経過時間を積算してカウントしてもよい。
【0104】
<画像生成部322>
画像生成部322は、区画設定部324により設定された複数の小領域の画像Nを生成し、小領域の画像Nを撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。画像Nは、拡張現実画像として生成される。小領域の画像Nは、2次元的に表示される。なお、小領域の画像Nは、3次元的に表示されてもよい。
【0105】
また、画像生成部322は、締固め情報に基づいて締固め範囲画像Iを生成し、締固め範囲画像Iを撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。画像生成部322は、締固め情報に基づいて、小領域を所定の色で表した締固め範囲画像Iを生成する。締固め範囲画像Iは、計時部326により計測された経過時間の画像やコンクリートの締固め度合いの画像を含んでいてもよい。締固め範囲画像Iは、拡張現実画像であり、計時部326により計測された経過時間やコンクリートの充填度合いに応じて、小領域の着色を変えてもよい。例えば、経過時間が0秒の場合には無色、経過時間が0秒~3秒の場合には赤色、経過時間が3秒~6秒の場合には黄色、経過時間が6秒~10秒の場合には緑色、経過時間が10秒~15秒の場合には青色、経過時間が15秒以上の場合には黒色等とすればよい。
【0106】
画像生成部322は、円形状、円柱形状、球形状等の締固め範囲画像Iを生成してもよい。締固め範囲画像Iは、2次元的に表示される。なお、締固め範囲画像Iは、3次元的に表示されてもよい。
【0107】
<第4実施形態:コンクリート締固めシステム100の動作の一例>
次に、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例について説明する。
図17は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例を示すフローチャートである。
【0108】
第4実施形態に係るコンクリート締固めシステム100の動作の一例では、例えば上述した取得ステップS21を行う。
【0109】
<演算ステップS42>
演算ステップS42は、上述した演算ステップS22と同様に行われる。演算ステップS42は、区画設定ステップS421を有する。
【0110】
<区画設定ステップS421>
区画設定部324は、第2座標系において、施工領域を複数の小領域に区画する(区画設定ステップS421)。
【0111】
<画像生成ステップS43>
次に、上述した画像生成ステップS23と同様に、画像生成ステップS43を行う。また、画像生成ステップS43では、画像生成部322は、区画設定部324により設定された複数の小領域の画像Nを生成する。
【0112】
<表示ステップS44>
図18は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいてバイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図である。次に、表示部216は、画像生成ステップS23と同様に重畳画像Kを表示する。また、表示部216は、画像生成ステップS23で生成した小領域の画像Nを、撮像画像Jに重畳させた重畳画像Kを生成する。
【0113】
<締固め情報生成ステップS45>
次に、作業者は、フレッシュコンクリートにバイブレータ本体11を挿入する。締固め情報生成部325は、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値に基づいて締固めの対象となる小領域を特定し、特定した小領域についてバイブレータ本体11による締固め情報を生成する(締固め情報生成ステップS45)。
【0114】
例えば、抜差検出部14は、フレッシュコンクリートにバイブレータ本体11を挿入されたことを検知する。締固め情報生成部325は、抜差検出部14の検出結果により計時部326を作動させ、計時部326により小領域についてバイブレータ本体11による振動付与開始からの経過時間を計測する。計時部326は、抜差検出部14によりバイブレータ本体11がコンクリートに挿入されたことを検知したときに経過時間をカウントする。
【0115】
<画像生成ステップS46>
画像生成部322は、締固め情報に基づいて締固め範囲画像Iを生成し、締固め範囲画像を撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。これにより、小領域が青色等の所定の色に着色された締固め範囲画像Iが生成される。また、画像生成部322は、計時部326により計測した経過時間の画像を含む締固め範囲画像Iを生成する。
【0116】
<表示ステップS47>
図19は、第4実施形態に係るコンクリート締固めシステムにおいてバイブレータ本体の拡張現実画像を撮像画像に重畳した重畳画像を表示した表示部を示す模式図である。表示部216は、画像生成ステップS46において生成した重畳画像Kを表示する。表示部216には、バイブレータ本体11の拡張現実画像G、小領域の画像N、締固め範囲画像Iを撮像画像Jに重畳させた重畳画像Kが表示される。作業者は、重畳画像Kを視認しながら、コンクリートの締固め作業を行うことができる。
図19の例では、小領域の画像N及び締固め範囲画像Iは、2次元的に表示される。なお、小領域の画像N及び締固め範囲画像Iは、3次元的に表示されてもよい。
【0117】
図20は、管理装置の表示部に表示される施工領域を示す模式図である。また、表示部316は、施工領域Wを示す画像が表示される。表示部316には、小領域の画像N、締固め範囲画像I、端末装置2の位置を示す画像等が表示される。施工管理者等は、表示部316を視認しながら、コンクリートの締固め状況の管理を行うことができる。また、表示部316は、複数の端末装置2のコンクリートの締固め状況を表示することもできる。このため、同時に進行するコンクリートの締固め状況を一括して管理することができる。
【0118】
作業者は、表示部216を視認しながらバイブレータ1による締固め作業を行う。締固め作業を所定の時間行い、締固め情報生成部325は、計時部326により計測した経過時間と締固め時間とに基づいて、締固め完了を示す締固め情報を生成する。そして、画像生成部322は、締固め完了を示す締固め情報に基づいて、例えば締固め完了を示す締固め範囲画像Iとして、小領域を赤色等に着色した締固め範囲画像Iを生成する。
【0119】
作業者は、締固め完了を示す締固め範囲画像Iを視認し、バイブレータ本体11をコンクリートから引き抜く。抜差検出部14は、バイブレータ本体11がコンクリートから引き抜かれたことを検知したとき、バイブレータ1は、バイブレータ本体11の作動を停止する。
【0120】
本実施形態によれば、演算部321は、施工領域Wを複数の小領域に区画する区画設定部324を有し、画像生成部322は、区画設定部324により設定された複数の小領域の画像Nを生成し、小領域の画像Nを撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。これにより、作業者は、表示部216に表示された小領域を視認しながら、コンクリートの締固め作業を行うことができる。このため、作業者は、バイブレータ本体11を小領域毎に挿入することができ、締固め作業を円滑に行うことができる。
【0121】
本実施形態によれば、演算部321は、施工領域Wを複数の小領域に区画する区画設定部324と、バイブレータ本体11の先端部11aの3次元座標値に基づいて、小領域におけるバイブレータ本体11による締固め情報を生成する締固め情報生成部325と、を更に備え、画像生成部322は、締固め情報に基づいて締固め範囲画像Iを生成し、締固め範囲画像Iを、撮像画像Jに重畳した重畳画像Kを生成する。これにより、作業者は、コンクリートの締固めの程度をリアルタイムで視認しながら、コンクリートの締固め作業を行うことができる。このため、コンクリートの締固め作業を容易に行うことができる。
【0122】
以上、本発明の実施形態に係るコンクリート床版の切断方法、削孔方法、削孔装置について詳細に説明したが、前述した又は図示した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
【符号の説明】
【0123】
100 :コンクリート締固めシステム
1 :バイブレータ
11 :バイブレータ本体
11a :先端部
12 :接続ホース
13 :動力源
14 :抜差検出部
15 :制御部
2 :端末装置
20 :筐体
21 :取得部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :出力部
201 :CPU
202 :ROM
203 :RAM
204 :保存部
205 :I/F
206 :I/F
207 :I/F
208 :I/F
209 :I/F
210 :内部バス
211 :カメラ部
212 :端末情報取得部
213 :位置情報取得装置
214 :慣性計測ユニット
215 :入力部
216 :表示部
3 :管理装置
301 :CPU
302 :ROM
303 :RAM
304 :保存部
307 :I/F
308 :I/F
309 :I/F
310 :内部バス
311 :演算部
315 :入力部
316 :表示部
321 :演算部
322 :画像生成部
324 :区画設定部
325 :情報生成部
326 :計時部
30 :筐体
31 :取得部
32 :制御部
33 :記憶部
34 :出力部
4 :公衆通信網
6 :取付冶具
61 :取付部
62 :保持部
63 :調整機構
64 :防振材